JP5221372B2 - 可燃性ガス濃縮装置および可燃性ガス濃縮方法 - Google Patents
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Description
これにより、原料ガスとしての炭鉱ガスから、吸着材を用いて空気を分離し、メタンガスを濃縮して、当該濃縮されたメタンガスを燃料等として利用することができるものとされている。
また、可燃性ガスの爆発の可能性は、可燃性ガスの濃度に加え、原料ガス等に酸素ガスが所定の濃度で含まれる場合に爆発する可能性があるものとされている。この濃度範囲は、酸素ガスが10Vol%以上含まれる範囲とされている。
したがって、特許文献1に記載の発明のように、爆発の可能性のある濃度範囲に近い濃度の炭鉱ガスを、圧縮機等を利用して吸着塔に導入した場合には、炭鉱ガスの圧力が上昇して、上記濃度範囲よりも広い濃度範囲においても爆発するおそれが生じ問題である。
すなわち、炭鉱内において、圧縮機を使用してメタンガスの濃縮を行うことは、好ましいとは言い難い。
前記吸着塔に可燃性ガスおよび空気を含有する原料ガスを供給路を通じて供給するとともに、前記原料ガスのうち前記吸着材に吸着されなかった排ガスを放出路を通じて前記吸着塔の外部に放出する供給手段と、
前記吸着塔内を大気圧よりも減圧して前記吸着材に吸着された可燃性ガスを脱着させ、収集路を通じて収集する収集手段と、
前記供給手段により前記吸着塔へ前記原料ガスを大気圧付近で供給するとともに、前記吸着塔から前記排ガスを放出する可燃性ガス吸着工程と前記収集手段により脱着される前記可燃性ガスを収集する可燃性ガス脱着工程とを順次実行させる制御手段と、を備え
前記吸着材が、大気圧および298K下におけるメタンガス吸着量が20Ncc/g以上である活性炭、ゼオライト、シリカゲルおよび有機金属錯体からなる群から選択される少なくとも一つである点にある。
これにより、可燃性ガス吸着工程では、可燃性ガス自体を吸着材に吸着させることができ、排ガス中の可燃性ガスの濃度を極めて低い濃度範囲にして、爆発範囲外の濃度にすることができる。
また、可燃性ガス脱着工程では、吸着塔を大気圧よりも低く減圧して可燃性ガスを脱着させるので、可燃性ガスの回収率を上げつつ、可燃性ガスの濃度を爆発範囲よりも高く、同時に酸素濃度を低くして、収集した濃縮済みの可燃性ガスを爆発範囲外の濃度にすることができる。さらに、上記供給手段が、吸着塔への原料ガスの供給と吸着塔からの排ガスの放出とを同時に行うとともに、大気圧付近で可燃性ガスの吸着性能の高い吸着材を用いるため、圧縮ポンプ等を用いることなく単なる送風等により、原料ガスを吸着塔に供給することができ、原料ガスの供給の際に、圧縮機等により原料ガスの圧力が上昇して爆発範囲内の濃度になることを防止することができる。
上記吸着材として大気圧及び298K下においてメタンガスを選択的に吸着できるメタン吸着材を用いることで、当該メタン吸着材に大気圧及び298K下でも充分にメタンガスを吸着することができる。
すなわち、大気圧および298K下におけるメタン吸着量が20Ncc/gより低いと、低圧(特に大気圧程度)でのメタン吸着性能が低下して、濃縮後のメタンガスのメタン濃度が低下するとともに、吸着性能を維持するには、吸着材の増量が必要となり装置が大型化する。
したがって、大気圧および298K下におけるメタンガス吸着量が20Ncc/g以上である活性炭、ゼオライト、シリカゲルおよび有機金属錯体からなる群から選択される少なくとも一つであるメタン吸着材が良い。
これにより、相対圧0.99における吸着量は全細孔容積を、相対圧0.013における吸着量は10Å以下の細孔容積を示し、それぞれの値の比は上記と同じように10Å以下の細孔の割合が多いことを示している。その結果として、メタンガスと空気との混合ガスを原料ガスとする場合も、大気圧付近でのメタンガスの濃縮を容易にかつ、効率よく行なうことができる。
これにより、放出路における可燃性ガスの状態を検出して、可燃性ガスの吸着が完了したと判断できれば、可燃性ガス吸着工程の後、即座に可燃性ガス脱着工程を実行し、吸着の完了に伴って吸着されなかった可燃性ガスが放出路に放出されるのを防止することができる。
これにより、可燃性ガス脱着工程が終了して大気圧よりも低く減圧された状態にある吸着塔内に、比較的高圧(大気圧付近)の空気を供給して、大気圧付近にまで昇圧することができ(以下、空気昇圧工程と呼ぶ場合もある)、吸着塔において可燃性ガス吸着工程を実行する際に、吸着対象である可燃性ガスが吸着され易い環境を作ることができる。
すなわち、可燃性ガス脱着工程が終了して大気圧よりも低く減圧された状態にある吸着塔内に、比較的高圧(大気圧付近)の空気を供給して所定の圧力まで昇圧することができるとともに、その後さらに高濃度の可燃性ガスを供給して所定の圧力から大気圧付近にまで昇圧することができる。
