JP4920989B2 - 空調システム - Google Patents

空調システム

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Description

本発明は、室内の下方で吹出し上方で吸込む方式の成層空調システムに関し、特に大量の風量を低速で吹出し空気撹拌を行うことなく快適空間を形成して、省エネルギを達成できる空調システムに関する。
従来の空調システムでは、ファン等を介して熱処理された空気を室内に吹出し、該熱処理された空気と室内の空気とを撹拌混合したり、或いは吹出部からの風速を高めて、できるだけ迅速に空気調和が得られるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これら従来の空調システムにあっては、周知のように暖気は比重が軽く、室内に吹出された温風は上昇気流となって天井面近くで停滞しがちであり、一方、冷気は逆に比重が重く、床面付近に滞留しがちであるため、空気攪拌に多大なエネルギを必要とするばかりか、風速が高いために、吹出部近辺の風当たりが強く快適性に難があると言う問題があった。
特開2001−304632号公報(第2頁、第1図)
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、空調領域を居住域に限って大量の風量を低速で吹出し空気撹拌を行うことなく快適空間を形成して、省エネルギを達成できる空調システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の空調システムは、
空調対象の室内における所定の下方箇所に吹出部を設け、該吹出部から床面に対して略水平方向に、該室温との温度差が10℃以内となるように熱処理された空気を低速で吹出すとともに、人体や動植物の生活空間を基準とする該室内空間内の所定の上方箇所に第1吸入口を設け、該室内に温度成層を形成して空調領域と非空調領域とを区画設定する空調システムであって、
前記吹出部と前記第1吸入口とを有し前記室内の空調領域に設けられる室内ユニットと、
前記室内の非空調領域若しくは前記室外に設けられ、前記室内ユニットと通気路を介して接続されており、前記室外に設けられた外気吸入口から吸入される外気を、前記第1吸入口から吸入される室内空気に混合する外気混合手段と、
前記室内の非空調領域若しくは前記室外における前記外気混合手段よりも下流に設けられ、前記外気混合手段により混合された空気を熱処理する熱処理手段と、前記外気吸入口からの外気及び前記第1吸入口からの室内空気を吸入するとともに、該熱処理手段にて熱処理された熱処理済空気を前記室内ユニットに供給する第1送風手段と、有する熱処理ユニットと、を備え、
前記室内ユニットは、
第2吸入口と、該第2吸入口から前記室内の空気を吸入するための第2送風手段と、前記第2吸入口から吸入される室内空気と前記熱処理ユニットから該室内ユニットに供給される熱処理済空気とを混合する混合手段と、前記吹出部から吹出される空気の流速を2.0m/sec以下に減速させる減速手段と、を有し、
前記混合手段にて混合された混合空気を前記吹出部から吹出すことを特徴としている。
この特徴によれば、第1送風手段により熱処理ユニットから供給される第1空気に加えて、室内ユニットに設けられた第2送風手段により供給される第2空気が混合されて生成される大量の熱処理された空気が、減速手段を介して2.0m/sec以下の低速で室内ユニットの吹出部から室内に吹出されるために、室内の居住域に限って均一な快適な空調領域を迅速に形成させることができる。また、室内に配置される室内ユニットに、第2送風手段と、第1空気と第2空気とを混合するための混合手段とを設けることで、熱処理しない空気の流路を架設する必要がなく、これら熱処理しない空気の流路を架設するための工期や、コストが通常の空調システムに比較して大きくなってしまうことを解消することもできる。
また、熱処理手段を有し外部に熱を発する熱処理ユニットが、室内の空調領域を除いた非空調領域若しくは室外の所定箇所に設けられているため、室内の空調領域における温度成層を維持できる。
また、室外の新鮮な空気を室内に取り込む換気効果を得ることができる。
更に、通常、空調システムを稼働させる必要が生じる場合にあっては室温と外気とは温度差や湿度差があるが、これら温度差や湿度差がある外気を直接熱処理することができるとともに、該熱処理によって室内空気と外気とが混合されながら熱処理されるので、熱処理済空気の均質性を向上できる。
本発明の請求項に記載の空調システムは、請求項に記載の空調システムであって、
前記外気混合手段が、前記第1送風手段を利用したベンチュリ手段であることを特徴としている。
この特徴によれば、ファン等の動力を要せずに外気を第1送風手段にて吸入される室内空気に混合でき、これらファン等の動力に電力を供給するための電力配線等を架設する必要もない。
本発明の請求項に記載の空調システムは、請求項1または2に記載の空調システムであって、
前記第2吸入口が、前記第1吸入口の近傍に設けられ、前記第2送風手段が、空調時においてほぼ一定速度で常時運転状態を維持するようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、第2送風手段が、空調時において一定速度で常時運転状態を維持することにより、これらの第2送風手段の風量や運転、停止を制御するための構成を室内ユニット内部に設ける必要がなく、室内ユニットを簡素化できるばかりか、室内の上方から吸入される室内空気が常時下方から吹出されるため、室内の上方と下方との温度差を少ない状態で維持できる。
本発明の請求項に記載の空調システムは、請求項1ないしのいずれかに記載の空調システムであって、
前記減速手段が、前記吹出し通路よりも広い通過断面を有する減速空間部であることを特徴としている。
この特徴によれば、吹出部から吹出される大量の空気を、簡素な構成にて良好に減速させることができる。
本発明の請求項に記載の空調システムは、請求項に記載の空調システムであって、
前記吹出部には、前記熱処理された空気を前記吹出部の全面に亘って一定速度で吹出す抵抗手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、減速手段に加えて抵抗手段を設けることで、室内空気の温度成層を維持することのできる低速の大量空気を吹出すことができる。
本発明の請求項に記載の空調システムは、請求項に記載の空調システムであって、
前記抵抗手段が、前記熱処理ユニットから供給される熱処理済空気と、前記第2吸入口から吸入されて第2送風手段により送り出される室内空気とを混合する前記混合手段を兼ねていることを特徴としている。
この特徴によれば、抵抗手段が混合手段を兼ねているため、シンプルな構造で、第1送風手段により送り出される熱処理空気と、第2送風手段により送り出される室内空気とを、更に良好に混合しつつ、吹出部の全面から均一な吹出し速度で吹出すことができる。
本発明の請求項に記載の空調システムは、請求項に記載の空調システムであって、
前記混合手段を兼ねている前記抵抗手段が、前記熱処理ユニットから供給される熱処理済空気と、前記第2吸入口から吸入されて第2送風手段により送り出される室内空気とを通過させる多数の孔部を有する面状体から構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、熱処理済空気と室内空気とが、面状体の孔部を通過する際に、渦流を発生させることで効率よく混合される。
本発明の第1実施例を以下に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明の第1実施例における成層空調システムの全体を示す配管系統図である。図2は、各居室における屋内機の模式図である。図3(a)は、室内ユニットの平面図であり、(b)は同じく正面図であり、(c)は同じく側面図である。図4は、室内ユニットの正面パネルを開いた状態の正面図である。図5は、室温調整システムの制御フローを示すフロー図である。図6(a)は、空調領域高さと吹出部高さを示した模式図であり、(b)は本発明の第1変形例における各居室の室内ユニットの配置を示した平面図である。図7(a)は、外気混合手段を示した模式図であり、(b)は(a)の断面図である。図8は、本発明の第2変形例における室内ユニットの正面パネルを開いた状態の正面図である。図9は、本発明の第2実施例における室内ユニットの側面図である。
図1に示されるように、本実施例の成層空調システム1(以下、「成層空調1」と略する)は、ビルの屋外に配置される1台の屋外機4と、各居室2に対応して配置される複数台の屋内機3と、屋外機4とそれぞれの屋内機3とを接続する冷媒管5a、5bとからなる。
本実施例の成層空調1の基本的な構成は、一般事務所ビルやホテル等の複数の居室を有するビルなどにおいて一般的に採用されるビルマルチシステムと同様である。具体的には屋外機4の冷暖房切替ユニット41にて冷媒の供給方向を切替えることで、冷暖房運転の切替が可能であり、各居室2にて空調の個別の起動又は停止が可能であり、また増設が容易にできるという特徴を有している。
例えば、冷房時においては、冷暖房切替ユニット41の開閉弁44a、44dが開状態となり(開閉弁44b、44cは閉状態)、冷媒液ポンプ43の起動により、液溜45内の冷媒液が冷媒液管5aを介して各居室2の屋内機3に供給され、各居室2において個別の空調(冷房運転)が可能となっている。
各居室2における冷房運転により蒸発気化された冷媒ガスは、冷媒ガス管5bを介して熱交換器42に供給され、熱媒体管46を介して供給される熱媒体との熱交換により凝縮液化されて、再び冷暖房切替ユニット41の液溜45内に供給される。
また、暖房時においては、冷暖房切替ユニット41の開閉弁44b、44cが開状態となり(開閉弁44a、44dは閉状態)、冷媒液ポンプ43の起動により液溜45内の冷媒液が熱交換器42に供給され、熱媒体管46を介して供給される熱媒体との熱交換により蒸発気化されて、冷媒ガス管5bを介して各居室2の屋内機3に供給され、各居室2において個別の空調(暖房運転)が可能となっている。
各居室2における暖房運転により凝縮液化された冷媒液は、冷媒液管5aを介して再び冷暖房切替ユニット41の液溜45内に供給される。
上記のように、冷媒が蒸発気化と凝縮液化とを繰り返すことにより、発生する(冷)熱を利用して、連続的な冷房運転又は暖房運転ができるようになっている。
各居室2における空調運転について具体的に説明すると、図2に示されるように、各居室2に対応して配置される屋内機3は、各居室2外部に配設されて緩冷風又は緩温風(熱処理された熱処理済空気)を生成する本発明における熱処理ユニットとなる空調ユニット10と、各居室2内部に設置されて居室2内に緩冷風又は緩温風を吹出し及び居室2内の空気を吸入する室内ユニット20と、空調ユニット10及び室内ユニット20を接続する第1吸入ダクト16a1(通気路)、本発明における外気混合手段となる吸引部14a、該吸引部14aと空調ユニット10とを接続する第1ダクト16b(通気路)、空調ユニット10にて熱処理された熱処理済空気を空調ユニット10に供給するための第2ダクト16c(通気路)と、各居室2の室温を個別に管理可能とする室温調整システムとからなる。
熱処理手段を有し外部に熱を発する熱処理ユニットとしての空調ユニット10が、居室2内の空調領域を除いた居室2外部に設けられているため、居室2内の空調領域における温度成層を維持できる。
尚、熱処理ユニットとしての空調ユニットの配設箇所は、必ずしも本実施例における居室2外部に限られるものではなく、例えば居室2内の天井面2a近傍等の非空調領域に設けられていても、同様に居室2内の空調領域における温度成層を維持できる効果が得られる。更に空調ユニットの配設箇所は、上述した居室外若しくは居室内の非空調領域に限られず、居室内の空調領域であっても構わない。
空調ユニット10における緩冷風又は緩温風の生成について説明すると、空調ユニット10を構成する第1チャンバー17内には、冷媒液管5aと冷媒ガス管5bとが接続されて冷媒を蒸発気化又は凝縮液化する熱交換部13(熱源)と、第1ファン12(第1送風手段)とが格納されており、第1ダクト16bを介して導入された空気(居室2内の室内空気+吸引部14aにて混合された外気)が、第1ファン12の回転により熱交換部13にて発生した低温又は高温の熱源に向かって吹出され、冷風又は温風の熱処理済空気(第1空気)が生成されて第2ダクト16cを介して室内ユニット20に供給される。
このように生成された冷風又は温風の熱処理済空気(第1空気)は、後述する室温調整システムにより、その風量と風温が調整される。
また、第1チャンバー17の上流部位置には、室内ユニット20からの室内空気が流入する第1吸入ダクト16a1と、室外の所定箇所に設けらた外気吸入口9からの外気が流入する第2吸入ダクト16a2とに接続された吸引部14aが設けられており、該吸引部14aにおいて、第1吸入ダクト16a1から流入する室内空気に対して、外気が導入・混合されるようになっている。
本実施例に用いた吸引部14aは、図7(a)に示すように、内部が連通して形成された前方管31と接続管33と後方管32とが互いに連結して成っている。そして、図7(b)に示すように、中央部に先端ノズル33bを有しており、内部にくびれた流体経路が形成されている、いわゆるベンチュリ管として機能するものである。すなわち、第1吸入ダクト16a1を介して前方管31の流入口31aより流入された室内空気は、先細った先端ノズル31bを流下される。このとき、先端ノズル31b付近で水圧低下現象が生じるため、ベンチュリ効果により接続管33の接続口33aより第2吸入ダクト16a2を介して外気吸入口9からの外気が吸引部14a内に吸入され、室内空気と混合される。尚、これら導入される外気の比率としては、本実施例にあっては、概ね15容量%(最終的に、吹出部21から吐出される際の容積比率として約10容量%となる)である。
このように吸引部14a内において、導入された外気は、空調ユニット10において室内空気とともに、熱処理と同時に撹拌混合されて均一化された後、第2ダクト16cを介して室内ユニット20に供給される。
つまり、本実施例の吸引部14aにおいては、該吸引部14aが第1送風手段となる第1ファン12を利用したベンチュリ管(ベンチュリ手段)として機能することで、特にファン等の動力を使用することなく、室内ユニット20からの室内空気に外気が導入・混合されており、このようにすることは、ファン等の動力に電力を供給するための電力配線等を架設する必要がないことから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら吸引部14aに代えて、ファン等を用いて、室内ユニット20からの室内空気に外気を混合するようにしても良い。
尚、吸引部14aの内部は、上記のように第1吸入ダクト16a1を介して流入された室内空気の流れを利用して、第2吸入ダクト16a2cを介して外気が吸入されて混合される構造を有していれば、必ずしも上述のように内部にくびれた流体経路が形成されていなくともよい。
次に居室2内の成層空調1による空調について詳細に説明する。
図2及び図3に示されるように、空調ユニット10と該空調ユニット10にとって上流側となる第1吸入ダクト16a1と第1ダクト16b、並びに下流側となる第2ダクト16cを介して接続された室内ユニット20は、背面を居室2の壁面2bに近接させた位置に配置されている。
図3(b)、(c)に示されるように、室内ユニット20の正面下部には、室内ユニット20とほぼ同幅となる横長状の吹出部21が設けられているとともに、図4に示すように、該吹出部21の内方側中央位置には吹出口21aが設けられていて、該吹出口21aには、該吹出口21aと第2ダクト16cとを連通させるために、該室内ユニット20内に設けられている、第2ダクト16cとほぼ同径の連結ダクト16c’が接続されており、空調ユニット10にて生成された熱処理済空気(第1空気)が、第2ダクト16c並びに連結ダクト16c’を通じて吹出口21aから吹出部21に供給され、該吹出部21から居室2内に緩冷風又は緩温風として吹出せるようになっている。
また、室内ユニット20前面の正面上部には、居室2内の室内空気を吸入するための室内ユニット20とほぼ同幅となる横長状の吸入部22が設けられている。さらに、この吸入部22の内方側底部には、図4に示すように、第1吸入ダクト16a1に接続された第1吸入口22aを有する有底箱状の第1吸入部22a’と、該室内ユニット20内部に設けられている第2ファン14(第2送風手段)に繋がる内部吸入ダクト15aに接続された第2吸入口22bを有する有底箱状の第2吸入部22b’とが設けられており、吸入部22から吸入された室内空気の一部(約2/3)は、第1吸入口22a並びに第1吸入ダクト16a1と第1ダクト16bを通じて空調ユニット10の第1チャンバー17に供給されることにより、熱処理された後、室内ユニット20に再度供給される一方、吸入部22から吸入された室内空気の一部(約1/3)は、第2吸入口22b並びに内部吸入ダクト15aを通じて第2ファン14に供給され、第2ファン14から連結ダクト16c’上に形成された混合チャンバー18に供給ダクト15bを通じて供給されることで、空調ユニット10から供給される熱処理済空気と混合チャンバー18内において混合されるようになっている。
このように、空調を行っている時点の室温を有する室内空気を第2ファン14により混合チャンバー18内に送り出し、第1ファン12により送り出される熱処理済空気(第1空気)と混合して、緩冷風又は緩温風を生成することができるため、緩冷風又は緩温風の温度と、空調を行っている時点の室温との温度差を安定的に近づけることができる。
つまり、室内ユニット20の下部に位置する吹出部21を介して緩冷風又は緩温風を居室2内に吹出させ、好ましい実施態様として、床面2cから800〜2200mmの範囲内に開口させた吸入部22を経由して室内空気を吸入するようにしたものである。
また図3(c)及び図4に示されるように、本実施例における吹出部21と第2ダクト16cとほぼ同径の連結ダクト16c’との間には、該連結ダクト16c’(第2ダクト16c)内の緩冷風又は緩温風の通過断面よりも広く、吹出部21と略同一の開口面積を有する本発明における減速空間部(減速手段)となる横長有底箱状の大口ダクト28が設けられており、混合チャンバー18にて混合された空調ユニット10からの熱処理済空気と第2ファン14からの室内空気との混合空気である大量の緩冷風又は緩温風が減速されて、2.0m/sec以下の低速の吹出し速度で吹出されるようになっているために、図2に示すように、居室2内の空調領域Aに限って均一な快適空間を迅速に形成させることができる。
また、吹出部21の近傍位置に大口ダクト28が設けられているために、空調ユニット10と室内ユニット20とを接続する第2ダクト16cの通過断面を小型化することができる。
さらに、本実施例における吹出部21の背面側には、吹出部21と略同一の面積を有するメッシュフィルタ26(抵抗手段、混合手段)が設けられていることにより、混合チャンバー18にて混合されて生成された大量の緩冷風或いは緩温風は、吹出部21の背面側で均一な抵抗を受けるため、吹出部21全面に亘ってほぼ一定速度で居室2内に吹出されるようになっており、吹出部21の面積を大型化することができる。
また、メッシュフィルタ26を介して緩冷風又は緩温風が居室2内に吹出されることにより、冷風又は温風と送風とが、より混合されて均一な温度の緩冷風又は緩温風に生成しつつ、上記のように吹出部21の全面から一定速度で吹き出すことが、シンプルな構造で可能となる。
さらに、本実施例における吹出部21の背面側の所定位置に配設される水平ブレード27により、吹出部21から吹出される緩冷風或いは緩温風は、居室2の床面2cと略平行に吹出されるようになっている。
また、本実施例の室温調整システムは、第1ファン12と、熱交換部13と、冷媒量調整弁25と、図3(b)に示すように、室内ユニット20の前面を開閉可能に覆う正面パネル29に取り付けられた室温検知センサ24aと、吹出口21aの近傍に取り付けられた吹出し温度センサ24b、室温設定パネル23と、冷媒量及び第1ファン12の回転数を制御する制御手段19と、から構成される。
室温検知センサ24aは、吸入部22の近傍となるように、正面パネル29に設けられており、吸入部22から吸込まれる居室2内の空気の温度を検知できるようになっており、吹出し温度センサ24bは、吹出口21aの近傍、具体的には、大口ダクト28の内側底部壁に取り付けて設けられており、これら室温検知センサ24a並びに吹出し温度センサ24bは、図2に示すように、制御手段19に接続されて、検知した温度を制御手段19に出力する。
このように、居室2内の上方箇所に位置する吸入部22の近傍に室温検知センサ24aが設けられており、居室2内の下方箇所に位置する吹出部21から吹出される緩冷風又は緩温風の風量及び/又は温度が、後述する室温調整システムにより制御されているため、居室2内における上方と下方との温度差を少ない状態にして、居室内の快適な空調領域Aを形成することができる。尚、本実施例において室温とは、室温検知センサ24aにて検知された温度のことを示す。
次に、室温調整システムの制御フローについて、図5に基づいて具体的に説明すると、室温設定パネル23により目標室温が設定入力され、運転が起動されると、目標室温と室温検知センサ24aにより検知された現室温との温度差に応じて、制御手段19により冷媒量調整弁25の開閉操作が制御されて温度調整され、同様に制御手段19により第1ファン12の回転数が制御されて風量調整された冷風又は温風が吹き出される。一方、第2ファン12は、前記運転の起動により、制御手段19による制御とは関わりなく一定速度で常時運転状態となる。
そして、第1ファン12により空調ユニット10から供給される冷風或いは温風と、第2ファン14により送風される室内空気とが混合された緩冷風或いは緩温風は、吹出し温度センサ24bにて検知される温度が、温検知センサ24aにより検知される現室温との温度差が10℃以内となるように生成され、室内ユニット20の吹出部21より居室2内に吹出される。
居室2内に吹出された冷風又は温風により、現室温が目標室温に達成(現室温と目標室温との温度差がゼロあるいは所定値以下になる)すると、第1ファン12の運転が自動停止又は微風状態にて運転するようになっており、第2ファン14の運転は別途手動にて停止可能となっている。
このように第2ファン14が、制御手段19による制御とは関わりなく運転可能となっているために、第1ファン12による第1空気が制御手段19により停止又は微風状態になったとしても、第2ファン14による送風空気により一定量の空気の風量を確保できることにより、居室2内の温度成層を壊さない程度の空気の循環が形成され、居室2内の温度差を維持できるとともに、これら第2ファン14の風量等を制御するための機構や機器を室内ユニット20内に設ける必要がないので、室内ユニット20の構成を簡素化でき、その結果として、室内ユニット20のコストを低減できる。
また、居室2内の上方に設けられた第2吸入口22bから吸入される室内空気が、下方に設けられた吹出部21から常時吹出されるため、居室2内の上方と下方との温度差を少ない状態で維持できる。
また、第2ファン14による送風は、吸入部22から吸入された居室2内の空気の一部を利用しており、制御手段19に拠らずに常に現室温を有しているため、温度調整及び風量調整された冷風又は温風の温度を穏やかに緩和して、かつ安価に風量を増大できる。
次に、吹出部21の背面側に設置される抵抗手段、混合手段について第2実施例を以下に示す。
図9に示すように、本実施例における吹出部21の背面側には、混合手段を兼ねている抵抗手段として、多数の孔部36aを有する面状体であって吹出部21と略同じ面積を有するパンチングメタル36が、吹出部21と略平行に所定の空間部38を離間して設置されている。
このようにすることで、熱処理済空気と室内空気とが、面状体としてのパンチングメタル36の孔部36aを通過して空間部38に送り出される際に、渦流を発生させることで効率よく混合される。
また、パンチングメタル36と同幅であって同じ仕様の孔径、ピッチを有し、パンチングメタル36より低い縦寸法を有するパンチングメタル37が、パンチングメタル36の背面側に重なるように、孔部36aと孔部37aとの配置位置を僅かにずらし、より小径の孔部を形成した位置で設置されている。このように、特に熱処理済空気と室内空気とが流れる速度分布に応じて、適宜孔部の仕様を変えて、吹出部21から吹き出される空気の速度を一様にすることが出来る。
更に、熱処理済空気と室内空気との混合状況に応じて、汎用のパンチングメタルにおける孔部の径若しくはピッチ仕様を適宜選択することで、安価に混合手段を兼ねている抵抗手段を構成できる。更に、同一の若しくは異なる仕様の複数のパンチングメタルを重ねて孔部の径若しくはピッチ仕様を適宜調整してもよい。
尚、混合手段を兼ねている抵抗手段として、多数の孔部を有する面状体であれば、必ずしもパンチングメタルでなくてもよい。また、上記した面状体は、吹出部21の背面側に所定の空間部を離間して設置されていれば、必ずしも吹出部21と略平行に設置されている必要はなく、例えば面状体が、熱処理済空気及び室内空気の流路に対して所定角度を有する斜方向に設置されていてもよい。
更に、上述した面状体は、本実施例のように吹出部21の背面側に必ずしも全面に亘って一様に孔部を有している必要はなく、熱処理済空気と室内空気とが流れる速度分布若しくは熱処理済空気と室内空気との混合状況に応じて、面状体における所定の一部を閉塞板で構成してもよい。
次に、成層空調1における室内ユニット20の配置について第1変形例を以下に示す。
図6に示されるように、ペリメ−タゾ−ンPは、壁面2b、窓8などを通して外気の気象条件の影響を受ける建築物の屋内周囲空間を指し、通常は図示のように5000mm程度の幅をいうことが多いが、その数値には特別の意味はない。すなわち本発明では単に壁面2bに近い周囲空間といった程度の意義を有するにすぎず、また、その周囲の空間であるペリメータゾーンPで囲まれる内側の空間をインテリアゾ−ンIとする。
また、冷房専用室内ユニット20aを使用する場合には、インテリアゾ−ンIの境界付近に設置し、また暖房専用室内ユニット20bを使用する場合には、これをペリメ−タゾ−ンPの領域、すなわち壁面2b近くに設置するのがよい。それは、周知のように建物での外界との熱の授受は、主として窓8などの外壁構成個所で生じ、一般に夏は壁面2b部分から熱が流入し、冬は熱が流出するからである。
したがって室内ユニットは、壁面2b近辺に設置するのが効率的であるが、冷房専用室内ユニット20aに限っては、インテリアゾ−ンIの領域に設置するのが望ましい。インテリアゾ−ンIには照明7、事務機器が存在すると共に、人体などの発熱体も共存して、一種の発熱ゾ−ンとみなすことができるからである。すなわち、温風は比重が軽いので上昇気流となり、インテリアゾ−ンIに向かって吹出すときの到達距離が冷風に比較し短くなるが、インテリアゾ−ンIは実質的には発熱領域とみなすことができるので、比重差による暖気の拡がりを冷気ほどには期待しなくともよいのである。
成層空調1における屋内機3の運転状況においては吹出し温度を夏季は比較的高く(19〜21℃程度)、冬季は比較的低く(35℃程度)設定しており、従来の空調システムにおける室内機の運転状況においての吹出し温度を夏季は15℃程度、冬季は40℃程度と設定しているのと比較すると、成層空調1は常に室温との温度差を抑えた冷気又は暖気を居室2内に送り込むことにより、居室2内の特に吹出部21近辺における快適性を維持できる。
以上、本実施例によれば、空調領域Aを高さ方向において天井面2aよりも下方に位置する居住域に限定し、空調領域Aを室内ユニット20の吸入部22によって積極的に区画設定することができる。空調領域Aより上方に位置する非空調領域Bは、空調の対象から除外して、空調に要するエネルギ消費が少なくなるようにした。なお、天井面2a近傍には比重の軽い暖気が充満する結果、非空調領域Bは高い温度となる。このように本発明にあっては、従来のように天井面2a付近を含めた居室2内全体を満遍なく空調する方式と異なり、それだけ省エネルギを実現し得るのである。
また、冷暖房いずれの場合においても、緩冷風又は緩温風の吹出し速度を2.0m/sec以下に保ち、従来のように3〜4m/sec程度を基準に空調していた方式と比較すると、格段に風速を弱めることができ、それだけ省エネルギ効果を発揮する。換言すれば、従来のように冷気または暖気の吹出し風速を大きくすることなく、他方、ファン等を用いての居室2内空気の撹拌も必要でないからエネルギ消費が少ない。
また、冷房時には主として冷気の比重差による空気の拡散を利用して下から押しあげるように空調を行ない、一方、暖房時には建物内部の発熱ゾ−ンを活用すると共に、主としてペリメ−タゾ−ンPに対してのみ暖気を供給するようにしたから、吹出し速度を緩めることが可能となり、他方、冷房時の吹出し温度も従来のように15℃といった低温を廃して、23〜25℃程度とすることができ、これは熱源としても省エネルギになる。
または暖房時にあっても、従来の空調ユニットよりも温度を低め、空調ユニット20周辺の周囲温度と比較しての温度差を10℃以下にして、積極的に空気の混合が生ずるようにした。なお、従来の空調ユニットにあっては、温度差を15〜40℃程度に保ち周囲に較べ高い温度にしていたので、空気の混合が起こりにくく省エネルギの点でも効果が小さかった。
本発明にあっては、前記のよう温度差を縮めて空気の混合を促進するようにしたため、例えば、周囲温度が10℃であるときは吹出し温度を20℃に設定し、周囲温度が15℃のときは吹出し温度を25℃とすることが可能となり、それだけ、省エネルギ面でも有効に機能する。
上に詳しく説明したように、本発明においては、冷暖房いずれの場合にあっても、居室2内全体の空気調和を図るのではなく、高さ方向における居住域に限定しての空調領域Aのみが快適温度に保たれるように、特定の条件下に居室2内の下部から吹出し、上部から吸込みを行うように運用させるものであるから、温度ムラの発生が少ないだけでなく、省エネルギの観点からみて画期的な効果を奏することが明白である。
例えば暖房時、床面2c近くの吹出部21から吹出された温風は、天井面2a方向に上昇せず床面2c全域に速やかに広がり床面2c近くに暖気層を形成する、一方床面2cの冷気層は暖気層に押し上げられて一時的に逆転現象が生じる。一般に、床面2cや壁面2bなどの平坦面に接近して吹出された気流は、コアンダ効果により、当該平坦面に付着して流れるが、本発明では、暖房開始初期の室温と、吹出される温風温度との温度差が小さいため、相対的に浮力が小さく、また、吹出し風速も2.0m/sec以下と従来の空調システムと比較して低いため床面2cに温風が引き付けられる。
