JP4919469B2 - 吸着式ガス貯蔵装置及びガス貯蔵方法 - Google Patents
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Description
また、本発明のさらなる目的は、吸着貯蔵部に充填されているガス用吸着材中の水分により払い出しガスの水分量の増加を防止し、払い出しガスの露点が導入ガスの露点より上昇しないようにして、水分量が少なく露点の比較的低いガスを払い出すことができる吸着式ガス貯蔵装置及びガス貯蔵方法を提供する点にある。
また、例えば、ガス用吸着材から脱着した比較的乾燥したガスを、吸着貯蔵部から上記水分調整部を通じて払い出すことで、当該水分調整部に設けられた水分用吸着材に吸着されている水分を、払い出されるガスによりパージすることで脱着させ、当該ガスに同伴する状態で外部に払い出すことができる。よって、払い出されるガスにより水分調整部に設けられた水分用吸着材の水分除去性能を回復させることができる。これにより、その水分用吸着材により、払い出しが終わった後に、再度水分吸着材を通じて吸着貯蔵部に導入されるガスの水分を良好に低減させることができる。
また、水分調整部を、同側面に流入口と流出口とが共に形成された貯蔵容器内において、吸着貯蔵部とその流入口及び流出口が形成された側面との間に介装するという比較的簡単な構成により、小型化及び低コスト化を実現しながら、ガス用吸着材が設けられた吸着貯蔵部に導入される前のガス中の水分若しくは払い出しガス中の水分を適切に調整(低減若しくは増加)することができる。
例えば、貯蔵状態においては、貯蔵容器の流入口に導入されたガスを、その流入口と吸着貯蔵部との間に介装された水分調整部を通過することによって比較的乾燥した状態で吸着貯蔵部に導入し、水分の吸着に起因する吸着性能の低下を抑制しながら吸着貯蔵することができる。また、例えば、払い出し状態においては、吸着貯蔵部から脱着されたガスを、その吸着貯蔵部と流出口との間に介装された水分調整部を通過することによって水分用吸着材をパージして水分除去性能を回復させた後に、流出口から払い出すことができる。
一方で、例えば、ガス用吸着材の保管時若しくは吸着貯蔵部へのガス用吸着材の充填時に、水分を吸着してしまっている状態の吸着式ガス貯蔵装置に比較的露点の低いガスを導入して貯蔵した場合であっても、ガスを吸着貯蔵部と流出口の間に介装された水分調整部を通じて流出口から払い出すことで、水分を同伴させない状態で払い出しガスを外部に払い出すことができる。これにより、充填されているガス用吸着材中の水分を上記水分用吸着材に吸着させることで、払い出しガスの水分量を増加させず、かつ、払い出しガスの露点が導入ガスの露点よりも上昇しないようにすることができる。さらに、ある程度水分用吸着材に吸着した水分は、より露点が低い導入ガスにより再生される。
さらに、吸着貯蔵部に設けられたガス用吸着材が水分調整部に設けられた水分用吸着材よりも同一温度、同一湿度条件下における水分吸着量が低いので、貯蔵状態において、吸着貯蔵部に導入されたガス中に残存する水分がガス用吸着材に吸着されて吸着性能が低下することを一層抑制することができる。
そして、貯蔵容器内に水分が存在している場合に、貯蔵容器内において吸着貯蔵部の存在する側の貯蔵容器の側面に、水分を含んだガスを直接放出可能な放出口が形成されていることで、水分用吸着材及びガス用吸着材に含まれる水分をガスとともに貯蔵容器外に放出し、貯蔵容器内の水分を低減することができる。