これにより、吸着塔において可燃性ガス吸着工程を実行する際に、原料ガスと当該原料ガスよりも高濃度の可燃性ガスとを吸着材へ供給することができ、原料ガスのみを供給した場合と比較して可燃性ガスの濃縮率を向上させることができる。また、吸着塔内の圧力を大気圧付近にまで昇圧することで、吸着対象である可燃性ガスが吸着され易い環境を作ることができる。なお、濃縮率を向上させるために空気による昇圧を全く行わないことも考えられるが、高濃度の可燃性ガスのみを吸着塔に供給すると可燃性ガス吸着工程において当該高濃度の可燃性ガスのみが吸着され、すぐに可燃性ガスが所定の濃度となって放出路から放出されてしまい、原料ガスを十分に吸着させることができないため、空気を導入して所定の圧力まで昇圧を行うことが必要である。
これにより、可燃性ガス吸着工程が終了し可燃性ガス脱着工程が開始される前において、可燃性ガスがほとんど存在していない状態における吸着塔内の排ガス(窒素ガス、酸素ガスが大部分を占めるものと考えられる)を、パージ工程を実行することにより貯蔵タンクに貯蔵された高濃度の可燃性ガスにより吸着塔内から追い出して放出路に放出させ、吸着塔内の可燃性ガスの濃度を上げた状態としておよび高濃度の可燃性ガスパージによる、可燃性ガス吸着量の増大により、後に実行される可燃性ガス脱着工程において収集される可燃性ガスの濃度の低下を防止することができる。
これにより、パージ工程において吸着塔内のガスを放出させるために用いた高濃度の可燃性ガスを、放出路を通じて吸着塔の外部空間に放出してしまうことなく、再度、供給路に流通させて、高濃度に濃縮された可燃性ガスの無駄を防止するとともに、原料ガスよりも高濃度に濃縮された可燃性ガスをさらに濃縮に用いて、より可燃性ガスの濃縮を促進することができる。
これにより、吸着塔間連通路を通じて、上記可燃性ガス吸着工程が終了し、上記可燃性ガス脱着工程の前における比較的高圧状態(大気圧付近)にある上記他方の吸着塔から、上記可燃性ガス脱着工程が終了し、前記可燃性ガス吸着工程の前における比較的低圧状態(大気圧から真空まで程度)にある上記一方の吸着塔へ、上記他方の吸着塔内のガスを流通して両吸着塔内の圧力を上記均圧工程により均衡させることができ、上記一方の吸着塔内を昇圧して、当該一方の吸着塔において可燃性ガス吸着工程を実行する際に、吸着対象である可燃性ガスが吸着され易い環境を作ることができる。
また、可燃性ガス脱着工程により高濃度の可燃性ガスを得る際、吸着塔内の圧力が低くなるに従い、得られる製品ガスの濃度が高くなる。従って、均圧工程を実行することにより可燃性ガス脱着工程前の吸着塔内の圧力をより低くでき、均圧工程を実行しない場合に比べてより高い濃度の可燃性ガスが得られる。
これにより、貯蔵タンクへ収集される濃縮後の可燃性ガスの濃度をより一層高濃度に濃縮できるとともに、原料ガスや濃縮後の可燃性ガスの濃度が爆発範囲内に入ってしまうことを効果的に防止することができる。
これにより、可燃性ガス自体を吸着材に吸着させることができ、排ガス中の可燃性ガスの濃度を極めて低い濃度範囲にして、爆発範囲外の濃度にすることができる。また、吸着塔を大気圧よりも低く減圧して可燃性ガスを脱着させるので、可燃性ガスの回収率を上げつつ、可燃性ガスの濃度を爆発範囲よりも高く、同時に酸素濃度を低くして、収集した濃縮済みの可燃性ガスを爆発範囲外の濃度にすることができる。
さらに、吸着塔への原料ガスの供給と吸着塔からの排ガスの放出とを同時に行うとともに、大気圧付近で可燃性ガスの吸着性能の高い吸着材を用いるため、圧縮ポンプ等を用いることなく単なる送風等により、原料ガスを吸着塔に供給することができ、原料ガスの供給の際に、圧縮機等により原料ガスの圧力が上昇して爆発範囲内の濃度になることを防止することができる。
上記吸着材として大気圧及び298K下においてメタンガスを選択的に吸着できるメタン吸着材を用いることで、当該メタン吸着材に大気圧及び298K下でも充分にメタンガスを吸着することができる。
すなわち、大気圧および298K下におけるメタン吸着量が20Ncc/gより低いと、低圧(特に大気圧程度)でのメタン吸着性能が低下して、濃縮後のメタンガスのメタン濃度が低下するとともに、吸着性能を維持するには、吸着材の増量が必要となり装置が大型化する。
したがって、大気圧および298K下におけるメタンガス吸着量が20Ncc/g以上である活性炭、ゼオライト、シリカゲルおよび有機金属錯体からなる群から選択される少なくとも一つであるメタン吸着材が良い。
これにより、可燃性ガス吸着工程が終了し可燃性ガス脱着工程が開始される前において、可燃性ガスがほとんど存在していない状態における吸着塔内の排ガス(窒素ガス、酸素ガスが大部分を占めるものと考えられる)を、パージ工程を実行することにより、貯蔵タンクに貯蔵された高濃度の可燃性ガスにより吸着塔内から追い出して放出路に放出させ、吸着塔内の可燃性ガスの濃度を上げた状態としておよび高濃度の可燃性ガスパージによる、可燃性ガス吸着量の増大により後に実行される可燃性ガス脱着工程において収集される可燃性ガスの濃度の低下を防止することができる。
