JP4475009B2 - 有機電界発光素子及びその製造方法 - Google Patents

有機電界発光素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機薄膜のエレクトロルミネッセンス(EL)現象を利用した有機電界発光素子及びその製造方法に関するものである。また、発光層である有機薄膜として、低分子材料を用いた低分子有機EL素子、または高分子材料を用いた高分子(あるいはポリマー)EL素子(ここでは両方を総称して有機電界発光素子と呼ぶ)に関するものである。
有機電界発光素子は、近年、次世代の高品質・低価格のフラットパネルディスプレイデバイスの発光素子として注目されている(例えば、特許文献1参照)。
電界発光素子では、電極薄膜と半導体層との間でキャリア(電子、正孔)の注入特性が、デバイス特性に大きな影響を及ぼす。すなわち、電界発光素子では、半導体発光層への電子及び正孔の注入が、デバイス特性を左右する。すなわちこれらは、いずれもできるだけ多く注入できる方がデバイス特性は良好である。
この電極薄膜と半導体層との界面に生じる注入特性(キャリアの移動特性)は、理論的には両者の仕事関数(半導体の場合はフェルミ準位)で決定される。電界発光素子の場合、電子注入側では、電極薄膜(カソード)の仕事関数は小さい方が、一方、正孔注入側では、電極薄膜(アノード)の仕事関数は大きい方が、キャリアの移動効率は高くなる。
発光層として無機半導体を用いた場合には、界面準位やシリサイドの生成により、仕事関数以外の要因が、注入特性に影響する場合も多い。これに対して、特に最近実用化開発で注目されている、半導体層が有機物の場合(低分子EL、高分子EL)の有機電界発光素子では、界面準位ができにくいため、電極表面の仕事関数制御が効率向上のために、すなわち実用化のために、不可欠となっている。
特開2000−30867号公報
従来は、アノード側の高仕事関数かつ透明導電性薄膜として、インジュウム・スズ・オキサイド(ITO)薄膜が広く用いられている。しかしながら、仕事関数は4.8〜5.0eV程度と有機半導体層と比較して小さく、デバイス効率の低下を招く原因となっていた。
一方、カソード側の低仕事関数電極薄膜として、Alなどの金属薄膜が広く用いられている。しかしながら、仕事関数は4.2eV程度と有機半導体層と比較して大きく、デバイス効率の低下を招く原因となっていた。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、アノードでは仕事関数が大きく、カソードでは仕事関数が小さく、正孔ならびに電子の注入効率が高い、すなわちデバイスの発光効率の向上を図ることできる有機電界発光素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の発明は、基体上に、低分子あるいは高分子の有機物からなる発光層と、少なくともこの発光層を介しアノード体とカソード体が積層されて成る有機電界発光素子において、前記アノード体が、電子吸引基で終端されたアモルファスカーボン膜を有することを特徴とする。
また、本発明の第2の発明は、前記電子吸引基が、酸素原子あるいはハロゲン原子であることを特徴とする。
また、本発明の第3の発明は、基体上に、低分子あるいは高分子の有機物からなる発光層と、少なくともこの発光層を介しアノード体とカソード体が積層されて成る有機電界発光素子において、前記カソード体が、電子供与基で終端されたアモルファスカーボン膜を有することを特徴とする。
また、本発明の第4の発明は、前記電子供与基が、水素原子あるいは炭化水素あるいは水酸基であることを特徴とする。
また、本発明の第5の発明は、前記アモルファスカーボン膜が、ダイヤモンド状カーボン膜であることを特徴とする。
また、本発明の第6の発明は、前記ダイヤモンド状カーボン膜に不純物がドープされていることを特徴とする。
また、本発明の第7の発明は、前記不純物は、窒素、燐、硫黄、硼素、酸素および珪素からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とする。
また、本発明の第8の発明は、基体上に、少なくとも、アノード体として、炭化水素及び水素を含む原料ガスを用いたプラズマCVD法によりアモルファスカーボン膜を成膜する工程、アモルファスカーボン膜を酸素またはハロゲンまたはハロゲン化合物を含むガスを用いたプラズマ処理を施す工程、を含むことを特徴とする。
また、本発明の第9の発明は、有機電界発光素子の製造方法において、基体上に、少なくとも、カソード体として、炭化水素及び水素を含む原料ガスを用いたプラズマCVD法によりアモルファスカーボン膜を成膜する工程、アモルファスカーボン膜を水素または還元性ガスを用いたプラズマ処理を施す工程、を含むことを特徴とする。
