JP4923359B2 - 青色光回折素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、青色光回折素子、およびこれを製造するための重合性液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶分子中に重合性官能基を付与した重合性液晶化合物(以下、重合性液晶モノマともいう。)は、重合性モノマとしての性質と液晶としての性質を併有する。したがって、重合性液晶モノマを配向させた状態で重合させると、配向が固定化された重合体、すなわち高分子液晶が得られる。こうして得られる高分子液晶は、液晶性骨格の屈折率異方性に基づく光学異方性を有し、液晶配向状態の制御により特殊な特性も付与できるため、位相差フィルムや偏光ホログラム等の光学素子に応用されている。
【0003】
このような重合性液晶モノマのなかでも、特に光重合性官能基を有する光重合性液晶モノマは、光を照射して重合させることで、簡単に高分子液晶を作製できる優れた化合物である。
【0004】
この高分子液晶を用いた偏光ホログラムは、特開平11−211905号公報に記載があるように、その偏光依存性に優れることにより高い光利用効率を発現する。このとき高分子液晶による格子間隙を充填材で満たし、充填材の屈折率と高分子液晶の常光屈折率を一致させると、0次の透過率が最大となる。更に、格子高さd、高分子液晶の屈折率異方性Δn、波長λとすると、Δn・d=λ/2を満たすとき、±1次の回折効率が最大となる。
【0005】
近年、光ディスクの大容量化を図るために光の短波長化が進んでいる。現在CD、DVDでは、波長780nmや650nmの半導体レーザ光が使用されているが、これらに続く次世代DVDでは、波長300〜450nmの青色レーザ光を用いるための光ディスクの開発が進んでいる。これに伴い光ヘッド内に用いられる光を回折する光学素子(以下、回折素子ともいう。)についても、青色光に対応できる、青色光回折素子用の高分子液晶(以下、材料ともいう。)の開発が必要となっている。
【0006】
回折素子用材料に求められる要件は、
(1)使用する光の透過特性に影響を及ぼす、光源の発振波長における材料のモル吸光係数が極力小さいこと
(2)特開平11−211905に記載のように複屈折率媒体の格子を形成し、高分子液晶の常光屈折率と等しい屈折率の透明充填材を充填することによって回折素子の一種である偏光ホログラムを作製する場合は、回折素子用材料と透明充填材の光学特性(屈折率および屈折率波長分散)が良く一致すること
である。
【0007】
従来のCD、DVD用の回折素子に用いられてきた高分子液晶は、一般的に、使用する光の波長帯域が450nm以下になると急激に屈折率が変化する。すなわち、屈折率波長分散が大きい材料である。また、屈折率の変化のしかたは、材料によって大きく異なる。次世代DVDにおいては波長が450nm以下の光を使用するため、従来の回折素子用材料では、
(イ)該材料と前記透明充填材の屈折率の整合が難しい。
(ロ)初期に設定した光源の発振波長がずれた場合、光の透過時には透過率の低下、光の回折時には高次回折光の発生による回折効率低下。
という問題があった。
【0008】
従来のCD、DVD用の回折素子に用いられてきた高分子液晶としては、素子の小型化高効率化を達成するために、高い屈折率および高い屈折率異方性を有するものが多く用いられてきた。一般的に、高屈折率の材料は屈折率波長分散が大きく、特に短波長になるほどその屈折率が大きくなる傾向がある。また一般的に、屈折率波長分散が大きい材料は、短波長における屈折率の上昇に伴い光の吸収も大きくなる。したがって、従来の回折素子用材料では、青色光などのような短波長の光の透過率が低いという問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、屈折率の波長分散が小さく、青色光の波長帯域(300〜450nm)での屈折率および光の吸収が小さい高分子液晶を用いた青色光回折素子およびこれを製造するための重合性液晶組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下式で表される飽和炭素環を有する重合性液晶化合物の少なくとも1種と、下式4で表される重合性液晶化合物の少なくとも1種と、を含む重合性液晶組成物を重合して得られる高分子液晶で形成された回折格子を有する、青色光回折素子を提供する。
【0012】
CH =CH−COO−Ph−OCO−Cy−R ・・・式3
中の記号は以下の意味を示す。
は、炭素数1〜8のアルキル基である。
Phは1,4−フェニレン基を、Cyはトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表す。
CH=CH−COO−Ph−OCO−Ph−R・・・式4
式4中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明における重合性液晶化合物は、重合性官能基とメソゲン骨格とを有する重合性液晶化合物であり、メソゲン骨格内に飽和炭素環または飽和ヘテロ環(以下、総称して飽和環ともいう。)を少なくとも1種含む。飽和環は、不飽和環より極性が小さいため、該重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を重合して得られる高分子液晶の屈折率および屈折率異方性は、飽和環を有さない高分子液晶と比較すると低い値となる。一般的に低屈折率の高分子液晶の波長分散は小さい。特に青色光などのような短波長の光において、本発明の高分子液晶は、飽和環を有さない高分子液晶の屈折率より小さい値となる。また一般的に屈折率波長分散が小さい材料は、短波長における屈折率上昇に伴う光の吸収の増加が小さい。
【0014】
飽和炭素環とは、炭素原子と水素原子とからなる飽和の環状化合物であり、環を構成する炭素原子の数は、3〜10であるのが好ましい。飽和ヘテロ環とは、炭素原子と水素原子とヘテロ原子とからなる飽和の環状化合物であり、環を構成する原子の数は3〜10であるのが好ましい。また、ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが挙げられる。飽和環としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ジオキサン環等が挙げられ、シクロヘキサン環が好ましい。これら環からなる2価の環基としては、下記のようなトランス−1,3−シクロペンチレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基がある。
【0015】
【化1】
Figure 0004923359
【0016】
シクロヘキサン環を有する液晶化合物、および該化合物を含む重合性液晶組成物は融点が低く、室温で安定した液晶相が発現しやすいため好ましい。
【0017】
本発明における飽和環を有する重合性液晶化合物は、化合物1であるのが好ましい。
【0018】
、E、E、Eは、それぞれ独立して2価の環基であり、存在する環のうち少なくとも1つは飽和炭素環または飽和ヘテロ環である。存在する環とはpが1の場合にEを含み、qが1の場合にEを含む、EおよびEをいう。環の水素原子の1個以上がフッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されていてもよい。
【0019】
具体的な2価の環基としては、トランス−1,3−シクロペンチレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,4−フェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基、2,5−ピリジンジイル基、2,5−ピリミジンジイル基、3,6−ピランジイル基などが挙げられる。好ましくは、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基である。
【0020】
化合物1が、置換されていてもよい1,4−フェニレン基を有する場合、該化合物は、広い温度範囲で液晶性を示すので好ましい。また、化合物1の2価の環基の水素原子が置換された場合、一般的に融点が低下し、特にフッ素原子に置換された場合は粘度が低下する。目的に応じて置換基は選択することができる。
【0021】
化合物1におけるスペーサ(Yは、短い方が重合後の高分子液晶が硬くなり、屈折率異方性の温度依存性が小さくなるので好ましい。m=0、Yが−CH−かつm=1〜6、または、Yが−CHCHO−かつm=1〜2、であることが好ましい。
【0022】
、Z、Z、Z、Zは、それぞれ独立して単結合、−O−、−OCO−、−COO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−、−C≡C−、―CH=CH−、−CHCH−、−N=CH−、−CH=N−または−N=N−であるが、なかでも単結合、−O−、−OCO−、−COO−、−CO−または−CHCH−であると、屈折率異方性が小さくなるので好ましい。特に単結合、−O−、−OCO−または−CHCH−であると、化合物1およびそれを含む組成物の融点が低くなるので好ましい。融点が低いと、該組成物は広い温度範囲で液晶性を発現するので好ましい。
【0023】
は、単結合、−COO−、−OCO−または−O−であり、−COO−が好ましい。
【0024】
は、水素原子またはメチル基であり、水素原子が好ましい。
【0025】
は置換基を有していてもよいアルキル基、水素原子、ハロゲン原子またはシアノ基であるが、なかでも水素原子がフッ素原子、塩素原子に置換されていてもよいアルキル基であると、化合物1は、融点が低くなり、かつ広い温度範囲で液晶性を発現するので好ましい。さらに、該化合物を含む組成物を重合させた高分子液晶は、屈折率異方性が低くなる。該アルキル基の中でも、炭素数が1〜10のものがより好ましい。
【0026】
化合物1としては、式2で表される化合物が好ましい。
CH=CR−X−E−Z−E−R・・・式2
、X、E、Z、E、Rは、それぞれ式1の場合と同じである。
【0027】
化合物1としては、例えば下記式3で表される化合物が好適である。
CH=CH−COO−Ph−OCO−Cy−R・・・式3
Phは基中の水素原子の1個以上が、フッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されていてもよい1,4−フェニレン基、Cyは基中の水素原子が置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、Rは炭素数1〜8のアルキル基を示す。以下に記載のPh、Cyも上記と同じ基を表す。
【0028】
具体的には4−(トランス−4’−n−プロピルシクロヘキシルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(トランス−4’−n−ブチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(トランス−4’−n−ペンチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(トランス−4’−n−ヘキシルシクロヘキシルカルボニルオキシ)フェニルアクリレートが好ましく例示される。
【0029】
本発明における重合性液晶組成物は、化合物1のほかに、化合物1以外の重合性液晶化合物、重合性非液晶化合物、非重合性液晶化合物、非重合性非液晶化合物(以下総称して、他の化合物ともいう。)を適宜加えて、所望の特性を有する組成物とすることが望ましい。飽和環を有する重合性液晶化合物の組成物中での割合は、10%(質量基準である。以下同じ。)以上が好ましい。10%以上であると、組成物の屈折率異方性が小さくなり、屈折率の波長分散が小さくなるので好ましい。より好ましくは、10〜90%である。
【0030】
他の化合物は、組成物中に10〜90%含むのが好ましく、1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0031】
重合性非液晶化合物および/または非重合性非液晶化合物を含む場合、該化合物の組成物中での割合は、該組成物が液晶性を有する範囲であればよく、特に限定されない。また、非重合性液晶化合物および/または非重合性非液晶化合物を含む場合、該化合物の組成物中での割合は、該組成物を重合させた高分子液晶が固体になる範囲であればよく、特に限定されない。
【0032】
他の化合物としては、例えば式4で表される重合性液晶化合物が融点が低く、屈折率異方性も低いことから好適である。
CH=CH−COO−Ph−OCO−Ph−R・・・式4
は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
【0033】
具体的には、4−(4’−n−プロピルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(4’−n−ブチルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(4’−n−ペンチルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(4’−n−ヘキシルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレートが好ましく例示される。
【0034】
また他の化合物としては、式5で表される重合性液晶化合物も融点が低く、広い温度範囲で液晶性を示すので好適である。
CH=CHCOO−Ph−OCO−Ph−OCOO−R・・・式5
は炭素数1〜8の直鎖状アルキル基を示す。
【0035】
具体的には4−(4’−(n−プロポキシカルボニルオキシ)ベンゾイルオキシ)フェニルアクリレート、4−(4’−(n−ブトキシカルボニルオキシ)ベンゾイルオキシ)フェニルアクリレート、4−(4’−(n−ペンチルオキシカルボニルオキシ)ベンゾイルオキシ)フェニルアクリレート、4−(4’−(n−ヘキシルオキシカルボニルオキシ)ベンゾイルオキシ)フェニルアクリレートが好ましく例示される。
【0036】
本発明における重合性液晶組成物は、より広い範囲で液晶相を示すことが望ましく、−30〜150℃、さらには−10〜120℃の温度範囲で液晶相を発現するよう調整されるのが好ましい。
【0037】
また本発明における重合性液晶組成物は、そのモル吸光係数が波長340nmにおいて5以下、さらには405nmにおいて0.1以下となるように組成が調整されるのが好ましい。
【0038】
本発明における高分子液晶は、該重合性液晶組成物を重合させることにより得られる。重合方法としては、光重合方法、熱重合方法などが挙げられ、光重合方法が好ましい。光重合法においては該重合性液晶組成物を配向させた状態で重合させることが好ましい。また、光重合する場合には、光重合開始剤を用いると効率よく重合できる。光重合開始剤としては特に限定されないが、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、ベンジル類、ミヒラーケトン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、チオキサントン類などが好ましく使用できる。該光重合開始剤は、1種類または2種類以上を使用できる。該光重合開始剤の使用量は、組成物に対して0.1〜10%が好ましく、特に0.3〜2%が好ましい。
【0039】
光重合に用いる光としては、紫外線または可視光線などが挙げられる。この際、重合性液晶組成物の支持体としては、ガラス、プラスチック等を使用できる。支持体表面には配向処理を施す。配向処理は、支持体表面を、綿、羊毛等の天然繊維、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維などで直接ラビングしてもよく、ポリイミド、ポリアミド等を塗布した後該塗布面を上記繊維等でラビングしてもよい。次にガラスビーズなどのスペーサを支持体表面に配置し、複数枚の支持体を、所望の間隔に制御して対向させ、支持体間に本発明における重合性液晶組成物を注入し、充填する。
【0040】
該重合性液晶組成物を配向させた状態で重合させるためには、重合時、該組成物を液晶状態に保つのが好ましい。液晶状態に保つためには、雰囲気温度を融点Tからネマチック相−等方相相転移点Tの範囲にすればよい。しかしTに近い温度では、屈折率異方性が極めて小さいので、雰囲気温度の上限は(T−10)℃以下とするのがより好ましい。
【0041】
本発明の高分子液晶は、波長400〜450nmの光における常光屈折率が1.6以下であると、使用する光の波長が450nm以下の場合、屈折率の急激な変化が少なく、モル吸光係数が小さい材料となるため好ましい。
【0042】
また本発明の高分子液晶は支持体に挟んだまま用いてもよく、支持体から剥離して用いてもよい。
【0043】
該重合性液晶組成物を配向させない状態で重合した場合には、得られた高分子液晶を配向させ、配向した高分子液晶で回折素子を作製する。たとえば、高分子液晶の溶液を配向処理された支持体表面に塗布して乾燥し、配向した高分子液晶からなるコーティング膜を形成することができる。
【0044】
こうして作製された高分子液晶は、本発明の青色光回折素子に好適であり、該青色光回折素子を用いて、光ヘッドを作製できる。本発明の青色光回折素子として、偏光ホログラム素子が挙げられる。この偏光ホログラム素子を、青色光源を有する光ヘッドに用いれば、光利用効率の高い青色光源用光ヘッドを作製できる。
【0045】
【実施例】
[例1:化合物1を含む液晶組成物の調整]
4−(4’−n−ブチルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート(下記化合物6、以下A1ともいう。)、4−(4’−n−ペンチルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート(下記化合物7、以下A2ともいう。)、4−(4’−n−ヘキシルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート(下記化合物8、以下A3ともいう。)、4−(トランス−4’−n−プロピルシクロヘキシルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート(下記化合物9、以下A4ともいう。)、4−(トランス−4’−n−ペンチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート(下記化合物10、以下A5ともいう。)を用いて組成物B1を作製した。組成物B1の組成比は質量比で、A1:A2:A3:A4:A5=0.2:0.2:0.2:0.2:0.2とした。
CH=CHCOOPh―OCO−Ph−C・・・式6
CH=CHCOOPh―OCO−Ph−C11・・・式7
CH=CHCOOPh―OCO−Ph−C13・・・式8
CH=CHCOOPh―OCO−Cy−C・・・式9
CH=CHCOOPh―OCO−Cy−C11・・・式10
この組成物B1は室温でネマチック液晶であり、Tcは71℃を示した。またこの組成物の25℃、589nmにおける屈折率異方性Δnは0.127であった。
【0046】
[例2:高分子液晶の調整]
5cm×5cm×0.5mmのガラス板に配向剤であるポリイミド溶液をスピンコータで塗布して乾燥した後、ナイロンクロスで一定方向にラビング処理して、支持体を作製した。該配向処理した面が向かい合うように2枚の支持体を接着剤を用いて貼り合わせてセル1を作製した。その際、接着剤にガラスビーズを混入させ、支持体の間隔が3μmになるように調整した。
【0047】
例1の組成物B1に光重合開始剤「イルガキュアー907(チバガイギー社製)」を組成物に対して0.2%添加したものを、セル1に70℃で注入した。次に30℃で80mW/cmの強度の紫外線を積算光量が5300mJ/cmとなるよう照射し、光重合を行い、高分子液晶D1を作製した。高分子液晶D1の各波長における屈折率を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004923359
【0049】
[例3(比較例):化合物1を含まない高分子液晶の調整]
4−アクリロイルオキシ−4’−シアノビフェニル(下記化合物11、以下A6ともいう。)、4−(3−アクリロイルオキシプロピル)オキシ−4’−シアノビフェニル(下記化合物12、以下A7ともいう。)、4−(4’−n−ブチルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート(下記化合物13、以下A8ともいう。)、4−(4’−n−ペンチルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート(下記化合物14、以下A9ともいう。)を用いて組成物B2を作製した。組成物B2の組成比は質量比で、A6:A7:A8:A9=0.25:0.25:0.25:0.25とした。
CH=CHCOOPhPhCN・・・式11
CH=CHCOO(CHOPhPhCN・・・式12
CH=CHCOOPh―OCO−Ph−C・・・式13
CH=CHCOOPh―OCO−Ph−C11・・・式14
この組成物B2は室温でネマチック液晶であり、Tは71℃を示した。またこの組成物の25℃、589nmにおける屈折率異方性Δnは0.20であった。
【0050】
また組成物B2を用いること以外は例2と同様にして、高分子液晶D2を作製した。高分子液晶D2の各波長における屈折率を表2に示す。
【0051】
【表2】
Figure 0004923359
【0052】
飽和炭素環を有する化合物1を用いた例2の高分子液晶D1の方が、405nmにおける常光屈折率が1.6以下と低い値であり、屈折率の波長分散が小さいことがわかった。
【0053】
[例4:光学素子、光ヘッドへの応用]
5cm×5cm×0.5mmのガラス板に配向剤としてポリイミドをスピンコータで塗布して乾燥した後、ナイロンクロスで一定方向にラビング処理して、支持体を作製した。配向処理した面が向かい合うように2枚の支持体を接着剤を用いて貼り合わせてセル2を作製した。その際、接着剤にガラスビーズを混入させ、支持体の間隔が3μmになるように調整した。
【0054】
例1の組成物B1に光重合開始剤「イルガキュアー907(チバガイギー社製)」を組成物に対して0.2%添加したものを、セル2に70℃で注入した。次に25℃で紫外線を照射し光重合を行って高分子液晶D1を作製した。そして、一方の支持体を高分子液晶D1からはがした後、エッチングにより高分子液晶D1の格子を形成した。続いて格子の凹部を、波長405nmにおいて高分子液晶D1の常光屈折率と屈折率が一致する透明充填材(エンチオール系化合物)で満たし、青色光回折素子すなわち青色光用偏光ホログラムを作製した。このホログラムの波長405nmの光に対する往路0次の透過率は95%、復路±1次の回折効率は40%であった。
【0055】
[例5(比較例)]
組成物B1のかわりに組成物B2を用いること以外は例4と同様にして、偏光ホログラムを作製したところ、波長405nmの光に対する往路0次の透過率は80%、復路±1次の回折効率は20%であった。
【0056】
【発明の効果】
本発明の青色光回折素子に用いられる高分子液晶は、屈折率および屈折率波長分散が小さいため、青色光などの短波長の光においても、常光屈折率が小さい。したがって、本発明の青色光回折素子は、青色光源を用いる光ヘッド等の部品として好適である。

Claims (6)

  1. 下式で表される飽和炭素環を有する重合性液晶化合物の少なくとも1種と、下式4で表される重合性液晶化合物の少なくとも1種と、を含む重合性液晶組成物を重合して得られる高分子液晶で形成された回折格子を有する、青色光回折素子。
    CH =CH−COO−Ph−OCO−Cy−R ・・・式3
    中の記号は以下の意味を示す。
    は、炭素数1〜8のアルキル基である。
    Phは1,4−フェニレン基を、Cyはトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表す。
    CH=CH−COO−Ph−OCO−Ph−R・・・式4
    式4中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す
  2. 前記重合性液晶組成物が、前記飽和炭素環を有する重合性液晶化合物を、組成物中に10%(質量基準である。)以上含む請求項1に記載の青色光回折素子。
  3. 前記高分子液晶が、重合性液晶組成物を配向させた状態で紫外光または可視光を照射することにより重合させて得られるものである、請求項1または2に記載の青色光回折素子。
  4. 前記高分子液晶が、波長400〜450nmの光における常光屈折率が1.6以下の高分子液晶である、請求項1〜のいずれかに記載の青色光回折素子。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の青色光回折素子を製造するための当該請求項記載の重合性液晶組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の青色光回折素子を用いてなる光ヘッド。
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