JP4919511B2 - ソフトウエア管理システム及びソフトウエア管理プログラム - Google Patents

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本発明は、管理サーバと複数の通信端末とが接続している通信ネットワークにおいて通信端末にインストールされているソフトウエアのバージョンを管理するソフトウエア管理システム及びソフトウエア管理プログラムに関する。
上記のように通信端末にインストールされているソフトウエアのバージョンを管理する技術として、ネットワークに複数のコンピュータ(端末)を備え、コンピュータのソフトウエアがバージョンアップされた場合には、バージョンアップを行ったバージョン情報を、他のコンピュータに通知し、通知を受けたコンピュータでは、コンピュータが自動的にバージョンアップを行うものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
また、同様の技術として、サーバから端末にダウンロードしたソフトウエアについて、端末での使用頻度を計測し、使用頻度が閾値を超えたものについては、閾値を超えたことをサーバに伝え、サーバは、その端末に対して最新版のソフトウエアの更新を許すものも存在する(例えば、特許文献2参照)。
特開平08‐249163号公報 (段落番号〔0019〕〔0020〕等、図1) 特開2003−216430号公報 (段落番号〔0017〕〜〔0019〕〔0025〕〜〔0027〕、図1、図2)
通信ネットワークとして、複数の通信端末を利用する組織に構築されているLANを考えた場合、このLANに接続されている複数の通信端末にはソフトウエアとして文書作成用、表計算用、画像処理用等、多種のアプリケーションがインストールされている。これらのアプリケーションを製造しているメーカでは、基本的な機能を殆ど変更することなく、アプリケーションの一部の機能を変更するバージョンアップ版を作成し、このバージョンアップ版、あるいは、バージョンアップ版の差分(差分ファイル・パッチファイル)を配布することが行われている。
ソフトウエアのバージョンアップとして、ソフトウエアの不具合の解消を目的とするだけではなく、ソフトウエアの機能を増大させることを目的としたものも存在する。
しかしながら、ソフトウエアとして文書作成用のアプリケーションを例に挙げると、機能を増大させたものでは必然的にデータ量が増大するため、起動時間が長くなることや、処理速度が低下する等の不都合に繋がり、操作形態が変更されたものでは、操作に慣れるまでに時間を要するものであった。また、バージョンアップでは、例えば、企業の職務上必要としない機能が付加されることもある。このような場合には、バージョンアップの必要性が低いものとなる。
ところが、特許文献1や特許文献2のように通信端末においてバージョンアップを行うことを前提とした技術では、必要性が低いバージョンアップを行う不都合に繋がるものとなり改善の余地がある。特に、バージョンアップの必要性の判断は、そのソフトウエアを使用した後に判断できることも多く、現実的に対応できる技術が望まれている。
本発明の目的は、通信ネットワークに接続している複数の通信端末において、必要性が低いバージョンのソフトウエアの使用を抑制できるシステムを構成する点にある。
本発明の特徴は、管理サーバと複数の通信端末とが接続している通信ネットワークにおけるソフトウエア管理システムにおいて、前記複数の通信端末が、ソフトウエアのバージョン変更が可能な環境にあり、所定のソフトウエアについて通信端末へのバージョン毎のインストール数を個別利用端末数として取得すると共に、前記所定のソフトウエアの通信端末への総インストール数を総利用端末数として取得する利用端末数特定部と、前記総利用端末数に対する前記個別利用端末数の比率が所定の設定値を超えた場合に、この比率が前記設定値を超えたバージョンの使用を推奨する推奨情報を前記通信端末に通知する推奨情報通知部を備えている点にある。
この構成によると、通信端末において所定のソフトウエアのバージョンアップを行った後に、そのソフトウエアに付加された機能が有用ではなく、起動時間が長くなった場合や、処理速度が低下することが判明した場合には、その通信端末では、オペレータによってそのソフトウエアを元のバージョンに戻すことも行われる。これとは逆に、バージョンアップによってソフトウエアの性能が向上した場合や、使い勝手が向上した場合には、バージョンアップ状態が維持される。このような理由から、そのソフトウエアがインストールされている複数の通信端末では、オペレータが使い良いと判断したバージョンのソフトウエアが存在することになる。そして、所定のソフトウエアのバージョン毎のインストール数を個別利用端末数として取得すると共に、この所定のソフトウエアの総インストール数を総利用端末数として取得した後に、総利用端末数に対する個別利用端末数の比率を求め、この比率が、所定の設定値を超えたと判定した際には、この比率が設定値を超えたバージョンの使用を推奨する推奨情報が通信端末に通知される。その結果、通信端末において、使い勝手の良いバージョンのソフトウエアの使用を促進し、使い勝手の悪い等他のバージョンのソフトウエアの使用を抑制するシステムが構成された。
本発明は、前記通信端末におけるオペレータの操作の内容を示す操作ログに基づいて、前記所定のソフトウエアの利用状況を判定する利用状況判定部をさらに備え、この利用状況判定部により前記通信端末が所定の利用状況に達していないと判定された場合に、当該通信端末を前記個別利用端末数から除外する構成としても良い。これによると、利用状況判定部が、所定のソフトウエアについての利用状況として、例えば、使用された時間を取得することにより、インストールの直後や、バージョンアップの直後のように、オペレータが性能の評価を行っていない通信端末が端末数に含まれないように設定し、総利用端末数に対する前記個別利用端末数の比率の精度を高くすることも可能となる。
本発明は、前記推奨情報通知部が、前記推奨するバージョンのソフトウエアを使用していない通信端末に対し、前記推奨情報を、前記通信ネットワークを介して送信する構成としても良い。これによると、推奨情報を受信した通信端末では、オペレータ自身が評価を行わないものであっても推奨情報に従ってバージョンアップを行うことで、ソフトウエアの使い勝手を良くすることが可能となる。
本発明の特徴は、管理サーバと複数の通信端末とが接続している通信ネットワークにおけるソフトウエア管理プログラムにおいて、前記複数の通信端末が、ソフトウエアのバージョン変更が可能な環境にあり、所定のソフトウエアについて通信端末へのバージョン毎のインストール数を個別利用端末数として取得すると共に、前記所定のソフトウエアの通信端末への総インストール数を総利用端末数として取得する利用端末数特定機能と、前記総利用端末数に対する前記個別利用端末数の比率が所定の設定値を超えた場合に、この比率が前記設定値を超えたバージョンの使用を推奨する推奨情報を前記通信端末に通知する推奨情報通知機能を前記管理サーバにおいてコンピュータによって実現する点にある。当然ながら、このようなソフトウエア管理プログラムもまた、上述したソフトウエア管理システムと同様の作用効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態・ソフトウエア管理システム〕
図1に示すように、コンピュータで成る管理サーバAと、この管理サーバAを制御するコンピュータで成る管理端末Bと、コンピュータで成る複数の通信端末C(クライアントPC)とが通信ネットワークLに接続している。同図において、この通信ネットワークLに接続する管理サーバAと管理端末Bと通信端末Cとによってソフトウエア管理システムが構成されている。
前記通信ネットワークLは、企業や学校等の限られた施設内において情報を物理的に送るケーブルと、LANスイッチやハブ等で成る中継器等を備えたCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)方式のイーサネット(Ethernet)(商標)型のLANとして構築されたものであるが、この通信ネットワークLとしてイーサネット型のLAN以外に、インターネットの技術を用いたイントラネットで構築されるものや、WAN(Wide Area Network)の技術によって構築されるものでも良い。
前記管理サーバAは、コンピュータ本体1、サーバモニタ2、キーボード3、マウスM、メディアドライブMD等を備えている。前記管理端末Bはコンピュータ本体4、管理モニタ5、キーボード6、トラックパッドT、マウスM、メディアドライブMD等を備えている。前記通信端末Cは、コンピュータ本体7、モニタ8、キーボード9、トラックパッドT、マウスM、メディアドライブMD等を備えている。