本発明に係る吸着式ガス貯蔵装置は、図1に示すように、例えば各種有機物を含有する汚泥を微生物の作用により嫌気性消化する消化槽等において発生するバイオガスG(ガスの一例)を吸着可能なバイオガス用吸着材4aが設けられた吸着貯蔵部3aを貯蔵容器3内に備え、そのバイオガスGを、そのバイオガス用吸着材4aに吸着させて貯蔵するように構成されている。
また、バイオガス用吸着材4aから脱着されて払い出されたバイオガスGは、車両およびガスエンジンなどの燃料として用いることができる。
詳しくは、貯蔵容器3の同じ側面3cに流入口3i及び流出口3oが形成されており、上記水分調整部3bが、貯蔵容器3内において、吸着貯蔵部3aと上記側面3cとの間に介装されているので、上記貯蔵状態及び上記払い出し状態の両状態において水分調整部3bをバイオガスGが通過することになる。
すなわち、貯蔵容器3内には、バイオガス用吸着材4aとして、水分吸着特性(性能)の低い活性炭を吸着貯蔵部3aに充填しているので、貯蔵状態(貯蔵工程)において水分を含有するバイオガスGを吸着貯蔵する際には、バイオガスG中に存在する水分の大半は、そのバイオガス用吸着材4aとしての活性炭に吸着されずに、水分調整部3b側に留まる。そして、バイオガスG’を脱着する際には、水分調整部3bに留まっていた水分は、脱着されたバイオガスG’に同伴して貯蔵容器3外に払い出されることになるので、払い出されるバイオガスG’に含まれる水分は増加することになる。
このような図3(a)及び(b)に示す吸着・脱着により、吸着貯蔵部3aに充填されているバイオガス用吸着材4aに存在する水分は、バイオガスG’とともに外部に払い出されることが無いため、払い出しバイオガスGの水分量を増加させることはなく、払い出しバイオガスGの露点が導入バイオガスGの露点よりも上昇することはない。
これにより、比較的水分量の少ないバイオガスGが払い出されるため、このバイオガスGを、例えば、車両若しくはガスエンジン等の燃料として有効に利用することができる。
バイオガス用吸着材4aとしての活性炭の比表面積が500m2/g未満であると、単位重量当たりの吸着量が小さくなる傾向がある。
一方、2400m2/gを越えるものであると、充填密度が低くなり、単位体積当たりの吸着量が小さくなる傾向がある。
バイオガス用吸着材4aとしての活性炭の平均細孔径が7Å未満であると、バイオガスG中の二酸化炭素が脱着し難く、吸脱着を繰り返した後の性能低下が大きくなる。
一方、バイオガス用吸着材4aとしての活性炭の平均細孔径が20Åを超えると、バイオガスG中のメタンの吸着量が非常に小さくなる傾向がある。
尚、水分吸着量の測定方法としては、200℃で10時間真空乾燥した吸着材に対して、一般的な測定方法である容量法により、相対湿度0%〜99%における水分量を測定する。
尚、飽和吸着量としては、相対湿度99%における水分吸着量の測定値を用いる。
バイオガス用吸着材4aとしての活性炭として、温度25℃で相対湿度40%の状態の雰囲気下での水分吸着量が飽和水分吸着量の1/4を超える活性炭を用いることで、バイオガスG中に存在する水分を吸着して吸着性能の低下を引き起こす可能性がある。
なお、バイオガス用吸着材4aの水分吸着による吸着性能の低下が問題とならない場合には、上記のような水分吸着特性とは異なる特性を有するバイオガス用吸着材4aを用いてもよい。
上記炭素質材料としては、椰子殻、パーム椰子などの植物系原料、石炭系原料、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、イオン交換樹脂などの合成系原料を炭化した炭化物を破砕又は成形して得られる。
上記賦活に用いる炭素質材料の形状、サイズは特に限定されないが、0.1mm〜10mm程度の破砕状物、顆粒状又は円柱状の成形物が一般的である。この炭素質材料を賦活して活性炭とするには、水蒸気10容量%〜20容量%、二酸化炭素15容量%〜25容量%の酸化性ガス及び窒素ガスを用いて、600℃〜1200℃の温度で賦活する。賦活時間は特に限定されないが、平均粒径3mm以上の炭素質材料については1時間以上が好ましく、通常は最長でも50時間までである。
尚、水分用吸着材4bとしては、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライトの他に、活性炭等の別の吸着材を設けることもできる。
また、水分用吸着材4bの水分吸着量が、バイオガス用吸着材4aの水分吸着量よりも導入バイオガスの相対湿度条件下において大きいことが必須である。この水分吸着量が小さいと払い出し状態(払い出し工程)においてバイオガス用吸着材4aから水分脱着された水分を完全に吸着できなくなり、払い出しバイオガスGの露点が高くなる。
さらに、図3(a)、(b)、(c)に対応するバイオガス貯蔵方法を実施するための水分用吸着材4bの比表面積は、100m2/g以上且つ800m2/g以下の範囲内が好ましく、また、その細孔容積は、0.1cm3/g以上且つ1.5cm3/g以下の範囲内が好ましい。さらに、かかる水分用吸着材4bの充填量は、導入バイオガスの水分量、払い出しバイオガスの許容可能水分量、水分用吸着材4bの水分吸着量、及びバイオガス用吸着材4aの水分量により適宜決定される。
また、バイオガスGを圧縮した状態で貯蔵する場合には適宜圧縮機が設けられる。
上記脱硫部1におけるバイオガスGの脱硫処理は、一般的に行われているものでよく、例えば、バイオガスGを脱流用吸着材が充填されている吸着塔(分離手段)に通し、硫化水素等の硫化物を吸着・除去する。脱硫用吸着材としては、従来から脱硫剤として使用されている活性炭、ゼオライト、金属酸化物(酸化銅、酸化亜鉛、酸化鉄など)が例示される。脱硫用吸着材における吸着時の温度及び圧力は、バイオガスGの発生状態そのままでもよく、特に制限されないが、温度は、常温〜100℃程度が好ましく、常温〜60℃程度がより好ましく、一方、圧力は、常圧〜1MPaG程度が好ましい。かかる脱硫処理は、バッチ方式で行っても良く、或いは2塔以上を使用して、脱硫操作と脱硫剤(脱硫用吸着材)の再生操作とを交互に行う連続再生処理方式で行っても良い。脱硫用吸着材の再生は、吸着塔に過熱水蒸気を吹き込んで、硫化水素を分離することにより行われる。また、バイオガスGの脱硫処理としては、一般的に使用されている微生物による処理も可能である。
これまでの実施形態においては、貯蔵容器3内に、バイオガス用吸着材4aが充填された吸着貯蔵部3aと水分用吸着材4bが充填された水分調整部3bとがともに設けられている実施形態について説明したが、参考例としては、上記吸着貯蔵部3aを吸着貯蔵容器31内に備え、また、上記水分調整部3bを水分調整容器32内に備え、これら吸着貯蔵容器31と水分調整容器32とが分離した構成としてもよい。
このような構成により、貯蔵状態(貯蔵工程)において、流入路7及び流入口3i側から吸着貯蔵部3aに導入されるバイオガス、及び払い出し状態(払い出し工程)において、吸着貯蔵部3aから流出口3o及び流出路9側へ払い出されるバイオガスの両方が通過する部位に、水分用吸着材4bが配置されることとなるので、上述した実施形態の吸着式ガス貯蔵装置(図1)と同様の作用効果を発揮することとなる。
60mlの貯蔵容器3内において、流入口及び流出口が設けられた下方側を、水分用吸着材4bとしてシリカゲル(A)を5wt%充填して水分調整部3bとし、その上方側を、バイオガス用吸着材4aとして活性炭を95wt%充填して吸着貯蔵部3aとした。
