JP6193086B2 - タイヤ用ゴム組成物及びランフラットタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそのゴム組成物から得られるサイドパッドを用いてなるランフラットタイヤに関するものである。
ランフラットタイヤは、パンク等の障害によりタイヤ内部の空気圧に低下が生じて空気圧がゼロになった場合にも、ある程度の距離を走行可能とした空気入りタイヤである。このようなランフラット走行を可能にするためのタイヤ構造の1つとして、サイドウォール部の内面を、サイドパッドと称される補強ゴム層により補強したものが知られている。
サイドパッドには、ランフラット走行時の耐久性を向上させるために、低発熱性や高い形状安定性が要求される。
ゴムの発熱性の改良には、一般にフィラーを減量すればよいが、その場合、補強性の低下が伴い、ランフラットタイヤのサイドパッド用には適さない。この問題に対して、例えば特許文献1では、加硫促進剤を2種類以上使用し、かつその少なくとも1種をスルフェンアミド系促進剤とすることが提案されている。しかし、その発熱性低減効果は十分ではなく、形状安定性については向上が見られない。
また、特許文献2には、ゴム・カーボンブラック用カップリング剤として、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド等の硫黄化合物が開示されており、これはある程度の発熱低減効果を有するものの、ランフラット用パッドゴムとしては形状安定性が十分ではない。
特開2002−155169号公報 特開2013−23610号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、低発熱性と形状安定性がともにより向上したランフラットタイヤが得られるタイヤ用ゴム組成物、及びその組成物を用いたランフラット走行時の走行距離がより長いランフラットタイヤを提供することを目的とする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記の課題を解決するために、ネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴム10〜90質量部を含むジエン系ゴム100質量部に対して、下記一般式(2)で表される硫黄化合物1〜30質量部を含有するものとする。
Figure 0006193086
但し、式(2)中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、AはNH、NR、O又はSを示し、Rは炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、xは1〜4の整数を示す。
上記本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラック30〜80質量部及び硫黄1〜15質量部を含有することが好ましい。
また本発明のゴム組成物は、変性ブタジエンゴムを、上記ネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムとの合計量でジエン系ゴム100質量部中10〜90質量部含むものとすることができる。
本発明のランフラットタイヤは、サイドウォール部のカーカスの内側に、上記本発明のゴム組成物で形成されたサイドパッドを有するものとする。
本発明のゴム組成物によれば、上記の通り、式(1)又は式(2)で表される化合物をネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムと所定の割合で併用することにより、低発熱性と、かつ形状安定性の指標としての圧縮永久歪み低減が顕著なランフラットタイヤ用サイドパッドが得られる。サイドパッドはサイドウォール部に占める断面積が多いことから、これを用いることにより、ランフラット走行時の走行距離を大きく延ばすことが可能になる。
実施形態に係るランフラットタイヤの半断面図である。
2…サイドウォール部、5…カーカス、9…サイドパッド、10…ランフラットタイヤ
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明で使用するジエン系ゴムは、ネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムを含有する。本発明のゴム組成物によれば、式(1)又は式(2)で表される硫黄化合物をネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムと併用することにより、低発熱性と圧縮永久歪み低減を両立させたゴムが得られる。これはカーボンブラック及び硫黄の分散性が顕著に向上することによると考えられる。
ネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムの配合量は、ジエン系ゴム100質量部中10〜90質量部が好ましく、50〜80量部がより好ましい。ネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムをこの範囲内で含有することにより、圧縮永久歪みの低減効果が優れたものとなる。
ここでネオジウム系触媒は、ネオジウム単体、ネオジウムと他の金属類との化合物、及びネオジウムを含む有機化合物のいずれでもよく、具体例としては、NdCl、Et−NdCl等が挙げられる。ネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムは、高シス含量でかつ低ビニル含量のミクロ構造を有するため、これをゴム組成物に配合することにより、コバルト系触媒等の他の触媒で合成されたブタジエンゴムでは得られない低発熱性能が得られると考えられる。ネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムのミクロ構造としては、シス−1,4結合含有量が96%以上かつビニル基(1,2−ビニル結合)含有量が1.0%以下であることが好ましい。ここで、シス−1,4結合含有量及びビニル基含有量は、H−NMRスペクトルの積分比により算出される値である。
上記ネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴム以外のジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴム、ブチルゴム(IIR)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。より好ましくは、NR、SBR、BR、又はこれらの2種以上のブレンドゴムである。
ジエン系ゴムとしては、分子末端又は分子鎖中に官能基を有する変性ジエン系ゴムも使用可能である。官能基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、スズ原子、ハロゲン原子などのヘテロ原子を含むものであり、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基、スズ含有基、及びハロゲンなどが挙げられる。これらはそれぞれ1種のみ導入されてもよく、あるいはまた2種以上組み合わせて導入されてもよい。これらの官能基は、シリカ表面のシラノール基(Si−OH)と相互作用があるものであり、すなわち、シラノール基との間で化学結合し得る反応性又は水素結合などの親和性を持つものである。そのため、シリカの分散性を向上させて、低燃費性能の向上に寄与することができる。
ここで、アミノ基としては、1級アミノ基だけでなく、2級もしくは3級アミノ基でもよい。また、アルコキシ基(−OR、但しRはアルキル基)としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。アルコキシシリル基は、シリル基の3つの水素のうち少なくとも1つがアルコキシ基で置換されたものをいい、これには、トリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基が含まれる。更に、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、塩素、臭素が好ましい。スズ含有基は、スズ化合物を用いて変性することにより導入することができ、スズ化合物としては、四塩化スズ、メチル三塩化スズ、ジブチルジクロロスズ、トリブチルクロロスズ等のハロゲン化スズ化合物、テトラアリルスズ、ジエチルジアリルスズ、テトラ(2−オクテニル)スズ等のアリルスズ化合物、テトラフェニルスズ、テトラベンジルスズ等が挙げられる。
このような官能基を有する変性ジエン系ゴム自体は公知であり、その製造方法等は限定されるものではない。例えば、アニオン重合で合成された溶液重合スチレンブタジエンゴムやブタジエンゴムを変性剤で変性することで、上記官能基を導入してもよく、あるいはまた、上記官能基を有する単量体を、ベースポリマーを構成する単量体であるブタジエンやスチレンとともに共重合することでゴムポリマーの分子鎖中に導入してもよい。
変性ジエン系ゴムとしては、変性NRや変性SBRも使用可能であるが、変性ブタジエンゴムが好ましい。変性ブタジエンゴムを用いる場合、その配合量は特に限定されないが、ネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムとの合計量で90質量部以下で使用することができ、好ましくは10〜90質量部であり、より好ましくは50〜80質量部である。
本実施形態で用いる上記硫黄化合物は、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物の少なくとも1種である。式(1)で表される化合物は、芳香族縮合複素環がアルキレン基を介してメルカプト基と結合したチオール化合物であり、式(2)で表される化合物は、スルフィド基の両末端に、芳香族縮合複素環がアルキレン基を介して結合した構造(ビス体構造)を有する硫黄化合物である。
Figure 0006193086
これら式(1)及び(2)において、Rは、炭素数1〜6のアルキレン基(即ち、アルカンジイル基)を示し、直鎖状でも分岐状でもよい。Rの具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、又はヘキサメチレン基等が挙げられる。好ましくは、Rは−(CH−で表される直鎖のアルキレン基であり、ここでn=1〜6の整数(好ましくはn=1〜3の整数)である。
式(1)及び(2)中のRは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、又はn−ヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のものである。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のものである。環状のアルキル基又はアルケニル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、また、2−メチルシクロプロピル基のように環炭素原子に結合したアルキル基などの置換基を有するものでもよく、さらには、シクロプロピルメチル基のように側鎖から水素原子を除去してできる基であってもよい。
式(1)及び(2)中のAは、NH、NR、O又はSを示し、NH又はNRの場合、複素環はベンズイミダゾリル基であり、Oの場合、複素環はベンズオキサゾリル基であり、Sの場合、複素環はベンズチアゾリル基である。これらの中でも、シリカ表面のシラノール基に対する物理結合の点から、NHが特に好ましい。Rは、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、その具体例及び好ましい炭素数は上記Rと同じである。
式(2)中のxは1〜4の整数であり、より好ましくは2〜4の整数である。
式(1)で表される硫黄化合物の具体例としては、2−(ベンズイミダゾリル−2)エタン−1−チオール、2−(5−メチルーベンズイミダゾリル−2)エタン−1−チオール、2−(ベンズイミダゾリル−2)プロパン−1−チオール、2−(5−メチルーベンズイミダゾリル−2)プロパン−1−チオール、3−(ベンズイミダゾリル−2)プロパン−1−チオール、4−(ベンズイミダゾリル−2)ブタン−1−チオール、5−(ベンズイミダゾリル−2)ペンタン−1−チオール、6−(ベンズイミダゾリル−2)ヘキサン−1−チオール、2−(ベンズオキサゾリル−2)エタン−1−チオール、2−(ベンズオキサゾリル−2)プロパン−1−チオール、3−(ベンズオキサゾリル−2)プロパン−1−チオール、4−(ベンズオキサゾリル−2)ブタン−1−チオール、5−(ベンズオキサゾリル−2)ペンタン−1−チオール、6−(ベンズオキサゾリル−2)ヘキサン−1−チオール、2−(ベンズチアゾリル−2)エタン−1−チオール、2−(ベンズチアゾリル−2)プロパン−1−チオール、3−(ベンズチアゾリル−2)プロパン−1−チオール、4−(ベンズチアゾリル−2)ブタン−1−チオール、5−(ベンズチアゾリル−2)ペンタン−1−チオール、6−(ベンズチアゾリル−2)ヘキサン−1−チオールなどが挙げられ、これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
式(2)で表される硫黄化合物の具体例としては、ビス(ベンズイミダゾリル−2)メチルスルフィド、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルスルフィド、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルトリスルフィド、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド、3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルジスルフィド、5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルジスルフィド、6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、2,2’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルジスルフィド、2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルテトラスルフィドなどが挙げられ、これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
式(1)で表される硫黄化合物は、例えば、1,2−ジアミノベンゼン系化合物、2−アミノチオフェノール系化合物、又は2−アミノフェノール系化合物のいずれかと、メルカプトカルボン酸系化合物とを、4Nの塩酸中で反応させることによって合成することができる。式(2)で表される硫黄化合物は、例えば、1,2−ジアミノベンゼン系化合物、2−アミノチオフェノール系化合物、又は2−アミノフェノール系化合物のいずれかと、チオジカルボン酸系化合物とを、4Nの塩酸中で反応させることによって合成することができる。
1,2−ジアミノベンゼン系化合物としては、例えば、1,2−ジアミノベンゼン、2,3−トリレンジアミン、1,2−ジアミノ−3−エチルベンゼン、1,2−ジアミノ−3−n−プロピルベンゼン、1,2−ジアミノ−3−イソプロピルベンゼン、1,2−ジアミノ−3−n−ブチルベンゼン等が挙げられる。2−アミノチオフェノール系化合物としては、例えば、2−アミノチオフェノール、2−アミノ−3−メチルチオフェノール、2−アミノ−3−エチルチオフェノール、2−アミノ−3−n−プロピルチオフェノール、2−アミノ−4−メチルチオフェノール、2−アミノ−4−エチルチオフェノール、2−アミノ−4−n−プロピルチオフェノール、2−アミノ−5−メチルチオフェノール、2−アミノ−5−エチルチオフェノール、2−アミノ−5−n−プロピルチオフェノール、2−アミノ−6−メチルチオフェノール、2−アミノ−6−エチルチオフェノール、2−アミノ−6−n−プロピルチオフェノール等が挙げられる。2−アミノフェノール系化合物としては、例えば、2−アミノフェノール、2−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−3−エチルフェノール、2−アミノ−3−n−プロピルフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、2−アミノ−4−エチルフェノール、2−アミノ−4−n−プロピルフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−5−エチルフェノール、2−アミノ−5−n−プロピルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−6−エチルフェノール、2−アミノ−6−n−プロピルフェノール等が挙げられる。メルカプトカルボン酸系化合物としては、例えば、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトブタン酸、メルカプトペンタン酸、メルカプトヘキサン酸等が挙げられる。チオジカルボン酸系化合物としては、例えば、チオジグリコール酸、ジチオジグリコール酸、テトラチオジグリコール酸、チオジプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸、トリチオジプロピオン酸、テトラチオジプロピオン酸、ジチオジブチル酸、テトラチオジブチル酸、ジチオジペンチル酸、テトラチオジペンチル酸、ジチオジヘキシル酸、テトラチオジヘキシル酸等が挙げられる。
上記硫黄化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して1〜30質量部の範囲が好ましく、5〜15質量部の範囲がより好ましい。この範囲とすることにより、得られるタイヤの圧縮永久歪みを大きく低減させることができる。
本発明に係るゴム組成物には、フィラーとして、シリカ及び/又はカーボンブラックが通常配合される。フィラーの配合量は、特に限定されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して30〜100質量部であることが好ましい。本ゴム組成物をランフラットタイヤのサイドパッドに用いる上では、フィラーは、カーボンブラックを主成分とすること、即ち、カーボンブラック単独、又はカーボンブラックとシリカのブレンドであることが好ましい。
カーボンブラックとしては、ゴムの補強性フィラーとして用いられている各種カーボンブラックを用いることができ、特に限定されない。例えば、窒素吸着比表面積(NSA、JIS K6217−2に準拠して測定)が20〜150m/gのコロイダル特性を持つカーボンブラックが好ましく用いられる。本ゴム組成物をランフラットタイヤのサイドパッドに用いる上では、窒素吸着比表面積が20〜100m/gのカーボンブラック、すなわち、GPF,FEF,HAF級のものを用いることが好ましい。
シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられ、特に含水珪酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。
シリカを配合する場合、シランカップリング剤を更に配合することが好ましい。シランカップリング剤は、例えば、スルフィド、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、メタクリル基、エポキシ基などのポリマーと反応し得る有機部と、ハロゲンやアルコキシ基などを有する有機シラン化合物であり、公知の種々のシランカップリング剤を用いることができる。好ましくは、下記一般式(i)で表されるスルフィドシランや、下記一般式(ii)で表される保護化メルカプトシランを用いられる。
(CO)Si−C2y−S−C2y−Si(OC…(i)
(C2n+1O)Si−C2m−S−CO−C2k+1…(ii)
上記式(i)中、yは1〜9の整数、好ましくは2〜5であり、xは1〜4、好ましくは2〜4である。詳細には、xは通常分布を有しており、即ち、硫黄連鎖結合の数が異なるものの混合物として一般に市販されており、xはその平均値を表す。式(i)で表される好ましいスルフィドシランの具体例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィドなどが挙げられる。
上記式(ii)中、nは1〜3の整数、mは1〜5の整数、kは5〜9の整数である。式(ii)で表される保護化メルカプトシランとしては、例えば、n=2,m=3,k=7である3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、n=1,m=3,k=2である3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどが好ましいものとして挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカ100質量部に対して2〜25質量部配合されることが好ましく、より好ましくは5〜15質量部である。
本発明に係るゴム組成物には、上記した成分の他に、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤など、タイヤ用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。ゴム組成物は、上記必須成分及び適宜添加される添加成分を、通常用いられるバンバリーミキサーやニーダー等の混合機を用いて混練することにより製造することができる。
上記ゴム組成物を、常法に従い、例えば140〜200℃で加硫成形することにより、ランフラットタイヤのサイドパッドが得られる。
次に本発明のランフラットタイヤの実施形態を図を用いて説明する。図1は、一実施形態に係るランフラットタイヤ(10)を示す半断面図である。タイヤ(10)は、リム組される左右一対のビード部(1)と、このビード部(1)からタイヤ径方向外側に延びる左右一対のサイドウォール部(2)と、この一対のサイドウォール部(2)間に設けた路面に接地するトレッド部(3)とから構成されている。
上記一対のビード部(1)には、リング状のビードコア(4)が埋設されている。有機繊維コードを用いたカーカスプライからなるカーカス(5)が、ビードコア(4)の周りを折り返して係止されるとともに、左右のビード部(1)間に架け渡して設けられている。また、カーカス(5)のトレッド部(3)における外周側には、スチールコードやアラミド繊維などの剛直なタイヤコードを用いた2枚の交差ベルトプライからなるベルト(6)が設けられている。
サイドウォール部(2)においてカーカス(5)のタイヤ外面側には、サイドウォール外表面を形成するサイドウォールゴム(7)が設けられている。ビード部(1)においてリムフランジとの接触領域を覆うように、ゴム層からなるリムストリップ(8)が設けられており、リムストリップ(8)の上端部の上に、サイドウォールゴム(7)の下端部が重なっている。
サイドウォール部(2)において、カーカス(5)の内面側には、リムフランジの上端と接するリムライン(RL)の近傍からベルト(6)の端部に至る領域にわたって、サイドパッド(9)が設けられている。サイドパッド(9)は、サイドウォール部(2)を補強するために、タイヤ軸を含むタイヤ幅方向断面において略三日月状をなしている。
このサイドパッド(9)が、上記した式(1)又は式(2)で表される硫黄化合物とネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムと含むゴム組成物で形成されている。サイドパッド(9)はサイドウォール部(2)に占める断面積が多いことから、ゴム組成物の優れた低発熱性により、通常内圧走行時の転がり抵抗の低減に寄与する効果が大きく得られるようになる。さらに、ランフラット走行時における形状安定性を確保しつつ、サイドパッド(9)の発熱を抑えて、耐久性を向上することができる。
上記の実施形態では、カーカスが1層で形成されている例を示したが、サイドパッドゴムを複数に分割して、その間に補強繊維層を配置してもよい。カーカスを2層以上で構成する場合、断面略三日月状の補強パッドゴムをカーカス層の内面側及びカーカス層間に配置してもよい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下で示す配合割合は、特記しない限り質量基準(「質量部」、「質量%」等)とする。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、まず、ノンプロ混合工程で、硫黄と加硫促進剤を除く成分を添加混合し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混合物に、プロ混合工程で硫黄と加硫促進剤を添加混合して(排出温度=90℃)、タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
[原材料]
・NR:RSS3号
・BR01:JSR(株)製「ハイシスBR」
・ネオジウム触媒BR:JSR(株)製「BR730」
・変性BR:日本ゼオン(株)製「BR1250H」(第3級アミン変性)
・カーボンブラックN550:三菱化学(株)製「ダイアブラックE」
・硫黄化合物A:2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド(特開2013−23610号公報における段落0033の参考例1に従い合成)
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1号」
・老化防止剤:住友化学(株)製「アンチゲン6C」
・加硫促進剤:大内新興化学(株)製「ノクセラーNS−P」
・硫黄:四国化成(株)製「ミュークロンOT−20」
得られた各ゴム組成物について、150℃×30分で加硫して試験片を作製し、低発熱性能と形状安定性(圧縮永久歪み)を測定・評価した。結果を表1に示す。各評価方法は、以下の通りである。
・低発熱性能:JIS K6394に準じて、温度70℃、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み2%の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、低発熱性能に優れることを示し、転がり抵抗の低減による低燃費性に優れることを意味する。
・圧縮永久歪み:JIS K6301に準じて、100℃で70時間熱処理を行った後に測定し、比較例1の値を100とした指数で示した。指数が小さいほど、圧縮永久歪みが小さく、形状安定性に優れることを意味する。
Figure 0006193086
表1に示された結果から、式(1)又は(2)で表される硫黄化合物とネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムとを所定の割合で併用した各実施例では、低発熱性と形状安定性がともに顕著に優れていることが分かる。

Claims (4)

  1. ネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴム10〜90質量部を含むジエン系ゴム100質量部に対して、下記一般式(2)で表される硫黄化合物1〜30質量部を含有することを特徴とする、タイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0006193086
    式(2)中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、AはNH、NR、O又はSを示し、Rは炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、xは1〜4の整数を示す。
  2. 前記ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラック30〜80質量部及び硫黄1〜15質量部を含有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 変性ブタジエンゴムを、前記ネオジウム系触媒を用いて重合したブタジエンゴムとの合計量でジエン系ゴム100質量部中10〜90質量部含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. サイドウォール部のカーカスの内側に、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物で形成されたサイドパッドを有するランフラットタイヤ。
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