前記管理サーバA,管理端末B、通信端末Cに備えたメディアドライブMDとは、CD、CD−R、DVD等のメディアから情報の取得が可能なドライブと、メモリースティック(登録商標)、SDメモリカード(SanDisk、松下電器産業、東芝の3社が共同開発したメモリカードの規格)等の半導体メディアから情報の取得が可能なドライブとの総称である。
このソフトウエア管理システムでは、通信端末Cのユーザが通信端末毎に任意にソフトウエアや、差分ファイル(パッチファイル)をダウンロードしてインストールを行うことや、バージョンアップを行うことが許された環境にある。尚、本発明では、ソフトウエアのインストール、ソフトウエアのバージョンアップを行うことや、所定のソフトウエアについて、既にインストールされているバージョンのソフトウエアに代えて、旧バージョンのソフトウエアのインストールを行うことを、ソフトウエアのバージョン変更と称し、このバージョン変更に関連する情報をバージョン変更情報と称して説明している。
このソフトウエア管理システムでは、前記通信端末Cにおいてソフトウエアのバージョン変更を行った場合には、そのソフトウエアと、バージョンとを特定し得る情報として、ソフトウエア名、バージョン変更の日時等を通信端末Cから管理サーバAに送信する。管理サーバAでは、これらの情報を受信した場合には、図2に示すように、管理サーバAの資産情報収集部23がこれらを資産情報として通信端末C毎に識別可能に保存する処理を行う。
管理サーバAでは、図2に示す利用端末数特定部32が、前記資産情報に基づいて夫々のソフトウエアのバージョンの通信端末Cへのインストール数を個別利用端末数として取得すると共に、そのソフトウエアの通信端末Cへの総インストール数を総利用端末数として取得する。なお、前記個別利用端末数を、同じソフトウエアについて積算することにより、そのソフトウエアの総利用端末数としても構わない。
この管理サーバAでは、夫々のソフトウエアについて、そのソフトウエアがインストールされている通信端末Cの総数(総利用端末数)に対する、そのソフトウエアの夫々のバージョンがインストールされている通信端末Cの数(個別利用端末数)の比率を求める。そして、このように求めた比率が、所定の設定値を超えた場合に、比率が設定値を超えたバージョンの使用を推奨する推奨情報を、この推奨するバージョンのソフトウエアを使用していない通信端末Cに対して送信する処理が行われる。尚、この推奨情報を全ての通信端末Cに送信するように処理形態を設定しても良い。
前記ソフトウエアとは、文書作成用、表計算用、画像処理用、ファイル圧縮用、Webブラウザ、メーラー等のアプリケーションの他に、ハードウエアを制御するドライバ類、あるいは、オペレーティングシステム等の総称である。これらのソフトウエアの情報を取得できるように前記通信端末Cでは、これらのソフトウエアのバージョン変更の情報を取得し、前記資産情報として管理サーバAに送信する。また、後述する操作ログには、これらのソフトウエアに関連する操作の内容を示す情報が含まれる。
〔システムの制御系・通信端末〕
これらの処理を実現する制御系の概要を図2のように示すことが可能である。つまり、通信端末Cは、通信ネットワークLとの間で情報のアクセスを実現するネットワークインタフェース(I/F)11を備えると共に、前記モニタ8に情報を表示するビデオ処理部12、前記モニタ8に必要な情報やアイコン等のイメージを表示し、キーボード9やマウスMからの操作で指定された処理を実現するGUI部13、ソフトウエアの処理を実現するためCPU等を有したデータ処理部14、ソフトウエアやファイル等を保存するハードディスク15を備えている。データ処理部14は前記メディアドライブMDとの間で情報のアクセスを行う。
更に、この通信端末Cでオペレータが行った操作の内容を示す操作ログを生成する操作ログ生成部16と、この通信端末Cにインストールされているソフトウエアの情報やハードウエアの情報を抽出する資産情報抽出部17とを備えている。
前記操作ログには、通信端末Cにおいてオペレータが行うソフトウエアのインストール、ソフトウエアのアンイストール、ソフトウエアのバージョンアップ、ソフトウエアの実行(使用開始から終了まで)、ファイルの削除、ファイルのコピー、プリンターでのプリントの実行、Webブラウザを介してインターネットへの接続等の操作に対応した情報および、通信端末Cを識別する端末識別情報と、操作が行われた日時を特定する日時情報とが含まれている。更に、ソフトウエアの実行については、ソフトウエア名と、そのソフトウエアのバージョンの情報とが操作ログに含められる。これらの処理は前記操作ログ生成部16が行う。
前記資産情報には、通信端末Cにインストールされているソフトウエアを特定し得る情報としてソフトウエア名、バージョン、バージョン変更の日時等を含むと共に、通信端末Cを特定する端末識別情報(操作ログに与えられる端末識別情報と同じもの)、コンピュータの性能の情報、通信端末Cに備えているハードウエアの情報等を含んでいる。
前記操作ログ生成部16は、生成した操作ログをネットワークインタフェース11に与え、これと同様に前記資産情報抽出部17は、抽出した資産情報をネットワークインタフェース11に与え、この操作ログと資産情報とは、ネットワークインタフェース11が管理サーバAに送信する。尚、端末識別情報としては、通信端末Cを識別するための情報であれば良く、例えば、通信端末毎にユニークな識別情報を設定しているが、これに代えて通信端末CのMACアドレスやIPアドレスを用いても良い。また、ユーザと通信端末Cとの紐付けを行うデータベースを利用するものでは、ユーザ名を端末識別情報として用いることも可能である。
〔管理サーバ〕
前記管理サーバAは、通信ネットワークLに対して情報のアクセスを実現するネットワークインタフェース(I/F)21を備えると共に、このネットワークインタフェース21で受信した情報から操作ログを取得する操作ログ取得部22と、ネットワークインタフェース21で受信した情報から資産情報を収集する資産情報収集部23と、これらの情報を保存する操作ログ保存部と資産情報保存部として機能するハードディスク24とを備えている。
また、この管理サーバAは、前記ハードディスク24から操作ログと資産情報とを取得して夫々の通信端末Cにインストールされているソフトウエアに関連する情報を処理するソフトウエア管理部Xを備え、このソフトウエア管理部Xからの情報を通信端末Cに送信する送信情報制御部28を備えている。
前記管理サーバAは、前記サーバモニタ2に情報を表示するビデオ処理部25、前記サーバモニタ2に必要な情報やアイコン等のイメージを表示し、キーボード3やマウスMからの操作で指定した処理を実現するGUI部26、前記ハードディスク24とソフトウエア管理部Xからの情報に基づいてソフトウエアの処理を実現するためCPU等を有したデータ処理部27を備え、更に、データ処理部27は前記メディアドライブMDとの間で情報のアクセスを行うように構成されている。
前記ソフトウエア管理部Xは、前記ハードディスク24から取得した操作ログに基づいて、各通信端末Cにおけるソフトウエアの利用状況を判定する利用状況判定部31を備えると共に、この利用状況判定部31からの情報と、前記ハードディスク24から取得した資産情報に基づいて、所定のソフトウエアを利用している通信端末Cの数を特定する利用端末数特定部32を備え、この利用端末数特定部32での処理結果に基づいて推奨情報を生成し、送信情報制御部28を介して通信端末Cに送信する推奨情報通知部33を備えている。
前記利用端末数特定部32は、夫々のソフトウエアについて、通信端末Cへのバージョン毎のインストール数(利用数)を個別利用端末数Vとして取得すると共に、夫々のソフトウエアの総インストール数を総利用端末数Sとして取得する(これらの処理は後述する)。因みに、この利用状況判定部31と、利用端末数特定部32と、推奨情報通知部33とはソフトウエアで構成されるものであるが、これらをロジック等のハードウエアで構成することや、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせによって構成しても良い。また、前記利用端末数特定部32は、ソフトウエア情報保存手段32Eを備えており、ソフトウエア情報保存手段32Eは前記ハードディスク24の一部を使用することを想定しているが、保存するための機能を有するものであれば、これに限る必要はなく、例えば、EEPROM等の不揮発性メモリを使用しても良い。
〔処理形態〕
前記ソフトウエア管理部Xにおける制御形態を図3のブロック回路図及び図4のフローチャートに基づいて説明する。
通信端末Cでは、操作に対応して操作ログ生成部16が操作ログを生成して管理サーバAに送信する処理と、資産情報抽出部17が資産情報を抽出して管理サーバAに送信する処理とが行われる。この操作ログと資産情報とは、通信ネットワークLを介して管理サーバAに送信され、この管理サーバAでは操作ログ取得部22が操作ログを取得し、資産情報収集部23が資産情報を取得し、このように取得された操作ログと資産情報とはハードディスク24に保存される。なお、通信端末Cにおいてソフトウエアのバージョン変更を行った場合、資産情報にはソフトウエアに関連する情報として、1.端末識別情報、2.ソフトウエア名、3.バージョン情報、4.インストール日時情報又はバージョンアップ日時情報でなるバージョン変更情報が含まれる。また、通信端末Cにおいてソフトウエアの使用が開始または終了された場合、操作ログにはソフトウエアに関連する情報として、1.端末識別情報、2.ソフトウエア名、3.バージョン情報、4.ソフトウエアの使用開始時間(時刻)又は終了時間(時刻)の情報で成るソフトウエア操作情報が含まれる。
ソフトウエアの状況を確認すべき所定のタイミング(以下、チェックタイミングと称する)に達している場合には、以下の処理が行われる。尚、チェックタイミングとしては、例えば、毎日の決まった時間(一度でも複数回でも良い)のように定期的なタイミングで良く、また、ソフトウエアのインストールやバージョンアップが行われた(バージョン変更が行われた)タイミングのように不定期のタイミングであっても良い。まず、ソフトウエア管理部Xの利用端末数特定部32においてハードディスク24に保存されている資産情報から、バージョン変更情報が取得される(#01ステップ)。このバージョン変更情報は、利用端末数特定部32のフィルタリング手段32Aが資産情報をフィルタリングすることにより取得し、ソフトウエア特定情報取得手段32Bに与える。バージョン変更情報を取得したソフトウエア特定情報取得手段32Bは、夫々のソフトウエアの夫々のバージョン毎に、インストールされている通信端末Cを特定する情報(以下、ソフトウエア特定情報と称する)を生成する。
また、ソフトウエア管理部Xの利用状況判定部31において操作ログからソフトウエア操作情報が取得される。このソフトウエア操作情報は、利用状況判定部31のフィルタリング手段31Aが操作ログをフィルタリングすることにより取得し、ソフトウエア使用情報取得手段31Bに与える。
前記ソフトウエア使用情報取得手段31Bは、取得したソフトウエア操作情報に基づき、所定のソフトウエアについて、先ず使用開始時刻を特定し、この後に、この使用開始時刻に対応する終了時刻を特定することにより、端末識別情報で特定される通信端末毎に、ソフトウエアのバージョンの使用時間を算出する。
尚、通信端末Cの端末識別情報が一致し、ソフトウエア名が一致し、バージョン情報が一致するものが既に存在する場合には、既に存在する使用時間に対して、前述のように算出した使用時間を積算し、各通信端末Cにおける夫々のソフトウエアの夫々のバージョンの累積使用時間を表す情報であるソフトウエア使用情報を求める。例えば、上記の使用時間の算出により図10に示す使用時間が得られた場合を考える。先ず、1行目の使用時間が得られると、ソフトウエア使用情報は図11(a)となる。次に、2行目の使用時間が得られると、ソフトウエア使用情報には、2行目の使用情報と同一の端末識別情報、ソフトウエア名およびバージョン番号を持つソフトウエア使用情報が存在しているので、この使用時間は前記情報が一致するソフトウエア使用情報に積算される(図11(b))。以下、3行目以下の使用時間が得られると、ソフトウエア使用情報は図11(c)以下と遷移する。なお、これらの処理は、1つの使用時間が得られる都度、累積使用時間を算出しても良いし、全ての使用時間を算出した後に累積使用時間を算出するよう構成しても構わない。このようにして、ソフトウエア使用情報を求めることができる。
そして、利用端末数特定部32の利用数確定手段32Cでは、前記ソフトウエア特定情報取得手段32Bからソフトウエア特定情報が得られ、前記ソフトウエア使用情報取得手段31Bからはソフトウエア使用情報が取得される。利用数確定手段32Cでは、各通信端末Cにおける夫々のソフトウエア使用情報である累積使用時間と所定の設定値とを比較し、累積使用時間が設定値以下であれば、ソフトウエア特定情報から当該ソフトウエア使用情報と同一のソフトウエア名およびバージョンを持つものから当該通信端末Cが除外される。この処理が、全てのソフトウエア使用情報に対して繰り返され、得られたソフトウエア特定情報が利用端末数取得手段32Dに与えられる(#02ステップ)。すなわち、この処理により、累積使用時間が所定時間以下である通信端末Cが、以下の利用端末数取得手段32Dによる個別利用端末数の算出対象から除外されることとなる。
前記利用端末数取得手段32Dは、利用数確定手段32Cから取得したソフトウエア特定情報に基づき、夫々のソフトウエアの夫々のバージョン毎にそのソフトウエアがインストールされている通信端末Cを計数することにより、個別利用端末数Vとして取得し、ソフトウエア情報保存手段32Eに保存すると共に、この個別利用端末数Vを、同じソフトウエア名毎に積算することによって総利用端末数Sを取得して、ソフトウエア情報保存手段32Eに保存する(#03ステップ)。
次に、推奨情報通知部33の比率判定手段33Aがソフトウエア情報保存手段32Eから個別利用端末数Vと総利用端末数Sとの情報を取得することによって自動報知ルーチンが実行される(#100ステップ)。この自動報知ルーチンの詳細は後述する。
〔自動報知ルーチン〕
自動報知ルーチンでは、図5のフローチャートに示すように、前記ソフトウエア情報保存手段32Eから取得したソフトウエア名に基づいて、推奨情報通知部33の比率判定手段33Aが複数のソフトウエア名の1つをチェック対象として特定する(#101ステップ)。
次に、前記比率判定手段33Aは、特定されたソフトウエア名のソフトウエアがインストールされている総利用端末数Sを取得すると共に(#102ステップ)、特定されたソフトウエアについて、各バージョンがインストールされている個別利用端末数Vを取得する(#103ステップ)。
次に、前記比率判定手段33Aは、ソフトウエアの総利用端末数Sに対して、そのソフトウエアの各バージョンの個別利用端末数Vの比率Rを演算し(#104ステップ)、この演算による比率Rが設定値Nを超えていることを判別した場合(#105ステップのYes分岐)にのみ、推奨情報生成手段33Bが、ソフトウエア名とバージョンを特定して、バージョンアップを促すメッセージを生成する。そして、通知設定手段33Cは、設定値Nを超えたバージョンのソフトウエアがインストールされていない通信端末Cを送信先に設定して、メッセージを送信情報制御部28に与えることにより、このメッセージが送信先に設定されている通信端末Cに送信される(#106ステップ)。
この#101〜#106ステップの処理は、推奨情報通知部33の比率判定手段33Aが複数のソフトウエア名を順次指定することにより、複数のソフトウエアについて実行される。また、通知設定手段33Cが設定値Nを超えたバージョンのソフトウエアがインストールされていない通信端末Cを判別する場合には、ソフトウエア特定情報に基づいて行われ、このように判別された通信端末Cの端末識別情報に基づいてメッセージの送信先が設定される。
メッセージとして、通信端末Cのモニタ8に図6に示すメッセージウインドウ46が表示される。同図に示す如く、このメッセージウインドウ46では、アプリケーションの名称(ソフトウエア名)を指定して、推奨するバージョンの利用比率が75%を超えたことを認識させ、推奨するバージョンのソフトウエアの利用を促す文字情報が表示される。
前記メッセージを受信した通信端末Cでは、その通信端末Cで使用しているソフトウエアについて、他の通信端末Cにおいて最も多く使用されているバージョンを認識でき、そのバージョンのソフトウエアを使用するために、通信ネットワークLに接続しているダウンロードサイトから必要とするバージョンのソフトウエアをダウンロードすることや、バージョンアップのための差分ファイルをダウンロードして、バージョンアップを行える。尚、バージョンアップを行うために、通信端末Cに備えられているメディアドライブMDにメディアをセットして、ソフトウエアをインストールしても良い。
〔第2実施形態〕
この第2実施形態では、前記第1実施形態と比べて、ソフトウエア管理システムを構成する、管理サーバA、管理端末B、複数の通信端末C等のハードウエアの構成は変わるものではなく、管理サーバAでの処理形態が第1実施形態と異なっている。尚、この第2実施形態では、第1実施形態と共通するものについては共通する番号・符号を付している。
また、図7に示すように、通信端末Cでは第1実施形態で示した資産情報抽出部17を備えず、管理サーバAでは第1実施形態で示した資産情報収集部23を備えておらず、この第2実施形態では、操作ログの情報に基づいて第1実施形態と同様の処理を行うように構成されている。