上記水分用吸着材4bとしてのシリカゲル(A)は、比表面積が430m2/g、細孔容量が0.78cm3/g、平均細孔径が65Å、25℃で相対湿度40%(相対圧0.4)の状態で飽和吸着量の1/7の吸着特性を有するシリカゲル(A)を用いた(図7)。
上記バイオガス用吸着材4aとしての活性炭は、比表面積が1207m2/g、細孔容量が0.541cm3/g、平均細孔径が9Å、粒径が0.212mm以上且つ4.75mm以下の範囲内(メディアン径1.15mm)、25℃で相対湿度40%(相対圧0.4)の状態で飽和吸着量の1/10の特性を有する椰子殻活性炭を用いた(図6)。
ここで、以下の図面において、バイオガス用吸着材4aに、バイオガスGなどの吸着及び脱着をそれぞれ一回ずつ行うことを繰り返し回数一回とする。
結果、上記のように、結露する条件であるにもかかわらず、その貯蔵量は、図5に示す実施例1のデータのとおり、繰り返し使用しても、水分蓄積による貯蔵性能の低下は見られなかった。
上記実施例1に対して、貯蔵容器3内に、水分用吸着材を充填することなく、上記バイオガス用吸着材4aのみを充填したものを比較例1として、上記実施例1と同様の性能評価を行った。
結果、その貯蔵量は、図5に示す比較例1のデータのとおり、繰り返し使用した場合には、水分蓄積による貯蔵性能が徐々に低下していることが確認できる。
実施例1と同様に60mlの貯蔵容器3において、流入口及び流出口が設けられた下方側を、水分用吸着材4bとしてシリガゲル(B)を10容量%充填して水分調整部3bとし、その上方側を、バイオガス用吸着材4aとして活性炭を90容量%充填して吸着貯蔵部3aとした。
上記水分吸着材4bとしてのシリガゲル(B)は、充填密度0.35g/cm3、比表面積が315m2/g、細孔容量が1.16cm3/g、平均細孔径が148Å、図8で示す25℃で相対湿度40%(相対圧0.4)の状態で飽和吸着量の1/25の吸着特性を有するシリガゲル(B)を使用した(図8)。
上記バイオガス用吸着材4aとしての活性炭は、比表面積が814m2/g、細孔容量が0.35cm3/g、平均細孔径が7.5Åであり、25℃で相対湿度40%(相対圧0.4)の状態で飽和吸着量の1/6の吸着特性を有する椰子殻活性炭を使用した。
この混合ガス導入時は、実施例1と同様に貯蔵容器3内の温度が導入された混合ガスの露点よりも低いため、貯蔵容器3内では混合ガスの水分が結露する条件である。
結果、上記のように、結露する条件であるにもかかわらず、3000回吸脱着操作をした際のその貯蔵量の低下率は、図10に示すデータのとおり、繰り返し使用しても水分の蓄積による貯蔵性能の低下率は約16.0%であった。
実施例2のシリカゲル(B)に替えて、異なる特性を持ったシリカゲル(C)を用いた以外は実施例2と同様に吸脱着操作を繰り返し行い、繰り返し性能評価を行った。上記水分吸着材4bとしてのシリガゲル(C)は、充填密度0.35g/cm3、比表面積が496m2/g、細孔容量が0.76cm3/g、平均細孔径が61Åであり、図9で示すように、25℃で相対湿度40%(相対圧0.4)の状態で飽和吸着量の1/10の吸着特性を有する(図9)。
結果、上記のように、結露する条件であるにもかかわらず、3000回吸脱着操作をした際のその貯蔵量の低下率は、図10に示すデータのとおり、繰り返し使用しても水分の蓄積による貯蔵性能の低下率は約22.6%であった。
実施例2及び3に対して、貯蔵容器3内に水分用吸着材4bを充填することなく、上記バイオガス用吸着材4aのみを充填したものを比較例2として、上記実施例2及び3と同様の性能評価を行った。
