JP4920273B2 - 物品選別装置 - Google Patents

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本発明は、物品が搬送される搬送路上に検出領域を有する物品選別装置、例えばその検出領域を通過する物品によるX線の吸収量や検出磁界への影響等に対応する検出信号を基に所定の合否判定処理を実行し選別制御信号を出力する物品選別装置に関する。
従来より、物品に対する異物検出、秤量又は特性検査等を行なった結果に基づき、その物品を搬送方向下流側の複数の分配経路のうちいずれかの経路に選別分配する物品選別装置がある。例えば、食品等を生産する生産ラインにおいて、複数の物品に対して異物の混入の有無を検査して、不良品を搬送路外に排出するようにしたものが知られている。また、検出領域における物品検査手法として金属検出やX線検査を採用したものが多用されており、あるいは更に物品のX線吸収特性を利用して質量計測等を行なうもののように、検出信号を基に所定の演算処理を実行して物品の合否判定を行ない、その結果に応じて下流側での選別・排出を実行するものがある。
従来のこの種の物品選別装置としては、例えば特許文献1(特開2002−098653号公報)に記載のように、X線を用いて異物混入チェック、欠品や入り数のチェック等の状態判定を行なうために、各判断方式によるX線の検出レベルに基づく検出値を予め定めた閾値と比較して物品不良の有無を判定するようにしたものがある。このX線検査装置では、その演算CPUによってX線画像作成処理、物品不良判断処理及び表示制御処理等を実行するようになっている。
また、特許文献2(特開平8−278256号公報)に記載のように、1次元ラインセンサカメラからの入力信号をシェーディング補正部及び2値化部を有する画像処理装置に取り込み、そこで得られた2値ラインデータ列をランレングスデータに圧縮してホストコンピュータに転送し、そこで2次元画像データを作成するようにした傷・欠陥検出用のものもある。
特開2002−098653号公報 特開平8−278256号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような従来の物品選別装置にあっては、内部の演算CPUによってX線画像作成処理や物品不良判断処理、更にはマスキング処理や物理量算出等といった高負荷のデータ処理を実行する必要からその演算CPUが高負荷となるため、高性能の演算CPUが要求され、コスト高や装置の大型化を招いていた。また、画像処理や信号処理は機器の処理速度の高速化と相俟って進化が激しく、CPU処理速度もいわゆるムーアの法則で知られるごとく常に高速化されているため、高性能の演算CPUや演算プログラムでも短期間で陳腐化してしまうという問題があった。
一方、特許文献2に記載のような従来の物品選別装置にあっては、1次元ラインセンサカメラからの入力信号をランレングスデータにしてキューバッファを介してホストコンピュータに転送し、ホストコンピュータ側で転送データを先出し先読みしながら2次元画像データを作成するようにしていたため、画像処理装置に外部インターフェースを用いて接続されるホストコンピュータは、専ら専用の演算CPUとして機能するものであり、これに安価なパーソナルコンピュータを使用できるというものに過ぎなかった。すなわち、従来の物品選別装置は、データ転送上のトラブルやホスト側のトラブル等に対して寛容性がなく、データ転送が正常になされない場合に全体の制御が進行できなくなってしまい、選別制御を確定することができないためにライン上に不良の可能性の或る製品が残存することとなって、信頼性を低下させる原因となっていた。また、装置内のCPUに不良が発生した場合にも同様に対処できず、CPUの演算処理の負荷が一時的に能力オーバーとなった場合は通常NG判定とせざるを得なかった。
さらに、上記のいずれの物品選別装置にあっても、複数の検査・選別ラインの検出情報を迅速・的確に把握し、近時の食品等に対するトレーサビリティ情報の管理要求に柔軟に応え得るシステムを構築するといったことが困難であった。
また、上述のような従来の物品選別装置においては、少ない検出データや簡易な判定処理で物品の品質状態を比較的高精度に判定できる場合もあるが、そうでない場合が多く、検出や判定を極力簡易なものにしながら信頼性のある物品選別をしようとすれば、物品ごとの検出条件を最適に設定する作業に非常に手間がかかるのみならず、複数台の物品選別装置のそれぞれについてその設定作業が必要になるという問題があった。
そこで、本発明は、ネットワーク上の他のハードウェア資源を有効活用することで高処理能力の演算CPUを不要にして物品選別装置のコスト低減と小型化・長寿命化を図るとともに、所要の選別精度を確保し得る信頼性に優れた物品選別装置を提供し、更には、トレーサビリティ情報の管理要求等にも柔軟に応え得るシステムを構築可能な物品選別装置を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明の物品選別装置は、(1)物品が搬送される搬送路上に検出領域を有し、該検出領域を通過する物品の品質状態を表す検出信号を出力する検出手段と、前記検出信号に対して第1の演算を実行する演算手段と、前記演算手段の演算結果に基づいて前記物品に対する第1の判定結果を出力する判定手段と、前記検出信号を受けて第2の演算を実行し第2の判定結果を出力する外部のデータ処理装置に対して前記検出信号を送信出力する一方、該外部のデータ処理装置から前記物品に対する前記第2の判定結果を受信入力するデータ通信手段と、前記第1の判定結果及び前記第2の判定結果に基づいて両判定結果の優先順位を決定する優先順決定手段と、前記優先順位に従って、前記第1の判定結果と前記第2の判定結果とのうち優先されるいずれか一方の判定結果に応じて、選別制御信号を生成する選別制御手段と、を備えた物品選別装置であって、前記データ通信手段が所定のローカルエリアネットワーク上でノードを形成可能な通信インターフェース回路部を有し、前記外部のデータ処理装置が前記ローカルエリアネットワーク上の他のノードを形成していることを特徴とするものである。
この構成により、検出手段から出力される検出信号を基に、判定手段から第1の判定結果が出力されるとともに、外部のデータ処理装置からは第2の判定結果が出力され、選別制御手段では、優先順決定手段で決定される優先順位に従って、第1の判定結果と第2の判定結果とのうち優先されるいずれか一方の判定結果に応じて選別制御信号が生成される。したがって、第2の演算を実行する外部のデータ処理装置が高負荷処理を実行可能であれば、第1の演算を実行する判定手段では相対的に簡易な判定処理等を実行させることが可能となり、さほど高性能の演算CPUが要求されなくなるから、小型・長寿命で低コストの物品選別装置となる。しかも、外部のデータ処理装置で得られる第2の判定結果も優先順位に応じて選別制御に有効活用されるから、高精度の判定処理が可能となって選別制御の所要の信頼性を確保することも可能となる。加えて、データ通信手段が所定のローカルエリアネットワーク上でノードを形成可能な通信インターフェース回路部を有し、外部のデータ処理装置がローカルエリアネットワーク上の他のノードを形成しているので、ローカルネットワーク上の高性能のCPU資源やデータ蓄積資源等を有効利用できる。
上記構成の物品選別装置においては、(2)前記優先順決定手段が、前記判定手段の処理能力、前記物品の品種、前記第1の演算による検査項目及び第2の演算による検査項目、又は前記データ通信を行なう環境条件のうち少なくとも一つに応じて前記優先順位を決定すると、第2の判定結果をより有効に活用可能となる。なお、ここで前記判定手段の処理能力とは、例えば設定要求された異物検出精度に対し処理能力が不足しているか否かであり、前記物品の種類とは、例えばX線異物検出におけるマスキング処理等のような高負荷の処理が要求される物品であるか否か、データ通信を行なう環境条件とは、例えばネットワーク通信の可否や通信速度等である。また、第1の演算を行なう演算手段では異物の検出に係る処理を実行し、第2の演算を行なう外部のデータ処理装置では質量測定(質量が許容範囲内か否かの判定を含む)を行なうような場合には、どちらか一方で不良判定がなされればその不良判定を優先し、両方が不良であれば異物検出に関する不良判定を優先するといった具合に、優先する検査項目に関する処理内容か否かで第1の判定結果と第2の判定結果との優先順位を決定するのがよい。
