JP4921306B2 - プリテンショナのシリンダ構造及びプリテンショナの製造方法 - Google Patents

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本発明は、車両室内に搭載され、シリンダ内に挿入されたピストンを介してシートベルトを引き取って、乗員をシートベルトで拘束するプリテンショナのシリンダ構造、及び該シリンダ構造を備えるプリテンショナの製造方法に関し、詳しくは、車両衝突時等の緊急時に発生するガス圧を利用し、当該シリンダに摺動可能に挿入されたピストンを介してシートベルトを引き取って乗員をシートベルトで拘束するプリテンショナのシリンダ構造、及び該シリンダ構造を備えるプリテンショナの製造方法に関する。
従来より、自動車等の車両には、車両衝突時等の緊急時に乗員を保護するために、乗員を拘束するシートベルト装置が設けられている。
このようなシートベルト装置には、上述のような車両緊急時にガス圧を発生させて、シリンダ内に挿入されたピストンを移動させ、当該ピストンを介してウエビング(シートベルト)を引き取り、乗員を当該ウエビングで拘束するプリテンショナが設けられている(特許文献1参照)。
例えば、図4においては、プリテンショナ1は、所謂インナ/ラッププリテンショナの形態をとり、車両室内に搭載され、車両のフロアに固設されたベースカートリッジ1aと、該ベースカートリッジ1aに一体的に固定され、両端が開口された円筒状のシリンダ1bとを備えている。
また、図4に示されるシートベルト装置2は、車両のセンターピラー3の下端部近傍に配設されたリトラクタ20のスプール(図示省略)に端部が巻き取り可能に係止されるとともに車両室内の前方座席5に着座した乗員を拘束するウエビング2aを備えている。該ウエビング2aは、中間部がセンターピラー3の上部に配設されたスルーアンカ21に挿通されて折り返されるとともに、別の端部がセンターピラー3の下端部近傍に配設されたアンカプレート22に固定されている。また、ウエビング2aにおいて、スルーアンカ21とアンカプレート22との間の中間部には、ウエビング2a本体を挿通するようにタングプレート23が配設されている。
前記シートベルト装置2は、前記タングプレート23を保持するシートベルトバックル2bをさらに備えている。該シートベルトバックル2bは、タングプレート23をその内部へ挿入することで係止可能とされており、また、係止解除ボタン(図示省略)を押圧した状態でタングプレート23を挿入方向と反対方向に引き取ることでタングプレート23の係止を外し、乗員の拘束状態を解除可能とされている。これにより、車両に乗車した乗員がウエビング2aを装着するにあたっては、タングプレート23を引き取ってリトラクタ20のスプールによる付勢力に抗しつつ、リトラクタ20からウエビング2aを巻き出し、タングプレート23をシートベルトバックル2bへ係止させるようにする。
そして、前記プリテンショナ1では、前記シリンダ1b内にはピストン(図4では図示省略)が摺動可能に挿通されており、該ピストンには、前記ベースカートリッジ1aによってシートベルトバックル2bに向けて方向が転換されるワイヤ1cの端部が固定されている。そして、該ワイヤ1cの別の端部は、前記シートベルトバックル2bにおいてタングプレート23の挿入側と反対側の端部に設けられたワイヤ保持部2cに固定されている。
詳細には、図5(a)を参照して、前記ベースカートリッジ1aには、前記シリンダ1bが当該ベースカートリッジ1aに設けられたねじ部10において螺合固定されており、当該ベースカートリッジ1a内に、その巻き掛け部11に巻き掛けられた状態で前記ワイヤ1cが挿入され、ピストン12に固定されている。そして、該ピストン12は、ガスジェネレータ19から発生したガスが、ガス充満室としての前記空間16に充満され、そのガス圧によって、前記シートベルトバックル2b(図4参照)と反対側に素早く移動されるようになっている。このようにして、前記プリテンショナ1は、車両の緊急時に、当該ピストン12及びワイヤ1cを介してシートベルトバックル2b(タングプレート23)を強く引き取り、車両の乗員をシートベルト装置2のウエビング2aで拘束するようになっている。
