JP4921411B2 - 金属材料の押出方法 - Google Patents

金属材料の押出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4921411B2
JP4921411B2 JP2008103358A JP2008103358A JP4921411B2 JP 4921411 B2 JP4921411 B2 JP 4921411B2 JP 2008103358 A JP2008103358 A JP 2008103358A JP 2008103358 A JP2008103358 A JP 2008103358A JP 4921411 B2 JP4921411 B2 JP 4921411B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
billet
ram
temperature
extrusion
set temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008103358A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009248188A (ja
Inventor
昌也 高橋
哲也 安藤
Original Assignee
株式会社住軽テクノ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社住軽テクノ filed Critical 株式会社住軽テクノ
Priority to JP2008103358A priority Critical patent/JP4921411B2/ja
Publication of JP2009248188A publication Critical patent/JP2009248188A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4921411B2 publication Critical patent/JP4921411B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Extrusion Of Metal (AREA)

Description

本発明は、金属材料の押出方法に係り、特に、押出の進行に伴って、ラムからビレットに対して加えられる押出荷重(ラム荷重)が一定の割合で減少するように、ビレットの設定温度を制御することによって、ダイスから押し出される押出製品の温度を一定にして、かかる押出材の品質を、高度に且つ安定して維持することのできる押出方法に関するものである。
従来から、アルミニウム合金や銅合金等の金属材料(ビレット)をダイスから押し出して、所望の断面形状とした押出材が、各種の用途において用いられている。そのような押出加工においては、ダイス出側の押出材温度が、その押出方向たる長手方向において変化してしまうことがある。例えば、コンテナ温度と略同程度の温度に均一加熱したビレットを用いて、一定の押出ラム速度で直接押出加工を行った場合、その押出が進むにつれて、ダイス出側の押出材温度が上昇する傾向がある。これは、押出加工中に、コンテナ内に収容されたビレットとコンテナ内壁面との間の摩擦により、ビレットの表層部(外周部)には大きな剪断変形が生じ、その発生熱量によってビレット温度が上昇し、押出加工の後半になる程、蓄熱により、ビレットの温度が高くなり、これに起因して、ダイス出側の押出材温度も、押出が進むにつれて上昇するようになるからである。
そこで、従来においては、ビレットをコンテナ内に収容する前の、ビレットを予熱する際に、ビレットの押出方向における後部側(ラム側)の温度を、前部側(ダイス側)の温度よりも予め低くするテーパ加熱手法を採用して、ビレット温度がダイス温度からラム側に向かって低下する傾斜温度分布をビレットに付与することにより、押出加工中の押出材温度の上昇を抑制するという手段が、広く採用されてきた。
しかしながら、かかるテーパ加熱手法を採用する場合、ビレットの前部と後部の温度差(テーパ量)は、ビレットの100mm長さ当たり10℃というように一律に決められていることが多く、各押出条件に応じたビレット分布温度(テーパ量)が決められていないために、実際には、押出加工中に押出材温度が上昇する場合や低下する場合がほとんどであり、押出加工中の押出材温度が常に一定になるような等温押出となることは、稀なことであった。
また、ビレット温度がコンテナ温度に比べて高すぎる場合には、ビレットからコンテナへの流出熱量が、コンテナ壁面付近のビレットの剪断変形による発生熱量を大きく上回るようになり、これにより、押出加工中にコンテナ内のビレット温度が低下し、ダイス出側の押出材温度が、押出の進行に伴って低下する場合もある。この場合、ビレットの押出方向における後部側(ラム側)の温度を、前部側(ダイス側)の温度よりも予め低くする上記テーパ加熱方法を採用しても、対処することができない。なお、押出加工中におけるビレット温度の低下を抑制するには、例えば、押出加工中に押出速度を増加せしめて、発生熱量を増大させる手法や、ビレットの押出方向における後部側(ラム側)の温度を、前部側(ダイス側)の温度よりも予め高くする逆テーパ加熱手法、ビレット温度を下げる手法が考えられるのであるが、それら手法の適正条件を見つけること自体が困難であるという問題がある。また、コンテナ温度を上げて、ビレット温度との相対的な温度差を縮小せしめる手法も考えられ得るのであるが、鋼製のコンテナの熱容量はビレットの熱容量の数十倍もあるところから、コンテナ温度を短時間で変更せしめることは極めて困難であったのである。
ところで、特許文献1(特開2004−25266号公報)や特許文献2(特開2005−219123号公報)には、ダイス出側の押出製品温度(押出材温度)を一定と為しつつ、押出加工中において製品温度が変化しないように制御する、金属材料の押出方法が提案されており、そこでは、ビレットの加熱温度、ラム速度、コンテナ温度、及び補正係数からなる押出条件式を満足するように、ビレットの加熱温度とラム速度とコンテナ温度が設定されている。