〔処理形態〕
前記ソフトウエア管理部Xにおける制御形態を図8のブロック回路図及び図9のフローチャートに基づいて説明する。
本実施形態では、通信端末Cにおいてソフトウエアのバージョン変更を行った場合、操作ログにはソフトウエアに関連する情報に、バージョン変更情報が含まれ、通信端末Cにおいてソフトウエアの使用が開始または終了された場合には、操作ログにはソフトウエア操作情報が含まれている。管理サーバAでは操作ログ取得部22で取得した操作ログがハードディスク24に保存される。そして、チェックタイミングに達した場合には、以下の処理が実行される。先ず、ソフトウエア管理部Xの利用端末数特定部32において操作ログからバージョン変更情報が取得される(#01ステップ)。なお、バージョン変更情報は第1実施形態と同様である。
このバージョン変更情報は、利用端末数特定部32のフィルタリング手段32Aが操作ログをフィルタリングすることにより取得し、ソフトウエア特定情報取得手段32Bに与える。
また、ソフトウエア管理部Xの利用状況判定部31において操作ログからソフトウエア操作情報が取得される。なお、ソフトウエア操作情報の取得方法は第1実施形態と同様である。
前記利用端末数取得手段32Dは、利用数確定手段32Cから取得したソフトウエア特定情報に基づき、夫々のソフトウエアの夫々のバージョン毎にそのソフトウエアがインストールされている通信端末Cを計数することにより、個別利用端末数Vとして取得し、ソフトウエア情報保存手段32Eに保存すると共に、この個別利用端末数Vを、同じソフトウエア名毎に積算することによって総利用端末数Sを取得して、ソフトウエア情報保存手段32Eに保存する(#03ステップ)。
次に、推奨情報通知部33の比率判定手段33Aがソフトウエア情報保存手段32Eから個別利用端末数Vと総利用端末数Sとの情報を取得することによって第1実施形態と同様の自動報知ルーチンが実行される(#100ステップ)。
これにより、第1実施形態で説明したように、通信端末Cのモニタ8に図6に示す如く表示されたメッセージウインドウ46において、アプリケーションの名称(ソフトウエア名)を指定して、推奨するバージョンの利用比率が75%を超えたことを認識させ、推奨するバージョンのソフトウエアの利用を促す文字情報が表示される。
〔異なる処理形態〕
本発明では、ソフトウエアの使用時間を考慮しない場合には、資産情報のみに基づいてソフトウエアを管理することも可能である。つまり、資産情報に基づいて所定のソフトウエアについてバージョン毎の個別利用端末数Vを取得できるので、この個別利用端末数Vを、同じソフトウエアについて積算することにより総利用端末数Sを取得する。
このようにソフトウエア毎に個別利用端末数Vと総利用端末数Sを取得した後には、ソフトウエアの総利用端末数Sに対して、そのソフトウエアの各バージョンの個別利用端末数Vの比率Rを演算し、この演算による比率Rが設定値Nを超えていることを判別した場合にのみ、ソフトウエア名とバージョンを指定して、バージョンアップを促すメッセージを生成して、通信端末Cに送信することになる。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施の形態以外に以下のように構成しても良い。
(a)設定値Nを通信端末C毎に任意の値を設定できるようにソフトウエア管理部Xの処理形態を設定する。このように通信端末毎に設定値Nを設定することにより通信端末Cを操作するユーザに対応したタイミングでメッセージを表示できる。
特に、この設定値Nを各通信端末Cから管理サーバAにログインして任意の値を設定できるように処理形態を設定することも可能であり、このように処理形態を設定したものでは、ユーザの考えを反映してメッセージのタイミングが決まる。
(b)推奨情報としてのメッセージを通信端末Cに送信する手段として、電子メールを用いる。これにより、モニタ8に対して不意にメッセージウインドウ46が表示される不都合を抑制できる。
(c)実施形態では、総利用端末数Sに対する個別利用端末数Vの比率のみを取得していたが、例えば、ソフトウエアによって、基準となるファイルをプリントする際に必要とする処理時間や、所定のデータを変換する際に必要とした時間や、ソフトウエアの起動に要する時間などを、各バージョンのソフトウエア毎に取得しておき、これらの情報を推奨情報と併せて通信端末Cに送信するものでも良い。これにより、インストールの是非の判断を総合された情報に基づいてユーザが行うことも可能となる。