また、図5(b)に示すように、このプリテンショナ1のシリンダ1bのシートベルトバックル2bと反対側の端部13a´は、押し潰されている。詳しくは、前述したような車両に衝撃が付加される非常時において前記ピストン12がシリンダ1b内で瞬時に移動する場合、当該ピストン12が突き当たってその移動が停止され、シリンダ1bの外部に飛び出さないように、当該シリンダ1bの端部13a´は、プレス加工によって平たく押し潰されている。
尚、従来においては、図6に示すように、車両の非常時においてワイヤに連結されたピストン112の移動が停止されるように、シリンダ100bにおいてシートベルトバックル2bと反対側の端部113が絞り加工やエンボス加工によって先細りの円錐台状に形成されているシリンダ構造も存在する。
特開2005−280667号公報
しかしながら、図6に示したような、シリンダ100bの端部113が絞り加工等で円錐台状に形成されたシリンダ構造の場合は、該端部113の加工前に、当該加工時にシリンダ1bの内周面の形状を安定させるための補強用ガイド部材をシリンダ100b内に挿入するとともに当該加工後に該補強用ガイド部材をシリンダ100bのシートベルトバックル2b側の端部開口から抜き取る工程を設けなければ、シリンダ100bの内周面の形状を安定させることができず、プリテンショナの製造上の制約となる。また、このように補強用ガイド部材をシリンダ100b内に挿入する場合、当該補強用ガイド部材によってシリンダ100bの内周面に疵をつけたり、打痕を残したりして損傷させる懸念もある。
また、このようなシリンダ構造の場合は、図6に示したとおり、シリンダ100bのシートベルトバックル2b側の端部は当該シリンダ100b自体が屈曲されているものがある。このため、ピストン112はシートベルトバックル2bと反対側の端部113の開口から挿入せざるを得なくなり、ピストン112及びワイヤ1cをシリンダ100b内に挿入した後でなければ、当該端部113を一部閉塞されるように加工することができない。これにより、シリンダ100bの補強効果が弱まり、先細り加工によりシリンダ100bの内周面(ピストン摺接面)が変形する虞がある。さらに、このようにシリンダ100bのシートベルトバックル2b側の端部が屈曲されている場合は、それと反対側の端部113を一部閉塞されるように加工する工程は、ピストン112をシリンダ100b内に挿入する工程、即ち、プリテンショナの組立工程(アセンブリ工程)に設ける必要が生じ、これによってもプリテンショナの製造上の制約となる。
一方、図5(b)に示したような、シリンダ1bの端部13a´がプレス加工で平たく押し潰されたシリンダ構造の場合は、当該押し潰された部分がシリンダ1bの外周面より径方向外方に張り出すようになり、この張り出した部分が障害となり、プリテンショナ1の車両室内への搭載上の制約となる。また、この場合も、該端部13a´の加工の前に補強用ガイド部材をシリンダ1b内に挿入するとともに当該加工の後で補強用ガイド部材をシートベルトバックル2b側の端部の開口から抜き取る工程を設ける必要性が生じ、プリテンショナ1の製造上の制約となる。また、このように補強用ガイド部材をシリンダ1b内に挿入する場合、図6のシリンダ構造と同様に、当該補強用ガイド部材によってシリンダ1bの内周面に疵をつけたり、打痕を残したりして損傷させる懸念もある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、プリテンショナの製造上の自由度及び車両室内への搭載上の融通性が向上できるプリテンショナのシリンダ構造、及び、該シリンダ構造を備えるプリテンショナの製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、シリンダ内で移動可能とされた移動体を介してシートベルトを移動させて乗員をシートベルトで拘束するプリテンショナのシリンダ構造であって、前記シリンダの前記移動体が移動する側の端部には、幅方向に対向する一対の切り欠き部が形成されており、さらに、その端部は、当該端部において切り欠かれることなく残存した一対の舌部の少なくとも一方が前記シリンダの内部に向けて折り曲げられることで一部閉塞されるように形成されていること、を要旨とする。