また、本発明の第10の発明は、前記アモルファスカーボン膜が、ダイヤモンド状カーボン膜であることを特徴とする。
また、本発明の第11の発明は、前記ダイヤモンド状カーボン膜のCVD成膜の際に、ドープガスとして、窒素、フォスフィン、硫化水素、ジボラン、酸素およびシランからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加することを特徴とする。
このように構成することにより、本発明では、アノード体及びカソード体の少なくとも一方が、アモルファスカーボン膜、特にはダイヤモンド状カーボン膜を使用し、かつその表面を電子吸引基あるいは電子供与基で終端することにより、2.8eVから6.5eVの低仕事関数及び高仕事関数の双方を実現でき、それにより高効率の有機電界発光素子を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
有機電界発光素子のアノード体若しくはカソード体として、アモルファスカーボン膜、特にはダイヤモンド状カーボン膜を使用し、かつその表面を電子吸引基あるいは電子供与基で終端することにより、2.8eVから6.5eVの低仕事関数及び高仕事関数の双方を実現でき、それにより高効率の有機電界発光素子を実現できる。これは、アモルファスカーボン膜、特にはダイヤモンド状カーボン膜は、導電性をもつあるいはドープにより導電性を付与することができ、また、成膜条件を制御することにより透明膜が作製できるため、アノード体あるいはカソード体の表面層としてだけではなく、アノード体あるいはカソード体の電極自体としても適用することができる。
この場合、アモルファスカーボン膜、特にはダイヤモンド状カーボン膜の製法として、炭化水素及び水素を含む原料ガスを用いたプラズマCVD法により成膜し、次いで、膜表面を電子吸引性の原子を含むガスあるいは電子供与性の原子を含むガスを用いたプラズマ処理を施すことにより、同一材料で仕事関数の制御を行うことができ、高仕事関数及び低仕事関数が得られる。従ってこのようなアモルファスカーボン膜からなる電極薄膜を用いることにより、高効率の有機電界発光素子が得られる。
また、以上の製造方法は、メータースケールに対応できる高周波プラズマを利用しており、ディスプレイなどの大面積デバイスに適した、大面積かつ低温成膜が可能で、実用化に有効な方法である。
図1は本発明の第1実施例を示す有機電界発光素子の断面図である。
この図において有機電界発光素子は、基体としての絶縁基板11、絶縁基板11上に形成されるアノード体12、アノード体12上に形成される正孔輸送層13、正孔輸送層13上に形成される有機発光層14、有機発光層14上に形成される電子輸送層15、電子輸送層15上に形成されるカソード体16からなる。
本実施例においては、アノード体12は、高周波プラズマ化学的気相成長法(RF−PECVD)により、基板バイアスを−300Vとすることで、透明かつ高導電性のダイヤモンド状カーボン薄膜電極を形成した。このとき膜厚は、200nmとした。
なお、その他の成膜条件として、反応ガスは、メタン20sccm、またはメタン13sccm+窒素6sccm、またはメタン13sccm+アンモニア6sccmのいずれかとし、反応圧力は10mTorrとした。また、基板加熱なしで、基板温度は150℃以下であった。
次に、CFガスを導入し平行平板型の電極を有する反応性イオンエッチング(RIE)装置を用いて、高周波プラズマ処理を行った。
プラズマ処理条件は、CFガス35sccm、反応圧力0.03Torr、高周波パワー300W、処理時間5分とした。
これにより、アノード体12であるダイヤモンド状カーボン薄膜電極表面に、フッ素終端された表面構造が作製できた。このフッ素終端構造は、X線光電子分光法により解析し、C−F構造1aが確認できた。上記でガス種をCFに代わり塩素(Cl)とした場合には、C−Cl構造1bが、酸素(O)あるいは亜酸化窒素(NO)とした場合にはC−O構造1cがそれぞれ確認された。
また、走査型プローブ顕微鏡(SPM)の一種で表面電位の測定ができる、ケルビンプローブ顕微鏡(KFM)により、フッ素終端表面の表面電位を計測し換算したところ、6.5eVの高い表面仕事関数が得られていることがわかった。
その後、アノード体12上に、正孔輸送層13、有機発光層14、電子輸送層15を蒸着法により形成し、最後に、カソード体16としてAl薄膜を電子ビーム蒸着法にて成膜して、有機電界発光素子が完成した。
図2は本発明の第2実施例を示す有機電界発光素子の断面図である。