しかしながら、かかる特許文献1や特許文献2において採用される押出条件式の補正係数を決定するには、押出機に押出材温度を測定する放射温度計等の温度計を設置して、押出材温度を測定し、この押出材温度の実測値に基づいて、補正係数を計算する必要がある。このため、押出材温度の測定が不可能な場合、例えば、放射温度計の照準(測定位置)がダイス出側の押出材に合わない場合や押出機にダイス出側の押出材温度を測定する温度計が設置されていない場合等には、押出材温度の実測値が得られず、押出条件式の補正係数を決定することができないといった問題がある。
特開2004−25266号公報 特開2005−219123号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、金属材料の押出加工において、ダイス出側の押出材温度を測定する放射温度計等の温度計を用いることなく、ダイス出側の押出材温度が押出加工中において一定となるように、押出機における等温押出条件を簡単に設定できる手法を提供すること、また更に、押出加工中における押出材温度を一定にすることで、押出材の機械的特性を、その押出方向である長手方向において、高度に且つ安定して維持することのできる手法を提供することにある。
そして、本発明者等が更なる検討を重ねた結果、略一定のラム速度で直接押出加工を行う場合、押出の進行に伴って、ラム荷重が一律に減少するように、ビレットの設定温度を制御することによって、ダイス出側の押出材温度を測定しなくても、等温押出を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、所定の温度に加熱されたコンテナ内に金属ビレットを収容した後、かかるビレットをラムを介して押圧することにより、ダイスを通じて金属材料を押し出す方法において、前記金属ビレットとして、コンテナ挿入直前のビレットの軸方向及び径方向における温度が設定温度の±20℃以内となるように均一に加熱されたビレットを用いると共に、該ラムから該ビレットに対して加えられるラム荷重と、該押出の進行に伴って増大するラム移動量とを、それぞれ検出し、該検出されたラム荷重とラム移動量に基づいて、該ラム荷重が、該ラム移動量の増大に伴って減少し、且つ該ラムの移動量に対する該ラム荷重の変化割合:Lが実質的に一定となるように、前記ビレットの設定温度を制御することを特徴とする金属材料の押出方法を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従う金属材料の押出方法の好ましい態様の一つによれば、(A)前記ラム荷重が、前記ラム移動量の増大に伴って増加する場合には、前記ビレットの設定温度を低下させることにより、(B)前記ラム荷重が、前記ラム移動量の増大に伴って減少する場合には、ラムストロークの前半におけるラム荷重の変化割合:Lh と、ラムストロークの後半におけるラム荷重の変化割合:Lt とを算出して、該Lt に対する該Lh の比:Lh/Ltを求め、(b−1)Lh/Ltが、第一の閾値:α(但し、α<1)よりも小さい場合には、前記ビレットの設定温度を低下させることにより、(b−2)Lh/Ltが、第二の閾値:β(但し、β>1)よりも大きい場合には、前記ビレットの設定温度を上昇させることにより、(b−3)Lh/Ltが、該第一の閾値:α又は該第二の閾値:βと同じか、それらαとβの間にある場合には、前記ビレットの設定温度を維持することにより、前記ビレットの設定温度が制御されることとなる。
このように、本発明に従う金属材料の押出方法によれば、押出の進行に伴ってラム荷重が減少し、しかも、押出加工中におけるラム荷重の変化割合:Lが実質的に一定となるように、ビレットの設定温度を制御しているところから、コンテナ内に収容されたビレットの温度変化が効果的に抑制され、ひいては、ダイス出側の押出材温度が略一定温度に効果的に保たれ得るようになる。これにより、押出加工中において、押出材の温度変化が防止され、以て、押出材の長手方向(押出方向)における耐力等の機械的特性の変動が有利に抑制され、その結果として、押出材の品質が、高度に且つ安定して維持せしめられ得るようになるのである。
しかも、本発明においては、ダイス出側の押出材温度の測定値を何等使用することなく、ラム荷重とラム移動量とに基づいて、ビレットの設定温度を制御するようにしているところから、押出材温度の測定が不可能な場合であっても、つまり、ダイス出側の押出材温度を測定する放射温度計等の温度計を用いなくても、等温押出を有利に実現することができるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う金属材料の押出方法において採用される押出機のシステムの一実施形態が、概略的に示されている。そこにおいて、押出機10は、コンテナ12内に収容されたアルミニウム若しくはその合金や、銅若しくはその合金等の金属ビレット14を、その背後から、油圧シリンダ16によって駆動されるラム18の前進作動にて、押盤20を介して加圧することにより、ダイス22のダイス孔23を通じて、ダイス孔23の形状に対応した断面形状を有する押出材24が、ラム18の前進方向(ラム18のビレット14に対する押圧方向と同一の方向)に向かって、連続的に押し出されるように構成された、所謂、直接押出方式の押出機である。かかる直接押出方式の押出機10は、ビレット14がコンテナ12の内壁に対して相対的に移動するところから、コンテナ12の内壁付近のビレット14の部位に剪断変形が生じ、押出加工中に、加工熱や摩擦熱にて、ビレット14の温度が上昇しやすいものとなっている。
また、かかる押出機10には、コンテナ12の内部に、コンテナ12を加熱するためのコンテナヒータ13が設けられていると共に、コンテナ12内に収容する直前のビレット14を予め加熱するためのビレットヒータ26が、コンテナヒータ13とは別に設けられている。そして、ビレットヒータ26によって加熱されたビレット14が、コンテナヒータ13によって所定の温度に加熱されたコンテナ12内に挿入され得るようになっており、コンテナ12とビレット14とが適当な温度に加熱された状態で、ビレット14に対する押出加工が実施され得るようになっている。詳細には、所定の温度に加熱されたコンテナ12内に挿入されたビレット14は、押盤20を介してコンテナ12内に押し込まれたラム18によって押圧され、以て、製品形状のダイス孔23を通じて、目的とする形状の押出材24が押出成形され得るようになっている。
なお、本実施形態において、上記ビレット14としては、その軸方向及び径方向における温度が一定となるように、ビレットヒータ26で均一に加熱された均一加熱ビレットが採用される。ここで、ビレット14を均一加熱するビレットヒータ26としては、バッチ炉や誘導加熱炉等、従来から公知の加熱装置を使用することができ、例えば、バッチ炉でビレット14を予熱する場合には、ビレット14の温度を設定温度の±2℃の範囲で均一加熱することができる。また、誘導加熱炉でビレット14を予熱する場合には、ビレット14を急速に均一加熱することができる一方で、ビレット14の温度が、設定温度の±20℃の範囲で変動するおそれがある。本実施形態においては、そのようなビレットヒータ26の種類は限定されず、使用するビレットヒータ26により、ビレット14の温度は、コンテナ12への挿入直前において、設定温度の±20℃以内となるように調整される。
また更に、本実施形態においては、ラム18からビレット14に対して加えられるラム荷重:Fを検出するための、公知のラム荷重検出器28が、油圧シリンダ16に設置されていると共に、押出に伴って増大するラム移動量:dを検出するための、公知のラム位置検出器30が、ラム18に設置されており、それらの検出器28,30にて、それぞれ、ラム荷重:Fとラム移動量:dが逐次に検出され得るようになっている。
そして、本実施形態においては、ラム荷重検出器28で検出されたラム荷重:Fと、ラム位置検出器30で検出されたラム移動量:dとが、ビレット14の設定温度の制御を行う演算装置32に入力せしめられ、それら入力されたラム荷重:Fとラム移動量:dに基づいて、ビレット14の設定温度が演算装置32内で演算されて、ビレット14の設定温度、つまり、ビレット14を加熱するビレットヒータ26の設定温度が制御され得るようになっているのである。
より具体的には、本実施形態では、演算装置32が、ラム荷重変化割合計算部34とビレット設定温度算出部36とを有して、構成されており、かかるラム荷重変化割合計算部34に、ビレット14の押出加工中において、ラム荷重検出器28で検出されたラム荷重:Fと、ラム位置検出器30で検出されたラム移動量:dとが、逐次入力され、そしてその入力されたラム荷重:Fとラム移動量:dとから、ラムの移動量に対する該ラム荷重の変化割合:Lが計算されるようになっている。また、その計算されたラム荷重変化割合:Lは、ビレット設定温度算出部36に入力されて、かかるビレット設定温度算出部36で、等温押出条件に近づくように、つまり、本実施形態では、ラム荷重変化割合:Lが実質的に一定となるように、ビレット設定温度が決定され、この決定されたビレット設定温度が、次に押出加工が施されるビレット14の設定温度として、ビレットヒータ26に出力されるようになっている。
ここにおいて、上記演算装置32のラム荷重変化割合計算部34で行われる演算式としては、例えば、以下に示されるの3つ演算式、具体的には、ラムストローク全体におけるラム荷重の変化割合:Lht(N/mm)を計算する計算式(1)、ラムストローク前半(押出前半)におけるラム荷重の変化割合:Lh (N/mm)を計算する計算式(2)、及びラムストローク後半(押出後半)におけるラム荷重の変化割合:Lt (N/mm)を計算する計算式(3)が、採用されることとなる。
ht=(F1−F3)/(d3−d1) ・・・(1)
h =(F1−F2)/(d2−d1) ・・・(2)
t =(F2−F3)/(d3−d2) ・・・(3)
上記(1)〜(3)式中、d1 、d2 、及びd3 は、それぞれ、ラム移動量(ラム位置、mm)を示している。具体的には、d1 は、ラムストローク前半におけるラム移動量、即ち、押出初期ラム移動量を示し、押出開始から終了までのラムの最大移動量(ラムストローク量):dmax のP%のときのラム移動量である。また、d2 は、ラムストローク中間におけるラム移動量、即ち、押出中期ラム移動量を示し、ラムの最大移動量:dmax の50%のときのラム移動量である。更に、d3 は、ラムストローク後半におけるラム移動量、即ち、押出後期ラム移動量を示し、ラムの最大移動量:dmax のQ%のときのラム移動量である。一方、上記(1)〜(3)式中、F1 、F2 、及びF3 は、それぞれ、d1 、d2 、及びd3 におけるラム荷重を示している。なお、ここにおいて、上記P及びQの値は、実機調整の際に適宜に設定され得ることとなるが、押出開始直後と押出終了直前は、非定常部となるため、一般に、Pについては、10〜30%の範囲内で、またQについては、70〜90%の範囲内で、適宜に設定されることとなる。
そして、上記演算装置32のラム荷重変化割合計算部34で行われた演算結果は、ビレット設定温度算出部36に入力されることとなる。その際、上記(1)式に基づいて計算された、ラムストローク全体におけるラム荷重の変化割合:Lht(N/mm)が、下記(4)式を満たす場合(零又は負の値となった場合)には、押出の進行に伴って、換言すれば、ラム移動量の増大に伴って、ラム荷重に変化がないか、若しくはラム荷重が増加していることがわかる。
ht≦0 ・・・(4)
ここで、ラム荷重とコンテナ12に収容されたビレット14の温度との関係について、詳述することとするが、アルミニウムやその合金、銅やその合金の押出では、一般に、ビレット14とコンテナ12の間に潤滑剤を用いないことから、押出加工中、ビレット14は、コンテナ12の内壁面に固着する。このため、押盤20でビレット14を進行方向前方に押し込むと、コンテナ12の内壁面付近のビレット表層部に、剪断変形が生じることとなる。この際、ビレット14の長さをA(mm)、コンテナ12の内径をB(mm)、円周率をπ、ビレット14の剪断応力をτ(MPa)とすると、ビレット14とコンテナ12との剪断摩擦による押出荷重:Fs (N)は、下記(5)式で表される。
s=τ・π・B・A ・・・(5)
なお、上記(5)式中、ビレット14の剪断応力:τ(MPa)は、ビレット14の温度に依存する。例えば、押出加工中、コンテナ12内のビレット14の温度が一定である場合には、τも一定となり、その結果、上記(5)式より、Fs (N)も一定値となる。また、押出加工中、コンテナ12内のビレット14の温度が上昇する場合には、ビレット14の変形抵抗の低下により、τ(MPa)は減少し、以て、Fs (N)も減少する。また一方、押出加工中、コンテナ12内のビレット14の温度が低下する場合には、ビレット14の変形抵抗の増加により、τ(MPa)は増加し、以て、Fs (N)も増加するのである。
また、直接押出加工において、等温押出を行う場合には、通常、ラム荷重が押出の進行に伴って減少することとなる。これは、押出が進むにつれて、コンテナ12内のビレット14の長さ:Aが小さくなって、ビレット14とコンテナ12との剪断摩擦による上記押出荷重:Fs(N)が減少するからである。このため、ラム荷重の変化割合:L(Lht、Lh、Lt)と剪断摩擦による押出荷重:Fs(N)には密接な関係があり、剪断摩擦による押出荷重:Fs(N)が小さくなると、ラム荷重の変化割合:Lが小さくなる一方、Fs(N)が大きくなると、ラム荷重の変化割合:Lが大きくなる。
従って、Lht(N/mm)が上記(4)式を満たす場合、即ち、ラム移動量の増大に伴って、ラム荷重に変化がないか、若しくはラム荷重が増加する場合は、押出加工中に、コンテナ12内のビレット温度が低下しているのであり、更にこれは、コンテナ12の温度に比して、コンテナ12に収容されるビレット14の設定温度が高すぎることを意味している。つまり、ビレット14からコンテナ12への流出熱量が、コンテナ12の内壁面付近におけるビレット14の剪断変形による発熱量を大きく上回り、押出加工中に、コンテナ12内のビレット14の温度が低下しているのである。このビレット温度の低下は、ダイス孔23を通過した押出材温度に大きな影響を及ぼし、ダイス出側の押出材温度も、押出の進行に伴って低下してしまい、その結果、押出材の長手方向において、強度等の機械的特性が変動したり、厚さ等の寸法が変動してしまうこととなるである。
このため、上記(1)式にて算出されるLht(N/mm)が上記(4)式を満たす場合には、押出加工中のコンテナ12内のビレット温度を一定して、ダイス出側の押出材温度を一定にするために、コンテナ12内に収容されるビレット14の設定温度を下げる必要がある。従って、演算装置32のビレット設定温度算出部36では、次に押し出されるビレット14の設定温度、即ち、ビレットヒータ26の設定温度が、下記(6)式に基づいて、変更乃至は修正されることとなる。
b(n+1)=Tbn−Z ・・・(6)
なお、上記(6)式中、Tb(n+1)は、変更後のビレット14の設定温度(ビレットヒータ26の設定温度)(℃)を示し、また、Tbnは、変更前のビレット14の設定温度(℃)を示している。更に、Zは、変更前後のビレット14の設定温度の差(℃)を示しており、かかるZの値は、正の値(Z>0)であれば、特に限定されるものではなく、実機調整の際に適宜に設定され得るのであり、一般に、5〜50℃、好ましくは10〜30℃の範囲内で設定され得る。
その後、設定温度が変更されたビレットヒータ26にて加熱された次のビレット14をコンテナ12に収容して押し出し、その押出時におけるLht(N/mm)が再び算出されることとなる。その結果、上記(4)式を満たす場合は、再び上記(6)式によってビレット温度を変更乃至は修正し、上記(4)式を満たさなくなるまでこれを繰り返す。
一方、上記(1)式に基づいて算出された、ラムストローク全体におけるラム荷重の変化割合:Lht(N/mm)が、上記(4)式を満たさない場合(正の値となった場合)には、ラム荷重が、ラム移動量の増大に伴って減少している。このような場合には、上記(2)及び(3)式で算出された、ラムストローク前半におけるラム荷重の変化割合:Lh(N/mm)とラムストローク前半におけるラム荷重の変化割合:Lt(N/mm)との比較が行われる。
そして、Lh(N/mm)とLt(N/mm)とを比較して、両者が略同じ値であれば、ラムの移動量に対するラム荷重の変化割合:Lが、押出開始から終了までの間、実質的に一定であるとみなすことができる。このような場合には、押出加工中、コンテナ12内に収容されたビレット14の温度は一定となり、その結果、ダイス出側の押出材温度も、長手方向において略一定となる。一方、Lh(N/mm)とLt(N/mm)の値に差がある場合には、ラムストロークの前半と後半で、ラム荷重の変化割合:Lに変化があり、これは、押出加工中に、コンテナ12内のビレット14の温度が変化していることを示している。
このLh(N/mm)とLt(N/mm)との比較を行うに際して、本実施形態においては、演算装置32のビレット設定温度算出部36で、それらの比:Lh/Ltを求めるようにしているのであり、かかるLh/Ltが1程度であれば、ストローク前半と後半におけるビレット温度は略一定であると判断することができる一方、Lh/Ltが1からずれるほど、ストローク前半と後半におけるビレット温度が異なっていると判断することができる。
ここで、Lh/Ltが1からずれている場合には、ビレット14の温度を調節して、Lh/Ltを1に近づけるように制御することとなるのであるが、この際、ストローク後半におけるラム荷重の変化割合:Lt(N/mm)を基準として、ストローク前半におけるラム荷重の変化割合:Lh(N/mm)を変更せしめるように制御することが望ましいのである。なぜならば、押出前半は、熱的に安定せず、非定常状態となることが多く、押出が進み、押出後半になる程、熱的に定常状態に近づくことが多いからである。
ところで、Ltに対するLhの比:Lh/Ltに基づいて、演算装置32のビレット設定温度算出部36で、ビレット14の設定温度を制御する方法について、以下に詳述する。先ず、Lh/Ltが、下記(7)式を満たすか、満たさないかどうかが判断される。
h/Lt<α ・・・(7)
かかる上記(7)式中、αは、ストローク後半におけるラム荷重の変化割合:Lt(N/mm)に対して、ストローク前半におけるラム荷重の変化割合:Lh(N/mm)が小さいかどうかを判断する、第一の閾値である。ここで、αの値は、1未満(α<1)とされ、実機調整の際に適宜に設定されることとなるが、好ましくは0.9〜0.5の範囲内で設定される。
そして、Lh/Ltが、上記(7)式を満たす場合には、Lh(N/mm)がLt(N/mm)に対して小さいと判断され、Lh(N/mm)を大きくするように、ビレット14の設定温度が変更乃至は修正される。かかるLh(N/mm)を大きくするには、ビレット14の設定温度を下げるようにすればよく、演算装置32のビレット設定温度算出部36では、次に押し出されるビレット14の設定温度、即ち、ビレットヒータ26の設定温度が、下記(8)式に基づいて、変更乃至は修正されることとなる。
b(n+1)=Tbn−X ・・・(8)
ここにおいて、上記(8)式中、Tb(n+1)(℃)は、変更後のビレット14の設定温度を示し、また、Tbn(℃)は、変更前のビレット14の設定温度を示している。更に、X(℃)は、変更前後のビレット14の設定温度の差を示しており、かかるXの値は、正の値(X>0)であれば、特に限定されるものではなく、実機調整の際に適宜に設定され得るのであり、一般に、5〜50℃、好ましくは10〜30℃の範囲内で設定され得る。
その後、設定温度が変更されたビレットヒータ26にて加熱された次のビレット14をコンテナ12に収容して押し出し、その押出時におけるLh/Ltが再び算出されることとなる。その結果、上記(7)式を満たす場合は、再び上記(8)式によってビレット温度を変更乃至は修正し、上記(7)式を満たさなくなるまでこれを繰り返す。
また一方、Lh/Ltが、上記(7)式を満たさない場合には、次に、Lh/Ltが、下記(9)式を満たすか、満たさないかどうかが判断される。
h/Lt>β ・・・(9)
かかる上記(9)式中、βは、ストローク後半におけるラム荷重の変化割合:Lt(N/mm)に対して、ストローク前半におけるラム荷重の変化割合:Lh(N/mm)が大きいかどうかを判断する、第二の閾値である。ここで、βの値は、1超(β>1)とされ、実機調整の際に適宜に設定されることとなるが、好ましくは1.1〜1.5の範囲内で設定される。
そして、Lh/Ltが、上記(9)式を満たす場合には、Lh(N/mm)がLt(N/mm)に対して大きいと判断され、Lh(N/mm)を小さくするように、ビレット14の設定温度が変更乃至は修正される。かかるLh(N/mm)を小さくするには、ビレット14の設定温度を上げるようにすればよく、演算装置32のビレット設定温度算出部36では、次に押し出されるビレット14の設定温度、即ち、ビレットヒータ26の設定温度が、下記(10)式に基づいて、変更乃至は修正されることとなる。
b(n+1)=Tbn+Y ・・・(10)
ここにおいて、上記(10)式中、Tb(n+1)(℃)は、変更後のビレット14の設定温度を示し、また、Tbn(℃)は、変更前のビレット14の設定温度を示している。更に、Y(℃)は、変更前後のビレット14の設定温度の差を示しており、かかるYの値は、正の値(Y>0)であれば、特に限定されるものではなく、実機調整の際に適宜に設定され得るのであり、一般に、5〜50℃、好ましくは10〜30℃の範囲内で設定され得る。
その後、設定温度が変更されたビレットヒータ26にて加熱された次のビレット14をコンテナ12に収容して押し出し、その押出時におけるLh/Ltが再び算出されることとなる。その結果、上記(9)式を満たす場合は、再び上記(10)式によってビレット温度を変更乃至は修正し、上記(9)式を満たさなくなるまでこれを繰り返す。
他方、Lh/Ltが、上記(7)式及び(8)式の何れをも満たさない場合、つまり、Lh/Ltが、第一の閾値:α又は第二の閾値:βと同じか、α〜βの間にある場合には、ストローク前半におけるラム荷重の変化割合:Lh(N/mm)とストローク後半におけるラム荷重の変化割合:Lt(N/mm)とが実質的に同じ値であると判断される。このように、押出加工中、ラム荷重の変化割合:Lが一定に保持されると、コンテナ12内に収容されたビレット14の温度も一定となり、ひいては、押出加工中におけるダイス出側の押出材温度も、長手方向において略一定となる。
従って、Lh/Ltが、上記(7)式及び(8)式の何れをも満たさない場合、演算装置32のビレット設定温度算出部36では、ビレット14の設定温度、即ち、ビレットヒータ26の設定温度が、下記(11)式に示されるように、維持されることとなる。なお、下記(11)式中、Tb(n+1)(℃)は、変更後のビレット14の設定温度を示し、また、Tbn(℃)は、変更前のビレット14の設定温度を示している。
b(n+1)=Tbn ・・・(11)
以上のように、本発明においては、所定の計算式に基づいて、ラム荷重:Fがラム移動量:dの増大に伴って減少すると共に、押出加工中におけるラム荷重の変化割合:Lが実質的に一定となるように、ビレット14の設定温度を制御して、押出加工操作を実施するようにしているところから、押出加工中、コンテナ12内に収容されたビレット14の温度変化が抑制され、ひいては、ダイス出側の押出材温度が略一定に保たれるようになるのである。その結果、得られる押出材の長手方向(押出方向)における耐力等の機械的特性の変動や厚さ等の寸法の変動が効果的に抑制せしめられ、以て、押出材の品質が、高度に且つ安定して維持せしめられ得るようになるのである。
このように、本発明においては、ダイス出側の押出材温度を測定することなく、つまり、ダイス出側の押出材温度を測定する放射温度計等の温度計を用いることなく、押出加工中におけるダイス出側の押出材温度を略一定に維持することのできる等温押出条件を、容易に設定することができるのである。