すなわち、床面2cに対する付着力が温風の浮力より大きいために、温風は直ちに天井面2a方向に上昇することはない。吹出部21からゆっくりと吹出させると、吹出し空気の気流が障害物に衝突しても天井面2a方向に吹き上がることはない。障害物にゆっくりと衝突するため障害物を水平方向に取り巻き迂回して床面2c全域に広がる。天井吹出しとする従来空調システムでは「風量を到達させる位置での風速」は、中心で約0.25m/secとされているが、実際には暖房時などは中心で0.5m/sec以下に設定されている。このことから、本発明では吹出部21から吹出す風速を2.0m/sec以下、具体的には2.0m/sec〜0.5m/sec前後とし、これにより塵埃が室内に舞い上がることがないようにしている。
一方、冷房時にあっても暖房時と同じく居室2内の下部に設けられた吹出部21から吹出され、この場合の冷気も同様に2m/sec以下に保ち、さらに吹出された冷風は比重の関係から床面2c上を次第に拡散してゆき、次いで温度が高く比重の小さな空気を下から押し上げるようにして温度ムラのない一様な快適空間を作り出すようにしたものである。
また、低速に吹出した場合でも、吹出し口付近には誘因的に空気の撹拌が生じるから、それによっても温度の均一化が図れる。
換気機能については、新鮮な空気は床面2cに近い吹出部21から居住域である空調領域Aに送気され、居室2内に発生する機器或いは人体Mの発熱量H及び臭気等の空気よりも比重の軽いものは、その場で温度成層を壊すことなく分離されて上昇気流となって上昇し、排気口6より居室2外部に排気され、換気効率が非常に高いといえる。脱臭についても周囲に影響を与えることなく排気される。
また、成層空調1は第1ファン12により送られる冷風又は温風の量に、第2ファン14による送風量が付加されており、従来の空調システムよりも風量が増大しているために、目標室温に迅速に到達することが可能である。
また、天井面2aには排気口6が設けられており、居室2内の人体Mあるいは照明7等からの発熱量や汚染空気を除去するようになっている。
冬期においても、床面2c近傍から吹出された緩温風は、室温との温度差が少ないことから、吹出部21を出た後に直接上昇せずに、吹出部21の周囲から暖気の塊を生成し、居室2内に広がっていく。時間の経過とともに居室2内の低温の空気との混合が平面的に進んでいくため、暖房方式としては理想的とされる、床暖房に近い状況が実現される。
また、吹出し速度が低速であるため、空気の攪拌により室温の均一化がなされるのでなく、上下方向の空気の流れはほとんどないが、空気中の温度のみが垂直方向に伝播可能となる。
また、好ましい実施例としては、吹出部21と吸入部22の開口高さを、それぞれ空調領域Aの高さの1/2を越えない範囲に保持するのがよい。
なお、例えば既存のビルマルチシステムの室内機を、本実施例の室内ユニット20に交換することにより、既存のビルマルチシステムを生かしつつ、新たに通気路の大幅な工事等を行うことなく、安価に成層空調1を形成することが可能となる。
また、前記実施例のように、第1ファン12により送られる冷風又は温風の量と、第2ファン14により送られる送風量との流量比率は、2:1程度であることが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの比率は、居所の使用目的や利用状況等に応じて、適宜に設定すれば良い。
また、成層空調1は、既存の空調システムにおける吹出部よりも広い開口面積を有する吹出部21が設けられていることにより、既存の空調システムにおける吹出し速度よりも低速の吹出し速度にて緩冷風又は緩温風を居室2内に送り込むことが可能となる。緩冷風又は緩温風の居室2内への吹出し速度は、2.0m/s以下が好ましい。
また、前記実施例によれば、居室2内に配置される室内ユニット20に、熱処理されていない室内空気(第2空気)と、空調ユニット10(熱処理ユニット)から供給される熱処理済空気(第1空気)とを混合する混合チャンバー18(混合手段)と、混合チャンバー18(混合手段)に熱処理されていない室内空気(第2空気)を供給する第2ファン14(第2送風手段)とを設けることで、熱処理しない室内空気(第2空気)の流路を、室外等に架設する必要がなく、これら熱処理しない空気の流路を架設するための工期や、コストが通常の空調システムに比較して大きくなってしまうことを解消することができ、もって、成層空調システムの普及を図ることができるばかりか、第2ファン14(第2送風手段)を室内ユニット20内に有することで、第2ファン14(第2送風手段)と第2吸入口22b並びに吹出口21aとの距離、すなわち、内部吸入ダクト15aと、供給ダクト15bの長さを、従来の成層空調システムに比較して大幅に短縮でき、よって、これら通気ダクトにおける通気抵抗を低減できるので、低出力の第2ファンでも十分な風量を得ることができ、よって成層空調システム全体の空調効率も向上できる。
また、前記実施例によれば、外気吸入口9からの外気が、外気混合手段となる吸引部14aにて室内空気に導入・混合されるので、室外の新鮮な空気を室内に取り込む換気効果を得ることができる。
また、前記実施例によれば、外気混合手段となる吸引部14aを空調ユニット10(熱処理ユニット)の上流部に設けているので、温度差や湿度差がある外気を、空調ユニット10(熱処理ユニット)において直接熱処理することができるとともに、該熱処理によって室内空気と外気とが混合されながら熱処理されるので、熱処理済空気の均質性を向上できる。
また、前記実施例によれば、外気混合手段となる吸引部14aとして、第1ファン12(第1送風手段)を利用したベンチュリ管を用いることで、ファン等の動力を要せずに外気を第1ファン12(第1送風手段)にて吸入される室内空気に混合でき、これらファン等の動力に電力を供給するための電力配線等を架設する必要もない。
また、前記実施例によれば、第2ファン14(第2送風手段)が、空調時において一定速度で常時運転状態を維持することにより、これらの第2ファン14(第2送風手段)の風量や運転、停止を制御するための構成を室内ユニット20内部に設ける必要がなく、室内ユニットを簡素化できるばかりか、室内の上方から吸入される室内空気が常時下方から吹出されるため、室内の上方と下方との温度差を少ない状態で維持できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、本発明の空調システムは、暖房専用機、冷房専用機および冷暖房兼用機器等、空気調和に役立つ機器をすべて含む。
また、居住域である空調領域Aの下限値の0mmは、通常の状態においてベッドに横臥した状態の高さを充分にカバ−する範囲であることにより、空調領域Aの上限値の2200mmは通常の人体の身長をカバ−する範囲であることによるが、植物または人間以外の動物を対象として空調領域を設定する等の場合には、必ずしも前記数値にこだわる必要はない。
また、吹出部21の背面側には、左右方向にスイングさせることができる垂直ブレードを設けて風向きを左右方向に変更することができるような構成であってもよい。
また、前記実施例では、室温調整システムにおいて冷風又は温風の風量及び風温のいずれも制御していたが、冷風又は温風の運転制御ができれば、いずれか一方の制御でもよい。
また、前記実施例では、室温調整システムにおいて目標室温に到達すると、第1ファン12のみが自動停止するように制御されているが、居室2内の室温管理が可能であれば、例えば第1ファン12と第2ファン14とのいずれもが、室温調整システムにおける運転制御の対象であってもよい。
また、前記実施例では、室温検知センサ24aの取付位置は第1吸入口22a近傍であるが、本実施例で近傍とは、第1吸入口22aから30cm四方程度の範囲内であることが好ましい。但し居室2内の空間が比較的狭い場合や空調領域Aにおける温度成層の形成等の条件により、第1吸入口22aの近傍と略同一の温度が検知できれば、室温検知センサ24aの取付位置は、前記範囲内には必ずしも限定されず、例えば第1吸入口22aと略同一高さであって第1吸入口22aと離間した所定の箇所であってもよい。さらに室温検知センサ24aの取付位置は、室内ユニット20の中央高さ位置でもよいし、或いは室内ユニット20とは離間した所定の箇所であってもよい。
また、前記実施例では、1台の屋外機4に対して複数台の屋内機3が各居室2に配設され、冷媒管5a、5bにより接続されるいわゆるビルマルチシステムが応用されているが、成層空調1による効果を有するものであれば、空調の方法はビルマルチシステムに限らず、例えばファンコイル方式であってもよい。
また、前記実施例では、第1ファン12により生成された冷風(温風)と、第2ファンにより生成される送風空気とが、混合チャンバー18により混合されて緩冷風(緩温風)が生成されているが、混合の方法は必ずしも混合チャンバー18に限らない。
例えば本発明の第2変形例として図8に示される室内ユニット20’のように、第1ファン12により生成された冷風(温風)と、第2ファン14により生成される送風空気とが、それぞれ吹出部21’内部に送り出されてもよく、このようにすることで、メッシュフィルタ26が、緩冷風(緩温風)の抵抗手段と混合手段とを兼ねているため、シンプルな構造で、第1ファン12により生成された冷風(温風)と、第2ファン14により生成される送風空気との混合による大量の緩冷風(緩温風)を生成しつつ、吹出部21’の全面から均一な吹出し速度で吹出せる。
また、前記実施例では、吸入部22内部に第1吸入口22aを有する第1吸入部22a’と、第2吸入口22bを有する第2吸入部22b’とを隣接して設け、同一の吸入部22から室内空気が吸い込まれるようにしており、このようにすることは、吸入部22を共通とすることで、温度成層を安定して保持できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第2吸入部22b’を、吸入部22以外の位置、例えば、吸入部22の下方位置に、横長状の第2吸入部を個別に設け、該第2吸入部内に第2吸入部22b’を設けるようにしても良いし、逆に、吸入部22の上部位置に、第2吸入部22b’を有する第2吸入部を個別に設けるようにしても良い。
また、前記実施例では、第2送風手段として1つの第2ファン14を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第2ファン14の数や大きさ等は、適宜に選択すれば良い。
また、前記実施例では、吸引部14aを設けて、外気を導入する構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら吸引部14aを有しない、つまり外気を導入しない空調システムであっても良い。
また、前記実施例では、吸引部14aにおいて常時、外気が導入されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2吸入ダクト16a2の経路状に流路を遮断・連通させる電磁開閉バルブを設け、該電磁開閉バルブを室温設定パネル23における設定に応じて制御手段19にて制御することで、外気の導入・非導入を適宜、変更できるようにしても良い。
また、前記実施例では、吸引部14aを空調ユニット10の上流側に配置しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら吸引部14aを空調ユニット10の下流側となる第2ダクト16cの経路上に配置するようにしても良い。
また、前記実施例では、成層空調システム1の運転中において第2ファン(第2送風手段)の運転を連続運転状態とすることで、第2吸入口22bから第2ファン(第2送風手段)吸入される室内空気の量を、ほぼ一定となるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、空調の開始時点においては、空調ユニット10にて熱処理する空気量を大きくするために、第2吸入口22bから吸入した室内空気の一部(例えば1/2)を、空調ユニット10に、第1吸入口22aから吸入した室内空気に合流させて送り、吸入した室内空気の一部を混合チャンバー18へ送るようにし、室内温度が目標温度に近接してきた場合には、空調ユニット10への送気を終了して、第2吸入口22bから吸入した室内空気の全部を混合チャンバー18へ送るように制御しても良い。
