JP4919827B2 - センサ付き車輪用軸受装置 - Google Patents

センサ付き車輪用軸受装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4919827B2
JP4919827B2 JP2007020376A JP2007020376A JP4919827B2 JP 4919827 B2 JP4919827 B2 JP 4919827B2 JP 2007020376 A JP2007020376 A JP 2007020376A JP 2007020376 A JP2007020376 A JP 2007020376A JP 4919827 B2 JP4919827 B2 JP 4919827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
strain
vehicle body
output
bearing device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007020376A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008185496A (ja
Inventor
亨 高橋
健太郎 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2007020376A priority Critical patent/JP4919827B2/ja
Priority to PCT/JP2008/000072 priority patent/WO2008093491A1/ja
Publication of JP2008185496A publication Critical patent/JP2008185496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4919827B2 publication Critical patent/JP4919827B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L5/00Apparatus for, or methods of, measuring force, work, mechanical power, or torque, specially adapted for specific purposes
    • G01L5/0009Force sensors associated with a bearing
    • G01L5/0019Force sensors associated with a bearing by using strain gages, piezoelectric, piezo-resistive or other ohmic-resistance based sensors

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)

Description

この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付き車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の外輪に歪みゲージを貼り付け、歪みを検出するようにした車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
特表2003−530565号公報
車輪用軸受の外輪は、転走面を有し、強度が求められる部品であって、塑性加工や、旋削加工、熱処理、研削加工などの複雑な工程を経て生産される軸受部品であるため、特許文献1のように外輪に歪みゲージを貼り付けるのでは、生産性が悪く、量産時のコストが高くなるという問題点がある。また、外輪の歪みを感度良く検出することが難しく、その検出結果を車両走行時の姿勢制御に利用した場合、制御の精度が問題となる。
そこで、歪み発生部材に歪み測定用のセンサ素子を取付けて歪みセンサとし、この歪みセンサを外輪の周面に取付けることを試みた。試行錯誤の結果、外輪歪みの検出感度を向上させるためには、歪み発生部材は外輪に対して2箇所の接触固定部を有するものであって、これら接触固定部のうち片方の接触固定部を外輪のフランジ面に固定し、もう片方の接触固定部を外輪の外周面に固定するのが良いことが分かった。
しかし、このような構成とした場合にも、以下に挙げるような問題がある。
・ 歪みセンサを外輪等にボルト等で固定すると、その力によってセンサ部材に変形が生じ、センサ信号のオフセットが取り付け状態によって変化してしまう。
・ センサ素子が厚膜抵抗体などからなる場合、製造上のばらつきによるオフセットもあり、軸受に歪みセンサを取り付けた状態での出力ばらつきを抑えられない。
・ 歪みセンサで検出したい軸受荷重による歪み量は軸受の剛性が高いため非常に小さく、上記理由により発生するオフセットを増幅前のセンサ信号から取り除いておく必要がある。
この発明の目的は、軸受の荷重状態を簡単で正確に検出できるセンサ付き車輪用軸受装置を提供することである。
