JP4921421B2 - 金属張積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る金属張積層体は、金属箔層と、該金属箔層に積層されたポリイミド樹脂層と、を備えたものである。
金属張積層体は、ポリイミド樹脂層の片面又は両面に金属箔層を有する。図1(a)は、片面に金属箔を有する片面金属張積層体の積層構造の一例を示している。片面金属張積層体1aは、金属箔層11とポリイミド樹脂層12とを有している。片面金属張積層体1aは、金属箔とポリイミドフィルム(またはポリイミド積層体)とを貼り合わせて積層するか、あるいは、金属箔にポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸溶液(ポリイミド前駆体溶液)を塗布した後、乾燥、イミド化して樹脂層12を形成することにより得られる。
本発明において導電層に使用される金属箔としては、例えば、鉄箔、ニッケル箔、ベリリウム箔、アルミニウム箔、亜鉛箔、インジウム箔、銀箔、金箔、スズ箔、ジルコニウム箔、ステンレス箔、タンタル箔、チタン箔、銅箔、鉛箔、マグネシウム箔、マンガン箔及びこれらの合金箔が挙げられる。これらのなかでも、銅箔(銅合金箔を含む)が適する。ここでいう「銅箔」とは、銅又は銅を主成分とする銅合金の箔を言う。好ましくは銅含有率が90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上の銅箔である。銅箔は、クロム、ジルコニウム、ニッケル、シリコン、亜鉛、ベリリウム等の金属を含有していてもよい。また、これらの金属が2種類以上含有される合金箔であっても良い。
本発明の金属張積層体におけるポリイミド樹脂層12の態様は、特に限定されるものではなく、単離の樹脂フィルムであってもよく、シート、皮膜等であってもよい。また、ポリイミド樹脂層12は、単層にかぎらず、例えば基材に、1層以上のポリイミドフィルムの層が積層したポリイミド積層体でもよい。なお、ここでいう「基材」とは金属箔、シート状の樹脂、樹脂フィルム等をいう。ポリイミド積層体は、接着性が乏しい樹脂フィルム(以下、「ベース層」ともいう)の片面又は両面に接着性を有する樹脂フィルム(以下、「接着性樹脂層」ともいう)を形成してなる複数層の樹脂フィルムを含む構成のものであってもよい。
本実施の形態に係る金属張積層体(1aまたは1b)は、ポリイミド樹脂層12となるべきポリイミドフィルム(またはポリイミド積層体)に、金属箔層11(または11aもしくは11b)となるべき金属箔20の粗化層30および防錆層40が形成された側の面を重ね合わせ、熱圧着することによって作製することができる。その方法は特に制限されず、適宜公知の方法を採用することが出来る。金属箔20とポリイミドフィルム(またはポリイミド積層体)を貼りあわせる方法としては、例えば、通常のハイドロプレス、真空タイプのハイドロプレス、オートクレーブ加圧式真空プレス、連続式熱ラミネータ等が挙げられる。これらの中でも、十分なプレス圧力が得られ、残存揮発分の除去も容易に行うことができ、更に金属箔20の酸化を防止できる、といった利点が得られる真空ハイドロプレスや連続式熱ラミネータを用いることが好ましい。
以上のように、防錆層40中の深さ方向におけるCrの存在分布が工夫された金属張積層体1a,1bは、金属箔層11とポリイミド樹脂層12との接着強度に優れている。そのため、金属張積層体1a,1bを回路配線の製造に使用することにより、細線の接着強度を確保することができ、配線の微細回路化における細線の破断、剥離等の種々のトラブル発生を抑制できる。したがって、高密度化、超微細配線化する電子回路材の要求に答え、信頼性の高い電子回路材の提供が可能である。特に、熱圧着によって金属張積層体を製造した場合には、金属箔層11とポリイミド樹脂層12との面内のピール強度のばらつきを抑制できるので、上記作用効果が特に顕著に奏される。また、金属張積層体1a,1bでは、金属箔20の防錆層40におけるクロム総量を抑制しているので、エッチング特性も良好であり、特にエッチング時間を短縮できる点で加工性に優れている。従って、金属張積層体1a,1bは、エッチングによりにより配線パターンを形成するフレキシブルプリント基板、配線一体型サスペンションなどに有利に適用できる。
配線一体型HDDサスペンションへの適用例:
本実施の形態に係る金属張積層体は、3層以上の層(例えば第1の金属箔/ポイリミド樹脂層/第2の金属箔)を有する両面金属張積層体とすることにより、例えばハードディスク装置用の配線一体型サスペンション等の用途に好適に利用できる。ここで、図3を参照して、本実施の形態の金属張積層体を用いて製造される配線一体型HDDサスペンションの構成の一例について説明する。図3は、配線一体型HDDサスペンションの平面図である。この配線一体型HDDサスペンションは、磁気ヘッドを含むスライダを、記録媒体に対向するように弾性的に支持するものである。
積層構造2:M1/A1/B1/B2/B3/A2/M2
積層構造3:M1/A1/B1/B2/B3/A2/M2
積層構造4:M1/A1/B1/C/B2/A2/M2
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BTDA:3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
APB:1,3-ビス-(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
MABA:4,4’−ジアミノ−2’-メトキシベンズアニリド
DAPE:4,4’-ジアミノジフェニルエーテル
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
レーザー顕微鏡(キーエンス社製、型式:VK−8500)を用いて、JIS B−0601に準拠し、カットオフ値0.25mm、測定長2mmとして測定した。
色差計(Hunter社製、型式Mini Scan XE)を用いて、JIS Z 8722に準拠して測定した。
X線光電子分光分析装置(PHI社製、Quantum2000型)を用いて、X線源としてAlKα(1486.6eV)、X線出力として15kV、25W、分析室真空度2.7×10−7Torrの測定条件下で、測定領域を100μmφ、防錆層の表面から深さ方向に10nmまでを測定した。単位はatom%である。また、この測定値より単位面積当りの付着量をグラム換算して求めることもでき、単位はμg/cm2として算出した。
液温40℃の1N硫酸溶液に浸漬し、粗化層(塊状銅箔層)が完全に溶解するまでの時間を目視観察により計測した。
長さ25mm、幅3.2mmの試料について、JIS−6471に規定される方法に従って、試料の端からポリイミド層と銅箔層とを剥離していき、そのときの応力を測定した。剥離角度は90度、剥離速度は50mm/分とした。
縦型熱膨張計(真空理工(株)製DL−7000型(商品名))を用いて、ステンレス箔を室温から400℃まで20℃/分の速度で昇温し、その温度で5分間保持した後、20℃/分の速度で冷却した。そして、冷却時の400℃から50℃までの平均熱膨張係数を算出し、これをステンレス箔の線熱膨張係数とした。
熱機械的分析装置(セイコーインスツル(株)製)を用いて、ポリイミド樹脂層を255℃まで20℃/分の速度で昇温し、その温度で10分間保持した後、5℃/分の速度で冷却した。そして、冷却時の240℃から100℃までの平均熱膨張係数を算出し、これをポリイミド樹脂層の線熱膨張係数とした。
粘弾性アナライザー(レオメトリックサイエンスエフィー株式会社製RSA−11)を用いて、合成例から得られたポリイミドフィルムを10mm幅に切り出したサンプルを用いて、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の、損失正接(Tanδ)の極大から求めた。
幅12.7mm×長さ254mmの短冊形状試験片を切り出し、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ-R1)を用いて、クロスヘッドスピード50mm/min、チャック間距離50.8mmにて測定を行い、引張試験中の変位(伸び)を求め、SS曲線から0.2%耐力を算出した。
銅箔をアセトンで脱脂後、硫酸10%、過酸化水素5%の混酸からなるソフトエッチング液にて粗化処理部を落とした後、長さ300mm×幅10mmの短冊試験片を切り出し、20℃の恒温室にて横川北辰電機株式会社製精密級低電圧用電流電位差計を用いて導電率の測定を行なった。
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながらAPB29.5g(0.1モル)をDMAc367gに溶解させた。次に、この溶液に、窒素気流中でPMDA9.1g(0.04モル)及びBTDA20.2g(0.06モル)を加えた。その後、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液Aを得た。
得られたポリイミド前駆体樹脂液Aを、ステンレス基板の上に塗布し、130℃で5分間乾燥し、15分かけて360℃まで昇温させてイミド化を完了させ、ステンレス基材に積層されたポリイミド樹脂層を得、この樹脂層をステンレス基材から剥離することで、厚み25μmの熱可塑性のポリイミドフィルムA’を得た。このフィルムのガラス転移温度は、218℃であった。
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながらMABA20.7g(0.08モル)をDMAc343gに溶解させた。次に、この溶液に、窒素気流中でPMDA28.5g(0.13モル)及びDAPE10.3g(0.05モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液Bを得た。
得られたポリイミド前駆体樹脂液Bを、ステンレス基材の上に塗布し、130℃で5分間乾燥し、15分かけて360℃まで昇温させてイミド化を完了させ、ステンレス基材に積層されたポリイミド樹脂層を得、この樹脂層をステンレス基材から剥離することで、厚み25μmの非熱可塑性のポリイミドフィルムB’を得た。このフィルムの線熱膨張係数は、14.6×10−6(1/K)であった。
市販のポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名:カプトンEN、100mm×100mm×25μm厚さ、CTE16×10-6/K)の一方の面に合成例1で得たポリイミド前駆体樹脂液Aを、イミド化後の厚みが2μmとなるようにアプリケータを用いて塗布し、130℃で5分間乾燥し、15分かけて360℃まで昇温させてイミド化を完了し、非熱可塑性ポリイミド樹脂層の上に熱可塑性ポリイミド樹脂層が積層したポリイミドフィルム1を得た。
得られたポリイミドフィルム1の熱可塑性ポリイミド樹脂層側と、銅箔1(日鉱金属社製、商品名:NK−120S、圧延銅合金箔、厚み12μm、引張強度520MPa、導電率75%、粗化面のRz1.7μm、ΔE42、粗化層厚み1.9μm、防錆層表面から深さ2nmまでの平均Cr量6.6atom%、防錆層表面から深さ7nmまでの平均Cr量3.3atom%)の粗化面側の面を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧150kg/cm2、温度320℃、プレス時間20分の条件で熱圧着し、金属張積層体1を得た。銅箔とポリイミド樹脂層のピール強度は1.78kN/mであった。また、粗化層をエッチング除去するために要した時間は、5分であった。結果を表1に示す。
なお、銅箔1のCrリッチ層は、防錆層表面から深さ2.3nmまでの範囲に存在しており、防錆層表面から0.9nmの深さにおいてCr量が最大の7.3atom%であった。また、防錆層表面から10nmの深さ地点において、Cr量は0.0atom%であった。
合成例2で得たポリイミド前駆体樹脂液Bを、ステンレス基材の上にイミド化後の厚みが25μmとなるようにアプリケータを用いて塗布し、130℃で5分間乾燥して、ポリアミド酸層を形成した。このポリアミド酸層の上に、合成例1で得たポリイミド前駆体樹脂液Aを、イミド化後の厚みが2μmとなるようにアプリケータを用いて塗布し、130℃で5分間乾燥し、15分かけて360℃まで昇温させてイミド化を完了し、ポリイミド樹脂層2を得た。得られたポリイミド樹脂層2をステンレス基材から剥離することで、ポリイミドフィルム2を得た。
得られたポリイミドフィルム2の熱可塑性ポリイミド樹脂層側と、銅箔2(日鉱金属社製、商品名:NK−120S、圧延銅合金箔、厚み12μm、引張強度520MPa、導電率75%、粗化面のRz1.6μm、ΔE42、粗化層厚み1.8μm、防錆層表面から深さ2nmまでの平均Cr量6.3atom%、防錆層表面から深さ7nmまでの平均Cr量3.4atom%)の粗化面側の面を重ね合わせ、実施例1と同様の条件で熱圧着し、金属張積層体2を得た。銅箔とポリイミド樹脂層のピール強度は1.90kN/mであった。また、粗化層をエッチング除去するために要した時間は、5分であった。結果を表1に示す。
なお、銅箔2のCrリッチ層は、防錆層表面から深さ2.3nmまでの範囲に存在しており、防錆層表面から1.1nmの深さにおいてCr量が最大の7.1atom%であった。また、防錆層表面から10nmの深さ地点において、Cr量は0.0atom%であった。