結果、その貯蔵性は、図10に示す比較例2のとおり、繰り返し使用した場合には、水分蓄積による貯蔵性能の低下率は約37.4%であり、大きく低下していることが確認できる。
上記別実施形態で説明した参考例としての図4において、水分調整容器32を3mlとし、吸着貯蔵容器31を57mlとした吸着式ガス貯蔵装置を用いて、上記実施例等と同様の性能評価を行った。
吸着貯蔵容器31と水分調整容器32の総容積(60ml)に対して、水分用吸着材4bとしてのシリカゲルを5容量%充填して水分調整部3b(水分調整容器32)とし、その上方側を、バイオガス用吸着材4aとして活性炭を95容量%充填して吸着貯蔵部3a(吸着貯蔵容器31)とした。
上記水分用吸着材4bとしてのシリカゲルは、比表面積が315m2/g、細孔容量が1.16cm3/g、25℃で相対湿度40%(相対圧0.4)の状態で飽和吸着量の1/25の吸着特性を有する。
上記バイオガス用吸着材4aとしての活性炭は、比表面積が814m2/g、細孔容量が0.35cm3/g、平均細孔径が7.5Å、25℃で相対湿度40%(相対圧0.4)の状態で飽和吸着量の1/6の吸着特性を有する椰子殻活性炭を用いた。
水分調整容器32および吸着貯蔵容器31を、室温にて真空乾燥し、32℃に保ちながら、バイオガスGの模擬ガスとして0.6MPaGに加圧して露点37℃のメタン65%と二酸化炭素35%との混合ガスを流量が1.5L/minにて、吸着貯蔵容器31内の圧力が0.6MPaGとなるまで、吸着貯蔵容器31に導入した。
この混合ガスの導入時は、実施例1と同様に吸着貯蔵容器31内の温度が導入された混合ガスの露点より低いため、吸着貯蔵容器31内では混合ガスの水分が結露する条件である。
結果、上記のように、結露する条件であるにもかかわらず、1000回吸脱着操作を繰り返した際の吸着量の変化率は、図11に示すように、比較例2では大きく低下しているにもかかわらず、参考例ではほとんど低下しなかった。また、図11に示すように、貯蔵容器3内にバイオガス用吸着材4aと水分用吸着材4bをともに設置するよりも(実施例2)、バイオガス用吸着材4aが充填された吸着貯蔵部3aと水分用吸着材4bが充填された水分調整部3bとを分離して別の容器とする方が、吸着量の低下は少なかった。
60mlの貯蔵容器3内において、流入口及び流出口が設けられた下方側を、水分用吸着材4bとしてゼオライトを7容量%充填して水分調整部3bとし、その上方側を、バイオガス用吸着材4aとして活性炭を93容量%充填して吸着貯蔵部3aとした。上記水分用吸着材4bとしてのゼオライトは、比表面積が375m2/g、細孔容量が0.2cm3/g、25℃で相対湿度40%(相対圧0.4)の状態で飽和吸着量の9/10の特性を有するゼオライトを用いた(図12)。上記バイオガス用吸着材4aとしての活性炭は、比表面積が1207m2/g、細孔容量が0.541cm3/g、平均細孔径が9Å、粒径が0.212mm以上且つ4.75mm以下の範囲内(メディアン径1.15mm)、25℃で相対湿度40%(相対圧0.4)の状態で飽和吸着量の1/10の吸着特性を有する椰子殻活性炭を用いた。
結果、露点は−22℃であり、導入ガスより露点が高くなることはなかった。
導入ガスの露点が−45℃であること以外は、実施例5と同様にして繰り返し吸着、脱着を行い、払い出しガスの露点を測定した。その結果を図13に示すが、繰り返し吸着及び脱着を行っても、払い出しガスの露点は導入ガスとほぼ同じであった。
上記実施例5に対して、貯蔵容器3内に、水分用吸着材4bを充填することなく、上記バイオガス用吸着材4aのみを充填したものを比較例3として、上記実施例5と同様の性能評価を行った。
結果、払い出しガスの露点は−13℃であり、導入ガスより高い露点となった。
上記実施例6に対して、貯蔵容器3内に、水分用吸着材4bを充填することなく、上記バイオガス用吸着材4aのみを充填したものを比較例4として、上記実施例6と同様の性能評価を行った。
その結果は図13に示すとおり、払い出しガスの露点は、吸着及び脱着の繰り返し回数とともに低くなっていくが、いずれも導入ガスより高い露点であった。
31:吸着貯蔵容器
32:水分調整容器
3a:吸着貯蔵部
3b:水分調整部
3c:側面
3i:流入口
3o:流出口
3y:放出口
4a:バイオガス用吸着材
4b:水分用吸着材
5:制御部(切換手段)
G:バイオガス
Claims (8)
- ガスを吸着可能なガス用吸着材が設けられた吸着貯蔵部を備えた吸着式ガス貯蔵装置であって、
前記吸着貯蔵部が、貯蔵容器内に設けられ、
前記吸着貯蔵部に導入され前記ガス用吸着材に吸着される前記ガス及び前記ガス用吸着材から脱着させて前記吸着貯蔵部から払い出される前記ガスの両方が通過する前記貯蔵容器内の部位に、前記ガス中の水分を吸着可能な水分用吸着材が設けられた水分調整部を備え、
前記貯蔵容器の前記水分調整部が存在する側の同側面に、前記ガスを前記吸着貯蔵部に導入して前記ガス用吸着材に吸着させ貯蔵する貯蔵状態において前記ガスが流入する流入口、及び、前記ガスを前記ガス用吸着材から脱着させて前記吸着貯蔵部から払い出す払い出し状態において前記ガスが流出する流出口が形成され、
前記水分調整部が、前記貯蔵容器内において、前記吸着貯蔵部と前記流入口及び前記流出口が形成された側面との間に介装され、
前記貯蔵容器の前記吸着貯蔵部の存在する側の側面に、前記吸着貯蔵部側から直接ガスを放出可能な放出口が形成されるとともに、
前記ガス用吸着材が、前記水分用吸着材よりも、同一温度、同一湿度条件下における水分吸着量が低い吸着材からなる吸着式ガス貯蔵装置。 - 前記ガスを前記吸着貯蔵部に導入して前記ガス用吸着材に吸着させ貯蔵する貯蔵状態と、前記ガスを前記ガス用吸着材から脱着させて前記吸着貯蔵部から払い出す払い出し状態とを切り換える切換手段を備えた請求項1に記載の吸着式ガス貯蔵装置。
- 前記ガス用吸着材が、温度25℃での相対湿度が40%の状態における水分の吸着量が、飽和吸着量の1/4以下の活性炭からなる請求項1又は2に記載の吸着式ガス貯蔵装置。
- 前記水分用吸着材が、活性アルミナ、シリカゲルおよびゼオライトからなる群から選ばれる一以上の吸着材である請求項1〜3の何れか一項に記載の吸着式ガス貯蔵装置。
- 前記ガス用吸着材に吸着されるガスが、バイオガスであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の吸着式ガス貯蔵装置。
- 前記水分用吸着材の水分の吸着量が、温度25℃での相対湿度が40%の状態において、飽和吸着量の1/3以下である請求項1〜5の何れか一項に記載の吸着式ガス貯蔵装置。
- 前記水分用吸着材の水分の吸着量が、温度25℃での相対湿度が40%の状態において、飽和吸着量の1/2以上である請求項1〜5の何れか一項に記載の吸着式ガス貯蔵装置。
- 請求項1〜7の何れか一項に記載の吸着式ガス貯蔵装置を用いるガス貯蔵方法であって、前記ガスを前記水分調整部を通過させて前記吸着貯蔵部に導入して前記ガス用吸着材に吸着させ貯蔵する貯蔵工程と、前記水分調整部を通過させて前記吸着貯蔵部に導入されたガスを、当該吸着貯蔵部から直接前記放出口を通じて放出させる水分放出工程と、前記ガスを前記ガス用吸着材から脱着させて前記吸着貯蔵部から前記水分調整部を通過させ払い出す払い出し工程とを含むガス貯蔵方法。
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