ところで、図2には、n本目(nは任意の正の整数)のビレット14の設定温度から、n+1本目のビレット14の設定温度を決定するまでの一連の流れが、フローチャートで示されている。
先ず、ステップ1(図2中、S1として表示する。他のステップについても、同様に表記する。)において、n本目のビレット14の設定温度:Tbnが決定され、かかる設定温度:Tbn±20℃の範囲内の温度となるように、ビレット14がビレットヒータ26で均一に加熱される。
次いで、均一加熱されたビレット14が、コンテナ12内に収容され、略一定のラム速度で押出操作が開始され(ステップ2)、押出加工中に、押出初期、中期及び後期におけるラム移動量:d1,d2,d3と、それらにおけるラム荷重:F1,F2,F3とが、それぞれ、検出され(ステップ3)、その後、ラムストローク全体におけるラム荷重の変化割合:Lhtが、前記(1)式に基づいて、算出される(ステップ4)。
そして、ステップ5において、Lhtが前記(4)式を満たし、YESと判断されると、ステップ6に進み、n+1本目のビレット14の設定温度:Tb(n+1)が、前記(6)式に従って、n本目のビレット14の設定温度:Tbnよりも低い温度に設定される。一方、ステップ5において、NOと判断されると、ステップ7に進み、ラムストローク前半におけるラム荷重の変化割合:Lh が、前記(2)式に基づいて、算出される。その後、ステップ8に進み、ラムストローク後半におけるラム荷重の変化割合:Lt が、前記(3)式に基づいて、算出される。
次いで、ステップ9において、Lh/Ltが算出され、算出されたLh/Ltが前記(7)式を満たし、YESと判断されると、ステップ10に進み、n+1本目のビレット14の設定温度:Tb(n+1)が、前記(8)式に従って、n本目のビレット14の設定温度:Tbnよりも低い温度に設定される。一方、ステップ9において、NOと判断されると、ステップ11に進む。
そして、ステップ11において、Lh/Ltが前記(9)式を満たし、YESと判断されると、ステップ12に進み、n+1本目のビレット14の設定温度:Tb(n+1)が、前記(10)式に従って、n本目のビレット14の設定温度:Tbnよりも高い温度に設定される。一方、ステップ11において、NOと判断されると、ステップ13に進み、n+1本目のビレット14の設定温度:Tb(n+1)が、前記(11)式に従って、n本目のビレット14の設定温度:Tbnと同じ温度に設定される。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、上例では、ラム荷重がラム移動量の増大に伴って減少する場合において、ラム荷重の変化割合が一定となるように、ラムの最大移動量(ラムストローク量)の50%のところでラムストロークを前半と後半に分けて、ラムストローク前半におけるラム荷重の変化割合:Lh とラムストローク後半におけるラム荷重の変化割合:Lt を求め、そして、それらの比:Lh/Ltが1に近づくように、ビレット14の設定温度を制御していたが、ラムの最大移動量(ラムストローク量)の50%のところで、ラムストロークを前半と後半にわける必要はなく、ラムストロークの中間部であれば、前記d2 は、例えば、40%や60%のところであっても、何等差し支えない。
また、本発明手法は、同一の型番(形材の材質と断面形状の組合せ)の押出加工を、繰り返し行う際に、特に有利に実施され得るのであるが、同一の型番の押出加工を、時間をあけて行う場合であっても、型番毎にビレットの設定温度を記憶装置等に登録しておけば、次回の押出機会に、その登録した情報を用いて、1本目のビレットから適切な条件で押出を開始することができる。
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
(本発明例)
前記した図1に示されると如き構成の押出機のシステムを用いて、6000系アルミニウム合金からなるビレット(ビレット長さ:300mm)の押出加工を行って、直径:20mmの丸棒状の押出材を作製した。なお、押出条件は、コンテナ径:264mm、コンテナ温度:450℃、ラム速度:0.9mm/s、ダイス径(直径):20mmとし、1本目のビレットの設定温度を400℃として、前記(1)〜(11)式を用いて、ビレットの設定温度(ビレットヒータの設定温度)を、適切な温度に変更しながら、押出加工を繰り返し行った。そして、n本目とn+1本目のビレットの設定温度が同じ温度(470℃)になったところで、ダイス出側の押出材温度を、放射温度計を用いて逐次に測定した。そして、放射温度計で実測されたダイス出側押出材温度と、押出機システムの演算装置に入力されたラム荷重を、それぞれ、ラム移動量に対してプロットしたグラフを、図3に示した。なお、前記(1)〜(11)式中、P,Q,X,Y,Z,α及びβの値は、それぞれ、P=20、Q=80、X=10、Y=10、Z=20、α=0.7、及び、β=1.3とした。
(比較例)
一方、比較のために、上述せる如き計算式を用いたビレットの設定温度の制御を行うことなく、6000系アルミニウム合金からなるビレット(ビレット長さ:300mm)の押出加工を行って、直径:20mmの丸棒状の押出材を作製した。また、押出加工中、ダイス出側の押出材温度を、放射温度計を用いて逐次に測定した。なお、押出条件は、コンテナ径:264mm、コンテナ温度:450℃、ビレット温度:400℃、ラム速度:0.9mm/s、ダイス径(直径):20mmとした。そして、図4に、ダイス出側押出材温度とラム荷重を、それぞれ、ラム移動量に対してプロットしたグラフを示した。
かかる図3のグラフからも明らかなように、本発明例では、ラムの移動量に対するラム荷重の変化割合が、押出開始直後を除いて、略一定となっているところから、押出材温度の変動が約5℃程度に抑えられ、ダイス出側の押出材温度が略一定とされた等温押出が実現され得ていることがわかる。従って、放射温度計等を用いて押出材温度を測定しなくても、本発明によれば、等温押出を有利に実施することができると言える。一方、図4のグラフからも明らかなように、比較例では、ラムストローク前半と後半で、ラムの移動量に対するラム荷重の変化割合が大きく異なり、ダイス出側の押出材温度も、大きく変動していることがわかる。