合成例1で得たポリイミド前駆体樹脂液Aを、ステンレス箔1(新日本製鐵株式会社製、SUS304、H−TA、厚み20μm、CTE17×10-6/K)にイミド化後の厚みが2μmとなるようにアプリケータを用いて塗布し、130℃で5分間乾燥した後、さらにその上に合成例2で得たポリイミド前駆体樹脂液Bを、イミド化後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃で5分間乾燥して、ポリアミド酸層を形成した。このポリアミド酸層の上に、合成例1で得たポリイミド前駆体樹脂液Aを、イミド化後の厚みが2μmとなるように塗布し、130℃で5分間乾燥し、15分かけて360℃まで昇温させてイミド化を完了し、ステンレス箔層、ポリイミド樹脂層で構成されるポリイミド積層体3を得た。
得られたポリイミド積層体3のポリイミド樹脂層側と、銅箔3(日鉱金属社製、商品名:NK−120S、圧延銅合金箔、厚み12μm、引張強度520MPa、導電率75%、粗化面のRz1.7μm、ΔE43、粗化層厚み1.9μm、防錆層表面から深さ2nmまでの平均Cr量5.9atom%、防錆層表面から深さ7nmまでの平均Cr量2.6atom%)の粗化面側の面を重ね合わせ、実施例1と同様の条件で熱圧着し、金属張積層体3を得た。銅箔とポリイミド樹脂層のピール強度は1.86kN/mであった。また、粗化層をエッチング除去するために要した時間は、5分であった。結果を表1に示す。なお、銅箔3のCrリッチ層は、防錆層表面から深さ1.5nmまでの範囲に存在しており、防錆層表面から0.7nmの深さにおいてCr量が最大の6.5atom%であった。また、防錆層表面から10nmの深さ地点において、Cr量は0.0atom%であった。
実施例3における銅箔3の代わりに、銅箔4(日鉱金属社製、商品名:NK−120S、圧延銅合金箔、厚み12μm、引張強度520MPa、導電率75%、粗化面のRz1.6μm、ΔE42、粗化層厚み1.8μm、防錆層表面から深さ2nmまでの平均Cr量5.8atom%、防錆層表面から深さ7nmまでの平均Cr量2.6atom%)を使用した以外は、実施例3と同様にして、金属張積層体4を得た。銅箔とポリイミド樹脂層のピール強度は1.88kN/mであった。また、粗化層をエッチング除去するために要した時間は、5分であった。結果を表1に示す。
なお、銅箔4のCrリッチ層は、防錆層表面から深さ1.9nmまでの範囲に存在しており、防錆層表面から0.9nmの深さにおいてCr量が最大の6.5atom%であった。また、防錆層表面から10nmの深さ地点において、Cr量は0.0atom%であった。
実施例3における銅箔3の代わりに、銅箔5(日鉱金属社製、商品名:NK−120S、圧延銅合金箔、厚み12μm、引張強度520MPa、導電率75%、粗化面のRz1.8μm、ΔE43、粗化層厚み2.0μm、防錆層表面から深さ2nmまでの平均Cr量5.3atom%、防錆層表面から深さ7nmまでの平均Cr量3.4atom%)を使用した以外は、実施例3と同様にして、金属張積層体5を得た。銅箔とポリイミド樹脂層のピール強度は1.89kN/mであった。また、粗化層をエッチング除去するために要した時間は、5分であった。結果を表1に示す。
なお、銅箔5のCrリッチ層は、防錆層表面から深さ3.1nmまでの範囲に存在しており、防錆層表面から1.9nmの深さにおいてCr量が最大の6.1atom%であった。また、防錆層表面から10nmの深さ地点において、Cr量は0.0atom%であった。
実施例3における銅箔3の代わりに、銅箔6(日鉱金属社製、商品名:NK−120S、圧延銅合金箔、厚み12μm、引張強度520MPa、導電率75%、粗化面のRz1.9μm、ΔE46、粗化層厚み2.1μm、防錆層表面から深さ2nmまでの平均Cr量5.5atom%、防錆層表面から深さ7nmまでの平均Cr量3.5atom%)を使用した以外は、実施例3と同様にして、金属張積層体6を得た。銅箔とポリイミド樹脂層のピール強度は2.10kN/mであった。また、粗化層をエッチング除去するために要した時間は、5〜6分であった。結果を表1に示す。
なお、銅箔6のCrリッチ層は、防錆層表面から深さ1.9nmまでの範囲に存在しており、防錆層表面から0.9nmの深さにおいてCr量が最大の7.3atom%であった。また、防錆層表面から10nmの深さ地点において、Cr量は0.0atom%であった。
合成例1で得たポリイミド前駆体樹脂液Aを、銅箔7(日鉱金属社製、商品名:NK−120S、圧延銅合金箔、厚み12μm、引張強度520MPa、導電率75%、粗化面のRz1.5μm、ΔE40、粗化層厚み1.7μm、防錆層表面から深さ2nmまでの平均Cr量6.3atom%、防錆層表面から深さ7nmまでの平均Cr量3.0atom%)の粗化面側にイミド化後の厚みが2μmとなるようにアプリケータを用いて塗布し、130℃で5分間乾燥した後、さらにその上に合成例2で得たポリイミド前駆体樹脂液Bを、イミド化後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃で5分間乾燥し、15分かけて360℃まで昇温させてイミド化を完了し、金属張積層体7を得た。銅箔とポリイミド樹脂層のピール強度は1.78kN/mであった。また、粗化層をエッチング除去するために要した時間は、4〜5分であった。結果を表1に示す。
実施例1における銅箔1の代わりに、銅箔8(日鉱金属社製、商品名:NK−120S、圧延銅合金箔、厚み12μm、引張強度520MPa、導電率75%、粗化面のRz1.6μm、ΔE42、粗化層厚み1.8μm、防錆層表面から深さ2nmまでの平均Cr量4.8atom%、防錆層表面から深さ7nmまでの平均Cr量4.3atom%を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体8を得た。銅箔とポリイミド樹脂層のピール強度は1.45kN/mであった。また、粗化層をエッチング除去するために要した時間は、5分であった。結果を表1に示す。
実施例1における銅箔1の代わりに、銅箔9(日鉱金属社製、商品名:NK−120S、圧延銅合金箔、厚み12μm、引張強度520MPa、導電率75%、粗化面のRz1.5μm、ΔE42、粗化層厚み1.7μm、防錆層表面から深さ2nmまでの平均Cr量4.8atom%、防錆層表面から深さ7nmまでの平均Cr量4.3atom%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体9を得た。銅箔とポリイミド樹脂層のピール強度は1.48kN/mであった。また、粗化層をエッチング除去するために要した時間は、5分であった。結果を表1に示す。
実施例1における銅箔1の代わりに、銅箔10(日鉱金属社製、商品名:NK−120S、圧延銅合金箔、厚み12μm、引張強度520MPa、導電率75%、粗化面のRz2.0μm、ΔE47、粗化層厚み2.2μm、防錆層表面から深さ2nmまでの平均Cr量4.4atom%、防錆層表面から深さ7nmまでの平均Cr量3.8atom%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体10を得た。銅箔とポリイミド樹脂層のピール強度は1.55kN/mであった。また、粗化層をエッチング除去するために要した時間は、7分であった。結果を表1に示す。
実施例1における銅箔1の代わりに、銅箔10(日鉱金属社製、商品名:NK−120S、圧延銅合金箔、厚み12μm、引張強度520MPa、導電率75%、粗化面のRz2.4μm、ΔE52、粗化層厚み2.6μm、防錆層表面から深さ2nmまでの平均Cr量4.5atom%、防錆層表面から深さ7nmまでの平均Cr量3.8atom%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体10を得た。銅箔とポリイミド樹脂層のピール強度は2.33kN/mであった。また、粗化層をエッチング除去するために要した時間は、10分であった。結果を表1に示す。
Claims (4)
- 金属箔層と、該金属箔層に積層されたポリイミド樹脂層と、を備えた金属張積層体であって、
前記金属箔層は、
前記ポリイミド樹脂層に接合される面が、10点平均粗さ(Rz)で1.4μm以上1.9μm以下の範囲内の粗化面であると共に、該粗化面に、亜鉛とクロムとを含有し、表面から2nmの厚さ範囲内に存在する平均Cr量が5.0atom%以上である防錆層を有する金属箔を用いて形成されてなることを特徴とする金属張積層体。 - 前記防錆層は、表面から7nmの厚さ範囲内に存在する平均Cr量が2.2atom%以上4.0atom%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の金属張積層体。
- 前記防錆層は、表面からの深さが2nm以上10nm以下の範囲内の厚さで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の金属張積層体。
- 金属箔層と、該金属箔層に積層されたポリイミド樹脂層と、が熱圧着されてなる金属張積層体の製造方法であって、
前記金属箔層に用いる金属箔として、前記ポリイミド樹脂層に接合される面が、10点平均粗さ(Rz)で1.4μm以上1.9μm以下の範囲内の粗化面であると共に、該粗化面に、亜鉛とクロムとを含有し、表面から2nmの厚さ範囲内に存在する平均Cr量が5.0atom%以上の範囲内である防錆層を有する金属箔を用いることを特徴とする金属張積層体の製造方法。
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