この図において有機電界発光素子は、基体としての絶縁基板21、絶縁基板21上に形成されるカソード体22、カソード体22上に形成される電子輸送層23、電子輸送層23上に形成される有機発光層24、有機発光層24上に形成される正孔輸送層25、正孔輸送層25上に形成されるアノード体26からなる。
この実施例においては、カソード体22は、RF−PECVDにより、基板バイアスを−1000Vとすることで、高導電性の薄膜電極を形成した。このとき膜厚は、200nmとした。なお、その他の成膜条件は、実施例1に示したものと同じである。
次に、水素ガスを導入し平行平板型の電極を有するRIE装置を用いて、高周波プラズマ処理を行った。
プラズマ処理条件は、水素ガス35sccm、反応圧力0.03Torr、高周波パワー300W、処理時間5分とした。
これにより、カソード体22であるダイヤモンド状カーボン薄膜電極表面に、水素終端された表面構造が作製できた。この水素終端構造は、フーリエ変換赤外線分光分析法(FT−IR)により解析し、C−H構造2aが確認できた。また、KFMにより、水素終端表面の表面電位を計測し換算したところ、2.8eVの低い表面仕事関数が得られていることがわかった。
なお、官能基に水素の他、アルキル基などの炭化水素構造2bあるいは水酸基構造2cをつけても低仕事関数表面を得ることが可能である。
その後、カソード体22上に、電子輸送層23、有機発光層24、正孔輸送層25を蒸着法により形成し、最後に、アノード体26としてAl薄膜を電子ビーム蒸着法にて成膜して、有機電界発光素子が完成した。
図3は本発明の第3実施例を示す有機電界発光素子の断面図である。
この図において有機電界発光素子は、基体としての絶縁基板31、絶縁基板31上に形成されるアノード32、アノード32表面に形成されるアノード表面層33、アノード表面層33上に形成される正孔輸送層34、正孔輸送層34上に形成される有機発光層35、有機発光層35上に形成される電子輸送層36、電子輸送層36上に形成されるカソード体37からなる。ここで、アノード32とアノード表面層33とでアノード体を構成している。
この実施例においては、アノード32として、直流反応性スパッタ法によりITO膜を、スズを5重量%含有するITOをターゲットとして用い、99%アルゴン(20sccm)と1%酸素(0.2sccm)の混合ガスを導入した直流反応性スパッタ法により、室温にて成膜した。このとき、膜厚は200nmとした。
次に、アノード32上に、アノード表面層33として、RF−PECVDにより、基板バイアスを−300Vとすることで、透明かつ高導電性のダイヤモンド状カーボン薄膜電極を形成した。このとき膜厚は、50nmとした。なお、その他の成膜条件は、実施例1に示したものと同じである。
次に、CFガスを導入し平行平板型の電極を有するRIE装置を用いて、高周波プラズマ処理を行った。
プラズマ処理条件は、CFガス35sccm、反応圧力0.03Torr、高周波パワー300W、処理時間3分とした。
これにより、アノード表面層33であるダイヤモンド状カーボン膜表面に、フッ素終端された表面構造が作製できた。このフッ素終端構造は、X線光電子分光法により解析し、C−F構造が確認できた。また、KFMにより、フッ素終端表面の表面電位を計測し換算したところ、6.5eVの高い表面仕事関数が得られていることがわかった。
その後、アノード表面層33上に、正孔輸送層34、有機発光層35、電子輸送層36を蒸着法により形成し、最後に、カソード体37としてAl薄膜を電子ビーム蒸着法にて成膜して、有機電界発光素子が完成した。
図4は本発明の第4実施例を示す有機電界発光素子の断面図である。
この図において有機電界受光素子は、基体としての絶縁基板41、絶縁基板41上に形成されるカソード42、カソード42表面に形成されるカソード表面層43、カソード表面層43上に形成される電子輸送層44、電子輸送層44上に形成される有機発光層45、有機発光層45上に形成される正孔輸送層46、正孔輸送層46上に形成されるアノード体47からなる。ここで、カソード42とカソード表面層43とでカソード体を構成している。
この実施例においては、カソード42として、直流スパッタ法によりAl膜を成膜した。このとき、膜厚は200nmとした。
次に、カソード42上に、カソード表面層43として、RF−PECVDにより、基板バイアスを−1000Vとすることで、高導電性のダイヤモンド状カーボン薄膜電極を形成した。このとき膜厚は、50nmとした。なお、その他の成膜条件は、実施例1に示したものと同じである。
次に、水素ガスを導入し平行平板型の電極を有するRIE装置を用いて、高周波プラズマ処理を行った。