同構成によれば、シリンダにおいて移動体が移動する側の端部を一部閉塞されるように加工する際に、例えば、該端部の一対の舌部の間に補強用ガイド部材を介在させるのみで、該補強用ガイド部材によって加工時の負荷を受けさせ、該負荷がシリンダの内周面(ピストン摺接面)に及んで変形等させることを防止でき、当該内周面の形状を安定化させることができる。このため、当該端部の加工の前に補強用ガイド部材をシリンダ内に挿入するとともに該加工の後に当該端部から抜き取る工程を設ける必要性がなくなり、プリテンショナの製造工程上の自由度(工程自由度)が向上できる。しかも、前記端部における一対の舌部の少なくとも一方が折り曲げられ、一部閉塞されるようになった部分は、シリンダの外周面より内方側に収納され、これによりシリンダに張り出した部分がなくなり、全長に亘ってスリム化されるので、プリテンショナの車両室内への搭載上の融通性が向上できるようにもなる。
請求項2に記載の発明は、シリンダ内に挿入されたピストンを介してシートベルトバックル、又はアンカプレートを移動させて乗員をシートベルトで拘束するプリテンショナのシリンダ構造であって、前記シリンダにおいて前記シートベルトバックル、又はアンカプレートと反対側の端部には、幅方向に対向する一対の切り欠き部が形成されており、さらに、その端部は、当該端部において切り欠かれることなく残存した一対の舌部の少なくとも一方が前記シリンダの内部に向けて折り曲げられることで一部閉塞されるように形成されていること、を要旨とする。
同構成によれば、シリンダにおいてシートベルトバックル、又はアンカプレートと反対側の端部を一部閉塞されるように加工する際に、例えば、該端部の一対の舌部の間に補強用ガイド部材を介在させるのみで、該補強用ガイド部材によって加工時の負荷を受けさせ、該負荷がシリンダの内周面(ピストン摺接面)に及んで変形等させることを防止でき、当該内周面の形状を安定化させることができる。このため、当該端部の加工の前に補強用ガイド部材をシリンダ内に挿入するとともに該加工の後に当該端部から抜き取る工程を設ける必要性がなくなる一方、シリンダのシートベルトバックル、又はアンカプレート側の端部が屈曲されている場合において、シリンダのシートベルトバックル、又はアンカプレートと反対側の端部を一部閉塞されるように加工する工程を、プリテンショナの組立工程(アセンブリ工程)内に設ける必然性もなくなり(即ち、プリテンショナの組立工程外で加工できる。)、これによりプリテンショナの製造工程上の自由度(工程自由度)が向上できる。しかも、前記端部における一対の舌部の少なくとも一方が折り曲げられ、一部閉塞されるようになった部分は、シリンダの外周面より内方側に収納され、これによりシリンダに張り出した部分がなくなり、全長に亘ってスリム化されるので、プリテンショナの車両室内への搭載上の融通性が向上できるようにもなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のプリテンショナのシリンダ構造において、前記シリンダの端部における一対の舌部は、その先端同士がプレス加工を用いて接合されていること、を要旨とする。
同構成によれば、シートベルトバックル、又はアンカプレートと反対側の端部(移動体が移動する側の端部)における一対の舌部は、その先端同士がプレス加工を用いて接合されている。これにより、前記端部において、車両に衝撃が付加された時に発生するガス圧によりピストンをシリンダ外部に飛び出させないための飛び出し防止効果が高められるようになる。
請求項4に記載の発明は、車両室内に搭載され、シリンダ内に挿入されたピストンを介してシートベルトバックル、又はアンカプレートを移動させて乗員をシートベルトで拘束するプリテンショナの製造方法であって、前記シートベルトバックル、又はアンカプレートに連結されたピストンが摺動可能な筒状部が形成された金属材料の端部に、その径方向に対向するように一対の切り欠き部を形成する端部切り欠き工程と、前記端部において切り欠かれることなく残存した一対の舌部の先端同士をプレス加工を用いて接合する端部接合工程と、前記金属材料内に前記一対の舌部を形成した端部と反対側の端部開口からピストンを挿入するピストン挿入工程と、前記ピストンを押圧するためのガス圧を生じさせるように前記端部開口を閉塞部材を用いて閉塞するシリンダ端部閉塞工程とを備えたこと、を要旨とする。
同構成によれば、筒状に形成された金属材料の端部において切り欠かれることなく残存した一対の舌部は、プレス加工により円筒状の端部に比して容易に折り曲げることができる。このため、端部接合工程において、シートベルトバックル、又はアンカプレートと反対側の端部は、必ずしも補強用ガイド部材を使用しないでも、プレス加工時の負荷がシリンダの内周面に及んで変形等させることを防止しつつ、一部閉塞されるように加工することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプリテンショナの製造方法において、前記端部接合工程において、前記一対の舌部の間に補強用ガイド部材を介在させ、該一対の舌部を、前記金属材料の内部に向け前記補強用ガイド部材の側面に沿うように折り曲げた後に一対の舌部同士を接合するようにしたこと、を要旨とする。
同構成によれば、端部接合工程において、筒状に形成された金属材料の端部において切り欠かれることなく残存した一対の舌部の間に補強用ガイド部材を介在させ、該一対の舌部を、シリンダの内部に向け補強用ガイド部材の側面に沿うように折り曲げた後に当該一対の舌部同士を接合するようにした。このため、該補強用ガイド部材によってプレス加工時の負荷を受けさせ、該負荷がシリンダの内周面に及んで変形等させることを防止できるようになる。そしてこの結果、シリンダの内周面の形状の安定化効果が高められる。
本発明によれば、製造上の自由度及び車両室内への搭載上の融通性が向上できるプリテンショナが提供できるようになる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。尚、本実施形態において、以下に特に説明する箇所以外は、背景技術で説明したシートベルト装置2及びプリテンショナ1と同様な構成及び機能を備えており、共通する箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態におけるプリテンショナ1は、車両室内に搭載され、そのシリンダ1b内に挿入された移動体としてのピストン12を介してシートベルトバックル2bを引き取って車両の乗員をシートベルト装置2のウエビング2a(シートベルト)によって拘束するものである(図4参照)。
図1に示すように、前記シリンダ1bは、その内部でピストン12が摺動可能な筒状部が形成され、且つ、当該シリンダ1bの前記シートベルトバックル2bと反対側の端部13aには、径方向(幅方向)に対向するように一対の切り欠き部13c,13cが形成されている。
さらに、その端部13aは、切り欠かれることなく残存した一対の舌部13b,13bが前記シリンダ1bの内部に向けて折り曲げられることで一部閉塞されるように、且つ、該一対の舌部13b,13bがシリンダ1bの外周面より内方側に収納されるように形成されている。
詳しくは、前記端部13aにおける一対の舌部13b,13bは、その先端同士がプレス加工を用いて接合されている。さらに詳しくは、前記一対の舌部13b,13bは、その先端同士がプレス加工を用いてシリンダ1bの軸心位置にて互いに圧接されている。そしてこの一対の舌部13b,13bによって、車両に衝撃が付加されるような非常時において、シートベルトバックル2bに設けたガスジェネレータ19から発生し、ガス充満室としての空間16に充満されるガスの圧力(ガス圧)によって、シートベルトバックル2bと反対側に強制的に移動させられたピストン12が突き当たることでシリンダ1bの外部に飛び出すことが阻止されるようになっている(図5(a)参照)。
本実施形態のプリテンショナ1のシリンダ1bは、以上のように構成され、以下に示すプリテンショナ1の組立工程(アセンブリ工程)を含めて製造される。