本発明は、あるいは、(3)物品が順次搬送される搬送路上に検出領域を有し、該検出領域を通過する物品ごとに該物品の品質状態を予め設定された検出条件で検出して前記品質状態を表す検出信号を出力する検出手段と、前記検出信号を第1の演算により処理し、該処理の結果及び予め設定された判定条件に基づいて前記物品に対する判定結果を出力する判定手段と、前記判定結果に応じて選別制御信号を生成する選別制御手段と、を備えた物品選別装置において、前記検出信号及び前記判定結果を外部のデータ処理装置に送信出力すること、及び、前記外部のデータ処理装置で前記検出信号及び前記判定結果を第2の演算により処理した演算結果を受信入力することが可能なデータ通信手段と、前記第2の演算の演算結果に基づいて前記検出条件及び前記判定条件のうち少なくとも一方を変更可能な設定条件変更手段と、を設け、前記データ通信手段が所定のローカルエリアネットワーク上でノードを形成可能な通信インターフェース回路部を有し、前記外部のデータ処理装置が前記ローカルエリアネットワーク上の他のノードを形成していることを特徴とするものである。
この構成により、検出手段から出力される検出信号を基に判定手段から第1の演算の結果である判定結果が出力され、その結果に従って選別制御手段から選別制御信号が出力される。その一方で、検出手段から出力される検出信号と判定手段による第1の演算の結果とを基に、外部のデータ処理装置で所定の第2の演算の処理がなされてその演算結果が出力され、この演算結果に基づいて検出手段の検出条件及び判定手段の判定条件のうち少なくとも一方が設定条件変更手段により更新設定される。したがって、検出手段の検出条件や判定手段の判定条件が第2の演算の演算結果に応じて動的に適時に変更され、外部のデータ処理装置で得られる第2の判定結果を選別制御に有効活用可能であるから、高精度の選別制御が可能となって選別制御の所要の信頼性を確保することができ、第1の演算を実行する判定手段では簡易な判定処理を実行させることが可能となってさほど高性能の演算CPUが要求されなくなるから、小型・長寿命で低コストの物品選別装置となる。加えて、データ通信手段が所定のローカルエリアネットワーク上でノードを形成可能な通信インターフェース回路部を有し、外部のデータ処理装置がローカルエリアネットワーク上の他のノードを形成しているので、ローカルネットワーク上の高性能のCPU資源やデータ蓄積資源等を有効利用できる。
また、(4)前記設定条件変更部が、第2の演算の演算結果に基づいて、前記判定手段の判定の閾値を変更するようにすると、前記設定条件変更手段による設定情報の変更処理が簡素で容易なものとなる。
また、(5)前記設定条件変更手段が、前記第2の演算の演算結果に基づいて、前記判定手段の判定処理アルゴリズムを変更させる処理を実行するようにしてもよい。このようにすると、判定手段では実行しない複雑・高精度な判定処理を第2の演算に含め、その結果を利用する判定処理アルゴリズムを判定手段側で使用することで、高精度の選別が可能となる。
さらに、(6)前記検出手段が設定された管電圧と管電流のX線を用いて異物検出を行なう手段であり、前記設定条件変更手段が前記管電圧と前記管電流のうち少なくとも一つを変更するものであってもよいし、(7)前記検出手段が設定された検出周波数の交番磁界を用いて所定の検波位相で金属検出を行なう手段であり、前記設定条件変更手段が前記検出周波数と前記検波位相のうち少なくとも一つを変更するものであっても好ましい。これらの場合、X線異物検出方式又は金属検出方式の物品選別装置を小型・長寿命で低コストのものにでき、しかも多様な高精度の物品選別が可能なる。
上記(4)の構成を具備する物品選別装置においては、(8)前記第2の演算が前記判定手段よりも高精度に前記物品中に異物の混入があるか否かを判定する異物有無判定処理を含み、前記設定条件変更手段が前記異物有無判定処理の判定結果と前記判定手段の判定結果とが一致するように前記閾値を加減するようにしてもよい。これにより、高精度の異物検出が可能となる。
請求項1の発明によれば、優先順決定手段で決定される優先順位に従って、第1の判定結果と第2の判定結果とのうち優先されるいずれか一方の判定結果に応じて選別制御信号を生成するので、外部のデータ処理装置が高負荷処理を実行可能であれば、物品選別装置内の判定手段では相対的に簡易な判定処理等を実行させることでき、小型・長寿命で低コストの物品選別装置を提供することができる。しかも、外部のデータ処理装置で得られる第2の判定結果も優先順位に応じて選別制御に有効活用できるので、高精度の判定処理も可能で選別制御の所要の信頼性を確保できる物品選別装置とすることができる。加えて、ローカルネットワーク上の高性能のCPU資源やデータ蓄積資源等を有効利用できる。
請求項2の発明によれば、前記判定手段の処理能力、前記物品の品種、前記第1の演算による検査項目及び第2の演算による検査項目、又は前記データ通信を行なう環境条件のうち少なくとも一つに応じて前記優先順位を決定することにより、第2の判定結果をより有効に活用できる。
請求項3の発明によれば、検出手段から出力される検出信号と第1の演算を実行する判定手段の判定結果とを基に外部のデータ処理装置で第2の演算を実行させ、その演算結果に基づいて検出手段の検出条件及び判定手段の判定条件のうち少なくとも一方を適時に更新設定するので、判定手段に高性能の演算CPUを用いなくとも比較的高精度の判定処理結果を得ることができ、選別制御の所要の信頼性を確保することができ、小型・長寿命で低コストの物品選別装置を提供することができる。加えて、ローカルネットワーク上の高性能のCPU資源やデータ蓄積資源等を有効利用できる。
請求項4の発明によれば、設定条件変更手段により、第2の演算の演算結果に基づいて判定手段の判定の閾値を変更するので、設定条件変更手段による設定情報の変更処理を簡素で容易なものにできる。
請求項5の発明によれば、第2の演算の演算結果に基づいて判定手段の判定処理アルゴリズムを変更させるので、判定手段では実行しない複雑・高精度な判定処理を第2の演算に含め、その結果を判定手段側で使用することで、高精度選別ができる。
請求項6の発明によれば、検出手段の管電圧と管電流のうちいずれかを変更するので、X線異物検出方式の物品選別装置を小型・長寿命で低コストのものにでき、しかも多様な高精度の物品選別ができる。
また、請求項7の発明によれば、検出手段の検出周波数と検波位相のうちいずれかを変更するので、金属検出方式の物品選別装置を小型・長寿命で低コストのものにでき、しかも多様な高精度の物品選別ができる。
請求項8の発明によれば、異物有無判定処理の判定結果と判定手段の判定結果とが一致するように閾値を加減するので、高精度の異物検出ができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1の実施の形態]
図1及び図2は本発明に係る物品選別装置の第1の実施の形態を示す図であり、本発明をX線異物検出方式の装置に適用した例を示している。
まず、その構成を説明する。
図1に概略のブロック構成図で示すように、本実施形態の物品選別装置1は、物品であるワークWを搬送するコンベア搬送路5(搬送路)上に検出領域11を有し、この検出領域11を通過するワークWの品質状態を表す検出信号を出力する検出手段10と、この検出手段10の検出動作を制御する制御手段20と、検出領域11より下流側のコンベア搬送路5上の所定位置(以下、選別位置という)に達したワークWを選択的にコンベア搬送路5上から外部に排出させることができる公知の選別機40と、を具備している。
コンベア搬送路5は、例えばベルトコンベアからなる。このコンベア搬送路5は、例えば食品や医薬品等のような個体(定形のものでも柔軟な不定形のものでもよい)のワークWをその品種に対応する所定の一定搬送速度で搬送するとともに、その搬送途中でワークWを検出領域11に通すようになっている。
検出手段10は、例えばコンベア搬送路5を上下に挟む筐体(詳細は図示していない)によってその内部に検出領域11を形成しており、この検出領域11を通過するワークWにX線を照射するX線源12と、検出領域11を挟んでX線源12とは反対側に位置するX線検出部14とを有している。
X線源12は、例えば陰極フィラメントからの熱電子をその陰極と陽極の間の高電圧により陽極ターゲットに衝突させてX線を発生させるX線管を有しており、発生したX線を下方のX線検出部14に向けて不図示のスリットによりコンベア搬送路5の幅員方向(搬送方向と直交する方向)に広がる扇形のビームに整形して照射するようになっている。すなわち、X線源12は、X線検出部14と共に、いわゆるX線ファンビーム光学系を構成している。
X線検出部14は、検出領域11内でコンベア搬送路5の幅員方向に隣り合う複数の透過領域のそれぞれについて、ワークWを透過したX線を検出し各透過領域における所定時間ごとの累積透過量のデータを検出信号として出力するようになっている。このX線検出部14は、詳細を図示しないが、例えばX線ラインセンサで構成されている。このX線ラインセンサは、蛍光体であるシンチレータとフォトダイオード若しくは電荷結合素子とからなる検出素子をコンベア搬送路5の幅員方向にアレイ状に所定ピッチで配設した公知のもので、所定解像度でのX線検出を行なうことができる。
コンベア搬送路5、検出手段10及び選別機40は、それぞれ所定のタイミングで動作するよう制御手段20の検査・選別制御回路21によって制御される。
この検査・選別制御回路21は、コンベア搬送路5による搬送制御及び検出手段10の動作制御を司る制御機能に加えて、X線検出部14からの検出信号を一時的に保持するデータ記憶部としての機能を併有している。すなわち、検査・選別制御回路21は、例えばCPU、ROM、RAM及びI/Oインターフェースを有するマイクロコンピュータを含んで構成されており、ROMに格納された所定のプログラムに従ってX線ラインセンサの複数の検出素子からのX線検出信号をそれぞれA/D変換するとともに、それら検出素子の配設ピッチに対応する所定の単位搬送時間ごとに、搬送路幅員方向の全n(nは正の整数、例えば640)個の透過領域について、その単位時間内の累積の透過X線量(以下、単に透過量という)のデータを、例えば0から1023までの階調を表す透過量レベルの検出信号としてデータ書き込みする動作(以下、ライン走査という)を実行することができ、そのためのA/D変換器やメモリ等(いずれも図示していない)を有している。
制御手段20は、また、検査・選別制御回路21の他に、送信処理部23、受信処理部24、検査情報蓄積部25、通信ポート部26、検出駆動部28及び選別駆動部29を備えており、さらに、検査・選別制御回路21には、各種パラメータ設定や品種の切替え操作等を行なう設定操作部31と、検出領域11の上流側所定位置でワークWを検知するワーク検知センサ33(物品検知手段)とが、それぞれ付設されている。
送信処理部23は、検出手段10からの検出信号と検査・選別制御回路21でその信号に付された識別別報等の属性情報とに基づいて、個々のワークWに対応する個別検出情報を生成し、通信ポート部26を介してコンピュータ等からなる外部のデータ処理装置50に出力するようになっている。ここで、通信ポート部26は、IP(Internet Protocol)ネットワークを構成する所定のローカルエリアネットワーク(構内通信網;以下、LANという)上でIPアドレスに対応する特定のノードを形成可能な通信インターフェース回路部となっており、送信処理部23からLAN上の他のノードである外部のデータ処理装置50に前記個別検出情報を送信出力することができる。
また、受信処理部24は、前記個別検出情報に対応してワークWごとに外部のデータ処理装置50により実行される第2の演算の処理結果を、その処理の単位のワークWの識別情報と共に通信ポート部26を介して入力するようになっている。なお、ここにいう第2の演算の処理は、物品選別装置1内で実行される第1の演算の処理、例えば判定閾値を用いてX線濃度レベルが所定閾値を超えるか否かを判定する判定処理(あるいは更にワークWの識別情報及び検出信号の生成処理や通信処理等)に対して、その処理よりも高負荷となるような演算処理、例えばワークごとのX線画処理を伴う合否判定処理、物理量測定値の算出処理、統計処理等であり、あるいは物品選別装置1内のCPUでは能力上処理できないか物品選別装置1内に処理プログラムが搭載されていない処理である。なお、ここで「物理量」とは、質量や体積、面積、厚さ、長さ、幅等といった大きさや質量(重量)に関わる物理量であるが、本実施形態における物理量の算出処理は一例としての質量の算出処理である。
前記送信処理部23及び受信処理部24は、通信ポート部26と共に、検出手段10からの検出信号を外部のデータ処理装置50に出力すること、及び、外部のデータ処理装置50で前記検出信号を第2の演算により処理した各物品に対する第2の判定結果を入力することが可能なデータ通信手段を構成している。
また、検査・選別制御回路21は、検出手段10からの検出信号(透過量レベル)を例えば予め設定された閾値レベルと比較するプログラムにより第1の演算の処理(例えば閾値判定処理)を実行する第1の演算部21e(演算手段)と、第1の演算の処理結果に基づきワークW中における混入異物の有無を判定するプログラムを実行して各物品に対する第1の判定結果を出力する第1の判断部21a(判定手段)と、ワークWごとにコンベア搬送路5の外部に選別排出するか否かを指令する選別制御信号を生成する選別制御部21b(選別制御手段)と、その選別制御における前記第1の判定結果と前記第2の演算の処理結果(演算結果)である第2の判定結果との優先順位を決定する優先順決定部21c(優先順決定手段)と、検出手段10の検出条件、第1の演算部21eの演算処理条件及び第1の判断部21aの判定条件のうちいずれかの条件を更新設定(変更)可能な設定条件変更部21d(設定条件変更手段)とを含んで構成されている。すなわち、検査・選別制御回路21は、判定手段、優先順決定手段、選別制御手段及び設定条件変更手段として機能するようその制御プログラム及びメモリ等を含んでいる。
ここで、優先順決定部21cは、第1の演算部21eや第1の判断部21aの処理能力が例えばCPUのタイプからして設定された要求検出精度に対し不足していないか否か、あるいは、X線異物検出におけるマスキング処理(例えばクリップマスク、エッジマスク)等の負荷の高い演算処理が要求される物品であるか否か、例えばネットワーク通信の可否や通信速度の不足がないか等に応じて優先順位を決定するようになっている。
また、選別制御部21bは、優先順決定部21cで決定された優先順位に従い、前記第1の判定結果と前記第2の判定結果とのうち優先されるいずれか一方の判定結果に応じて選別機40を制御するための選別制御信号を生成するようになっており、第1の判定結果が優先される場合には、第1の判断部21aからの第1の判定結果に対応する選別制御信号を出力し、第2の判定結果が優先される場合には、受信処理部24で外部のデータ処理装置50から受信入力した前記第2の判定結果に対応する選別制御信号を出力するようになっている。
さらに、設定条件変更部21dは、第1の判断部21aで得られた第1の判定結果と外部のデータ処理装置50からの第2の判定結果(演算結果)とに基づいて、検出手段10の検出条件に影響する設定パラメータや、第1の演算部21での演算処理条件、第1の判断部21aの判定条件に影響する判定閾値等のうちいずれかを更新設定可能になっており、そのための更新要否判定処理や設定値書き換えプログラム、メモリ等を有している。この設定条件変更部21dは、例えば、外部のデータ処理装置50で画像処理を含む第2の演算により複数のワークWについて実行した高精度な異物有無判定処理の結果(第2の演算の結果、又は第2の判定結果)と、第1の演算部21e内で実行した第1の演算の処理結果(第1の演算の結果、又は第1の判定結果)とが近付く方向に第1の判断部21aで用いる判定閾値をずらす補正を行なったり、第1の演算部21eでは処理できない複雑な処理(例えばマスキング処理、物理量算出処理)を外部のデータ処理装置50での第2の演算に含め、その結果を利用する判定処理アルゴリズムを第1の判断部21a側で使用させたりすることができる。なお、図1においては、便宜上、そのような補正のための信号の流れは図示していない。
外部のデータ処理装置50は、具体的なハードウェア構成を図示していないが、例えばCPU、ROM、RAM及びI/Oインターフェースを有し、所定の画像処理及び判定処理を実行するためのプログラム(例えばX線画像生成、体積・質量算出、表示データ生成等の処理プログラム)を読み出し可能に記憶した補助記憶装置と、タイマー回路等とを含んで構成されており、ROM等に格納された制御プログラムに従って、CPUがRAM等との間でデータを授受しながら所定の演算処理を実行するとともに前記制御プログラムを実行するようになっている。
このデータ処理装置50は制御手段20の通信ポート部26に有線通信(例えばイーサネット(登録商標)接続や電力線搬送通信(PLC))若しくは無線通信(例えば無線LAN)での通信接続が可能なデータ処理部51と、このデータ処理部51で得られた第2の判定結果や物品選別装置1からの検出情報等を蓄積する蓄積部52とを有している。また、データ処理装置50は、例えば前記LAN上での特定のIPアドレスに対応する特定のノードを形成する通信インターフェース回路部(詳細は図示していない)を有している。すなわち、データ処理装置50はIPアドレスにより特定でき、例えばTCP(Transmission Control Protocol)/IP通信することができる機器となっている。
また、データ処理装置50のデータ処理部51は、X線検出部14で検出され制御手段20から送信されてきた個別検出情報を基に、所定のX線画像データの生成や質量算出処理等のために前記第2の演算を実行する第2の演算部51eと、その第2の演算の結果に基づいて各ワークW中における異物有無の判定や質量合否判定処理等を実行する第2の判断部51bとの機能を有している。
データ処理装置50のデータ処理部51は、より具体的には、例えばX線検出部14からの検出信号のうち一部を抽出し、少なくともワークWのX線画像の背景に相当する部分を除いた測定領域のX線画像を領域抽出する手段となっており、そのためのプログラム及び作業メモリ(図示していない)を有している。また、データ処理部51は、物品選別装置1からの濃度データのうち所定濃度レベル範囲となる一部の濃度データのみを抽出し、X線画像の背景に相当する部分を除いた測定領域の濃度データを取り出すようになっており、少なくとも前記X線画像の濃度データを所定の閾値でノイズカット処理し、ワークWにX線が照射されるときの背景、本実施形態においてはワークWが載置される搬送ベルトの質量測定値がゼロとなるようにするプログラム及び作業メモリ領域を有している。さらに、データ処理部51は、領域抽出された濃度データを所定時間ごとに取り込み、各ワークWの全域分の透過量データに対応するX線画像であって、ワークWが無くX線の透過量の値が最大でワークWによるX線吸収量がゼロとなる部位で最小濃度値となり、X線の透過量の値が最小でワークWによるX線吸収量が最大となる部位で最大濃度となるディジタルX線画像を各ワークWごとに生成する画像生成手段となっている。ワークWについての混入異物の有無の判定は、例えばこのX線画像のライン走査ごとのピーク濃度値を所定の判定閾値の濃度レベルと比較することで実行可能であるが、データ処理部51では、公知の方法で画像処理で異物候補を抽出してより高精度の異物有無判定処理を実行するようになっている。
また、データ処理部51は、濃度データ変換、体積測定及び質量換算の各処理機能を有しており、その濃度データ変換機能によって、X線画像における背景の濃度値と、X線画像における前景(質量測定領域に対応する画像)の代表濃度と、等価厚画像の最大濃度とをそれぞれ内部の設定値メモリ(図示していない)に記憶させ、その設定値に基づいてワークWの各透過領域におけるX線画像の濃度データPから等価厚画像の濃度データQ(P)への変換処理を実行するようになっている。なお、等価厚画像とは、X線の透過量データから生成される濃度データによってワークWの厚さを等価的に示すようにした画像である。X線検出部14の受光量IをI=Iexp(−α・t)と考えると、α・tは、X線が発生源から出てX線測定部により検出されるまでに透過した物質によるX線吸収量を直接的に示す等価厚の値であり、例えばこれを画像の濃度値に対応付けることで、X線吸収率の高い物質あるいはX線透過方向の厚さの厚い部位ほど濃度値の大きな等価厚画像を作成することができる。そして、データ処理部51は、体積測定処理プログラムを有し、領域抽出処理部から質量測定領域のX線画像の濃度データを取り込むことで質量測定の対象領域についてのみ体積演算を実行するようになっており、ワークWの搬送方向の先端から後端までの毎回のライン走査で得られる等価厚画像の濃度データQ(P)のうち有効なデータを合算することにより各ワークWの体積Vを算出するようになっている。
データ処理部51は、さらに、図示しない品種パラメータファイルから読み込まれるワークWの質量換算係数等を記憶する係数保持メモリ領域と、体積測定された透過領域ごとの体積測定値を予め設定された所定の換算比で質量単位の換算値に換算する換算処理プログラムとを有しており、上述のように体積測定された各ワークWの体積測定値Vを質量値に換算することができる。
送信処理部23は、また、前記個別検出情報を外部のデータ処理装置50に送信出力することが必要な場合には、外部のデータ処理装置50との間で通信ポート部26を通し接続開始のためのネゴシエーションを実行して相互の現在のステータスを把握した上で、パケットサイズ(最大セグメントサイズ)等を決定するとともにコネクション(相互のアプリケーション同士を結ぶ仮想的な通信路)を確立し、フロー制御するようになっており、これを例えばTCP(Transmission Control Protocol)の通信プログラムにより達成するようになっている。従って、送信処理部23は外部のデータ処理装置50に対して確認応答の要求信号(例えばシーケンス番号)を送出し、この応答要求信号に対応する確認応答の信号(例えば送信先から送信元に送られるACK(Acknowledgement)番号)を受信したときにのみ、前記個別検出情報を外部のデータ処理装置50に送信出力するようになっている。
また、外部のデータ処理装置50は、上述したワークWごとのX線画像や異物有無の判定結果、質量計測結果の合否(許容質量範囲内か否か)等といった第2の判定結果を物品選別装置1に送信するときには、物品選別装置1の通信ポート部26を通し受信処理部24との間で通信開始のためのネゴシエーションを実行して相互の現在のステータスを把握した上で、パケットサイズ(最大セグメントサイズ)等を決定するとともにコネクションを確立するようになっており、これを例えばTCP通信プログラムにより達成する。従って、外部のデータ処理装置50は、確認応答の要求信号(例えばシーケンス番号)を物品選別装置1に送出し、この応答要求信号に対応する確認応答の信号(例えば物品選別装置1から外部のデータ処理装置50に送られるACK番号)を受信したときにのみ、前記演算処理の結果データを物品選別装置1に送信出力するようになっている。
なお、検査・選別制御回路21は、外部のデータ処理装置50からの第2の判定結果(演算結果)を受信処理部24で受信したとき、その第2の判定結果のデータをハードディスク等の検査情報蓄積部25に蓄積することができる。また、外部のデータ処理装置50側で複数台の物品選別装置1について集中管理するように蓄積し、近時のトレーサビリティの要求に十分に応え得るようにしておき、通常は、外部のデータ処理装置50側から物品選別装置1側へは選別排出の要否を決定するのに要するワークWごとの合否判定結果を送るようになっている。
次に、その動作について説明する。
上述のような物品選別装置1の運転に際しては、まず、検出手段10のX線源12の照射強度を特定する管電圧と管電流のうち少なくとも一つがワークWの品種に合わせて適切なレベルに設定された後、無搬送のコンベア搬送路5上の幅員方向全域で、ベルト面のみでの各透過領域でのX線の透過量が等しい値になるようX線検出部14の検出感度が調整され、次いで、無搬送時のコンベア搬送路5のベルト面を体積測定のゼロ点基準面とする設定がなされる。
次いで、必要に応じてノイズカット閾値等が設定され、例えば質量既知のマスターワークの体積測定を行なうことで、質量換算係数が算出され設定される。これらの初期設定データは、検査・選別制御回路21のメモリに、例えば品種パラメータファイルの一部として書き込まれ、品種を指定する入力がなされたときに読み込まれることになる。
このような設定が済むと、後述する一連の制御プログラムが実行され、検査対象のワークWの品種を指定する入力がなされると、ワークWのX線検査とその検査結果に応じた選別が行われる。この段階においては、まず、最初に設定済みの各設定パラメータが品種パラメータファイルから読み出され、次いで、測定開始を指示するスタートボタン等の操作入力があると、コンベア搬送路5によるワークWの搬送が開始される。
次いで、ワークWがワーク検知センサ33で検知されると、検査・選別制御回路21により、ワーク検知センサ33の検知状態の変化からワークWの長さに相当する搬送区間と、搬送方向前後に隣り合うワークWの間隔に相当する無搬送区間とがそれぞれ特定され、X線検出部14の繰返し走査を行なうサンプリング期間が決定される。
次いで、ワーク検知後の所定のタイミングでX線検出部14からの検出信号の前記画像入力部への取り込みが開始され、ワークWの長さ分だけ前記単位搬送時間ごとのライン走査が繰り返されるとともに、X線検出部14のデータ記憶部として機能する検査・選別制御回路21のメモリ領域にX線ラインセンサの検出素子数n個分の透過量のデータが順次格納される。
このとき、検査・選別制御回路21の第1の判断部21aでは、各ライン走査ごとの検出データ中の最大濃度のデータを所定の閾値と比較してX線吸収率が特に大きい金属異物等の混入の有無が検出濃度レベルと閾値との比較により判定される。
検査・選別制御回路21の第1の判断部21aでは、また、毎回の走査で得られたスライスデータとしてのX線画像の濃度データPが時刻情報等の識別情報と共に個別検出情報とされてから送信処理部23に出力され、送信処理部23でTCP/IP送信のためのデータセグメントに加工され、送信処理部23から外部のデータ処理装置50にパケット送信される。
このとき、送信されるデータは、例えば図2に示すように、ワーク検知センサ33の検知信号の立上りから一定の検査期間内にX線検出部14から出力される。
同図においては、ワークWが箱状のもので、ワーク検知センサ33の検知信号の立上り直後に、まず、その識別情報として少なくとも日付と時刻を含む識別情報(同図中の12−22 11:06:23.156)が生成され、これと合せて、このワークWの識別情報及び検出データからなる個別検出情報が例えばイーサパケットである送信フレームに分解される。さらに、最初のデータ送信フレームに先立ってデータ開始フラグ(同図中のSTART)が設定され、例えば1フレーム=1500オクテット(バイト)の送信サイズで、スライスごとのX線ラインセンサの検出素子数n個分の透過量のデータ(図2中に部分的に示す「DATA 100,110,90,80,60,・・・」、「DATA 150,160,170,180,・・・」、「DATA 200,210,・・・」等)が順次送信フレーム化され、そのワークWの後端に相当する最終スライスデータの後に、このワークWのデータ終了フラグ(同図中のEND)が設定される。そして、送信フレームにはIPヘッダ等が付加されて、そこに記述された宛先IPアドレスで指定された外部のデータ処理装置50に送信される。なお、図示はしないが、ここでの各1個のワークWについてのSTARTからENDまでのデータ送信フレームにはワークWの識別情報と一連のシーケンス番号が付されており、他のワークWについてのデータ送信フレームと識別可能になっている。
このとき、外部のデータ処理装置50のデータ処理部51では、TCP/IP通信の処理手順に従って受信パケットから各ワークWごとの個別検出情報を再構築した後、背景である搬送ベルト面の質量測定値がゼロとなるように物品選別装置1からの濃度データのうち所定濃度レベル範囲の濃度データを抽出しながら各ワークWのディジタルX線画像を生成し、更に、濃度データ変換、異物有無判定、体積測定及び質量換算の各処理を実行する。すなわち、ワークWの搬送方向の先端から後端までの複数回の走査で得られたデータを基に画像処理を含む所定の異物判定処理である第2の演算を実行して各ワークWについての混入異物の有無を判定し第2の判定結果を生成するとともに、等価厚画像の濃度データに変換したうち有効なデータを合算することで各ワークWの体積Vを算出し、その体積測定値Vを質量値に換算した物理量算出結果を出し、これらの結果を物品選別装置1側に送信する。
この結果送信に際しては、データ処理部51での演算処理中又はその処理完了直後に、今回の演算処理の対象となった個別検出情報の識別情報に基づいて、例えばそれと同一の識別情報が生成され、これと第2の判定結果等の演算処理結果データを合せた処理結果情報が生成されて、この処理結果情報が例えばイーサパケットである送信フレームに分解される。そして、物品選別装置1からの送信時とほぼ同様な手順で、最初のデータ送信フレームに先立ってデータ開始フラグ(例えばSTART)が設定され、例えば1フレーム=1500オクテットの送信サイズで、処理結果情報のデータが順次送信フレーム化され、そのワークWの後端に相当する結果データの後に、このワークWの送信データの終了フラグ(例えばEND)が設定される。そして、送信フレームにIPヘッダ等が付加され、そこに記述された宛先IPアドレスで指定された物品選別装置1に送信される。
一方、受信処理部24では、確認応答の要求信号に対して確認応答の信号を外部のデータ処理装置50側に出し、相互の確認応答によりコネクションが確立された後、順次送信されてきたフレームのデータを所定の通信処理手順(例えばTCP/IP通信の処理手順)に従って受信パケットから各ワークWごとの第2の判定結果を含む処理結果情報に再構築して、その処理結果情報を優先順決定部21cに出力する。
このとき、優先順決定部21cでは、第1の演算部21eや第1の判断部21aの処理能力が例えば設定操作部31で要求された検出処理に対して不足しないか、ワークWがマスキング処理等の負荷の高い演算処理が要求される物品であるか否か、前記LAN上のネットワーク通信の可否や通信速度等に応じて、あるいは、前記第1の演算及び第2の演算の内容に応じて、所定の優先順位判定プログラムに基づき前記第1の判定結果と第2の判定結果とのうちいずれか一方を他方に優先して採用する優先順位を決定し、優先される判定結果のデータを選別制御部21bに入力させる。
ここで、前記第1の演算及び第2の演算の内容に応じてとは、例えば、物品中のより小さな異物を検出できるように、第1の演算部21eでの画像処理では検出し難い異物形状や異物材質をも検出可能とする画像処理を外部のデータ処理装置50の第2の演算部51eで実行するような場合に、外部のデータ処理装置50での判定結果の方がより確からしいこととから、外部のデータ処理装置50から第2の演算に基づく判定結果を受信した場合にはその判定結果を優先するといった具合に信頼度の高い処理内容か否かで第1の判定結果と第2の判定結果との優先順位を決定する意である。また、第1の演算部21eでは異物の検出に係る処理を実行し、外部のデータ処理装置50では質量測定(質量が許容範囲内か否かの判定を含む)を行なうような場合には、どちらか一方で不良判定がなされればその不良判定を優先し、両方が不良であれば異物検出に関する不良判定を優先するといった具合に、優先する検査項目に関する処理内容か否かで第1の判定結果と第2の判定結果との優先順位を決定する意である。
上記通信の可否や通信速度等には、前記第2の判定結果が受信入力できない場合(通信不可の場合)のみならず、受信した第2の判定結果が全く種類の異なる結果信号であるなど何らかの異常があるような場合も含まれ、そのような場合には第1の判定結果を優先する処理が可能である。すなわち、優先順決定部21cは、第1の判定結果及び第2の判定結果に基づいて両判定結果間の優先順位を決定することができる。
優先順位の高い方に決定された判定結果が選別制御部21bに入力されると、選別制御部21bは、各ワークWを選別位置でコンベア搬送路5の外部に選別排出するか否かを指令する選別制御信号を生成し選別駆動部29に出力して、選別駆動部29によりその指令に従って選別機40を作動させる。このとき、選別制御部21bは、優先順決定部21cで決定された優先順位に従い、前記第1の判定結果と前記第2の判定結果とのうち優先されるいずれか一方の判定結果に応じて選別制御信号を生成することになる。すなわち、選別制御部21bは、第1の判定結果が優先される場合には、第1の判断部21aでの第1の判定結果に対応する選別制御信号を出力し、第2の判定結果が優先される場合には、受信処理部24で外部のデータ処理装置50から受信入力した第2の演算の処理結果に対応する選別制御信号を出力する。
一方、設定条件変更部21dは、優先順決定部21cから第1の判断部21aで得られた第1の判定結果と外部のデータ処理装置50からの第2の判定結果(演算結果)が一致しているか否かの比較情報を受け、その比較情報に基づいて、検出手段10の検出条件に影響する設定パラメータや、第1の演算部21eでの演算処理条件、第1の判断部21aの判定条件に影響する判定閾値等のいずれかを更新設定する更新処理の要否を判定する。例えば、外部のデータ処理装置50で実行された高精度な判定処理の結果である第2の判定結果と、第1の判断部21a内で簡易に第1の演算の処理で閾値判定した第1の判定結果とが複数のワークWについて一定比率以上で相違するようになると、両判定結果が近付く方向に第1の判断部21aで用いる判定閾値をずらす補正を実行する。あるいは、判断部21aでは処理できない複雑な処理、例えばマスキング処理や質量(物理量)算出処理の結果を第1の判断部21aで利用する必要がある場合に、その算出処理結果を利用する判定処理アルゴリズムを第1の判断部21a側で使用させるように第1の判断部21aの判定条件を設定変更する。設定条件変更部21dは、また、第1の演算部21eでは限られた演算量の処理しか実行できないので、その限られた演算量の範囲で最も有効な処理をするため、第1の演算部21eに行なわせるべき演算内容を指示するように外部のデータ処理装置50内でライブラリ化された処理を並列に実行し、その実効結果から選択された第1の演算部21eに実行させるべき最適なライブラリを第1の演算部21eに指示するようにしてもよい。さらに、設定条件変更部21dは、外部のデータ処理装置50から前記検出条件又は前記判定条件に関する設定パラメータを更新するための情報を取り込んで、判定閾値のみならず検出手段10のX線検出部14における管電圧や管電流、X線周波数等を変更するようにしてもよい。
このように、本実施形態の物品選別装置においては、検出手段10から出力される検出信号に基づいて、第1の判断部21aからは第1の判定結果が出力され、外部のデータ処理装置50のデータ処理部51からは第1の演算より相対的に高負荷か第1の演算では処理し得ない演算処理である第2の演算による第2の判定結果が出力され、選別制御部21bでの選別制御信号生成に際して、優先順決定部21cで決定された優先順位に従って第1の判定結果と第2の判定結果とのうち優先される一方の判定結果に応じて選別制御信号が生成される。したがって、第2の演算を実行するデータ処理部51の第2の演算部51eが高負荷の処理を実行可能であれば、第1の演算を実行する検出・選別制御回路21の第1の判断部21aでは相対的に簡易な判定処理等を実行させることが可能となり、さほど高性能の演算CPUが要求されなくなる。その結果、物品選別装置1が小型・長寿命で低コストとなる。しかも、外部のデータ処理装置50で得られる第2の判定結果も前記優先順位が高い場合には選別制御に活用されるから、必要な場合には高精度の判定処理が可能であり、選別制御の所要の信頼性を確保することも可能となる。
本実施形態によれば、ローカルネットワーク上の高性能のCPU等のハードウェア資源である外部のデータ処理装置50の処理能力を活用して、第2の演算の結果得られる第2の判定結果を入力し、第1の演算を実行する判断部21aでは相対的に簡易な判定処理等を実行させることができ、しかも、外部のデータ処理装置50で得られる第2の判定結果も優先順位に応じて選別制御に有効活用可能することができるので、高精度の判定処理も可能で選別制御の所要の信頼性を確保することもできる。
また、設定条件変更部21dでは、外部のデータ処理装置50で第2の演算により複数のワークWについて実行した複雑な演算及び判定処理の結果と、第1の判断部21aでの第1の判定結果とが高確率で一致するように検出手段の検出条件や第1の演算部21eでの演算処理条件、第1の判断部21aの判定条件等を動的に最適に調整することができるので、第1の演算部21eや第1の判断部21aに高性能の演算CPUが要求されない簡易な処理等を実行させることができ、しかも、外部のデータ処理装置50で得られる第2の判定結果を選別制御に有効活用することで高精度の判定処理結果を得ることができる。
なお、検査・選別制御回路21は、通常の検査ラインごとの管理データとして必要なものについては検査情報蓄積部25に蓄積することができ、更に長期間にわたる統計データや関連する生産地情報、各ワークWごとの各種の検査データ等を外部のデータ処理装置50側で蓄積し、集中管理、一元管理することができ、近時のトレーサビリティの要求に十分に応えることができる。
また、上述した実施形態においては、X線異物検出を行なうものとしたが、本発明はX線検査を行なう物品選別装置に限定されるものではない。また、上述の実施形態においては、ワークWが箱状の個体であったが、本発明はワークWがいわゆるばら状のものや練り物等であっても適用できる。
[第2の実施の形態]
図3は本発明に係る物品選別装置の第2の実施の形態を示す図であり、本発明を金属検出方式の装置に適用した例を示している。
図3に示す本実施形態の金属検出機61(物品選別装置)においては、ワークWはコンベア搬送路65によって所定方向に搬送され、その搬送速度はワークWの製造ラインの搬送速度に応じて設定されている。ワークWの搬送方向の所定区間は、ワークW中への金属異物(金属からなる異物又は金属成分を含んだ異物、欠品検出の場合は異物でなく構成要素となる)の検出を行なう検出領域71となっており、この検出領域の入り口付近にはワークWが検出領域71の上流側所定位置に達したことを検知する例えば光学式のワーク検知センサ73(物品検知手段)が設置されている。
検出領域71の近傍にはワークW中の金属異物を検出する検出部70(検出手段)が設けられている。この検出部70は、予め設定された振幅及び周波数の送信信号を発生する信号発生部81と、信号発生部81からの信号により送信コイルを電流駆動する磁界発生部82と、差動検出器等で構成される磁界検出部83とを含んで構成されている。
詳細は図示しないが、信号発生部81は、ワーク検知センサ73に応動する基準信号発生器、測定期間を特定するためのタイマー、電力増幅器、同調回路等を有しており、ワークWが検出領域71を通過するとき、設定周波数の送信信号を発生して磁界発生部82の送信コイルを電流駆動する。また、磁界発生部82の送信コイルは、コンベア搬送路65の近傍に配置され、信号発生部81からの電流駆動により励磁されたとき、前記送信信号の設定周波数に対応する交番磁界を検出領域71中に発生させることができる。
磁界検出部83は、信号発生部81及び磁界発生部82と協働して複数のワークWについて、そのワークWの移動による前記交番磁界の変化を検出するようになっており、差動接続された一対の受信コイル、同調回路及び増幅器等からなる公知のものである。この磁界検出部83は、磁界発生部82からの交番磁界のみに対しては一対の受信コイルの誘起電圧が等しく平衡し、両者の差動出力がゼロになるように調整されている。
磁界中を通過する磁性金属には磁束密度の大きさに比例してより多くの磁束が引き寄せられ、磁界中を通過する非磁性金属にはその移動による磁束密度の変化を打ち消すような向きでうず電流が生じ、ジュール熱が消費されるという性質がある。したがって、コンベア搬送路65上のワークWが検出領域71を通過するとき、磁界検出部83の受信コイル間の出力の平衡状態がくずれる。
磁界検出部83は、このようにコンベア搬送路65上のワークWの移動により両受信コイル間の出力平衡状態がくずれたとき、その磁界の変化に応じた検出信号を出力する公知のもので、その検出信号は、磁界発生部82側からの交番磁界に対応して前記送信信号の設定周波数を有する交流信号成分に、ワークWの磁界通過により変化する低周波信号成分が重畳したような信号形態となる。
磁界検出部83の検出信号は検出制御回路84に取り込まれるようになっており、この検出制御回路84は、詳細は図示しないが、直交検波を行なう一対の同期検波器、移相器、バンドパスフィルタ、増幅器及びA/D変換器等によって構成された信号測定部84aを有している。
この信号測定部84aの一対の同期検波器は、直交検波のために前記基準信号を位相調整した信号を取り込み、所定の検波位相で検出信号から送信信号相当の高周波成分を取り除いた検波出力を生成する。なお、前記直交検波の出力は、例えば、磁束密度変化が大きいほど外部磁界変化を引き起こす非磁性金属の影響が大きい検出信号と、磁束密度が大きいほど外部磁界変化を引き起こす磁性金属の影響の大きい検出信号となる。
検出制御回路84は、信号測定部84aに加えて、第1の判断部84b(判定手段)、通信処理部84c、通信ポート部84d及び第1の演算部84e(演算手段)を有している。
信号測定部84aで前記検波出力に更にフィルタによるノイズ除去及びA/D変換が施されると、第1の演算部84eは,信号測定部84aからのA/D変換後の検出データを基に所定の演算プログラムにより第1の演算の処理を実行し、第1の判断部84bはその演算結果に基づいて各ワークWに対する混入異物有無の判定結果である第1の判定結果を生成し、この第1の判定結果を選別制御回路87に出力するようになっている。すなわち、検出制御回路84の第1の判断部84bは、信号測定部84aからの検出データを基に第1の演算部84eでなされた第1の演算の結果に応じて各ワークWについて搬送路65の外への選別排出の要否を決定するための第1の判定結果を出力し、選別制御回路87(選別制御手段)は、その判定結果を基に、良品であれば非排出として下流側の良品搬出通路へ搬送するための選別制御信号を、不良品であればコンベア搬送路65外へ選別排出とするための選別制御信号を内部で生成し、選別機88にその選別制御信号に対応する駆動信号を出力して、検出領域71より下流側に設けられた選別機88に不良品を良品と分けて搬送路外に排出させるようになっている。なお、選別制御回路87は、上述の実施形態の検出・選別制御回路21とは異なり、検出制御回路84から独立したCPUとドライバー回路を内蔵した制御回路となっている。
通信処理部84c及び通信ポート部84dはデータ通信手段を構成しており、通信処理部84cでは検出部70で検出され信号測定部でディジタル化された検出信号のデータ(以下、検出データという)と第1の判断部84bで生成したワークWごとの第1の演算の結果(第1の判定結果)とをワークWの識別情報と共に送信フレーム化して個別検出情報を生成し、この送信フレームを通信ポート部84d(通信インターフェース回路部)が接続するLAN内の他のノードを形成する外部のデータ処理装置90に送信するようになっている。個別検出情報の生成及び送信の手順自体は上述の実施形態と同様である。
