JP4923782B2 - 燃料遮断弁 - Google Patents
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Description
しかし、ロールオーバーバルブのように小さい通路面積の接続通路を遮断する場合には、ゴム弁体の外周部を十分に撓ませることが難しく、高いシール性を得ることができないという問題があった。
燃料タンクの上部に装着され、上記燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、
上記燃料タンク内と上記接続通路とを連通する弁室と、上記接続通路に面して設けられ上記弁室側に環状に突出したシール部とを有するケーシングと、
上記弁室内に収納され上記燃料タンク内の燃料液位に応じて昇降するフロートと、該フロートの上部に形成された弁支持部と、該弁支持部に装着され上記シール部に着離することで上記接続通路を開閉する可撓性のシート部材とを有するフロート機構と、
上記シート部材が上記シール部に着座した状態にて、上記シート部材の撓み量を規制する規制部と
を備え、
上記シート部材は、上記シール部に着離するシート面および該シート面の外周部に沿って形成された弾性変形部を有するシート部と、上記弾性変形部の外周部から突設された被支持部とを有し、上記シート部、上記弾性変形部および上記被支持部によりカップ形状に形成され、
上記弁支持部は、上記カップ形状のシート部材を支持する支持突出部を有しており、該支持突出部は、上記フロートの上部から突出した支持基部と、該支持基部の上部に形成された円板部と、該円板部の外周部から上方へ突設された円筒部とを有し、上記円板部と上記円筒部とで囲まれることで形成された撓み用スペースとを有し、
上記撓み用スペースは、上記シール部の外径より大きな内径を有し、上記シート面が上記シール部に着座したときに、上記シール部が入り込むように形成され、
上記規制部は、上記ケーシングの内壁から突設されかつ上記シール部の外周部を囲むように形成された突部であり、上記シール部が上記シート面の外周部に着座したときに、該規制部が上記シート面の外周部の上面に当たることで、上記シート面が上記撓み用スペースの底に当たるのを規制するように形成されていること、を特徴とする。
(1) 燃料遮断弁10の概略構成
図1は本発明の第1実施例にかかる自動車の燃料タンクFTの上部に取り付けられる燃料遮断弁10を示す側面図、図2は燃料遮断弁10の平面図、図3は図2の3−3線に沿った断面図である。図1において、燃料タンクFTは、その表面がポリエチレンを含む複合樹脂材料から形成されており、そのタンク上壁FTaに取付穴FTbが形成されている。このタンク上壁FTaには、燃料遮断弁10がその下部を取付穴FTbに突入した状態にて取り付けられている。燃料遮断弁10は、車両の傾斜時や揺動時に燃料タンクFT内の燃料がキャニスタへ流出することを規制するものである。
図3において、燃料遮断弁10は、ケーシング20と、フロート機構50と、スプリング70とを主要な構成として備えている。ケーシング20は、ケーシング本体30と、底板35と、蓋体40とを備え、ケーシング本体30と底板35とにより囲まれたスペースが弁室30Sになっており、この弁室30Sにスプリング70に支持されたフロート機構50が収納されている。
次に、燃料遮断弁10の動作について説明する。図3において、燃料タンクFT内で燃料の蒸発により発生した燃料蒸気は、連通孔35b、通気孔32aを通じて弁室30S内に入り、弁室30Sから、接続通路31b、蓋側通路42aを通じて、キャニスタ側へ逃がされる。そして、車両の傾斜などにより燃料タンクFT内の燃料液位が上昇すると、燃料は連通孔35bを通じて弁室30Sに流入する。そして、図9に示すように燃料液位が所定の液位FL1に達すると、フロート51の浮力およびスプリング70の荷重による上方への力と、フロート51およびシート部材55の自重による下方への力との釣り合いによって、前者が後者を上回ったときにフロート51が上昇する。このとき、図10に示すようにシート部材55は、シール部31cによって押されることにより撓み用スペース53Sに向けて湾曲するように弾性変形して、シート部材55のシート面56aが接続通路31bを閉じる。このとき、シート部材55の上面が規制部31dに当たってフロート51の上昇が規制されるから、シート部材55がシール部31cによってそれ以上伸ばされることがない。
上記実施例の燃料遮断弁10の構成により、以下の効果を奏する。
