JP4918177B2 - ロータリ内燃機関 - Google Patents

ロータリ内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP4918177B2
JP4918177B2 JP2011500390A JP2011500390A JP4918177B2 JP 4918177 B2 JP4918177 B2 JP 4918177B2 JP 2011500390 A JP2011500390 A JP 2011500390A JP 2011500390 A JP2011500390 A JP 2011500390A JP 4918177 B2 JP4918177 B2 JP 4918177B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
valve
shut
cylinder
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011500390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010095225A1 (ja
Inventor
誠 村田
Original Assignee
誠 村田
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 誠 村田 filed Critical 誠 村田
Application granted granted Critical
Publication of JP4918177B2 publication Critical patent/JP4918177B2/ja
Publication of JPWO2010095225A1 publication Critical patent/JPWO2010095225A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B53/00Internal-combustion aspects of rotary-piston or oscillating-piston engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C1/00Rotary-piston machines or engines
    • F01C1/30Rotary-piston machines or engines having the characteristics covered by two or more groups F01C1/02, F01C1/08, F01C1/22, F01C1/24 or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members
    • F01C1/34Rotary-piston machines or engines having the characteristics covered by two or more groups F01C1/02, F01C1/08, F01C1/22, F01C1/24 or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in group F01C1/08 or F01C1/22 and relative reciprocation between the co-operating members
    • F01C1/356Rotary-piston machines or engines having the characteristics covered by two or more groups F01C1/02, F01C1/08, F01C1/22, F01C1/24 or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in group F01C1/08 or F01C1/22 and relative reciprocation between the co-operating members with vanes reciprocating with respect to the outer member
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C21/00Component parts, details or accessories not provided for in groups F01C1/00 - F01C20/00
    • F01C21/08Rotary pistons
    • F01C21/0809Construction of vanes or vane holders
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B53/00Internal-combustion aspects of rotary-piston or oscillating-piston engines
    • F02B53/10Fuel supply; Introducing fuel to combustion space
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B55/00Internal-combustion aspects of rotary pistons; Outer members for co-operation with rotary pistons
    • F02B55/02Pistons
    • F02B55/04Cooling thereof
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B55/00Internal-combustion aspects of rotary pistons; Outer members for co-operation with rotary pistons
    • F02B55/14Shapes or constructions of combustion chambers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2250/00Geometry
    • F04C2250/20Geometry of the rotor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