この発明のセンサ付き車輪用軸受装置は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記各転走面に対向する転走面を外周に有する内方部材と、各列の転走面間に介在した複列の転走面を有する転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、
前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に固定された歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられた歪み測定用のセンサ素子を含む歪みセンサと、この歪みセンサの前記センサ素子の出力する歪み信号を処理する処理回路とを備え、
この処理回路は、前記センサ素子の出力のオフセットを調整するオフセット調整手段を有することを特徴とする。
この構成によると、歪みセンサにおけるセンサ素子の出力のオフセットを処理回路のオフセット調整手段で調整するようにされているので、センサ付き車輪用軸受装置の組立完成状態でセンサ出力を、例えばゼロ点調整できる。これにより、センサ付き車輪用軸受装置の単体で荷重が印加されていない状態でのセンサ出力値を正確に把握できる。また、センサ素子の特性ばらつきと、歪みセンサの取り付け歪みとを合わせて補正することができる。その結果、軸受装置で検出した荷重信号が適正に校正された状態で出力され、信号を利用する車体側では軸受の荷重状態を簡単で正確に得ることができる。
この発明において、前記オフセット調整手段が、可変抵抗器、またはレーザトリミング抵抗素子を有する回路、またはオフセット調整する設定値の記憶機能を有するマイクロコンピュータのうちのいずれかであっても良い。オフセット調整手段が上記のいずれかである場合、簡単な構成で精度良くオフセット調整することができる。
記固定側部材が外方部材であって、前記歪み発生部材が外方部材に取付けられたものである。外方部材の場合は環状の部材となるため、内方部材に比べて取付箇所が得易い。
上記のように固定側部材が外方部材であって、歪み発生部材が外方部材に取付けられたものである場合に、前記固定側部材の車体への取り付け力を前記センサの出力で検出する車体取付力検出手段と、この車体取付力検出手段により検出された取り付け力が設定範囲内であるか否かを判定して設定範囲外であるとアラーム信号を出力する取付異常判定手段を設ける。
固定側部材の車体への取り付け力が変化すると、固定側部材に固定された歪み発生部材の歪みが変化する。そのため固定側部材の車体への取り付け力を前記センサの出力で検出することができる。このように取り付け力が検出でき、固定側部材が異常な取り付け力で車体に取り付けられると、取付異常判定手段からアラーム信号が出力されるので、そのアラーム信号によって取り付け状態の異常を知ることができる。また、取付異常判定手段の判定をセンサ状態の品質管理基準として利用できる。さらに、センサ付き車輪用軸受装置の車体への取付状態を管理することができるので、より正確な荷重測定が可能となる。
この発明のセンサ付き車輪用軸受装置は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記各転走面に対向する転走面を外周に有する内方部材と、各列の転走面間に介在した複列の転走面を有する転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に固定された歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられた歪み測定用のセンサ素子を含む歪みセンサと、この歪みセンサの前記センサ素子の出力する歪み信号を処理する処理回路とを備え、この処理回路は、前記センサ素子の出力のオフセットを調整するオフセット調整手段を有するものとし、前記固定側部材が外方部材であって、前記歪み発生部材が外方部材に取付けられ、前記固定側部材の車体への取り付け力を前記センサの出力で検出する車体取付力検出手段と、この車体取付力検出手段により検出された取り付け力が設定範囲内であるか否かを判定して設定範囲外であるとアラーム信号を出力する取付異常判定手段を設けたため、軸受で検出した荷重信号が処理回路により適正に校正された状態で出力され、信号を利用する車体側で軸受の荷重状態を簡単で正確に得ることができる。
この発明の実施形態を図1ないし図13と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取り付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付き車輪用軸受装置における軸受装置は、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受装置は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、各転走面3,4は接触角が外向きとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、密封装置7,8によりそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックルに取付けるフランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには、周方向の複数箇所に車体取付孔14が設けられている。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ホイールおよび制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