即ち、図2(a)を参照して、両端が開口して円筒状とされ、シートベルトバックル2bに連結されたピストン12が摺動可能な筒状部が形成された金属材料100を使用し、工作機械を用いてその一方の端部100aの外周部を一部切除することで、径方向に対向するように一対の切り欠き部13c,13cを形成するとともに、当該端部100aにおいて径方向に対向するように一対の舌部13b,13bを残存させる(端部切り欠き工程)。
次に、図2(b)を参照して、当該一対の舌部13b,13bの先端同士をプレス加工により接合する(端部接合工程)。この端部接合工程では、前記一対の舌部13b,13bの間に長尺円柱棒状の補強用ガイド部材50を介在させ、該一対の舌部13b,13bを、前記金属材料100の内部に向け前記補強用ガイド部材50の側面(外周面)に沿うように折り曲げた後に一対の舌部13b,13b同士を各先端にて接合する。この一対の舌部13b,13bにより、シリンダ1bの端部100aがその外周面から張り出すことなく一部閉塞されるように形成されるとともに、補強用ガイド部材50によって前記したプレス加工時の負荷を受けさせ、該負荷がシリンダ1bの内周面(ピストン摺接面)に及んで変形等させることが防止される。
続いて、前記シリンダ1b内に、前記一対の舌部13b,13bを形成した端部13aと反対側の端部の開口から、ワイヤ1cと連結された状態のピストン12を挿入する(ピストン挿入工程)。
最後に、前記ピストン12を押圧するガス圧を生じさせるように前記一対の舌部13b,13bと反対側の端部を閉塞部材としてのベースカートリッジ1aを用いて閉塞する(シリンダ端部閉塞工程)。具体的には、ピストン12に連結されたワイヤ1cを、ガードパイプと、ベースカートリッジ1aのパッキン室に嵌入されたリング状のパッキンと、ベースカートリッジ1aに設けられたガイド穴とに挿通させながら、シリンダ1bをベースカートリッジ1aに螺合固定する。そして、該ピストン12を、そのシール部の端面がガードパイプのフランジ部に当接するように前記シリンダ1b内においてシートベルトバックル2b側の端部近傍に位置させる(図5(a)参照)。これにより、前記パッキンと、ガードパイプのフランジ部の貫通穴を通したピストン12の端面によって前記ガス充填室としての空間16が気密とされる。
本実施形態のプリテンショナ1のシリンダ構造によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、シリンダ1bのシートベルトバックル2bと反対側の端部13aを一部閉塞されるように加工する際に、該端部13aの一対の舌部13b,13bの間に補強用ガイド部材50を介在させるのみで、該補強用ガイド部材50によって加工時の負荷を受けさせ、該負荷がシリンダ1bの内周面(ピストン摺接面)に及んで変形等させることを防止でき、当該内周面の形状を安定化させることができる。このため、当該端部13aの加工の前に補強用ガイド部材をシリンダ1b内に挿入するとともに該加工の後に当該端部13aから抜き取る工程を設ける必要性がなくなる。そしてこれにより、プリテンショナ1の製造工程上の自由度(工程自由度)が向上できる。しかも、前記端部13aにおける一対の舌部が折り曲げられ、一部閉塞されるようになった部分は、シリンダ1bの外周面より内方側に収納され、これによりシリンダ1bに張り出した部分がなくなり、全長に亘ってスリム化されるので、プリテンショナ1の車両室内への搭載上の融通性が向上できるようにもなる。
(2)本実施形態では、シートベルトバックル2bと反対側の端部13aにおける一対の舌部13b,13bは、その先端同士がプレス加工を用いて接合されている。これにより、シートベルトバックル2bと反対側の端部13aにおいて、車両に衝撃が付加された時に発生するガス圧によりピストン12をシリンダ1bの外部に飛び出させないための飛び出し防止効果が高められるようになる。
尚、上記実施形態は以下のように変形してもよい。
・上記実施形態では、プリテンショナ1をインナ/ラッププリテンショナの形態とした。しかし、本発明の技術的思想はこれに限られず、その他にもシートベルトバックルに代えてアンカプレートを引き取るようにしたアウタプリテンショナや、リトラクタに引き取り構造を設けたタイプのプリテンショナであって、移動体の飛び出しを阻止するためにシリンダの端部を閉塞させる必要のあるものについても同様に適用できる。後者の具体例としては、例えば、ワイヤでリトラクタを回転させてシートベルト(ウエビング)を巻き取る方式のもの、ボール(球体)及びリングギヤを介してリトラクタを回転させる方式のもの、ピニオンをラックで回転させてリトラクタを回転させる方式のものが挙げられる。