図12および図13は第2実施例にかかる燃料遮断弁10Bを示す断面図である。本実施例は、弁支持部53Bの構成に特徴を有する。すなわち、フロート51Bには、下方に開口した浮力室51BSが形成されている。また、フロート51Bの上部には、弁支持部53Bを構成する支持突出部54Bが円筒状に突設されている。支持突出部54Bの上端は、抜止拡張部54Beになっている。支持突出部54Bの軸心には、浮力室51BSと接続される貫通孔52Bが形成されている。貫通孔52Bの上部のスペースは、撓み用スペース53BSになっている。また、支持突出部54Bの側部には、貫通孔52Bに接続される空気抜き用の透孔54Bfが形成されている。シート部材55Bは、シート面56Baおよび弾性変形部56Bbから形成されたシート部56Bと、シート部56Bの外周部から突設された被支持部57Bとを備えている。被支持部57Bは、弾性変形部56Bbより厚肉に突設された側壁部57Baと、側壁部57Baの下端に突設され弁支持部53Bの抜止拡張部54Beに係合する抜止部57Bbとを備えている。この構成により、図13に示すように、燃料遮断弁10Bの閉弁時に、シート部材55Bがシール部31Bcに着座したときに弾性変形部56Bbにて低荷重で弾性変形して弁支持部53Bの撓み用スペース53BS内に向けて撓み、高いシール性を得ることができる。
図14および図15は第3実施例にかかる燃料遮断弁10Cを示す断面図である。本実施例は、弁支持部53Cおよびシート部材55Cの構成に特徴を有する。すなわち、フロート51Cには、下方に開口した浮力室51CSが形成されている。フロート51Cの上部中央には、浮力室51CSに連結される貫通孔52Cが形成されている。フロート51Cの上部には、弁支持部53Cが形成されている。弁支持部53Cは、貫通孔52Cの開口周縁部から中心に突出した周壁である。貫通孔52Cの上部のスペースは、撓み用スペース53CSになっている。シート部材55Cは、シート面56Caおよび弾性変形部56Cbから形成されたシート部56Cと、シート部56Cの外周部から下方へ突設された被支持部57Cとを備えている。被支持部57Cは、弾性変形部56Cbより厚肉に突設された側壁部57Caと、側壁部57Caの下端に外方へ突設された抜止部57Cbと、側壁部57Caの上端に外方へ突設された支持部57Ccとを備えている。被支持部57Cを弁支持部53Cに圧入することにより、側壁部57Caが弁支持部53Cに嵌合するとともに、抜止部57Cbが弁支持部53Cの下面に係合することにより、弁支持部53Cが支持部57Ccと抜止部57Cbとにより挟持された状態にて、シート部材55Cが弁支持部53Cに装着される。本実施例によると、第1および第2実施例と比べて、弁支持部53Cがフロート51Cの上面から突出していないので、フロート51Cの高さを低くできる。
(1) 図16は参考例にかかるシート部材55Dの付近を示す断面図である。シート部材55Dは、シート部56Dの中央部でありかつシート面56Daの裏面側に薄肉部56Dcを設けて弾性変形部56Dbの弾性変形を容易にしている。
10B...燃料遮断弁
10C...燃料遮断弁
20...ケーシング
30...ケーシング本体
30a...開口
30S...弁室
31...天井壁部
31a...通路形成突部
31b...接続通路
31c...シール部
31Bc...シール部
31Cc...シール部
31Kc...シール部
31d...規制部
31Gd...規制部
31K...天井壁部
31L...天井壁部
32...側壁部
32a...通気孔
32b...係合穴
32c...係合爪
35...底板
35a...係合爪
35b...連通孔
35c...スプリング支持部
40...蓋体
41...蓋本体
42...管体部
42a...蓋側通路
43...フランジ
43a...外側溶着部
44...支持部
44a...係合穴
50...フロート機構
51...フロート
51B...フロート
51C...フロート
51L...フロート
51a...上壁部
51b...側壁
51c...ガイド突条
51S...浮力室
51BS...浮力室
51CS...浮力室
51Ld...規制部
52B...貫通孔
52C...貫通孔
53...弁支持部
53B...弁支持部
53C...弁支持部
53S...撓み用スペース
53BS...撓み用スペース
53CS...撓み用スペース
53FS...撓み用スペース
54...支持突出部
54B...支持突出部
