JP4918387B2 - 機能性薄膜素子、表示体、調光体、及び導電層のイオン化ポテンシャル制御方法 - Google Patents

機能性薄膜素子、表示体、調光体、及び導電層のイオン化ポテンシャル制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、陽極及び陰極の少なくとも一方から機能性薄膜へのキャリア注入現象を利用した機能性薄膜素子に関する。
陽極と陰極により発光層を挟持することにより形成された有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極との間に電圧が印加されるのに応じて陽極側から発光層側及び陰極側から発光層側にそれぞれ正孔及び電子が電位障壁を乗り越えて輸送され、発光層において正孔と電子が再結合することにより発光する構成となっている。このような有機エレクトロルミネッセンス素子では、高い発光輝度を得るためには陽極と陰極間に印加する電圧を高くすることにより陽極側から発光層側に正孔を注入しやすくする必要があることから、低電圧で素子を駆動することが難しい。具体的には、陽極がITOにより形成されている場合、陽極のイオン化ポテンシャルの大きさは約4.5〜4.7eVであるのに対して、発光層のHOMO(最高占有分子軌道)準位の大きさは約5.4〜5.8eVであることから電位障壁の高さΔΦは0.7〜1.3eVと非常に大きくなり、この電位障壁を超えて陽極側から発光層側に正孔を注入するためには大きな印加電圧が必要となる。また、陰極側から注入される電子と正孔の注入バランスを確保することが難しいために、安定した発光を維持(長寿命化)することが困難である。このことから、有機エレクトロルミネッセンス素子では、陽極又は陰極のイオン化ポテンシャルと発光層のイオン化ポテンシャルの差を極力小さくすることが望まれている。このような背景から、近年、陽極と発光層との間にイオン化ポテンシャルの大きさが両者の中間レベルであるバッファ層を挿入することにより陽極と発光層との間のイオン化ポテンシャル差を段階的に変化させたり、陽極のイオン化ポテンシャルの大きさに比較的近いHOMO準位を有する材料により発光層を形成したり、発光層のHOMO準位の大きさに比較的近いイオン化ポテンシャルを有する材料により陽極を形成するといった提案がなされている(特許文献1及び非特許文献1参照)。
特開平11−251066号公報 有機ELディスプレイ技術,(株)テクノタイムズ出版,第17頁
しかしながら、陽極と発光層との間にイオン化ポテンシャルの大きさが両者の中間レベルであるバッファ層を挿入する場合、イオン化ポテンシャルが陽極のイオン化ポテンシャルと発光層のイオン化ポテンシャルの間にある材料をバッファ層として選択しなければならないために、材料の選択が困難である。またバッファ層を形成するためには、コーティングや硬化などの工程が必要になることから、製造コストが増加してしまう。一方、陽極のイオン化ポテンシャルの大きさに比較的近いHOMO準位を有する材料により発光層を形成する場合、そのような材料は限られるために、任意の発光色(波長)を得るための材料選択の自由度が低下すると共に発光効率を高めることができない。また、発光層のHOMO準位の大きさに比較的近いイオン化ポテンシャルを有する材料により陽極を形成する場合には、陽極として必要な性能である低抵抗、高光透過率、電極パターン形成能(例えばエッチング性)、及び表面平滑性等の性能を満足させることは困難である。なお、このような課題は、有機エレクトロルミネッセンス素子に限られることはなく、陽極及び陰極の少なくとも一方から機能性薄膜へのキャリア注入現象を利用した機能性薄膜素子全般に起こりうる。なお、陽極及び陰極の少なくとも一方からのキャリア注入現象を利用した機能性薄膜素子としては、例えば、ショットキー型の光検出素子(太陽電池、光電流倍増素子等)を挙げることができる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電極のイオン化ポテンシャルと発光層のイオン化ポテンシャルの差を小さくした機能性薄膜素子、表示体、調光体、光起電力モジュール、導電層のイオン化ポテンシャル制御方法、及び機能性薄膜素子の製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明に係る機能性薄膜素子は、陽極と陰極とにより機能性薄膜を挟持することにより形成された機能性薄膜素子であって、前記陽極と前記陰極の少なくとも一方がカーボンナノ構造体を含有する導電層により形成され、当該導電層の厚みは、当該導電層のイオン化ポテンシャルと前記機能性薄膜のイオン化ポテンシャルとの差の絶対値が小さくなるように制御されている。
また、本発明に係る機能性薄膜素子のイオン化ポテンシャルの制御方法は、陽極と陰極とにより機能性薄膜を挟持することにより形成され、陽極と陰極の少なくとも一方がカーボンナノ構造体を含有する導電層により形成されている機能性薄膜素子において、前記導電層の厚さを変化させることにより、導電層のイオン化ポテンシャルを制御するものである。
またさらに、本発明に係る機能性薄膜素子の製造方法は、湿式薄膜形成法を用いてカーボンナノ構造体を分散させた溶液を基材上に塗布又はパターン形成した後、溶液を乾燥、硬化させることにより第1の電極のカーボンナノ構造体を含む導電層を形成する工程と、次いで水又は溶剤に可溶なπ共役系材料を含む混合物を前記導電層上に塗布又はパターン形成した後、乾燥、硬化させることにより、前記導電層上に機能性薄膜を形成する工程と、次いで前記機能性薄膜上に第2の電極を形成する工程とを有する。
本発明に係る機能性薄膜素子、表示体、調光体、光起電力モジュール、導電層のイオン化ポテンシャル制御方法、及び機能性薄膜素子の製造方法によれば、導電層のイオン化ポテンシャルと発光層のイオン化ポテンシャルとの差の絶対値を小さくすることができ、この結果、素子の印加電圧を低くし、且つ、素子の長寿命化を実現することができる。