・上記実施形態では、シリンダ1bの端部13aに設けた一対の舌部13b,13bは、その先端同士がシリンダ1bの軸心位置にて互いに接合された構造とした。しかし、本発明の技術的思想はこれに限られず、例えば、図3(a)に示すように、該先端同士は、シリンダ1bの周壁位置にて互いに接合されていてもよい。即ち、このように一対の舌部13b,13bの一方のみがシリンダ1bの内部に向けて折り曲げられ、その先端同士が互いに接合されていてもよい。
・上記実施形態では、シリンダ1bの端部13aに設けた一対の舌部13b,13bは、その先端同士が接合されることで当該端部13aを一部閉塞される形状とした。しかしこれに限られず、例えば、図3(b)に示すように、該端部13aは、当該一対の舌部13b,13bが、接合されることなくシリンダ1bの内部に向けて折り曲げられることのみで一部閉塞されるように形成されていても勿論構わない。
・上記実施形態では、シリンダ1bの端部13aに設けた一対の舌部13b,13bは、長尺円柱棒状の補強用ガイド部材50をそれらの間に介在させた状態でプレス加工により接合することで当該端部13aを一部閉塞される形状とした。しかしこれに限られず、当該端部13aは、そのような補強用ガイド部材50を用いることなくプレス加工により一部閉塞される形状とすることも可能である。即ち、筒状に形成された金属材料100の端部100aにおいて切り欠かれることなく残存した一対の舌部13b,13bは、プレス加工により円筒状の端部に比して容易に折り曲げることができる。このため、端部接合工程において、シートベルトバックル2bと反対側の端部13aは、必ずしも補強用ガイド部材50を使用しないでも、プレス加工時の負荷がシリンダ1bの内周面に及んで変形等させることを防止しつつ、一部閉塞されるように加工することが可能となる。
・上記実施形態では、本発明に係るプリテンショナ1は、ピストン12及び該ピストン12に固定されたワイヤ1cとが挿通される部材は、ベースカートリッジ1aと、該該ベースカートリッジ1aに一体的に螺合固定されたシリンダ1bとからなる二部材構成とした。しかし、これに限られず、本発明に係るプリテンショナ1は、ピストン12及び該ピストン12に固定されたワイヤ1cが挿通される部材が、筒状のシリンダ1bのみからなる一部材構成であっても勿論よい。このような一部材構成の場合、シリンダ1bのシートベルトバックル2b側の端部が閉塞されているときにおいて、該端部と反対側の端部を一部閉塞されるように加工する工程を、プリテンショナ1の組立工程内に設ける必然性がなくなり、即ち、プリテンショナ1の組立工程外で加工できるようになり、これによりプリテンショナの工程自由度が向上できる。
・上記実施形態では、端部切り欠き工程及び端部接合工程は、プリテンショナ1の組立工程(アセンブリ工程)に設けるようにしたが、これに限られず、プリテンショナ1の組立工程に先立ち、予めシリンダ1bの端部13aを一部閉塞されるように加工しておくようにしてもよい。尚、この場合、ピストン12及び該ピストン12に固定されたワイヤ1cは、プリテンショナ1の組立工程において、当該一部閉塞されるように加工された端部13aと反対側の端部の開口からシリンダ1b内に挿入されることになる。
本発明の実施形態に係るプリテンショナにおいて、そのシリンダの端部の構成(シリンダ構造)を示す図であり、(i)は要部断面図(移動後のピストンを含む)、(ii)は(i)のA方向側面図、(iii)は(ii)のB方向端面図、(iv)は斜視立体図。 本発明の実施形態に係るプリテンショナにおいて、そのシリンダの製造工程を同シリンダの端部において示す図であり、(a)は端部切り欠き工程を示す図((i)は要部断面図、(ii)は(i)のA方向側面図、(iii)は斜視立体図)、(b)は端部接合工程を示す図((i)は要部断面図、(ii)は(i)のA方向側面図、(iii)は斜視立体図)。 (a)は、本発明の実施形態に係るプリテンショナにおいて、そのシリンダの端部の変形例に係る構成を示す図であり、(i)は要部断面図(移動後のピストンを含む)、(ii)は(i)のA方向側面図、(iii)は(ii)のB方向端面図、(iv)は斜視立体図、(b)は、本発明の実施形態に係るプリテンショナにおいて、そのシリンダの端部のさらに別の変形例に係る構成を示す図であり、(i)は要部断面図(移動後のピストンを含む)、(ii)は(i)のA方向側面図、(iii)は(ii)のB方向端面図、(iv)は斜視立体図。 従来例及び本発明のプリテンショナの車両室内における搭載状態、及び、シートベルト装置に設けて使用される使用状態を示す斜視立体図。 (a)は、従来例及び本発明のプリテンショナの一部切り欠き断面図、(b)は、同プリテンショナにおいて、そのシリンダの端部の構成を示す図であり、(i)は要部断面図(移動後のピストンを含む)、(ii)は(i)のA方向側面図、(iii)は(ii)のB方向端面図。 従来例のプリテンショナの一シリンダ構造を示す一部切り欠き断面図(同図中αはそのシートベルトバックルと反対側の端部の斜視拡大図)。
符号の説明
1…プリテンショナ、1a…ベースカートリッジ、1b…シリンダ、2…シートベルト装置、2b…シートベルトバックル、12…ピストン、13a…端部、13b…舌部、13c…切り欠き部、50…補強用ガイド部材。

Claims (5)

  1. シリンダ内で移動可能とされた移動体を介してシートベルトを移動させて乗員をシートベルトで拘束するプリテンショナのシリンダ構造であって、
    前記シリンダの前記移動体が移動する側の端部には、幅方向に対向する一対の切り欠き部が形成されており、さらに、その端部は、当該端部において切り欠かれることなく残存した一対の舌部の少なくとも一方が前記シリンダの内部に向けて折り曲げられることで一部閉塞されるように形成されていることを特徴とするプリテンショナのシリンダ構造。
  2. シリンダ内に挿入されたピストンを介してシートベルトバックル、又はアンカプレートを移動させて乗員をシートベルトで拘束するプリテンショナのシリンダ構造であって、
    前記シリンダにおいて前記シートベルトバックル、又はアンカプレートと反対側の端部には、幅方向に対向する一対の切り欠き部が形成されており、さらに、その端部は、当該端部において切り欠かれることなく残存した一対の舌部の少なくとも一方が前記シリンダの内部に向けて折り曲げられることで一部閉塞されるように形成されていることを特徴とするプリテンショナのシリンダ構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプリテンショナのシリンダ構造において、
    前記シリンダの端部における一対の舌部は、その先端同士がプレス加工を用いて接合されているプリテンショナのシリンダ構造。
  4. 車両室内に搭載され、シリンダ内に挿入されたピストンを介してシートベルトバックル、又アンカプレートを移動させて乗員をシートベルトで拘束するプリテンショナの製造方法であって、
    前記シートベルトバックル、又はアンカプレートに連結されたピストンが摺動可能な筒状部が形成された金属材料の端部に、その径方向に対向するように一対の切り欠き部を形成する端部切り欠き工程と、
    前記端部において切り欠かれることなく残存した一対の舌部の先端同士をプレス加工を用いて接合する端部接合工程と、
    前記金属材料内に前記一対の舌部を形成した端部と反対側の端部開口からピストンを挿入するピストン挿入工程と、
    前記ピストンを押圧するためのガス圧を生じさせるように前記端部開口を閉塞部材を用いて閉塞するシリンダ端部閉塞工程とを備えたことを特徴とするプリテンショナの製造方法。
  5. 請求項4に記載のプリテンショナの製造方法において、
    前記端部接合工程において、前記一対の舌部の間に補強用ガイド部材を介在させ、該一対の舌部を、前記金属材料の内部に向け前記補強用ガイド部材の側面に沿うように折り曲げた後に一対の舌部同士を接合するようにしたプリテンショナの製造方法。
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