(押出材の評価)
上記本発明例と比較例で得られた押出材の耐力を、それぞれ、押出材端部(押出開始端)から、長手方向に、3m、12m、22m、33mの部位で測定した。なお、かかる耐力の測定は、本発明例と比較例で得られた押出材に対して、それぞれ、調質処理(T6処理)を施した後、JIS Z 2201の「金属材料引張試験片」に規定される4号試験片を作製し、その試験片を用いて、JIS Z 2241の「金属材料引張試験方法」に準拠して行った。そして、図5に、押出材の長手方向における耐力値の変化を示すグラフを示した。
かかる図5からも明らかなように、本発明手法に従って得られた押出材は、耐力の変動が3MPa程度しかなく、耐力が長手方向(押出方向)において略一定に維持されていることがわかる。これに対し、比較例に係る押出材は、耐力が長手方向において19MPaも変動しており、品質が安定していないことが認められる。
本発明に従う金属材料の押出方法において採用される押出機のシステムの全体構成を概略的に示す説明図である。 本発明に従って、ビレットの設定温度を制御する一連の工程を示すフローチャートである。 実施例において得られた、本発明例におけるラム移動量に対する押出材温度とラム荷重の変化を示すグラフである。 実施例において得られた、比較例におけるラム荷重に対する押出材温度とラム荷重の変化を示すグラフである。 実施例において得られた、本発明例と比較例に係る押出材の長手方向(押出方向)における耐力値の変化をそれぞれ示すグラフである。
符号の説明
10 押出機 12 コンテナ
13 コンテナヒータ 14 ビレット
16 油圧シリンダ 18 ラム
20 押盤 22 ダイス
23 ダイス孔 24 押出材
26 ビレットヒータ 28 ラム荷重検出器
30 ラム位置検出器 32 演算装置
34 ラム荷重変化割合計算部 36 ビレット設定温度算出部

Claims (2)

  1. 所定の温度に加熱されたコンテナ内に金属ビレットを収容した後、かかるビレットをラムを介して押圧することにより、ダイスを通じて金属材料を押し出す方法において、
    前記金属ビレットとして、コンテナ挿入直前のビレットの軸方向及び径方向における温度が設定温度の±20℃以内となるように均一に加熱されたビレットを用いると共に、該ラムから該ビレットに対して加えられるラム荷重と、該押出の進行に伴って増大するラム移動量とを、それぞれ検出し、該検出されたラム荷重とラム移動量に基づいて、該ラム荷重が、該ラム移動量の増大に伴って減少し、且つ該ラムの移動量に対する該ラム荷重の変化割合:Lが実質的に一定となるように、前記ビレットの設定温度を制御することを特徴とする金属材料の押出方法。
  2. (A)前記ラム荷重が、前記ラム移動量の増大に伴って増加する場合には、前記ビレットの設定温度を低下させることにより、
    (B)前記ラム荷重が、前記ラム移動量の増大に伴って減少する場合には、ラムストロークの前半におけるラム荷重の変化割合:Lh と、ラムストロークの後半におけるラム荷重の変化割合:Lt とを算出して、該Lt に対する該Lh の比:Lh/Ltを求め、
    (b−1)Lh/Ltが、第一の閾値:α(但し、α<1)よりも小さい場合には、前記ビレットの設定温度を低下させることにより、
    (b−2)Lh/Ltが、第二の閾値:β(但し、β>1)よりも大きい場合には、前記ビレットの設定温度を上昇させることにより、
    (b−3)Lh/Ltが、該第一の閾値:α又は該第二の閾値:βと同じか、それらαとβの間にある場合には、前記ビレットの設定温度を維持することにより、
    前記ビレットの設定温度を制御する請求項1に記載の金属材料の押出方法。
JP2008103358A 2008-04-11 2008-04-11 金属材料の押出方法 Expired - Fee Related JP4921411B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008103358A JP4921411B2 (ja) 2008-04-11 2008-04-11 金属材料の押出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008103358A JP4921411B2 (ja) 2008-04-11 2008-04-11 金属材料の押出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009248188A JP2009248188A (ja) 2009-10-29
JP4921411B2 true JP4921411B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=41309359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008103358A Expired - Fee Related JP4921411B2 (ja) 2008-04-11 2008-04-11 金属材料の押出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4921411B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102389908B (zh) * 2011-11-06 2013-05-22 北京科技大学 铝镁合金预测模糊控制温度闭环等温挤压系统及方法
CN105855309A (zh) * 2016-03-30 2016-08-17 山东省科学院新材料研究所 一种a356铝合金挤压成型方法
CN106964663A (zh) * 2017-04-26 2017-07-21 池州市九华明坤铝业有限公司 一种铝型材挤压机恒速控制系统

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07121409B2 (ja) * 1990-07-30 1995-12-25 日本軽金属株式会社 押出形材の押出制御方法及びその装置
JP2000117323A (ja) * 1998-10-15 2000-04-25 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 押出機における温度制御方法および温度制御装置
JP3654834B2 (ja) * 2000-12-27 2005-06-02 住友軽金属工業株式会社 金属材料の等温押出方法
JP4928024B2 (ja) * 2001-04-27 2012-05-09 株式会社神戸製鋼所 押出加工方法
JP3611803B2 (ja) * 2001-06-07 2005-01-19 住友軽金属工業株式会社 金属材料の等圧押出方法並びに押出装置
JP3770169B2 (ja) * 2002-01-29 2006-04-26 宇部興産機械株式会社 等温押出成形システム
JP2004025266A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 金属材料の押出方法
JP4642481B2 (ja) * 2004-01-08 2011-03-02 株式会社住軽テクノ 金属材料の押出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009248188A (ja) 2009-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhou et al. Computer simulated and experimentally verified isothermal extrusion of 7075 aluminium through continuous ram speed variation
Bastani et al. Optimisation of flow balance and isothermal extrusion of aluminium using finite-element simulations
Li et al. Study on the material characteristic and process parameters of the open-die warm extrusion process of spline shaft with 42CrMo steel
JP4921411B2 (ja) 金属材料の押出方法
JP4871209B2 (ja) 金属素材の鍛造方法及び鍛造装置
Suliga Analysis of the heating of steel wires during high speed multipass drawing process
KR101007663B1 (ko) 반용융 압출 장치
EP3031541A1 (en) Control system of tandem rolling mill and control method of tandem rolling mill
US5306365A (en) Apparatus and method for tapered heating of metal billet
Liang et al. Simulation of extrusion process of AZ31 magnesium alloy
JP3654834B2 (ja) 金属材料の等温押出方法
JP4642481B2 (ja) 金属材料の押出方法
JP5293405B2 (ja) リバース圧延におけるロールギャップのセットアップ方法
CN114939604A (zh) 一种铝合金型材的等温挤压方法
JP2004025266A (ja) 金属材料の押出方法
JP3611803B2 (ja) 金属材料の等圧押出方法並びに押出装置
Hu The effects of process parameters on evolutions of thermodynamics and microstructures for composite extrusion of magnesium alloy
JP5381740B2 (ja) 熱間圧延機の板厚制御方法
JP4928024B2 (ja) 押出加工方法
Jiang et al. Finite element analysis of temperature rise in CP–Ti during equal channel angular extrusion
JPH05138224A (ja) ヒートストリーク発生防止方法
JP6324736B2 (ja) 鍛造方法およびその装置
JPH0380566B2 (ja)
Choi et al. Finite element analysis of compression holding step in semi-solid forging and experimental confirmation
Senthilvelan et al. Development of nomograms for prediction of extrusion stress for P/M copper preforms at warm working temperatures

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100617

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100928

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4921411

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees