本発明に係る弾球遊技機は、遊技者が操作する操作部と、この操作部の操作に連動して遊技盤へ遊技球を発射するアクチュエータとを有する遊技球発射手段と、操作部の操作量に応じた発射強度で遊技球を発射させるように遊技球発射手段の動作を制御する制御手段とを備えている。
また、遊技球発射手段は、遊技者による操作部の操作に連動して駆動する電動のアクチュエータの駆動に伴って動作して、遊技球を遊技盤へ打ち出す可動部を備えている。
また、この可動部は、遊技球を遊技盤へ打ち出す際に、遊技球と接触する接触部に弾性部材を備えており、この弾性部材の弾性力により、可動部の運動エネルギーを効率よく遊技球に伝達して、遊技球に十分な飛距離を与えるようにしている。
特に、この弾球遊技機は、遊技球発射手段が備える可動部の動作状態を検出する動作状態検出手段を備えている。
そして、制御手段は、この動作状態検出部の検出結果に基づいて、遊技球と接触する接触部に設けた弾性部材の温度変化に起因した弾性の変化を検出し、この弾性の変化を考慮してアクチュエータの駆動電圧をフィードバック制御することにより、弾性部材の温度変化に起因した弾性変化による遊技球の発射強度の変化を抑制するようにしている。
すなわち、制御手段は、操作部が一定の操作量で保持されているときに、アクチュエータの動作熱や、接触部と遊技球との摩擦熱により、可動部に設けている弾性部材の温度が所定温度よりも高くなり、弾性部材が軟化して遊技球と接触したときの反発力が減少した場合に、上記駆動電圧のフィードバック制御によって、それまでアクチュエータに供給していた駆動電圧よりも高い駆動電圧をアクチュエータに供給する制御を行う。
また、制御手段は、操作部が一定の操作量で保持されているときに、冷房装置等の稼動により、可動部に設けている弾性部材の温度が所定温度よりも低くなり、弾性部材が硬化して遊技球と接触したときの反発力が増大した場合に、上記駆動電圧のフィードバック制御によって、それまでアクチュエータに供給していた駆動電圧よりも低い駆動電圧をアクチュエータに供給する制御を行う。
このように、弾性部材の弾性変化を考慮した駆動電圧をアクチュエータへ供給するフィードバック制御を行うので、操作部が一定の操作量で保持されているときに、発射装置の温度変化が変化した場合であっても、遊技球の発射強度を一定に保つことができ、遊技者を満足させることができる弾球遊技機を提供することができる。
また、本発明では、可動部の動作状態を検出する動作状態検出手段を、可動部と一体的に設けられ、可動部の動作加速度を検出する動作加速度センサにより構成している。
このように、動作状態検出手段を動作加速度センサにより構成したため、制御手段は、この動作加速度センサにより、遊技球の発射強度に直接的に影響する可動部の動作開始時の加速度を監視することができるので、可動部が動作する度に遊技球の発射強度の変化を検出して、アクチュエータの駆動電圧をフィードバック制御することができ、遊技球の発射強度をより細やかに一定制御することができる。
また、この動作加速度センサは、可動部が遊技球を打ち出す際に、接触部が遊技球から離反する際の加速度をも計測するようにしている。
この接触部が遊技球から離反する際の加速度は、操作部の操作量と、接触部の弾性部材の弾性が一定である場合には一定の値をとるが、操作部の操作量が一定であっても、弾性部材の弾性が変化した場合には、その値が変化する。
すなわち、接触部が遊技球から離反する際の加速度は、弾性部材が温度上昇に起因して軟化すると減少し、温度低下に起因して硬化すると増大するので、制御手段は、この加速度変化により、弾性部材の温度変化に起因した弾性変化を間接的に検出することができ、この弾性変化を考慮してアクチュエータの駆動電圧をフィードバック制御することができるので、弾性部材の温度変化に起因した弾性変化による遊技球の発射強度の変化を好適に抑制することができる。
さらに、移動状態検出手段は、アクチュエータの逆起電力を検出することにより、可動部の動作速度を間接的に検出する動作速度センサを備えている。
すなわち、この弾球遊技機が備える発射装置では、操作部の操作量に応じた電力をチャージし、このチャージした電力を瞬間的にアクチュエータ側へ放電させるという動作を繰り返すことにより、アクチュエータを間欠的に駆動して遊技球を連続発射するようにしている。
そのため、駆動電圧をアクチュエータ側へ放電した直後には、放電させた電力量に応じた逆起電力が発生する。そして、動作速度センサは、この逆起電力の電力量を検出することにより、可動部の動作速度を間接的に検出するのである。
このように、可動部の動作速度を検出する動作速度センサを設けたことにより、制御手段は、この動作速度センサにより検出した可動部の動作速度に基づいて、アクチュエータの駆動電圧をフィードバック制御することができるので、アクチュエータに一定の駆動電圧を供給しているにもかかわらず、弾性部材の温度変化以外の要因により、可動部の動作速度が一定しないような場合であっても、可動部の動作速度が一定になるようにアクチュエータの駆動電圧を制御することができるので、遊技球の発射強度をより一層安定させることができる。
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る弾球遊技機に好適な実施形態として本発明をパチンコ遊技機に適用した場合を示す。
[弾球遊技機の構成]
弾球遊技機の概観について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された扉11とから構成されている。この扉11は、図1に示すように、開口12aを前面から閉鎖するためのものであり、通常閉鎖した状態で遊技が行われる。また、本体枠12の前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26等が配設されている。
本体枠12の開口12a内部には、画像を表示する表示手段としての液晶表示装置32と、スペーサー31、遊技盤14等が配設されている。なお、遊技盤14、スペーサー31、液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
遊技盤14は、その全部が透光性を有する板形状の樹脂(透光性を有する部材)によって形成されている。この透光性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14は、その前面側に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の障害釘13が打ちこまれている。
遊技に関する演出画像を表示する表示手段の一例である液晶表示装置32は、スペーサー31を挟んで、遊技盤14の背後に設けられている。すなわち、液晶表示装置32は、遊技盤14の透光性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有している。この表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部に、スペーサー31を挟んで、背面側から重なるように配設される。具体的には、液晶表示装置32は、その表示領域32aが遊技領域15の全部又は一部と、遊技領域外域16の全部又は一部とに重なるように遊技盤14の後方に配設される。この液晶表示装置32における表示領域32aには、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像等、各種の画像が表示される。
また、本実施形態において、遊技盤14における透光性領域の背後に液晶表示装置32などの表示手段を設けることにより、例えば、障害釘の植設領域や役物、装飾部材といった遊技部材を設ける領域を大きくし、レイアウトの自由度も更に大きくすることが可能である。
スペーサー31は、遊技盤14の後方(背面側)に配設されるとともに、液晶表示装置32の前方(前面側)に配設される。つまり、スペーサー31は、遊技盤14と液晶表示装置32によって挟持される。このスペーサー31は、透光性を有した材料で形成されており、中央に大きな貫通穴31aが設けられている。貫通穴31aには、電飾ユニット53が設けられている。
図3によって、特別図柄表示器33、普通図柄表示器35、特別図柄保留ランプ34a〜34dおよび普通図柄保留ランプ50a〜50dを説明する。図3は、電飾ユニット53の拡大図である。
図3に示すように、表示器ケース37に収容される特別図柄表示器33は、7セグメントLED41で構成されている。この7セグメントLED41は、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。7セグメントLED41の点灯・消灯によって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄として変動表示される。
本実施形態においては、パチンコ遊技機10の遊技状態は、大別して一般遊技状態(大当たりの抽選を行いながら遊技球を消費する、所謂遊技者に不利な状態)と大当たり遊技状態(遊技者にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技者にとって有利な状態)に分かれる。さらに、後述の特別図柄制御処理において抽選された、前記特別図柄表示器33に変動停止表示される特定の数字図柄により、15R確変大当たり遊技状態、2R確変大当たり遊技状態または15R通常大当たり遊技状態の、3種類の大当たり遊技状態が決定する。そして、それぞれの大当たり遊技状態が終了後、前記一般遊技状態も、確変モードまたは時短モードと異なる状態の一般遊技状態へ移行する。
つまり、前記特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“7”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R確変大当たり遊技状態に移行する。また、特定の数字図柄(例えば、“3”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大2回継続して行われる2R確変大当たり遊技状態に移行する。そして、大当たり遊技状態の終了後は、大当たり遊技状態に移行する確率が通常より高い一般遊技状態である確変モードに移行する。特定の数字図柄(例えば、“5”の数字図柄)が停止表示された場合は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R通常大当たり遊技状態に移行する。そして、大当たり遊技状態の終了後は、一般遊技状態である時短モードに移行する。この時短モードは、前記特別図柄の変動回数(例えば100回)を消化すると、一般遊技状態である通常モード(パチンコ遊技機10において最も基本的な一般遊技状態)に移行する。
一方、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄(例えば、“3”、“5”、または“7”以外の数字図柄)が停止表示された場合は、基本的に一般遊技状態は移行しない。但し、詳細は後述の特別図柄制御処理で説明するが、一般遊技状態が時短モードの場合は、特別図柄の変動回数が所定の変動回数(例えば100回)に達したと判断すると、一般遊技状態を時短モードから通常モードへ移行する。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
表示器ケース37の左右の両側には、特別図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この特別図柄保留ランプ34a〜34dは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「特別図柄の保留球数」)を表示する。
特別図柄表示器33の右側には、普通図柄表示器35が設けられている。普通図柄表示器35は、2つの表示用ランプ(図示せず)で構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、例えば“○”、“×”等の記号が普通図柄として変動表示される。
表示器ケース37の下側には、普通図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この普通図柄保留ランプ50a〜50dは、後述するように、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(所謂、「普通図柄の保留球数」)を表示する。
図1及び図2を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明を続ける。遊技盤14の透光性領域の外側には、発光表示手段としての装飾ランプ133a、133bが配設されており、遊技状態に合わせた所定の発光態様の表示を行う。
扉11には、透光性を有する保護板19が配設されている。この保護板19は、扉11が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。
また、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域32aでは、前述した特別図柄表示器33において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
例えば、特別図柄表示器33で表示される特別図柄の変動表示中においては、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、一列の図柄列に数字や記号等からなる装飾図柄(演出用の識別情報でもある。例えば、“0”から“9”までの数字)が変動表示される。また、特別図柄表示器33において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aでも演出用の装飾図柄が停止表示される。
また、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当たりであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の装飾図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、“1”から“9”のいずれかが全て揃った状態で停止表示される態様)となる。
この演出用の装飾図柄の組合せとして、特定の“奇数”の数字図柄が全て揃った状態で停止表示された場合(例えば、“111”〜“999” の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R確変大当たり遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“7”である。また、特定の数字図柄が連番で停止表示された場合(例えば、“1”“2”“3”の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大2回継続して行われる2R確変大当たり遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“3”である。さらに、特定の“偶数”の数字図柄が全て揃った状態で停止表示された場合(例えば、“222”〜“888” の数字図柄)は、一般遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R通常大当たり遊技状態に移行する。この場合は、前記特別図柄表示器33に表示される特定図柄は“5”である。このように、前述した、特別図柄表示器33に停止表示される特定図柄に対応した装飾図柄の組み合わせが、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて停止表示される。
このように、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の装飾図柄の組合せが特定の表示態様となった場合には、更に、「大当たり!!」などの文字画像とともに、喜んでいるキャラクタ画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。
なお、本発明における遊技は、始動口25に遊技球が入球したことを契機に、遊技者にとって有利な遊技へ移行するか否かの抽選が行われ、特別図柄表示器33において識別図柄の変動表示が行われ、液晶表示装置32において演出としての装飾図柄の変動表示、及びこれに伴う演出表示が行われる遊技である。
次に、図4を用いて、パチンコ遊技機10の概観を詳細に説明する。図4は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す正面図である。なお、図4を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明では、図1及び図2を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明と重複する部分を省略することがある。また、図4においては、遊技盤14に打ち込まれている複数の障害釘13の記載を省略している。
図4に示すように、遊技盤14には、2つのガイドレール30(30a及び30b)、障害物55、57、通過ゲート54、始動口25、大入賞口39、が設けられている。なお、遊技盤14の上部では、特別図柄表示器33、普通図柄表示器35等の電飾ユニット53(図3参照)が視認可能となっている。
遊技盤14の上部には障害物55が設けられ、遊技盤14の略中央には障害物57が設けられている。この障害物57下部には、始動口25が設けられている。
遊技盤14の左側に設けられている2つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14の上部に移動し、電飾ユニット53上を通過して、前述した複数の障害釘13(図2参照)、遊技盤14上に設けられた障害物55、57等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
前記始動口25に遊技球が入賞した場合には、特別図柄表示器33による特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された後に、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。つまり、前記電飾ユニット53に設けられた、特別図柄保留ランプ34a〜34d(図3参照)は、保留された特別図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、特別図柄の変動表示が一旦停止表示され、次の保留されていた特別図柄の変動表示が開始されると、それに対応した特別図柄保留ランプは消灯される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として特別図柄の変動表示は保留される。
また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、前述した始動口25に遊技球が入賞した場合には、前記特別図柄の変動表示の開始にあわせて、演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄に関する変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の演出用の識別情報が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく演出用の装飾図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた演出用の装飾図柄が停止表示された場合には、保留されていた演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。
なお、本実施形態においては、始動口25に遊技球が入賞したこと等を、所定の特別図柄の変動表示開始条件又は所定の演出用の装飾図柄の変動表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
遊技盤14の略中央の左側には通過ゲート54が設けられている。この通過ゲート54には、後述する通過球センサ114(図5参照)が設けられている。通過球センサ114は、遊技球が通過ゲート54を通過したことを検出する。そして、通過球センサ114によって遊技球の通過が検出されたときには、普通図柄表示器35において普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止する。前述したように、この普通図柄は、“○”、“×”等の記号である。
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、始動口25の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)23が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入りやすくなる。また、羽根部材23を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材23の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
また、特別図柄の変動表示と同じように、普通図柄の変動表示中において通過ゲート54を遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、通過ゲート54への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。つまり、前記電飾ユニット53に設けられた、普通図柄保留ランプ50a〜50d(図3参照)は、保留された普通図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、変動が停止表示されると、次の保留されていた普通図柄の変動表示が開始され、それに対応した普通図柄保留ランプは消灯される。なお、普通図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として保留される。
大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が前記の大当たり遊技状態(つまり、15R確変大当たり、2R確変大当たりおよび15R通常大当たり状態)に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、V・カウントセンサ102(図5参照)を有する特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図5参照)を有する一般領域(図示せず)とがあり、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。
なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数されるため、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40は、開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、シャッタ40の開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ102を通過したことを条件に、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を大当たり遊技状態という。すなわち、大当たり遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態である。
また、前述した始動口25、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
ここで、本実施形態においては、役物の一例として、大入賞口39の役物が記載されているが、本発明はこれに限定されず、遊技盤上に2つ以上のいかなる数の役物が設けられてもよい。
また、本実施形態では、大当たり遊技状態の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、15ラウンドまたは2ラウンドである。なお、大当たり遊技状態の実行中における最大継続ラウンド数は限定されるものではない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(後述するメインCPU66を含む主制御回路60(図5参照))による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるなど、任意のラウンド数であってもよい。
なお、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32とは別に特別図柄表示器33および普通図柄表示器35を備えるように構成したが、これに限らず、液晶表示装置32に特別図柄及び普通図柄を変動表示させるように構成してもよい。また、変動表示手段として液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、ドラム、ベルト、リーフ等を変動表示手段として採用してもよい。
また、図4において、パチンコ遊技機10の右下部には、遊技球を遊技盤14へ発射させるために遊技者が操作する発射ハンドル26を備えている。
この発射ハンドル26は、本体枠12に対して回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、発射ハンドル26の回動操作に連動して駆動し、遊技球を遊技盤14へ発射するアクチュエータとして機能する発射ソレノイド300(図5参照。)が設けられている。
本実施形態では、これら発射ハンドル26と発射ソレノイド300とにより、遊技球を遊技盤14へ発射する発射装置130を構成している。
[弾球遊技機の発射装置]
ここで、本実施形態に係る発射装置130について、図5〜図7を参照して具体的に説明する。
図5に示すように、発射装置130は、パチンコ遊技機10の本体枠12における右下部に回動自在に設けられた発射ハンドル26と、パチンコ遊技機10の内部で、正面視、発射ハンドル26の左下に配設されたプランジャ式の発射ソレノイド300とを備えている。
そして、この発射装置130は、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されると、その回動角度に応じた駆動電圧が発射ソレノイド300に供給されて発射ソレノイド300が駆動し、遊技球を外レール30aと内レール30bとの間へ向けて打ち出すことにより、上皿20に貯留された遊技球を遊技盤14に順次発射するように構成している。
発射ソレノイド300は、図6及び図7に示すように、当該発射ソレノイド300をパチンコ遊技機10内部の所定位置に固定するためのケース301と、発射ハンドル26の回動操作に連動して遊技球の発射方向に摺動自在に配設さられた可動部として機能するロッド302と、このロッド302の先端部分に取付けられ、ロッド302の摺動(往復移動)に連動して動作して遊技球を打ち出す際に遊技球と接触する弾性部材により構成した接触部306と、ロッド302と一体に形成され、ロッド302と共に摺動する鉄製のプランジャ303と、このプランジャ303とケース301との間に伸縮自在に架設された一対の復帰用のコイルスプリング304と、駆動電圧を印加することにより電磁石となってプランジャ303を吸着して摺動させるコイル305とを備えている。なお、図6及び図7中の符号308は、発射ソレノイド300をパチンコ遊技機10の所定位置に固定するためのビスである。
そして、この発射ソレノイド300は、後述する発射制御回路126a(図8及び図9参照。)からコイル305へ、発射ハンドル26の回動操作量に応じた駆動電圧が印加されることによって、プランジャ303と共にロッド302が摺動して遊技球を遊技盤14へ打ち出すことができるように構成している。
具体的に説明すると、この発射ソレノイド300は、コイル305に駆動電圧が印加されていない状態では、図6に示すように、プランジャ303がコイルスプリング304からの押圧力だけを受けて、ロッド302と共にケース301内の最も右下側へ移動した状態となっている。
ここで、発射ソレノイド300に駆動電圧を供給すると、コイル305に駆動電圧が印加されてコイル305が電磁石となり、その吸着力によってプランジャ303をコイル305側に引き寄せ、図7に示すように、プランジャ303がコイルスプリング304を押し縮めながら、ロッド302と共にケース301内を左上方向に移動する。
このように、プランジャ303がケース301内を右下から左上へ移動するのに伴って、ロッド302が遊技球の打ち出し方向に摺動して、遊技球を遊技盤14へ打ち出すのである。
その後、発射ソレノイド300への駆動電圧の供給を停止すると、プランジャ303は、コイル305からの吸着力から開放されて、コイルスプリング304の押圧力により図6に示す状態に戻る。
なお、図6及び図7に示した発射ソレノイド300の駆動機構は、一例を示したにすぎず、発射ソレノイド300としては、任意の駆動機構を備えた他のプランジャ式ソレノイドを用いることもできる。
本実施形態では、0.6秒間隔でコイル305へ駆動電圧を印加することにより、毎分100発の遊技球を遊技盤14に打ち出すようにしている。
特に、本実施形態の発射ソレノイド300は、ロッド302の動作状態を検出する動作状態検出手段を備えており、後述の発射制御回路126aが、この動作状態検出手段の検出結果に基づいて、発射ソレノイド300に供給する駆動電圧値をフィードバック制御して、接触部306を構成する弾性部材の温度変化に起因した弾性変化による遊技球の発射強度の変化(バラツキ)を抑制するようにしている。
本実施形態では、図6及び図7に示すように、ロッド302の動作加速度を検出可能な動作加速度センサ307を、弾性部材により構成した接触部306が取付けられている側のロッド302の先端内部に埋設している。
この動作加速度センサ307は、外部から力が加わると、その力に応じた電気信号を出力するピエゾ素子(圧電素子)を備えている。そして、この動作加速度センサ307は、ロッド302が摺動(往復移動)した際に、ロッド302の動作加速度によるGがピエゾ素子にかかると、そのGに応じた電気信号を、後述の発射制御回路126a(図8及び図9参照)へ出力するようにしている。
