JP4919730B2 - 両面粘着テープ又はシートおよび液晶表示装置 - Google Patents

両面粘着テープ又はシートおよび液晶表示装置 Download PDF

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本発明は、両面粘着テープ又はシート、および該両面粘着テープ又はシートが用いられた液晶表示装置に関する。
いわゆる「携帯電話」などでは、表示画面に関する液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとを固定させる際などで、両面粘着テープ又はシートが用いられている。このような両面粘着テープ又はシートとしては、落下等の衝撃により容易に剥がれないように、耐落下衝撃性を有している両面粘着テープ又はシートが提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−59853号公報
具体的には、液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとの固定の際に用いられる場合、液晶表示モジュールとしては、通常、表面がガラス基材表面となっている液晶表示モジュールが用いられているため、両面粘着テープ又はシートとしては、ガラスに対して良好な接着性を有しているものが広く用いられている。そのため、従来の両面粘着テープ又はシートは、偏光板(特に、日東電工株式会社製の商品名「APCFH1」)に対しては接着性が低く、偏光板の表面に貼着させた場合、落下等の衝撃により容易に剥がれてしまうので、優れた耐落下衝撃性を有している両面粘着テープ又はシートが求められている。
また、液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとの固定の際に用いられる場合、液晶表示モジュールには、FPCが接続されており、該FPCは、いわゆる「携帯電話」などでは、通常、屈曲された状態で用いられている。そのため、両面粘着テープ又はシートは、液晶表示モジュールの表面に貼着されている場合、通常、両面粘着テープ又はシートの端部はFPCにも貼着しているので、両面粘着テープ又はシートも、FPCとともに屈曲された状態となっている。そのため、両面粘着テープ又はシートは、屈曲に対する反発性(反発力)により、剥がれやすくなっており、優れた耐落下衝撃性とともに、優れた耐反発性を有している両面粘着テープ又はシートが求められている。
このように、いわゆる「携帯電話」などで両面粘着テープ又はシートが用いられる場合、両面粘着テープ又はシートとしては、耐落下衝撃性が優れているもの、特に耐落下衝撃性および耐反発性がともに優れているものが求められているが、耐落下衝撃性と、耐反発性とは、トレードオフの関係(二律背反の関係)にあり、耐落下衝撃性を高めると耐反発性が低下し、一方、耐反発性を高めると耐落下衝撃性が低下してしまい、耐落下衝撃性および耐反発性がともに優れている両面粘着テープ又はシートが得られていないのが実状である。
従って、本発明の目的は、優れた耐落下衝撃性を有している両面粘着テープ又はシートを提供することにある。
本発明の他の目的は、耐落下衝撃性および耐反発性が優れている両面粘着テープ又はシートを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、両面粘着テープ又はシートとして、基材の両面に粘着剤層が形成された構成を有しているとともに、基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層を多層構造の粘着剤層とし、且つ多層構造の粘着剤層における基材側の粘着剤層を特定の粘着剤層とすると、優れた耐落下衝撃性を発揮することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、基材の両面に粘着剤層が形成された構成を有する両面粘着テープ又はシートであって、基材の少なくとも一方の面側に形成された粘着剤層が多層構造を有しており、且つ多層構造の粘着剤層が、下記の粘着剤層(A)及び/又は粘着剤層(B)を、最外層以外の層として有していることを特徴とする両面粘着テープ又はシートを提供する。
粘着剤層(A):シリコーンゴム微粒子を含有しているアクリル系粘着剤による粘着剤層
粘着剤層(B):損失正接(tanδ)の極大値における温度が−60〜−40℃のアクリル系ポリマー(B1)と、損失正接の極大値における温度が−40℃より高く且つ−5℃以下のアクリル系ポリマー(B2)とのアクリル系ポリマー混合物をベースポリマーとしており、上記アクリル系ポリマー混合物におけるアクリル系ポリマー(B1)とアクリル系ポリマー(B2)との割合が、アクリル系ポリマー(B1)/アクリル系ポリマー(B2)(重量比)=5/95〜95/5であるアクリル系粘着剤による粘着剤層
前記粘着剤層(B)において、損失正接の極大値における温度が−60〜−40℃のアクリル系ポリマー(B1)としては、炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分として含有し、且つホモポリマーを形成した際の損失正接の極大値における温度が70℃未満となるカルボキシル基含有モノマーを含有するモノマー混合物によるアクリル系ポリマーを好適に用いることができる。
本発明の両面粘着テープ又はシートでは、多層構造の粘着剤層における最外層は、粘着剤層(A)と隣接している場合、該粘着剤層(A)を形成するためのアクリル系粘着剤におけるベースポリマーと同様のアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤により形成されており、粘着剤層(B)と隣接している場合、該粘着剤層(B)を形成するためのアクリル系粘着剤における損失正接の極大値における温度が−40℃より高く且つ−5℃以下のアクリル系ポリマー(B2)と同様のアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤により形成されていることが好ましい。また、多層構造の粘着剤層における最外層は、粘着付与樹脂、及び/又は、重量平均分子量が3000以上20000未満である低分子量ポリマー成分を含有していることが好適である。
本発明の両面粘着テープ又はシートとしては、少なくとも一方の面の反射率が60(%)以上、及び/又は、透過率が0.3(%)以下の特性を有していてもよい。
このような両面粘着テープ又はシートは、液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとの固定に好適に用いることができる。
本発明は、また、液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとを有している液晶表示装置であって、液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとが、前記両面粘着テープ又はシートにより固定されていることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
なお、本明細書では、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルのことを意味しており、「(メタ)」とは、すべてこのような意味で用いている。
本発明の両面粘着テープ又はシートによれば、前記構成を有しているので、優れた耐落下衝撃性を有しており、しかも、耐落下衝撃性および耐反発性が優れている構成とすることも可能である。そのため、本発明の両面粘着テープ又はシートは、接着性が低い偏光板に対して用いられた際に落下により衝撃が加えられても、また、屈曲された状態で用いられても、接着状態を有効に保持することができる。
本発明の両面粘着テープ又はシートは、基材の両面に粘着剤層が形成された構成を有しているとともに、基材の少なくとも一方の面側の粘着剤層が多層構造の粘着剤層となっており、且つ多層構造の粘着剤層が、下記の粘着剤層(A)及び/又は粘着剤層(B)を、最外層以外の層(すなわち、基材側の層または内部側の層)として有している。
粘着剤層(A):シリコーンゴム微粒子を含有しているアクリル系粘着剤による粘着剤層
粘着剤層(B):損失正接(tanδ)の極大値における温度が−40℃以下のアクリル系ポリマー(B1)と、損失正接の極大値における温度が−40℃を超えるアクリル系ポリマー(B2)とのアクリル系ポリマー混合物をベースポリマーとするアクリル系粘着剤による粘着剤層
このように、本発明の両面粘着テープ又はシートは、粘着剤層(A)及び/又は粘着剤層(B)を、多層構造の粘着剤層における基材側の層として有しているので、被着体に対する本来の接着性を保持したまま、耐落下衝撃性を向上させることができる。具体的には、多層構造の粘着剤層のうち、表面に位置する粘着剤層(粘着面となる粘着剤層;「最外粘着剤層」と称する場合がある)は、被着体などに応じて適宜選択することができるので、被着体に対する接着性を有効に保持させることでき、例えば、優れた耐反発性を発揮することが可能な粘着剤層とすることにより、優れた耐反発性を発揮させることも可能である。しかも、多層構造の粘着剤層のうち、基材側に位置する粘着剤層(粘着面とならない粘着剤層、すなわち、内部側の粘着剤層)は、粘着剤層(A)及び/又は粘着剤層(B)となっているので、落下による衝撃を粘着剤層(A)及び/又は粘着剤層(B)が吸収することができ、両面粘着テープ又はシートは、落下により衝撃が加えられても接着状態を有効に保持することができる。
[粘着剤層(A)]
粘着剤層(A)は、前述のように、シリコーンゴム微粒子を含有しているアクリル系粘着剤により形成された粘着剤層である。従って、粘着剤層(A)を形成するためのアクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤(A)」と称する場合がある)は、粘着成分となるベースポリマーとしてのアクリル系ポリマー(「アクリル系ポリマー(A1)」と称する場合がある)と、シリコーンゴム微粒子(「シリコーンゴム微粒子(A2)」と称する場合がある)とを少なくとも含有している。このようなアクリル系ポリマー(A1)としては、アクリル系ポリマーであるので、(メタ)アクリル酸エステル(アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル)をモノマー主成分とする(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーを用いることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記に示される(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルや、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステルなどが挙げられる。なお、モノマー主成分としての(メタ)アクリル酸エステルは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
アクリル系ポリマー(A1)において、モノマー主成分としての(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを好適に用いることができる。すなわち、アクリル系ポリマー(A1)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分とする(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを好適に用いることができる。
具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜12(好ましくは2〜10)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適であり、特にアクリル酸n−ブチルや、アクリル酸2−エチルヘキシル(なかでもアクリル酸2−エチルヘキシル)を好適に用いることができる。
アクリル系ポリマー(A1)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル[特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル]の割合は、モノマー主成分として用いられているので、モノマー成分全量に対して、50重量%以上であることが重要であり、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。なお、(メタ)アクリル酸エステルのモノマー成分全量に対する割合の上限としては、特に制限されないが、99重量%以下(好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは97重量%以下)であることが望ましい。(メタ)アクリル酸エステル[特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル]の割合が、モノマー成分全量に対して50重量%未満であると、アクリル系ポリマーとしての特性(粘着性など)が発現しにくくなる場合がある。
アクリル系ポリマー(A1)では、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能なモノマー成分(共重合性モノマー)が用いられていてもよい。共重合性モノマーとしては、アクリル系ポリマー(A1)に架橋点を導入させるためや、アクリル系ポリマー(A1)の凝集力をコントロールするために用いることができる。共重合性モノマーは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的には、共重合性モノマーとしては、アクリル系ポリマー(A1)に架橋点を導入させるために、官能基含有モノマー成分[特に、アクリル系ポリマー(A1)に熱架橋する架橋点を導入させるための熱架橋性官能基含有モノマー成分]を用いることができる。このような官能基含有モノマー成分としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合が可能であり、且つ架橋点となる官能基を有しているモノマー成分であれば特に制限されず、例えば、下記に示されるカルボキシル基含有モノマーの他;無水マレイン酸、無水イコタン酸等の酸無水物系モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルの他、ビニルアルコール、アリルアルコールなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリンなどの窒素原子含有環を有するモノマーなどが挙げられる。官能基含有モノマー成分としては、アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーを好適に用いることができる。
前記官能基含有モノマー成分において、カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イソクロトン酸の他、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート[例えば、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(平均繰り返し数n=2)モノ(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(平均繰り返し数n=3)モノ(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(平均繰り返し数n=4)モノ(メタ)アクリレートなど]、フタル酸モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、フタル酸モノヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシ2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシノニル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシウンデシル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシドデシル(メタ)アクリレートなど]、コハク酸モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、コハク酸モノヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシ2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシノニル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシウンデシル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシドデシル(メタ)アクリレートなど]、アクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシ2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシノニル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシウンデシル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシドデシル(メタ)アクリレートなど]等が挙げられる。
また、共重合性モノマーとしては、アクリル系ポリマー(A1)の凝集力をコントロールするために、他の共重合性モノマー成分を用いることができる。他の共重合性モノマー成分としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;スチレン、置換スチレン(α−メチルスチレン等)、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基含有モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマーの他、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分として用いる場合、他の共重合性モノマー成分として、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、シクロペンチルジ(メタ)アクリレートなど]や、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ボルニル等の非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸アリールエステル[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステル[(メタ)アクリル酸フェノキシエチルなど]や、(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステル[(メタ)アクリル酸ベンジルエステル]等の芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステルが用いられていてもよい。
アクリル系ポリマー(A1)における共重合性モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマーが好適であり、特にアクリル酸を好適に用いることができる。
アクリル系ポリマー(A1)において、共重合性モノマーの割合としては、モノマー成分全量に対して50重量%未満の範囲で、モノマー成分の種類応じて適宜選択することができる。例えば、共重合性モノマーがカルボキシル基含有モノマー(特に、アクリル酸)である場合、カルボキシル基含有モノマー(特に、アクリル酸)は、全モノマー成分100重量部に対して3〜10重量部(好ましくは3〜8重量部、さらに好ましくは3〜6重量部)であることが好適である。
アクリル系ポリマー(A1)は、公知乃至慣用の重合方法により調製することができる。アクリル系ポリマー(A1)の重合方法としては、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法や紫外線照射による重合方法などが挙げられる。なお、アクリル系ポリマー(A1)の重合に際しては、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤や溶剤など、それぞれの重合方法に応じた適宜な成分を、公知乃至慣用のものの中から適宜選択して使用することができる。
アクリル系ポリマー(A1)の重量平均分子量としては、例えば、70万〜200万(好ましくは80万〜170万、さらに好ましくは90万〜140万)の範囲から適宜選択することができる。アクリル系ポリマー(A1)の重量平均分子量が70万より低いと、良好な粘着特性を発揮することができない場合があり、一方、200万より大きいと、塗工性に問題が生じる場合があり、いずれも好ましくない。
アクリル系ポリマー(A1)の重量平均分子量は、重合開始剤や連鎖移動剤の種類やその使用量、重合の際の温度や時間の他、モノマー濃度、モノマー滴下速度などによりコントロールすることができる。
なお、本発明において、アクリル系ポリマー(A1)の重量平均分子量は、以下の測定条件などにより測定した。
使用装置名:「HLC−8120GPC」東ソー株式会社製
カラム:「TSKgelSuper HZM−H/HZ4000/HZ3000/HZ2000」(東ソー株式会社製)
入口圧:7.2MPa
カラムサイズ:各6.0mmφ×15cm、計60cm
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流量:流速0.6mL/min
サンプル濃度:0.1重量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:20μL
検出器:示差屈折計(RI)
標準試料:ポリスチレン(PS)
データ処理装置:「GPC−8020」東ソー株式会社製
なお、本発明では、アクリル系ポリマー(A1)としては、通常、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−40℃を超えているものが用いられ、具体的には、損失正接の極大値における温度が、例えば、−40℃より高く且つ−5℃以下(好ましくは−35〜−10℃、さらに好ましくは−30〜−15℃)のものを好適に用いることができる。従って、アクリル系ポリマー(A1)としては、例えば、粘着剤層(B)で用いられるアクリル系ポリマー(B2)と同様のアクリル系ポリマーを用いることができる。なお、アクリル系ポリマー(A1)における損失正接の極大値における温度は、アクリル系ポリマー(B1)やアクリル系ポリマー(B2)の場合と同様にして測定された値である。
また、アクリル系粘着剤(A)において、シリコーンゴム微粒子(A2)としては、微粒子化されたシリコーンゴム弾性体であり、シリコーン成分を含むシリコーン組成物により形成されたゴム状の微粒子(粉末)であれば特に制限されない。シリコーンゴム微粒子(A2)を形成するためのシリコーン組成物としては、特に制限されず、例えば、(1)1分子中にアルケニル基を2個以上有しているオルガノポリシロキサンと、1分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているオルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル化反応用触媒とを含む付加反応硬化型シリコーン組成物、(2)1分子中に、2個以上の加水分解性官能基を有する珪素原子を有しているオルガノポリシロキサンと、1分子中に、3個以上の加水分解性官能基を有する珪素原子を有しているシラン系架橋剤と、縮合反応用触媒とを含む縮合反応硬化型シリコーン組成物、(3)1分子中にアルケニル基を1個以上有しているオルガノポリシロキサンと、有機過酸化物系触媒とを含む有機過酸化物硬化型シリコーン組成物などが挙げられる。
付加反応硬化型シリコーン組成物において、1分子中にアルケニル基を2個以上有しているオルガノポリシロキサンにおけるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基などが挙げられ、特にビニル基が好適である。このようなアルケニル基は、珪素原子に直接的に又は間接的に結合している。また、1分子中にアルケニル基を2個以上有しているオルガノポリシロキサンにおける珪素原子は、水素原子の他、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などの有機基(特に、メチル基)を有していてもよい。
付加反応硬化型シリコーン組成物において、1分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているオルガノポリシロキサンにおける珪素原子は、水素原子が結合しており、水素原子以外の基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などの有機基(特に、メチル基)を有していてもよい。
なお、付加反応硬化型シリコーン組成物において、1分子中にアルケニル基を2個以上有しているオルガノポリシロキサンや、1分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているオルガノポリシロキサンは、直鎖状の形態、分岐鎖状の形態、環状の形態などの何れの形態を有していてもよい。1分子中にアルケニル基を2個以上有しているオルガノポリシロキサンや、1分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているオルガノポリシロキサンは、それぞれ、単独で用いられていてもよく、2種以上が組み合わせられて用いられていてもよい。
付加反応硬化型シリコーン組成物におけるヒドロシリル化反応用触媒としては、1分子中にアルケニル基を2個以上有しているオルガノポリシロキサンと、1分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているオルガノポリシロキサンとのヒドロシリル化反応を促進することが可能な触媒であれば特に制限されないが、例えば、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、塩化白金酸、白金黒、表面に白金系化合物を担持しているシリカ成分等の白金系触媒を好適に用いることができる。ヒドロシリル化反応用触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ヒドロシリル化反応用触媒の使用量としては、触媒として利用可能な量であれば特に制限されない。
また、縮合反応硬化型シリコーン組成物において、1分子中に、2個以上の加水分解性官能基を有する珪素原子を有しているオルガノポリシロキサンにおける加水分解性官能基としては、ヒドロキシル基やアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブチルオキシ基など)などが挙げられる。一方、1分子中に、3個以上の加水分解性官能基を有する珪素原子を有しているシラン系架橋剤における加水分解性官能基としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブチルオキシ基など)が好適である。なお、1分子中に、2個以上の加水分解性官能基を有する珪素原子を有しているオルガノポリシロキサンにおける珪素原子や、1分子中に、3個以上の加水分解性官能基を有する珪素原子を有しているシラン系架橋剤における珪素原子は、水素原子の他、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などの有機基(特に、メチル基)を有していてもよい。縮合反応用触媒としては、有機錫化合物、有機チタン化合物などが挙げられる。1分子中に、2個以上の加水分解性官能基を有する珪素原子を有しているオルガノポリシロキサンや、縮合反応用触媒は、それぞれ、単独で用いられていてもよく、2種以上が組み合わせられて用いられていてもよい。
さらに、有機過酸化物硬化型シリコーン組成物において、1分子中にアルケニル基を1個以上有しているオルガノポリシロキサンにおけるアルケニル基としては、前記と同様に、ビニル基、アリル基などが挙げられる。なお、1分子中にアルケニル基を1個以上有しているオルガノポリシロキサンにおける珪素原子は、水素原子の他、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などの有機基(特に、メチル基)を有していてもよい。1分子中にアルケニル基を1個以上有しているオルガノポリシロキサンや、有機過酸化物系触媒は、それぞれ、単独で用いられていてもよく、2種以上が組み合わせられて用いられていてもよい。
なお、硬化型シリコーン組成物中には、各種添加剤(例えば、無機質充填剤等の充填剤、付加反応抑制剤、有機オイル成分、アルケニル基含有有機化合物、エポキシ基含有有機化合物、非反応性シリコーンオイル成分、シリコーンレジン成分など)が配合されていてもよい。
シリコーンゴム微粒子(A2)は、公知の微粒子の調製方法を利用して製造することができる。シリコーンゴム微粒子(A2)の調製方法としては、例えば、各種の硬化型シリコーン組成物(例えば、付加反応硬化型シリコーン組成物、縮合反応硬化型シリコーン組成物や、有機過酸化物硬化型シリコーン組成物など)による硬化物を粉砕して粉末化(微粒子化)する方法や、硬化型シリコーン組成物を噴霧させた状態で硬化させる方法であってもよいが、硬化型シリコーン組成物を、必要に応じて乳化剤又は界面活性剤を用いて、水中に分散させた状態で硬化させる方法が好適である。
具体的には、例えば、シリコーンオイル成分を含む硬化型シリコーン組成物を水に微分散させ(エマルジョン化させ)、該水中に分散した状態のシリコーンオイル成分を、架橋乃至硬化させてゴム状の粒にし、水分を除去することにより、シリコーンゴム微粒子(A2)を調製することができる。この際、例えば、硬化型シリコーン組成物が付加反応硬化型シリコーン組成物である場合、ヒドロシリル化反応により、シリコーンオイル成分の架橋乃至硬化が生じる。なお、シリコーンオイル成分としては、例えば、硬化型シリコーン組成物が付加反応硬化型シリコーン組成物である場合、1分子中にアルケニル基を2個以上有しているオルガノポリシロキサンや、1分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有しているオルガノポリシロキサンが挙げられる。また、シリコーンオイル成分としては、例えば、硬化型シリコーン組成物が縮合反応硬化型シリコーン組成物である場合、1分子中に、2個以上の加水分解性官能基を有する珪素原子を有しているオルガノポリシロキサンや、1分子中に、3個以上の加水分解性官能基を有する珪素原子を有しているシラン系架橋剤が挙げられる。
なお、シリコーンゴム微粒子(A2)としては、JIS K 6253−1997に規定されるJIS A硬度が10〜95であるシリコーンゴム成分による微粒子(粉末)であることが好ましい。
シリコーンゴム微粒子(A2)の表面には、公知乃至慣用の表面処理(例えば、表面処理剤によるコーティング処理など)が施されていてもよい。
シリコーンゴム微粒子(A2)の形状としては、真球状、球状、偏平球状、不定形状などの何れの形状であってもよいが、真球状、球状(特に真球状)であることが好ましい。
シリコーンゴム微粒子(A2)の平均粒子径としては、例えば、0.5〜100μm(好ましくは1〜10μm)の範囲から適宜選択することができる。
このようなシリコーンゴム微粒子(A2)としては、例えば、商品名「トレフィル E−500」や、商品名「トレフィル E−600」(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)などの市販品を用いることができる。
本発明では、アクリル系粘着剤(A)において、シリコーンゴム微粒子(A2)の含有量としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系ポリマー(A1):100重量部に対して3〜50重量部(好ましくは3〜30重量部、さらに好ましくは4〜20重量部)の範囲から選択することができる。アクリル系粘着剤(A)において、シリコーンゴム微粒子(A2)の含有量が、アクリル系ポリマー(A1):100重量部に対して3重量部より少ないと、耐落下衝撃性が低下し、一方、50重量部より多いと、接着性が低下するため好ましくない。
アクリル系粘着剤(A)は、アクリル系ポリマー(A1)とシリコーンゴム微粒子(A2)とを含んでいれば、必要に応じて各種添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、架橋剤、交叉結合剤、粘着付与樹脂、充填剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤などの公知の添加剤から適宜選択して用いることができる。
特に、本発明では、耐反発性の観点から、架橋剤が用いられていることが好ましい。架橋剤の使用量としては、特に制限されず、粘着剤層(A)の目的とする架橋密度、架橋剤の種類や、アクリル系ポリマー(A1)の種類(組成や重量平均分子量等)などに応じて適宜設定することができ、粘着剤層(A)が優れた耐反発性を発揮できるような使用量であることが好ましい。具体的には、架橋剤の使用量としては、例えば、アクリル系ポリマー(A1)100重量部に対して、例えば0.01〜20重量部(好ましくは0.02〜10重量部)の範囲から選択することができる。
架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤の中から適宜選択することができ、例えば、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられ、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤を好適に用いることできる。架橋剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネ−ト、水素添加キシレンジイソシアネ−トなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられ、その他、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]なども用いられる。
また、エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。
なお、本発明では、架橋剤を用いる代わりに、あるいは、架橋剤を用いるとともに、電子線や紫外線などの照射により架橋処理を施して、粘着剤層(A)を形成することも可能である。
また、本発明では、アクリル系粘着剤(A)中には、シリコーンゴム微粒子(A2)とともに、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−40℃以下のアクリル系ポリマーが含まれていてもよい。このような損失正接の極大値における温度が−40℃以下のアクリル系ポリマーとしては、粘着剤層(B)で用いられるアクリル系ポリマー(B1)などが挙げられる。
さらに、本発明では、アクリル系粘着剤(A)中には、粘着付与樹脂や、重量平均分子量が3000以上20000未満である低分子量ポリマー成分が含まれていてもよい。このような粘着付与樹脂や低分子量ポリマー成分としては、多層構造の粘着剤層のうち、表面に位置する粘着剤層(最外粘着剤層)において用いられる粘着付与樹脂や低分子量ポリマー成分(重量平均分子量が3000以上20000未満である低分子量ポリマー成分)を用いることができる。なお、本発明では、アクリル系粘着剤(A)中に、粘着付与樹脂や低分子量ポリマー成分が含まれている場合、耐反発性を向上させることができるが、耐落下衝撃性が低下する場合があるので、シリコーンゴム微粒子(A2)の使用量を多くする方が好ましい。一方、アクリル系粘着剤(A)中に、粘着付与樹脂や低分子量ポリマー成分が含まれていない場合、シリコーンゴム微粒子(A2)の使用量は少なくても、優れた耐落下衝撃性を発揮することが可能である。
このようなアクリル系粘着剤(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、アクリル系粘着剤(A)は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などが挙げられる。
粘着剤層(A)は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。また、粘着剤層(A)の厚み(乾燥乃至硬化後の厚み)としては、例えば、4〜100μm(好ましくは4〜50μm、さらに好ましくは10〜40μm)の範囲から適宜選択することができる。
[粘着剤層(B)]
粘着剤層(B)は、前述のように、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−40℃以下のアクリル系ポリマー(B1)(単に「アクリル系ポリマー(B1)」と称する場合がある)と、損失正接の極大値における温度が−40℃を超えるアクリル系ポリマー(B2)(単に「アクリル系ポリマー(B2)」と称する場合がある)とのアクリル系ポリマー混合物をベースポリマーとするアクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤(B)」と称する場合がある)により形成された粘着剤層である。前記アクリル系ポリマー(B1)において、損失正接(tanδ)の極大値における温度としては、−40℃以下であれば特に制限されないが、例えば、−60〜−40℃の範囲から適宜選択することができ、好ましくは−55〜−40℃(さらに好ましくは−50〜40℃)である。
また、前記アクリル系ポリマー(B2)において、損失正接(tanδ)の極大値における温度としては、−40℃を超えていれば特に制限されないが、例えば、−40℃より高く且つ−5℃以下の範囲から適宜選択することができ、好ましくは−35〜−10℃(さらに好ましくは−30〜−15℃)である。
本発明では、アクリル系ポリマー(B1)やアクリル系ポリマー(B2)に係る損失正接(tanδ)の極大値における温度は、以下の「損失正接の極大値における温度の測定方法」により求められた値である。
(損失正接の極大値における温度の測定方法)
アクリル系ポリマー[アクリル系ポリマー(B1)、アクリル系ポリマー(B2)]を剥離ライナー上に乾燥後の厚さが35μmとなるように塗工した後、乾燥乃至硬化させて、アクリル系ポリマー層を形成する。このアクリル系ポリマー層を厚さが約2mmになるように重ね合わせ、試験サンプルを作製する。レオメトリックス社製の粘弾性試験器「ARES」を用い、7.9mmのパラレルプレートで、前記試験サンプルを挟み込み、周波数1Hzのせん断歪を与えながら、温度領域−70℃〜150℃で、5℃/分の昇温速度で、且つせん断モードで粘弾性を測定し、損失正接(tanδ)の極大値の温度を求める。また、この際、損失正接の極大値の大きさも求める。
アクリル系粘着剤(B)において、アクリル系ポリマー(B1)としては、アクリル系ポリマーであるので、アクリル系ポリマー(A1)と同様に、(メタ)アクリル酸エステル(アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル)をモノマー主成分とする(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーを用いることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル系ポリマー(A1)の場合と同様に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルや、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステルなどが挙げられる。なお、モノマー主成分としての(メタ)アクリル酸エステルは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
アクリル系ポリマー(B1)において、モノマー主成分としての(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを好適に用いることができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル系ポリマー(A1)における(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして例示のものなどが挙げられ、アルキル基の炭素数が4〜12(好ましくは4〜10)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適であり、特にアクリル酸2−エチルヘキシルを好適に用いることができる。
アクリル系ポリマー(B1)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル[特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル]の割合は、モノマー主成分として用いられているので、モノマー成分全量に対して、50重量%以上であることが重要であり、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。なお、(メタ)アクリル酸エステルのモノマー成分全量に対する割合の上限としては、特に制限されないが、99重量%以下(好ましくは95重量%以下、さらに好ましくは90重量%以下)であることが望ましい。(メタ)アクリル酸エステル[特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル]の割合が、モノマー成分全量に対して50重量%未満であると、アクリル系ポリマーとしての特性(粘着性など)が発現しにくくなる場合がある。
アクリル系ポリマー(B1)では、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能なモノマー成分(共重合性モノマー)が用いられていてもよい。共重合性モノマーとしては、アクリル系ポリマー(B1)に架橋点を導入させるためや、アクリル系ポリマー(B1)の凝集力をコントロールするための他、アクリル系ポリマー(B1)の損失正接(tanδ)の極大値における温度を−40℃以下にコントロールするために用いることができる。共重合性モノマーは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的には、アクリル系ポリマー(B1)における共重合性モノマーとしては、アクリル系ポリマー(B1)に架橋点を導入させるために、官能基含有モノマー成分[特に、アクリル系ポリマー(B1)に熱架橋する架橋点を導入させるための熱架橋性官能基含有モノマー成分]を用いることができる。このような官能基含有モノマー成分としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合が可能であり、且つ架橋点となる官能基を有しているモノマー成分であれば特に制限されず、例えば、アクリル系ポリマー(A1)における共重合性モノマーとしての官能基含有モノマー成分として例示のもの[例えば、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物系モノマー、水酸基含有モノマー、アミド系モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマーなど]などが挙げられる。官能基含有モノマー成分としては、カルボキシル基含有モノマーが好ましく、特に、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[なかでも、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(平均繰り返し数n=2)モノアクリレート、コハク酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート]が好適である。なお、共重合性モノマーとして、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、コハク酸モノヒドロキシアルキルアクリレート、アクリル酸ダイマー、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシアルキルアクリレートを用いることにより、アクリル系ポリマー(B1)に官能基を導入させることができるとともに、アクリル系ポリマー(B1)の損失正接(tanδ)の極大値における温度を−40℃以下にコントロールすることもできる。
また、アクリル系ポリマー(B1)における共重合性モノマーとしては、アクリル系ポリマー(B1)の凝集力をコントロールするために、他の共重合性モノマー成分を用いることができる。このような他の共重合性モノマー成分としては、例えば、アクリル系ポリマー(A1)における共重合性モノマーとしての他の共重合性モノマー成分として例示のもの[例えば、ビニルエステル系モノマー、スチレン系モノマー、オレフィン系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソシアネート基含有モノマー、アルコキシ基含有モノマー、ビニルエーテル系モノマー、多官能モノマーなど]などが挙げられる。
なお、アクリル系ポリマー(B1)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分として用いる場合、アクリル系ポリマー(A1)の場合と同様に、他の共重合性モノマー成分として、非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル、芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステルが用いられていてもよい。
アクリル系ポリマー(B1)における共重合性モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマーが好適であり、特にホモポリマーを形成した際の損失正接の極大値における温度が70℃未満(好ましくは60℃以下、さらに好ましくは50℃以下)となるカルボキシル基含有モノマーを好適に用いることができる。このようなカルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(平均繰り返し数n=2)モノアクリレート等のω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート;コハク酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のコハク酸モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;アクリル酸ダイマー;ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
従って、アクリル系ポリマー(B1)としては、炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分として含有し、且つホモポリマーを形成した際の損失正接の極大値における温度が70℃未満となるカルボキシル基含有モノマーを含有するモノマー混合物によるアクリル系ポリマーが好適である。
アクリル系ポリマー(B1)において、共重合性モノマーの割合としては、モノマー成分全量に対して50重量%未満の範囲で、モノマー成分の種類応じて適宜選択することができる。例えば、共重合性モノマーがカルボキシル基含有モノマー(特に、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)である場合、該カルボキシル基含有モノマーは、全モノマー成分100重量部に対して3〜30重量部(好ましくは3〜25重量部、さらに好ましくは3〜20重量部)であることが好適である。
アクリル系ポリマー(B1)は、公知乃至慣用の重合方法により調製することができる。アクリル系ポリマー(B1)の重合方法としては、アクリル系ポリマー(A1)の場合と同様に、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法や紫外線照射による重合方法などが挙げられる。なお、アクリル系ポリマー(B1)の重合に際しては、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤や溶剤など、それぞれの重合方法に応じた適宜な成分を、公知乃至慣用のものの中から適宜選択して使用することができる。
アクリル系ポリマー(B1)の重量平均分子量としては、例えば、70万〜200万(好ましくは80万〜170万、さらに好ましくは90万〜140万)の範囲から適宜選択することができる。アクリル系ポリマー(B1)の重量平均分子量が70万より低いと、良好な粘着特性を発揮することができない場合があり、一方、200万より大きいと、塗工性に問題が生じる場合があり、いずれも好ましくない。
アクリル系ポリマー(B1)の重量平均分子量は、重合開始剤や連鎖移動剤の種類やその使用量、重合の際の温度や時間の他、モノマー濃度、モノマー滴下速度などによりコントロールすることができる。なお、本発明において、アクリル系ポリマー(B1)の重量平均分子量は、アクリル系ポリマー(A1)の場合と同様の条件により測定した。
また、アクリル系粘着剤(B)において、アクリル系ポリマー(B2)としては、アクリル系ポリマーであるので、アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B1)と同様に、(メタ)アクリル酸エステル(アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル)をモノマー主成分とする(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーを用いることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B1)の場合と同様に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルや、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステルなどが挙げられる。なお、モノマー主成分としての(メタ)アクリル酸エステルは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
アクリル系ポリマー(B2)において、モノマー主成分としての(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを好適に用いることができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル系ポリマー(A1)における(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして例示のものなどが挙げられ、アルキル基の炭素数が2〜12(好ましくは2〜10)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適であり、特にアクリル酸n−ブチルや、アクリル酸2−エチルヘキシル(なかでもアクリル酸2−エチルヘキシル)を好適に用いることができる。
アクリル系ポリマー(B2)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル[特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル]の割合は、モノマー主成分として用いられているので、モノマー成分全量に対して、50重量%以上であることが重要であり、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。なお、(メタ)アクリル酸エステルのモノマー成分全量に対する割合の上限としては、特に制限されないが、99重量%以下(好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは97重量%以下)であることが望ましい。(メタ)アクリル酸エステル[特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル]の割合が、モノマー成分全量に対して50重量%未満であると、アクリル系ポリマーとしての特性(粘着性など)が発現しにくくなる場合がある。
アクリル系ポリマー(B2)では、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸エステルに対して共重合が可能なモノマー成分(共重合性モノマー)が用いられていてもよい。共重合性モノマーとしては、アクリル系ポリマー(B2)に架橋点を導入させるためや、アクリル系ポリマー(B2)の凝集力をコントロールするために用いることができる。なお、共重合性モノマーは、アクリル系ポリマー(B1)の損失正接(tanδ)の極大値における温度を−40℃を超えるようにコントロールするためにも用いることができる。共重合性モノマーは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的には、アクリル系ポリマー(B2)における共重合性モノマーとしては、アクリル系ポリマー(B2)に架橋点を導入させるために、官能基含有モノマー成分[特に、アクリル系ポリマー(B2)に熱架橋する架橋点を導入させるための熱架橋性官能基含有モノマー成分]を用いることができる。このような官能基含有モノマー成分としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合が可能であり、且つ架橋点となる官能基を有しているモノマー成分であれば特に制限されず、例えば、アクリル系ポリマー(A1)における共重合性モノマーとしての官能基含有モノマー成分として例示のもの[例えば、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物系モノマー、水酸基含有モノマー、アミド系モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマーなど]などが挙げられる。官能基含有モノマー成分としては、カルボキシル基含有モノマーが好ましく、特に、アクリル酸が好適である。なお、共重合性モノマーとして、アクリル酸を用いることにより、アクリル系ポリマー(B2)に官能基を導入させることができるとともに、アクリル系ポリマー(B2)の損失正接(tanδ)の極大値における温度を−40℃を超えるようにコントロールすることもできる。
また、アクリル系ポリマー(B2)における共重合性モノマーとしては、アクリル系ポリマー(B2)の凝集力をコントロールするために、他の共重合性モノマー成分を用いることができる。このような他の共重合性モノマー成分としては、例えば、アクリル系ポリマー(A1)における共重合性モノマーとしての他の共重合性モノマー成分として例示のもの[例えば、ビニルエステル系モノマー、スチレン系モノマー、オレフィン系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソシアネート基含有モノマー、アルコキシ基含有モノマー、ビニルエーテル系モノマー、多官能モノマーなど]などが挙げられる。
なお、アクリル系ポリマー(B2)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分として用いる場合、アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B1)の場合と同様に、他の共重合性モノマー成分として、非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル、芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステルが用いられていてもよい。
アクリル系ポリマー(B2)における共重合性モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマーが好適であり、特にアクリル酸を好適に用いることができる。
アクリル系ポリマー(B2)において、共重合性モノマーの割合としては、モノマー成分全量に対して50重量%未満の範囲で、モノマー成分の種類応じて適宜選択することができる。例えば、共重合性モノマーがカルボキシル基含有モノマー(特に、アクリル酸)である場合、カルボキシル基含有モノマー(特に、アクリル酸)は、全モノマー成分100重量部に対して3〜10重量部(好ましくは3〜8重量部、さらに好ましくは3〜6重量部)であることが好適である。
アクリル系ポリマー(B2)は、公知乃至慣用の重合方法により調製することができる。アクリル系ポリマー(B2)の重合方法としては、アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B1)の場合と同様に、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法や紫外線照射による重合方法などが挙げられる。なお、アクリル系ポリマー(B2)の重合に際しては、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤や溶剤など、それぞれの重合方法に応じた適宜な成分を、公知乃至慣用のものの中から適宜選択して使用することができる。
アクリル系ポリマー(B2)の重量平均分子量としては、例えば、50万〜200万(好ましくは55万〜170万、さらに好ましくは60万〜140万)の範囲から適宜選択することができる。アクリル系ポリマー(B2)の重量平均分子量が50万より低いと、良好な粘着特性を発揮することができない場合があり、一方、200万より大きいと、塗工性に問題が生じる場合があり、いずれも好ましくない。
アクリル系ポリマー(B2)の重量平均分子量は、重合開始剤や連鎖移動剤の種類やその使用量、重合の際の温度や時間の他、モノマー濃度、モノマー滴下速度などによりコントロールすることができる。なお、本発明において、アクリル系ポリマー(B2)の重量平均分子量は、アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B2)の場合と同様の条件により測定した。
本発明では、アクリル系粘着剤(B)は、アクリル系ポリマー(B1)とアクリル系ポリマー(B2)とのアクリル系ポリマー混合物をベースポリマーとしており、該アクリル系ポリマー混合物におけるアクリル系ポリマー(B1)とアクリル系ポリマー(B2)との割合としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系ポリマー(B1)/アクリル系ポリマー(B2)(重量比)=5/95〜95/5(好ましくは15/85〜85/15、さらに好ましくは25/75〜75/25)の範囲から選択することができる。アクリル系粘着剤(B)において、アクリル系ポリマー(B1)/アクリル系ポリマー(B2)(重量比)が、5/95より少ないと、良好な耐落下衝撃性が得られない場合があり、一方、95/5より多いと、良好な耐反発性が得られない場合がある。
アクリル系粘着剤(B)は、アクリル系ポリマー(B1)とアクリル系ポリマー(B2)とを含んでいれば、必要に応じて各種添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、架橋剤、交叉結合剤、粘着付与樹脂、充填剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤などの公知の添加剤から適宜選択して用いることができる。また、アクリル系粘着剤(B)には、シリコーンゴム微粒子が含まれていてもよく、このようなシリコーンゴム微粒子としては、前記粘着剤層(A)で用いられるシリコーンゴム微粒子(A2)などが挙げられる。
特に、本発明では、架橋剤が用いられていることが好ましい。架橋剤の使用量としては、特に制限されず、粘着剤層(B)の目的とする架橋密度、架橋剤の種類や、アクリル系ポリマー(B1)やアクリル系ポリマー(B2)の種類(組成や重量平均分子量等)などに応じて適宜設定することができる。具体的には、架橋剤の使用量としては、例えば、アクリル系ポリマー(B1)及びアクリル系ポリマー(B2)の総量100重量部に対して、例えば0.01〜20重量部(好ましくは0.02〜10重量部)の範囲から選択することができる。
架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤の中から適宜選択することができ、例えば、粘着剤層(A)の項において例示のもの(例えば、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤など)などが挙げられ、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤を好適に用いることできる。架橋剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、架橋剤を用いる代わりに、あるいは、架橋剤を用いるとともに、電子線や紫外線などの照射により架橋処理を施して、粘着剤層(B)を形成することも可能である。
また、本発明では、アクリル系粘着剤(B)中には、粘着剤層(A)の場合と同様に、粘着付与樹脂や、重量平均分子量が3000以上20000未満である低分子量ポリマー成分が含まれていてもよいが、これらの粘着付与樹脂や低分子量ポリマー成分は、耐落下衝撃性を損なわない範囲で含まれていることが重要である。
このようなアクリル系粘着剤(B)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、アクリル系粘着剤(B)は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などが挙げられる。
粘着剤層(B)は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。また、粘着剤層(B)の厚み(乾燥乃至硬化後の厚み)としては、粘着剤層(A)と同様に、例えば、4〜100μm(好ましくは4〜50μm、さらに好ましくは10〜40μm)の範囲から適宜選択することができる。
なお、本発明では、ベースポリマーとして、アクリル系ポリマー(B1)およびアクリル系ポリマー(B2)のアクリル系ポリマー混合物が用いられ、且つシリコーンゴム微粒子(A2)を含有しているアクリル系粘着剤により形成された粘着剤層は、粘着剤層(A)および粘着剤層(B)の両方に含まれる(分類される)場合があるが、この場合は、アクリル系ポリマー混合物中のアクリル系ポリマー(B1)の割合や、シリコーンゴム微粒子(A2)の使用量などに応じて、粘着剤層(A)、粘着剤層(B)の何れかに適宜分類することができる。
[多層構造の粘着剤層]
本発明の両面粘着テープ又はシートにおいて、基材の少なくとも一方の面に形成された多層構造の粘着剤層(「多層粘着剤層」と称する場合がある)は、粘着剤層(A)及び/又は粘着剤層(B)を、最外粘着剤層以外の粘着剤層として有していればよく、例えば、「最外粘着剤層/粘着剤層(A)」、「最外粘着剤層/粘着剤層(B)」などの2層構造の粘着剤層;「最外粘着剤層/粘着剤層(A)/粘着剤層(B)」、「最外粘着剤層/粘着剤層(B)/粘着剤層(A)」、「最外粘着剤層/粘着剤層(A)/粘着剤層(A)および粘着剤層(B)以外の粘着剤層」、「最外粘着剤層/粘着剤層(B)/粘着剤層(A)および粘着剤層(B)以外の粘着剤層」、「最外粘着剤層/粘着剤層(A)および粘着剤層(B)以外の粘着剤層/粘着剤層(A)」、「最外粘着剤層/粘着剤層(A)および粘着剤層(B)以外の粘着剤層/粘着剤層(B)」などの3層構造の粘着剤層などが挙げられる。多層粘着剤層としては、「最外粘着剤層/粘着剤層(A)」または「最外粘着剤層/粘着剤層(B)」の2層構造の粘着剤層が好適である。
上記、粘着剤層(A)や粘着剤層(B)における損失正接の極大値や該極大値の温度は、アクリル系ポリマー(B1)やアクリル系ポリマー(B2)の場合と同様にして測定することができる。すなわち、アクリル系粘着剤[アクリル系粘着剤(A)、アクリル系粘着剤(B)]を剥離ライナー上に乾燥後の厚さが35μmとなるように塗工した後、乾燥乃至硬化させて、アクリル系粘着剤層を形成する。このアクリル系粘着剤層を厚さが約2mmになるように重ね合わせ、試験サンプルを作製する。レオメトリックス社製の粘弾性試験器「ARES」を用い、7.9mmのパラレルプレートで、前記試験サンプルを挟み込み、周波数1Hzのせん断歪を与えながら、温度領域−70℃〜150℃で、5℃/分の昇温速度で、且つせん断モードで粘弾性を測定し、損失正接(tanδ)の極大値の温度を求める。また、この際、損失正接の極大値の大きさも求める。
[最外粘着剤層]
最外粘着剤層を形成するための粘着剤(「最外粘着剤」と称する場合がある)としては、シリコーンゴム微粒子(A2)を含有していないこと、および損失正接(tanδ)の極大値における温度が−40℃以下のアクリル系ポリマー(B1)と、損失正接の極大値における温度が−40℃を超えるアクリル系ポリマー(B2)とのアクリル系ポリマー混合物をベースポリマーとしていないことが重要であり、特に、シリコーンゴム微粒子(A2)を含有していないこと、および損失正接(tanδ)の極大値における温度が−40℃以下のアクリル系ポリマー(B1)を含有していないことが重要である。従って、最外粘着剤は、損失正接の極大値における温度が−40℃を超えるアクリル系ポリマー(B2)を含有していてもよい。
最外粘着剤は、前述のように、シリコーンゴム微粒子(A2)やアクリル系ポリマー(B1)を含有していない粘着剤であることが重要であり、例えば、公知の粘着剤(アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤など)の中から適宜選択することができる。最外粘着剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、最外粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、具体的には、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などのいずれの形態を有する粘着剤であってもよい。
本発明では、最外粘着剤としては、隣接する粘着剤層[例えば、粘着剤層(A)や粘着剤層(B)など]を形成するための粘着剤[アクリル系粘着剤(A)やアクリル系粘着剤(B)など]におけるベースポリマー又はベースポリマー中のポリマー(特にポリマー主成分)と同様のポリマーをベースポリマーとする粘着剤を好適に用いることができる。このように、最外粘着剤層を、隣接する粘着剤層におけるベースポリマー又はベースポリマー中のポリマーと同様のポリマーをベースポリマーとする粘着剤により形成することにより、最外粘着剤層と、該最外粘着剤層に隣接している粘着剤層[粘着剤層(A)や粘着剤層(B)など]との間の層間強度を効果的に高めることができ、耐反発性をより一層向上させることができる。
従って、最外粘着剤としては、隣接する粘着剤層に応じて、ベースポリマーの種類を適宜選択することができる。具体的には、最外粘着剤層としては、例えば、粘着剤層(A)と隣接している場合、アクリル系粘着剤(A)[粘着剤層(A)を形成するためのアクリル系粘着剤]におけるベースポリマーと同様のアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤により形成されていることが好ましく、また、粘着剤層(B)と隣接している場合、アクリル系粘着剤(B)[粘着剤層(B)を形成するためのアクリル系粘着剤]における損失正接の極大値における温度が−40℃を超えるアクリル系ポリマー(B2)と同様のアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤により形成されていることが好ましい。
なお、隣接する粘着剤層を形成するための粘着剤におけるベースポリマー又はベースポリマー中のポリマー(特にポリマー主成分)と同様のポリマーとしては、例えば、同様のモノマー成分が同様の割合で用いられているポリマーが挙げられる。ここで、同様のモノマー成分としては、構造が同様であるモノマー成分を意味しており、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの場合、アルキル基の炭素数の差が6以内(好ましくは4以内)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。また、同様の割合としては、モノマー成分全量に対する割合(重量%)の差が10以内(好ましくは5以内)である割合が挙げられる。
最外粘着剤としては、耐反発性を高めるため、粘着付与樹脂や、重量平均分子量が3000以上20000未満である低分子量ポリマー成分(単に「低分子量ポリマー成分」と称する場合がある)が含まれていることが好ましい。粘着付与樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂の他、ポリアミド系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂などが挙げられる。粘着付与樹脂は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性ロジン(生ロジン)や、これらの未変性ロジンを重合、不均化、水添化などにより変性した変性ロジン(重合ロジン、安定化ロジン、不均化ロジン、完全水添ロジン、部分水添ロジンや、その他の化学的に修飾されたロジンなど)の他、各種のロジン誘導体などが挙げられる。前記ロジン誘導体としては、例えば、ロジン類(未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体など)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール系樹脂;未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したロジンのエステル化合物(未変性ロジンエステル)や、重合ロジン、安定化ロジン、不均化ロジン、完全水添ロジン、部分水添ロジンなどの変性ロジンをアルコール類によりエステル化した変性ロジンのエステル化合物(重合ロジンエステル、安定化ロジンエステル、不均化ロジンエステル、完全水添ロジンエステル、部分水添ロジンエステルなど)などのロジンエステル系樹脂;未変性ロジンや変性ロジン(重合ロジン、安定化ロジン、不均化ロジン、完全水添ロジン、部分水添ロジンなど)を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン系樹脂;ロジンエステル系樹脂を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル系樹脂;未変性ロジン、変性ロジン(重合ロジン、安定化ロジン、不均化ロジン、完全水添ロジン、部分水添ロジンなど)、不飽和脂肪酸変性ロジン系樹脂や不飽和脂肪酸変性ロジンエステル系樹脂におけるカルボキシル基を還元処理したロジンアルコール系樹脂;未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体等のロジン系樹脂(特に、ロジンエステル系樹脂)の金属塩などが挙げられる。
テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン系樹脂や、これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性など)した変性テルペン系樹脂(例えば、テルペンフェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂など)などが挙げられる。
フェノール系粘着付与樹脂としては、例えば、各種フェノール類(例えば、フェノール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、p−アルキルフェノール、レゾルシンなど)とホルムアルデヒドとの縮合物(例えば、アルキルフェノール系樹脂、キシレンホルムアルデヒド系樹脂など)、前記フェノール類とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒で付加反応させたレゾールや、前記フェノール類とホルムアルデヒドとを酸触媒で縮合反応させて得られるノボラックなどが挙げられる。
炭化水素系粘着付与樹脂(石油系粘着付与樹脂)としては、例えば、脂肪族系炭化水素樹脂[炭素数4〜5のオレフィンやジエン(ブテン−1、イソブチレン、ペンテン−1等のオレフィン;ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン等のジエンなど)などの脂肪族炭化水素の重合体など]、脂肪族系環状炭化水素樹脂[いわゆる「C4石油留分」や「C5石油留分」を環化二量体化した後重合させた脂環式炭化水素系樹脂、環状ジエン化合物(シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ジペンテンなど)の重合体又はその水素添加物、下記の芳香族系炭化水素樹脂や脂肪族・芳香族系石油樹脂の芳香環を水素添加した脂環式炭化水素系樹脂など]、芳香族系炭化水素樹脂[炭素数が8〜10であるビニル基含有芳香族系炭化水素(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、メチルインデンなど)の重合体など]、脂肪族・芳香族系石油樹脂(スチレン−オレフィン系共重合体など)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂などが挙げられる。
粘着付与樹脂としては、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂を好適に用いることができ、特にロジン系粘着付与樹脂(中でも、重合ロジンエステル等のロジンエステル系樹脂)が好適である。
本発明では、最外粘着剤において、粘着付与樹脂の割合としては、特に制限されないが、例えば、最外粘着剤がアクリル系粘着剤である場合、アクリル系粘着剤中のベースポリマーとしてのアクリル系ポリマー[アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B2)など]100重量部に対して5〜35重量部(好ましくは10〜30重量部、さらに好ましくは15〜25重量部)の範囲から適宜選択することができる。粘着付与樹脂の割合が、アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B2)等のアクリル系ポリマー100重量部に対して5重量部未満であると、耐反発性や凝集力が低下し、一方、35重量部を超えていると、凝集力が高くなりすぎることにより粘着力が低下し、何れの場合も望ましくない。
また、最外粘着剤において、低分子量ポリマー成分としては、重量平均分子量が3000以上20000未満である低分子量ポリマー成分であれば特に制限されないが、特に、ホモポリマーを形成した際のガラス転移温度(Tg)が60〜190℃であり且つ分子内に環状構造を有するエチレン性不飽和単量体(「Tg60〜190℃環含有エチレン性不飽和単量体」と称する場合がある)をモノマー主成分として含有している低分子量ポリマー成分を好適に用いることができる。ここで、Tg60〜190℃環含有エチレン性不飽和単量体において、ホモポリマーを形成した際のガラス転移温度(Tg)は、以下の「Tg測定方法」により得られる値である。
(Tg測定方法)
温度計、攪拌機、窒素導入管および環流冷却管を備えた反応器に、モノマー成分(すなわち、Tg60〜190℃環含有エチレン性不飽和単量体):100重量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部、及び重合溶媒としての酢酸エチル:200重量部を投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌する。このようにして、重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し10時間反応させる。次いで、室温まで冷却し、固形分濃度33重量%のホモポリマー溶液を得る。次いで、このホモポリマー溶液を剥離ライナー上に流延塗布し、乾燥して厚さ約2mmの試験サンプル(シート状のホモポリマー)を作製する。そして、この試験サンプルを直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートで挟み込み、粘弾性試験機(装置名「ARES」レオメトリックス社製)を用いて、周波数1Hzのせん断歪を与えながら、温度領域−70℃〜150℃で、5℃/分の昇温速度で、且つせん断モードで粘弾性を測定し、損失正接(tanδ)の極大値温度を求め、該損失正接の極大値温度をガラス転移温度(Tg)とする。
低分子量ポリマー成分において、Tg60〜190℃環含有エチレン性不飽和単量体としては、ホモポリマーを形成した際のTgが60〜190℃となり、且つ分子内に環状構造を有するエチレン性不飽和単量体であれば特に制限されない。このようなTg60〜190℃環含有エチレン性不飽和単量体における環としては、芳香族性環、非芳香族性環のいずれであってもよいが、非芳香族性環が好適である。なお、前記芳香族性環としては、例えば、芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環や、ナフタレン等における縮合炭素環など)や、各種芳香族性複素環などが挙げられる。また、前記非芳香族性環としては、非芳香族性脂環式環(シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環などのシクロアルカン環;シクロヘキセン環などのシクロアルケン環など)、非芳香族性橋かけ環(例えば、ピナン、ピネン、ボルナン、ノルボルナン、ノルボルネンなどにおける二環式炭化水素環;アダマンタンなどにおける三環式炭化水素環の他、四環式炭化水素環などの橋かけ式炭化水素環など)などが挙げられる。
このようなTg60〜190℃環含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルや、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等の(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステルや、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステルなどの芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;スチレンや、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマーなどの分子内に環状構造を有するエチレン性不飽和単量体から、ホモポリマーを形成した際のガラス転移温度が60℃以上(好ましくは60〜190℃、さらに好ましくは63〜180℃)となるものを適宜選択して用いることができる。すなわち、前述のような環状構造を有するエチレン性不飽和単量体により形成されたホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が、60℃以上(好ましくは60〜190℃、さらに好ましくは63〜180℃)となるものを用いることができる。
本発明では、Tg60〜190℃環含有エチレン性不飽和単量体としては、特に、メタクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの非芳香族性環を有する(メタ)アクリル酸エステルが好適である。
モノマー主成分としてのTg60〜190℃環含有エチレン性不飽和単量体は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
低分子量ポリマー成分において、Tg60〜190℃環含有エチレン性不飽和単量体の割合は、モノマー主成分として用いられているので、モノマー成分全量に対して、50重量%以上であることが重要であり、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。なお、Tg60〜190℃環含有エチレン性不飽和単量体の割合がモノマー成分全量に対して50重量%未満であると、耐反発性や凝集力が低下する。
低分子量ポリマー成分では、必要に応じて、Tg60〜190℃環含有エチレン性不飽和単量体に対して共重合が可能なモノマー成分(共重合性モノマー)が併用されていてもよい。なお、このような共重合性モノマーの割合は、全モノマー成分100重量部に対して50重量%未満の範囲で、モノマー成分の種類に応じて適宜選択することができるが、良好な粘着性を発現させるためには、低分子量ポリマー成分のガラス転移温度が60℃以上(好ましくは65〜180℃)となるような使用量であることが望ましい。なお、低分子量ポリマー成分のガラス転移温度が60℃未満であると、耐反発性や凝集力が低下する場合がある。このような共重合性モノマーは、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
低分子量ポリマー成分において、共重合性モノマーとしては、例えば、アクリル系ポリマー(A1)、アクリル系ポリマー(B1)やアクリル系ポリマー(B2)などにおいて例示の各種モノマー成分から適宜選択することができる。具体的には、共重合性モノマーとしては、例えば、炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸等の酸無水物系モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド等のアミド系モノマー;(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ含有モノマー;N−(メタ)アクリロイルモルホリン等の窒素原子含有環を有するモノマー;酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン等のオレフィン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル等のアルコキシ基含有モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマーなどが挙げられる。
低分子量ポリマー成分における共重合性モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマーが好適であり、特にアクリル酸を好適に用いることができる。
低分子量ポリマー成分は、アクリル系ポリマー(A1)、アクリル系ポリマー(B1)やアクリル系ポリマー(B2)などと同様に、公知乃至慣用の重合方法により調製することができる。低分子量ポリマー成分の重合方法としては、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法や紫外線照射による重合方法などが挙げられる。なお、低分子量ポリマー成分の重合に際しては、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤や溶剤など、それぞれの重合方法に応じた適宜な成分を、公知乃至慣用のものの中から適宜選択して使用することができる。
低分子量ポリマー成分の重量平均分子量は、3000以上20000未満であることが重要であり、好ましくは3050〜15000であり、特に3100〜9900であることが好ましい。低分子量ポリマー成分の重量平均分子量が3000未満であると、耐反発性や凝集力が低下し、一方、20000以上であると、ベースポリマー(アクリル系ポリマーなど)との相溶性が低下し、耐反発性や凝集力が低下する。
低分子量ポリマー成分の重量平均分子量は、重合開始剤や連鎖移動剤の種類やその使用量、重合の際の温度や時間の他、モノマー濃度、モノマー滴下速度などによりコントロールすることができる。なお、本発明において、低分子量ポリマー成分の重量平均分子量は、アクリル系ポリマー(A1)、アクリル系ポリマー(B1)やアクリル系ポリマー(B2)の場合と同様の条件により測定した。
本発明では、最外粘着剤において、低分子量ポリマー成分の割合としては、特に制限されないが、例えば、最外粘着剤がアクリル系粘着剤である場合、アクリル系粘着剤中のベースポリマーとしてのアクリル系ポリマー[アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B2)など]100重量部に対して10〜35重量部(好ましくは12〜33重量部、さらに好ましくは15〜30重量部)の範囲から適宜選択することができる。低分子量ポリマー成分の割合が、アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B2)等のアクリル系ポリマー100重量部に対して10重量部未満であると、耐反発性や凝集力が低下し、一方、35重量部を超えていると、凝集力が高くなりすぎることにより粘着力が低下し、何れの場合も望ましくない。
最外粘着剤中には、例えば、アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B2)等のアクリル系ポリマーと、粘着付与樹脂及び/又は低分子量ポリマー成分との他、必要に応じて各種添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、架橋剤、交叉結合剤、充填剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤などの公知の添加剤から適宜選択して用いることができる。
特に、本発明では、耐反発性の観点から、架橋剤が用いられていることが好ましい。架橋剤の使用量としては、特に制限されず、最外粘着剤層の目的とする架橋密度、架橋剤の種類や、ベースポリマーの種類(組成や重量平均分子量等)などに応じて適宜設定することができ、最外粘着剤層が優れた耐反発性を発揮できるような使用量であることが好ましい。具体的には、架橋剤の使用量としては、例えば、最外粘着剤がアクリル系粘着剤である場合、アクリル系ポリマー100重量部に対して、例えば0.01〜20重量部(好ましくは0.02〜10重量部)の範囲から選択することができる。
架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤の中から適宜選択することができ、例えば、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられ、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤を好適に用いることできる。具体的には、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤としては、粘着剤層(A)や粘着剤層(B)の項で例示のイソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤などが挙げられる。架橋剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、架橋剤を用いる代わりに、あるいは、架橋剤を用いるとともに、電子線や紫外線などの照射により架橋処理を施して、最外粘着剤層を形成することも可能である。
最外粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などが挙げられる。
最外粘着剤層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。また、最外粘着剤層の厚み(乾燥乃至硬化後の厚み)としては、例えば、5〜50μm(好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは10〜20μm)の範囲から適宜選択することができる。
[他の粘着剤層]
本発明の両面粘着テープ又はシートでは、基材の少なくとも一方の面に形成された多層粘着剤層において、最外粘着剤層と、粘着剤層(A)又は粘着剤層(B)との間や、粘着剤層(A)又は粘着剤層(B)と、基材との間には、必要に応じて、粘着剤層(A)および粘着剤層(B)以外の粘着剤層(「他の粘着剤層」と称する場合がある)が形成されていてもよい。すなわち、他の粘着剤層は任意に設けることができる。他の粘着剤層を形成するための粘着剤は、粘着剤層(A)および粘着剤層(B)を形成するための粘着剤以外の粘着剤であれば特に制限されず、公知の粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤など)の中から適宜選択することができる。粘着剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などのいずれの形態を有する粘着剤であってもよい。
このような他の粘着剤層は、単層の形態、積層された形態の何れの形態を有していてもよい。また、他の粘着剤層の厚みは特に制限されず、多層粘着剤層の全体の厚みに応じて適宜設定することができる。
[他面側粘着剤層]
本発明では、両面粘着テープ又はシートが、基材の一方の面のみに多層粘着剤層を有している場合、基材の他方の面には、単層構造の粘着剤層(「他面側粘着剤層」と称する場合がある)が形成されている。このような他面側粘着剤層を形成するための粘着剤(「他面側粘着剤」と称する場合がある)としては、特に制限されず、前記多層粘着剤層における最外粘着剤層、粘着剤層(A)または粘着剤層(B)を形成するための粘着剤と同様の粘着剤であってもよく、最外粘着剤層、粘着剤層(A)または粘着剤層(B)を形成するための粘着剤と異なる粘着剤であってもよい。本発明では、他面側粘着剤層は、多層粘着剤層における最外粘着剤層と同様の粘着剤層であることが好ましい。
従って、他面側粘着剤としては、アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B2)等のアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好適である。また、他面側粘着剤には、粘着付与樹脂や、低分子量ポリマー成分が含まれていることが好ましい。なお、粘着付与樹脂や低分子量ポリマー成分は、最外粘着剤層の項で例示したものなどが挙げられ、その含有量なども最外粘着剤層の場合と同様である。
他面側粘着剤中には、例えば、アクリル系ポリマー(A1)やアクリル系ポリマー(B2)等のアクリル系ポリマーと、粘着付与樹脂や低分子量ポリマー成分との他、必要に応じて各種添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、架橋剤、交叉結合剤、充填剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤などの公知の添加剤から適宜選択して用いることができる。
特に、本発明では、耐反発性の観点から、架橋剤が用いられていることが好ましい。架橋剤の使用量としては、特に制限されず、他面側粘着剤層の目的とする架橋密度、架橋剤の種類や、ベースポリマーの種類(組成や重量平均分子量等)などに応じて適宜設定することができ、他面側粘着剤層が優れた耐反発性を発揮できるような使用量であることが好ましい。具体的には、架橋剤の使用量としては、例えば、他面側粘着剤がアクリル系粘着剤である場合、アクリル系ポリマー100重量部に対して、例えば0.01〜20重量部(好ましくは0.02〜10重量部)の範囲から選択することができる。
架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤の中から適宜選択することができ、例えば、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられ、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤を好適に用いることできる。具体的には、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤としては、粘着剤層(A)や粘着剤層(B)の項で例示のイソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤などが挙げられる。架橋剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、架橋剤を用いる代わりに、あるいは、架橋剤を用いるとともに、電子線や紫外線などの照射により架橋処理を施して、他面側粘着剤層を形成することも可能である。
他面側粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などのいずれの形態を有する粘着剤であってもよい。
他面側粘着剤層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。また、他面側粘着剤層の厚み(乾燥乃至硬化後の厚み)としては、例えば、4〜100μm(好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは10〜40μm)の範囲から適宜選択することができる。
[両面粘着テープ又はシート]
本発明の両面粘着テープ又はシートは、基材の両面に粘着剤層が形成された構成を有する基材付き両面粘着テープ又はシートであり、基材の少なくとも一方の面側の粘着剤層が、粘着剤層(A)及び/又は粘着剤層(B)を最外粘着剤層以外の粘着剤層として有する多層粘着剤層となっている。従って、本発明の両面粘着テープ又はシートとしては、基材の両面に多層粘着剤層が形成された構成を有していてもよく、基材の一方の面に多層粘着剤層が形成され且つ基材の他方の面に他面側粘着剤層(単層構造の粘着剤層)が形成された構成を有していてもよい。なお、両面粘着テープ又はシートが、基材の両面に多層粘着剤層が形成された構成を有している場合、基材の両面に形成された多層粘着剤層は、同一の層構成を有する多層粘着剤層であってもよく、異なる層構成を有する多層粘着剤層であってもよい。
なお、本発明の両面粘着テープ又はシートは、透明な特性を有していてもよいが、少なくとも一方の面の反射率が60(%)以上となっている特性、及び/又は、透過率が0.3(%)以下となっている特性を有していることが好ましい。両面粘着テープ又はシートが、少なくとも一方の面の反射率が60(%)以上となっている特性を有している場合、反射率が60(%)以上となっている面における反射率としては、60(%)以上[例えば、60〜100(%)]であれば特に制限されないが、高ければ高いほど好ましい。両面粘着テープ又はシートにおいて、反射率が60(%)以上となっている面における反射率としては、好ましくは70(%)以上[さらに好ましくは80(%)以上]である。
なお、両面粘着テープ又はシートにおける所定の面の反射率(拡散反射率)(%)は、島津製作所製の分光光度計(装置名「MPS−2000」)を用いて、波長が550nmの光を両面粘着テープ又はシートの一方の面側(所定の面側)から照射して、前記光を照射した面で反射した光の強度を測定することにより求められる。
また、両面粘着テープ又はシートが、透過率が0.3(%)以下となっている特性を有している場合、両面粘着テープ又はシートの透過率としては、0.3(%)以下[0〜0.3(%)]であれば特に制限されないが、低ければ低いほど好ましい。両面粘着テープ又はシートの透過率としては、好ましくは0.1(%)以下[さらに好ましくは0.05(%)以下]であり、中でも0.03(%)以下[特に0.01(%)以下]であることが好適である。
なお、両面粘着テープ又はシートの透過率(%)は、日立製作所製の分光光度計(装置名「U4100型分光光度計」)を用いて、波長が550nmの光を両面粘着テープ又はシートの一方の面側から照射して、他方の面側に透過した光の強度を測定することにより求められる。
従って、本発明の両面粘着テープ又はシートでは、基材の少なくとも一方の面に形成された多層粘着剤層における各粘着剤層[最外粘着剤層、粘着剤層(A)や、粘着剤層(B)など]や、他面側粘着剤層は、透明な粘着剤層であってもよく、また、遮光性を有する粘着剤層(遮光性粘着剤層)や反射性を有する粘着剤層(反射性粘着剤層)であってもよい。多層粘着剤層は、すべての粘着剤層が透明な粘着剤層である場合、透明な多層粘着剤層となり、また、少なくとも1層の粘着剤層が遮光性粘着剤層である場合、遮光性を有する多層粘着剤層となり、さらにまた、少なくとも1層の粘着剤層が反射性粘着剤層である場合、反射性を有する多層粘着剤層となり、さらに、少なくとも1層の粘着剤層が遮光性粘着剤層であり且つ少なくとも1層の粘着剤層が反射性粘着剤層である場合、遮光性および反射性を有する多層粘着剤層となる。
なお、多層粘着剤層における各粘着剤層や、他面側粘着剤層は、遮光性層(遮光性粘着剤層)としての黒色層や、反射性層(反射性粘着剤層)としての白色層または銀色層である場合、呈している色に応じた色材(黒系色材、白系色材や、銀系色材など)を含有していてもよい。具体的には、例えば、遮光性粘着剤層は、黒系色材を含有していてもよく、また、シアン系色材、マゼンダ系色材およびイエロー系色材の混合色材を含有していてもよい。このような黒系色材、シアン系色材、マゼンダ系色材、イエロー系色材は、下記の遮光性層の項で例示の黒系色材、シアン系色材、マゼンダ系色材、イエロー系色材の中から適宜選択して用いることができる。また、例えば、反射性粘着剤層は、白系色材または銀系色材を含有していてもよく、このような白系色材や、銀系色材は、下記の反射性層の項で例示の白系色材や、銀系色材の中から適宜選択して用いることができる。
また、多層粘着剤層における各粘着剤層や、他面側粘着剤層は、遮光性層(遮光性粘着剤層)としての黒色層や、反射性層(反射性粘着剤層)としての白色層または銀色層でない場合、透明性を有する粘着剤層(透明粘着剤層)を好適に用いることができる。
本発明の両面粘着テープ又はシートは、いわゆる「携帯電話」等の電子機器における液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとの固定の際などで用いられる場合、適用される電子機器の電気的損傷を抑制又は防止する観点から、多層粘着剤層における各粘着剤層や、他面側粘着剤層(特に、表面が粘着面となる最外粘着剤層や、他面側粘着剤層)は、非導電性を有していることが好ましい。そのため、粘着剤層中に含有させる色材としては、非導電性を有する色材を用いることが望ましい。非導電性を有する色材としては、反射性層や遮光性層の項などで例示の各種色材の中から非導電性を有するものを適宜選択して用いることができる。例えば、非導電性を有し且つ遮光性を有する粘着剤層は、カーボンブラック等の導電性を有する黒系色材を用いずに、シアン系色材、マゼンダ系色材およびイエロー系色材の混合色材を用いることにより形成することができる。
本発明では、多層粘着剤層は、粘着剤層同士の間に[特に、最外粘着剤層と、粘着剤層(A)又は粘着剤層(B)との間に]、各粘着剤層中の成分の移行を抑制又は防止するバリア層が設けられていてもよい。すなわち、バリア層は、隣接する粘着剤層同士が直接的に接触しないように設けることができ、具体的には、最外粘着剤層と、粘着剤層(A)又は粘着剤層(B)との間にバリア層が設けられている場合、最外粘着剤層と、粘着剤層(A)又は粘着剤層(B)とが直接的に接触しないように設けることができる。このように、バリア層を設けることにより、経時で、一方の粘着剤層中の成分(粘着成分、粘着付与樹脂、低分子量ポリマー成分など)が、他方の粘着剤層に移行することを効果的に抑制又は防止することができる。そのため、両面粘着テープ又はシートは、バリア層が設けられていると、長期間にわたり、耐落下衝撃性や耐反発性を優れたレベルで保持して発揮することができる。
このようなバリア層としては、粘着剤層中の成分の移行を抑制又は防止することが可能な層であれば特に制限されず、例えば、樹脂製バリア層、金属製バリア層などが挙げられるが、樹脂製バリア層が好適である。なお、バリア層は単層、多層のいずれの形態を有していてもよい。
樹脂製バリア層としては、例えば、ポリエステル製バリア層(例えば、ポリエチレンテレフタレート製バリア層、ポリエチレンナフタレート製バリア層、ポリブチレンテレフタレート製バリア層、ポリブチレンナフタレート製バリア層など)、ポリオレフィン製バリア層(例えば、ポリエチレン製バリア層、ポリプロピレン製バリア層など)、スチレン系樹脂製バリア層、アクリル系樹脂製バリア層などが挙げられる。樹脂製バリア層としては、ポリエステル製バリア層が好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレート製バリア層が好適である。
バリア層の厚みとしては、特に制限されないが、例えば、0.1〜30μm(好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは1〜10μm)の範囲から適宜選択することができる。バリア層の厚みが0.1μm未満であると、各粘着剤層中の成分の移行を抑制又は防止する効果が低下し、一方、30μmを超えると、バリア層の物性が耐落下衝撃性に悪影響を及ぼす可能性がある。
樹脂製バリア層としては、樹脂製フィルム又はシートにより形成することができる。
バリア層の数は、特に制限されず、例えば、多層粘着剤層が3層以上の層構成を有している場合、バリア層は、各粘着剤層間にすべて設けられていてもよく、一部の各粘着剤層間のみに設けられていてもよい。なお、最外粘着剤層と、粘着剤層(A)又は粘着剤層(B)との間にバリア層を設けることにより、最外粘着剤層中の粘着付与樹脂や低分子量ポリマー成分(特に、低分子量ポリマー成分)が、経時で、粘着剤層(A)又は粘着剤層(B)に移行することを有効に抑制又は防止することができる。従って、最外粘着剤層と、粘着剤層(A)又は粘着剤層(B)との間にバリア層を設ける場合、最外粘着剤としては、隣接する粘着剤層[例えば、粘着剤層(A)や、粘着剤層(B)など]を形成するための粘着剤[アクリル系粘着剤(A)や、アクリル系粘着剤(B)など]におけるベースポリマー又はベースポリマー中のポリマー(特にポリマー主成分)と同様のポリマーをベースポリマーとする粘着剤でなくても、優れた耐反発性を発揮させることができる。
多層粘着剤層の総厚さ(基材の両面に多層粘着剤層が形成されている場合、片面側の多層粘着剤層の総厚さ)としては、特に制限されないが、例えば、5〜80μm(好ましくは10〜70μm、さらに好ましくは20〜60μm)の範囲から適宜選択することができる。
多層粘着剤層における各粘着剤層の形成方法や、他面側粘着剤層の形成方法は、特に制限されず、例えば、所定の面上に、粘着剤を塗布し、必要に応じて乾燥乃至硬化させる方法や、セパレータ(剥離ライナー)上に、粘着剤を塗布し、必要に応じて乾燥乃至硬化させて粘着剤層を形成した後、該粘着剤層を所定の面上に貼り合わせて転写させる方法などが挙げられる。なお、粘着剤の塗布に際しては、慣用の塗工機(例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなど)を用いることができる。
[基材]
本発明の両面粘着テープ又はシートは、基材の一方の面に、直接的に又は他の層(反射性層や遮光性層など)を介して、多層粘着剤層が形成され、且つ基材の他方の面に、直接的に又は他の層(反射性層や遮光性層など)を介して、多層粘着剤層又は他面側粘着剤層が形成された構成を有している。このような基材としては、プラスチック系基材、金属系基材、繊維系基材などのいずれの基材であってもよいが、精度、強度や薄さなどの観点から、プラスチック系基材を好適に用いることができる。プラスチック系基材の材質又は素材としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、フッ素系樹脂、ポリエーテル、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。これらの材質は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
基材は、単層、多層のいずれの形態を有していてもよい。
なお、基材は、遮光性層(遮光性基材)としての黒色層や、反射性層(反射性基材)としての白色層または銀色層である場合、呈している色に応じた色材(黒系色材、白系色材や、銀系色材など)を含有していてもよい。
また、基材は、遮光性層(遮光性基材)としての黒色層や、反射性層(反射性基材)としての白色層または銀色層でない場合、透明性を有する基材(透明基材)を好適に用いることができる。
基材中には、必要に応じて、例えば、充填剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の公知の添加剤などが含まれていてもよい。
基材の厚さとしては、特に制限されず、例えば1〜150μm(好ましくは2〜100μm、さらに好ましくは5〜50μm)の範囲から適宜選択することができる。
基材の形成方法は、特に制限されず、例えば、基材を構成する樹脂組成物を用いて、押出成型、インフレーション成型、カレンダ成型等の成型方法を利用してシート状に成型させる方法などが挙げられる。
[反射性層]
本発明の両面粘着テープ又はシートでは、一方の面の反射率が60(%)以上となっている場合、一方の面の反射率を60(%)以上にするための反射性層を有していることが重要である。反射性層としては、両面粘着テープ又はシートの所定の面の反射率を60(%)以上にすることが可能な反射率を有していることが重要である。従って、反射性層の反射率としては、両面粘着テープ又はシートの反射率と同様に、60(%)以上[60〜100(%)]であることが重要であり、好ましくは70(%)以上[さらに好ましくは80(%)以上]であり、中でも85(%)以上であることが好適である。
このような反射性層としては、反射性を発揮する層であればよく、例えば、粘着剤層、基材、インク層(印刷層等)などのいずれの層であってもよい。なお、反射性層は、両面粘着テープ又はシートの一方の面に照射された光を反射させるため、両面粘着テープ又はシートの一方の面の反射率が60(%)以上となるような形態で形成されていればよく、例えば、両面粘着テープ又はシートの一方の面に露出した形態で形成されていてもよく、透明性を有している層(例えば、透明な粘着剤層や、透明な基材など)の内面側に位置する形態で形成されていてもよい。なお、両面粘着テープ又はシートが、下記に示されるように遮光性層を有している場合、反射性層は、遮光性層に対して基材側の面に形成されていることが好ましい。
本発明では、反射性層としては、印刷層であることが好ましい。なお、反射性層としての印刷層(反射性印刷層)は、反射性を発揮することが可能なインク組成物により形成することができる。
このような反射性層としては、例えば、白色を呈している白色層や、銀色を呈している銀色層などが挙げられるが、白色を呈している白色層を好適に用いることができる。白色層において、白色とは、基本的には、L***表色系で規定されるL*が、87以上(87〜100)[好ましくは90以上(90〜100)、さらに好ましくは92以上(92〜100)]となる白色系色のことを意味している。なお、L***表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも、−10〜10(なかでも−5〜5)の範囲であることが好ましく、特に、両方とも、0又はほぼ0(−2〜2の範囲)であることが好適である。
また、銀色とは、基本的には、L***表色系で規定されるL*が、70〜90(好ましくは72〜88、さらに好ましくは75〜85)となる銀色系色のことを意味している。なお、L***表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも、−10〜10(なかでも−5〜5)の範囲であることが好ましく、特に、両方とも、0又はほぼ0(−2〜2の範囲)であることが好適である。
なお、本発明において、L***表色系で規定されるL*、a*、b*は、色彩色差計(商品名「CR−200」ミノルタ社製;色彩色差計)を用いて測定することにより求められる。なお、L***表色系は、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した色空間であり、CIE1976(L***)表色系と称される色空間のことを意味している。また、L***表色系は、日本工業規格では、JIS Z 8729に規定されている。
このような白色層や銀色層等の反射性層としては、例えば、色材として白系色材を主として含む白色系インク組成物や、色材として銀系色材を主として含む銀色系インク組成物により形成することができる。また、反射性層としては、白色系樹脂層(特に白色系フィルム層)や、銀色系樹脂層(特に銀色系フィルム層)であってもよい。このような白色系樹脂層は、白色系樹脂を含む樹脂組成物により形成された樹脂層や、白系色材を含む樹脂組成物により形成された樹脂層などが挙げられる。また、銀色系樹脂層は、銀系色材を含む樹脂組成物により形成された樹脂層などが挙げられる。
なお、白系色材や銀系色材としては、顔料、染料などのいずれの色材(着色剤)であってもよいが、顔料を好適に用いることができる。具体的には、白系色材としては、例えば、酸化チタン(ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタンなどの二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム,酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムなど)、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、硫化亜鉛、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、燐酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、加水ハロイサイト等の無機の白系色材や、アクリル系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、アミド系樹脂粒子、ポリカーボネート系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、尿素−ホルマリン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子等の有機の白系色材などが挙げられる。白系色材として、蛍光増白剤を用いることもでき、該蛍光増白剤としては、公知の蛍光増白剤から適宜選択することができる。白系色材は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、銀系色材としては、例えば、銀、アルミニウムなどが挙げられる。銀系色材は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
反射性層を形成するためのインク組成物(白色系インク組成物や銀色系インク組成物など)は、色材の他、必要に応じてバインダー、分散剤や溶剤などを含んでいる。なお、バインダーとしては、特に制限されず、例えば、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノキシ樹脂、メタクリル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂など)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、セルロース類(酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂など)、ポリアセタール等の公知の樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂など)などが挙げられる。バインダーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、白色系樹脂層(特に白色系フィルム層)や、銀色系樹脂層(特に銀色系フィルム層)を形成するための樹脂組成物における樹脂(白色系樹脂の他、透明な樹脂等の他の色の樹脂など)としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、フッ素系樹脂、ポリエーテル、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。なお、白系色材や銀系色材を用いる場合は、樹脂としては、透明な樹脂を用いることが好ましい。樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、反射性層において、銀色層は、銀やアルミニウムなどの銀色系色を呈することが可能な金属成分による蒸着法を利用しても形成することができる。蒸着法としては、減圧蒸着法(真空蒸着法)、物理スパッタリング法、化学スパッタリング法などを採用することができる。
反射性層は、単層、多層のいずれの形態を有していてもよいが、反射性をより一層高める観点から、多層の形態を有していることが好ましい。従って、両面粘着テープ又はシートは、多層構造の反射性層(特に、多層構造の白色層)を有していることが好ましい。なお、反射性層が多層の形態を有している場合、反射性層の層の数としては、2以上であればよく、例えば、2〜10の範囲から適宜選択することができ、好ましくは2〜6(さらに好ましくは2〜4、特に2)である。
なお、反射性層が多層の形態を有している場合、反射遮光性粘着テープ又はシートの反射率が60(%)以上となるように、各層の反射性層の反射率ではなく、多層の形態の反射性層全体での反射率を調整することが重要である。
反射性層の厚さ(反射性層が多層構造の場合は、多層構造の反射性層全体の厚さ)としては、特に制限されず、例えば、5〜150μm(好ましくは10〜100μm)の範囲から適宜選択することができる。なお、反射性層として、蒸着法により形成される銀色層の厚みとしては、特に制限されず、例えば、0.3〜2μm(好ましくは0.4〜1μm、さらに好ましくは0.4〜0.5μm)であってもよい。
本発明では、反射性層は、基材(すなわち、反射性基材)や粘着剤層(すなわち、反射性粘着剤層)であってもよいが、特に基材上に設けられた層[特に、基材と遮光性層との間に設けられた印刷層(反射性印刷層)]であることが好ましい。なお、反射性層が多層の形態を有している場合、多層の形態の反射性層に含まれる層として、反射性基材や反射性粘着剤層が含まれていてもよい。具体的には、反射性層の層構成としては、例えば、1層又は2層以上の反射性印刷層による層構成、反射性基材と、該反射性基材上に形成された1層又は2層以上の反射性印刷層とによる層構成、1層又は2層以上の反射性印刷層と、該反射性印刷層上に形成された反射性粘着剤層とによる層構成、反射性基材と、該反射性基材上に形成された1層又は2層以上の反射性印刷層と、該反射性印刷層上に形成された反射性粘着剤層とによる層構成などが挙げられる。
また、反射性層は、白色層と銀色層とによる多層の形態を有していてもよい。このように、反射性層が白色層と銀色層とを有している場合、白色層および銀色層のうち少なくとも一方の層は、反射性基材や反射性粘着剤層であってもよい。
反射性層の形成方法は、特に制限されず、反射性層の種類や層構成などに応じて、公知の反射性層の形成方法の中から適宜選択することができる。具体的には、反射性層が、例えば、インク組成物により形成され且つ基材上に設けられた反射性印刷層である場合、反射性印刷層の形成方法としては、反射性印刷層を形成するためのインク組成物を、基材上に塗布し、必要に応じて乾燥などを行う方法や、各種印刷法(グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法など)を利用した方法などが挙げられる。また、反射性層が銀色層である場合、前述のように、蒸着法を利用した方法によっても、反射性層としての銀色層を形成することができる。さらにまた、反射性層がプラスチック材により形成された反射性基材である場合、反射性基材を形成するためのプラスチック組成物を用いて、押出成型、インフレーション成型、カレンダ成型等の成型方法を利用してシート状に成型させる方法などが挙げられる。もちろん、反射性層が、反射性基材を含む多層の反射性層である場合、前記方法を組み合わせた方法を利用することにより、反射性層を形成することができる。
(遮光性層)
本発明の両面粘着テープ又はシートでは、透過率が0.3(%)以下となっている場合、反射遮光性粘着テープ又はシートの透過率を0.3(%)以下にするための遮光性層を有していることが重要である。遮光性層としては、両面粘着テープ又はシートの透過率を0.3(%)以下にすることが可能な透過率を有していることが重要である。従って、遮光性層の透過率としては、両面粘着テープ又はシートの透過率と同様に、0.3(%)以下[0〜0.3(%)]であることが重要であり、好ましくは0.1(%)以下[さらに好ましくは0.05(%)以下]であり、中でも0.03(%)以下[特に0.01(%)以下]であることが好適である。
なお、遮光性層の透過率は、両面粘着テープ又はシートの透過率に相当(又は一致)するので、両面粘着テープ又はシートより遮光性層を分離させて取り出さなくても、両面粘着テープ又はシートの透過率を測定することにより、遮光性層の透過率を求めることができる。
このような遮光性層としては、遮光性を発揮する層であればよく、例えば、粘着剤層、基材、インク層(印刷層等)などのいずれの層であってもよい。本発明では、遮光性層としては、印刷層(特に、基材と粘着剤層との間に形成された印刷層)であることが好ましい。なお、遮光性層としての印刷層(遮光性印刷層)は、遮光性を発揮することが可能なインク組成物により形成することができる。
本発明では、遮光性層としては、黒色を呈している黒色層が好適である。黒色層において、黒色とは、基本的には、L***表色系で規定されるL*が、35以下(0〜35)[好ましくは30以下(0〜30)、さらに好ましくは25以下(0〜25)]となる黒色系色のことを意味している。なお、L***表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも、−10〜10(なかでも−5〜5)の範囲であることが好ましく、特に、両方とも、0又はほぼ0(−2〜2の範囲)であることが好適である。
このような黒色層等の遮光性層は、例えば、色材として黒系色材を主として含む黒色系インク組成物や、シアン系色材(青緑系色材)、マゼンダ系色材(赤紫系色材)およびイエロー系色材(黄系色材)が混合された混合インク組成物などにより形成することができる。また、黒色層等の遮光性層は、シアン系色材を主として含むシアン系インク組成物による層と、マゼンダ系色材を主として含むマゼンダ系インク組成物による層と、イエロー系色材を主として含むイエロー系インク組成物による層との多層構造により構成されていてもよい。さらにまた、遮光性層は、黒色系樹脂層(特に黒色系フィルム層)であってもよく、黒色系樹脂層は、黒系色材を含む樹脂組成物により形成された樹脂層などが挙げられる。
なお、これらの各色材としては、顔料、染料などのいずれの色材(着色剤)であってもよいが、顔料を好適に用いることができる。
具体的には、黒系色材としては、例えば、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなど)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライトなど)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などが挙げられる。黒系色材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
シアン系色材において、顔料(シアン系顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同17:1、同18、同22、同25、同56、同60、同63、同65、同66;C.I.バットブルー4;同60、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。また、シアン系色材において、染料(シアン系染料)としては、例えば、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95;C.I.アシッドブルー6、同45などが挙げられる。
また、マゼンダ系色材において、顔料(マゼンダ系顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同42、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49、同49:1、同50、同51、同52、同52:2、同53:1、同54、同55、同56、同57:1、同58、同60、同60:1、同63、同63:1、同63:2、同64、同64:1、同67、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同92、同101、同104、同105、同106、同108、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同146、同147、同149、同150、同151、同163、同166、同168、同170、同171、同172、同175、同176、同177、同178、同179、同184、同185、同187、同190、同193、同202、同206、同207、同209、同219、同222、同224、同238、同245;C.I.ピグメントバイオレット3、同9、同19、同23、同31、同32、同33、同36、同38、同43、同50;C.I.バットレッド1、同2、同10、同13、同15、同23、同29、同35などが挙げられる。
また、マゼンダ系色材において、染料(マゼンダ系染料)としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同52、同58、同63、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同111、同121、同122;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、同13、同14、同21、同27;C.I.ディスパースバイオレット1;C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40;C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同7、同10、同14、同15、同21、同25、同26、同27、同28などが挙げられる。
さらにまた、イエロー系色材において、顔料(イエロー系顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、同43;C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同23、同24、同34、同35、同37、同42、同53、同55、同65、同73、同74、同75、同81、同83、同93、同94、同95、同97、同98、同100、同101、同104、同108、同109、同110、同113、同114、同116、同117、同120、同128、同129、同133、同138、同139、同147、同150、同151、同153、同154、同155、同156、同167、同172、同173、同180、同185、同195;C.I.バットイエロー1、同3、同20などが挙げられる。また、イエロー系色材において、染料(イエロー系染料)としては、例えばC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162などが挙げられる。
混合インク組成物において、シアン系色材、マゼンダ系色材、イエロー系色材は、それぞれ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、混合インク組成物中のシアン系色材、マゼンダ系色材およびイエロー系色材の混合割合(または配合割合)としては、黒色系色(例えば、L***表色系で規定されるL*、a*やb*が、前記範囲となる黒色系色)を呈することができれば特に制限されず、各色材の種類などに応じて適宜選択することができる。混合インク組成物中におけるシアン系色材、マゼンダ系色材およびイエロー系色材の各色材の含有割合は、例えば、色材の総量に対して、シアン系色材/マゼンダ系色材/イエロー系色材=10〜50重量%/10〜50重量%/10〜50重量%(好ましくは20〜40重量%/20〜40重量%/20〜40重量%)の範囲から適宜選択することができる。
このようなインク組成物(黒色系インク組成物や、混合インク組成物など)は、色材の他、必要に応じてバインダー、分散剤や溶剤などを含んでいる。なお、バインダーとしては、例えば、前記反射性層の項でインク組成物(白色系インク組成物や銀色系インク組成物など)中に含まれるバインダーとして例示のバインダーなどが挙げられる。
また、黒色系樹脂層(特に黒色系フィルム層)において、用いられる樹脂としては、例えば、前記反射性層の項で、白色系樹脂層(特に白色系フィルム層)や、銀色系樹脂層(特に銀色系フィルム層)を形成するための樹脂組成物における樹脂として例示の樹脂の中から、適宜な樹脂(特に、透明な樹脂)を選択して用いることができる。
本発明では、遮光性層は、単層、多層のいずれの形態を有していてもよいが、多層の形態を有していることが好ましい。従って、反射遮光性粘着テープ又はシートは、多層構造の遮光性層(特に、多層構造の黒色層)を有していることが好ましい。このように、遮光性層を多層構造とすることにより、より一層、遮光性層の遮光性を高めることができる。なお、遮光性層が多層の形態を有している場合、遮光性層の層の数としては、2以上であればよく、例えば、2〜10の範囲から適宜選択することができ、好ましくは3〜8(さらに好ましくは4〜6、特に4)である。
なお、遮光性層が多層の形態を有している場合、両面粘着テープ又はシートの透過率が0.3(%)以下となるように、各層の遮光性層の透過率ではなく、多層の形態の遮光性層全体での透過率を調整することが重要である。
遮光性層の厚さは特に制限されない。例えば、遮光性層が印刷層(遮光性印刷層)である場合、遮光性印刷層の厚さ(遮光性印刷層が多層構造の場合は、遮光性印刷層全体の厚さ)としては、0.5〜20μm(好ましくは3〜15μm、さらに好ましくは5〜10μm)の範囲から選択することができる。また、遮光性層が基材や粘着剤層である場合は、遮光性層の厚さとしては、前記に例示の基材の厚さや粘着剤層の厚さの範囲から選択することができる。
本発明では、遮光性層は、基材(すなわち、遮光性基材)や粘着剤層(すなわち、遮光性粘着剤層)であってもよいが、特に基材上に設けられた層[特に、基材と粘着剤層との間に設けられた印刷層(遮光性印刷層)]であることが好ましい。なお、遮光性層が多層の形態を有している場合、多層の形態の遮光性層に含まれる層として、遮光性基材や遮光性粘着剤層が含まれていてもよい。具体的には、遮光性層の層構成としては、例えば、1層又は2層以上の遮光性印刷層による層構成、遮光性基材と、該遮光性基材上に形成された1層又は2層以上の遮光性印刷層とによる層構成、1層又は2層以上の遮光性印刷層と、該遮光性印刷層上に形成された遮光性粘着剤層とによる層構成、遮光性基材と、該遮光性基材上に形成された1層又は2層以上の遮光性印刷層と、該遮光性印刷層上に形成された遮光性粘着剤層とによる層構成などが挙げられる。
遮光性層の形成方法は、特に制限されず、遮光性層の種類や層構成などに応じて、公知の遮光性層の形成方法の中から適宜選択することができる。具体的には、遮光性層が、例えば、インク組成物(例えば、黒色系インク組成物など)により形成され且つ基材と粘着剤層との間に設けられた遮光性印刷層である場合、遮光性印刷層を形成するためのインク組成物を、所定の面上に塗布し、必要に応じて乾燥などを行う方法や、各種印刷法(グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法など)を利用した方法などが挙げられる。
(他の層)
本発明の両面粘着テープ又はシートは、さらに、他の層を有していてもよい。両面粘着テープ又はシートが、例えば、遮光性層としての黒色層と、反射性層としての白色層又は銀色層とを有している場合、例えば、黒色層と白色層又は銀色層との間に、黒色の他、白色又は銀色以外の色を呈している層(特に、遮光性と、反射性とが、それぞれ、一方の側から他方の側にかけて段階的に変化させて調整させることが可能な反射遮光調整層)を有していてもよい。このように、他の層として、反射性層と遮光性層との間に反射遮光調整層を設けること(すなわち、反射性層、反射遮光調整層、遮光性層をこの順で形成すること)により、両面粘着テープ又はシートは、遮光性については、遮光性層側から反射性層側にかけて、反射性については、反射性層側から遮光性層側にかけて、段階的に発揮させることができる。
黒色、白色および銀色以外の色を呈している層において、黒色、白色および銀色以外の色としては、黒色、白色及び銀色以外の色であればいずれの色であってもよく、例えば、赤色、青色、黄色、緑色、黄緑色、橙色、紫色、灰色、金色などが挙げられる。なお、黒色及び白色以外の色としては、銀色や灰色であってもよく、また、黒色及び銀色以外の色としては、白色であってもよい。
本発明の両面粘着テープ又はシートは、前述のように、基材を有しているので、基材付きタイプの両面粘着テープ又はシートとしての形態を有している。両面粘着テープ又はシートは、基材と、前記基材の一方の面(片面)に形成された多層粘着剤層と、基材の他方の面に形成された多層粘着剤層又は他面側粘着剤層とを有しており、さらに、少なくとも一方の面の反射率が60(%)以上、及び/又は、透過率が0.3(%)以下の特性を有していることが好ましい。このような反射性及び/又は遮光性を有する両面粘着テープ又はシートとしては、例えば、多層粘着剤層や他面側粘着剤層等の粘着剤層が、反射性粘着剤層及び/又は遮光性粘着剤層となっている構成を有する両面粘着テープ又はシート、基材が反射性基材及び/又は遮光性基材となっている構成を有する両面粘着テープ又はシート、基材と粘着剤層(多層粘着剤層又は他面側粘着剤層)との間に、反射性層及び/又は遮光性層を有している構成を有する両面粘着テープ又はシート、これらを組み合わせた構成を有する両面粘着テープ又はシートなどが挙げられる。
なお、本発明の両面粘着テープ又はシートは、シート状のものが積層された形態を有していてもよく、ロール状に巻回された形態を有していてもよい。
また、両面粘着テープ又はシートにおいて、多層粘着剤層や他面側粘着剤層の表面は、公知のセパレータ(剥離ライナー)により保護されていてもよい。
本発明の両面粘着テープ又はシートは、一方の面の反射率が60(%)以上である場合、反射性を有する両面粘着テープ又はシート(反射性両面粘着テープ又はシート)として好適に利用することができ、また、透過率が0.3(%)以下である場合、遮光性を有する両面粘着テープ又はシート(遮光性両面粘着テープ又はシート)として好適に利用することができ、さらに、一方の面の反射率が60(%)以上であり且つ透過率が0.3(%)以下である場合、反射性および遮光性を有する両面粘着テープ又はシート(反射性・遮光性両面粘着テープ又はシート)として好適に利用することができる。このように、本発明の両面粘着テープ又はシートは、少なくとも一方の面の反射率が60(%)以上、及び/又は、透過率が0.3(%)以下である場合、少なくとも一方の面の反射率が60(%)以上、及び/又は、透過率が0.3(%)以下の特性を有する反射性及び/又は遮光性を有する両面粘着テープ又はシート(「反射遮光性両面粘着テープ又はシート」と称する場合がある)として好適に用いることができる。
従って、本発明の両面粘着テープ又はシートは、反射遮光性両面粘着テープ又はシートである場合、いわゆる「携帯電話」や、いわゆる「PDA」等で用いられている液晶表示装置(LCD)(特に、小型の液晶表示装置)などにおける液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとの固定に用いられる反射遮光性両面粘着テープ又はシート(反射性両面粘着テープ又はシート、遮光性両面粘着テープ又はシート、反射性・遮光性両面粘着テープ又はシート)として、有用である。
また、本発明の液晶表示装置は、液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとを有しており、液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとが、前記両面粘着テープ又はシート(特に、反射遮光性両面粘着テープ又はシート)により固定された構成を有している。なお、前記両面粘着テープ又はシートが、一方の面の反射率が60(%)未満であり、他方の面の反射率が60(%)以上である場合、反射率が60(%)未満となっている側の面が液晶表示モジュールユニット側に位置し、反射率が60(%)以上となっている側の面がバックライトユニット側に位置していてもよく、反射率が60(%)未満となっている側の面がバックライトユニット側に位置し、反射率が60(%)以上となっている側の面が液晶表示モジュールユニット側に位置していてもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(アクリル系ポリマーの調製例1)
2−エチルヘキシルアクリレート:95重量部、アクリル酸:5重量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部および重合溶媒として酢酸エチル:186.1重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして、重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し、10時間反応させ、固形分濃度が35重量%のアクリル系ポリマーを含む溶液を得た。なお、この溶液中のアクリル系ポリマーは、重量平均分子量が120万であり、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−20℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.2である。
(アクリル系ポリマーの調製例2)
2−エチルヘキシルアクリレート:85重量部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(平均繰り返し数n=2)モノアクリレート:15重量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部および重合溶媒として酢酸エチル:185重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして、重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し、10時間反応させ、固形分濃度が35重量%のアクリル系ポリマーを含む溶液を得た。なお、この溶液中のアクリル系ポリマーは、重量平均分子量が100万であり、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−44℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.8である。
(アクリル系ポリマーの調製例3)
n−ブチルアクリレート:95重量部、アクリル酸:5重量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部および重合溶媒として酢酸エチル:185重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして、重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し、10時間反応させ、固形分濃度が35重量%のアクリル系ポリマーを含む溶液を得た。なお、この溶液中のアクリル系ポリマーは、重量平均分子量が70万であり、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−23℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが2.0である。
(低分子量ポリマー成分の調製例1)
シクロヘキシルメタクリレート:95重量部、アクリル酸:5重量部、2−メルカプトエタノール:1.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部および重合溶媒としてトルエン:100重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして、重合系内の酸素を除去した後、70℃に昇温し、3時間反応させ、更に75℃で2時間反応させて、固形分濃度が50重量%の低分子量ポリマー成分を含む溶液を得た。なお、この溶液中の低分子量ポリマー成分は、重量平均分子量が3500である。
(実施例1)
アクリル系ポリマーの調製例1により得られたアクリル系ポリマーを含む溶液:100重量部(固形分)に対して、粘着付与樹脂である商品名「ペンセルD−125」(荒川化学工業社製;重合ロジンエステル系粘着付与樹脂):25重量部、エポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」(三菱瓦斯化学社製):0.05重量部、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1重量部を添加して、アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤(1a)」と称する場合がある)を調製した。このアクリル系粘着剤(1a)は、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−7℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.5である。
また、アクリル系ポリマーの調製例1により得られたアクリル系ポリマーを含む溶液:100重量部(固形分)に対して、シリコーンゴム微粒子(商品名「トレフィル E−600」東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製):10重量部、エポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」(三菱瓦斯化学社製):0.02重量部、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1重量部を添加して、アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤(1b)」と称する場合がある)を調製した。このアクリル系粘着剤(1b)は、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−20℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.1である。
厚さが12μmの白色の基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の一方の面に、アクリル系粘着剤(1b)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが25μmのアクリル系粘着剤(1b)層を形成した後、該アクリル系粘着剤(1b)層上に、アクリル系粘着剤(1a)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが10μmのアクリル系粘着剤(1a)層を形成し、その後、該アクリル系粘着剤層(1a)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせ、さらに、前記白色の基材の他方の面に、前記と同様にして、アクリル系粘着剤(1b)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが25μmのアクリル系粘着剤(1b)層を形成した後、該アクリル系粘着剤(1b)層上に、アクリル系粘着剤(1a)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが10μmのアクリル系粘着剤(1a)層を形成し、その後、該アクリル系粘着剤層(1a)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせて、多層粘着剤層[アクリル系粘着剤(1a)層/アクリル系粘着剤(1b)層]/白色の基材/多層粘着剤層[アクリル系粘着剤(1b)層/アクリル系粘着剤(1a)層]の層構成を有する両面粘着テープ又はシートを得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして、アクリル系粘着剤(1a)を調製した。このアクリル系粘着剤(1a)は、前述のように、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−7℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.5である。
また、アクリル系ポリマーの調製例1により得られたアクリル系ポリマーを含む溶液:70重量部(固形分)と、アクリル系ポリマーの調製例2により得られたアクリル系ポリマーを含む溶液:30重量部(固形分)とのアクリル系ポリマー混合物:100重量部(固形分)に対して、エポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」(三菱瓦斯化学社製):0.03重量部、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1重量部を添加して、アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤(1c)」と称する場合がある)を調製した。このアクリル系粘着剤(1c)は、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−28℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.2である。
実施例1と同様の厚さが12μmの白色の基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の一方の面に、アクリル系粘着剤(1c)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが25μmのアクリル系粘着剤(1c)層を形成した後、該アクリル系粘着剤(1c)層上に、アクリル系粘着剤(1a)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが10μmのアクリル系粘着剤(1a)層を形成し、その後、該アクリル系粘着剤層(1a)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせ、さらに、前記白色の基材の他方の面に、前記と同様にして、アクリル系粘着剤(1c)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが25μmのアクリル系粘着剤(1c)層を形成した後、該アクリル系粘着剤(1c)層上に、アクリル系粘着剤(1a)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが10μmのアクリル系粘着剤(1a)層を形成し、その後、該アクリル系粘着剤層(1a)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせて、多層粘着剤層[アクリル系粘着剤(1a)層/アクリル系粘着剤(1c)層]/白色の基材/多層粘着剤層[アクリル系粘着剤(1c)層/アクリル系粘着剤(1a)層]の層構成を有する両面粘着テープ又はシートを得た。
(実施例3)
アクリル系ポリマーの調製例3により得られたアクリル系ポリマーを含む溶液:100重量部(固形分)に対して、低分子量ポリマー成分の調製例1により得られた低分子量ポリマー成分を含む溶液:25重量部(固形分)、エポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」(三菱瓦斯化学社製):0.07重量部、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1重量部を添加して、アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤(1d)」と称する場合がある)を調製した。このアクリル系粘着剤(1d)は、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−3℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが2.0である。
実施例2と同様にして、アクリル系粘着剤(1c)を調製した。このアクリル系粘着剤(1c)は、前述のように、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−28℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.2である。
実施例1と同様の厚さが12μmの白色の基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の一方の面に、アクリル系粘着剤(1c)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが20μmのアクリル系粘着剤(1c)層を形成した後、該アクリル系粘着剤(1c)層上に、アクリル系粘着剤(1d)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが5μmのアクリル系粘着剤(1d)層を形成し、その後、該アクリル系粘着剤層(1d)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせ、さらに、前記白色の基材の他方の面に、アクリル系粘着剤(1d)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが25μmのアクリル系粘着剤(1d)層を形成した後、該アクリル系粘着剤層(1d)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせて、多層粘着剤層[アクリル系粘着剤(1d)層/アクリル系粘着剤(1c)層]/白色の基材/アクリル系粘着剤(1d)層(単層構造の粘着剤層)の層構成を有する両面粘着テープ又はシートを得た。
(比較例1)
実施例1と同様にして、アクリル系粘着剤(1a)を調製した。このアクリル系粘着剤(1a)は、前述のように、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−7℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.5である。
実施例1と同様の厚さが12μmの白色の基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の一方の面に、アクリル系粘着剤(1a)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが35μmのアクリル系粘着剤(1a)層を形成した後、該アクリル系粘着剤層(1a)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせ、さらに、前記白色の基材の他方の面に、前記と同様にして、アクリル系粘着剤(1a)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが35μmのアクリル系粘着剤(1a)層を形成した後、該アクリル系粘着剤層(1a)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせて、アクリル系粘着剤(1a)層(単層構造の粘着剤層)/白色の基材/アクリル系粘着剤(1a)層(単層構造の粘着剤層)の層構成を有する両面粘着テープ又はシートを得た。
(比較例2)
実施例1と同様にして、アクリル系粘着剤(1b)を調製した。このアクリル系粘着剤(1b)は、前述のように、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−20℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.1である。
実施例1と同様の厚さが12μmの白色の基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の一方の面に、アクリル系粘着剤(1b)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが25μmのアクリル系粘着剤(1b)層を形成した後、該アクリル系粘着剤層(1b)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせ、さらに、前記白色の基材の他方の面に、前記と同様にして、アクリル系粘着剤(1b)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが25μmのアクリル系粘着剤(1b)層を形成した後、該アクリル系粘着剤層(1b)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせて、アクリル系粘着剤(1b)層(単層構造の粘着剤層)/白色の基材/アクリル系粘着剤(1b)層(単層構造の粘着剤層)の層構成を有する両面粘着テープ又はシートを得た。
(比較例3)
実施例1と同様にして、アクリル系粘着剤(1a)を調製した。このアクリル系粘着剤(1a)は、前述のように、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−7℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.5である。
また、アクリル系ポリマーの調製例2により得られたアクリル系ポリマーを含む溶液:100重量部(固形分)に対して、エポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」(三菱瓦斯化学社製):0.04重量部、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1重量部を添加して、アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤(1e)」と称する場合がある)を調製した。このアクリル系粘着剤(1e)は、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−44℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.8である。
実施例1と同様の厚さが12μmの白色の基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の一方の面に、アクリル系粘着剤(1e)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが25μmのアクリル系粘着剤(1e)層を形成した後、該アクリル系粘着剤(1e)層上に、アクリル系粘着剤(1a)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが10μmのアクリル系粘着剤(1a)層を形成し、その後、該アクリル系粘着剤層(1a)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせ、さらに、前記白色の基材の他方の面に、前記と同様にして、アクリル系粘着剤(1e)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが25μmのアクリル系粘着剤(1e)層を形成した後、該アクリル系粘着剤(1e)層上に、アクリル系粘着剤(1a)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが10μmのアクリル系粘着剤(1a)層を形成し、その後、該アクリル系粘着剤層(1a)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせて、多層粘着剤層[アクリル系粘着剤(1a)層/アクリル系粘着剤(1e)層]/白色の基材/多層粘着剤層[アクリル系粘着剤(1e)層/アクリル系粘着剤(1a)層]の層構成を有する両面粘着テープ又はシートを得た。
(比較例4)
実施例3と同様にして、アクリル系粘着剤(1d)を調製した。このアクリル系粘着剤(1d)は、前述のように、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−3℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが2.0である。
また、アクリル系ポリマーの調製例2により得られたアクリル系ポリマーを含む溶液:100重量部(固形分)に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):0.2重量部を添加して、アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤(1f)」と称する場合がある)を調製した。このアクリル系粘着剤(1f)は、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−44℃であり、且つ損失正接の極大値の大きさが1.8である。
実施例1と同様の厚さが12μmの白色の基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の一方の面に、アクリル系粘着剤(1f)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが25μmのアクリル系粘着剤(1f)層を形成した後、該アクリル系粘着剤(1f)層上に、アクリル系粘着剤(1)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが10μmのアクリル系粘着剤(1)層を形成し、その後、該アクリル系粘着剤層(1)層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせ、さらに、前記白色の基材の他方の面に、前記と同様にして、アクリル系粘着剤(1f)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが25μmのアクリル系粘着剤(1f)層を形成した後、該アクリル系粘着剤(1f)層上に、アクリル系粘着剤(1)を塗布し、乾燥又は硬化して、厚みが10μmのアクリル系粘着剤(1)層を形成し、その後、該アクリル系粘着剤()層上に、一方の面がシリコーン系剥離処理剤により剥離処理が施された構成を有しているセパレータを重ね合わせて、多層粘着剤層[アクリル系粘着剤(1)層/アクリル系粘着剤(1f)層]/白色の基材/多層粘着剤層[アクリル系粘着剤(1f)層/アクリル系粘着剤(1)層]の層構成を有する両面粘着テープ又はシートを得た。
(評価)
実施例1〜3及び比較例1〜4により得られた両面粘着テープ又はシートについて、耐反発性、耐落下衝撃性を、下記の(耐反発性の評価方法)、(耐落下衝撃性の評価方法)により評価した。評価結果は、それぞれ、表1の「耐反発性」、「耐落下衝撃性」の欄に示した。
(耐反発性の評価方法)
図1(a)で示されるように、ポリエチレンテレフタレートフィルム(幅10mm、長さ100mm、厚さ100μm)の一端に、商品名「APCFH1」(日東電工株式会社製;表面にハードコート剤によりコーティング処理が施されている;幅10mm、長さ10mm)を貼り合わせる。
また、図1(b)で示されるように、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム上の商品名「APCFH1」を、各実施例又は各比較例に係る両面粘着テープ又はシート(幅10mm、長さ3mm)を介して、ポリカーボネート製板(幅10mm、長さ30mm、厚さ2mm)上に、ポリエチレンテレフタレートフィルムおよび商品名「APCFH1」の端部がポリカーボネート製板の端部より20mmの位置となるように貼り合わせ、23℃で24時間静置させた。なお、この時、実施例3では、多層粘着剤層側の表面が、商品名「APCFH1」のハードコート層(ハードコート剤によるコーティング処理により形成された層)の表面に接触する形態で、各実施例又は各比較例に係る両面粘着テープ又はシートを介して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上の商品名「APCFH1」と、ポリカーボネート製板とを貼り合わせた。
この後、図2で示されるように、ポリエチレンテレフタレートフィルムをループ状に折り曲げ、ポリエチレンテレフタレートフィルムの端部がポリカーボネート製板の端部と一致するように、ポリエチレンテレフタレートフィルムをポリカーボネート製板に両面粘着テープで貼り合わせ、23℃で24時間静置させた。そして、ポリエチレンテレフタレートフィルムをループ状に折り曲げてポリカーボネート製板に貼り合わせてから、23℃で24時間経過後のポリエチレンテレフタレートフィルムの浮き距離(各実施例又は各比較例に係る両面粘着テープ又はシートを介して貼着された部分における浮き距離)を、デジタルマイクロスコープで測定し、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの浮き距離により耐反発性を評価した。
なお、図1〜2は、実施例の耐反発性の評価方法において、耐反発性を評価する際の方法を示す概略図である。具体的には、図1(a)は、ポリエチレンテレフタレートフィルムに、表面にハードコート剤によりコーティング処理が施された部材を貼り合わせた際の状態を示す概略断面図であり、図1(b)は、図1(a)で示される貼着物を、両面粘着テープ又はシートを介して、ポリカーボネート製板に貼り合わせた際の状態を示す概略断面図である。また、図2は、耐反発性を測定するために、ポリエチレンテレフタレートフィルムをループ状に折り曲げた際の状態を示す概略側面図である。図1〜2において、1はポリエチレンテレフタレートフィルム、2は商品名「APCFH1」、3はポリカーボネート製板、4は両面粘着テープ又はシートである。
(耐落下衝撃性の評価方法)
各実施例又は各比較例に係る両面粘着テープ又はシートを、図3(a)で示されるように、コの字形状に打ち抜いた。
また、図3(b)〜(c)で示されるように、ポリカーボネート製板(幅60mm、長さ80mm、厚さ2mm)の中央に、上記の打ち抜いた両面粘着テープ又はシートを貼り合わせた。なお、実施例3では、単層構造の粘着剤層側の表面と、ポリカーボネート製板の表面とが接触する形態で、両面粘着テープ又はシートをポリカーボネート製板に貼り合わせた。
一方、幅40mm、長さ45mm、厚さ2mmのポリカーボネート製板に、商品名「APCFH1」(日東電工株式会社製)を貼り合わせた。このポリカーボネート製板を、上記の打ち抜いた両面粘着テープ又はシートに、商品名「APCFH1」側の面が、打ち抜いた両面粘着テープ又はシートの上面に接触する形態で貼り合わせた。
この状態のサンプルを、23℃で24時間静置した後、図4で示されるような形状のホルダー中に固定し、図5で示されるように、23℃で、1mの高さから大理石上に垂直に落下させ(最大30回まで)、30回落下させても、剥がれない場合は、さらに、1.5mの高さから大理石上に垂直に落下させ(最大50回まで)、小さいサイズのポリカーボネート製板が大きいサイズのポリカーボネート製板から剥離した際の回数を求め、耐落下衝撃性を評価した。
なお、図3〜5は、実施例の耐落下衝撃性の評価方法において、耐落下衝撃性を評価する際の方法を示す概略図である。具体的には、図3(a)は、打ち抜いた両面粘着テープ又はシートの形状を示す概略図であり、図3(b)は、2枚のポリカーボネート製板が両面粘着テープ又はシートにより貼り合わせた際の概略上面図であり、図3(c)は、図3(b)の概略側面図である。また、図4は、耐落下衝撃性を測定するために、両面粘着テープ又はシートを介して貼り合わせた2枚のポリカーボネート製板を固定するためのホルダーの形状を示す概略図であり、図4(a)は、概略上面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるX−X線で切断した際の概略断面図であり、図4(c)は、図4(a)におけるY−Y線で切断した際の概略断面図である。さらに、図5は、耐落下衝撃性を測定するために、両面粘着テープ又はシートを介して貼り合わせた2枚のポリカーボネート製板が固定されているホルダーを1m又は1.5mの高さより落下させる際の形態を示す概略図である。図3〜4において、5はポリカーボネート製板、6は両面粘着テープ又はシート、7はポリカーボネート製板、8は商品名「APCFH1」、9はホルダー、9aは本体部、9bは係止具、9b1はネジ、10は大理石である。
なお、図4で示されるホルダー9において、本体部9aはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(いわゆる「ABS樹脂」)により形成されており、金属製の係止具9aにより、本体部9a中に、両面粘着テープ又はシートを介して貼り合わせた2枚のポリカーボネート製板を固定することができる。金属製の係止具9aによる固定に際しては、ネジ9b1が用いられる。また、ホルダー9の重量は100gである。
Figure 0004919730
表1より明らかなように、実施例1〜3に係る両面粘着テープ又はシートは、いずれも耐落下衝撃性が優れていることが確認された。従って、実施例に係る両面粘着テープ又はシートは、バックライトユニットと、液晶表示モジュールユニットとに貼着している状態で落下されても、液晶表示モジュールユニットを有効に保持することが可能である。
また、実施例1〜3に係る両面粘着テープ又はシートは、いずれも耐反発性が優れていることが確認された。従って、実施例に係る両面粘着テープ又はシートは、バックライトユニットと、液晶表示モジュールユニットとに、屈曲された状態のFPCが貼着していても、剥がれることなく、良好に貼着された状態を保持することが可能である。
一方、比較例1に係る両面粘着テープ又はシートは、基材の各面に形成された粘着剤層が、シリコーンゴム微粒子を含有しておらず、且つ損失正接(tanδ)の極大値における温度が−40℃以下のアクリル系ポリマー(B1)と、損失正接の極大値における温度が−40℃を超えるアクリル系ポリマー(B2)とのアクリル系ポリマー混合物をベースポリマーとしていない粘着剤による単層構造の粘着剤層であるので、耐反発性は優れているものの、耐落下衝撃性が低く、例えば、1mの高さからであっても、3回落下すると剥がれてしまった。また、比較例2に係る両面粘着テープ又はシートは、基材の各面に形成された粘着剤層が、シリコーンゴム微粒子を含有している粘着剤による単層構造の粘着剤層であるので、耐落下衝撃性は優れているものの、ポリカーボネート製板に対する接着性が低いため、耐反発性の評価では、経時で、小さな糸引き状態を経て剥がれてしまい、耐反発性が低い。
さらにまた、比較例3に係る両面粘着テープ又はシートは、基材の各面に形成された粘着剤層が、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−40℃以下のアクリル系ポリマーをベースポリマーとしている粘着剤による粘着剤層を基材側に有する多層粘着剤層であるので、耐落下衝撃性は優れているものの、多層粘着剤層のうち基材側の粘着剤層を形成するための粘着剤が、損失正接の極大値における温度が−40℃を超えるアクリル系ポリマーを含んでおらず、しかも、多層粘着剤層の最外粘着剤層と基材側の粘着剤層との層間強度が低いためか、耐反発性の評価では、経時で、粘着剤が大きく糸を引いた状態を経て剥がれてしまい、耐反発性が低い。
さらに、比較例4に係る両面粘着テープ又はシートは、基材の各面に形成された粘着剤層が、損失正接(tanδ)の極大値における温度が−40℃以下のアクリル系ポリマーをベースポリマーとしている粘着剤による粘着剤層を基材側に有する多層粘着剤層であるので、耐落下衝撃性は優れているものの、多層粘着剤層のうち基材側の粘着剤層を形成するための粘着剤が、損失正接の極大値における温度が−40℃を超えるアクリル系ポリマーを含んでおらず、しかも、該基材側の粘着剤層が低架橋のためか、耐反発性の評価では、経時で、粘着剤が大きく糸を引いた状態を経て剥がれてしまい、耐反発性が低い。
図1は、実施例の耐反発性の評価方法において、耐反発性を評価する際の方法を示す概略図であり、図1(a)は、ポリエチレンテレフタレートフィルムに、表面にハードコート剤によりコーティング処理が施された部材を貼り合わせた際の状態を示す概略断面図であり、図1(b)は、図1(a)で示される貼着物を、両面粘着テープ又はシートを介して、ポリカーボネート製板に貼り合わせた際の状態を示す概略断面図である。 図2は、実施例の耐反発性の評価方法において、耐反発性を評価する際の方法を示す概略図であり、耐反発性を測定するために、ポリエチレンテレフタレートフィルムをループ状に折り曲げた際の状態を示す概略側面図である。 図3は、実施例の耐落下衝撃性の評価方法において、耐落下衝撃性を評価する際の方法を示す概略図であり、図3(a)は、打ち抜いた両面粘着テープ又はシートの形状を示す概略図であり、図3(b)は、2枚のポリカーボネート製板が両面粘着テープ又はシートにより貼り合わせた際の概略上面図であり、図3(c)は、図3(b)の概略側面図である。 図4は、耐落下衝撃性を測定するために、両面粘着テープ又はシートを介して貼り合わせた2枚のポリカーボネート製板を固定するためのホルダーの形状を示す概略図であり、図4(a)は、概略上面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるX−X線で切断した際の概略断面図であり、図4(c)は、図4(a)におけるY−Y線で切断した際の概略断面図である。 図5は、実施例の耐落下衝撃性の評価方法において、耐落下衝撃性を評価する際の方法を示す概略図であり、耐落下衝撃性を測定するために、両面粘着テープ又はシートを介して貼り合わせた2枚のポリカーボネート製板を1m又は1.5mの高さより落下させる際の形態を示す概略図である。
符号の説明
1 ポリエチレンテレフタレートフィルム
2 商品名「APCFH1」
3 ポリカーボネート製板
4 両面粘着テープ又はシート
5 ポリカーボネート製板
6 両面粘着テープ又はシート
7 ポリカーボネート製板
8 商品名「APCFH1」
9 ホルダー
9a 本体部
9b 係止具
9b1 ネジ
10 大理石

Claims (7)

  1. 基材の両面に粘着剤層が形成された構成を有する両面粘着テープ又はシートであって、基材の少なくとも一方の面側に形成された粘着剤層が多層構造を有しており、且つ多層構造の粘着剤層が、下記の粘着剤層(A)及び/又は粘着剤層(B)を、最外層以外の層として有していることを特徴とする両面粘着テープ又はシート。
    粘着剤層(A):シリコーンゴム微粒子を含有しているアクリル系粘着剤による粘着剤層
    粘着剤層(B):損失正接(tanδ)の極大値における温度が−60〜−40℃のアクリル系ポリマー(B1)と、損失正接の極大値における温度が−40℃より高く且つ−5℃以下のアクリル系ポリマー(B2)とのアクリル系ポリマー混合物をベースポリマーとしており、上記アクリル系ポリマー混合物におけるアクリル系ポリマー(B1)とアクリル系ポリマー(B2)との割合が、アクリル系ポリマー(B1)/アクリル系ポリマー(B2)(重量比)=5/95〜95/5であるアクリル系粘着剤による粘着剤層
  2. 粘着剤層(B)において、損失正接の極大値における温度が−60〜−40℃のアクリル系ポリマー(B1)が、炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー主成分として含有し、且つホモポリマーを形成した際の損失正接の極大値における温度が70℃未満となるカルボキシル基含有モノマーを含有するモノマー混合物によるアクリル系ポリマーである請求項1記載の両面粘着テープ又はシート。
  3. 多層構造の粘着剤層における最外層が、粘着剤層(A)と隣接している場合、該粘着剤層(A)を形成するためのアクリル系粘着剤におけるベースポリマーと同様のアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤により形成されており、粘着剤層(B)と隣接している場合、該粘着剤層(B)を形成するためのアクリル系粘着剤における損失正接の極大値における温度が−40℃より高く且つ−5℃以下のアクリル系ポリマー(B2)と同様のアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤により形成されている請求項1又は2記載の両面粘着テープ又はシート。
  4. 多層構造の粘着剤層における最外層が、粘着付与樹脂、及び/又は、重量平均分子量が3000以上20000未満である低分子量ポリマー成分を含有している請求項1〜3の何れかの項に記載の両面粘着テープ又はシート。
  5. 少なくとも一方の面の反射率が60(%)以上、及び/又は、透過率が0.3(%)以下の特性を有している請求項1〜4の何れかの項に記載の両面粘着テープ又はシート。
  6. 液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとの固定に用いられる請求項1〜5の何れかの項に記載の両面粘着テープ又はシート。
  7. 液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとを有している液晶表示装置であって、液晶表示モジュールユニットと、バックライトユニットとが、請求項1〜6の何れかの項に記載の両面粘着テープ又はシートにより固定されていることを特徴とする液晶表示装置。
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