外部のデータ処理装置90は、機能的には、図4に示すようにデータ処理部91、通信処理部92、蓄積部93及び通信ポート部94を有しており、データ処理部91は、検出制御回路84からの通信データを基に第1の演算より例えば高精度・高負荷となる所定の第2の演算の処理を実行する第2の演算部91eと、第2の演算部91eの演算結果に基づいてワークW中における金属異物の有無の判定を行なう第2の判断部91bとを有している。ここで、第2の判断部91bは、第2の演算による演算結果が金属検出機61内で検出制御回路84の判断部84bにより得られた判断結果に近付くように更新設定するため設定値情報として、検出部70の検出条件、第1の演算部84eの演算処理条件及び第1の判断部84bの判定条件のいずれかに影響する情報を第2の演算の処理結果(演算結果)として生成するようになっている。
このデータ処理部91は、具体的には、例えばCPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェースを含むマイクロコンピュータで構成されたもので、ROM内に格納された判定制御プログラム、位相制御プログラム、ワーク影響を抑える周波数選定プログラム、閾値算出プログラム等をRAMとの間でデータの授受を行ないながらCPUにより実行するようになっている。また、データ処理部91は、通信ポート部94及び通信処理部92を介して得られる検出制御回路84からの複数のワークWに対応する検出データ及び第1の演算の結果データに基づいて、検出部70の検出条件に影響する所定の設定条件パラメータ、例えば検出周波数、前記バンドパスフィルタのフィルタ定数、磁界発生部82と磁界検出部83の間での設定位相や直交検波のための移相量に対応する検波位相、異物有無判定のための判定閾値等についての最適値の演算、更に統計計算等といった検出制御回路84内ではできない演算処理を実行するようになっており、そのための処理プログラムやメモリを含んで構成されている。蓄積部93には、データ処理部91での処理結果や図示しない操作入力部から設定入力されあるいは検出制御回路84側からあるいは他の外部の装置から通信入力されたワークWに関する情報等を蓄積するようになっている。
一方、検出制御回路84には更に設定条件変更部84f(設定条件変更手段)が設けられており、この設定条件変更部84fは、第1の演算部84eで得られた第1の演算の結果と、通信処理部84cを介して外部のデータ処理装置90からの入力される第2の演算の結果とに基づいて、検出部70の検出条件に影響する設定パラメータや、第1の演算部84eの演算処理条件、第1の判断部84bの判定条件に影響する判定閾値等の設定パラメータのうちいずれかを更新設定可能になっており、そのための更新判定処理や設定値書き換えプログラム、メモリ等を有している。具体的には、設定条件変更部84fは、外部のデータ処理装置90からの設定変更のための情報を取り込んで、外部のデータ処理装置90で画像処理等を含む第2の演算により複数のワークWについて実行した高精度の異物有無判定処理の結果である第2の判定結果と、第1の判断部84bからの第1の判定結果とが近付くように、検出部70の検出条件等に関する前記設定パラメータを変更するようになっている(詳細は後述する)。
金属検出機61の検出制御回路84と外部のデータ処理装置90との間の通信処理は、TCP/IP通信等のLAN内の所定の通信プロトコルに従ってなされる。すなわち、検出制御回路84の通信ポート部84dは、所定のローカルエリアネットワーク上でノードを形成可能な通信インターフェース回路部(図示していない)を有し、そのローカルエリアネットワーク上の他のノードである外部のデータ処理装置90に検出信号を送信出力すること、及び、外部のデータ処理装置90で複数のワークWに対する検出信号を所定の第2の演算により処理した演算結果を入力することが可能である。データ処理装置90の通信ポート部94は、検出制御回路84の通信ポート部84dとは異なるアドレス(例えばMACアドレスに対応するIPアドレス)を有するが、通信ポート部84dと同方式のインターフェース回路構成となっている。
次に、動作について説明する。
ユーザーが図示しない運転キーを押すと、金属検出機61の運転動作に入り、製品である多数のワークWの製造ライン上での検査が実行される。そして、異物が検出されると、選別機88が選別排出動作するよう制御され、不良品が搬送路の外に排出される。
すなわち、例えば特定のワークWについてのワーク検知信号の立上り時点から所定の遅延時間Td内に検出制御回路84の第1の判断部84bから良品判定の演算結果が出力されれば、選別制御回路87により選別機88は良品のワークWが選別位置を通過するのを許容する非排出動作位置に制御される。また、次のワークWのワーク検知信号の立上り時点から所定の遅延時間Td内に検出制御回路84の第1の判断部84bから良品判定の演算結果が出力されれば、選別制御回路87により選別機88は不良品のワークWが選別位置を通過するのを阻止する選別排出動作位置に制御される。
一方、このような状態において、金属検出機61の検出制御回路84から外部のデータ処理装置90に検出データ及び第1の判断部84bによる第1の判定結果が送信される。すなわち、ワーク検知センサ33の検知信号の立上りから一定期間Td内に、検出制御回路84では、測定データが生成される一方、その測定データと共にワークWの識別情報が少なくとも金属検出機61のIDコード、日付、時刻等を含む情報として生成され、その識別情報とそれに対応するワークWの検出データとを含む個別検出情報が、例えば1フレーム=1500オクテット(バイト)の送信サイズで順次送信フレーム化されて、IPヘッダ等を付され、通信ポート部84dから前記LAN内に送信される。
したがって、宛先IPアドレスで指定された外部のデータ処理装置90にワークWの識別情報を含む送信フレームが送られ、外部のデータ処理装置90において前記第2の演算が実行され、その演算結果である前記設定更新情報が金属検出機61の検出制御回路84に送信される。
そして、検出制御回路84の設定条件変更部84fでは、前記設定更新情報である第2の演算の演算結果に基づいて、検出部70の検出条件及び判断部84bの判定条件のうち少なくとも一方が更新設定される。したがって、検出部70の検出条件や判断部84bの判定条件が、検出部70の検出信号出力及び判断部84bによる第1の演算の結果を基に、外部のデータ処理装置90で第2の演算を実行した結果に応じて動的に変更されることになり、外部のデータ処理装置90で第2の演算により複数のワークWについて実行した高精度な判定処理の結果と金属検出機61内の検出制御回路84で第1の判断部84bによりなされた異物有無判定の結果とが一致するように、検出部70の検出条件、第1の演算部84eの演算処理条件、第1の判断部84bの判定条件等に関わる前記設定パラメータが動的に適時に最適値に更新・調整される。これにより、第1の演算を実行する金属検出機61内の検出制御回路84では相対的に簡易な閾値判定等の判別処理を実行させることができ、さほど高性能の演算CPUが要求されなくなるから、小型・長寿命で低コストの装置構成となる。しかも、外部のデータ処理装置90で得られる第2の演算の演算結果を選別制御に有効活用可能であるから、高精度の選別処理が可能となって選別制御の所要の信頼性を確保することができる。
このように本実施形態においても、ワークWの識別情報と共に金属検出機61の検出データをTCP/IPネットワークである同一LAN内の外部のデータ処理装置90に送信し、金属検出機61自体は高処理能力のCPUを搭載することなく簡素かつ低コストにしながらも、外部のデータ処理装置90で常時最新の処理プログラムやハードウェア資源を用いて処理される演算処理の結果を基に、金属検出機61の検出データに基づく高度な検査・判定の結果を得ることができ、上述の実施形態と同様な効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、検出部70における検出周波数と検波位相のうち少なくとも一つを動的に更新することも可能であるので、ワークWに応じて多様な高精度の物品選別ができる。
また、第2の演算が第1の判断部84bよりも高精度にワークW中に異物の混入があるか否かを判定するための演算処理を含み、設定条件変更部84fがその演算処理結果に基づく異物有無判定処理の判定結果と第1の判断部84bの判定結果とが一致するように第1の演算部84eでの演算処理に用いる係数を補正したり第1の判断部84bでの閾値判定に用いる閾値を加減したりすることで、簡素な閾値判定を行ないながらも高精度の異物検出を行なうことができる。