54C...支持突出部
54a...支持基部
54b...円板部
54c...円筒部
54d...液抜き溝
54Be...抜止拡張部
54Bf...透孔
55...シート部材
55B...シート部材
55C...シート部材
55D...シート部材
55E...シート部材
55F...シート部材
55G...シート部材
55H...シート部材
55J...シート部材
55K...シート部材
55L...シート部材
55S...装着用スペース
56...シート部
56B...シート部
56C...シート部
56D...シート部
56E...シート部
56F...シート部
56G...シート部
56K...シート部
56a...シート面
56Ba...シート面
56Ca...シート面
56Da...シート面
56Ea...シート面
56Fa...シート面
56Ga...シート面
56b...弾性変形部
56Bb...弾性変形部
56Cb...弾性変形部
56Db...弾性変形部
56Eb...弾性変形部
56Fb...弾性変形部
56Gb...弾性変形部
56Dc...薄肉部
56Ed...厚肉部
56Fd...厚肉部
57...被支持部
57B...被支持部
57C...被支持部
57G...被支持部
57H...被支持部
57J...被支持部
57a...側壁部
57Ba...側壁部
57Ca...側壁部
57Ha...側壁部
57b...抜止部
57Bb...抜止部
57Cb...抜止部
57Hc...薄肉部
57Jd...スリット
58K...規制部
70...スプリング
FT...燃料タンク
FTa...タンク上壁
FTb...取付穴
Claims (5)
- 燃料タンク(FT)の上部に装着され、上記燃料タンク(FT)内と外部とを接続する接続通路(31b)を開閉することで燃料タンク(FT)と外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、
上記燃料タンク(FT)内と上記接続通路(31b)とを連通する弁室(30S)と、上記接続通路(31b)に面して設けられ上記弁室(30S)側に環状に突出したシール部(31c)とを有するケーシング(20)と、
上記弁室(30S)内に収納され上記燃料タンク(FT)内の燃料液位に応じて昇降するフロート(51)と、該フロート(51)の上部に形成された弁支持部(53)と、該弁支持部(53)に装着され上記シール部(31c)に着離することで上記接続通路(31b)を開閉する可撓性のシート部材(55)とを有するフロート機構(50)と、
上記シート部材(55)が上記シール部(31c)に着座した状態にて、上記シート部材(55)の撓み量を規制する規制部(31d)と
を備え、
上記シート部材(55)は、上記シール部(31c)に着離するシート面(56a)および該シート面(56a)の外周部に沿って形成された弾性変形部(56b)を有するシート部(56)と、上記弾性変形部(56b)の外周部から突設された被支持部(57)とを有し、上記シート部(56)および上記被支持部(57)によりカップ形状に形成され、
上記弁支持部(53)は、上記カップ形状のシート部材(55)を支持する支持突出部(54)を有しており、該支持突出部(54)は、上記フロート(51)の上部から突出した支持基部(54a)と、該支持基部(54a)の上部に形成された円板部(54b)と、該円板部(54b)の外周部から上方へ突設された円筒部(54c)とを有し、上記円板部(54b)と上記円筒部(54c)とで囲まれることで形成された撓み用スペース(53S)とを有し、
上記撓み用スペース(53S)は、上記シール部(31c)の外径より大きな内径を有し、上記シート面(56a)が上記シール部(31c)に着座したときに、上記シール部(31c)が入り込むように形成され、
上記規制部(31d)は、上記ケーシング(20)の内壁から突設されかつ上記シール部(31c)の外周部を囲むように形成された突部であり、上記シール部(31c)が上記シート面(56a)の外周部に着座したときに、該規制部(31d)が上記シート面(56a)の外周部の上面に当たることで、上記シート面(56a)が上記撓み用スペース(53S)の底に当たるのを規制するように形成されていること、
を特徴とする燃料遮断弁。 - 請求項1に記載の燃料遮断弁において、
上記規制部(31d)は、上記シール部(31c)の中心を囲むように周方向に複数配置されている燃料遮断弁。 - 請求項1に記載の燃料遮断弁において、