このように、本実施形態の発射ソレノイド300は、弾性部材により構成した接触部306が取付けられている側のロッド302の先端内部に動作加速度センサ307を埋設しているため、発射ソレノイド300に一定の駆動電圧を供給している状態において、接触部306又は接触部306近傍の温度が変化した場合に、発射制御回路126aは、動作加速度センサ307によってロッド302の動作加速度の変化を検出し、ロッド302の動作加速度が低下した場合に駆動電圧を上昇させ、ロッド302の動作加速度が上昇した場合に駆動電圧を低下させて発射ソレノイド300に供給するフィードバック制御を行うようにしている。
そして、発射制御回路126aが駆動電圧に対してこのようなフィードバック制御を行うので、本実施形態の発射装置130は、接触部306の温度変化に起因した弾性変化による遊技球の発射強度の変化を抑制することができるのである。
具体的に説明すると、この発射ソレノイド300では、コイル305に比較的大きな駆動電圧が繰り返し印加されるのでコイル305が熱を帯びる、その熱がロッド302を介して接触部306に伝達されて接触部306が熱を帯びてしまう。しかも、接触部306は、繰り返し遊技球を打ち出しているうちに、遊技球との摩擦熱によっても熱を帯びてしまう。
そのため、発射ソレノイド300を長時間連続して駆動すると、接触部306が高温になり、この熱により接触部306を構成する弾性部材の弾力性が変化して軟化し、その結果、発射ソレノイド300に一定の駆動電圧を供給しているにもかかわらず、遊技球の発射強度が低下することとなる。
このとき、発射ソレノイド300に、接触部306の弾力性が変化する前と同じ駆動電圧を供給すると、ロッド302は、図6に示す状態から弾力性が変化する前と同じ動作加速度にて摺動を開始するが、遊技球に衝突した後、遊技球から離反する際には、弾力性が変化する前の離反時の動作加速度よりも低い動作加速度で摺動する。
そこで、本実施形態の発射装置130では、発射制御回路126aから発射ソレノイド300へ、一定の駆動電圧を供給している状態において、動作加速度センサ307により、接触部306が遊技球から離反する際のロッド302の動作加速度を検出し、この動作加速度が低下した場合に駆動電圧を上昇させ、動作加速度が上昇した場合に駆動電圧を低下させてコイル305に印加する駆動電圧のフィードバック制御を行うことによって、接触部306の温度変化に起因した弾性変化による遊技球の発射強度の変化を抑制するようにしている。
[弾球遊技機の電気的構成]
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図8を用いて説明する。図8は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路は、主に、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技の制御を行うものであり、副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)を行うものである。
主制御回路60は、図8に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、特別遊技実行手段や抽選手段として機能するなど、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当たり判定をする際に参照される大当たり抽選テーブル(図11参照)等の各種のテーブルが記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図5に示すように、V・カウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
V・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域に設けられている。このV・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dへ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114は、通過ゲート54に設けられている。この通過球センサ114は、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
遊技球検出手段である始動入賞球センサ116は、始動口25に設けられている。始動入賞球センサ116は、始動口25に遊技球が入賞したことを検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材23に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23を開放状態または閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図4に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40内部に設けられているシーソー(図示せず)に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、特定領域を通過しやすくなるように又は一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、発射制御回路126aと、払出制御回路126bとが接続されている。そして、発射制御回路126aには、上記した発射装置130が接続され、払出制御回路126bには、払出装置128が接続されている。
この払出制御回路126bは、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。
また、発射制御回路126aは、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行なうものであり、発射装置130の動作を制御する制御手段として機能するものである。
そして、この発射制御回路126aは、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じた駆動電圧を発射ソレノイド300に供給して、上皿20に貯留された遊技球を発射ソレノイド300により遊技盤14に順次発射させる制御を行う。
特に、この発射制御回路126aは、図9に示すように、マイクロコンピュータ309と、駆動電圧供給回路310と、逆起電力検出回路311とを備えている。
マイクロコンピュータ309は、主制御回路60と駆動電圧供給回路310と、発射ハンドル26と、逆起電力検出回路311と、動作加速度センサ307とに接続されている。
そして、このマイクロコンピュータ309は、主制御回路60から入力されるシステムクロックに基づいて動作して、駆動電圧供給回路310へ、駆動電圧を発射ソレノイド300のコイル305に印加させるタイミングを指示する情報と、発射ソレノイド300のコイル305へ印加させる駆動電圧値を指示する情報とを含む指示信号を出力する。
駆動電圧供給回路310は、マイクロコンピュータ309と、逆起電力検出回路311と、発射ソレノイド300のコイル305とに接続されている。
そして、この駆動電圧供給回路310は、マイクロコンピュータ309から入力される指示信号に基づいて、発射ソレノイド300のコイル305へ駆動電圧を所定のタイミングで印加する。なお、この駆動電圧供給回路310から発射ソレノイド300のコイル305へ所定のタイミングで印加される駆動電圧が上記した発射信号に相当するものである。
逆起電力検出回路311は、マイクロコンピュータ309と、駆動電圧供給回路310と、発射ソレノイド300のコイル305とに接続されている。
そして、この逆起電力検出回路311は、駆動電圧供給回路310がコイル305への駆動電圧の印加を停止した直後に、コイル305から入力される逆起電力の電圧値を検出し、その検出結果をマイクロコンピュータへ出力する。
このように構成した発射制御回路126aは、発射ハンドル26の回動操作量に応じた駆動電圧を発射装置130が備える発射ソレノイド300へ供給して、発射ソレノイド300のコイル305へ駆動電圧を印加することにより発射ソレノイド300を駆動させて、発射ハンドル26の回動操作量に応じた発射強度で遊技球を遊技盤14へ発射させる。
しかも、この発射制御回路126aは、発射ハンドル26の回動操作量が一定に保たれている状態において、発射ソレノイド300の接触部306が温度変化によって弾性変化を生じた場合には、発射ソレノイド300のロッド302内に設けた動作加速度センサ307の検出結果、及び、逆起電力検出回路311の検出結果に基づいて、接触部306の弾性変化による遊技球の発射強度の変化を抑制するように、発射ソレノイド300へ供給する駆動電圧をフィードバック制御して、遊技球の発射強度を一定に保ちながら、発射ソレノイド300に遊技球を発射させるようにしている。
ここで、発射制御回路126aのマイクロコンピュータ309が行う駆動電圧のフィードバック制御について、具体的に説明する。
まず、発射ソレノイド300の接触部306に温度変化による弾性変化が生じていない場合において、マイクロコンピュータ309は、通常の制御として、発射ハンドル26から発射ハンドル26の回動操作量を示す信号が入力されると、その回動操作量に応じた駆動電圧を所定のタイミングで駆動電圧供給回路310から出力させるための指示信号を駆動電圧供給回路310へ出力する。
このときマイクロコンピュータ309は、逆起電力検出回路311から入力される逆起電力の電圧値を参照しながら、逆起電力の電圧値を一定に保つように駆動電圧をフィードバック制御するようにしている。
このように、マイクロコンピュータ309が逆起電力に基づいた駆動電圧のフィードバック制御を行うことにより、外的要因により駆動電圧供給回路310の動作が不安定になった場合であっても、発射ソレノイド300へ発射ハンドル26の回動操作量に応じた駆動電圧を安定して供給することができ、遊技球の発射強度を一定に保つことができる。
すなわち、駆動電圧供給回路310は、発射制御回路126a内の温度変化や、製造時に生じた駆動電圧供給回路310の特性のバラツキ、外部からの衝撃等、様々な要因により、マイクロコンピュータ309から正常な指示信号が入力されているにもかかわらず、その指示信号どおりの駆動電圧を出力できなくなることがある。
そこで、この発射制御回路126aが備えるマイクロコンピュータ309は、逆起電力検出回路311により検出した逆起電力を監視することによって、駆動電圧供給回路310が正常に作動しているか否かを監視するようにしている。
ここで、逆起電力検出回路311が検出する逆起電力は、駆動電圧供給回路310が発射ソレノイド300への駆動電圧の供給を停止した直後に、発射ソレノイド300から逆起電力検出回路311へ逆流する電力であり、その電圧値は、駆動電圧値の変化に追従して変化する。
つまり、逆起電力検出回路311は、逆起電力を検出することにより、駆動電圧供給回路310から発射ソレノイド300に供給される駆動電圧を間接的に検出することができ、この駆動電圧に基づいて、ロッド302の動作速度を間接的に検出することができる動作速度センサとして機能するものである。
そのため、マイクロコンピュータ309は、この逆起電力の電圧値の変化を監視することによって、ロッド302の動作速度が一定であるか否かを検知することができ、逆起電力の電圧値が一定になるように駆動電圧を制御することによって、遊技球の発射強度を一定に保つことができるのである。
しかも、上記したように、駆動電圧供給回路310は、0.6秒間隔で駆動電圧の供給と、駆動電圧の供給停止を繰り返すので、逆起電力検出回路311も0.6秒間隔で逆起電力の検出を行うこととなる。
その結果、マイクロコンピュータ309は、遊技が継続されている間、0.6秒という非常に短い時間間隔で、遊技球が発射される度毎に駆動電圧の補正を行うことができるので、駆動電圧供給回路310が出力する駆動電圧の値を細やかにフィードバック制御することができる。
そして、マイクロコンピュータ309は、このような通常の制御を行っているときに、動作加速度センサ307から、発射ソレノイド300の接触部306が遊技球から離反する際の動作加速度に変化が生じたことを示す信号が入力されると、温度変化により接触部306の弾性部材の弾性が変化したと判断して、弾性変化時の制御を行う。
ここで、接触部306に弾性変化が生じていないときの接触部306の動作加速度の時間変化と、接触部306に弾性変化が生じたときの接触部306の動作加速度の時間変化について、図10を参照して説明する。なお、図10では、接触部306が図6に示した位置から図7へ示す位置へ向けて加速移動する際の加速度を正としている。
接触部306に弾性変化が生じていないときに、接触部306の動作加速度は、図10の実線に示すような時間変化をたどり、接触部306の温度が上昇して接触部306に弾性変化が生じたときに、図10の点線に示すような時間変化をたどる。なお、図10において、実線と点線とが重なりあう部分は実線により示すようにしている。
すなわち、接触部306に弾性変化が生じていない状態において、発射ソレノイド300により遊技球を発射すると、接触部306は、図6に示した位置から遊技球がセットされている位置へ向けて摺動を開始して時刻t1において往路での最高速に達する。
そして、接触部306は、時刻t2において遊技球と衝突した後、弾性部材の反発力によって図7に示した位置から図6へ示した位置へ向けて摺動を開始し、時刻t3において復路での最高速に達する。
また、接触部306に弾性変化が生じている状態において、発射ソレノイド300により遊技球を発射すると、接触部306は、弾性変化が生じていないときと同様に、図6に示した位置から遊技球がセットされている位置へ向けて摺動を開始して時刻t1において往路での最高速に達する。
ここで、時刻t1における正の動作加速度は、弾性変化の有無にかかわらず同じ動作加速度となる。
その後、接触部306は、時刻t2において遊技球と衝突した後、弾性部材の反発力によって図7に示した位置から図6へ示した位置へ向けて摺動を開始し、時刻t3において復路での最高速に達する。
ここでは、接触部306の弾性が温度上昇により変化(軟化)しているため、接触部306が遊技球から離反する際の動作加速度は、図10に点線で示すように、弾性変化が生じていないときよりも小さくなる。
そして、マイクロコンピュータ309は、この時刻t3における負の動作加速度の変化を検出することによって、接触部306に弾性変化が生じているか否かを検出し、負の動作加速度が減少するほど、駆動電圧供給回路310から出力させる駆動電圧の電圧値を高めるフィードバック制御を行って、遊技球の発射強度を一定に保つようにしている。
また、主制御回路60には、ランプ制御回路76が接続されており、このランプ制御回路76は、メインCPU66からの指示に従い、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、特別図柄表示器33(7セグメントLED41)、普通図柄表示器35(表示用ランプ)等を制御する。
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ133a、133bの制御等を行なう。
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、可変表示制御手段、音発生制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプなどのランプ133a、133bの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、後述するように、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の特別図柄の変動表示に関連して実行される液晶表示装置32の画像表示に伴う複数種類の演出画像データや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出画像データが記憶されており、その他には、リーチ演出の表示期間を定めたリーチ時間テーブル等各種のテーブルも記憶されている。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に伴う複数種類の演出パターンや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出パターン等の演出画像データ等を、液晶表示装置32に画像を表示させる制御を行うものである。
音声制御回路230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、スピーカ46から音声を発生させるものである。
ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133a、133bの発光制御を行うものである。
なお、本実施形態においては、パチンコ遊技機10の制御回路において、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200を別々に構成しているが、主制御回路60と副制御回路200とを同じ基板で構成してもかまわない。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に、プログラム、テーブル等が記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210等に記録されるものでもよい。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
[弾球遊技機の動作]
本実施形態では、遊技状態は大別して一般遊技状態(大当たりの抽選を行いながら遊技球を消費する、所謂遊技者に不利な状態)と大当たり遊技状態(遊技者にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技者にとって有利な状態)に分かれる。さらに一般遊技状態においても、通常モード、確変モード、時短モードと3つの遊技状態が設けられている。以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図12〜図18に示す。
[メイン処理]
最初に、図12に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図14を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、特別図柄表示器33に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS12)。そして、詳しくは、図16を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示器35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS13)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS12及びステップS13の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図13を用いて説明する。
最初に、図13に示すように、メインCPU66は、大当たり抽選用乱数値等の各抽選値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS21)。そして、メインCPU66は、始動口25等への遊技球の入賞を検知する入力検出処理を実行する(ステップS22)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たりが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS23)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS24)。この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
ステップS25においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、導出表示される特別図柄の種類を示す導出図柄指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
そして、ステップS26の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126aへ送信する等の払出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126aへ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図12のステップS12において実行される特別図柄制御処理について図14を用いて説明する。
最初に、ステップS31の処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグを読み出しステップS32に処理を移す。
ステップS32においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(00)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(00)でない場合には、ステップS34に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(00)の場合には、ステップS33へ処理を移し、特別図柄記憶チェック処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理では、詳細は後述するが、特別図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、“大当たり”の抽選、特別図柄の変動開始、特別図柄変動タイマのセット等を行い、特別図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS34においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(01)でない場合には、ステップS40に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(01)の場合には、特別図柄変動時間監視処理を行う。すなわち、ステップS35において、特別図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)か否かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS36で特別図柄の停止処理を行うとともに、メインRAM70に記憶されている特別図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。さらに、メインCPU66は、遊技状態フラグが時短モードであるか判断し、時短モードの場合はメインRAM70に記憶されている時短回数を“1”減少するように記憶更新し、そして、時短回数が“0”(つまり時短モードの終了)になった場合は、遊技状態フラグを通常モードにセットして、時短モードを終了させる。
次に、メインCPU66は、ステップS37において特別図柄が大当たりか否かを判断し、大当たりでなければステップS39において、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して処理を終了する。また、特別図柄が大当たりであった場合は、ステップS38の大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、メインCPU66は、特別図柄制御フラグに大入賞口開放待ちを示す値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
ステップS40においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(02)でない場合には、ステップS43に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(02)の場合には、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、まず、メインCPU66は、ステップS41で大入賞口開放待ちタイマがタイムアップ(つまり“0”)かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、ステップS42で大入賞口開放処理を行う。この大入賞口開放処理では、メインCPU66は、まず大入賞口の開放をセット(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の開放指示を記憶する)し、次に大当たりの種類によって大入賞口開放タイマに大入賞口の開放時間(例えば、大当たりが15R確変大当たり、または15R普通大当たりの場合は30秒、2R確変大当たりの場合は1秒)をセットする。そして、特別図柄制御フラグに大入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
ステップS43においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(03)でない場合には、ステップS50に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(03)の場合には、大入賞口開放監視処理を行う。大入賞口開放監視処理では、まずメインCPU66は、ステップS44で大入賞口開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したか、または、大入賞口へ規定の個数の遊技球が入賞したか否かを判断する。そして大入賞口開放タイマのタイムアップ、同時に、大入賞口へ規定の個数の遊技球が入賞していなければ処理を終了する。そして入賞口開放タイマのタイムアップ、または、大入賞口へ規定の個数の遊技球が入賞のいずれか一方の条件を満たしたことで、ステップS45へ処理を移行する。
ステップS45においては、メインCPU66は、大入賞口閉鎖処理(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の閉鎖指示を記憶する)を実行してステップS46へ処理を移す。
ステップS46においては、メインCPU66は、大入賞口開放回数(所謂ラウンド数)をカウントし、規定回数(15R通常大当たりまたは15R確変大当たりでは15回、2R確変大当たりでは2回)に達したか否かを判断し、規定回数に達した場合はステップS49で特別図柄制御フラグに大当たり終了処理を要求する値(04)をセットし処理を終了する。また、メインCPU66は、大入賞口開放回数が規定回数に達していなかった場合は、ステップS47で、大入賞口へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過したか否かを判断し、大入賞口へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過しなかった場合(V・カウントセンサ102が遊技球の通過を検出しなかった場合)は、ステップS49で特別図柄制御フラグに大当たり終了処理を要求する値(04)をセットし処理を終了する。一方、メインCPU66は、大入賞口へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過した(つまり、V・カウントセンサ102が遊技球の通過を検出した)場合は、ステップS48へ処理を移す。
ステップS48では、メインCPU66は、大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、特別図柄制御フラグに再度大入賞口の開放を要求する値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
ステップS50においては、メインCPU66は、大当たり終了処理を行う。大当たり終了処理では、大当たり図柄が15R確変大当たりまたは2R確変大当たりの場合は、遊技状態フラグを確変モードとし、大当たり図柄が15R通常大当たりの場合には、遊技状態フラグを時短モードとして、さらに時短モード中の特別図柄の変動回数の上限(例えば100回)をメインRAM70の所定の領域に記憶する。最後にメインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図14のステップS33において実行される特別図柄記憶チェック処理について図15を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS61において、特別図柄保留個数が“0”であるか否かを判断し、特別図柄の保留個数が“0”の場合には、ステップS62に処理を移し、特別図柄の保留個数が“0”でない場合(つまり、特別図柄の変動がある場合)には、ステップS63に処理を移す。
ステップS62においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために、副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するためのデータを、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
ステップS63においては、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を要求する値(01)を、特別図柄制御フラグにセットし、ステップS64に処理を移す。
ステップS64においては、大当たり抽選処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、遊技状態フラグを読み出し、読み出した遊技状態フラグに基づいて、大当たりの抽選値が異なる複数の大当たり抽選テーブル(図11参照)から1つの大当たり抽選テーブルを選択する。そして、始動口25へ遊技球が入賞した時に抽出された大当たり抽選用乱数値と、前記選択された大当たり抽選テーブルを参照し、大当たりを抽選(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たりまたは“はずれ”のうちのいずれかを決定)する。ここで、図11の大当たり抽選テーブルに示すように、通常モードまたは時短モードにおける大当たり抽選テーブルと確変モードにおける大当たり抽選テーブルでは、大当たりの抽選値は、通常モード及び時短モードでは7/400(15R通常大当たり、15R確変大当たり及び2R確変大当たりの全て大当たり抽選値の合計)に設定されているのに対し、確変モードでは70/400(15R通常大当たり、15R確変大当たり及び2R確変大当たりの全て大当たり抽選値の合計)と設定されている。つまり遊技状態フラグに基づいて大当たり抽選テーブルを選択することによって、大当たり遊技状態に移行する確率が異なることとなる。このように、遊技状態フラグが確変モードである場合には、大当たり遊技状態に移行する確率は、通常モードや時短モードよりも向上することとなるので、遊技者にとって有利な状態といえる。この処理が終了した場合には、ステップS65に処理を移す。
ステップS65においては、メインCPU66は、大当たりであるか否かの判断処理を行う。この処理において、メインCPU66は、前述したステップS64の大当たり抽選処理における抽選結果が大当たりであった場合には、ステップS66に処理を移し、大当たりでなかった場合には、ステップS67に処理を移す。
ステップS66においては、特定図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当たりの種類に対応して表示される特定図柄を決定する。例えば、15R確変大当たりに対しては、特定図柄は“7”が決定され、2R確変大当たりに対しては、特定図柄は“3”、または、15R通常大当たりに対しては、特定図柄は“5”というように、それぞれの大当たりに対応して特定図柄は決定される。そして、決定された特定図柄は、メインRAM70の所定の領域に記憶される。これによって、特別図柄表示器33に、大当たりに対応した特定図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
ステップS67においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄に対応した特定図柄(例えば“7”、“3”、“5”以外の数字)を決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。これによって、特別図柄表示器33に、はずれに対応した特定図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
ステップS68では、遊技状態判別処理を行う。この遊技状態判別処理において、メインCPU66は、現在の遊技状態フラグが、確変モードもしくは時短モードであると判断した場合は、ステップS70へ処理を移行し、現在の遊技状態フラグが通常モードであると判断した場合は、ステップS69において、通常モードの特別図柄変動時間(例えば10秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS70においては、メインCPU66は、確変モードまたは時短モードの特別図柄変動時間(通常モードの特別図柄変動時間より短い時間、例えば5秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS71においては、メインCPU66は、特別図柄表示器33(図3参照)に対して、変動表示を開始させる要求をメインRAM70の所定の領域に記憶して、ステップS72へ処理を移す。この処理によって、特別図柄表示器33においては、前記ステップS69及びステップS70で特別図柄変動タイマにセットされた変動時間にあわせて、特別図柄の変動表示が行なわれ、所定時間経過後(特別図柄変動タイマがタイムアップした後)前記ステップS66及びステップS67で決定された“大当たり”または“ハズレ”の特別図柄が停止表示されることとなる。
ステップS72では、液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄や演出時間の決定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS66またはステップS67で記憶された“大当たり”または“はずれ”のデータ、そしてステップS69またはステップS70で記憶された特別図柄変動時間等のデータを、図13のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200において、装飾図柄が液晶表示装置32の表示領域32aに導出表示されるとともに、装飾図柄の変動時間も決定されることとなる。これにより、特別図柄表示器33で導出表示される特別図柄の変動時間と、液晶表示装置32に導出表示される装飾図柄の変動時間は、同期して行われることとなる。
[普通図柄制御処理]
図12のステップS13において実行されるサブルーチンについて図16を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS101において、普通図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
ステップS102においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが普通図柄記憶チェック要求を示す値(00)であるか否か判断し、普通図柄制御フラグが(00)でない場合はステップS104へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(00)の場合は、ステップ103の普通図柄記憶チェック処理を行う。この普通図柄記憶チェック処理では、詳しくは図17を用いて説明するが、メインCPU66は、普通図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、普通図柄の当り判定、普通図柄の変動開始、普通図柄の変動タイマのセット等を行い、普通図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS104においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(01)でない場合は、ステップS107へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(01)である場合は、ステップS105において、普通図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断し、タイムアップしていなかった場合は処理を終了する。一方、普通図柄変動タイマがタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS106において、普通図柄停止処理を行なう。この普通図柄停止処理においては、メインCPU66は、普通図柄表示器35に対して変動を停止する要求をセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これにより、普通図柄表示器35において、前記普通図柄記憶チェック処理で判定された、普通図柄の“当り”または“はずれ”の判定結果が表示されることとなる。この処理が終了すると、メインRAM70の所定の領域に記憶されている普通図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。そして、普通図柄制御フラグに(02)をセットして処理を終了する。
ステップS107においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(02)でない場合は、ステップS111へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(02)であった場合は、ステップS108へ処理を移し、普通図柄が当りか否かを判断する。そして、メインCPU66は、普通図柄が当りであると判断した場合は、ステップS109の普通電役開放処理に処理を移す。一方、メインCPU66は、普通図柄が当りではないと判断すると、ステップS110において、普通図柄制御フラグに普通図柄記憶チェックを要求する値(00)をセットして処理を終了する。
ステップS109における普通電動役物開放処理では、メインCPU66は、普通電動役物の羽根部材23の開放処理(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の解放を記憶する)を行う。さらに遊技台の遊技状態に合わせて、普通電動役物の羽根部材23の開放時間(例えば、遊技状態が確変モードまたは時短モードの場合は3秒、通常モードの場合は0.2秒)を普通電動役物開放タイマにセットし、普通図柄制御フラグに(03)をセットして処理を終了する。
ステップS111においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(03)でない場合は、ステップS114へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(03)であった場合は、ステップS112へ処理を移し、普通電動役物開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断する。そして、普通電動役物開放タイマがタイムアップしていない場合は処理を終了する。一方、普通電動役物開放タイマがタイムアップしたと判断した場合は、ステップS113の普通電動役物閉鎖処理において、普通電動役物である羽根部材23を閉鎖状態(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の閉鎖を記憶する)にさせる。そして普通図柄制御フラグに(04)をセットして処理を終了する。
ステップS114においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグをクリア(つまり普通図柄の記憶チェックを要求する値“00”をセット)して処理を終了する。
[普通図柄記憶チェック処理]
図16のステップS103において実行されるサブルーチンについて図17を用いて説明する。