これにより、パージ工程において吸着塔内のガスを放出させるために用いた高濃度の可燃性ガスを、放出路を通じて吸着塔の外部空間に放出してしまうことなく、再度、供給路に流通させて、高濃度に濃縮された可燃性ガスの無駄を防止するとともに、原料ガスよりも高濃度に濃縮された可燃性ガスをさらに濃縮に用いて、より可燃性ガスの濃縮を促進することができる。
[第1実施形態]
図1は、本装置100の概略構成を示す図である。具体的には、本装置100は、図1に示すように吸着材3を充填した吸着塔2と、原料ガスGを供給するとともに排ガスOGを放出する供給手段4と、濃縮後(高濃度)の可燃性ガスPGを収集する収集手段5と、供給手段4および収集手段5を制御する制御手段6と、吸着塔2内の吸着材3における可燃性ガスの吸着完了を検出する吸着完了検出手段7とを備えて構成される。
なお、詳細は後述するが、本装置100が炭鉱に設置される場合には、上記供給手段4としては、送風機(ブロアー)4aが用いられる。すなわち、炭鉱内から発生する炭鉱ガス(原料ガスG)を吸引し、当該原料ガスGを圧縮せずに、送風機4aにより実質的に大気圧にて吸着塔2へ供給できることとなる。上記収集手段5としては、真空ポンプ5aが用いられる。
ここで、原料ガスGは、可燃性ガスと空気とを含むガスであるが、例えばメタンガスと空気とを含む炭鉱ガスとすることもできる。また、可燃性ガスとしては、可燃性の気体であれば特に制限されないが、例えば炭鉱ガスに含まれるメタンガスとすることもできる。以下においては、原料ガスGを炭鉱ガスGとし、原料ガスGには可燃性ガスとしてのメタンガスと空気とを含むものとして説明する。なお、炭鉱ガスGとは炭鉱から発生するガスであり、条件により異なるが、炭鉱ガスG中には、メタンガス20〜40Vol%程度、空気(主として窒素ガス、酸素ガスが含まれる)60〜80Vol%程度が含まれている。
また、MP法における平均細孔直径が4.5Åより小さいと、酸素ガス、窒素ガスの吸着量が増え、濃縮後におけるメタンガス中のメタン濃度が低下したり、平均細孔直径がメタン分子径に近くなり吸着速度が遅くなってメタン吸着性能が低下したり、吸着しなくなる。一方、MP法における平均細孔直径が15Åより大きいと、低圧(特に大気圧程度)でのメタン吸着性能が低下して、濃縮後のメタンガスのメタン濃度が低下するとともに、吸着性能を維持するには、メタン吸着材3aの増量が必要となり装置が大型化する。
したがって、MP法による平均細孔直径が4.5〜15Åで、かつ大気圧および298K下におけるメタンガス吸着量が20Ncc/g以上である活性炭、ゼオライト、シリカゲルおよび有機金属錯体からなる群から選択される少なくとも一つであるメタン吸着材3aが良い。
排ガスOGが放出される放出路31には、排ガスOGの放出を調整可能な放出路切替弁41が設けられ、後述する制御手段6の制御により排ガスOGの放出を調整することができる。
濃縮後のメタンガスPGの収集の際に通過する収集路32には、濃縮後のメタンガスPGの通過を調整可能な収集路切替弁42が設けられ、後述する制御手段6の制御により濃縮後のメタンガスPGの通過を調整することができる。
これら供給路切替弁40、放出路切替弁41、収集路切替弁42の具体的な調整動作は、制御手段6による開閉操作であるが、この開閉操作については後述する。
また、供給手段4は、その動作上、吸着塔2に供給された炭鉱ガスGのうちメタン吸着材3aに吸着されなかった排ガスOGを、放出路31を通じて吸着塔2の外部空間に放出させる手段でもある。
すなわち、供給手段4は、炭鉱ガスGを昇圧することなく大気圧付近で吸着塔2内に送り込み、炭鉱ガスG中のメタンガスを吸着させつつ、排ガスOG(メタン濃度の非常に低い、主に窒素ガス、酸素ガスからなるガス)を放出路31を通じて放出することができる。
具体的には、図4に示すように、メタンガス吸着工程を実行している経過時間が所定の経過時間となるまでは排ガスOG中のメタン濃度は、非常に低濃度に保たれているが、メタン吸着材3aがメタン吸着限界(破過)に達した場合には、急激にメタン濃度が上昇する。これを利用して吸着塔2内のメタン吸着材3aが吸着限界に達したか否かを判断することができる。
すなわち、図5に示すように、メタンガス脱着工程の開始からメタンガス脱着工程の終了までおいては、時間が経過するにつれ、濃縮後のメタンガスPG中のメタン濃度が上昇している。これと同様に、図6に示すように、上記時間が経過するにつれ、吸着塔2内の圧力が大気圧から徐々に真空付近まで減圧され、これに伴い濃縮後のメタンガスPG中のメタン濃度が上昇している。換言すると、メタンガス脱着工程において減圧を行い、ある程度時間が経過して吸着塔2内が真空に近づいていくと、これにつれて収集される濃縮後のメタンガスPGのメタン濃度は上昇していく事がわかる。したがって、濃縮後のメタンガスPG中のメタン濃度は、非常に濃い状態となり、爆発範囲内の濃度となることを防止できることとなる。なお、排ガスOGについても、上述のとおり、メタン濃度は低濃度に保たれており、爆発範囲内の濃度となることを防止できる。
以下に、本装置100を実際に動作させて、濃縮後の高濃度のメタンガスPGを精製した場合の具体例を示す。
吸着塔2として円筒状の容積が0.333Lの容器を用い、当該吸着塔2内にメタン吸着材3aを206.7g充填する。〔表1〕、〔表2〕に示すように、メタン吸着材3aとして、MP法による平均細孔直径8.5Å、全細孔容積に対するHK法における平均細孔直径の10Å以下の細孔容積の割合83%(相対圧0.013下での窒素吸着量割合は同じ)、比表面積1025m2/g、全細孔容積0.45ml/g、大気圧および298K下におけるメタン吸着量27Ncc/gの活性炭を用いた。
そして、この吸着塔2内に、大気圧下において送風機4aにより、模擬炭鉱ガスGとしてメタン21.05%、空気78.95%の混合ガスを供給した。この際の供給速度は、2L/Mであった。この際の吸着塔2内の圧力は、3.6KPaであった。
この炭鉱ガスGの供給を、図4に示すように、メタン吸着材3aが吸着限界(破過)となって排ガスOG中のメタン濃度が5Vol%になるまで、約190秒間行った。
この炭鉱ガスGの供給に伴い、排ガスOGが5.48L(メタンガス0.01L、酸素と窒素併せて5.47L)放出された。
一方、真空ポンプ5aにより吸着塔2内を、−97KPaまで減圧して、濃縮後のメタンガスPGを2.37L(メタンガス1.08L(平均メタン濃度45.6Vol%)、酸素0.25L(平均酸素濃度10.4Vol%)、窒素1.04L)を得た。
吸着塔2内に酸素吸着材としてのモレキュラーシーブカーボンを充填して、炭鉱ガスから酸素を吸着してメタンガスを濃縮することとして、吸着シミュレーターにより計算を行った。炭鉱ガスに相当するガス(メタンガス(21Vol%)、酸素(17Vol%)、窒素(62Vol%)が含まれる)を、吸着塔2内に供給速度4000m3/Hで供給した。供給時の吸着塔2内は、圧力0.6MPa、温度30℃であった。なお、この比較例1は、先に説明した特許文献1の技術を模擬したものである。
吸着塔2からは、メタンガス(平均メタン濃度18.8Vol%)、酸素(平均酸素濃度25.6Vol%)、窒素が含まれる排ガスが放出された。
また、吸着塔2から、濃縮後のガスとしてメタンガス(メタン濃度23Vol%)、酸素(酸素濃度8.4Vol%)、窒素が含まれる濃縮後のメタンガスが放出された。
この結果について、メタンガスの濃縮および酸素濃度の低下による爆発の可能性の検討を行うと、濃縮後のメタンガス中の酸素濃度は低下して、10Vol%以下となり爆発範囲内の濃度となることを防止しているものの、メタンガスの濃縮は非常に少ない。一方、排ガス中の平均酸素濃度が上昇して、逆に爆発範囲内の濃度に近づき好ましくない。また、経時的には排ガス中の平均メタン濃度が爆発範囲内に入るおそれがある。
〔表1〕、〔表2〕に、メタン吸着材3aとして上記実施例1の活性炭に加え、実施例2〜7に記載された活性炭を用いた場合における、本装置100により得られた製品ガスとしての高濃度のメタンガスPG中のメタン濃度、当該メタンガスPG中の酸素濃度を示す。これら活性炭は何れも、MP法における平均細孔直径が4.5〜15Å内であるとともに、大気圧(0.1MPa)および298K下におけるメタンガス吸着量が20Ncc/g以上であり、さらにHK法における平均細孔直径の10Å以下の細孔容積が、全細孔容積の50Vol%以上であるメタンガスの吸着性能が非常に高い活性炭である。
これら実施例1〜7の活性炭を用いた場合には、製品ガスとしての高濃度のメタンガスPGの濃度は、最も低いものでも37.5Vol%であり、当該メタンガスPG中の酸素濃度は最高でも、11.8Vol%である。したがって、製品ガスが爆発範囲内の濃度となることは、限りなく防止されていることがわかる。
一方、比較例2として、〔表1〕、〔表2〕に、MP法における平均細孔直径が4.5〜15Å内であるが、大気圧(0.1MPa)および298K下におけるメタンガス吸着量が20Ncc/gより低く、HK法における平均細孔直径の10Å以下の細孔容積が、全細孔容積の50Vol%より低い活性炭を用いた場合における、本装置100により得られた製品ガスとしての高濃度のメタンガスPG中のメタン濃度、当該メタンガスPG中の酸素濃度を示す。
比較例2に記載の活性炭を用いた場合には、製品ガスとしてのメタンガスPG中のメタン濃度は、32.2Vol%であり、爆発範囲内の濃度ではないが、酸素濃度が、13.2Vol%であり、上記実施例1〜7に比べ爆発の可能性のある爆発範囲内の濃度となっている。
また、比較例3として、〔表1〕、〔表2〕に、MP法における平均細孔直径が4.5〜15Åの範囲外であって、大気圧(0.1MPa)および298K下におけるメタンガス吸着量が20Ncc/gより低く、HK法における平均細孔直径の10Å以下の細孔容積が、全細孔容積の50Vol%以上である活性炭を用いた場合における、本装置100により得られた製品ガスとしての高濃度のメタンガスPG中のメタン濃度、当該メタンガスPG中の酸素濃度を示す。
比較例3に記載の活性炭を用いた場合には、製品ガスとしてのメタンガスPG中のメタン濃度は、8.5Vol%であり、酸素濃度が、31.2Vol%であるため両濃度ともに爆発範囲内であり、上記実施例1〜7に比べ爆発の可能性が非常に高いものとなっている。
結果、メタン濃度が30Vol%の炭鉱ガスGを供給した場合には、一回の吸着・脱着操作で、製品ガス中のメタン濃度は57Vol%、酸素濃度は8Vol%であった。また、メタン濃度が40Vol%の炭鉱ガスGを供給した場合には、製品ガス中のメタン濃度は68Vol%、酸素濃度は6Vol%であった。
したがって、供給する炭鉱ガスGのメタン濃度が変化しても、製品ガス中のメタン濃度が爆発範囲外であるだけでなく、酸素濃度も10Vol%以下であって爆発範囲外となり、上記実施例1の活性炭を用いた本装置100は、メタンガスを安全に濃縮できることが確認できた。
上記第1実施形態では、本装置100を、可燃性ガス吸着工程および可燃性ガス脱着工程を順次実行するものとして構成したが、以下のように可燃性ガス吸着工程の終了後、可燃性ガス脱着工程前に、パージ工程などを実行するものとして構成することもできる。
このように、パージ工程などを実行する場合は、本装置100の構成に加えて、以下のように本装置200を構成することができる。なお、上記第1実施形態と同様の構成および実施例等については説明を省略する。
また、放出路31と供給路30との間には、後述するパージ工程において、吸着塔2内から放出路31を通じて放出される濃縮後のメタンガスPGと吸着塔2内の排ガスOGとを、供給路30に再度流通させるためのパージガス回収路34が設けられている。
また、上記パージガス回収路34には、パージガス回収路切替弁44が設けられ、後述する制御手段6の制御により濃縮後のメタンガスPGおよび排ガスOGの再流通を調整することができる。
これにより、炭鉱ガスGを大気圧下で吸着塔2内に供給して、メタンガスを吸着材3aに選択的に吸着させつつ、排ガスOG内に貴重なメタンガスが流出するのを防止することができる。すなわち、図4に示すように、所定の時間が経過するまでは、ほぼ完全にメタンガスが吸着されて吸着塔2の外部に流出することはなく、排ガスOG中のメタン濃度は非常に低いため、爆発範囲外の濃度となっている。
具体的には、図4に示すように、メタンガス吸着工程を実行している経過時間が所定の経過時間となるまでは排ガスOG中のメタン濃度は、非常に低濃度に保たれているが、メタン吸着材3aがメタン吸着限界(破過)に達した場合には、急激にメタン濃度が上昇する。これを利用して吸着塔2内のメタン吸着材3aが吸着限界に達したか否かを判断することができる。
すなわち、図5に示すように、メタンガス脱着工程の開始からメタンガス脱着工程の終了までおいては、時間が経過するにつれ、濃縮後のメタンガスPG中のメタン濃度が上昇している。これと同様に、図6に示すように、上記時間が経過するにつれ、吸着塔2内の圧力が大気圧から徐々に真空付近まで減圧され、これに伴い濃縮後のメタンガスPG中のメタン濃度が上昇している。換言すると、メタンガス脱着工程において減圧を行い、ある程度時間が経過して吸着塔2内が真空に近づいていくと、これにつれて収集される濃縮後のメタンガスPGのメタン濃度は上昇していく事がわかる。したがって、濃縮後のメタンガスPG中のメタン濃度は、非常に濃い状態となり、爆発範囲内の濃度となることを防止できることとなる。なお、排ガスOGについても、上述のとおり、メタン濃度は低濃度に保たれており、爆発範囲内の濃度となることを防止できる。
実際に、上記メタンガス吸着工程終了後のパージ工程において、貯蔵タンク8から濃縮済みの高濃度のメタンガスPGをパージガスとして、パージ路33を通じて吸着塔2内に流通させる際に、当該パージガスのメタン濃度及びパージガス量を変化させてみた。この場合において吸着塔2に吸着されたメタンガスを、当該吸着塔2内を減圧することによりメタン吸着材3aから脱着して、収集路32を通じて貯蔵タンク8に貯蔵された製品ガスとしての濃縮後のメタンガスPGのメタン濃度を測定した。その結果を、図9に示す。図9は、パージガスのメタン濃度を50、60、70Vol%にそれぞれ変化させた場合における、パージガス量と製品ガスとしての高濃度のメタンガスPGのメタン濃度との関係を示す図である。
結果、明らかに、上記第1実施形態の表2に示す製品ガス中のメタン濃度(最高でも45.6Vol%)よりも、パージ工程を行うことにより製品ガス中のメタン濃度が向上することが判明した。また、よりメタン濃度の高いパージガスを用いることで製品ガス中のメタン濃度も高くなり、より高濃度に濃縮可能なことも実証された。よって、濃縮後のメタンガスPG(製品ガス)中のメタン濃度は、非常に濃い状態となり、爆発範囲内の濃度となることを防止できることとなる。
上記第2実施形態では、本装置200を、単一の吸着塔2を用いて構成したが、以下のように、複数の吸着塔2を用いて本装置300を構成することもできる。
そして、第3実施形態の本装置300では、第2実施形態の本装置200に加えて、複数の吸着塔2間における均圧工程を実行するものとして構成する。
概略すると、下記〔表3〕に示すように、吸着塔2a、2b、2cの全てが、A〜Fの順に各工程を並行して実行することとなっている。具体的には、本装置300は、吸着塔2aにおいて、A:メタンガス吸着工程、B:均圧工程、C:パージ工程(再流通工程を含む)、D:インターバル、E:メタンガス脱着工程、F:均圧工程の順に動作し、これに対応し、吸着塔2bは、A:パージ工程(再流通工程を含む)、B:インターバル、C:メタンガス脱着工程、D:均圧工程、E:メタンガス吸着工程、F:均圧工程の順に動作し、吸着塔2cは、A:メタンガス脱着工程、B:均圧工程、C:メタンガス吸着工程、D:均圧工程、E:パージ工程(再流通工程を含む)、F:インターバルの順に動作する。
なお、下記〔表3〕においては、パージ工程には、再流通工程が含まれるものとして再流通工程を省略している。
具体的には、図4に示すように、メタンガス吸着工程を実行している経過時間が所定の経過時間となるまでは排ガスOG中のメタン濃度は、非常に低濃度に保たれているが、メタン吸着材3aがメタン吸着限界(破過)に達した場合には、急激にメタン濃度が上昇する。これを利用して吸着塔2a内のメタン吸着材3aが吸着限界に達したか否かを判断することができる。
すなわち、図5に示すように、メタンガス脱着工程の開始からメタンガス脱着工程の終了までおいては、時間が経過するにつれ、濃縮後のメタンガスPG中のメタン濃度が上昇している。これと同様に、図6に示すように、上記時間が経過するにつれ、吸着塔2a内の圧力が大気圧から徐々に真空付近まで減圧され、これに伴い濃縮後のメタンガスPG中のメタン濃度が上昇している。換言すると、メタンガス脱着工程において減圧を行い、ある程度時間が経過して吸着塔2a内が真空に近づいていくと、これにつれて収集される濃縮後のメタンガスPGのメタン濃度は上昇していく事がわかる。したがって、濃縮後のメタンガスPG中のメタン濃度は、非常に濃い状態となり、爆発範囲内の濃度となることを防止できることとなる。なお、排ガスOGについても、上述のとおり、メタン濃度は低濃度に保たれており、爆発範囲内の濃度となることを防止できる。
さらに、上記実施例において、さらにパージ工程や再流通工程を行うことにより、製品ガスとしてのメタンガスPGは、平均メタン濃度約50〜99Vol%、平均酸素濃度約0.2〜10Vol%まで高濃度に濃縮され、爆発範囲内の濃度となることを限りなく防止することができる。
さらに、3塔の吸着塔2間において、均圧工程を行い、メタンガスの吸着を促進させるとともに、メタンガスの濃縮を連続的に行なうことができ、高濃度のメタンガスPGの生産性が向上する。
上記第1〜第3実施形態においては、単数の吸着塔2を用いた場合と、複数(説明では3塔)を用いた場合とを説明したが、特に、吸着塔2を、2塔(吸着塔2d、吸着塔2e)用いた本装置400とした場合について、以下、図13に基づいて説明する。この場合、本装置400は、表4に示すように、第1吸着塔2dを、A:メタンガス吸着工程、B:均圧工程、C:メタンガス脱着工程、D:均圧工程の順に動作させ、これに対応して、第2吸着塔2eを、A:メタンガス脱着工程、B:均圧工程、C:メタンガス吸着工程、D:均圧工程の順に動作させて、連続的にメタンガスの濃縮を行なうことができるとともに、両塔を均圧させて、メタンガス吸着工程を行う際の効率を向上させることができる。
また、上記第4実施形態においては、吸着塔2を、2塔用いた本装置400とした場合においてメタンガス吸着工程、均圧工程、メタンガス脱着工程、均圧工程を行うように構成したが、さらに、メタンガス吸着工程の前に大気圧付近の空気を吸着塔2内に導入して昇圧する、空気昇圧工程を行うように構成して本装置400とすることもできる。以下、当該本装置400について図13に基づいて説明する。
さらに、メタンガス脱着工程が終了して圧力が真空付近となっている吸着塔2dと、メタンガス吸着工程が終了して圧力が大気圧付近となっている吸着塔2eとを吸着塔間連通路35により連通して、吸着塔2e内のガスを吸着塔2d内へ流通させる(均圧工程の一部)。この均圧工程では、吸着塔2d及び吸着塔2e内の圧力はいずれも、概ね真空状態と大気圧との間の圧力で均圧されている。
そして、この均圧工程の後にメタンガス吸着工程を行う吸着塔2dにおいて、よりメタンガスの吸着を容易に行うことができるように導入路50から大気圧付近の空気を導入して、吸着塔2d内の圧力を大気圧付近まで上昇させる(空気昇圧工程の一部)。ここで、導入路50は外部空間と吸着塔2d(放出路31側)、又は外部空間と吸着塔2e(放出路31側)をそれぞれ導入路切替弁51を介して連通するものであり、この導入路切替弁51の開閉を行なうことにより、外部空間から大気圧程度にある空気を、導入路50を通じて吸着塔2dや吸着塔2eに供給することができる。この空気昇圧工程の後、吸着塔2dにおいてメタンガス吸着工程が行われる。なお、これらに対応して、吸着塔2eでも同様に濃縮後のメタンガスPGの収集が行われている。
また、上記第5実施形態においては、吸着塔2を、2塔用いた本装置400とした場合においてメタンガス吸着工程、均圧工程、メタンガス脱着工程、均圧工程、空気昇圧工程を行うように構成したが、さらに、メタンガス吸着工程の前に大気圧付近の空気を吸着塔2内に導入して所定の圧力まで昇圧する空気昇圧工程の後、さらに、収集された高濃度の可燃性ガスを供給してから、メタンガス吸着工程を行うように構成して本装置400とすることもできる。以下、当該本装置400について図13に基づいて説明する。
さらに、メタンガス脱着工程が終了して圧力が真空付近となっている吸着塔2dと、メタンガス吸着工程が終了して圧力が大気圧付近となっている吸着塔2eとを吸着塔間連通路35により連通して、吸着塔2e内のガスを吸着塔2d内へ流通させる(均圧工程の一部)。この均圧工程では、吸着塔2d及び吸着塔2e内の圧力はいずれも、概ね真空状態と大気圧との間の圧力で均圧されている。
そして、この均圧工程の後にメタンガス吸着工程を行う吸着塔2dにおいて、よりメタンガスの吸着を容易に行うことができるように導入路50から大気圧付近の空気を導入して吸着塔2d内の圧力を所定の圧力まで上昇させるとともに(空気昇圧工程の一部)、パージ路33を通じて貯蔵タンク8内の濃縮後のメタンガスPGを導入し吸着塔2d内の圧力を所定の圧力から大気圧付近にまで上昇させる(製品ガス昇圧工程)。なお、本実施形態における空気昇圧工程は、上記第5実施形態の空気昇圧工程において空気のみを導入して大気圧にまで一気に昇圧する際の半分の時間のみ行い、残りの時間において製品ガス昇圧工程を大気圧になるまで、メタンガスPGを0.3L導入することにより行った。この空気昇圧工程及び製品ガス昇圧工程の後、吸着塔2dにおいてメタンガス吸着工程が行われる。なお、これらに対応して、吸着塔2eでも同様に濃縮後のメタンガスPGの収集が行われている。
また、上記実施形態6において、上記製品ガス昇圧工程を大気圧になるまで、メタンガスPGを0.5L導入することにより行った。その結果、吸着塔2dにより得られた濃縮後のメタンガスPGのメタン濃度は53.5Vol%と向上した。
さらに、上記実施形態6において、上記製品ガス昇圧工程を大気圧になるまで、メタンガスPGを1.0L導入することにより行った。その結果、吸着塔2dにより得られた濃縮後のメタンガスPGのメタン濃度は57.0Vol%と向上した。
なお、上記のような高濃度のメタン濃度にまでメタンガスを濃縮できることは、吸着塔2が2塔の場合のみならず、吸着塔2を3塔設けた場合においても同様に確認されている。
(1)上記第1〜第6実施形態において、供給される原料ガスG中の水分を除去して、吸着材3に可燃性ガスを適切に吸着できるようにするため、除湿機を設置することができる。具体的には、供給路30上に除湿機を設置することで、原料ガスG中の水分を除去することができる。また、吸着塔2内に水分を選択的に吸着可能な水分用吸着材を充填して、水分による可燃性ガスの吸着性能の低下を防止することもできる。
原料ガスG中の可燃性ガスの濃度が低い場合等であっても、当該原料ガスGが吸着塔2に供給される前の供給路30において、再供給路36に設けられた再供給路切替弁46を開くことにより、貯蔵タンク8から再供給路36を通じて流通させた高濃度の可燃性ガスと混合させ、原料ガスGの濃度をある程度上昇させた上で、吸着塔2内に供給させることができる。
これにより、貯蔵タンク8へ収集される濃縮後の可燃性ガスPGの濃度をより一層高濃度に濃縮できるとともに、原料ガスGや濃縮後の可燃性ガスPGの濃度が爆発範囲内に入ってしまうことを効果的に防止することができる。
すなわち、経過時間計測手段7bは、吸着塔2に充填された吸着材3が可燃性ガスの吸着限界(破過)となる破過時間を予め計測しておき、さらに可燃性ガス吸着工程において可燃性ガスの吸着が開始されてからの経過時間を計測して、この経過時間が上記破過時間となるまでに、可燃性ガス吸着工程を終了すべきであると制御手段6に送信することができる。これにより、制御手段6が供給路切替弁40を制御して、供給手段4による原料ガスGの供給を停止することができる。
この場合、経過時間計測手段7bにより、破過時間と経過時間を比較し、経過時間が破過時間を超えていないときは、原料ガスGの供給を継続し、経過時間が破過時間と同じか、超えているときには、原料ガスGの供給を停止するようにして、原料ガスGが吸着塔2内から外部に放出されるのを極力防止することができるとともに、可燃性ガス脱着工程に適切に移行することができる。
Claims (16)
- 可燃性ガスを吸着する吸着材を充填した吸着塔と、
前記吸着塔に可燃性ガスおよび空気を含有する原料ガスを供給路を通じて供給するとともに、前記原料ガスのうち前記吸着材に吸着されなかった排ガスを放出路を通じて前記吸着塔の外部に放出する供給手段と、前記吸着塔内を大気圧よりも減圧して前記吸着材に吸着された可燃性ガスを脱着させ、収集路を通じて収集する収集手段と、
前記供給手段により前記吸着塔へ前記原料ガスを大気圧付近で供給するとともに、前記吸着塔から前記排ガスを放出する可燃性ガス吸着工程と前記収集手段により脱着される前記可燃性ガスを収集する可燃性ガス脱着工程とを順次実行させる制御手段と、を備え
前記吸着材が、大気圧および298K下におけるメタンガス吸着量が20Ncc/g以上である活性炭、ゼオライト、シリカゲルおよび有機金属錯体からなる群から選択される少なくとも一つである可燃性ガス濃縮装置。 - 前記吸着材が、MP法による平均細孔直径が4.5〜15Åである請求項1に記載の可燃性ガス濃縮装置。
- 前記吸着材が、前記可燃性ガスとしてのメタンガスを吸着するメタン吸着材であるとともに、HK法における平均細孔直径の10Å以下の細孔容積が、全細孔容積の50Vol%以上である請求項1又は2に記載の可燃性ガス濃縮装置。
- 前記吸着材が、前記可燃性ガスとしてのメタンガスを吸着するメタン吸着材であるとともに、77K下での窒素吸着量において、HK法による10Åの平均細孔直径に対応する相対圧0.013下での窒素吸着量が、全細孔容積に対応する相対圧0.99下での窒素吸着量の50Vol%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可燃性ガス濃縮装置。
- 前記放出路における前記可燃性ガスの状態を検出する吸着完了検出手段を備え、
前記制御手段が、前記吸着完了検出手段の検出結果に基づいて、前記可燃性ガス吸着工程から前記可燃性ガス脱着工程への切換を実行させる請求項1〜4の何れか一項に記載の可燃性ガス濃縮装置。 - 前記制御手段が、前記可燃性ガス脱着工程が終了した前記吸着塔に、空気を供給してから、前記可燃性ガス吸着工程を実行させる請求項1〜5の何れか一項に記載の可燃性ガス濃縮装置。
- 前記制御手段が、前記吸着塔に空気を供給した後、さらに当該吸着塔へ前記収集された可燃性ガスを供給し、その後、前記可燃性ガス吸着工程を実行させる請求項6に記載の可燃性ガス濃縮装置。
- 収集された可燃性ガスを貯蔵する貯蔵タンクと前記吸着塔とを連通するパージ路を備え、前記制御手段が、前記貯蔵タンク内における高濃度の可燃性ガスの一部を、前記パージ路を通じて前記可燃性ガス吸着工程が終了した前記吸着塔内に流通するパージ工程を、前記可燃性ガス脱着工程の前に実行させる請求項1〜7の何れか一項に記載の可燃性ガス濃縮装置。
- 前記制御手段が、前記パージ工程において前記吸着塔に流通された前記高濃度の可燃性ガスが前記吸着塔から前記放出路に放出された後、前記可燃性ガス脱着工程の前に、前記放出路と前記供給路とを連通接続するパージガス回収路を通じて、当該高濃度の可燃性ガスを前記供給路に再度流通する再流通工程を実行させる請求項8に記載の可燃性ガス濃縮装置。
- 前記吸着塔が2塔からなり、前記制御手段が、前記2塔の吸着塔間において前記可燃性ガス吸着工程と前記可燃性ガス脱着工程とを交互に実行させる請求項1〜7の何れか一項に記載の可燃性ガス濃縮装置。
- 前記吸着塔が複数塔からなり、前記制御手段が、前記複数塔の吸着塔間において前記可燃性ガス吸着工程と前記パージ工程と前記可燃性ガス脱着工程とを順次実行させる請求項8又は9に記載の可燃性ガス濃縮装置。
- 前記制御手段が、前記可燃性ガス脱着工程が終了した一方の前記吸着塔と前記可燃性ガス吸着工程が終了した他方の前記吸着塔とを連通する吸着塔間連通路を通じて、前記他方の吸着塔から前記一方の前記吸着塔へ前記他方の吸着塔内のガスを流通する均圧工程を、前記一方の吸着塔における前記可燃性ガス吸着工程の前であって、かつ前記他方の吸着塔における前記可燃性ガス脱着工程の前に、実行させる請求項10又は11に記載の可燃性ガス濃縮装置。
- 収集された可燃性ガスを貯蔵する貯蔵タンクと前記供給路とを連通する再供給路を備え、前記可燃性ガス吸着工程において、前記制御手段が、前記供給路を流通する原料ガスと、前記貯蔵タンクから再供給路を通じて前記供給路を流通する高濃度の可燃性ガスの一部とを混合して、前記吸着塔へ供給する請求項1から12の何れか一項に記載の可燃性ガス濃縮装置。
- 大気圧および298K下におけるメタンガス吸着量が20Ncc/g以上である活性炭、ゼオライト、シリカゲルおよび有機金属錯体からなる群から選択される少なくとも一つである吸着材を充填した吸着塔に、可燃性ガスおよび空気を含有する原料ガスを、供給路を通じて大気圧付近で供給するとともに、前記原料ガスのうち前記吸着材に吸着されなかった排ガスを、放出路を通じて前記吸着塔の外部に放出する可燃性ガス吸着工程を行った後、前記吸着塔内を大気圧よりも減圧して前記吸着材に吸着された可燃性ガスを脱着させ、収集路を通じて前記可燃性ガスを収集する可燃性ガス脱着工程を実行する可燃性ガス濃縮方法。
- 収集された可燃性ガスを貯蔵する貯蔵タンク内における高濃度の可燃性ガスの一部を、前記可燃性ガス吸着工程が終了し、かつ前記可燃性ガス脱着工程を実行する前の前記吸着塔内にパージ路を通じて流通させてパージ工程を実行する請求項14に記載の可燃性ガス濃縮方法。
- 前記パージ工程において前記吸着塔に流通された可燃性ガスが前記吸着塔から前記放出路に放出された後であって、前記可燃性ガス脱着工程を実行する前に、パージガス回収路を通じて当該可燃性ガスを前記供給路に再度流通させる再流通工程を実行する請求項15に記載の可燃性ガス濃縮方法。
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