なお、上述の各実施の形態においては、1台の外部のデータ処理装置50又は90に対して1台の物品選別装置1又は金属検出機61をネットワーク接続可能にしたものであったが、1台の外部のデータ処理装置50又は90に対して複数台の物品選別装置1又は金属検出機61を接続することもでき、そのようにすれば、例えば複数台の物品選別装置1又は金属検出機61を同一品種のワークWを生産する複数の平行なラインに設置し、その品種について検査結果の算出や管理を一括して処理することができる。また、1台又は複数台の物品選別装置1又は金属検出機61に対して、複数台の外部のデータ処理装置50又は90を準備して複数種の処理やデータ蓄積等を分担させることも考えられる。この場合、処理ごとの識別情報をワークの識別情報と併用するのがよい。さらに、第1の演算部21e又は91eに入力されるX線検出部14又は磁界検出部83からの検出信号と、第2の演算部51b又は91bに入力されるX線検出部14又は磁界検出部83からの検出信号とが同一のワークWについてのものであるかの対応を確認することにより、より信頼性を高めてもよい。また、優先順決定部21cに入力される第1の演算部21e又は84eからの第1の判定結果と、第2の演算部51b又は91bからの第2の判定結果とが同一のワークWについてのものであるかの対応を確認することにより、より信頼性を高めてもよい。
また、外部のデータ処理装置50又は90は、第2の演算の処理条件を決定するための交信を行なう主となる物品選別装置1又は金属検出機61に接続されるとともに、決定した第2の演算の処理条件での応答を行なう複数台の従となる物品選別装置1又は金属検出機61を接続可能としたものであってもよい。また、1台の主となる物品選別装置1又は金属検出機61が外部のデータ処理装置50又は90を有し、この主となる物品選別装置1又は金属検出機61に対して複数台の従となる物品選別装置1又は金属検出機61を任意の通信方式で通信接続可能としたものであってもよい。
以上説明したように、本発明は、外部のデータ処理装置の処理能力を活用して第2の演算の結果を入力し、第1の演算を実行する判定手段では相対的に簡易な判定処理等を実行させることができ、しかも、外部のデータ処理装置で得られる第2の演算結果を選別制御に有効活用できるので、高精度の判定処理も可能で選別制御の所要の信頼性を確保することができる小型・長寿命で低コストの物品選別装置を提供することができるものであり、物品が搬送される搬送路上に検出領域を有する物品選別装置、例えばその検出領域を通過する物品によるX線の吸収量や検出磁界への影響等に対応する検出信号を基に所定の合否判定処理を実行し選別制御信号を出力する物品選別装置全般に有用である。
本発明に係る物品選別装置の第1の実施の形態の概略構成を示すそのブロック図である。 本発明に係る物品選別装置の第1の実施の形態におけるデータ送信処理の概要を示す説明図である。 本発明に係る物品選別装置の第2の実施の形態におけるデータ送信処理の概要を示すその説明図である。
符号の説明
1 物品選別装置
5、65 コンベア搬送路(搬送路)
10 検出手段
11、71 検出領域
20 制御手段
21 検査・選別制御回路
21a、84b 第1の判断部(判定手段)
21b 選別制御部(選別制御手段)
21c 優先順決定部(優先順決定手段)
21d、84f 設定条件変更部(設定条件変更手段)
21e、84e 第1の演算部(演算手段)
23 送信処理部(データ通信手段)
24 受信処理部(データ通信手段)
26、84d 通信ポート部(通信インターフェース回路部)
33、73 ワーク検知センサ(物品検知手段)
40、88 選別機
50、90 外部のデータ処理装置
51、91 データ処理部
51b、91b 第2の判断部
51e、91e 第2の演算部
61 金属検出機(物品選別装置)
70 検出部(検出手段)
84 検出制御回路
84c 通信処理部(データ通信手段)
84f 設定条件変更部(設定条件変更手段)
87 選別制御回路(選別制御手段)
W ワーク(物品)

Claims (8)

  1. 物品(W)が搬送される搬送路(5;65)上に検出領域(11;71)を有し、該検出領域を通過する物品の品質状態を表す検出信号を出力する検出手段(10;70)と、
    前記検出信号に対して第1の演算を実行する演算手段(21e)と、
    前記演算手段の演算結果に基づいて前記物品に対する第1の判定結果を出力する判定手段(21a)と、
    前記検出信号を受けて第2の演算を実行し第2の判定結果を出力する外部のデータ処理装置(50;90)に対して前記検出信号を送信出力する一方、該外部のデータ処理装置から前記物品に対する前記第2の判定結果を受信入力するデータ通信手段(23及び24)と、
    前記第1の判定結果及び前記第2の判定結果に基づいて両判定結果の優先順位を決定する優先順決定手段(21c)と、
    前記優先順位に従って、前記第1の判定結果と前記第2の判定結果とのうち優先されるいずれか一方の判定結果に応じて、選別制御信号を生成する選別制御手段(21b;87)と、を備えた物品選別装置であって、
    前記データ通信手段が所定のローカルエリアネットワーク上でノードを形成可能な通信インターフェース回路部(26;84d)を有し、前記外部のデータ処理装置が前記ローカルエリアネットワーク上の他のノードを形成していることを特徴とする物品選別装置
  2. 前記優先順決定手段が、前記判定手段の処理能力、前記物品の品種、前記第1の演算による検査項目及び第2の演算による検査項目、又は前記データ通信を行なう環境条件のうち少なくとも一つに応じて前記優先順位を決定することを特徴とする請求項1に記載の物品選別装置。
  3. 物品(W)が順次搬送される搬送路(5;65)上に検出領域(11;71)を有し、該検出領域を通過する物品ごとに該物品の品質状態を予め設定された検出条件で検出して前記品質状態を表す検出信号を出力する検出手段(10;70)と、
    前記検出信号を第1の演算により処理し、該処理の結果及び予め設定された判定条件に基づいて前記物品に対する判定結果を出力する判定手段(21a,84b)と、
    前記判定結果に応じて選別制御信号を生成する選別制御手段(21b;87)と、を備えた物品選別装置において、
    前記検出信号及び前記判定結果を外部のデータ処理装置に送信出力すること、及び、前記外部のデータ処理装置で前記検出信号及び前記判定結果を第2の演算により処理した演算結果を受信入力することが可能なデータ通信手段(23及び24;84c及び84d)と、
    前記第2の演算の演算結果に基づいて前記検出条件及び前記判定条件のうち少なくとも一方を変更可能な設定条件変更手段(21d;84f)と、を設け、
    前記データ通信手段が所定のローカルエリアネットワーク上でノードを形成可能な通信インターフェース回路部(26;84d)を有し、前記外部のデータ処理装置が前記ローカルエリアネットワーク上の他のノードを形成していることを特徴とする物品選別装置
  4. 前記設定条件変更手段が、前記第2の演算の演算結果に基づいて、前記判定手段の判定の閾値を変更することを特徴とする請求項3に記載の物品選別装置。
  5. 前記設定条件変更手段が、前記第2の演算の演算結果に基づいて、前記判定手段の判定処理アルゴリズムを変更させる処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の物品選別装置。
  6. 前記検出手段(70)が設定された管電圧と管電流のX線を用いて異物検出を行なう手段であり、
    前記設定条件変更手段(84f)が前記管電圧と前記管電流のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項3に記載の物品選別装置。
  7. 前記検出手段(70)が設定された検出周波数の交番磁界を用いて所定の検波位相で金属検出を行なう手段であり、
    前記設定条件変更手段(84f)が前記検出周波数と前記検波位相のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項3に記載の物品選別装置。
  8. 前記第2の演算が前記判定手段よりも高精度に前記物品中に異物の混入があるか否かを判定する異物有無判定処理を含み、
    前記設定条件変更手段が前記異物有無判定処理の判定結果と前記判定手段の判定結果とが一致するように前記閾値を加減することを特徴とする請求項4に記載の物品選別装置。
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