以下、本発明の実施形態となる機能性薄膜素子の構成について説明する。なお、本発明の実施形態となる機能性薄膜素子は、発光素子、トランジスタ素子、ディスプレイ装置等の表示体、エレクトロクロミック素子等の調光体、太陽電池等の光起電力モジュール等に適用することができる。
〔機能性薄膜素子の構成〕
本発明の実施形態となる機能性薄膜素子1は、図1に示すように、基材2と、基材2の表面上に形成された陽極3と、陽極3の表面上に形成された機能性薄膜4と、機能性薄膜4の表面上に形成された陰極5とを備え、電源6により陽極3と陰極5間に電圧が印加されるのに応じて陽極3側から光を出射する構成となされた薄膜素子であって、陽極3または陰極5のいずれか一方、または両方がカーボンナノ構造体を含有して厚さを制御された導電層で形成されている。
陽極3は、図2に示すように、カーボンナノ構造体7を含有する導電層により形成され、導電層の厚みは当該厚さを変化させた後で得られた導電層のイオン化ポテンシャルΦa2が機能性薄膜4のイオン化ポテンシャルΦ(真空準位を基準としたときのHOMOの大きさ)との差の絶対値が小さくなるように、すなわち図3に示す正孔にとっての電位障壁の高さΔΦが小さくなるように制御されている(導電層の厚みの詳細については後述する)。
なお、機能性薄膜素子1は陽極3を上述の導電層により形成することにより陽極3側から光を出射する構成であるとしたが、陰極5を上述の導電層により形成することにより陰極5側から光を出射させるようにしてもよいし、陽極3と陰極5の両方を上述の導電層により形成することにより陽極側3及び陰極5側の双方から光を出射させるようにしてもよい。
なお、ここでは、陽極3側が光透過性を有する構成とし、そこから光が出射するようにしているが、特にこれに限定されるものではなく、陰極5側が光透過性を有する構成としても良いし、あるいは、両電極が光透過性を有する構成であっても構わない。
前記イオン化ポテンシャルΦa2と機能性薄膜4のイオン化ポテンシャルΦとの差の絶対値が小さくなるように導電層の厚みを制御しない場合、陽極3と機能性薄膜4との間には図4に示すような大きな電位障壁ΔΦが形成されるために、素子の印加電圧を低くし、且つ、素子の長寿命化を実現することができなかった。
これに対し、本発明の一実施形態となる機能性薄膜素子1では、正孔に対しては上述の通り、前記イオン化ポテンシャルΦa2と機能性薄膜4のイオン化ポテンシャルΦとの差の絶対値が小さくなるように導電層の厚みが制御されているので、図3に示す電位障壁の高さΔΦが小さくなり、結果として素子の印加電圧を低くし、且つ、素子の長寿命化を実現することができる。なお、陰極5が厚みを制御された導電層で形成されている場合、正孔と同様、電子に対しても導電層の厚さを制御した後の導電層のイオン化ポテンシャルΦa3と、機能性薄膜4のイオン化ポテンシャルΦLとの差の絶対値が小さくなるように導電層の厚みを制御することが望ましく、下記式(3)に示す条件を満足することが好ましい。
上記カーボンナノ構造体7としては、カーボンナノチューブ(例えば単層カーボンナノチューブ(SWNT)や多層カーボンチューブ(MWNT)等)、カーボンナノフレーク、カーボンナノウォール、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、金属充填ナノチューブ、及びカーボンナノファイバーの中から選択された1つの構造体、又は、これらの中から選択された2つ以上の構造体の混合物を例示することができる。
カーボンナノ構造体7の直径の分布中央値は0.3〜50nmの範囲内にあることが望ましい。これは、カーボンナノ構造体7の直径の分布中央値がこの範囲内にあることで、(1)表面平滑性が良好で電極としての機能を良好に果たせる、(2)機能性薄膜素子1内部で発生した光を外部に取り出したり、外部光を素子内部に取り入れたりする場合に必要な電極の透明性を確保できるからである。
なお、カーボンナノ構造体7の直径は、製造条件によってばらつくことから分布中央値により範囲を定義した。また、カーボンナノ構造体の中には、断面が円形でなく、楕円形であったり扁平している場合があるが、この場合の直径は光透過性確保の観点から断面の長軸方向の長さで定義する。
カーボンナノ構造体7の軸方向の長さは、特に制限されることはないが、10nm〜1μm程度のものが塗布性や電極としての平滑性の点から望ましい。軸方向の長さが10nm以下である場合、導電層を形成できたとしても導電性に寄与するキャリアの移動度を大きくすること(導電パスの形成)が困難となり、電極として必要な表面抵抗率(JIS K 6911にて定義)を得ることが困難となる。一方、軸方向の長さが1μm以上である場合、電極内部においてカーボンナノ構造体が激しく絡み合って凝集するようになり、電極として必要な表面平滑性を確保することが困難になる。また、透明電極としての透明機能を確保したい場合において、入射する光の波長よりも十分長い長さになるために、光の散乱効果によって、透明性を確保することができなくなってしまう。これに対して、軸方向の長さが10nm〜1μm程度の範囲内にあれば、カーボンナノ構造体と基材2との分子間力が大きくなる(サイズ効果)ことから、基材2との接触面積も比較的確保することができ、且つ、キャリア移動を容易にする導電パスの形成も容易になることからより好ましい。
カーボンナノ構造体7を含有する導電層は適量のカーボンナノ構造体7を溶媒、水、これらの混合溶液中に分散させたものを塗布することにより形成することが望ましい。なおこの際、透明なバインダーを適宜用いてもよい。バインダーとしては、透明な熱可塑性樹脂、例えばポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、フッ化ビニリデンなどの、または、熱、紫外線、電子線等で硬化する透明な樹脂、例えばメラミンアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル変性シリケート等を例示することができる。
導電層中におけるカーボンナノ構造体7の目付け量は1.0mg/m以上450mg/m以下の範囲内にすることが望ましい。目付け量が1.0mg/m未満である場合、電極として必要な表面抵抗率を確保することができなくなり、逆に目付け量が450mg/mを超えると、電極として必要な表面抵抗率は確保できるものの、導電層表面の平滑性が損なわれ、また、透明電極として使用する際の透明性が損なわれてしまう。