固定側部材である外方部材1の外周部には、歪みセンサ21と、センサ信号処理回路を有するセンサ信号処理回路ユニット25とが設けられている。歪みセンサ21は、歪み発生部材22に、この歪み発生部材22の歪みを測定するセンサ素子23等を取付けたものである。
前記歪みセンサ21の一構成例を図4に示す。この歪みセンサ21において、歪み発生部材22は、外方部材1のフランジ1aにおける車体取付孔14の近傍のフランジ面に接触固定される第1の接触固定部22aと、外方部材1の外周面に接触固定される第2の接触固定部22bとを有している。また、歪み発生部材22は、前記第1の接触固定部22aを含む径方向に沿った径方向部位22cと、前記第2の接触固定部22bを含む軸方向に沿った軸方向部位22dとでL字の形状に構成されている。径方向部位22cは、軸方向部位22dに比べ、剛性が低くなるよう肉厚を薄くしてある。歪み測定用センサ素子23は、この剛性の低い径方向部位22cに取り付けられている。
上記歪みセンサ21は、図1および図2に示すように、歪み発生部材22の第1および第2の接触固定部22a,22bにより、両接触固定部22a,22bが外方部材1の周方向に対して同位相の位置となるように、外方部材1の外周部に固定される。第1および第2の接触固定部22a,22bを周方向において同位相とすると、歪み発生部材22の長さを短くすることができるため、歪みセンサ21の設置が容易である。歪み測定用センサ素子23は、歪み発生部材22に例えば接着剤を用いて固定される。
歪み発生部材22は、外方部材1への固定により塑性変形を起こさない形状や材質とされている。また、歪み発生部材22は、車輪用軸受装置に予想される最大の荷重が印加された場合でも、塑性変形を起こさない形状とする必要がある。上記の想定される最大の力は、車両故障につながらない走行において想定される最大の力である。歪み発生部材22に塑性変形が生じると、外方部材1の変形が歪み発生部材22に正確に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすためである。
この歪みセンサ21の歪み発生部材22は、例えば鋼材等の金属材から、プレス加工により製作することができる。歪み発生部材22をプレス加工品とすると、コストダウンが可能になる。
また、歪み発生部材22は、金属粉末射出成形による焼結金属品としてもよい。金属粉末射出成形は、金属、金属間化合物等の成形技術の一つであり、金属粉末をバインダーと混練する工程、この混練物を用いて射出成型する工程、成形体の脱脂処理を行なう工程、成形体の焼結を行なう工程を含む。この金属粉末射出成形によれば、一般の粉末冶金に比べて焼結密度の高い焼結体が得られ、焼結金属品を高い寸法精度で製作することができ、また機械的強度も高いという利点がある。
歪み測定用センサ素子23としては、種々のものを使用することができる。例えば、歪み測定用センサ素子23が金属箔ストレインゲージで構成されている場合、この金属箔ストレインゲージの耐久性を考慮すると、車輪用軸受装置に予想される最大の荷重が印加された場合でも、歪み発生部材22における歪み測定用センサ素子23の取り付け部分の歪み量が1500マイクロストレイン以下であることが好ましい。同様の理由から、歪み測定用センサ素子23が半導体ストレインゲージで構成されている場合は、同歪み量が1000マイクロストレイン以下であることが好ましい。また、歪み測定用センサ素子23が厚膜式センサで構成されている場合は、同歪み量が1500マイクロストレイン以下であることが好ましい。
図5は、歪みセンサ21の他の構成例を示す。この歪みセンサ21では、板材をL字状に折り曲げて歪み発生部材22が形成され、その径方向片22Aおよび軸方向片22Bのそれぞれにボルト挿通孔31,32が形成されている。歪み測定用センサ素子23は径方向片22Aの片面に固定される。この歪み発生部材22は、図6に示すように、2つの接触固定部材33,34を介して外方部材1の外周部に、ボルト39で締結される。すなわち、径方向片22Aのボルト挿通孔31から第1の接触固定部材33のボルト挿通孔35に挿通させたボルト39を、外方部材1のフランジ1aにおける車体取付孔14の近傍のフランジ面に設けられねじ孔37に螺合させ、軸方向片22Bのボルト挿通孔32から第2の接触固定部材34のボルト挿通孔36に挿通させたボルト39を、外方部材1の外周面に設けられたねじ孔38に螺合させることで、歪み発生部材22が外方部材1に締結される。
図5の歪みセンサ21において、歪み発生部材22の径方向片22Aには4つの歪み測定用センサ素子23が配置される。この場合の歪み発生部材22の歪みは、固定部分から折れ曲がり角部22Cに向けて大きくなる傾向にあり、できるだけ折れ曲がり角部22Cに近い位置に歪み測定用センサ素子23を配置するのが望ましい。計算による結果を図7にグラフで示すように、歪み発生部材22の板厚をtとして、折れ曲がり角部22Cからのセンサ素子配置位置までの距離xを、x<3tの範囲とすると、効率良く歪みを検出できることが分かっている。
そこで、この歪みセンサ21では、歪み発生部材22の径方向片22Aにおける歪みを受ける部分(折れ曲がり角部22Cに近い部分)に2つの歪み測定用センサ素子23を配置し、さらに歪みの影響を受けない部分(折れ曲がり角部22Cから遠い部分)に他の2つの歪み測定用センサ素子23を配置している。
図8は、歪みセンサ21のさらに他の構成例を示す。この歪みセンサ21では、図5の歪みセンサ21において、歪み発生部材22の径方向片22Aにおける歪みを受ける部分(折れ曲がり角部22Cに近い部分)に、同じ特性、または特性の異なる2つの歪み測定用センサ素子23を配置し、歪みの影響を受けない部分(折れ曲がり角部22Cから遠い部分)には歪み測定用センサ素子23を配置していない。その他の構成は図5の歪みセンサ21の場合と同様である。
センサ信号処理回路ユニット25は、図3に示すように、樹脂等で製作されたハウジング26内に、ガラスエポキシ等で製作された回路基板27を有し、その回路基板27上には、前記歪み測定用センサ素子23の出力信号を処理する処理回路40(図9)の回路構成部品であるオペアンプ、抵抗、マイコン等や、歪み測定用センサ素子23等を駆動する電源用の電気・電子部品28が配置されている。また、歪み測定用センサ素子23等の配線と回路基板27とを接合する接合部29を有している。また、外部からの電源供給や外部へ処理回路40によって処理された出力信号を出力するケーブル30を有している。
図9は、前記センサ信号処理回路ユニット25における処理回路40の参考提案例を示すブロック図である。この処理回路40は、増幅回路41、オフセット調整回路42、記憶手段43、各種の補正回路44、外部インタフェース45、信号出力回路46、およびコントロール回路47を有する。コントロール回路47は、前記オフセット調整回路42、記憶手段43、補正回路44、および信号出力回路46のうちのいずれかを制御する制御回路である。
図10には、歪みセンサ21の検出回路と、その出力信号を増幅する増幅回路41との接続構成の一例を示す。この場合の歪みセンサ21は、図5および図6に示す構成例のものであって、その検出回路は、歪みを受ける位置の2つの歪み測定用センサ素子23(S1)と、歪みの影響を受けない位置の2つの歪み測定用センサ素子23(S2)とを、ブリッジ接続して構成される。増幅回路41はオペアンプからなる。なお、歪みの影響を受けない位置の2つの歪み測定用センサ素子23(S2)に代えて、固定抵抗を設けても良い。
このように、歪みを受ける位置の2つの歪み測定用センサ素子23(S1)と、歪みの影響を受けない位置の2つの歪み測定用センサ素子23(S2)とをブリッジ接続して検出回路を構成すると、歪み信号出力が2倍の振幅となり検出感度を高めることができる。基本的には、この歪み信号出力を増幅回路41で増幅した信号により、つまり、図9の回路におけるA部の構成だけで車輪用軸受装置にかかる荷重を検出することができる。
しかし、歪みセンサ21の歪み測定用センサ素子23が例えば厚膜抵抗体などからなる場合には製造上のばらつきがあるため、歪みセンサ21の出力信号には個体差による初期オフセットが生じる。また、歪みセンサ21が例えば図5ないし図8に示した構成のものであると、歪み発生部材22を車輪用軸受装置(ここでは外方部材1)に固定するときにボルト39で締結するため、締結に伴い印加される固定力による歪みが歪み発生部材22に加わり、その歪み分だけ歪みセンサ21の出力信号がさらに変化することになる。これらのオフセットは検出対象の軸受装置の歪み信号よりも大きくなるのが通常である。そこで、歪みセンサ21の次段の増幅回路41で、検出対象の軸受装置の歪み信号のゲインを高くするためには、歪みセンサ21の出力信号に含まれる上記したオフセットを取り除く必要がある。
処理回路40におけるオフセット調整回路42は、上記した歪みセンサ21の初期オフセットと、車輪用軸受装置への固定によるオフセットを、正規の値に調整するものであり、コントロール回路47による調整、もしくは外部からの指令によるオフセット調整が可能なように構成されている。
上記したように、オフセットの原因は歪みセンサ21のばらつきとセンサ固定時の歪みであることから、車輪用軸受装置に歪みセンサ21を取り付けて、組立が完了した段階でオフセットを調整するのが望ましい。
図11は、歪みセンサ21、増幅回路41、およびオフセット調整回路42の具体的な接続構成例を示す。この構成例では、オフセット調整回路42は、オペアンプOP、抵抗R3,R4、可変抵抗器VR1,VR2などからなる加減算器として構成される。このオフセット調整回路42の場合、センサ付き車輪用軸受装置の組立完了後にセンサ出力が規定値(ゼロ点電圧)になるように、可変抵抗器VR1,VR2の抵抗値が調整されて固定される。
このオフセット調整回路42において、前記可変抵抗器VR1,VR2に代えてレーザトリミング抵抗素子を用いても良い。また、オフセット調整回路42をマイクロコンピュータなどで構成する場合、上記した可変抵抗器VR1,VR2の抵抗値を調整する操作と同等の操作をソフトウエアで実行し、設定値を記憶手段43に記憶するようにしても良い。
このように、センサ付き車輪用軸受装置の組立完了後に、歪みセンサ21のセンサ出力が規定値となるようにオフセット調整回路42でオフセットを調整すると、センサ付き車輪用軸受装置が完成品となった時点でのセンサ出力をゼロ点電圧とすることができるため、センサ付き車輪用軸受装置の単体でのセンサ信号の品質を確保することができる。
なお、図5〜図8に例示した歪みセンサ21では図示していないが、歪み発生部材22に温度センサ素子を設けても良く、この場合には温度センサ素子の出力に基づいて、センサオフセットの自動補償をコントロール回路47で行うことができる。
例えば、図11のオフセット調整回路42の場合、コントロール回路47から、端子T1に温度センサ素子の検出出力に応じた制御電圧e1を入力することにより、オフセット値の温度補償を行うことができる。
図11の回路構成例では、歪みセンサ21として、図8に示した構成の歪みセンサ21が用いられている。この場合、歪み発生部材22の径方向片22Aにおける歪みを受ける位置に配置された特性の異なる2つの歪み測定用センサ素子23(S1),23(S2)を、2つの固定抵抗R1,R2とブリッジ接続して構成される。この場合には、2つの歪み測定用センサ素子23(S1),23(S2)の各出力を加算した振幅の歪み信号出力を得ることができる。
記憶手段43は例えば不揮発メモリからなり、上記したオフセットの温度特性や、感度、非線形を補正するためのパラメータを記憶する。コントロール回路47は、これらのパラメータに基づいて、各種の補正回路44の補正処理を制御する。
例えば、歪みセンサ21の出力特性は車輪用軸受装置に加わる荷重と非線形な関係にあるので、この特性データをテーブル化して記憶手段43に記憶するか、あるいは近似曲線のパラメータの形態で記憶手段43に記憶する。コントロール回路47は、記憶手段43に記憶された非線形補正のデータを読み出し、補正回路44の一つとして用意された線形補正回路の動作を制御することにより、非線形補正の処理を実行する。オフセットの温度補正や、感度補正についても同様にして実行される。
外部インタフェース45は、外部からコントルール回路47との間で通信を行う手段であり、信号端子や無線通信手段などで構成される。この外部インタフェース45を介して、記憶手段43に記憶された補正データの修正などを外部から行うことができる。
信号出力回路46は、オフセット調整回路42や各種の補正回路44で補正された歪みセンサ21の出力信号を、パルス変調、周波数変調、A/D変換、シリアルデータへの変換など、各種の変換を行って外部に出力する。
このように、このセンサ付き車輪用軸受装置では、外方部材1および内方部材2のうちの固定側部材(ここでは外方部材1)に固定された歪み発生部材22、およびこの歪み発生部材22に取付けられた歪み測定用のセンサ素子23を含む歪みセンサ21と、この歪みセンサ21の前記センサ素子23の出力する歪み信号を処理する処理回路40とを備え、前記処理回路40が、前記センサ素子23の出力のオフセットを調整するオフセット調整回路42を有するものとしたので、軸受装置で検出した荷重信号が適正に校正された状態で出力され、信号を利用する車体側では軸受の荷重状態を簡単で正確に得ることができる。
図12は、歪みセンサ21の出力電圧と、センサ付き車輪用軸受装置を車体へ取り付けるときの取り付けボルトの締め付け力との関係をグラフで示したものである。このように、歪みセンサ21の出力特性は、車体への取り付け状態によっても異なる。すなわち、このセンサ付き車輪用軸受装置を取り付けボルトによって車体へ固定するとき、固定による歪みが軸受装置に発生し、その歪みが歪みセンサ21の歪み発生部材22に伝わることによって、歪みセンサ21の出力特性が変化する。
このように、車体にセンサ付き車輪用軸受装置を取り付ける固定力にはばらつきがあり、それに伴う歪みセンサ21の出力特性の変化量は一定ではない。そこで、軸受装置に印加される荷重をより正確に測定するために、車両が正規の姿勢・状態にあるときのセンサ出力を車体側の電気制御ユニット(ECU)などに予め記憶しておき、車両使用時におけるセンサ出力を記憶された前記センサ出力値と比較して変化量を求めることで、車両使用時に軸受装置に印加される荷重を測定するようにしても良い。また、これらの処理を実行する機能部は、例えば図9の処理回路40におけるコントロール回路47の内部に実装しても良い。このセンサ付き車輪用軸受装置では、上記したように車体への取り付け前にセンサ付き車輪用軸受装置の単体でのセンサ出力が調整されているので、そこからのセンサ出力の変化量は大きくなく、上記した処理は容易に実施可能である。
図13は、前記センサ信号処理回路ユニット25における処理回路40の構成例を示す。この構成例は、図9の処理回路40において、さらに車体取付力検出手段48と取付異常判定手段49を付加している。その他の構成は図9の場合と同様である。
車体取付力検出手段48は、センサ付き車輪用軸受装置の固定側部材(こでは外方部材1)の車体への取り付け力を歪みセンサ21の出力から検出するものである。取付異常判定手段49は、前記車体取付力検出手段48により検出された取り付け力が設定範囲内であるか否かを判定して、設定範囲外であるとアラーム信号を出力するものである。
例えば、図12のグラフにおいて、センサ付き車輪用軸受装置の単体でのセンサ出力電圧はV0に調整されている。前記取り付け力の設定範囲の最小値がF1で最大値がF2のとき、センサ出力電圧はV1〜V2の範囲になるため、この範囲を外れたセンサ出力電圧が出力されたとき、取付異常判定手段49は取り付け力異常と判断してアラーム信号を出力する。
このように処理回路40を構成した場合、取付異常判定手段49の判定をセンサ状態の品質管理基準として利用できる。また、センサ付き車輪用軸受装置の車体への取付状態を管理することができるので、より正確な荷重測定が可能となる。
この発明の一実施形態にかかるセンサ付き車輪用軸受装置の断面図である。 同センサ付き車輪用軸受装置の外方部材の正面図である。 センサ信号処理回路ユニットの側面図である。 (A)は歪みセンサの一構成例の側面図、(B)はそのIV矢視図である。 (A)は歪みセンサの他の構成例の断面図、(B)は同正面図、(C)は同斜視図である。 図5の歪みセンサを車輪用軸受装置へ取り付けた状態を示す断面図である。 図5の歪みセンサにおける歪み発生部材の折れ曲がり角部からの距離と歪みの大きさとの関係を示すグラフである。 (A)は歪みセンサのさらに他の構成例の断面図、(B)は同正面図、(C)は同斜視図である。 処理回路の参考提案例のブロック図である。 歪みセンサに増幅回路を接続した回路構成図である。 歪みセンサに増幅回路およびオフセット調整回路を接続した回路構成図である。 歪みセンサの出力電圧と取り付けボルト締め付け力との関係を示すグラフである。 処理回路の構成例のブロック図である。
符号の説明
1…外方部材
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
21…歪みセンサ
22…歪み発生部材
23…歪み測定用センサ素子
40…処理回路
42…オフセット調整回路
VR1,VR2…可変抵抗器

Claims (2)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記各転走面に対向する転走面を外周に有する内方部材と、各列の転走面間に介在した複列の転走面を有する転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、
    前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に固定された歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられた歪み測定用のセンサ素子を含む歪みセンサと、この歪みセンサの前記センサ素子の出力する歪み信号を処理する処理回路とを備え、
    この処理回路は、前記センサ素子の出力のオフセットを調整するオフセット調整手段を有し、前記固定側部材が外方部材であって、前記歪み発生部材が外方部材に取付けられ、前記固定側部材の車体への取り付け力を前記センサの出力で検出する車体取付力検出手段と、この車体取付力検出手段により検出された取り付け力が設定範囲内であるか否かを判定して設定範囲外であるとアラーム信号を出力する取付異常判定手段を設けたことを特徴とするセンサ付き車輪用軸受装置。
  2. 請求項1において、前記オフセット調整手段が、可変抵抗器、またはレーザトリミング抵抗素子、またはオフセット調整する設定値の記憶機能を有するマイクロコンピュータのうちのいずれかであるセンサ付き車輪用軸受装置。
JP2007020376A 2007-01-31 2007-01-31 センサ付き車輪用軸受装置 Expired - Fee Related JP4919827B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007020376A JP4919827B2 (ja) 2007-01-31 2007-01-31 センサ付き車輪用軸受装置
PCT/JP2008/000072 WO2008093491A1 (ja) 2007-01-31 2008-01-24 センサ付き車輪用軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007020376A JP4919827B2 (ja) 2007-01-31 2007-01-31 センサ付き車輪用軸受装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008185496A JP2008185496A (ja) 2008-08-14
JP4919827B2 true JP4919827B2 (ja) 2012-04-18

Family

ID=39728643

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007020376A Expired - Fee Related JP4919827B2 (ja) 2007-01-31 2007-01-31 センサ付き車輪用軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4919827B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102216635B (zh) 2008-11-17 2015-10-07 Ntn株式会社 带有传感器的车轮轴承
US9008899B2 (en) 2010-05-24 2015-04-14 Ntn Corporation Wheel bearing with sensor
JP5731314B2 (ja) * 2011-08-03 2015-06-10 Ntn株式会社 センサ付車輪用軸受
US9011013B2 (en) 2011-05-09 2015-04-21 Ntn Corporation Sensor-equipped wheel bearing

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05203518A (ja) * 1992-01-24 1993-08-10 Casio Comput Co Ltd ブリッジ型センサ
JP3251081B2 (ja) * 1992-12-03 2002-01-28 株式会社イシダ 計量装置
JP2004003601A (ja) * 2002-04-23 2004-01-08 Nsk Ltd センサ付転がり軸受ユニット
JP4133275B2 (ja) * 2002-12-04 2008-08-13 株式会社ショーワ トルクセンサの異常検知装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008185496A (ja) 2008-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4931623B2 (ja) センサ付き車輪用軸受装置
JP4889324B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007292158A (ja) センサ付車輪用軸受
JP5089041B2 (ja) センサ付車輪用軸受
WO2007105367A1 (ja) センサ付車輪用軸受
EP2006652B1 (en) Bearing for wheel with sensor
JP4850078B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP4864441B2 (ja) センサ付車輪用軸受
US8028589B2 (en) Sensor-equipped bearing for wheel
JP4919827B2 (ja) センサ付き車輪用軸受装置
JP2007071280A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007292156A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007292159A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007064778A (ja) センサ付車輪用軸受
JP4879529B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007278407A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007071652A (ja) センサ付車輪用軸受
JP5334370B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007292157A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007078597A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007057301A (ja) センサ付車輪用軸受
JP5235306B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP2008045903A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007292231A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007292230A (ja) センサ付車輪用軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120131

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees