JP4922653B2 - カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents
カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4922653B2 JP4922653B2 JP2006121036A JP2006121036A JP4922653B2 JP 4922653 B2 JP4922653 B2 JP 4922653B2 JP 2006121036 A JP2006121036 A JP 2006121036A JP 2006121036 A JP2006121036 A JP 2006121036A JP 4922653 B2 JP4922653 B2 JP 4922653B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- color filter
- coloring composition
- pigment
- coating
- ether
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
スピンコート法は、比較的小サイズの基板への薄膜形成に広く用いられている方法であり、透明基板を一定の回転数で回転させながら、透明基板中心部に塗布液を滴下し、遠心力によって塗布液を薄く延ばし、その塗布液に適した透明基板の回転数や回転時間等を制御することにより、所望の膜厚の塗膜を透明基板の表面に形成する塗布方法である。しかしながら、回転による遠心力を利用し塗膜を薄く延ばすという原理に起因し、透明基板の回転中心部分および周辺部分の塗布膜厚が、その中間部分に比べて厚くなりすぎるという欠点がある。
基板のサイズが大きい場合は、スピンコート法のような基板を回転させる方式では、装置に対する負荷が大きいため、ダイコート法が採用されている。
特許文献2および3では高沸点の溶剤を含有させることで、塗布液が乾燥・固化するのを防止し、凝集物を発生させない方法が開示されている。
特許文献4には、高沸点の溶剤を含有させることによって、塗膜乾燥プロセスを経た後でも塗膜の粘着性(タック性)が解消されない欠点に対して、蒸発速度が特定の範囲内にある溶剤組成とする方法が述べられている。
膜厚ムラ:膜厚の均一性が不十分であることを意味し、「膜厚均一性(端部)=端面部の膜厚均一性」と「膜厚均一性(端部以外)=基板中央から端面手前までの均一性」の2つに分類される。
スジムラ:「横スジムラ=ダイコート方式においてスリットの進行方向にたいして垂直方向に発生するスジ状のムラ」と、「縦スジムラ=ダイコート方式においてスリット開口部の凝集物に起因するスリットの進行方向へのスジ状のムラ」の2つに分類される。
タック性の残存:「自然乾燥、加熱による乾燥または減圧乾燥といった塗膜乾燥プロセスを経たあとでも塗膜の粘着性が解消されない欠点。」
本発明は、スピンコート方式およびダイコート法による塗布物の塗膜に観察される欠点を低減したカラーフィルタ用着色組成物、及びこれを用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタの提供を目的とする。
条件(1)
測定温度:25℃
測定ギャップ:100μm
ジオメトリー:60mmφフラットプレート
また、「チキソ性」が特定の範囲にあるため、基板上に塗布した塗膜が適度な流動性を有し塗布ムラが低減される。更に「高剪断条件下における粘度」が特定の範囲にあるため、塗膜の平滑化が得られやすく均一な膜厚が得られる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、有機溶剤の全量を基準として5重量%以上95%重量%以下のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと、5重量%以上95%重量%以下のジエチレングリコールジエチルエーテルを含むため、塗膜の乾燥速度が遅くなり塗布ムラが低減されて膜厚が均一になる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる色素担体と、色素と、有機溶剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、下記条件(1)において測定される剪断速度10〜30/秒の範囲から選ばれた任意の点における剪断速度と、それに対応する剪断応力の値に基づきCasson式により算出された降伏値が0〜0.3mPaの範囲であることを特徴とする。
条件(1)
測定温度:25℃
測定ギャップ:100μm
ジオメトリー:60mmφフラットプレート
(1)塗布時:高剪断の状態において低粘度であること。
(2)放置時:流動性がある状態が長く維持されることが望ましいので、降伏値が低いこと。
(3)搬送時:流動性が高いことが望ましいので、チキソ性が低いこと。
√S = a√D + b
S:剪断応力 D:剪断速度 a,b:定数
bの二乗:降伏値
降伏値が低い方が着色組成物の流動性が高く塗膜が平滑化されやすいので好ましい。
以上の状況を鑑み、本発明者らは以下の条件(1)を選択した。
条件(1)
測定温度:25℃
測定ギャップ:100μm
ジオメトリー:60mmφフラットプレート
降伏値は、条件(1)において測定される剪断速度10〜30/秒の範囲から選ばれた任意の点における剪断速度と、それに対応する剪断応力の値に基づいてCasson式を用いて算出することができる。任意の点は少なくとも3点あることが好ましい。任意の点は多い方がより正確な値が得られる傾向があり好ましいが、少ないからといって必ずしも精度が悪いわけではない。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には有機溶剤が用いられる。有機溶剤を含有することにより顔料が色素担体中に充分に分散され、ガラス等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるような塗布が容易にでき、良好なフィルタセグメントが形成できる。
有機溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらは単独で、もしくは混合して用いることができる。
また、透明樹脂の種類により透明樹脂と溶剤との相溶性が悪くなる場合は、有機溶剤の全量を基準として90重量%を超えない範囲で、例えばシクロヘキサノンなどの、該当する樹脂との相溶性を高める有機溶剤を含有させると良い。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物で用いられる色素担体は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成される。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域における透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。
透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂等が挙げられる。透明樹脂の前駆体としては、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーまたはオリゴマーが挙げられ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物で用いられる色素としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。顔料のなかでは、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。
以下に、本発明のカラーフィルタ用着色組成物に好ましく使用できる有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272等の赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物には、黄色顔料、オレンジ顔料を併用することができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。緑色着色組成物には黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができる。青色着色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等の青色顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、カラーフィルタ用着色組成物中の色素100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
貯蔵安定剤としては、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,5ジ−tert−ブチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、tert−ブチル−βベンゾキノン、tert−ブチルハイドロキノン2,5ジフェニル−p−ベンゾキノンなどのハイドロキノン系化合物、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィンなどのホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどのホスファイト化合物、t−ブチルピロカテコールなどが挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の色素100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、色素を、必要に応じて上記顔料分散剤及び光重合開始剤等と共に色素担体および有機溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、2種以上の色素を含むカラーフィルタ用着色組成物は、各色素を別々に色素担体および有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤のいずれでも構わない。また、界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、着色組成物中の色素100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜5重量部の割合で用いることができる。色素100重量部に対して0.01重量部より少ない場合、基板に形成した薄膜の端部の膜厚均一性が悪くなる場合がある。また、色素100重量部に対して10重量部より多い場合、塗布液の泡立ちなどの弊害が発生する。
つぎに、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
カラーフィルタは、基板上にフィルタセグメントを具備するものであり、例えば、ブラックマトリックスと、赤色、緑色、青色のフィルタセグメントとを備えることができる。前記フィルタセグメントは、スピンコート方式またはダイコート方式によって本発明の着色組成物を塗布することにより、基板上に形成される。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
なお、実施例および比較例中、「部」および「%」とは「重量部」および「重量%」をそれぞれ意味する。
まず、実施例および比較例で用いたアクリル樹脂溶液の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
メタクリル酸 20.0部
メチルメタクリレート 10.0部
ブチルメタクリレート 55.0部
2‐ヒドロキシエチルメタクリレート 15.0部
アゾビスイソブチロニトリル 4.0部
滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けてアクリル樹脂溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し赤顔料分散体を作製した。
赤用顔料:ジケトピロロピロール系顔料(C.I. Pigment Red 254) 9.95部
(チバガイギー社製「イルガフォーレッドB−CF」)
アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177) 1.58部
(チバガイギー社製「クロモフタールレッドA2B」)
アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Yellow 199) 0.47部
(チバガイギー社製「クロモフタールエローGT-AD」)
計12.0部
顔料分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース20000」) 2.40部
アクリル樹脂溶液 25.6部
シクロヘキサノン 60.0部
赤顔料分散体 38.0部
アクリル樹脂溶液 14.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート 3.98部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 1.65部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.15部
シクロヘキサノン 2.22部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20.0部
ジエチレングリコールジエチルエーテル 20.0部
表1に示した各実施例および各比較例の色に相当する顔料と有機溶剤を以下の中から選択した。また、顔料、顔料分散剤、アクリル樹脂、モノマー、光重合開始剤、増感剤、有機溶剤の配合量を表1に示す割合(着色組成物全量を100とした重量部、溶剤分及び顔料分100に対する割合)に変更した以外は、実施例1と同様にして各レジスト材として調整した着色組成物を得た。
(チバガイギー社製「イルガフォーレッドB−CF」)
アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177) 0.60部
(チバガイギー社製「クロモフタールレッドA2B」)
アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Yellow 199) 0.18部
(チバガイギー社製「クロモフタールエローGT-AD」)
計4.56部
緑用顔料:ハロゲン化銅フタロシアニン系顔料(C.I. Pigment Green 36) 2.90部
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)
ニッケルアゾ錯体系顔料(C.I. Pigment Yellow 150) 1.55部
(ランクセス社製「E4GN」) 計4.45部
青用顔料:ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6) 4.50部
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
条件(1)
測定温度:25℃
測定ギャップ:100μm
ジオメトリー:60mmφフラットプレート
降伏値:剪断速度が10〜30/秒の範囲から選ばれた150点の剪断速度と、これに対応する剪断応力の値に基づきCasson式により算出した。
チキソ性:回転速度が0.1ラジアン/秒の時の粘度η0.1と1ラジアン/秒の時の粘度η1.0との比η0.1/η1.0
高剪断時の粘度:剪断速度が30000/秒の時の粘度
ダイコート方式については、塗布液をセットし10分以内に塗工した基板(=初期塗工基板)と、塗布液がスリットに付着した状態で2時間放置し塗工した基板(=放置後塗工基板)を作成し、それぞれ比較した。
以下、評価項目および結果の表し方について記載する。それぞれの評価結果においての判定は、○は良好レベル、△は使用には差し支えないレベル、×は使用には好ましくないレベルとした。
ダイコートについては初期塗工基板について評価した。
膜厚均一性(端部):塗布塗膜の短辺端中央より基板中心方向に3cmまで3mmおきに膜厚を測定した。最大膜厚をTmax、最小膜厚をTmin、平均膜厚をTavgとし、下式(1)により塗膜外周部の盛上りの程度を膜厚均一性として算出した。
膜厚均一性[%]=((Tmax−Tmin)/(Tavg×2))×100・・・・(1)
膜厚均一性(端部以外):塗布基板の基板中央より対角線方向に26cmまで2cmおきに膜厚を測定した。上記同様に上式(1)により膜厚均一性(端部以外)を算出した。
いずれの膜厚均一性[%]も、5%以下であることが好ましく、2%以下であれば均一性が十分高いと判断出来る。5%を超える場合を×、2%を超え5%以下を△、2%以下を○とした。
<ダイコート方式のみ>
「縦スジムラ」:放置後塗工基板について、白色透過光を介して目視によって評価した。スジムラが観察されない場合を○、スジムラが僅かに観察された場合を△、スジムラが酷い場合を×とした。
「横スジムラ」:初期塗工基板について、白色透過光を介して目視によって評価した。スジムラが観察されない場合を○、スジムラが僅かに観察された場合を△、スジムラが酷い場合を×とした。
<塗工方式に関係なし>
(タック性の解消)
ダイコートの初期塗工基板をJIS-K5600に準じて評価した。全くタックが認められない場合は○、僅かにタックが認められる場合は△、顕著にタックが認められる場合を×とした。
それぞれの評価結果を表2に示す。
比較例1のレジスト材は、降伏値が本発明の範囲外であると共にチキソ性が好ましい範囲から外れているものであるが、塗膜の均一性やスジムラにおいて良い結果が得られなかった。特に、縦スジムラの発生は高沸点溶剤であるジエチレングリコールジエチルエーテルを含んでいなかったことも要因のひとつであると考えられる。
比較例2のレジスト材は、降伏値が本発明の範囲外である共にチキソ性及び高剪断時の粘度も好ましい範囲から外れているものである。縦スジムラが発生しなかったのは高沸点溶剤であるプロピレングリコールジアセテートを含んでいたためと思われるが、横スジムラ及び塗膜の均一性において良い結果が得られなかった。
Claims (4)
- 透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる色素担体と、色素と、有機溶剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、
下記条件(1)において測定される、
<1>剪断速度10〜30/秒の範囲から選ばれた剪断速度と剪断応力の値に基づきCasson式により算出された降伏値が0〜0.3mPaの範囲であり、
<2>回転速度が0.1ラジアン/秒の時の粘度η0.1と、1ラジアン/秒の時の粘度η1.0との比η0.1/η1.0が、1.00以上1.08以下の範囲であり、
<3>剪断速度30000/秒の粘度が6mPa・s以下であって、
かつ有機溶剤の全量を基準として5重量%以上95重量%以下のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと、6.25重量%以上41.67重量%以下のジエチレングリコールジエチルエーテルを含み、
有機溶剤が、さらにシクロヘキサノンを含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
条件(1)
測定温度:25℃
測定ギャップ:100μm
ジオメトリー:60mmφフラットプレート - さらに樹脂型分散剤を含むことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 請求項1または2に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項1または2に記載のカラーフィルタ用着色組成物を、スピンコート方式またはダイコート方式によって基板上に塗布してフィルタセグメントを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006121036A JP4922653B2 (ja) | 2006-04-25 | 2006-04-25 | カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006121036A JP4922653B2 (ja) | 2006-04-25 | 2006-04-25 | カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007293050A JP2007293050A (ja) | 2007-11-08 |
JP4922653B2 true JP4922653B2 (ja) | 2012-04-25 |
Family
ID=38763732
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006121036A Expired - Fee Related JP4922653B2 (ja) | 2006-04-25 | 2006-04-25 | カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4922653B2 (ja) |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06348023A (ja) * | 1993-06-03 | 1994-12-22 | Nippon Kayaku Co Ltd | 顔料を含むカラーフィルター用レジストの塗布方法 |
JP4302075B2 (ja) * | 1997-02-28 | 2009-07-22 | 三菱化学株式会社 | ブラックマトリックス形成用ブラックレジスト組成物 |
JPH11344614A (ja) * | 1998-06-02 | 1999-12-14 | Toray Ind Inc | カラーフィルターとその製造方法およびカラー液晶表示装置 |
JP2000056126A (ja) * | 1998-06-02 | 2000-02-25 | Toray Ind Inc | カラ―フィルタ用ペ―ストとこれを用いたカラ―フィルタの製造方法およびカラ―液晶表示装置 |
JP2003138223A (ja) * | 2001-08-21 | 2003-05-14 | Mitsubishi Chemicals Corp | 硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置 |
JP4108303B2 (ja) * | 2001-08-23 | 2008-06-25 | 三菱化学株式会社 | 硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置 |
JP4443848B2 (ja) * | 2003-03-31 | 2010-03-31 | 新日鐵化学株式会社 | カラーフィルター用レジスト材料及びカラーフィルター |
JP4627617B2 (ja) * | 2003-05-23 | 2011-02-09 | 東洋インキ製造株式会社 | 着色組成物、カラーフィルタの製造方法およびブラックマトリックス基板の製造方法 |
JP4725122B2 (ja) * | 2004-02-16 | 2011-07-13 | 三菱化学株式会社 | 硬化性樹脂組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 |
JP4398753B2 (ja) * | 2004-02-23 | 2010-01-13 | 東洋インキ製造株式会社 | カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ |
-
2006
- 2006-04-25 JP JP2006121036A patent/JP4922653B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007293050A (ja) | 2007-11-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4835210B2 (ja) | カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 | |
JP4627617B2 (ja) | 着色組成物、カラーフィルタの製造方法およびブラックマトリックス基板の製造方法 | |
JP4553128B2 (ja) | 着色組成物、それを用いたカラーフィルタおよびその製造方法 | |
JP5707105B2 (ja) | カラーフィルタ用黄色着色組成物及びカラーフィルタ | |
JP5201821B2 (ja) | 着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタ | |
JP2009217241A (ja) | カラーフィルタ用緑色着色組成物およびカラーフィルタ | |
JP5478214B2 (ja) | カラーフィルタ用緑色着色レジスト、着色層、カラーフィルタ、及び液晶表示装置 | |
JP2007286205A (ja) | カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ | |
JP4456562B2 (ja) | 着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタ | |
JP4918211B2 (ja) | カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ | |
JP5075510B2 (ja) | 着色組成物およびそれを用いたカラーフィルタ | |
JP2007138135A (ja) | 赤色着色組成物および照度センサー用カラーフィルタ | |
JP4674048B2 (ja) | カラーフィルタ形成用着色組成物およびカラーフィルタ | |
JP2007163911A (ja) | 着色組成物およびカラーフィルタ | |
JP5648557B2 (ja) | カラーフィルタ用青色着色組成物、およびカラーフィルタ | |
JP5176430B2 (ja) | スピンコート用着色組成物を用いて形成されたカラーフィルタ | |
JP4922653B2 (ja) | カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 | |
JP5381286B2 (ja) | カラーフィルタ用青色着色組成物およびカラーフィルタ | |
JP2007161872A (ja) | 着色組成物およびカラーフィルタ | |
JP2012188475A (ja) | 顔料分散剤、それを用いた顔料組成物、着色組成物およびカラーフィルタ | |
JP2010061150A (ja) | カラーフィルタ用赤色着色組成物およびカラーフィルタ | |
JP2006258892A (ja) | カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ | |
JP4972953B2 (ja) | カラーフィルタおよびカラーフィルタ用着色組成物 | |
JP5410183B2 (ja) | カラーフィルタ用緑色着色組成物、及びカラーフィルタ | |
JP4973451B2 (ja) | カラーフィルタ用青色着色組成物およびカラーフィルタ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090109 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110209 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110215 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110412 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110614 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110804 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111025 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111205 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120131 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120206 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |