JP4919674B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
そのため、トレッドボリュームの低下を最小限に抑え、陸部剛性の低下を最小限に抑え、放熱面積を増やすべく、20mm以下の幅の細溝を該陸部に配設する技術が近年開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
(1) トレッド部に各トレッド端からそれぞれタイヤ赤道面に向かって延びる多数本のラグ溝を配設し、これらのラグ溝の終端位置をそれぞれ実質上タイヤ周方向に結ぶことによって形成される2本のタイヤ円周間のセンター部に20mm以下の幅の細溝が幅方向に配置される空気入りタイヤにおいて、センター部にタイヤ周方向に沿って延びる周方向浅溝を設けると共に、赤道を中心とするトレッド幅の25%の領域での周方向浅溝を除いてネガティブ率が8%以下であり、かつ、天然ゴム及び合成ゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種のゴム成分100質量部に対して、ダイポーラー窒素を含む部分Q、及び酸素又は硫黄を含む5員環状の窒素含有複素環部分Bを有する化合物を0.1〜30質量部配合すると共に、上記ダイポーラー窒素部分Qが、A1−C(A2)=N(A3)→O、A1−C≡N→O、及びA1−C≡N→N−A4の少なくとも1以上から選択され、該A1〜A4はそれぞれ異なっていても良い水素原子、炭素数が1〜20の範囲にあるアルキル基、及び炭素数が6〜20の範囲にあるアリール基(但し、芳香族環にはニトロ基、シアノ基、クロロ基、ブロモ基、アシル基、カルボニルアルキル基、アルキル基、及びアルコキシル基を有してよい。)の何れか1つから選択される基、又は連結鎖であり、上記化合物は、少なくともA1〜A4の1つ以上に上記窒素含有複素環部分Bが連結され、該B部分の窒素含有複素環がオキサゾリン又はチアゾリンから選択されるものからなるゴム組成物をタイヤ部材に使用してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
(2) 上記の化合物が、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−トリル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−トリル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−メトキシフェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−メトキシフェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトリルオキシド、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトリルオキシド、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトリルイミン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトリルイミン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトリルイミンの1以上のものからなる上記(1)記載の空気入りタイヤ。
(3) 周方向浅溝の溝深さは、前記ラグ溝深さの25%以下である上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4) 周方向浅溝の溝幅は、30〜50mmである上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
(5) 空気入りタイヤが建設車両用空気入りタイヤである上記(1)〜(4)の何れか一つに記載される空気入りタイヤ。
本発明において、「トレッド端」とは、空気入りタイヤをJATMA YEAR BOOK(2002年度版、日本自動車協会規格)に規定される標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プレイトーレディングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対する空気圧(最大空気圧)の100%を内圧として充填し、最大負荷の能力を負荷したときのタイヤ幅方向最外の接地部分を指す。なお、使用地又は製造地においてTRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態を示す建設車両用空気入りタイヤを示すものであり、図1はそのタイヤ径方向断面図、図2(A)及び(B)は夫々、トレッド部を示す平面図及びタイヤ径方向断面図である。
本発明の第1実施形態の建設車両用空気入りタイヤ10は、図1及び図2に示すように、両端部が夫々ビードコア11で折り返されたカーカス12を備えている。カーカス12は、1層又は複数層で構成される。
用いるゴム成分としては、天然ゴム及び合成ゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。合成ゴムとしては、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。特に共役ジェン系ゴムが好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、及びブチルゴムから少なくとも1種を適宜選択することが好ましい。特に好ましくは、SBRを選択することにより、耐摩耗性を更に向上させることができる。また、合成ゴムの総量は、上記変性共役ジエン系重合体を含めて、30〜100質量%の範囲で含めることが望ましい。
用いることができるカーボンブラックとしては、通常ゴム工業に用いられるものが使用できる。例えば、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを単独にまたは2種以上を混合して使用することができる。
好ましくは、本発明の効果の更なる向上の点から、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜200m2/g若しくはDBP吸油量が60〜200(cm3/100g)のものが望ましい。
シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、更なる分散確保の点から、1〜40質量部配合することが好ましく、特には、3〜30質量部の範囲であることが好ましい。
用いる上記化合物は、ダイポーラー窒素部分を含む限り、本発明の化合物に含まれるものである。特に好ましいダイポーラー窒素部分の具体的なものとしては、A1−C(A2)=N(A3)→O(ニトロン系)、A1−C≡N→O(ニトリルオキサイド系)、及びA1−C≡N→N−A4(ニトリルイミン系)の3つが挙げられる。これらのダイポーラー窒素部分Qは、ゴム成分等のポリマー中の二重結合部分と下記の反応式(1)〜(3)で示すように反応結合するものである。
上記化合物はB部分を有していることから、A1〜A4はB部分を連結する連結鎖となり得る。但し、A1〜A3の場合、A1のみの場合、又はA1及びA4の場合は、少なくとも1つ以上がB部分と連結しており、B部分が複数存在していても良い。尚、A1〜A4はそれぞれ異なるものであっても良く、同一のものであっても良い。
上述したようにB部分は、下記反応式(4)〜(15)の結合反応が起こり、カーボンブラック及びホワイトカーボン(シリカ)をゴム成分のポリマー中に均一に取り込むことができる。
また、他の化合物についても、他の開始物質及び中間物質を適宜選択することにより代表的な製造方法で製造することができる。
上記の化合物は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜30質量部の範囲で含む。特に、0.1〜5質量部の範囲で含むことが好ましい。化合物の配合量が0.1質量部未満では、低発熱化及び低ヒステリシスロス性の効果が十分でない。化合物の配合量が30質量部を超えると、著しいコストアップになり好ましくない。
このような化合物の作用により、ゴム組成物においてカーボンブラック及びシリカが十分に拡散される。その結果として、耐摩耗性に加えてトレッドゴムの低発熱性及び低ヒステリシスロス性を更に改善し、建設車両用空気入りタイヤとしての使用性能を更に高めるものとなる。
更に、本実施形態の空気入りタイヤ10では、ベルト層14のタイヤ径方向外側には、下記に詳述する特定構造となる溝を配設したトレッド部18を形成することにより、放熱性を高めることができるものとなる。
また、これらのラグ溝22、22……の終端位置をそれぞれ実質上タイヤ周方向に結ぶことによって形成される2本(図示符号15,15)のタイヤ円周間のタイヤセンター部Cには、タイヤ幅方向に略沿っている複数本の幅方向細溝24、24……が配置されている。そして、この幅方向細溝24は、タイヤ幅方向内側端がトレッド内(トレッド端Tよりもタイヤ幅方向内側)に終端すると共に、タイヤ幅方向外側端がラグ溝22の先端に接続するように形成されている。各ラグ溝22のタイヤ幅方向外側端は、トレッド端Tを超えてタイヤ幅方向外側へ排水可能となるように延設されている。
また、タイヤセンター部Cに配置された複数本の幅方向細溝24は、タイヤ幅方向内側端がトレッド内に終端している。これにより、陸部剛性の低下を抑えることにより耐摩耗性を向上させたトラクション性能に優れたタイヤとすることができる。その上、幅方向細溝24の本数を増やしても放熱性を高めたり、ラグ溝22から離れていて温度が最も高くなる位置に幅方向細溝24を配置して放熱性を高めたりすることができる。
特に、タイヤの扁平率が90%以下であると、ORタイヤ(建設車両用空気入りタイヤ)一般の95シリーズよりベルト張力負担が大きくなり、よりトレッド部の発熱が大きくなるため、本発明の空気入りタイヤはより有効となる。また、TRAに規定されているタイヤの荷重負荷能力対応表の最高速度に応じた係数が1.4以上であると、タイヤ空気容積対比の負荷が増えることによって、よりトレッド部の発熱が大きくなるため、本発明の空気入りタイヤはより有効となる。なお、上記構成のゴム組成物は、タイヤ部材に用いるものであり、特に、トレッドゴム、ベースゴムに適用することが望ましい。また、空気入りタイヤは、充填される気体に、空気、又は窒素などの不活性なガスを用いることができる。
図3は、本発明の第2実施形態を示す建設車両用空気入りタイヤのトレッド部を示す平面図である。
本第2実施形態の建設車両用空気入りタイヤは、第1実施形態に較べて、幅方向細溝24に変えて、図3に示すように幅方向細溝27がラグ溝22間に形成されている。
幅方向細溝27は、タイヤセンター部Cにタイヤ幅方向に略沿って配置されている。そして、この幅方向細溝27は、赤道上浅溝26を跨いでいて、両端部ともラグ溝22の終端に接続する構成となっている。
この第2実施形態の建設車両用空気入りタイヤでは、上述のゴム組成物を用いているので、タイヤトレッドでの発熱性を更に改善し、かつ、耐摩耗性を更に向上させることができ、しかも、第1実施形態のように幅方向細溝とラグ溝とを接続した構造となるので、更に、タイヤセンター部の放熱性を高めることができる建設車両用空気入りタイヤとすることができる。
図4は、本発明の第3実施形態を示す建設車両用空気入りタイヤのトレッド部を示す平面図である。
本第3実施形態の建設車両用空気入りタイヤは、第1実施形態に較べて、幅方向細溝24に変えて、図4に示すように幅方向細溝34がトレッド部に形成されている。
幅方向細溝34は、タイヤセンター部Cにタイヤ幅方向に略沿って配置されている。そして、この幅方向細溝34は、赤道上浅溝26を跨いでいて、両端部共トレッド内に終端していて、ラグ溝22には接続していない構成となっている。
この第3実施形態の建設車両用空気入りタイヤ28では、上述のゴム組成物を用いているので、タイヤトレッドでの発熱性を更に改善し、かつ、耐摩耗性を更に向上させることができ、仮に第1実施形態のように幅方向細溝とラグ溝とを接続した構造にすると、幅方向細溝とラグ溝とでトラクション力によって変形が異なって接続部位で応力集中により亀裂が生じるような大トラクション力を必要とするユーザーにとって大変有効な建設車両用空気入りタイヤとすることができる。
図5は、本発明の第4実施形態を示す建設車両用空気入りタイヤのトレッド部を示す平面図である。
本第4実施形態の建設車両用空気入りタイヤは、第1実施形態に較べ、図5に示すように、ラグ溝22の終端位置をタイヤ周方向に結んだ2本の直線に沿って夫々タイヤ周方向に延びる非赤道上細溝46が、更に配置されている。非赤道上細溝46の溝深さはラグ溝の溝深さの10〜25%の範囲内にされている。幅方向細溝34の両端は、非赤道上細溝46に繋がっている。
この第4実施形態の建設車両用空気入りタイヤでは、上述のゴム組成物を用いているので、タイヤトレッドでの発熱性を更に改善し、かつ、耐摩耗性を更に向上させることができ、しかも、横滑りを確保しかつ細溝により幅方向の剛性を落とさないことができる。
図6は、本発明の第5実施形態を示す建設車両用空気入りタイヤのトレッド部を示す平面図である。
本第5実施形態の建設車両用空気入りタイヤは、図6に示すように、第3実施形態と同様に、非赤道上細溝46が配置される手いる。また、赤道上浅溝26も配置されている。
本実施形態では、ラグ溝52は、第3実施形態のラグ溝22に較べて形状が異なっており、非赤道上細溝46に近づくほどラグ溝52の溝幅が細くなっている。ラグ溝52の終端は非赤道上細溝46に繋がっている。
また、第4実施形態で説明した幅方向細溝34に代えて幅方向細溝54がタイヤセンター部Cに形成されている。幅方向細溝54の両端は、非赤道上細溝46に繋がっている。また、幅方向細溝54は、非赤道上細溝46に近づくに従いタイヤ幅方向に対する傾斜角度が徐々に小さくなるい曲線状の溝に形成されている。
更に、タイヤ周方向に隣り合うラグ溝52の間には、タイヤ幅方向内側端が非赤道上細溝46に繋がる第二幅方向細溝56が形成されている。
この第5実施形態の建設車両用空気入りタイヤでは、上述のゴム組成物を用いているので、タイヤトレッドでの発熱性を更に改善し、かつ、耐摩耗性を更に向上させることができ、しかも、細溝によりブロック剛性の低下を最小限に抑制し、耐横滑りおよび耐トラクション方向滑りを確保することができる。
図7は、本発明の第6実施形態を示す建設車両用空気入りタイヤのトレッド部を示す平面図である。
本第6実施形態の建設車両用空気入りタイヤでは、第4実施形態に較べ、非赤道上細溝46に換えて、図7に示すように、タイヤ周方向に延びる非赤道上細溝66が形成されている。また、赤道上浅溝26も配置されている。
ラグ溝62は、第4実施形態のラグ溝22に較べて形状が異なっており、非赤道上細溝46の近くでは溝幅が細くなっている。そして、ラグ溝62の終端は非赤道上細溝46に繋がっている。
また、第5実施形態で説明した幅方向細溝34に代えて幅方向細溝64がタイヤセンター部Cに形成されている。幅方向細溝64の両端は、ラグ溝62のタイヤ幅方向内側端よりもタイヤ赤道CL側に位置しており、このため、非赤道上細溝66はタイヤ周方向にジグザグ状に延びている。なお、タイヤ周方向にジグザグ状に延びるとは、タイヤ周方向に対して傾斜している溝部分が、傾斜方向が互い違いになるように折り返しながらタイヤ周方向に延びることをいう。
この第6実施形態の建設車両用空気入りタイヤでは、上述のゴム組成物を用いているので、タイヤトレッドでの発熱性を更に改善し、かつ、耐摩耗性を更に向上させることができ、しかも、ジグザグ状に延びる細溝によって表面積がより大きくなるので、トレッド全体の温度低減が可能となる。このことは、直に高速度でタイヤを使用するユーザーに対して有効である。
本発明の発明を更に確かめるために、下記表1に示す配合組成により、タイヤトレッド部、ベース部となるタイヤ用部材を作製した。なお、下記表1中に示す4OPPN;4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン、4OPMN;4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロンは、下記製造方法により得た。
ここで「正規リム」とは、JATMAが発行する2004年度版のYEAR BOOKに定められた適用サイズにおける標準リムを指し、「正規荷重」及び「正規内圧」とは、同様に、JATMAが発行する2004年度版のYEAR BOOKに定められた適用サイズ・プライレーティングにおける最大荷重及び該最大荷重に対する空気圧を指す。なお、使用地又は製造地においてTRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
クロロホルム300mlに15.0gの4−ホルミル−ベンゾイルクロライド(1当量)を攪拌混合した溶液に、クロロホルム200mlに10.9gの2−アミノエタノール(2当量)を加えた溶液を−10℃下で滴下して加えた。この溶液を25℃に2時間おいた後、白色沈殿物が濾過により除かれた。濾液はロータリーエバポレータにより乾燥させ、17.4gの黄色液である4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンザミドを得た。
濃硫酸50mlに4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンザミド17.4gを攪拌しながら滴下し、混合物を100℃で1時間加熱した。この溶液に20%水酸化ナトリウム及びクロロホルムの各500mlを攪拌混合しながら滴下し、温度を15℃以下に維持した。生成層が分離され乾燥されて、6.3gの4−(2−オキサゾリル)−ベンズアルデヒドを得た。
4−(2−オキサゾリル)−ベンズアルデヒド(1当量、6.3g)とN−フェニル−ヒドロキシアミン(1当量、3.9g)との混合物を100mlのエタノール中で30分間還流して、50ml量に濃縮した。水50mlの同量を添加して、混合物を冷蔵庫に5℃にて一昼夜冷却した。濾過分離及び乾燥により白色結晶が得られ、6.7gの4−(2−オキサゾリル)−フェニル−N−フェニルニトロンを生成した。
クロロホルム300mlに4−ホルミル−ベンゾイルクロライド(15.0g、89mmol)を攪拌混合した溶液に、クロロホルム200mlに2−アミノエタノール(10.9g、178mmol)を加えた溶液を−10℃下で滴下して加えた。この溶液を25℃に2時間おいた後、白色沈殿物が濾過により除かれた。濾液はロータリーエバポレータにより乾燥させ、17g(88mmol)の黄色液である4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンズアミドを得た。
濃硫酸50mlに4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンザミド(17g、88mmol)を攪拌しながら滴下し、混合物を100℃で1時間加熱した。この溶液に20%水酸化ナトリウム液及びクロロホルムのそれぞれ500mlを混合し攪拌しながら滴下し、温度を15℃以下に維持した。生成層が分離され乾燥されて、6.3g(36mmol)の4−(2−オキサゾリル)−ベンズアルデヒド(収率41%)を得た。
4−(2−オキサゾリル)−ベンズアルデヒド(1当量、6.3g)とN−メチル−ヒドロキシアミン(1.7g、36mmol)との混合物を100mlのエタノール中で30分間還流して、50ml量に濃縮した。水50mlの同量を添加して、混合物を冷蔵庫に5℃にて一昼夜冷却した。濾過分離及び乾燥により白色結晶が得られ、5.1gの4−(2−オキサゾリル)−フェニル−N−メチルニトロン(収率69%)を生成した。
10km/hの速度・ステップロード条件のドラムシステムを実施し、トレッドの一定深さの位置の温度を測定し、比較例1を対照値(コントロール)100として、各例を指数で表示した。指数の値が大きい程、低発熱性に優れていることを示す。
190トンダンプの前輪に装着し、速度10km/hほぼ等速で100時間走行した後、トレッドを幅方向に8分割した各位置での残溝測定を行い、走行に要したゲージの平均値を摩耗量として算出した。そして、性能評価を行うあたり、比較例1における評価を指数100とし、他の比較例、実施例のタイヤについては相対評価となる指数を算出した。算出結果を下記表2に示す。この指数(耐摩耗指数)が大きいほど性能が高いことを示す。
クロロホルム300mlに15.0gの4−ホルミル−ベンゾイルクロライド(1当量)を攪拌混合した溶液に、クロロホルム200mlに10.9gの2−アミノエタノール(2当量)を加えた溶液を−10℃下で滴下して加えた。この溶液を25℃に2時間おいた後、白色沈殿物が濾過により除かれた。濾液はロータリーエバポレータにより乾燥させ、17.4gの黄色液である4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンザミドを得た。
濃硫酸50mlに4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンザミド17.4gを攪拌しながら滴下し、混合物を100℃で1時間加熱した。この溶液に20%水酸化ナトリウム及びクロロホルムの各500mlを攪拌混合しながら滴下し、温度を15℃以下に維持した。生成層が分離され乾燥されて、6.3gの4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−ベンズアルデヒドを得た。
4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−ベンズアルデヒド(1当量、6.3g)とN−フェニル−ヒドロキシアミン(1当量、3.9g)との混合物を100mlのエタノール中で30分間還流して、50ml量に濃縮した。水50mlの同量を添加して、混合物を冷蔵庫に5℃にて一昼夜冷却した。濾過分離及び乾燥により白色結晶が得られ、6.7gの4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニルニトロンを生成した。
クロロホルム300mlに4−ホルミル−ベンゾイルクロライド(15.0g、89mmol)を攪拌混合した溶液に、クロロホルム200mlに2−アミノエタノール(10.9g、178mmol)を加えた溶液を−10℃下で滴下して加えた。この溶液を25℃に2時間おいた後、白色沈殿物が濾過により除かれた。濾液はロータリーエバポレータにより乾燥させ、17g(88mmol)の黄色液である4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンズアミドを得た。
濃硫酸50mlに4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンザミド(17g、88mmol)を攪拌しながら滴下し、混合物を100℃で1時間加熱した。この溶液に20%水酸化ナトリウム液及びクロロホルムのそれぞれ500mlを混合し攪拌しながら滴下し、温度を15℃以下に維持した。生成層が分離され乾燥されて、6.3g(36mmol)の4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−ベンズアルデヒド(収率41%)を得た。
4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−ベンズアルデヒド(1当量、6.3g)とN−メチル−ヒドロキシアミン(1.7g、36mmol)との混合物を100mlのエタノール中で30分間還流して、50ml量に濃縮した。水50mlの同量を添加して、混合物を冷蔵庫に5℃にて一昼夜冷却した。濾過分離及び乾燥により白色結晶が得られ、5.1gの4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチルニトロン(収率69%)を生成した。
Claims (5)
- トレッド部に各トレッド端からそれぞれタイヤ赤道面に向かって延びる多数本のラグ溝を配設し、これらのラグ溝の終端位置をそれぞれ実質上タイヤ周方向に結ぶことによって形成される2本のタイヤ円周間のセンター部に20mm以下の幅の細溝が幅方向に配置される空気入りタイヤにおいて、センター部にタイヤ周方向に沿って延びる周方向浅溝を設けると共に、赤道を中心とするトレッド幅の25%の領域での周方向浅溝を除いてネガティブ率が8%以下であり、かつ、天然ゴム及び合成ゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種のゴム成分100質量部に対して、ダイポーラー窒素を含む部分Q、及び酸素又は硫黄を含む5員環状の窒素含有複素環部分Bを有する化合物を0.1〜30質量部配合すると共に、上記ダイポーラー窒素部分Qが、A1−C(A2)=N(A3)→O、A1−C≡N→O、及びA1−C≡N→N−A4の少なくとも1以上から選択され、該A1〜A4はそれぞれ異なっていても良い水素原子、炭素数が1〜20の範囲にあるアルキル基、及び炭素数が6〜20の範囲にあるアリール基(但し、芳香族環にはニトロ基、シアノ基、クロロ基、ブロモ基、アシル基、カルボニルアルキル基、アルキル基、及びアルコキシル基を有してよい。)の何れか1つから選択される基、又は連結鎖であり、上記化合物は、少なくともA1〜A4の1つ以上に上記窒素含有複素環部分Bが連結され、該B部分の窒素含有複素環がオキサゾリン又はチアゾリンから選択されるものからなるゴム組成物をタイヤ部材に使用してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
- 上記の化合物が、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−トリル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−トリル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−メトキシフェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−メトキシフェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトリルオキシド、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトリルオキシド、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトリルイミン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトリルイミン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトリルイミンの1以上のものからなる請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 周方向浅溝の溝深さは、前記ラグ溝深さの25%以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 周方向浅溝の溝幅は、30〜50mmである請求項1〜3の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 空気入りタイヤが建設車両用空気入りタイヤである請求項1〜4の何れか一つに記載される空気入りタイヤ。
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