(d)特に、(c)で説明したようにソフトウエアのバージョン毎に、処理時間や起動時間などの情報に基づいて、処理時間が長く成るものや起動時間が長くなるものに対してパラメータを設定し、このパラメータに基づいて前記比率Rの値を調節しても良い。つまり、個別利用端末数Vが多い場合でも、そのソフトウエアの処理時間が長い場合や、起動時間が長い場合には、対応する比率Rにパラメータ(1より小さい数値)を乗ずる等の演算により、この比率Rの値を小さくするものであっても良い。
これにより、個別利用端末数Vが多いものでも、推奨情報の通知が行われ難くなり、そのソフトウエアのそのバージョンを利用することによる作業性の低下を回避することも可能となる。
(e)ソフトウエアを通信端末でインストールする際に、推奨すべきバージョン以外のものについては、インストール時に確認の情報を表示することや、インストールを制限するようにインストール時の処理形態を設定しても良い。これにより、推奨されたバージョンのソフトウエアのインストール数を積極的に増大させて、作業の効率を高め得るものとなる。
第1実施形態の通信ネットワークの概要を示す図 第1実施形態の管理サーバと通信端末等との構成を示すブロック回路図 第1実施形態の管理サーバでの情報の流れを示すブロック回路図 第1実施形態のバージョン情報管理処理のフローチャート 第1実施形態の自動報知ルーチンのフローチャート 第1実施形態のメッセージウインドウを示す図 第2実施形態の管理サーバと通信端末等との構成を示すブロック回路図 第2実施形態の管理サーバでの情報の流れを示すブロック回路図 第2実施形態のバージョン情報管理処理のフローチャート 第1実施形態の使用時間の例 第1実施形態のソフトウエア使用情報の例
符号の説明
31 利用状況判定部
33 推奨情報通知部
A 管理サーバ
C 通信端末
V 個別利用端末数
S 総利用端末数
L 通信ネットワーク
X ソフトウエア管理部

Claims (4)

  1. 管理サーバと複数の通信端末とが接続している通信ネットワークにおけるソフトウエア管理システムであって、
    前記複数の通信端末が、ソフトウエアのバージョン変更が可能な環境にあり、
    所定のソフトウエアについて通信端末へのバージョン毎のインストール数を個別利用端末数として取得すると共に、前記所定のソフトウエアの通信端末への総インストール数を総利用端末数として取得する利用端末数特定部と、
    前記総利用端末数に対する前記個別利用端末数の比率が所定の設定値を超えた場合に、この比率が前記設定値を超えたバージョンの使用を推奨する推奨情報を前記通信端末に通知する推奨情報通知部を備えているソフトウエア管理システム。
  2. 前記通信端末におけるオペレータの操作の内容を示す操作ログに基づいて、前記所定のソフトウエアの利用状況を判定する利用状況判定部をさらに備え、
    前記利用状況判定部により前記通信端末が所定の利用状態に達していないと判定された場合に、当該端末を前記個別利用端末数から除外する請求項1記載のソフトウエア管理システム。
  3. 前記推奨情報通知部は、前記推奨するバージョンのソフトウエアを使用していない通信端末に対し、前記推奨情報を、前記通信ネットワークを介して送信する請求項1又は2記載のソフトウエア管理システム。
  4. 管理サーバと複数の通信端末とが接続している通信ネットワークにおけるソフトウエア管理プログラムであって、
    前記複数の通信端末が、ソフトウエアのバージョン変更が可能な環境にあり、
    所定のソフトウエアについて通信端末へのバージョン毎のインストール数を個別利用端末数として取得すると共に、前記所定のソフトウエアの通信端末への総インストール数を総利用端末数として取得する利用端末数特定機能と、
    前記総利用端末数に対する前記個別利用端末数の比率が所定の設定値を超えた場合に、この比率が前記設定値を超えたバージョンの使用を推奨する推奨情報を前記通信端末に通知する推奨情報通知機能を前記管理サーバにおいてコンピュータによって実現するソフトウエア管理プログラム。
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