プラズマ処理条件は、水素ガス35sccm、反応圧力0.03Torr、高周波パワー300W、処理時間3分とした。
これにより、カソード表面層43であるダイヤモンド状カーボン膜表面に、フッ素終端された表面構造が作製できた。このフッ素終端構造は、X線光電子分光法により解析し、C−F構造が確認できた。また、KFMにより、フッ素終端表面の表面電位を計測し換算したところ、2.8eVの低い表面仕事関数が得られていることがわかった。
その後、カソード表面層43上に、電子輸送層44、有機発光層45、正孔輸送層46を蒸着法により形成し、最後に、アノード体47としてAl薄膜を電子ビーム蒸着法にて成膜して、有機電界発光素子が完成した。
図5は本発明の第5実施例を示す有機電界発光素子の断面図である。
この図において有機電界発光素子は、基体としての絶縁基板51、絶縁基板51上に形成されるアノード52、アノード52表面に形成されるアノード表面層53、アノード表面層53上に形成される正孔輸送層54、正孔輸送層54上に形成される有機発光層55、有機発光層55上に形成される電子輸送層56、電子輸送層56上に形成されるカソード表面層57、カソード表面層57上に形成されるカソード58、カソード58上に形成される絶縁基体59からなる。ここでアノード52とアノード表面層53とでアノード体を構成し、カソード58とカソード表面層57とでカソード体を構成している。
この実施例においては、アノード52として、直流反応性スパッタ法によりITO膜を、スズを5重量%含有するITOをターゲットとして用い、99%アルゴン(20sccm)と1%酸素(0.2sccm)の混合ガスを導入した直流反応性スパッタ法により、室温にて成膜した。このとき、膜厚は200nmとした。
次に、アノード52上に、アノード表面層53として、RF−PECVDにより、基板バイアスを−300Vとすることで、透明かつ高導電性のダイヤモンド状カーボン薄膜電極を形成した。このとき膜厚は、50nmとした。なお、その他の成膜条件は、実施例1に示したものと同じである。
次に、CFガスを導入し平行平板型の電極を有するRIE装置を用いて、高周波プラズマ処理を行った。
プラズマ処理条件は、CFガス35sccm、反応圧力0.03Torr、高周波パワー300W、処理時間3分とした。
これにより、アノード表面層53であるダイヤモンド状カーボン薄膜電極表面に、フッ素終端された表面構造が作製できた。このフッ素終端構造は、X線光電子分光法により解析し、C−F構造が確認できた。また、KFMにより、フッ素終端表面の表面電位を計測し換算したところ、6.5eVの高い表面仕事関数が得られていることがわかった。
続いて、上記アノード表面層53上に、正孔輸送層54、有機発光層55、電子輸送層56を蒸着法により形成し、アノード側積層基板5Aを作製した。
一方、絶縁基体59として、高分子基板上に、カソード58として電子ビーム蒸着法によりAl薄膜を成膜した。ここで膜厚は200nmとした。
次に、カソード58上に、カソード表面層57として、RF−PECVDにより、基板バイアスを−1000Vとすることで、高導電性のダイヤモンド状カーボン薄膜電極を形成した。このとき膜厚は、50nmとした。なお、その他の成膜条件は、実施例1に示したものと同じである。
次に、水素ガスを導入し平行平板型の電極を有するRIE装置を用いて、高周波プラズマ処理を行った。
プラズマ処理条件は、水素ガス35sccm、反応圧力0.03Torr、高周波パワー300W、処理時間3分とした。
これにより、カソード表面層53であるダイヤモンド状カーボン薄膜電極表面に、水素終端された表面構造が作製できた。この水素終端構造は、FT−IRにより分析し、C−H構造が確認できた。また、KFMにより、フッ素終端表面の表面電位を計測し換算したところ、2.8eVの低い表面仕事関数が得られていることがわかった。以上のように、カソード側積層基板5Bが作製した。
続いて、上記アノード側積層基板5Aと上記カソード側積層基板5Bを、貼り合わせて、有機電界発光素子を完成した。
ここで、本実施例では、アノードを下地としたが、カソードを下地とする場合でも工程を逆にすることで、図6に示すような同等の特性をもつ逆の素子構成の有機電界発光素子が作製できる。
以上、実施例に示したそれぞれのダイヤモンド状カーボン膜の終端構造とし、図1に示したように、電子吸引基としてフッ素原子に代えて、塩素原子あるいは酸素原子としても同等の低い表面仕事関数を得ることができる。また、図2に示したように、電子供与基として水素原子に代えて、アルキル基などの炭化水素あるいは水酸基としても同等の高い表面仕事関数を得ることができる。
なお、これまでに実施例として図示した、正孔輸送層と電子輸送層はいずれも有機発光層のキャリア移動性を補助するために設けたもので、有機発光層のみで十分な移動特性が得られる場合は、正孔輸送層あるいは電子輸送層のいずれかまたは両方とも素子構成から除くことができる。
上記実施例に詳細に記述したように、アノード体もしくはカソード体のアモルファスカーボン膜、特にはダイヤモンド状カーボン薄膜の製法として、具体的には、RF−PECVDを用いて成膜する。その後、RIE装置を用いて高周波プラズマ処理をすることで、表面の仕事関数の制御を可能とする。すなわち、プラズマ処理ガスとして、酸素、フッ素、塩素などのハロゲン化合物を用いた場合には、高い表面仕事関数が得られ、一方、水素あるいは還元性ガスを反応ガスとして用いた場合には、低い表面仕事関数が得られる。これらの高い仕事関数あるいは低い仕事関数をもつ電極表面を用いることにより、高効率の有機電界発光素子が得られた。
なお、本発明の製造方法は、ディスプレイなどの大面積デバイスに適した、大面積かつ低温成膜が可能であり、実用化に有効な方法である。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、有機薄膜のエレクトロルミネッセンス(EL)現象を利用した有機電界発光素子及びその製造方法に用いることができる。
本発明の第1実施例を示す有機電界発光素子の断面図である。 本発明の第2実施例を示す有機電界発光素子の断面図である。 本発明の第3実施例を示す有機電界発光素子の断面図である。 本発明の第4実施例を示す有機電界発光素子の断面図である。 本発明の第5実施例を示す有機電界発光素子の断面図である。 本発明の第5実施例の別の一例を示す有機電界発光素子の断面図である。
符号の説明
11,21,31,41,51,61・・・絶縁基板
12,26,47・・・アノード体
32,52,68・・・アノード
13,25,34,46,54,66・・・正孔輸送層
14,24,35,45,55,65・・・有機発光層
15,23,36,44,56,64・・・電子輸送層
16,22,37・・・カソード体
42,58,62・・・カソード
1a・・・C−F構造
1b・・・C−Cl構造
1c・・・C−O構造
2a・・・C−H構造
2b・・・C−R構造
2c・・・C−OH構造
33,53,67・・・アノード表面層
43,57,63・・・カソード表面層
59,69・・・絶縁基体
5A,6B・・・アノード側積層基板
5B,6A・・・カソード側積層基板

Claims (7)

  1. 基体上に、低分子あるいは高分子の有機物からなる発光層と、少なくともこの発光層を介しアノード体とカソード体が積層されて成る有機電界発光素子において、前記アノード体が、アモルファスカーボン膜を有し、該アモルファスカーボン膜表面がC−O構造で終端されていることを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記アモルファスカーボン膜が、ダイヤモンド状カーボン膜であることを特徴とする請求項に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記ダイヤモンド状カーボン膜に不純物がドープされていることを特徴とする請求項に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記不純物は、窒素、燐、硫黄、硼素、酸素および珪素からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項に記載の有機電界発光素子。
  5. 基体上に、少なくとも、
    アノード体として、炭化水素及び水素を含む原料ガスを用いたプラズマCVD法によりアモルファスカーボン膜を成膜する工程、
    アモルファスカーボン膜を酸素を含むガスを用いたプラズマ処理を施す工程、
    を含むことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  6. 前記アモルファスカーボン膜が、ダイヤモンド状カーボン膜であることを特徴とする請求項に記載の有機電界発光素子の製造方法。
  7. 前記ダイヤモンド状カーボン膜を成膜する工程において、ドープガスとして、窒素、フォスフィン、硫化水素、ジボラン、酸素およびシランからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加することを特徴とする請求項に記載の有機電界発光素子の製造方法。
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