最初に、ステップS121において、メインCPU66は、普通図柄保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、普通図柄保留個数が“0”であると判断した場合には、普通図柄記憶チェック処理を終了する。尚、この普通図柄保留個数はメインRAM70の所定の領域に記憶され、通過ゲート54を遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数(例えば“4”)を上限として“1”増加して記憶更新され、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了したときには、“1”減算して記憶更新される。一方、メインCPU66は、普通図柄の保留個数が“0”でないと判断した場合には、ステップS122において、普通図柄制御フラグに普通図柄変動タイマ監視要求の値“01”をセットし、ステップS123へ処理を移す。
ステップS123においては、普通図柄当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄始動領域通過時に(通過ゲート54を遊技球が通過することによって)抽出された普通図柄当り判定用乱数値と、メインROM68に記憶されている普通図柄当り判定値とを参照する。そして、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致する場合には、当り図柄(例えば、“○”図柄)を示すデータをメインRAM70の所定の領域に記憶する。一方、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致しない場合には、はずれ図柄(例えば、“×”図柄)を示すデータをメインRAM70の所定の領域に記憶する。このように記憶された当り図柄、はずれ図柄は、普通図柄表示器35に導出普通図柄指定コマンドとして供給される。これによって、普通図柄表示器35は、普通図柄の変動表示(例えば“○”、“×”図柄を交互に点滅させる)を開始する。この後、ステップS124に処理を移す。
ステップS124においては、メインCPU66は、遊技状態フラグが確変モードまたは時短モードであるか否かを判断し、遊技状態フラグが確変モードまたは時短モードであった場合は、ステップS126において、メインCPU66は、通常モードより短い普通図柄変動停止時間(例えば5秒)を、普通図柄変動タイマにセットして処理を終了する。一方、遊技状態が確変モードまたは時短モードでない(つまり通常モード)場合は、ステップS125において、メインCPU66は、確変モードまたは時短モードより長い普通図柄変動停止時間(例えば30秒)を、普通図柄変動タイマにセットして処理を終了する。
ここで、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の遊技状態フラグについて説明する。前述したように、パチンコ遊技機10における遊技状態フラグには、通常モード、確変モードおよび時短モードのいずれかが設定される。ここで、図11の大当たり抽選テーブルに示すように、遊技状態フラグが確変モードの場合は、大当たりを抽選する数値が70/400(15R通常大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たりの全ての抽選値の合計)に設定されているのに対し、遊技状態フラグが通常モードまたは時短モードの場合は、大当たりを抽選する数値が7/400(15R通常大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たりの全ての数値の合計)に設定されている。つまり、遊技状態フラグが確変モードの場合は、通常モードまたは時短モードの場合と比較して、10倍の確率で大当たり遊技状態への当選が期待できることとなる。いいかえると、確変モードは遊技者にとって次回の大当たりの期待値の大きい有利な遊技モードと言える。
さらに、特別図柄及び普通図柄の変動時間においても、前述したように、遊技状態フラグが確変モードまたは時短モードの場合と、通常モードの場合では、遊技状態フラグが確変モードまたは時短モードの方が、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短く設定されている。さらに、遊技状態フラグが確変モードまたは時短モードの方が、普通図柄が当たった場合の始動口25に付設された羽根部材23の開放時間が通常モードよりも長く設定されているため、羽根部材23の誘導により、始動口25に遊技球が入賞する機会が増加することとなる。つまり、遊技状態フラグが確変モードおよび時短モードの場合は、単位時間における特別図柄の抽選回数が通常モードに比べて増加するため、これも遊技者にとって有利な状態といえる。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図18を用いて説明する。尚、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、ステップS201において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。つまり、サブCPU206は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。尚、本実施形態においては、ステップS201を実行するサブCPU206は、初期設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60のメインCPU66から送られてきたコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、前記コマンド解析処理において、主制御回路60のメインCPU66からの導出図柄指定コマンドを受信した場合に、その導出図柄指定コマンドに応じた装飾図柄等の画像表示制御を、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて行うこととなる。
そして、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種のランプ133a、133bの発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS206の処理を繰り返し実行することとなる。
以上説明してきたように、本実施形態に係るパチンコ遊技機10は、遊技球を発射するプランジャ式の発射ソレノイド300に、ロッド302の動作加速度を検出する動作加速度センサ307を設け、発射制御回路126aが備えるマイクロコンピュータ309が、この動作加速度センサ307の検出結果に基づいて、発射ソレノイド300へ供給する駆動電圧をフィードバック制御するように構成したため、発射ソレノイド300を長時間継続して動作させて接触部306が高温になった場合であっても、遊技球の発射強度を一定に保つことができる。
また、上記した実施形態では、遊技球を発射するアクチュエータとして、プランジャ式の発射ソレノイド300を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、駆動電圧を供給することによって駆動して遊技球を発射する任意のアクチュエータに対して適用することができる。
ここで、本発明の他の実施形態として、本発明を、駆動電圧を供給することにより動作するモータと、モータの回転駆動に連動して回動することにより遊技球を打ち出すハンマーとを備えたアクチュエータを備えたパチンコ遊技機に適用した場合について、図19〜図22を参照して説明する。
なお、ここでは、図1〜図18を用いて説明したパチンコ遊技機10と同様の構成要件に関しては、同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
図19に示すように、このパチンコ遊技機の発射装置130aは、パチンコ遊技機10の本体枠12における右下部に回動自在に設けられた発射ハンドル26と、パチンコ遊技機10の内部で、正面視、発射ハンドル26の左下に配設されたモータ式のアクチュエータ400とを備えている。
この発射装置130aが備えるアクチュエータ400は、図20及び図21に示すように、駆動電圧供給回路310から供給される駆動電圧により駆動して回転するモータ402と、このモータ402の回転軸に連結され、モータ402の回転に連動して回動するハンマー401と、このハンマー401の先端側に取付けられ、遊技球を打ち出す際に遊技球と接触する弾性部材により構成した接触部405とを備えている。なお、図20及び図21に示す符号404は、ハンマー401の逆回動を停止させるストッパであり、符号403は、ストッパをパチンコ遊技機内の所定位置に固定するためのストッパ支持体である。
このように構成したアクチュエータ400に本発明を適用する場合には、ハンマーの先端側の内部に、接触部405の動作加速度を検出する動作加速度センサ406を設け、この動作加速度センサ406による検出結果を、図9に示したものと同一の発射制御回路126aのマイクロコンピュータ309へ入力する。
そして、マイクロコンピュータ309は、図22に示すように、動作加速度センサ406の検出結果に基づいて、接触部405が遊技球から離反するときの動作加速度の変化に応じてフィードバック制御した駆動電圧を、駆動電圧供給回路310
からモータ402へ供給させることにより、接触部405の温度変化に起因した弾性変化による遊技球の発射強度の変化を抑制する。
また、この発射制御回路126aでは、アクチュエータとして発射ソレノイド300を用いたときと同様に、モータ402に所定のタイミングで供給する駆動電圧の逆起電力の電圧値を逆起電力検出回路311により検出し、マイクロコンピュータ309が逆起電力検出回路311の検出結果を監視して、ハンマー401の回動速度が一定となるように、駆動電圧のフィードバック制御を行うようにしている。
また、本実施形態においては、弾球遊技機の一例として、パチンコ遊技機に本発明を適用したが、本発明は、これに限定されるものではなく、アレンジボール等、遊技球を発射する発射装置を備えた任意の弾球遊技機に適用することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は、特に本発明を限定するものではなく、弾球遊技機の具体的構成については、適宜設計変更が可能である。
尚、本発明の実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。