JP4918940B2 - 正センタの仮想テープ装置、副センタの仮想テープ装置、仮想ライブラリシステムおよび仮想テープ制御方法 - Google Patents

正センタの仮想テープ装置、副センタの仮想テープ装置、仮想ライブラリシステムおよび仮想テープ制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、論理ボリュームに格納されたデータをライブラリ装置の物理ボリュームへエクスポートする仮想テープ装置、仮想ライブラリシステム、仮想テープ制御方法に関する。
従来より、ライブラリシステムでは、図6に示すように、ホストが直接ロボットパスを制御して、記憶媒体(例えば、テープ媒体)のマウントおよびアンマウントを制御し、ライブラリ装置内の物理ドライブを介してデータのリードおよびライトを行っていた。
また、一般的には、ホストからのデータ読み出しや書き込みをさらに高速に行うために、ホストとライブラリ装置の間に、ホストに対して論理ドライブと論理ボリュームを提供する仮想テープ装置を備えた仮想ライブラリシステムも多く利用されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、仮想ライブラリシステムは、論理ボリュームへ記憶されたデータをキャッシュディスクに保持し、その後、ホストアクセスとは非同期に論理ボリュームへ記憶されたデータをライブラリ装置内の物理ボリュームへ格納するマイグレーション処理を行う。また、ライブラリ装置内の物理ボリュームへ保存された論理ボリュームは、キャッシュディスクの容量の許す限り保持される。
このような仮想ライブラリシステムにおいて、災害等によるデータ損失を防ぐために、正センタと副センタとで冗長化構成となるように構成し、正センタと副センタ間でデータを同期させたいという要求がある(特許文献2および特許文献3参照)。
この正センタと副センタとの間でデータを同期させる方法のうち、例えば、可搬媒体を副センタ側に搬送して、正センタと副センタ間でデータを同期する技術が知られている。具体的には、図7に示すように、正センタで論理ボリュームをライブラリ装置内の物理ボリュームに保存するエクスポート処理を行い、その後ライブラリ装置の記憶媒体を外部の副センタ側に搬出し、外部搬出された記憶媒体内の物理ボリュームを副センタの論理ボリューム上に戻すインポート処理を行って、正センタと副センタ間でデータを同期する。
また、正センタと副センタとの間でデータを同期させる方法として、データのトリプルセーブ処理を行って、正センタと副センタ間でデータを同期する技術も知られている。具体的には、図8に示すように、副センタ側にライブラリ装置を配置し、正センタの仮想テープ装置内の論理ボリュームを用いて、正センタおよび副センタのライブラリ装置内の物理ボリュームに随時マイグレーション処理を行うことで、データのトリプルセーブを行い、正センタ側で災害が起こった場合には、副センタ側でディザスタリカバリを行って、正センタと副センタ間でデータを同期する。
特開平11−102262号公報 特開2005−267216号公報 特開2006−48103号公報
ところで、上記した可搬媒体を副センタ側に搬送して、正センタと副センタとの間でデータを同期する技術では、エクスポート処理を行って搬送された記憶媒体のデータをインポート処理することでリカバリが行われるので、搬送後にエクスポート処理を行えない結果、エクスポート処理を行った時点から正センタに災害が起こった時点までのデータを損失するという課題があった。また、エクスポート処理を行った可搬媒体を搬送するコストおよび手間がかかってしまうという課題があった。
また、データのトリプルセーブ処理を行って、正センタと副センタ間でデータを同期する技術では、仮想テープ装置内の論理ボリュームの更新をライブラリ装置内の物理ボリュームに反映するマイグレーション処理を随時行うので、当該マイグレーション処理の途中で正センタに障害が発生した場合には、正センタおよび副センタ両方のライブラリ装置内の物理ボリュームに仮想テープ装置内の論理ボリュームの更新を完全に反映していない結果、データを損失してしまうという課題があった。