上記円板部(54b)には、上記撓み用スペース(53S)内と該弁支持部(53)の外側とを接続する液抜き溝(54d)が形成されている燃料遮断弁。 - 燃料タンクの上部に装着され、上記燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、
上記燃料タンク内と上記接続通路とを連通する弁室と、上記接続通路に面して設けられ上記弁室側に環状に突出したシール部(31Bc)とを有するケーシングと、
上記弁室内に収納され上記燃料タンク内の燃料液位に応じて昇降するフロート(51B)と、該フロート(51B)の上部に形成された弁支持部(53B)と、該弁支持部(53B)に装着され上記シール部(31Bc)に着離することで上記接続通路を開閉する可撓性のシート部材(55B)とを有するフロート機構と、
上記シート部材(55B)が上記シール部(31Bc)に着座した状態にて、上記シート部材(55B)の撓み量を規制する規制部と
を備え、
上記シート部材(55B)は、上記シール部(31Bc)に着離するシート面(56Ba)および該シート面(56Ba)の外周部に沿って形成された弾性変形部(56Bb)を有するシート部(56B)と、上記弾性変形部(56Bb)の外周部から突設された被支持部(57B)とを有し、上記シート部(56B)および上記被支持部(57B)によりカップ形状に形成され、
上記弁支持部(53B)は、上記フロート(51B)の上部から円筒状に突設され、上記カップ形状のシート部材(55B)を支持する支持突出部(54B)を有しており、
上記フロート(51B)は、下方に開口した浮力室(51BS)と、上記支持突出部(54B)を貫通しかつ上記浮力室(51S)と上記フロート(51B)の外側とを接続する貫通孔(52B)とを備え、
上記貫通孔(52B)の上部のスペースは、上記シール部(31Bc)の外径より大きな内径を有する撓み用スペース(53BS)であり、
上記撓み用スペース(53BS)は、上記シート面(56Ba)が上記シール部(31Bc)に着座したときに、上記シール部(31Bc)が入り込むように形成され、
上記規制部は、上記ケーシングの内壁から突設されかつ上記シール部(31Bc)の外周部を囲むように形成された突部であり、上記シート面(56Ba)の外周部に当たることで、上記シート部材(55B)の撓み量を規制するように形成されていること、
を特徴とする燃料遮断弁。 - 燃料タンクの上部に装着され、上記燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、
上記燃料タンク内と上記接続通路とを連通する弁室と、上記接続通路に面して設けられ上記弁室側に環状に突出したシール部(31Cc)とを有するケーシングと、
上記弁室内に収納され上記燃料タンク内の燃料液位に応じて昇降するフロート(51C)と、該フロート(51C)の上部に形成された弁支持部(53C)と、該弁支持部(53C)に装着され上記シール部(31Cc)に着離することで上記接続通路を開閉する可撓性のシート部材(55C)とを有するフロート機構と、
上記シート部材(55C)が上記シール部(31Cc)に着座した状態にて、上記シート部材(55C)の撓み量を規制する規制部と
を備え、
上記シート部材(55C)は、上記シール部(31Cc)に着離するシート面(56Ca)および該シート面(56Ca)の外周部に沿って形成された弾性変形部(56Cb)を有するシート部(55C)と、上記弾性変形部(56Cb)の外周部から突設された被支持部(57C)とを有し、上記シート部(56C)および上記被支持部(57C)によりカップ形状に形成され、
上記フロート(51C)は、下方に開口した浮力室(51CS)と、該フロート(51C)を貫通しかつ上記浮力室(51CS)と上記フロート(51C)の外側とを接続する貫通孔(52C)とを備え、
上記弁支持部(53C)は、上記貫通孔(52C)の開口周縁部に形成され、
上記被支持部(57C)は、上記貫通孔(52C)に嵌合する側壁部(57Ca)と、該側壁部(57Ca)の下部に形成され上記開口周縁部の下部に係合する抜止部(57Cb)とを有し、
上記規制部は、上記ケーシングの内壁から突設されかつ上記シール部(31Cc)の外周部を囲むように形成された突部であり、上記シート面(56Ca)の外周部に当たることで、上記シート部材(55C)の撓み量を規制するように形成されていること、
を特徴とする燃料遮断弁。
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