なお、カーボンナノ構造体7の目付け量は、導電層を電子顕微鏡で観察し、その表面面積に占めるカーボンナノ構造体7の面積割合を測定し、これに電子顕微鏡により観察された導電層の厚みとカーボンナノ構造体の比重(カーボンナノ構造体7がカーボンナノチューブである場合には、グラファイトの比重の文献値2.1〜2.3の平均値である2.2を採用)を掛けることにより計算した値である。
前記イオン化ポテンシャルΦa2と機能性薄膜4のイオン化ポテンシャルΦは以下の式(1)に示す条件を満たしていることが望ましい。このようなイオン化ポテンシャルの関係によれば、陽極3から機能性薄膜4にバランスよく正孔を注入することができる。
陽極3である導電層の厚さを制御した後のイオン化ポテンシャルΦa2の大きさは、機能性薄膜4のHOMO準位及びLUMO(最低非占有分子軌道)準位の大きさと大小関係によって決定されるものであるが、公知の機能性薄膜のHOMO準位及びLUMO準位を考慮すると、3.0〜7.0eVの範囲内で任意に制御することが望ましい。
また、機能性薄膜4と陽極3又は陰極5との接合界面における電位障壁をより低くし、キャリアである正孔や電子を移動させやすくするために、陽極3である導電層の厚さを制御した後のイオン化ポテンシャルΦa2及び陰極5である導電層の厚さを制御した後のイオン化ポテンシャルΦa3の大きさと機能性薄膜4のHOMO準位又はLUMO準位の大きさがより近いものが望ましい。
機能性薄膜4として有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料であるポリパラフェニレンビニレン(PPV)を用いる場合、PPVのHOMO準位の大きさは約5.4eVであることが報告されていることから、陽極3は、PPVのHOMO準位に近い前記イオン化ポテンシャルΦa2、具体的には前記イオン化ポテンシャルΦa2が4.9〜5.9eVの範囲内になるように制御することが望ましい。このような構成によれば、陽極3からPPVへの正孔の注入が容易になり、低電圧駆動が可能となる。なお、前記陰極5のイオン化ポテンシャルΦa3は、PPVのLUMO準位の大きさが約3.9eVであるので、3.4〜4.4eVの範囲内になるように制御することが望ましい。
〔導電層の厚さと導電層のイオン化ポテンシャルΦa2の関係〕
図5は、導電層の厚さ以外の塗布条件を一定にした状態で、導電層の厚さの変化に伴い前記イオン化ポテンシャルΦa2の変化を測定した結果を示す。なお、イオン化ポテンシャルΦa2の測定は、理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−3(一部特注品)を用いて測定した。この装置は、試料を真空中に入れることなく、試料表面からの光電子を測定できるものである。この装置では、重水素ランプから放射された紫外線が分光器により単色化され、試料表面に照射される。そして、紫外線の波長、すなわち、フォトン1個が有するエネルギーを3.0〜7.0eV(波長412〜180nm)の範囲内でステップ状に大きくしていく。照射光のエネルギーが試料のイオン化ポテンシャルを超えると、試料表面より光電子が大気中に放出される。そして、光電子はオープンカウンターによって捕捉される。
図5から明らかなように、導電層の厚さが30nm未満又は600nmを超える場合、前記イオン化ポテンシャルΦa2はほとんど変化しないのに対して、導電層の厚さが30nm以上600nm以下の範囲内では、厚さの増加に伴いイオン化ポテンシャルΦa2が増加することが知見された。なお、塗布条件にもよるが、導電層の厚さが30nm以下になると、ピンホールが発生する確率も大きくなり、また表面抵抗率も大きくなることから、電極としての機能を果たさなくなると推定される。なお、導電層の厚さは、公知の方法(試料断面の電子顕微鏡観察により得られた画像から算出する方法、エリプソメータを用いて算出する方法、静電容量から算出方法等)により算出することができるが、ここでは電子顕微鏡観察により得られた画像から算出した。このことから、導電層の厚さ以外の塗布条件を一定にした状態で導電層の厚さを30nmから600nmに変化させることにより、導電層のイオン化ポテンシャルΦa2を制御できることがわかる。
続いて、本願発明の発明者らは、カーボンナノ構造体7が導電層内においてどのように配向しているのかをAFM(原子間力顕微鏡)を用いて検討した。具体的には、導電層の厚さが異なる試料の表面をAFMで観察し、その像をベアリングカーブプロットすることにより、カーボンナノ構造体が導電層内でどのような凹凸を有しているのか、換言すれば、導電層表面でカーボンナノ構造体がどのような確率で基材2に対し立っているのか又は寝ているのかを観察した。図6(a)、(b)はそれぞれAFMにより観察された導電層表面の平面像及び立体像を示す。なお、ベアリングカーブプロット法とは、3次元構造を構成する各画素の高さ(Z座標)の分布をZ方向の高さに対して100%(3次元画像で一番低いZ座標の位置)から0%(3次元画像で一番高い座標の位置)で示すものである(例えば(株)菱化システムのIMACIK Softベアリング3の資料参照)。このベアリングカーブプロットの積算によってカーボンナノ構造体7が基材2に対して垂直方向に配向している確率(以下、先端配向確率と称する)を計算することができる。
この結果、厚さ30nmの導電層では、先端配向確率が約80%であり、前記イオン化ポテンシャルΦa2は3.0eVであった。また、厚さ600nmの導電層では、先端配向確率が約20%であり、前記導電層のイオン化ポテンシャルΦa2は7.0eVであった(図5及び図8参照)。このことから、導電層表面のカーボンナノ構造体の先端配向確率が前記イオン化ポテンシャルΦa2に寄与するものと推定する。
〔カーボンナノ構造体の配向〕
1本のカーボンナノ構造体の形状をコイル状として表し、カーボンナノ構造体1本の配向状態をxy座標に基づき定義すると、カーボンナノ構造体が向く方向としては大きく分けて、y軸(基材2に垂直方向)に平行な場合(図7(a))、x軸(基材2に平行方向)を起点としてθ=45°方向に向いている場合(図7(b))、及びx軸に平行な場合(図7(c))が考えられる。また、この3つの方向を備えた場合の前記イオン化ポテンシャルΦa2は、理論上、順に3.0、5.0、7.0eVであると推定される。
また、導電層表面におけるカーボンナノ構造体の先端配向確率が大きい程、導電層のイオン化ポテンシャルΦa2は小さくなると考えられる。これは、カーボンナノ構造体においては、その軸周囲からよりも先端部からの方が圧倒的に電子が放出されやすいことによると考えられる。以上の点を踏まえ、導電層の厚さが30nm程度と薄い時になぜ図7(a)に示すような配向形態になるのか、換言すれば、先端配向確率が大きくなるのかを考える。
図8は、図5に示す測定結果に先端配向確率のデータを付加し、先端配向確率と前記イオン化ポテンシャルΦa2の関係を求めた結果を示す。図8に示すように、カーボンナノ構造体の先端配向確率の増加につれて導電層のイオン化ポテンシャルΦa2が小さくなり、電子が放出されやすくなっていることがわかる。一般に、基材2上に塗布されたカーボンナノ構造体は、カーボンナノ構造体の立体構造の点からすると、基材2に対して平行配向する確率(図7(c)に示す状態)が高くなると考えられる。
しかしながら、上述の通り、導電層の厚さが薄い状態ではカーボンナノ構造体が基材2に対して垂直方向に配向する確率(図7(a)に示す状態)が大きくなっている。これは、基材2に対して平行配向する力よりも、基材2に対し垂直配向する力の方が大きく、基材2とカーボンナノ構造体の端部との間に何らかの力(例えば静電引力や分子間力等)が作用していることを示唆する。また、導電層の厚さが30nmから600nmと厚くなるのに伴い、先端配向確率も小さくなり、前記イオン化ポテンシャルΦa2も大きくなっている。このことは、導電層の厚さが薄い時はカーボンナノ構造体が基材2に対し垂直配向しているが、厚さの増加に伴い基材2に対し垂直配向していたカーボンナノ構造体が平行配向するようになると理解される。
〔その他〕
本実施形態では、導電層の厚さを制御することによりカーボンナノ構造体の配向を規制したが、この配向は基材2の前処理(ラビング処理等)や溶媒の種類、塗布方法、さらには硬化方法等を工夫することによっても制御することができる。また、導電層中におけるカーボンナノ構造体の目付け量は、陽極3又は陰極5として成立するものであれば特に限定されることはないが、一方に透明導電層としての機能が要求される場合には、特に均一分散性を考慮する必要がある。この場合の目付け量としては、導電層の全光線透過率が70%以上であることが望ましいとの観点から450mg/m以下、また表面抵抗率の観点から1.0mg/m以上に制御されるべきである。
また、導電層の厚さを特に制御しない場合における導電層のイオン化ポテンシャルΦb2はカーボンナノ構造体の結晶構造や絡み合い等によってある幅を有することになり、またこのようなイオン化ポテンシャルΦb2を有する電極であっても、機能性薄膜4は様々なLUMO準位やHOMO準位の大きさを有する。
従って、一般に導電層と接合する機能性薄膜4のLUMO準位やHOMO準位の大きさ(エネルギー)は前述したように3.0〜7.0eVの範囲内にあることが好ましいから、キャリア(正孔又は電子)注入を低電圧で可能にするためには、カーボンナノ構造体が導電層表面に向かうように導電層の厚さを制御する前の導電層のイオン化ポテンシャルΦb2に対する導電層の厚さを制御した後の導電層のイオン化ポテンシャルΦa2の比Φa2/Φb2が以下の式(2)に示す条件を満たす必要がある。
なお、「導電層の厚さを制御した後」とは、カーボンナノ構造体を分散させた溶液を基材2上に塗布、乾燥させ、ある厚さの範囲(30〜600nm)とした状態を意味する。また、「カーボンナノ構造体の厚さを制御する前」とは、分散させた溶液を塗布、乾燥させた際の条件に依存する可能性もあり、必ずしも一義的には決定できないが、ここでは、厚さが上記範囲以外の状態にあることを意味する。なお厚さ30nm以下では、カーボンナノ構造体数分子レベルの厚さとなることことから、基板との相互作用がより顕著になり、基板に対して垂直方向に配向する傾向、即ち、イオン化ポテンシャルは3eV近傍となる(図7(a)参照)。しかしながら、この厚さでは十分な量のカーボンナノ構造体を配合できないことから、連続した導電パスが形成しにくくなるため電極として成立する高導電率を確保しにくくなる。一方、厚さ600nm以上ではカーボンナノ構造体と基板との相互作用よりもカーボンナノ構造体同士の分子間相互作用が強くなって分子同士の絡み合いが顕著になり、分子は基板に対して平行方向に配向しやすくなってイオン化ポテンシャルは7eV近傍となる(図7(c)参照)。また平行方向に配向しているために連続した導電パスが形成されることにはなるが、分子同士の絡み合いに基づく表面粗さ(凹凸)が大きくなってしまい、この導電層上に機能性薄膜を設けたときにピンホールの発生や電気的短絡が発生しやすくなって電極として成立しにくくなる。
また、機能性薄膜4を形成する材料としては、特に限定されることはないが、材料の多様性、ウェット(印刷)プロセスの適用性、及びフレキシブルで安価な素子が求められていることから、π共役系材料を用いることが好ましい。具体的には、機能性薄膜素子1が有機エレクトロルミネッセンス素子である場合、π共役系材料としては、キノリノール誘導体、フルオレン誘導体、フタロシアニン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、及びペリレン誘導体の中から選択された一つの誘導体、又はこれらの中から選択された2つ以上の誘導体を含むものを例示することができる。
また、機能性薄膜素子1が有機薄膜太陽電池のような光起電力素子や有機光電素子等の光センサーである場合には、π共役系材料として、メロシアニン誘導体(メロシアニン色素)、クロロフィル誘導体、ポルフィリン誘導体、ペリレン誘導体、及びペンタセン誘導体の中から選択された一つの誘導体、又はこれらの中から選択された2つ以上の誘導体を含むものを例示することができる。
また、陽極3又は及び陰極5を形成している導電層の少なくとも一方の全光線透過率(JIS K6911により定義)は70%以上であることが望ましい。その理由は、機能性薄膜素子1の内部で発現した光を外部に取り出したり、逆に外部光を機能性薄膜素子1の内部に効率よく入射させるためには、機能性薄膜4自体の光の反射や吸収、さらには基材2の表面及び裏面での光の反射を考慮すると、最低でも70%以上の全光線透過率が必要であることによる。なお、陽極3と陰極5の両方及び基材2を光透過性とすることにより、有機エレクトロルミネッセンス層を用いた透明ディスプレイのみならず、透明有機光電素子や透明有機TFTを形成することができる。
また、陽極3及び陰極5を形成する導電層の表面抵抗率は、電極本来の機能面から10Ω/□以下、より好ましくは10Ω/□以下であることが望ましい。また、基材2としては、ガラス材料、セラミックス材料、高分子樹脂材料の中から選択された材料であることが望ましい。なお、機能性薄膜素子1が、素子の表裏方向に発光・発色機能を発現するものであったり、逆に入射方向に関係なく外部光を内部に取り込み、光電流や光起電力を発現させるものである場合、基材2は光透過性を有するべきである。その際の基材2の全光線透過率としては、素子内部から効率よく光を出射するように、又は、外部から効率よく光を取り込めるように、80%以上であることが望ましい。
また、上記高分子樹脂材料の形態は、特に制限されることはなく、フィルム状、板状、繊維状等のいずれの形態であってもよい。また、高分子樹脂材料としては、透明な熱可塑性樹脂や紫外線、熱、電子線などで硬化する硬化性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等のポリビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリジメチルシクロヘキサンテレフタレート、芳香族ポリエステル等のポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、またはそれらの共重合体樹脂、及びこれら樹脂の誘導体の中から選択された1つの材料又はこれらの中から選択された2つ以上の材料などを例示することができる。
また、フレキシブルな機能性薄膜素子1を形成する場合には、基材2はフィルム状であることが望ましく、フィルムの厚さは、適用する形態にもよるが、概ね25〜500μm、好ましくは75〜250μmの範囲にあることがハンドリング性の面から望ましい。なお、成形性、熱安定性、耐候性を高めるために、全光線透過率と導電性を損なわない程度に可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤を基材2に適宜配合してもよい。また、光透過性を損なうことがなければ、基材2と陽極3との間に接着層や平滑剤層を設けても良い。
〔機能性薄膜素子の製造方法〕
上記機能性薄膜素子1を製造する際は、始めに、ガラス材料、セラミックス材料、高分子樹脂材料などの透光性を有する基材2の表面をアルコールなどの高揮発性溶剤で洗浄し、乾燥する。次に、カーボンナノチューブなどのカーボンナノ構造体を、必要なら分散剤などと共に溶剤、水、またはこれらの混合液などの溶媒に加えて均一に混合、分散させることによりカーボンナノ構造体を含む溶液を調整する。次に上記カーボンナノ構造体分散溶液を上記基材2の上にスプレーコート法などの公知方法で塗布、乾燥させて所定厚さとなるように制御して必要なイオン化ポテンシャルΦa2となした導電層からなる陽極3を形成する。次に、上記陽極3の上にポリフェニレンビニレン(PPV)などのπ共役系材料などからなる溶液をスピンコート法などにより塗布して機能性薄膜4を一定厚さに形成する。最後に、真空蒸着法などの公知の方法により機能性薄膜4の上にITOやMg/Ag合金などからなる陰極5を一定厚さに形成する。なお陰極5もカーボンナノ構造体を含む導電層で形成する場合は、機能性薄膜4の上にカーボンナノ構造体分散溶液を塗布、乾燥させて所定の厚さとなるように制御して、必要なイオン化ポテンシャルΦa3となした導電層とすればよい。また陰極5がMg/Ag合金などの不透明ないし半透明であると、機能性薄膜4内で発生した光は陽極3から出射することとなる。さらにカーボンナノ構造体の種類、大きさ、目付け量などは目的に応じて全光線透過率と導電性の兼ね合いから任意に選択する。
また、電極や機能性薄膜4を形成する際の塗布回数は、1度塗りに限られることはなく、複数回重ね塗りして目的とする厚さとしてもよい。また、電極を形成する際の塗布方法は、スプレーコート法に限られることはなく、ロールコート法、キャスティング法、スピンコート法、ディップ法、各種印刷法(スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷等)を適宜使用してもよい。印刷法により電極を直接パターン形成すれば、微小、且つ、精細な電極を形成することができる。
以下、本発明に係る機能性薄膜素子を実施例に基づき具体的に説明する。
〔実施例1〕
実施例1では、始めに、光透過性を有する高分子樹脂フィルムであるポリエチレンテレフタレート(全光線透過率94%、厚さ125μm)を基材として準備し、基材の表面をエチルアルコールを用いて洗浄した。次に、イソプロピルアルコールと水の混合物(混合比3:1)中にカーボンナノ構造体(文献(Chemical Physics Letter、323(2000)p.580-585)に基づき合成した分布中央値で直径1.3〜1.8nmの単層カーボンナノチューブを酸処理して精製したもの)と、分散剤としてのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体とを均一に分散させ、カーボンナノ構造体としての単層カーボンナノチューブ(SWNT)を0.003質量%含む塗液を調製した後、基材表面に塗液をスプレーコート法により塗布し、室温で乾燥させることにより、目付け量35mg/mの塗膜を形成した。
次に、メチルイソブチルケトンにより600分の1に希釈した熱硬化性のウレタンアクリレートを塗膜上に塗布、乾燥させることにより、膜厚が200nmである導電層を形成して陽極とした。なお、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて陽極の表面モルフォロジーを観察、解析した結果、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の先端配向確率は61%であった。また、理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−3(一部特注品)を用いて陽極のイオン化ポテンシャルを同時に測定した結果、イオン化ポテンシャルは4.8eVであった。
次に、スピンコート法により陽極上に100nm厚のポリパラフェニレンビニレン溶液を塗布、乾燥させることにより機能性薄膜(発光層)を形成した。そして最後に、真空蒸着法により機能性薄膜上に100nm厚のMg/Ag合金を蒸着させて陰極とすることにより、実施例1の機能性薄膜素子を得た。なお、理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−3(一部特注品)を用いて陰極のイオン化ポテンシャルを測定した結果、イオン化ポテンシャルは3.7eVであった。
〔実施例2〕
実施例2では、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の目付け量を71mg/m、導電層の厚さを300nmとした陽極を用いた以外は実施例1と同じ処理を行うことにより、実施例2の機能性薄膜素子を得た。なお、この実施例2の機能性薄膜素子では、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の先端配向確率は53%、陽極のイオン化ポテンシャルは4.9eVであった。
〔実施例3〕
実施例3では、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の目付け量を101mg/m、導電層の厚さを400nmとした陽極を用いた以外は実施例1と同じ処理を行うことにより、実施例3の機能性薄膜素子を得た。なお、この実施例3の機能性薄膜素子では、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の先端配向確率は48%、陽極のイオン化ポテンシャルは5.1eVであった。
〔実施例4〕
実施例4では、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の目付け量を350mg/m、導電層の厚さを500nmとした陽極を用いた以外は実施例1と同じ処理を行うことにより、実施例4の機能性薄膜素子を得た。なお、この実施例4の機能性薄膜素子では、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の先端配向確率は35%、陽極のイオン化ポテンシャルは5.5eVであった。
〔実施例5〕
実施例5では、始めに、ITOコートポリエチレンテレフタレート(全光線透過率89%、厚さ125μm)を基材として準備し、ITO薄膜をそのまま陽極として用いた。次に、スピンコート法により陽極上に100nm厚のポリパラフェニレンビニレン溶液を塗布、乾燥させることにより機能性薄膜(発光層)を形成した。次に、スプレーコート法により実施例1において調製したカーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)分散塗液を機能性薄膜の表面上に塗布し、室温で乾燥させることにより、目付け量1.2mg/mの塗膜を形成した。
そして最後に、メチルイソブチルケトンにより600分の1に希釈した熱硬化性のウレタンアクリレートを塗膜上に塗布、乾燥させることにより膜厚が30nmの導電層を形成して陰極となし、実施例5の機能性薄膜素子を得た。なお、AFMを用いて陰極の表面モルフォロジーを観察、解析した結果、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の先端配向確率は81%であった。また、理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−3(一部特注品)を用いて陰極のイオン化ポテンシャルを同時に測定した結果、イオン化ポテンシャルは4.0eVであった。
また理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−3(一部特注品)を用いて陽極のイオン化ポテンシャルを同時に測定した結果、イオン化ポテンシャルは4.7eVであった。
〔実施例6〕
実施例6では、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の目付け量を3.0mg/m、導電層の厚さを50nmとした陰極を用いた以外は実施例5と同じ処理を行うことにより、実施例6の機能性薄膜素子を得た。なお、この実施例6の機能性薄膜素子では、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の先端配向確率は75%、陰極のイオン化ポテンシャルは4.2eVであった。
また陽極のイオン化ポテンシャルは前記の如く4.7eVである。
〔実施例7〕
実施例7では、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の目付け量を15mg/m、導電層の厚さを100nmとした陰極を用いた以外は実施例5と同じ処理を行うことにより、実施例7の機能性薄膜素子を得た。なお、この実施例7の機能性薄膜素子では、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の先端配向確率は68%、陰極のイオン化ポテンシャルは4.4eVであった。
また陽極のイオン化ポテンシャルは前記の如く4.7eVである。
〔実施例8〕
実施例8では、始めに、高分子樹脂フィルムであるポリエチレンテレフタレート(全光線透過率94%、厚さ125μm)を基材として準備し、基材の表面をエチルアルコールを用いて洗浄した。次に、スプレーコート法により実施例1において調製したカーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)分散塗液を基材の表面上に塗布し、室温で乾燥させることにより、目付け量101mg/mの塗膜を形成した。
次に、メチルイソブチルケトンにより600分の1に希釈した熱硬化性のウレタンアクリレートを塗膜上に塗布、乾燥させることにより、膜厚が400[nm]の導電層を形成して陽極とした。なお、AFMを用いて陽極の表面モルフォロジーを観察、解析した結果、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の先端配向確率は48%であった。また、理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−3(一部特注品)を用いて陽極のイオン化ポテンシャルを同時に測定した結果、イオン化ポテンシャルは5.1eVであった。
次に、スピンコート法により陽極上に100nm厚のポリパラフェニレンビニレン溶液を塗布、乾燥させることにより機能性薄膜(発光層)を形成した。次に、実施例1で調整したカーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)分散塗液を機能性薄膜の表面にスプレーコート法により塗布し、室温で乾燥させることにより、目付け量1.2mg/mの塗膜を形成した。
そして最後に、メチルイソブチルケトンにより600分の1に希釈した熱硬化性のウレタンアクリレートを塗膜上に塗布、乾燥させることにより、膜厚が30nmの導電層を形成して陰極となし、実施例8の機能性薄膜素子を得た。なお、AFMを用いて陰極の表面モルフォロジーを観察、解析した結果、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の先端配向確率は81%であった。また、理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−3(一部特注品)を用いて陰極のイオン化ポテンシャルを同時に測定した結果、イオン化ポテンシャルは4.0eVであった。
〔実施例9〕
実施例9では、カーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)の目付け量350mg/m、膜厚を500nmとした導電層の陽極を用い、また単層カーボンナノチューブ(SWNT)の目付け量を3.0mg/m、膜厚を50nmとした導電層の陰極を用いた以外は、実施例8と同様の処理を行なうことにより実施例9の機能性薄膜素子を得た。なお陽極の表面モルフォロジーをAFMを用いて観察、解析した結果、カーボンナノ構造体であるカーボンナノチューブ(SWNT)の先端配向確率は35%であり、イオン化ポテンシャルを理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−3(一部特注品)を用いて測定した結果、イオン化ポテンシャルは5.5eVであった。また陰極の表面モルフォロジーとイオン化ポテンシャルとを同時に測定した結果、81%と4.0eVであった。
〔比較例1〕
比較例1では、始めに、ITOコートポリエチレンテレフタレート(全光線透過率89%、厚さ125μm)を基材として準備し、ITO薄膜をそのまま陽極として用いた。陽極のイオン化ポテンシャルは4.7eVである。次に、スピンコート法により陽極上に100nm厚のポリパラフェニレンビニレン溶液を塗布、乾燥させることにより機能性薄膜(発光層)を形成した。そして最後に、真空蒸着法により機能性薄膜上に100nm厚のMg/Ag合金を蒸着させて陰極とすることにより、比較例1の機能性薄膜素子を得た。なお、理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−3(一部特注品)を用いて陰極のイオン化ポテンシャルを測定した結果、イオン化ポテンシャルは3.7eVであった。
〔発光特性(発光輝度が100cd/mを得るために必要な印加電圧)の評価〕
(株)オプテル製の有機EL発光特性評価装置を用いて、実施例1〜9及び比較例1の機能性薄膜素子それぞれの発光特性を評価した結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜9の機能性薄膜素子における発光輝度100cd/mを得るために必要な印加電圧は比較例1の機能性薄膜素子におけるそれと比較して小さいことが明らかになった。これは、比較例1の機能性薄膜素子では、陽極及び陰極のそれぞれがイオン化ポテンシャルが発光層のHOMO準位及びLUMO準位の大きさ(エネルギー)を考慮していないITO薄膜及びMg/Ag蒸着薄膜であるためと考えられ、実施例1〜9の機能性薄膜素子のように、陽極及び陰極の少なくとも一方にイオン化ポテンシャルΦa2が3.0〜7.0eVの範囲内に制御されたカーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)を含有した導電層であると、発光輝度100cd/mを得るために必要な印加電圧を低下できることが知見される。なお、陽極と陰極の両方がカーボンナノ構造体である単層カーボンナノチューブ(SWNT)を含有した導電層である場合、この効果はより顕著になり、比較例1の機能性薄膜素子における印加電圧値の半分の値により発光輝度100cd/mを得ることができた。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、上記実施形態では、機能性薄膜4を発光層により形成し、陽極3と陰極5との間に電源6を接続することにより、機能性薄膜素子1を有機エレクトロルミネッセンス素子として機能させたが、機能性薄膜4を有機光起電力層により形成し、図9に示すように陽極3と陰極5との間に抵抗体8を接続することにより機能性薄膜素子1を有機光起電力素子として機能させるようにしてもよい。また、図10に示すように、陽極3を機能性薄膜4の表面側に形成するようにしてもよい。このように、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明の実施形態となる機能性薄膜素子の構成を示す断面図である。 図1に示す陽極の内部構成を示す断面図である。 図1に示す機能性薄膜素子のバンド構造を示す模式図である。 従来の機能性薄膜素子のバンド構造を示す模式図である。 導電層の厚さの変化に伴う導電層のイオン化ポテンシャルの変化を示す図である。 本発明の実施形態となる導電層表面のAFM像を示す図である。 カーボンナノ構造体の配向性と導電層のイオン化ポテンシャルの関係を示す模式図である。 カーボンナノ構造体の先端配向確率と導電層のイオン化ポテンシャルの関係を示す図である。 図1に示す機能性薄膜素子の応用例の構成を示す断面図である。 図1に示す機能性薄膜素子の他の応用例の構成を示す断面図である。
符号の説明
1:機能性薄膜素子
2:基材
3:陽極
4:機能性薄膜
5:陰極
6:電源
7:カーボンナノ構造体

Claims (16)

  1. 陽極と陰極とにより機能性薄膜を挟持することにより形成された機能性薄膜素子であって、前記陽極と前記陰極の少なくとも一方がカーボンナノ構造体を含有する導電層により形成され、当該導電層の厚みは、当該導電層のイオン化ポテンシャルと前記機能性薄膜のイオン化ポテンシャルとの差の絶対値が小さくなるように制御されていることを特徴とする機能性薄膜素子。
  2. 請求項1に記載の機能性薄膜素子であって、前記導電層の厚さを制御した後の導電層のイオン化ポテンシャルΦa2と前記機能性薄膜のイオン化ポテンシャルΦが以下の式(1)に示す条件を満足することを特徴とする機能性薄膜素子。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の機能性薄膜素子であって、前記カーボンナノ構造体は、カーボンナノチューブ、カーボンナノフレーク、カーボンナノウォール、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、金属充填ナノチューブ、及びカーボンナノファイバーの中から選択された1つの構造体、又はこれらの中から選択された2つ以上の構造体の混合物であることを特徴とする機能性薄膜素子。
  4. 請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の機能性薄膜素子であって、前記カーボンナノ構造体の直径の分布中央値が0.3nm以上50nm以下の範囲内にあることを特徴とする機能性薄膜素子。
  5. 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の機能性薄膜素子であって、前記導電層中におけるカーボンナノ構造体の目付け量が1.0mg/m以上450mg/m以下の範囲内にあることを特徴とする機能性薄膜素子。
  6. 請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載の機能性薄膜素子であって、前記導電層の厚さが30nm以上600nm以下の範囲内にあることを特徴とする機能性薄膜素子。
  7. 請求項1乃至請求項のうち、いずれか1項に記載の機能性薄膜素子であって、前記機能性薄膜がπ共役系材料により形成されていることを特徴とする機能性薄膜素子。
  8. 請求項に記載の機能性薄膜素子であって、前記π共役系材料が、キノリノール誘導体、フルオレン誘導体、フタロシアニン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、及びピラゾリン誘導体の中から選択された1つの誘導体、又はこれらの中から選択された2つ以上の誘導体を含むことを特徴とする機能性薄膜素子。
  9. 請求項1乃至請求項のうち、いずれか1項に記載の機能性薄膜素子であって、前記導電層の全光線透過率が70%以上であることを特徴とする機能性薄膜素子。
  10. 請求項1乃至請求項のうち、いずれか1項に記載の機能性薄膜素子であって、前記導電層の表面抵抗率が10Ω/□以下であることを特徴とする機能性薄膜素子。
  11. 請求項1乃至請求項10のうち、いずれか1項に記載の機能性薄膜素子であって、前記機能性薄膜素子は、ガラス材料、セラミックス材料、及び高分子樹脂材料のうちのいずれかにより形成された基材上に形成されていることを特徴とする機能性薄膜素子。
  12. 請求項11に記載の機能性薄膜素子であって、前記高分子樹脂材料は、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂の中から選択された1つの材料、又はこれらの中から選択された2つ以上の材料であることを特徴とする機能性薄膜素子。
  13. 請求項11又は12に記載の機能性薄膜素子であって、前記高分子樹脂材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリジメチルシクロヘキサンテレフタレート、芳香族ポリエステル、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、これらの共重合体樹脂、及びこれら樹脂の誘導体の中から選択された1つの材料、又はこれらの中から選択された2つ以上の材料であることを特徴とする機能性薄膜素子。
  14. 請求項1乃至請求項13のうち、いずれか1項に記載の機能性薄膜素子を用いて形成されていることを特徴とする表示体。
  15. 請求項1乃至請求項13のうち、いずれか1項に記載の機能性薄膜素子を用いて形成されていることを特徴とする調光体。
  16. 陽極と陰極とにより機能性薄膜を挟持することにより形成され、陽極と陰極の少なくとも一方がカーボンナノ構造体を含有する導電層により形成されている機能性薄膜素子における導電層のイオン化ポテンシャル制御方法であって、前記導電層の厚さを変化させることにより、導電層のイオン化ポテンシャルを制御することを特徴とする導電層のイオン化ポテンシャル制御方法。
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