そこで、この発明は、ライブラリ装置を搬送するコストおよび手間を軽減し、データの損失を防止することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、正センタとして配下のライブラリ装置に接続されるとともに、副センタの仮想テープ装置に接続されているライブラリ装置とネットワークを介して接続され、ホストコンピュータから受け付けたデータを格納する論理ボリュームを有し、当該論理ボリュームに格納されたデータをライブラリ装置の物理ボリュームへエクスポートする正センタの仮想テープ装置であって、前記論理ボリュームに記憶されたデータを自装置に接続され、正センタ側に設置された装置内の物理ボリュームへ格納するマイグレーション処理を行う正センタ側におけるマイグレーション手段と、前記マイグレーション手段によってマイグレーション処理が完了した前記論理ボリュームに格納されたデータを前記ネットワークを介して、前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートするエクスポート手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記エクスポート手段は、前記マイグレーション手段によってマイグレーション処理が完了した前記論理ボリュームを任意の時間間隔で自動的に抽出し、任意のLVGに所属する、指定された日時、もしくはハードで保持している最新のマイグレーション実行日時以降に更新された論理ボリューム数が指定された任意の、もしくはバックエンドドライブの種類に対応した規定の閾値に達したか否かを判断し、閾値を超えた場合に、エクスポート対象となる当該ボリュームに格納されたデータを前記ネットワークを介して、前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートすることを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記エクスポートに用いられる物理ボリュームと論理ボリュームとを対応付けて記憶するボリューム記憶部をさらに備え、前記エクスポート手段は、前記エクスポート処理が完了すると、前記ボリューム記憶部からの前記物理ボリュームを削除する事を特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記インポートの完了通知を受けると、前記ボリューム記憶部に前記物理ボリュームを再度登録することを特徴とする。
また、本発明は、正センタの仮想テープ装置とネットワークを介して接続されるライブラリ装置を配下に置く副センタの仮想テープ装置であって、前記エクスポート手段によってエクスポートされた前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームに格納されたデータを前記論理ボリュームにインポートするインポート手段と、前記インポート手段によってインポートが完了した後、当該インポートにより前記論理ボリュームに格納されたデータを、前記エクスポート手段によってデータがエクスポートされた前記物理ボリュームとは異なる物理ボリュームにマイグレーション処理を行う副センタ側におけるマイグレーション手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、配下のライブラリ装置に接続されるとともに、副センタの仮想テープ装置に接続されているライブラリ装置とネットワークを介して接続され、ホストコンピュータから受け付けたデータを格納する論理ボリュームを有し、当該論理ボリュームに格納されたデータをライブラリ装置の物理ボリュームへエクスポートする正センタの仮想テープ装置と、当該正センタの仮想テープ装置とネットワークを介して接続されるライブラリ装置を配下に置く副センタの仮想テープ装置とで構成される仮想ライブラリシステムであって、前記正センタの仮想テープ装置は、前記論理ボリュームに記憶されたデータを自装置に所属するライブラリ装置内の物理ボリュームへ格納するマイグレーション処理を行う正センタマイグレーション手段と、前記マイグレーション手段によってマイグレーション処理が完了した前記論理ボリュームに格納されたデータを前記ネットワークを介して、前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートするエクスポート手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記副センタの仮想テープ装置は、前記エクスポート手段によってエクスポートされた前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームに格納されたデータを前記論理ボリュームにインポートするインポート手段と、前記インポート手段によってインポートが完了した後、当該インポートにより前記論理ボリュームに格納されたデータを、前記エクスポート手段によってデータがエクスポートされた前記物理ボリュームとは異なる物理ボリュームにマイグレーション処理を行う副センタマイグレーション手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、論理ボリュームに格納されたデータをライブラリ装置の物理ボリュームへエクスポートするように仮想テープ装置を制御する仮想テープ制御方法であって、前記論理ボリュームに記憶されたデータを自装置に所属するライブラリ装置内の物理ボリュームへ格納するマイグレーション処理を行うマイグレーションステップと、前記マイグレーションステップによってマイグレーション処理が完了した前記論理ボリュームに格納されたデータを自動的に抽出し、ネットワークを介して、副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートするエクスポートステップと、を含んだことを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記エクスポートステップによってエクスポートされた前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームに格納されたデータを前記論理ボリュームにインポートするインポートステップと、前記インポートステップによってインポートが完了した後、当該インポートにより前記論理ボリュームに格納されたデータを、前記エクスポートステップによってデータがエクスポートされた前記物理ボリュームとは異なる物理ボリュームにマイグレーション処理を行う前記マイグレーションステップと、をさらに含んだことを特徴とする。
本発明によれば、正センタ側仮想テープ装置がネットワークを介して副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートするので、ライブラリ装置の搬送を行うことなくエクスポートを行う結果、エクスポート処理を行った時点から正センタに災害が起こった時点までのデータの損失を防止し、ライブラリ装置を搬送するコストおよび手間を軽減することが可能である。
また、本発明によれば、正センタ側仮想テープ装置がマイグレーションを完了した後に、論理ボリュームに格納されたデータを副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートするので、正センタ側仮想テープ装置で何らかの障害が発生し、副センタ側ライブラリ装置のテープライブラリへのエクスポート処理が正常終了しなかった場合でも、正センタ側仮想テープ装置のテープライブラリに正常にマイグレーションが終了したテープ媒体が存在する結果、正センタ側で障害が発生する前の状態に復旧させることができ、データの損失を防止することが可能である。
また、本発明によれば、正センタ側仮想テープ装置での復旧が困難な場合には副センタ側でマイグレーション処理が完了した時点でのデータは保証できるので、副センタ側仮想テープ装置でリカバリ処理を行うことが可能となる。
図1は、実施例1に係る仮想ライブラリシステムの概要および特徴を説明するための図である。 図2は、実施例1に係る仮想ライブラリシステム100の構成を示すブロック図である。 図3は、実施例1に係る仮想テープ装置10の構成を示すブロック図である。 図4は、ボリューム記憶部を説明するための図である。 図5は、実施例1に係る仮想ライブラリシステム100による処理の流れを示すシーケンス図である。 図6は、従来技術を説明するための図である。 図7は、従来技術を説明するための図である。 図8は、従来技術を説明するための図である。
符号の説明
1 正センタ
2 副センタ
10、10a 仮想テープ装置
20、20a ホスト
30a、30b、30c、30d ライブラリ装置
100 仮想ライブラリシステム
以下に添付図面を参照して、この発明に係る仮想ライブラリシステムの実施例を詳細に説明する。
以下の実施例では、実施例1に係る仮想ライブラリシステムの概要および特徴、仮想テープ装置の構成および処理の流れを順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。
[実施例1に係る仮想ライブラリシステムの概要および特徴]
まず最初に、図1を用いて、実施例1に係る仮想ライブラリシステムの概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る仮想ライブラリシステムの概要および特徴を説明するための図である。
実施例1の仮想ライブラリシステム100では、論理ボリュームに格納されたデータをライブラリ装置の物理ボリュームへエクスポートすることを概要とする。そして、ライブラリ装置を搬送するコストおよび手間を軽減し、データの損失を防止する点に主たる特徴がある。
この主たる特徴について具体的に説明すると、実施例1に係る仮想ライブラリシステム100は、図1に示すように、配下のライブラリ装置30a、30bに接続されるとともに、副センタ2の仮想テープ装置10aに属するライブラリ装置30cとネットワークを介して接続され、ホストコンピュータ20から受け付けたデータを格納する論理ボリュームを有し、当該論理ボリュームに格納されたデータをライブラリ装置30cの物理ボリュームへエクスポートする正センタ1の仮想テープ装置10と、当該正センタ1の仮想テープ装置10とネットワークを介して接続されるライブラリ装置30cと、正センタ1の仮想テープ装置10とネットワークを介して接続されていない30dを配下に置く副センタ側仮想テープ装置10aとで構成される。
このような構成のもと、仮想ライブラリシステム100の仮想テープ装置10は、バックアップ処理としてデータの書き込み要求を受け付けた場合には(図1の(1)参照)、論理ボリュームに記憶されたデータを自装置に所属するライブラリ装置30a、30b内の物理ボリュームへ格納するマイグレーション処理を行う(図1の(2)参照)。
続いて、ホスト20が仮想テープ装置10にエクスポート指示を通知すると、仮想テープ装置10は、マイグレーション処理が完了した論理ボリュームに格納されたデータをネットワークを介して(図1の(3)参照)、副センタ側ライブラリ装置30cの物理ボリュームにエクスポートする(図1の(4)参照)。
つまり、正センタの仮想テープ装置10がネットワークを介して副センタ側ライブラリ装置30cの物理ボリュームにエクスポートするので、ライブラリ装置の搬送を行うことなくエクスポートを行える。また、正センタ側仮想テープ装置10がマイグレーションを完了した後に、論理ボリュームに格納されたデータを副センタ側ライブラリ装置30cの物理ボリュームにエクスポートするので、正センタ側仮想テープ装置10で何らかの障害が発生し、副センタ側ライブラリ装置30cのテープライブラリへのエクスポート処理が正常終了しなかった場合でも、正センタ側仮想テープ装置10のテープライブラリ30a、30bに正常にマイグレーションが終了したテープ媒体が存在している。
図1の説明に戻ると、その後、ホスト20は、副センタの仮想テープ装置10aにインポート指示を通知する(図1の(5)参照)。そして、インポート指示を受け付けた仮想テープ装置10aは、エクスポートされた副センタ側ライブラリ装置30cの物理ボリュームに格納されたデータを論理ボリュームにインポートする(図1の(6)参照)。
続いて、仮想テープ装置10aは、インポート処理後、インポート処理対象のテープライブラリ30cの物理ボリュームの所属を削除し(図1の(7)参照)、インポートが完了した後、当該インポートにより論理ボリュームに格納されたデータを、データがエクスポートされたライブラリ装置30cとは異なるライブラリ装置30dの物理ボリュームにマイグレーション処理を行う(図1の(8)参照)。つまり、正センタ側仮想テープ装置10aでの復旧が困難な場合には副センタ側でマイグレーション処理が完了した時点でのライブラリ装置30dのデータは保証できるので、副センタ側仮想テープ装置10aでリカバリ処理を行うことができる。
このように、仮想ライブラリシステム100は、上記した主たる特徴のごとく、ライブラリ装置を搬送するコストおよび手間を軽減し、データの損失を防止することが可能である。
[仮想ライブラリシステムの構成]
次に、図2を用いて、図1に示した仮想ライブラリシステム100の構成を説明する。図2は、実施例1に係る仮想ライブラリシステム100の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、仮想ライブラリシステム100は、正センタ1と副センタ2の冗長構成となっており、正センタ1および副センタ2それぞれが、仮想テープ装置10、10a、ホスト20、20a、テープライブラリ30a〜30dを備える。正センタ1の仮想テープ装置10は、ネットワークを介して、副センタ2のテープライブラリ30cと接続され、また、正センタ1のホスト20は、ネットワークを介して、副センタ2の仮想テープ装置10aと接続される。
ホスト20は、LAN等のネットワークを介して仮想テープ装置10と接続され、バックアップ処理としてデータの書き込み要求、エクスポート指示やインポート指示を仮想テープ装置に通知する。テープライブラリ30は、バックアップテープ33を装填するロボット31と、データ書込みを行うドライブ32とを有し、バス等を介して仮想テープ装置10に接続される。
[仮想テープ装置の構成]
次に、図3を用いて、図1に示した仮想テープ装置10の構成を説明する。図3は、実施例1に係る仮想テープ装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この仮想テープ装置10は、VLP(Virtual Library Processor)サーバ11、PLP(Physical Library Processor)サーバ12、ICP(Integrated Channel Processor)サーバ13、IDP(Integrated Device Processor)サーバ14およびRAIDキャッシュ15を備え、ネットワークを介してホスト20およびライブラリ装置30と接続され、また正センタ1の仮想テープ装置10の場合には、ネットワークを介して副センタ2のテープライブラリ30aと接続される。以下にこれらの各部の処理を説明する。
RAIDキャッシュ15は、記憶領域として論理ボリュームを備え、ディスク装置で構成され、このディスク装置を1次キャッシュとして用い、ホスト20への早い応答を可能にする。
VLPサーバ11は、ホスト20とネットワークにより接続され、ホスト20からのマウント要求などを受ける。その後、VLPサーバ11は、必要に応じてICPサーバ13に論理ボリューム、論理ドライブの制御の依頼や、IDPサーバ14に物理テープ、物理ドライブの制御の依頼を行う。特に本発明に密接に関連するものとしては、マイグレーション制御部14a、リモートエクスポート制御部14b、インポート制御部14c、ボリューム記憶部14dを備える。
PLPサーバ12は、VLPサーバ11からの指示により、ライブラリ装置30のロボット31を制御し、ライブラリ装置30上の物理ボリュームをドライブ32にマウントまたはアンマウントを行う。
ICPサーバ13は、チャネルインタフェースカードを搭載し、FClink又はOClinkによりホスト20と接続される。ICPサーバ13は、ホスト20からの要求により、キャッシュ上にあるLVのデータをリードおよびライトを行う。
IDPサーバ14は、ライブラリ装置30へのデータパスを持ち、VLPサーバからの指示によってRAIDキャッシュ15上の論理ボリュームをライブラリにストアしたり、インポート処理においてテープから読み込まれたデータをRAIDキャッシュ15上にリストアしたりする処理を実行する。
ボリューム記憶部14dは、エクスポートに用いられる物理ボリュームグループと論理ボリュームグループとを対応付けて記憶する。具体的には、ボリューム記憶部14dは、図4に示すように、論理ボリュームグループ(図4では、LVG)と物理ボリュームグループ(図4では、PVG)とを対応付けて記憶するとともに、PVGに物理ボリュームが登録された時間をタイムスタンプとして記憶する。また、正センタの仮想テープ装置10の場合には、物理ボリュームとして、エクスポート用物理ボリューム(図1の例でいうと、副センタ2におけるライブラリ装置30c内の物理ボリューム)が記憶されている。
マイグレーション制御部14aは、論理ボリュームに記憶されたデータを自装置に所属するライブラリ装置30内の物理ボリュームへ格納するマイグレーション処理の制御を行う。具体的には、マイグレーション制御部14aは、論理ボリュームにデータの書き込みがあると、自動的に論理ボリュームのマイグレーション処理をホストアクセスとは非同期に実施する。また、副センタの場合には、マイグレーション制御部14aは、後述するインポート制御部14cによってインポート処理され、インポート対象のテープライブラリの所属が削除された後、論理ボリュームのマイグレーション処理を実施する。
リモートエクスポート制御部14bは、正センタ側の場合には、マイグレーション処理が完了して変更がなされた論理ボリューム数がある一定以上の数になると、格納されたデータをネットワークを介して、副センタ側ライブラリ装置30cの物理ボリュームにエクスポートする。つまり、リモートエクスポート制御部14bは、マイグレーション処理が完了した論理ボリュームを任意の時間間隔で自動的に抽出し、任意のLVGに所属する、指定された日時、もしくはハードで保持している最新のマイグレーション実行日時以降に更新された論理ボリューム数が指定された任意の、もしくはバックエンドドライブの種類に対応した規定の閾値に達したか否かを判断し、閾値を超えた場合に、エクスポート対象となる当該ボリュームに格納されたデータをネットワークを介して、副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートする。
具体的には、エクスポート処理部14bは、正センタであって、ホスト20からエクスポート指示とエクスポート対象となる副センタ2におけるライブラリ装置30c内の物理ボリュームの指定とを受け付けた場合には、論理ボリュームを副センタ2のテープライブラリ30cにエクスポート処理を行う。
ここで、ホスト20から指定される論理ボリュームは、ボリューム記憶部14dに記憶されたエクスポート用物理ボリュームであって、タイムスタンプが一番古いものとする。このように、指定するエクスポート用物理ボリュームをローテーションされることによって、バックアップテープの消耗を軽減する。
そして、リモートエクスポート処理部14bは、エクスポート処理完了後に、エクスポート処理対象のテープライブラリの所属をボリューム記憶部14dから削除し、エクスポート処理が終了した旨をホスト20に通知する。
インポート処理部14cは、副センタの場合には、正センタ側からエクスポートされた副センタ側ライブラリ装置30cの物理ボリュームに格納されたデータを論理ボリュームにインポートする。具体的には、インポート制御部14cは、ホスト20からインポート指示を受け付けた場合には、インポート処理対象の物理ボリュームの所属を登録し、インポート処理対象の物理ボリュームからRAIDキャッシュ15内の論理ボリュームにインポート処理を行う。そして、副センタの場合には、インポート処理部14cは、インポート処理された後、インポート処理対象のテープライブラリ10cの物理ボリュームの所属を削除する。
また、副センタの場合には、インポート制御部14cは、インポート処理が終了した旨を正センタ1のホスト20に通知する。そして、正センタの場合には、リモートエクスポート制御部14bは、ホスト20から仮想テープ装置10にインポート処理が終了した旨の通知を受け付けた場合に、エクスポート処理対象であるテープライブラリ10cの物理ボリュームの所属をボリューム記憶部14dに登録し直す。なお、ボリューム記憶部14dに登録し直す際に、タイムスタンプが新たに付されることとなる。
[仮想ライブラリシステムによる処理]
次に、図5を用いて、実施例1に係る仮想ライブラリシステム100による処理を説明する。図5は、実施例1に係る仮想ライブラリシステム100による処理の流れを示すシーケンス図である。
同図に示すように、仮想テープ装置10は、論理ボリュームにデータの書き込み(ステップS101)が行われる。そして、仮想テープ装置10は、論理ボリュームにデータの書き込みが終わると、書き込み終了をホスト20に通知し、その後、自動的に論理ボリュームのマイグレーション処理をホストアクセスとは非同期に実施する。(ステップS102)正センタ側のテープライブラリへのマイグレーション処理をすると同時に、変更が行われた論理ボリュームを任意の時間間隔で抽出し、変更が行われた論理ボリューム数を監視する(ステップS103)。
続いて、変更が行われた論理ボリューム数がある閾値以上になったことを認識すると、ホスト20が仮想テープ装置10にエクスポート指示を通知し(ステップS104)、仮想テープ装置10は、正センタ1の変更が行われたエクスポート対象となる論理ボリュームを副センタ2のテープライブラリ30cの論理ボリュームに対してエクスポート処理を行う(ステップS105)。そして、仮想テープ装置10は、エクスポート処理完了後に、エクスポート処理対象のテープライブラリの所属を削除し(ステップS106)、仮想テープ装置10がエクスポート処理を終了した旨をホスト20に通知する(ステップS107)。
その後、ホスト20は、副センタの仮想テープ装置10aにインポート指示を通知する(ステップS108)。そして、インポート指示を受け付けた仮想テープ装置10aは、インポート処理対象の物理ボリュームの所属を登録し(ステップS109)、インポート処理対象の物理ボリュームから仮想テープ装置10aの論理ボリュームにインポート処理を行う(ステップS110)。
また、仮想テープ装置10aは、インポート処理後、インポート処理対象のテープライブラリ10cの物理ボリュームの所属を削除する(ステップS111)
続いて、仮想テープ装置10aは、インポート処理が終了した旨を正センタ1のホスト20に通知する(ステップS112)。そして、通知を受け付けた正センタ1のホスト20が仮想テープ装置10にインポート処理が終了した旨を通知し、仮想テープ装置10は、エクスポート処理対象であるテープライブラリ10cの物理ボリュームの所属をエクスポート用に使用するPVGに登録し直す(ステップS113)。副センタ側で論理ボリュームのマイグレーションを実施する(ステップS114)。
[実施例1の効果]
上述してきたように、仮想ライブラリシステム100は、正センタ側仮想テープ装置がネットワークを介して副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートするので、ライブラリ装置の搬送を行うことなくエクスポートを行う結果、エクスポート処理を行った時点から正センタに災害が起こった時点までのデータの損失を防止し、ライブラリ装置を搬送するコストおよび手間を軽減することが可能である。
また、実施例1によれば、仮想ライブラリシステム100は、正センタ側仮想テープ装置がマイグレーションを完了した後に、論理ボリュームに格納されたデータを副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートするので、正センタ側仮想テープ装置で何らかの障害が発生し、副センタ側ライブラリ装置のテープライブラリへのエクスポート処理が正常終了しなかった場合でも、正センタ側仮想テープ装置のテープライブラリに正常にマイグレーションが終了したテープ媒体が存在する結果、正センタ側で障害が発生する前の状態に復旧させることができ、データの損失を防止することが可能である。
また、実施例1によれば、仮想ライブラリシステム100は、正センタ側仮想テープ装置での復旧が困難な場合には副センタ側でマイグレーション処理が完了した時点でのデータは保証できるので、副センタ側仮想テープ装置でリカバリ処理を行うことが可能となる。
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2として本発明に含まれる他の実施例を説明する。
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
なお、本実施例で説明した仮想テープ制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上のように、本発明に係る正センタの仮想テープ装置、副センタの仮想テープ装置、仮想ライブラリシステムおよび仮想テープ制御方法は、論理ボリュームに格納されたデータをライブラリ装置の物理ボリュームへエクスポートすることに有用であり、特に、ライブラリ装置を搬送するコストおよび手間を軽減し、データの損失を防止する場合に適する。

Claims (9)

  1. 正センタとして配下のライブラリ装置に接続されるとともに、副センタの仮想テープ装置に接続されているライブラリ装置とネットワークを介して接続され、ホストコンピュータから受け付けたデータを格納する論理ボリュームを有し、当該論理ボリュームに格納されたデータをライブラリ装置の物理ボリュームへエクスポートする正センタの仮想テープ装置であって、
    前記論理ボリュームに記憶されたデータを自装置に接続され、正センタ側に設置された装置内の物理ボリュームへ格納するマイグレーション処理を行う正センタ側におけるマイグレーション手段と、
    前記マイグレーション手段によってマイグレーション処理が完了した前記論理ボリュームに格納されたデータを前記ネットワークを介して、前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートするエクスポート手段と、
    を備えたことを特徴とする正センタの仮想テープ装置。
  2. 前記エクスポート手段は、前記マイグレーション手段によってマイグレーション処理が完了した前記論理ボリュームを任意の時間間隔で自動的に抽出し、任意のLVGに所属する、指定された日時、もしくはハードで保持している最新のマイグレーション実行日時以降に更新された論理ボリューム数が指定された任意の、もしくはバックエンドドライブの種類に対応した規定の閾値に達したか否かを判断し、閾値を超えた場合に、エクスポート対象となる当該ボリュームに格納されたデータを前記ネットワークを介して、前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートすることを特徴とする請求項1に記載の正センタの仮想テープ装置。
  3. 前記エクスポートに用いられる物理ボリュームと論理ボリュームとを対応付けて記憶するボリューム記憶部をさらに備え、
    前記エクスポート手段は、前記エクスポート処理が完了すると、前記ボリューム記憶部からの前記物理ボリュームを削除する事を特徴とする請求項1または2に記載の正センタの仮想テープ装置。
  4. 前記インポートの完了通知を受けると、前記ボリューム記憶部に前記物理ボリュームを再度登録することを特徴とする請求項3に記載の正センタの仮想テープ装置。
  5. 請求項1に記載の正センタの仮想テープ装置とネットワークを介して接続されるライブラリ装置を配下に置く副センタの仮想テープ装置であって、
    前記エクスポート手段によってエクスポートされた前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームに格納されたデータを前記論理ボリュームにインポートするインポート手段と、
    前記インポート手段によってインポートが完了した後、当該インポートにより前記論理ボリュームに格納されたデータを、前記エクスポート手段によってデータがエクスポートされた前記物理ボリュームとは異なる物理ボリュームにマイグレーション処理を行う副センタ側におけるマイグレーション手段と、
    を備えることを特徴とする副センタの仮想テープ装置。
  6. 配下のライブラリ装置に接続されるとともに、副センタの仮想テープ装置に接続されているライブラリ装置とネットワークを介して接続され、ホストコンピュータから受け付けたデータを格納する論理ボリュームを有し、当該論理ボリュームに格納されたデータをライブラリ装置の物理ボリュームへエクスポートする正センタの仮想テープ装置と、当該正センタの仮想テープ装置とネットワークを介して接続されるライブラリ装置を配下に置く副センタの仮想テープ装置とで構成される仮想ライブラリシステムであって、
    前記正センタの仮想テープ装置は、
    前記論理ボリュームに記憶されたデータを自装置に所属するライブラリ装置内の物理ボリュームへ格納するマイグレーション処理を行う正センタマイグレーション手段と、
    前記マイグレーション手段によってマイグレーション処理が完了した前記論理ボリュームに格納されたデータを前記ネットワークを介して、前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートするエクスポート手段と、
    を備えることを特徴とする仮想ライブラリシステム。
  7. 前記副センタの仮想テープ装置は、
    前記エクスポート手段によってエクスポートされた前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームに格納されたデータを前記論理ボリュームにインポートするインポート手段と、
    前記インポート手段によってインポートが完了した後、当該インポートにより前記論理ボリュームに格納されたデータを、前記エクスポート手段によってデータがエクスポートされた前記物理ボリュームとは異なる物理ボリュームにマイグレーション処理を行う副センタマイグレーション手段と、
    を備えることを特徴とする請求項6に記載の仮想ライブラリシステム。
  8. 論理ボリュームに格納されたデータをライブラリ装置の物理ボリュームへエクスポートするように仮想テープ装置を制御する仮想テープ制御方法であって、
    前記論理ボリュームに記憶されたデータを自装置に所属するライブラリ装置内の物理ボリュームへ格納するマイグレーション処理を行うマイグレーションステップと、
    前記マイグレーションステップによってマイグレーション処理が完了した前記論理ボリュームに格納されたデータを自動的に抽出し、ネットワークを介して、副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームにエクスポートするエクスポートステップと、
    を含んだことを特徴とする仮想テープ制御方法。
  9. 前記エクスポートステップによってエクスポートされた前記副センタ側ライブラリ装置の物理ボリュームに格納されたデータを前記論理ボリュームにインポートするインポートステップと、
    前記インポートステップによってインポートが完了した後、当該インポートにより前記論理ボリュームに格納されたデータを、前記エクスポートステップによってデータがエクスポートされた前記物理ボリュームとは異なる物理ボリュームにマイグレーション処理を行う前記マイグレーションステップと、
    をさらに含んだことを特徴とする請求項8に記載の仮想テープ制御方法。
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