また、前記実施例では、第2吸入ダクト16a2の先端となる外気吸入口9を、屋外に露出させて外気を取り込んでいるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら外気吸入口9を、他の居室内に配置して、他の居室の室内空気を導入するようにしたり、或いは、先端を複数設け、一端を屋外に露出させ、一端を他の居室に配置するようにして、外気と他の居室の室内空気を同時に導入するようにしても良い。
本発明の第1実施例における成層空調システムの全体を示す配管系統図である。 各居室における室内機の模式図である。 (a)は、室内ユニットの平面図であり、(b)は同じく正面図であり、(c)は同じく側面図である。 室内ユニットの正面パネルを開いた状態の正面図である。 室温調整システムの制御フローを示すフロー図である。 (a)は、空調領域高さと吹出部高さを示した模式図であり、(b)は本発明の第1変形例における各居室の室内機の配置を示した平面図である。 (a)は、外気混合手段を示した模式図であり、(b)は(a)の断面図である。 本発明の第2変形例における室内ユニットの正面パネルを開いた状態の正面図である。 本発明の第2実施例における室内ユニットの側面図である。
符号の説明
1 成層空調システム
2、2’ 居室
2a 天井面
2b、2b’ 壁面
2c、2c’ 床面
3 屋内機
4 屋外機
5a、5b 冷媒液管、冷媒ガス管
6 排気口
7 照明
8 窓
10、10’ 空調ユニット(熱処理ユニット)
12 第1ファン(第1送風手段)
13 熱交換部(熱源)
14 第2ファン(第2送風手段)
14a 吸引部(ベンチュリ手段)
15a 内部吸入ダクト
15b 供給ダクト
16a1 第1吸入ダクト(通気路)
16a2 第2吸入ダクト
16b 第1ダクト(通気路)
16c 第2ダクト(通気路)
17 第1チャンバー
18 混合チャンバー(混合手段)
19 制御手段
20、20’ 室内ユニット
20a 冷房専用室内ユニット
20b 暖房専用室内ユニット
21、21’ 吹出部
21a 吹出口
21b 第2吹出口
22 吸入部
22a 第1吸入口
22b 第2吸入口
22a’ 第1吸入部
22b’ 第2吸入部
23 室温設定パネル
24a 室温検知センサ
24b 吹出し温度センサ
25 冷媒量調整弁
26 メッシュフィルタ(抵抗手段、混合手段)
27 水平ブレード
28 大口ダクト(減速空間部;減速手段)
29 正面パネル
31 前方管
31a 流入口
31b 先端ノズル
32 後方管
32a 流出口
33 接続管
33a 接続口
36、37 パンチングメタル(抵抗手段、混合手段)
36a、37a 孔部
38 空間部
41 冷暖房切替ユニット
42 熱交換器
43 冷媒液ポンプ
44 開閉弁
45 液溜
46 熱媒体管
A 空調領域
B 非空調領域
I インテリアゾーン
M 人体
P ぺリメータゾーン

Claims (7)

  1. 空調対象の室内における所定の下方箇所に吹出部を設け、該吹出部から床面に対して略水平方向に、該室温との温度差が10℃以内となるように熱処理された空気を低速で吹出すとともに、人体や動植物の生活空間を基準とする該室内空間内の所定の上方箇所に第1吸入口を設け、該室内に温度成層を形成して空調領域と非空調領域とを区画設定する空調システムであって、
    前記吹出部と前記第1吸入口とを有し前記室内の空調領域に設けられる室内ユニットと、
    前記室内の非空調領域若しくは前記室外に設けられ、前記室内ユニットと通気路を介して接続されており、前記室外に設けられた外気吸入口から吸入される外気を、前記第1吸入口から吸入される室内空気に混合する外気混合手段と、
    前記室内の非空調領域若しくは前記室外における前記外気混合手段よりも下流に設けられ、前記外気混合手段により混合された空気を熱処理する熱処理手段と、前記外気吸入口からの外気及び前記第1吸入口からの室内空気を吸入するとともに、該熱処理手段にて熱処理された熱処理済空気を前記室内ユニットに供給する第1送風手段と、有する熱処理ユニットと、を備え、
    前記室内ユニットは、
    第2吸入口と、該第2吸入口から前記室内の空気を吸入するための第2送風手段と、前記第2吸入口から吸入される室内空気と前記熱処理ユニットから該室内ユニットに供給される熱処理済空気とを混合する混合手段と、前記吹出部から吹出される空気の流速を2.0m/sec以下に減速させる減速手段と、を有し、
    前記混合手段にて混合された混合空気を前記吹出部から吹出すことを特徴とする空調システム。
  2. 前記外気混合手段が、前記第1送風手段を利用したベンチュリ手段であることを特徴とする請求項に記載の空調システム。
  3. 前記第2吸入口が、前記第1吸入口の近傍に設けられ、前記第2送風手段が、空調時においてほぼ一定速度で常時運転状態を維持するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の空調システム。
  4. 前記減速手段が、前記吹出し通路よりも広い通過断面を有する減速空間部であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の空調システム。
  5. 前記吹出部には、前記熱処理された空気を前記吹出部の全面に亘って一定速度で吹出す抵抗手段が設けられていることを特徴とする請求項に記載の空調システム。
  6. 前記抵抗手段が、前記熱処理ユニットから供給される熱処理済空気と、前記第2吸入口から吸入されて第2送風手段により送り出される室内空気とを混合する前記混合手段を兼ねていることを特徴とする請求項に記載の空調システム。
  7. 前記混合手段を兼ねている前記抵抗手段が、前記熱処理ユニットから供給される熱処理済空気と、前記第2吸入口から吸入されて第2送風手段により送り出される室内空気とを通過させる多数の孔部を有する面状体から構成されていることを特徴とする請求項に記載の空調システム。
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