本発明は、ロータリ内燃機関に関するものである。
従来、燃焼圧が直接的にピストンヘッドに回転を与える方式のロータリ内燃機関について種々の研究が進められている。その一つに所謂ヴァンケルサイクルがある。
ヴァンケルサイクルでは、エピトロコイド曲線のハウジングの中を略三角形のロータがエキセントリック軸の介在により公転しつつ回転するといった複雑な運動を行う事と、燃料の漏洩が課題となっていた。このヴァンケルサイクルは、燃焼圧を受けたロータの面が直接的に回転を行うことはなく、ロータがハウジング内を公転しつつ回転する際にエキセントリック軸の介在が必要となる。このエキセントリック軸は、往復機構のクランク軸に相当するものである。従って、ヴァンケルサイクルはロータが純正な円運動を行うことはない。ロータリ内燃機関の本来の目指す姿はシリンダの中で作動軸に固着したロータの面が燃焼膨張圧を受けて円運動を行い、作動軸に直接的に回転を与えることである。しかしながら、そのようなロータリ内燃機関は実現されていない。
ここで、例えば、特許文献1では、トロコイド曲線の内周面を有する繭状のハウジング内に略三角形のロータを収容したロータリーエンジンが開示されている。
特開2007−298013号公報
従来技術に係るロータリ内燃機関の成立を阻む要因は大きく3つある。
即ち、ロータリ内燃機関のロータ周空間は吹き抜けのため、以下が問題となる。
a シリンダの中、もしくはシリンダ空間に面して燃焼室の形成が難しい。
b 作業行程において、燃焼膨張圧をロータの面に与える作用基点を作れない。
c シリンダ周壁とロータ外縁との摺動面に生じる焼き付けにより故障が生じる。
そこで、本発明は上述の技術的な課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは以下にある。即ち、シリンダの中、ロータの回転にタイミングに合わせて、遮断弁でシリンダ空間の半径方向を遮断する。これによりロータ羽根と遮断弁との間にできる密閉層である燃焼室に対して混合気、或いは高圧空気並びに燃料を噴射し、この噴射と同時に点火、若しくは着火を行う。そして、同燃焼膨張圧によりロータ並びに同ロータに固着した作動軸に直接回転を与える。さらに、以下を目的とする。即ち、ロータ外縁と接触壁間の焼き付けに関し、ロータを構成するロータベース及びロータ羽根のそれぞれにおいて、複数の構成部材間にコイルスプリング、バネの弾性体等を用いる。これにより、ロータの左右並びに上下に亘る距離を調節可能とすることで、焼き付けを防止する。
上述目的を達成するために、本発明のロータリ内燃機関は、内周面に横弁溝を備えたシリンダ周壁を有するシリンダと、シリンダと同心に通され回転自在に保持される作動軸と、円形殻からなるロータベースとロータベース周壁の半径方向に立つロータ羽根とからなり、作動軸に固着されたロータと、シリンダ外とシリンダ空間との間で挿入と返戻の間歇運動を行う遮断弁と、縦弁溝を備えた側蓋とを備え、ロータべース周壁は、上記遮断弁の上記シリンダ空間に挿入のタイミングに合致した上記ロータベースの円の回転角度域における半径距離を干渉防止距離だけ短縮して、カム状に形成され、シリンダ内のシリンダ空間において、ロータベースの両側面並びに上記ロータ羽根の外縁の全ての部位が左右内壁とシリンダ周壁とに気密的に接しており、遮断弁がシリンダ空間に挿入を完了すると、該遮断弁の両端は左右の側蓋に有する二つの縦弁溝に気密的に保持され、該遮断弁の上部はシリンダ周壁に有する横弁溝に気密的に保持され、且つ該遮断弁の下端面はロータベース周壁と気密的に接して該ロータベースの摺動面を形成し、ロータ羽根が遮断弁の位置を通過すると、直ちに遮断弁をシリンダ空間に挿入し、シリンダ空間の半径方向を遮断し、該遮断弁とロータ羽根間にできる密閉層を燃焼室として、圧縮混合気又は圧縮空気と燃料を噴射し、且つ燃焼室で点火若しくは着火を行い、更にその燃焼膨張圧により該遮断弁を作用基点としてロータ羽根を押圧して作動軸に直接的に回転を与え、排気孔に燃焼ガスを放出し、遮断弁が次の行程の準備のため、シリンダ外に返戻して一作動行程が終了することを特徴とする。
本発明のロータリ内燃機関によれば、シリンダの中、ロータの回転にタイミングに合わせて、遮断弁でシリンダ空間の半径方向を遮断し、これによりロータ羽根と遮断弁との間にできる密閉層に対して混合気、或いは高圧空気並びに燃料を噴射し、この噴射と同時に点火、若しくは着火を行い、同燃焼膨張圧によりロータ並びに同ロータに固着した作動軸に直接回転を与えることができる。さらに、ロータ外縁と接触壁間の焼き付けに関し、ロータを構成するロータベース及びロータ羽根のそれぞれにおいて、複数の構成部材間にコイルスプリング、バネ等を用いて、ロータの左右並びに上下に亘る距離を調節可能とすることで、焼き付けを防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図である。 (a)乃至(d)は、本発明の第1の実施形態に係るロータリ内燃機関のロータ羽根の回転並びに遮断弁の開閉の様子を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係るロータリ内燃機関のロータの分解斜視図である。 (a)乃至(c)は、切り込み合わせ等の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、切り込み合わせ等の他の例を示す図である。 (a)及び(b)は、シール板にスキーを設けた構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図である。 本発明の第6の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図である。 本発明の第6の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 側蓋
3 作動軸
4 シリンダ周壁
5 側内壁
6 噴射ノズル
7 点火プラグ
8 シリンダ空間
9 燃焼室
10 ロータ
11 ロータベース
12 サイドロータベース
13 ロータベース周壁
15 軸受
17 ベアリング
20 ロータ羽根
21 羽根台板
22 サイドシール板
23 トップシール板
24 コーナーシール板
25 基台
26 リブ
27 押さえ板
28 スキー
31 遮断弁
32 弁体
33 調節弁
34,35a〜35d コイルスプリング
37 ボルト
38a,38b ピン
39a,39b 遊動孔
40 縦弁溝
41 横弁溝
42 排気孔
50 切り替えポインタ
61 弁往復機構
151 リフト電磁石
156 吸引電磁石
以下、本発明のロータリ内燃機関に係る好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明のロータリ内燃機関は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
先ず、本発明の実施形態に係るロータリ内燃機関における部品相互の位置関係及び用語について説明し、定義する。
a 各図面では、ロータリ内燃機関を、原則として作動軸を水平に設置したものとして図示している。以下では、当該図面を参照しつつ説明を進める。
b シリンダ内において、ロータの位置関係を特定する為に、作動軸の軸心を下、周内壁方向を上とする。殊にロータの如何なる回転角度においても適用する。
c ロータリ内燃機関の前後関係は、ロータが回転する中、遮断弁の横弁溝の下を通ってから進行する方向が前とする。
d 「密閉層」とは、遮断弁がシリンダ周空間を遮断し、回転するロータ間にできる空間である。密閉層と燃焼室は同一であり、空気及び燃料が噴射される以前を密閉層という。
e 「焼き付き防止距離」とは、燃焼熱及び摺動により生じる部材の膨張距離により生じる焼き付け等を防ぐ距離である。
f 「一作動行程」とは、シリンダ内で遮断弁と回転するロータが密閉層を作り、同密閉層内に燃料や空気等を噴射し、且つ点火或いは着火によりその燃焼膨張圧によりロータ及び作動軸が回転を得て、且つ排気を行い、次の行程に移るために遮断弁をシリンダ外に返戻するまでの一連の作業をいう。
g 「作動角」とは、該ロータリ燃焼機関の作動時、軸心を基点として遮断弁とロータ間にできる角度をいう。
h 「作動距離」とは、一作動行程終了時のロータ羽根と遮断弁間の距離で、ロータ羽根の高さの平均位置で測る円弧の距離をいう。
i 「隅角」とは、周内壁と左右の側壁が接する角をいう。
以下、以上の定義を踏まえて、各実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1には本発明の第1の実施形態に係るロータリ内燃機関の図2のa−a線での断面図を示す。図2には同ロータリ内燃機関の図1のb−b線での断面図を示す。図3(a)乃至(d)には同ロータリ内燃機関のロータ羽根の回転並びに遮断弁31の開閉の様子を示す。そして、図4には同ロータリ内燃機関のロータの分解斜視図を示す。
図1,2に示されるように、本実施の形態に係るロータリ内燃機関601では、シリンダ1と同心に作動軸3を通し、同作動軸3にロータ10を固着する。即ち、ロータ10の中心には開口部が設けられており、該開口部に作動軸3が通され、両者は固着される。ロータ10は、円形殻からなるロータベース11とロータベース周壁13の半径方向に立つロータ羽根20からなる。ロータベース11とロータ羽根20は、一体に形成されている。シリンダ1の左右端面に取り付けた側蓋2の円の中心に配設された軸受け15は、作動軸3をそれぞれ支持する。この軸受け15と作動軸3との間には、該作動軸3の回転を円滑にするために、ベアリング17が設けられている。シリンダ空間8においては、ロータベース11の両側面並びにロータ羽根20の外縁の全ての部位が、左右の側内壁5及びシリンダ周壁4と気密的に接している。この接触状態は、作動軸3の回転に伴うロータ10のどの回転角度においても維持されるようになっている。
遮断弁31は、弁取り付けバー43を介して、弁往復機構61に機械的に接続されている。そして、遮断弁31は、弁往復機構61の駆動力により、シリンダ1の外とシリンダ空間8との間において、挿入と返戻の間歇運動を行う。返戻時には、遮断弁31は、ケーシング45の中に収納される。このような構成の下、遮断弁31のシリンダ空間8への挿入が完了すると、該遮断弁31の両端は左右の側蓋2に設けられた二つの縦弁溝40に気密的に保持される。該遮断弁31の上部は、シリンダ周壁4に設けられた横弁溝41に気密的に保持される。そして、該遮断弁31の下端面は前述のロータベース周壁13と気密的に接して、該ロータベース11の摺動面を形成する。尚、ロータ10の回転距離に比して遮断弁31の往復運動する距離は短いので、スピード対応能力は充分に保障されているといえる(他の実施形態も同様)。
ロータリ内燃機関の作動に際しては、ロータ羽根20が遮断弁31の位置を通過すると弁往復機構61により直ちに遮断弁31をシリンダ空間8に挿入し、シリンダ空間8の半径方向を遮断する(図3(a)参照)。これに伴い、該遮断弁31とロータ羽根20との間にできる密閉層を燃焼室9として、シリンダ空間8に面した噴射ノズル6より圧縮混合気又は圧縮空気と燃料を噴射し、且つ燃焼室9で点火プラグ7による点火若しくは着火を行う。尚、点火プラグ7による点火若しくは着火の切り替えは、切り替えポインタ50により制御されるようになっている。これにより生じる燃焼膨張圧は、該遮断弁31を作用基点としてロータ羽根20を押圧して作動軸3に直接回転を与える(図3(b)、図(c)参照)。こうして、ロータ10が一回転の終末近くの側内壁5若しくはシリンダ周壁4の適宜な位置に有する排気孔42に燃焼ガスを放出し(図3(d)参照)、次なる行程の準備のため、弁往復機構61が遮断弁31をシリンダ1外に返戻して、一作動行程が終了する。このように、シリンダ空間8に燃焼室9を形成し、且つその燃焼膨張圧が遮断弁31を作用基点として直接ロータ10及び作動軸3に回転を与える事を特徴の一つとする。尚、排気孔42には、ロータ羽根20の移動を円滑にするための渡り板29が設けられている。
さらに、図1に示されるように、本実施の形態では、遮断弁31のシリンダ空間8への挿入の際に、遮断弁31の下端面とロータベース周壁13との間に生じる擦過や衝突等の相互干渉事故を避け、遮断弁31の下端面とロータベース周壁13のスムーズな摺動開始を促す為に、以下のような構成としている。
即ち、遮断弁31のシリンダ空間8への挿入の時間帯に合致したロータベース11の円の回転角度域Wにおける半径距離を干渉防止距離Hだけ短縮し、ロータベース周壁13をカム状に形成する。尚、図1に記載の遮断弁31は、シリンダ1の周空間を半径方向に出し入れされる所謂「縦入れ」構成であり、該遮断弁31がシリンダ1外に返戻される際には上方に向けて上がる為、前述したような問題が生じることはない。従って、同遮断弁31の返戻の時間帯におけるロータベース周壁13をカム状に形成する必要はない。このように遮断弁31のシリンダ空間8への挿入の時間帯に合わせて、ロータベース11の半径距離を短くしてカム状に形成することにより、遮断弁31の下端面とロータベース周壁13との衝撃や干渉を防止し、相互のスムーズな摺動の開始を得ることができる。
一方、図1,2に示されるように、本実施形態では、遮断弁31とロータベース周壁13間に生じる過熱焼き付けを防ぐ為、次の構成を採用している。即ち、遮断弁31の弁体32の下に調節弁33を設け、両者間にはコイルスプリング35a等の弾性体(板バネでもよい)等を用いて相互間の距離を調節する。これにより遮断弁31の作動時に起きる熱膨張距離を吸収して相互間の焼き付けを防止する。同時にコイルスプリング35a等の応力により遮断弁31の下端面とロータベース周壁13の摺動面の気密性を高めている。
尚、図1,2では図示を簡略化しているが、両者間の間隙は同部材の相互の切り込み合せ、相欠き合わせ、或いは重ね合わせ等によりこれを塞ぎ、遮断弁31の前後に亘る気密性を保持している。尚、切り込み合わせ、相欠き合わせ等の一例については、図5(a)乃至(c)に示している。このように、遮断弁31の下に調節弁33を設けて両者間をコイルスプリング35a等の弾性体等で上下の距離を調節可能にしたことにより、該遮断弁31の下端面とロータベース周壁13との焼き付けを防止し、更に両者間の摺動を適宜なものとすることができる。
さらに、図2,4に示されるように、本実施形態では、ロータベース11の両側面と左右の側内壁5との間に生じる過熱焼き付きを防ぎ、且つ両者間の適宜な接触を維持するために、該ロータベース11を左右に複数個に分割する。即ち、左右にサイドロータベース12を備えた構成とする。そして、分割部位間には該ロータベース11の熱膨張距離を調節できる適宜な間隔を設け、同分割部位間にはコイルスプリング35c等の弾性体等を用いて左右の距離を調節可能とする。このコイルスプリング35cに換えて板バネを用いてもよい。分割部位間は、部材の相互の切り込み合せ、重ね合わせ等によりロータ10の前後に亘る気密を保持する。尚、この切り込み合わせ、相欠き合わせ等の一例については図6(a),(b)に示している。これにより、両者の過熱焼き付けを防ぎ、且つ対面壁間の適宜な接触を維持している。サイドロータベース12のピン38aの孔は、ロータベース11に取り付けたピン38aに対して遊動孔である。以上の構成によれば、ロータ10の左右側面と抵触壁間との摺動を適宜なものとすることができる。
また、図1,2,4に示されるように、本実施形態では、ロータ羽根20はロータベース11と一体のものであるが、形状及び機能が異なることに着目し、個別の方法で焼き付け防止策を講じている。即ち、羽根台板21の上頂部及び両側端面はシリンダ周壁4及び左右の側内壁5間のそれぞれに焼き付き防止距離の間隔を開けて形成する。羽根台板21後面は平面に形成し、該羽根台板21平面の下部中央より上方に向く方形の基台25を有し、その左右のそれぞれにはサイドシール板22を配置し、上部にはトップシール板23を、更に上部両隅角にはコーナーシール板24をそれぞれ設ける。各シール板22乃至24は、前述の羽根台板の各外端と各対面壁間に設けた焼き付き防止距離を塞いで対面壁に蜜に接している。前述の各シール板22乃至24は、その内側端面のそれぞれが前記基台25に適宜な間隔を設け、同間隔はコイルスプリング34、35b或いは板バネ等を用いて相互間の距離を調節する。それと共に、各シール板22乃至24を適宜に押圧して各シール板22乃至24と対面壁であるシリンダ周壁4,側内壁5との相互の接触をより確かなものとしている。
尚、各々のシール板22乃至24の相互間は、先に図6(a)乃至(c)に示した相欠き合わせ等による接合によりロータ羽根20の前後に亘る気密性を保持している。前記の各シール板等の部品は押さえ板27を用いて安定的に保持する。即ち、基台25及び各シール板22乃至24が羽根台板21と押さえ板27に挟持された状態で、ピン38bがコイルスプリング35d、ナット36を介してボルト37に固定される。また、不図示であるが、コーナーシール板24の基台25側のコーナーに45度の角度をもって該基台25に当接する小さなスプリングを設けるようにしてもよいことは勿論である。
以上の構成によれば、ロータ羽根20のシール板22乃至24と基盤間にコイルスプリング34、35b等を用いて、ロータ羽根20の上下左右の距離を調節してロータ羽根20と対面壁であるシリンダ周壁4、側内壁5間の焼き付けを防止し、且つロータ10の前後に亘る気密性を維持しつつ両者間の良好な摺動を得ることができる。
更に、ロータ10の回転の際に、シール板22乃至24の各々が縦弁溝40、横弁溝41、排気孔42、及びここでは不図示の油回収溝等に対して落ち込みや引っ掛かり等の相互干渉が生じ、ロータ10の回転の障害になる事を防止するために、次の構成を採用する。即ち、図7(a),(b)に示されるように、前述の各孔、各溝を通過する位置取りをためすシール板には適宜の距離のスキー28と称するバーを設けて前述の各孔、各溝を渡らせる。詳細には、図7(a)はトップシール板23にスキー28を設けた構成を示しており、図7(b)はコーナーシール板24にスキー28を設けた構成を示している。尚、他図面においてスキー28の図示を簡略化しているところもある。このようにロータ羽根20のシール板22乃至24にスキー28と称する渡しレバーを設けて、溝あるいは孔等を渡らせることにより、溝、孔とシール板との相互の干渉を防ぐことができる。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係るロータリ内燃機関は、内周面に横弁溝41を備えたシリンダ周壁4を有するシリンダ1と、シリンダ1と同心に通され回転自在に保持される作動軸3と、円形殻からなるロータベース11とロータベース周壁13の半径方向に立つロータ羽根20とからなり作動軸3に固着されたロータ10と、シリンダ1外とシリンダ空間8との間で挿入と返戻の間歇運動を行う遮断弁31と、縦弁溝40を備えた側蓋2とを備える。そして、シリンダ内のシリンダ空間8において、ロータベース11の両側面並びにロータ羽根20の外縁の全ての部位が左右内壁と気密的に接しており、遮断弁31がシリンダ空間8に挿入を完了すると、該遮断弁31の両端は左右の上記側蓋2に有する二つの縦弁溝40に気密的に保持され、該遮断弁31の上部はシリンダ周壁4に有する横弁溝41に気密的に保持される。該遮断弁31の下端面はロータベース周壁13と気密的に接して該ロータベース11の摺動面を形成し、ロータ羽根20が遮断弁31の位置を通過すると、直ちに遮断弁31をシリンダ空間8に挿入し、シリンダ空間8の半径方向を遮断し、該遮断弁31とロータ羽根20間にできる密閉層を燃焼室9として、圧縮混合気又は圧縮空気と燃料を噴射する。そして、燃焼室9で点火若しくは着火を行い、更にその燃焼膨張圧により該遮断弁31を作用基点としてロータ羽根20を押圧して作動軸3に直接的に回転を与え、排気孔42に燃焼ガスを放出し、遮断弁31が次の行程の準備のためシリンダ1外に返戻して一作動行程が終了することを特徴とする。
さらに、本発明の第1の実施形態に係るロータリ内燃機関は、遮断弁31のシリンダ空間8に挿入のタイミングに合致したロータベース11の円の回転角度域Wにおける半径距離を干渉防止距離Hだけ短縮して、ロータベース周壁13をカム状に形成することを特徴とする。
さらに、本発明の第1の実施形態に係るロータリ内燃機関は、遮断弁31は、弁体32と該弁体32の下部に設けられた調節弁33を備え、両者間に弾性体を介在させて相互間の距離を調節することを可能とし、両者間の間隙は同部材の相互の切り込み合せ、相欠き合わせ、或いは重ね合わせのいずれかによりこれを塞ぐことで上下距離を調節可能としたことを特徴とする。
また、本発明の第1の実施形態に係るロータリ内燃機関は、ロータベース11を左右に複数個に分割し、適宜な間隔を設け、同分割部位間には弾性体等を用いて左右の距離を調節可能とし、分割部位間は部材の相互の切り込み合せ、重ね合わせ等によりロータ10の前後に亘る気密を保持することで、左右の距離を調節可能としたことを特徴とする。
さらに、本発明の第1の実施形態に係るロータリ内燃機関は、ロータ羽根20は、羽根台板21と、該羽根台板21の平面の下部中央より上方に向く方形の基台25と、該基台25の左右に配置されるサイドシール板22と、該基台25の上部に配置されるトップシール板23と、該基台25の上部両隅角に設けられるコーナーシール板24とからなり、羽根台板21の上頂部及び両側端面はシリンダ周壁4及び左右の側内壁5間のそれぞれに焼き付き防止距離の間隔を開けて形成し、サイドシール板22、トップシール板23、コーナーシール板24は、羽根台板21の各外端と各対面壁間に設けた焼き付き防止距離を塞いで対面壁に気密的に接しており、サイドシール板22、トップシール板23、コーナーシール板24は、その内側端面のそれぞれが基台25に適宜な間隔を設け、該間隔は弾性体を用いて相互間の距離を調節可能とすると共に、これら各シール板22〜24を適宜に押圧して各シール板22〜24と対面壁4,5との相互の接触を確かなものとし、サイドシール板22、トップシール板23、コーナーシール板24の相互間は切り込み合わせ、相欠き合わせ、或いは重ね合わせのいずれかによる接合によりロータ羽根20の前後に亘る気密性を保持していることを特徴とする。
さらに、本発明の第1の実施形態に係るロータリ内燃機関は、各シール板22〜24の少なくともいずれかに所定の距離のスキー28を用いて各孔、各溝を渡らせることを特徴とする。
従って、本発明の第1の実施形態によれば、以下の効果が奏される。
即ち、回転するロータ10にタイミングを合わせて、遮断弁31を以ってシリンダ空間8の半径方向を遮断し、ロータ羽根20と遮断弁31によって形成される密閉層を燃焼室9として高圧空気及び燃料を噴射し、その燃焼膨張圧が遮断弁31を作用基点として直接的にロータ10と作動軸3に回転を与えることができる。更に、ロータ10が回転する所謂ロータリ内燃機関の創出により次のような点が指摘できる。すなわち、クランク等回転機構、或いはエキセントリック軸等を使用せず、ロータの円回転でエンジンが作動するため機械の動きが単純化し機械損失を削減することができる。更に、ロータリ内燃機関の特徴として、高圧空気及び燃料等の供給を専門機構に委ねた為、シリンダ1内における作業が燃焼膨張行程のみと短くなり作動中の燃料漏洩を防ぐことができる。更に、内燃機関がシンプルな組み立てで小型化できる為、製造コストの削減、機械損失の軽減、同機関の体積及び重量の縮小等を見る事ができる。更に、ロータ10の回転方向が同一のため慣性の重量損失が発生しない。また、作動時の衝撃音や摩擦音を減らす事で静粛性を保てる。更に、当該内燃機関の形状から使用燃料の種類はガソリンや軽油は勿論、天然ガス、有機醸造燃料、重油、水素ガス等と適用範囲が広い。また、当該内燃機関は大型から小型までスケールに対する対応能力が高い。
また、遮断弁31を用いてシリンダ1の周空間を半径方向に遮断密閉することが本発明の特徴であるが、遮断弁31をシリンダ空間に挿入の際の衝撃と遮断弁31とロータベース周壁13との相互干渉事故を防ぐ為に遮断弁31の挿入の時間帯に合わせて、ロータベース11の半径距離を短くしてカム状にすることで、遮断弁31の下端面とロータベース周壁13との衝撃や干渉を排し、相互のスムーズな摺動の開始を得る。
さらに、遮断弁31の下に調節弁33を設けて両者間をコイルスプリング、弾性体等で上下の距離を調節可能にしたことにより、該弁下端面とロータベース周壁13との焼き付けを防止し、更に両者間の摺動を適宜なものとしている。
また、ロータベース11の左右側面と接触する両内壁であるシリンダ周壁4、側内壁5との過熱焼き付けを防ぐ為に、ロータ10を左右複数個に分割して、同分割部の間隙に設けたスプリング等により左右の距離を調節し、且つ前述したロータ10の左右側面と抵触壁間との摺動を適宜にする。
さらに、ロータ羽根20のシール板22乃至24と基盤間にコイルスプリング等を用いて、ロータ羽根20の上下左右の距離を調節して、ロータ羽根と対面壁間の焼き付けを防ぎ、且つロータ10の前後に亘る気密性を維持しつつ両者間の良好な摺動を得る。
また、ロータ羽根20のシール板22乃至24にスキー28と称する渡しレバーを設けて、溝あるいは孔等を渡らせることにより、溝、孔とシール板22乃至24との相互の干渉を防ぐことができる。
[第2の実施形態]
図8には本発明の第2の実施形態に係るロータリ内燃機関の図9のc−c線での断面図を示す。図9には同ロータリ内燃機関の図8のe−e線での断面図を示す。
図8,9に示されるように、この実施の形態に係るロータリ内燃機関602では、シリンダ101と同心に作動軸103を通し、同作動軸103にロータ110を固着する。ロータ110は、円形殻からなるロータベース111とロータベース周壁113の半径方向に立つロータ羽根120からなる。ロータベース111とロータ羽根120は一体となるように形成されている。作動軸103をシリンダ101の左右端面に取り付けた側蓋102の円の中心に有する軸受け115がそれぞれ支持する。この軸受け115と作動軸103との間には、該作動軸103の回転を円滑にするために、ベアリング117が設けられている。遮断弁131は、弁押し棒144を介して、弁往復機構161に機械的に接続されている。尚、遮断弁131の弁体132の下には調節弁133が設けられている。平軸受158は、弁押し棒144による遮断弁131の駆動を円滑にするために設けられている。そして、遮断弁131は、弁往復機構161の駆動力により、シリンダ101の外とシリンダ空間108との間において、挿入と返戻の間歇運動を行う。返戻時には、遮断弁131は、ケーシングの中に収納される。遮断弁131の上部は、シリンダ周壁に有する横弁溝に気密的に保持され、該遮断弁131の下端面は前述のロータベース周壁113と気密的に接して該ロータベース111の摺動面を形成する。
このロータリ内燃機関の作動に際しては、ロータ羽根120が遮断弁131の位置を通過すると弁往復機構161により直ちに遮断弁131をシリンダ空間108に挿入し、シリンダ空間108の半径方向を遮断する。これに伴い、該遮断弁131とロータ羽根120との間にできる密閉層を燃焼室109として、シリンダ空間108に面した噴射ノズル106より圧縮混合気供給機構147から供給された圧縮混合気又は圧縮空気と燃料を噴射し、且つ燃焼室109で点火プラグ107による点火若しくは着火を行う。これにより生じる燃焼膨張圧は、該遮断弁131を作用基点としてロータ羽根120を押圧して作動軸103に直接回転を与える。こうして、ロータ110が一回転の終末近くの排気孔142に燃焼ガスを放出し、次なる行程の準備のために、弁往復機構161が遮断弁131をシリンダ101外に返戻し、一作動行程が終了する。この第2の実施形態においても、シリンダ空間108に燃焼室109を形成し、且つその燃焼膨張圧が遮断弁131を作用基点として直接ロータ110及び作動軸103に回転を与えている。
一方、ロータ羽根120については、羽根台板121後面は平面に形成し、該羽根台板121平面の下部中央より上方に向く方形の基台125を有し、その左右のそれぞれにはサイドシール板122を配置し、上部にはトップシール板123を、更に上部両隅角にはコーナーシール板124をそれぞれ設ける。各シール板122乃至124は、前述の羽根台板121の各外端と各対面壁間に設けた焼き付き防止距離を塞いで対面壁に蜜に接している。前述の各シール板122乃至124は、その内側端面のそれぞれが前記基台125に適宜な間隔を設け、同間隔はコイルスプリング135b等を用いて相互間の距離を調節する。それと共に、各シール板122乃至124を適宜に押圧して各シール板122乃至124とシリンダ周壁104との相互の接触をより確かなものとしている。基台125及び各シール板122乃至124が羽根台板121と押さえ板127に挟持された状態でピン138bがボルト137に固定される。
そして、特に、第2の実施形態に係るロータリ内燃機関では、当該内燃機関の作動時における遮断弁131のシリンダ空間108内への挿入及びシリンダ101外に返戻に際し、遮断弁131の下端面とロータベース周壁113との衝突、擦過等の接触干渉を回避する目的を達成するために、次の様に構成している。即ち、遮断弁131の上項にリフト電磁石151を設ける。リフト電磁石151の二つの極は、該遮断弁131の側面の左右に下り、その下端面は調節弁133の左右の上部と干渉回避距離hだけ離して設定する。リフト電磁石151の電流の切り替えは、切り替えポインタ150、並びに電子制御等による。電子コイル153には、電極154を介して、配線155より給電されるようになっている。
このような構成の下、遮断弁131のシリンダ空間108への挿入時には、リフト電磁石151に通電して調節弁133を干渉回避距離hだけ引き上げた状態を保ちつつ、即ち調節弁133とロータ周壁間に距離を保ちつつ、遮断弁131をシリンダ空間108内に挿入する。そして、同遮断弁131が挿入を完了するのとタイミングを合わせて、リフト電磁石151への通電を停止する。通電の停止により、調節弁133は落下するが、それと同時に縦弁溝下部に設けた吸引電磁石156に電線160を介して通電して同吸引電磁石156の応力により調節弁133の下端面を吸引し、調節弁133の落下を早める。且つ、該調節弁133の下端面とロータベース周壁113との摺動を安定的に維持する。更に、遮断弁131がシリンダ101外に返戻の際は吸引電磁石156の通電を停止し、これに連動してリフト電磁石151に通電して、調節弁133を干渉回避距離hだけ引き上げてシリンダ101の外に返戻する。尚、吸引電磁石156の電流の切り替えは、切り替えポインタ150、並びに電子制御等による。
以上説明したように、本発明の第2の実施形態に係るロータリ内燃機関は、上記遮断弁131の上項に設けたリフト電磁石151と、上記縦弁溝下部に設けた吸引電磁石156とを備える。上記リフト電磁石151の二つの極は該遮断弁131の側面の左右に下り、その下端面は調節弁133の左右の上部と干渉回避距離hだけ離して設定する。該遮断弁131のシリンダ空間108への挿入時には、リフト電磁石151に通電して調節弁133を干渉回避距離hだけ引き上げた状態を保ちつつ遮断弁131をシリンダ空間108内に挿入し、該遮断弁131が挿入を完了するのとタイミングを合わせてリフト電磁石151への通電を停止し、調節弁133を落下させる。それと同時に吸引電磁石156に通電して同吸引電磁石156の応力により調節弁133の下端面を吸引して調節弁133の落下を早め、且つ該調節弁133の下端面とロータ周壁113との摺動を安定的に維持する。遮断弁131のシリンダ101外への返戻時には、上記吸引電磁石156への通電を停止し、これに連動して上記リフト電磁石151に通電して調節弁133を干渉回避距離hだけ引き上げてシリンダ101の外に返戻することを特徴とする。
従って、第2の実施形態によれば、2つの電磁石151,156を用いて、遮断弁131の弁体132に対し調節弁133を上下に距離移動することができる。即ち、遮断弁131をシリンダ101内に挿入又は返戻の際はリフト電磁石151を使用して調節弁133を引き上げて行い、挿入完了時には縦弁溝下部に設けた吸引電磁石156に通電して調節弁133を引き下げ、調節弁133の下端面とロータ周壁113とがスムーズ且つ速やかに摺動し始める。つまり、遮断弁131のシリンダ101内への挿入及び返戻に際してのロータ周壁113との干渉を取り除く事ができる。
尚、この図8,9で示した遮断弁131のシリンダ101内への挿入方法が該シリンダ101の半径方向と垂直な方向に出し入れされる所謂「横入れ」である。しかしながら、遮断弁131の挿入方法は、他にも円弧型の弁を回転挿入する方法なども考えられ、多様性がある。電磁石の名前は、説明上の便宜によるネーミングであって、電磁石の本質に関するものではない。更に付け加えれば、リフト電磁石151並びに吸引電磁石156の電流の切り替えは切り替えポインタ150、並びに電子制御等による。
[第3の実施形態]
図10には本発明の第3の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図を示す。図11には同ロータリ内燃機関の改良例の一部断面図を示す。
図10に示されるように、ロータリ内燃機関603は、弁往復機構261により駆動制御される2つの遮断弁231a、231bを有している。さらに、シリンダ201内において、ロータ210が2つのロータ羽根220a,220bを備えている。そして、ロータ210の2分の1回転毎に、遮断弁231a,231b、噴射ノズル206a,206b、点火プラグ207a,207b、排気孔242a、242b等の一作業行程を行い得る設備を有している。そして、該ロータ10の2分の1回転で2つの作動行程を終了する。尚、圧縮混合気は、圧縮混合気供給機構247から供給される。
更に、図11に示されるように、ロータリ内燃機関は、弁往復機構261により駆動制御される3つの遮断弁231a、231b、231cを有している。そして、シリンダ201内において、ロータ210が3個のロータ羽根220a乃至220cを備え、ロータ210の3分の1回転毎に、遮断弁231a乃至231c、噴射ノズル206a乃至206c、点火プラグ207a乃至207c、排気孔242a乃至242c等の一作業行程を行い得る設備を有している。そして、ロータ210の3分の1回転の中で3回の作動行程を終了する。尚、圧縮混合気は、圧縮混合気供給機構247から供給される。
つまり、第3の実施形態に係るロータリ内燃機関は、ロータ210がX(X=1,2,...)個のロータ羽根を備え、ロータ210のX分の1回転の中でX回の作動行程を終了することを特徴の一つとしている。尚、第3の実施形態においても、遮断弁231(231a,231b...)の上部はシリンダ周壁204に有する横弁溝に気密的に保持され、該遮断弁231(231a,231b...)の下端面はロータベース周壁と気密的に接して、サイドロータベースと一体のロータベースの摺動面を形成する。
上記において、一作動の作業は往復機関の一気筒の作業に相当し、一シリンダ内において、同時に複数の作動を行う事は内燃機関の体積の縮小となる。また、燃料の種類や質の違いによる燃焼距離に対し作動距離を適合させて設計することができる。
以上説明したように、本発明の第3の実施形態に係るロータリ内燃機関は、ロータはX(X=1,2,3...)個のロータ羽根220a,220b...を備え、ロータ210のX分の1回転毎に、遮断弁231a,231b...、噴射ノズル206a,206b...、点火プラグ207a,207b...、排気孔242a,242b...を含む一作業行程を行い得る設備を有し、該ロータのN分の1回転でN回の作動行程を終了することを特徴とする。
従って、第3の実施形態によれば、シリンダ201内においてロータ210が複数個のロータ羽根を備え、ロータ210の一回転、即ち360度をロータ羽根の数で除算した角度を一作動角とし、一作動角においてロータ羽根の数と同数の作動行程を終了する。これによりシリンダ201の容積を有効的に使用でき、ひいては燃料の燃焼距離に適合した作動距離を設定することができる。
[第4の実施形態]
図12には、本発明の第4の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図を示し、図13には、同ロータリ内燃機関の副燃焼室周辺の構成を更に詳細に図示した一部断面図を示し、説明する。
図12,13に示されるように、この実施の形態に係るロータリ内燃機関604では、シリンダ301と同心に作動軸303を通し、同作動軸303にロータ310を固着する。ロータ310は、円形殻からなるロータベース311とロータベース周壁313の半径方向に立つロータ羽根320からなる。ロータベース311とロータ羽根320は一体となるように形成されている。弁往復機構361により駆動される遮断弁331の上部は、シリンダ周壁304に有する横弁溝に気密的に保持され、該遮断弁331の下端面は前述のロータベース周壁313と気密的に接して該ロータベース311の摺動面を形成する。ロータ羽根320については、基台325を有し、その左右のそれぞれにはサイドシール板322を配置し、上部にはトップシール板323を、更に上部両隅角にはコーナーシール板324をそれぞれ設けている。シール板323の一部には、第1の実施形態で前述したようなスキー328と称されるバーも設けられている。
そして、この第4の実施形態では、特に、ロータリ内燃機関のシリンダ301の外、遮断弁331の前方に位置して副燃室351を有し、該副燃室351の中に位置を対向して2つの高圧空気ノズル352を設ける。更に該両高圧空気ノズル352の噴射先に向き燃料ノズル353を取り付ける。ロータリ内燃機関の作動時は、2つの高圧空気ノズル352からの高圧空気供給機構348から供給された高圧空気を噴射する。それとタイミングを合わせて、燃料ノズル353より燃料供給機構349から供給された燃料の噴射が行われる。3つのノズル352乃至353より噴射された空気と燃料は混合攪拌され、且つ燃料の自然着火を見る。さらに、火焔の噴流は連絡口354からシリンダ空間308に至り遮断弁331とロータ310間に生じる燃焼室309において遮断弁331を作用基点としてロータ羽根320を押圧して作動軸3に回転を与える。こうして、ロータ310が一回転の終末近くの排気孔342に燃焼ガスを放出し、次なる行程の準備のために、弁往復機構361が遮断弁331をシリンダ301外に返戻し、一作動行程が終了する。尚、排気孔342には、ロータ羽根320を円滑に通過させるための渡り板329が設けられている。また、この例では、水冷を想定しており、外殻359には、冷却水が通過するための水路358が設けられている。符号326は、機械の取り付け用のリブである。
以上説明したように、本発明の第4の実施形態に係るロータリ内燃機関は、その内周面に横弁溝を備えたシリンダ周壁を有するシリンダ301と、シリンダ301と同心に通され回転自在に保持される作動軸303と、円形殻からなるロータベース311とロータベース周壁313の半径方向に立つロータ羽根320とからなり作動軸303に固着されたロータ310と、シリンダ301外とシリンダ空間308との間で挿入と返戻の間歇運動を行う遮断弁331と、シリンダ301の外、遮断弁331の前方に設けられた副燃室351と、該副燃室351の中に位置を対向して設けられた2つの高圧空気ノズル352と、高圧空気ノズル352の噴射先に向き取り付けられた燃料ノズル353とを備える。そして、シリンダ内のシリンダ空間308において、ロータベース311の両側面並びにロータ羽根320の外縁の全ての部位が左右内壁と気密的に接している。遮断弁331がシリンダ空間308に挿入を完了すると、該遮断弁331の両端は左右側蓋に有する二つの縦弁溝に気密的に保持され、該遮断弁331の上部はシリンダ周壁304に有する横弁溝に気密的に保持され、且つ該遮断弁331の下端面は上記ロータベース周壁313と気密的に接して該ロータベース311の摺動面を形成し、副燃室351の中、対向位置に設けた2つの高圧空気ノズル352と燃料ノズル353よりの噴射によりガスの混合攪拌と着火を行うことを特徴とする。
従って、第4の実施形態によれば、副燃室351の中、対向位置に設けた2つの高圧空気ノズル352と燃料ノズル353よりの噴射によりガスの混合攪拌と着火を行う。副燃焼室351は、該副燃室351内の空気と燃料噴射を同時に行う事により空気と燃料の攪拌混交を行い、燃焼をより確実にする。また、燃焼の遅い燃料を使用する際の副燃室351での着火若しくは点火で火炎流をシリンダ301内の密閉層に送り込み燃料の材質の使用幅を広げられ、例えば低燃質油にも適用可能となる。
[第5の実施形態]
図14には、本発明の第5の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図を示し、説明する。図14に示されるように、このロータリ内燃機関605は、遮断弁431に対するロータ410の進行に応じた作動角の適宜な位置取りで、且つシリンダ空間408に面して複数個の噴射ノズル406a,406bを設け、作動時に遮断弁431とロータ羽根420間にできる密閉層である燃焼室409に対して高圧空気、燃料、混合気等を各噴射ノズル406a,406bより噴射し、燃焼の補助、作動力の増大等を図ることを特徴とする。
ロータリ内燃機関の作動に際しては、ロータ羽根420が遮断弁431の位置を通過すると弁往復機構461により直ちに遮断弁431をシリンダ空間408に挿入し、シリンダ空間408の半径方向を遮断する。これに伴い、該遮断弁431とロータ羽根420との間にできる密閉層を燃焼室409として、シリンダ空間408に面した噴射ノズル406a,406bより圧縮混合気又は圧縮空気と燃料を噴射し、且つ燃焼室409で点火プラグ407による点火若しくは着火を行う。これにより生じる燃焼膨張圧は、該遮断弁431を作用基点としてロータ羽根420を押圧して作動軸3に直接回転を与える。こうして、ロータ410が一回転の終末近くの排気孔442に燃焼ガスを放出し、次なる行程の準備のために、弁往復機構461が遮断弁431をシリンダ401外に返戻し、一作動行程が終了する。尚、この例でも、排気孔442には、ロータ羽根420を円滑に通過させるための渡り板429が設けられている。
以上説明したように、本発明の第5の実施形態に係るロータリ内燃機関は、遮断弁431に対するロータ410の進行に応じた作動角の適宜な位置取りで且つシリンダ空間408に面して複数個の噴射ノズル406a,406bを設け、作動時に遮断弁431とロータ羽根間にできる密閉層である燃焼室409に対して高圧空気、燃料、混合気のいずれかを各ノズルより噴射することを特徴とする。
従って、第5の実施形態によれば、遮断弁431に対する作動角度を変えた適宜な位置に複数個の噴射ノズル406a,406bを設けて、一作動行程の中で空気、燃料等を該噴射ノズル406a,406bより追加噴射して可動力を強めたり、また燃焼力を高めたりすることができる。更に、副次的には、排気ガスの二次燃料としての使用も可能にすることができる。尚、この例では、噴射ノズルを2つ設ける例を示したが、これには限定されず、更に多くの噴射ノズルを設けることも可能である。
[第6の実施形態]
図15、16には、本発明の第6の実施形態に係るロータリ内燃機関の一部断面図を示す。図15,16に示されるように、第6の実施形態に係るロータリ内燃機関606では、シリンダ501と同心に作動軸503を通し、同作動軸503にロータ510を固着する。ロータ510は、円形殻からなるロータベース511とロータベース周壁513の半径方向に立つロータ羽根520からなる。ロータベース511とロータ羽根520は一体となるように形成されている。該遮断弁531の上部は、シリンダ周壁504に有する横弁溝に気密的に保持され、該遮断弁531の下端面は前述のロータベース周壁513と気密的に接して該ロータベース511の摺動面を形成する。遮断弁531は弁往復機構561により駆動制御される。さらに、噴射ノズル506、点火プラグ507、排気孔542等の一作業行程を行い得る設備を有する。この例でも、排気孔542には、ロータ羽根520の通過を円滑にするための渡り板528が設けられている。
そして、この第6の実施形態では、特に内燃機関のロータ510と、その摺動面であるシリンダ内壁504,505との間に要する潤滑油の供給に関し次のように構成する。即ち、作動軸503の軸心を通る油送孔551は該軸503の左右両端より中央に向かって伸び、それぞれがシリンダ側内壁505の線を超えた位置で半径方向に角度を変える。左右の油送孔551は軸の表面に出たところでロータベース511の左右側面に設けられた油送溝552とそれぞれが接続されている。左右の油送溝552は同所からロータ羽根520基部の前方の位置でロータベース周壁513に開口して終わる。
該内燃機関の作動時には給油ポンプ550により送り出される潤滑油が油送溝552に入ると同潤滑油はロータベース511の両側面を潤滑し、更に油送溝552よりロータ周壁513に出た潤滑油はロータの回転の遠心力によりロータ羽根520の左右側面のシール522乃至524板を潤滑する。余剰の潤滑油はシリンダ周壁503の底部に滞留してロータ羽根520の項面のシール板523〜524に潤滑を与える。尚、残余の潤滑油はロータの払い出しによりシリンダ周壁504に設けられた油回収溝553に落ち、更に油回収孔554に入って再利用の循環にのる。この残余の潤滑油は、油回収機構557により回収されるようになっている。
以上説明したように、本発明の第6の実施形態に係るロータリ内燃機関は、給油ポンプ550から供給された潤滑油を送る油送孔551及び油送溝552と、残余の潤滑油を回収する油回収溝553と、この回収された潤滑油を再利用の循環にのせる油回収孔554とを備える。そして、上記油送孔551は、上記作動軸503の軸心を通り、該作動軸503の左右両端より中央に向かって伸び、それぞれがシリンダ側内壁505の線を超えた位置で半径方向に角度を変え、左右の油送孔551は軸の表面に出たところで上記ロータベース511の左右側面に設けられた油送溝552とそれぞれが接続され、左右の油送溝552は同所からロータ羽根520基部の前方の位置でロータベース周壁513に開口して終わる。ロータリ内燃機関の作動時には、給油ポンプ550により送り出される潤滑油が油送溝552に入ると、同潤滑油はロータベース511の両側面を潤滑し、更に油送溝552よりロータ周壁513に出た潤滑油はロータの回転の遠心力によりロータ羽根520の左右側面を潤滑し、余剰の潤滑油はシリンダ周壁503の底部に滞留してロータ羽根520の項面に潤滑を与え、残余の潤滑油はロータ510の払い出しによりシリンダ周壁504に設けられた油回収溝553に落ち、更に油回収孔554に入って再利用の循環にのることを特徴とする。
従って、第6の実施形態によれば、ロータ510外縁と接触するシリンダ501の各内壁504,505間との潤滑油の供給に関して、作動軸内に通した油送孔551とそれを半径方向に導き、油送溝552に入ってロータ510の両側面を潤滑し、更に回転するロータ510の遠心力により溝を流れ出た潤滑油はロータ510の外縁、即ちロータシールとその接触壁を潤滑する。余剰の潤滑油は油回収溝に入って再使用の循環に乗るので、一連の無駄が無く全般に給油できる仕組みとなっている。尚、この実施の形態で示した潤滑油の潤滑手法は一例であって、本ロータリ内燃機関の構成からさまざまな方法で潤滑油を供給することができる。
上述の各実施形態に説明したロータリ内燃機関は、当該内燃機関の形状から使用燃料の種類はガソリンや軽油は勿論、天然ガス、有機醸造燃料、重油、水素ガス等と適用可能である。また、当該内燃機関は大型から小型までの各スケールに適用可能である。

Claims (9)

  1. 内周面に横弁溝を備えたシリンダ周壁を有するシリンダと、
    上記シリンダと同心に通され回転自在に保持される作動軸と、
    円形殻からなるロータベースとロータベース周壁の半径方向に立つロータ羽根とからなり、上記作動軸に固着されたロータと、
    上記シリンダ外とシリンダ空間との間で挿入と返戻の間歇運動を行う遮断弁と、
    縦弁溝を備えた側蓋とを備え、
    上記ロータべース周壁は、上記遮断弁の上記シリンダ空間に挿入のタイミングに合致した上記ロータベースの円の回転角度域における半径距離を干渉防止距離だけ短縮して、カム状に形成され、
    上記シリンダ内のシリンダ空間において、上記ロータベースの両側面並びに上記ロータ羽根の外縁の全ての部位が左右内壁とシリンダ周壁とに気密的に接しており、
    上記遮断弁がシリンダ空間に挿入を完了すると、該遮断弁の両端は左右の上記側蓋に有する二つの縦弁溝に気密的に保持され、該遮断弁の上部はシリンダ周壁に有する横弁溝に気密的に保持され、且つ該遮断弁の下端面は上記ロータベース周壁と気密的に接して該ロータベースの摺動面を形成し、
    上記ロータ羽根が遮断弁の位置を通過すると、直ちに遮断弁をシリンダ空間に挿入し、シリンダ空間の半径方向を遮断し、該遮断弁とロータ羽根間にできる密閉層を燃焼室として、圧縮混合気又は圧縮空気と燃料を噴射し、且つ燃焼室で点火若しくは着火を行い、更にその燃焼膨張圧により該遮断弁を作用基点としてロータ羽根を押圧して作動軸に直接的に回転を与え、排気孔に燃焼ガスを放出し、遮断弁が次の行程の準備のため、シリンダ外に返戻して一作動行程が終了することを特徴とするロータリ内燃機関。
  2. 上記遮断弁は、弁体と該弁体の下部に設けられた調節弁を更に備え、
    上記弁体と調節弁との間に弾性体を介在させて相互間の距離を調節することを可能とし、上記弁体と調節弁との間隙は同部材の相互の切り込み合せ、相欠き合わせ、或いは重ね合わせのいずれかによりこれを塞ぐことで上下距離を調節可能としたことを特徴とする請求項1のロータリ内燃機関。
  3. 上記ロータベースを左右に複数個に分割し、適宜な間隔を設け、同分割部位間には弾性体を用いて左右の距離を調節可能とし、
    更に分割部位間は部材の相互の切り込み合せ、相欠き合わせ、或いは重ね合わせのいずれかによりロータの前後に亘る気密を保持することで左右の距離を調節可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のロータリ内燃機関。
  4. 上記ロータ羽根は、羽根台板と、該羽根台板の平面の下部中央より上方に向く方形の基台と、該基台の左右に配置されるサイドシール板と、該基台の上部に配置されるトップシール板と、該基台の上部両隅角に設けられるコーナーシール板とからなり、
    上記羽根台板の上頂部及び両側端面はシリンダ周壁及び左右側内壁間のそれぞれに焼き付き防止距離の間隔を開けて形成し、
    上記サイドシール板、トップシール板、コーナーシール板は、上記羽根台板の各外端と各対面壁間に設けた焼き付き防止距離を塞いで対面壁に気密的に接しており、
    上記サイドシール板、トップシール板、コーナーシール板は、その内側端面のそれぞれが上記基台に適宜な間隔を設け、該間隔は弾性体を用いて相互間の距離を調節可能とすると共に、各シール板を適宜に押圧して各シール板と対面壁との相互の接触を確かなものとし、各シール板の相互間は切り込み合わせ、相欠き合わせ、或いは重ね合わせのいずれかによる接合により上記ロータ羽根の前後に亘る気密性を保持していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のロータリ内燃機関。
  5. 上記サイドシール板、トップシール板、コーナーシール板の少なくともいずれかに所定の距離のスキーを用いて上記各孔及び各溝を渡らせることを特徴とする請求項4に記載のロータリ内燃機関。
  6. 上記ロータはN(N=1,2,3...)個のロータ羽根を備え、ロータのN分の1回転毎に、遮断弁、噴射ノズル、点火プラグ、排気孔を含む一作業行程を行い得る設備を有し、該ロータのN分の1回転でN回の作動行程を終了することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のロータリ内燃機関。
  7. 上記シリンダの外、遮断弁の前方に設けられた副燃室と、
    上記該副燃室の中に位置を対向して設けられた2つの高圧空気ノズルと、
    上記高圧空気ノズルの噴射先に向き取り付けられた燃料ノズルとを更に備え、
    上記副燃室の中、対向位置に設けた2つの高圧空気ノズルと燃料ノズルよりの噴射によりガスの混合攪拌と着火を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のロータリ内燃機関。
  8. 上記遮断弁に対するロータの進行に応じた作動角の適宜な位置取りで且つ上記シリンダ空間に面して複数個の噴射ノズルを設け、作動時に遮断弁とロータ羽根間にできる密閉層である燃焼室に対して高圧空気、燃料、混合気のいずれかを各ノズルより噴射することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のロータリ内燃機関。
  9. 給油ポンプから供給された潤滑油を送る油送孔及び油送溝と、
    残余の潤滑油を回収する油回収溝と、
    この回収された潤滑油を再利用の循環にのせる油回収孔とを更に備え、
    上記油送孔は、上記作動軸の軸心を通り、上記作動軸の左右両端より中央に向かって伸び、それぞれがシリンダ側内壁の線を超えた位置で半径方向に角度を変え、左右の油送孔は軸の表面に出たところで上記ロータベースの左右側面に設けられた油送溝とそれぞれが接続され、左右の油送溝は同所からロータ羽根基部の前方の位置でロータベース周壁に開口して終わり、
    ロータリ内燃機関の作動時には、給油ポンプにより送り出される潤滑油が油送溝に入ると、同潤滑油はロータベースの両側面を潤滑し、更に油送溝よりロータ周壁に出た潤滑油はロータの回転の遠心力によりロータ羽根の左右側面を潤滑し、余剰の潤滑油はシリンダ周壁の底部に滞留してロータ羽根の項面に潤滑を与え、残余の潤滑油はロータの払い出しによりシリンダ周壁に設けられた油回収溝に落ち、更に油回収孔に入って再利用の循環に載せることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のロータリ内燃機関。
JP2011500390A 2009-02-19 2009-02-19 ロータリ内燃機関 Expired - Fee Related JP4918177B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2009/052833 WO2010095225A1 (ja) 2009-02-19 2009-02-19 ロータリ内燃機関

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011241852A Division JP4995982B2 (ja) 2011-11-04 2011-11-04 ロータリ内燃機関

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4918177B2 true JP4918177B2 (ja) 2012-04-18
JPWO2010095225A1 JPWO2010095225A1 (ja) 2012-08-16

Family

ID=42633526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011500390A Expired - Fee Related JP4918177B2 (ja) 2009-02-19 2009-02-19 ロータリ内燃機関

Country Status (10)

Country Link
US (2) US8528505B2 (ja)
EP (2) EP2511473B1 (ja)
JP (1) JP4918177B2 (ja)
KR (2) KR101315874B1 (ja)
CN (1) CN102325975B (ja)
CA (1) CA2752459C (ja)
ES (2) ES2445893T3 (ja)
MX (1) MX2011008357A (ja)
RU (1) RU2511953C2 (ja)
WO (1) WO2010095225A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8528505B2 (en) * 2009-02-19 2013-09-10 Makoto Murata Rotary internal combustion engine
US8967114B2 (en) 2011-03-09 2015-03-03 John Larry Gaither Rotary engine with rotary power heads
WO2013033732A1 (en) * 2011-09-01 2013-03-07 Furnari Joseph Rotational engine
CN103032158B (zh) * 2012-12-05 2015-04-01 汪辉 一种圆环缸体发动机
US9464566B2 (en) * 2013-07-24 2016-10-11 Ned M Ahdoot Plural blade rotary engine
TWI504805B (zh) * 2013-08-23 2015-10-21 qin hao Zhu 轉輪內燃機
CN104481681B (zh) * 2014-12-24 2017-08-25 南通江海港建设工程有限公司 一种新型握轴发动机
CN105781726B (zh) * 2016-05-03 2018-06-12 侯春景 转轮式发动机的进气机构
CN105781725B (zh) * 2016-05-03 2018-02-27 侯春景 转轮式发动机
JP7130285B2 (ja) * 2018-11-01 2022-09-05 ダブリュビー デベロップメント カンパニー エルエルシー 循環式ピストン・エンジンのための空気燃料システム
JP7391915B2 (ja) * 2021-06-08 2023-12-05 章 小倉 ロータリブレード型エンジン

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4828811A (ja) * 1971-08-19 1973-04-17
JPS55114803A (en) * 1979-02-27 1980-09-04 Masayoshi Keii Rotary engine
JPS58131320A (ja) * 1982-01-30 1983-08-05 Hachiro Hayashida ジスクエンジン
JPS6441601A (en) * 1987-08-04 1989-02-13 Takashio Giken Kogyo Kk Seal valve construction for rotary engine
JPH0552119A (ja) * 1991-08-22 1993-03-02 Osamu Ikeda 回転ピストン機関
JPH10231732A (ja) * 1997-02-18 1998-09-02 Hajime Irisawa 仕切り弁燃焼室方式ロータリーエンジン

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1145627A (en) * 1911-04-10 1915-07-06 Bohumil Stradovsky Rotary engine.
US1239853A (en) * 1916-07-29 1917-09-11 Enos F Schlichter Rotary internal-combustion engine.
JPS4613881Y1 (ja) * 1968-07-03 1971-05-17
JPS5221371Y2 (ja) * 1974-03-27 1977-05-17
JPS605775B2 (ja) * 1975-04-02 1985-02-14 カーチス・ライト・コーポレーシヨン ロ−タリ−エンジン
JPS5913304Y2 (ja) * 1979-12-03 1984-04-20 マツダ株式会社 ロ−タリピストンエンジンの吸気装置
DE3006940C2 (de) * 1980-02-25 1983-01-27 Sabet, Huschang, Dipl-.Ing., 7000 Stuttgart Mittelachsige Umlaufkolben-Brennkraftmaschine
JPS5776205A (en) * 1980-10-30 1982-05-13 Matsushita Electric Works Ltd Vane type motor
JPS6441602A (en) * 1987-08-04 1989-02-13 Takashio Giken Kogyo Kk Rotor-seal part construction for rotary engine
JPH04101021A (ja) * 1990-08-13 1992-04-02 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ロータリーエンジン
US5203297A (en) * 1992-01-27 1993-04-20 Iversen Dennis D Rotary engine
CN1323945A (zh) * 2000-05-11 2001-11-28 杜仁忠 旋流式发动机
JP3941072B2 (ja) * 2004-03-24 2007-07-04 有限会社オムニテック 多気室型ロータリーエンジン
RU2275507C1 (ru) * 2004-11-17 2006-04-27 Игорь Васильевич Боев Роторный двигатель внутреннего сгорания
JP2007298013A (ja) 2006-05-08 2007-11-15 Koji Sasaki ロータリーエンジン
JP5052119B2 (ja) * 2006-12-20 2012-10-17 株式会社ブリヂストン 弾性ローラ用成形型および弾性ローラの製造方法
US8528505B2 (en) * 2009-02-19 2013-09-10 Makoto Murata Rotary internal combustion engine

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4828811A (ja) * 1971-08-19 1973-04-17
JPS55114803A (en) * 1979-02-27 1980-09-04 Masayoshi Keii Rotary engine
JPS58131320A (ja) * 1982-01-30 1983-08-05 Hachiro Hayashida ジスクエンジン
JPS6441601A (en) * 1987-08-04 1989-02-13 Takashio Giken Kogyo Kk Seal valve construction for rotary engine
JPH0552119A (ja) * 1991-08-22 1993-03-02 Osamu Ikeda 回転ピストン機関
JPH10231732A (ja) * 1997-02-18 1998-09-02 Hajime Irisawa 仕切り弁燃焼室方式ロータリーエンジン

Also Published As

Publication number Publication date
US20120210973A1 (en) 2012-08-23
RU2011138258A (ru) 2013-03-27
RU2511953C2 (ru) 2014-04-10
EP2511473A2 (en) 2012-10-17
EP2511473B1 (en) 2014-05-21
WO2010095225A1 (ja) 2010-08-26
CN102325975A (zh) 2012-01-18
US8528505B2 (en) 2013-09-10
ES2445893T3 (es) 2014-03-05
EP2400128A1 (en) 2011-12-28
EP2400128A4 (en) 2013-01-16
EP2511473A3 (en) 2013-06-19
EP2400128B1 (en) 2013-12-11
KR101315874B1 (ko) 2013-10-08
CN102325975B (zh) 2013-04-10
CA2752459C (en) 2014-12-02
CA2752459A1 (en) 2010-08-26
KR101315877B1 (ko) 2013-10-08
US8528506B2 (en) 2013-09-10
KR20130064146A (ko) 2013-06-17
US20110107999A1 (en) 2011-05-12
MX2011008357A (es) 2011-10-12
KR20110106467A (ko) 2011-09-28
JPWO2010095225A1 (ja) 2012-08-16
ES2470321T3 (es) 2014-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4918177B2 (ja) ロータリ内燃機関
CN105008666A (zh) 空气冷却式转子发动机
WO2007099634A1 (ja) ロータリーエンジン
CN106574500B (zh) 旋转马达
WO2000017503A1 (en) Rotary engine
JP2013530349A (ja) 内燃エンジン
JP2017172574A (ja) 1ストローク内燃機関
JP4995982B2 (ja) ロータリ内燃機関
JP7407314B1 (ja) 回転式エンジン
US20150034041A1 (en) Engine
CN102691572B (zh) 旋转式内燃机
KR101161685B1 (ko) 로우터리 엔진
KR101390988B1 (ko) 개폐블록이 구성된 로터리 엔진
CN105545465A (zh) 汽车用内燃式圆周转子发动机
JPH04298645A (ja) 外部ローターエンジン

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120127

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4918177

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees