JP7391915B2 - ロータリブレード型エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダ内で燃焼ガスを膨張させ出力軸に固定されたブレードを介して回転駆動力を得るロータリブレード型エンジンに関する。
従来、燃焼室の中で燃料を燃焼させてその熱エネルギーを機械エネルギーに変換して出力軸を回転させ仕事をする内燃機関として、例えばレシプロエンジンがある(例えば、特許文献1)。レシプロエンジンは、燃焼室を構成するシリンダの内壁面に沿って上下方向に往復移動するピストンを備えている。該ピストンは、コネクティングロッド及びクランクシャフトから構成されるクランク機構を介して出力軸に連結されており、ピストンの往復運動力は、クランク機構を介して出力軸の中心軸回りの回転動力に変換され出力される。
また、他の内燃機関の例として、ロータリピストンエンジンが知られている(例えば、特許文献2)。ロータリピストンエンジンは、トロコイド内周面を有するロータハウジングと、ロータハウジングの両側に配置され該ロータハウジングと共にロータ収容室を形成するサイドハウジングと、ロータ収容室内に収容されたロータと、を有する。ロータは、略3角形状の3葉ロータであり、ロータ収容室内を3つの作動室に区画する。そしてロータは、偏心輪を介して出力軸に支持されており、自転しながら出力軸の周りを公転する。このロータの回転により3つの作動室が周方向に移動し、3つの作動室でそれぞれ吸入、圧縮、膨張(燃焼)及び排気の工程が行われ、発生する回転力が出力軸から出力される。
特開2020-172869号公報 特開2020-12411号公報
しかしながら、上記したレシプロエンジンやロータリピストンエンジン等の従来技術のエンジンは、更なる高性能化を図るために改善すべき点があった。
具体的には、レシプロエンジンは、ピストンの往復運動によって作動室内の空気の膨張力等を出力軸に伝達して回転動力としている。即ち、往復運動するピストンは、運転中に必ず一時停止して運動方向を逆方向に変える動作を繰り返している。そのため、レシプロエンジンは、ピストンの振動が大きく、安定した高速運転が難しいという問題点があった。
また、往復運動するピストンから出力軸に動力を伝達するために、コネクティングロッドやクランクシャフト等の動力伝達機構が必要である。また、吸排気弁等を開閉するためのカム機構等も必要である。そのため、これら動力伝達機構やカム機構等において動力伝達の損失が発生する。また、前述の動力伝達機構やカム機構等は、構成部材の加工及び機構の組み立ても容易ではない。
他方、従来技術のロータリピストンエンジンでは、出力軸に動力を伝達する3葉ロータは、作動室内の空気の圧力を受けて往復運動せずに回転運動する。よって、レシプロエンジンのようにピストンの往復運動による問題点はない。しかしながら、ロータリピストンエンジンの3葉ロータは、偏心輪を介して出力軸に支持され自転しながら出力軸の周りを公転するので、その偏心回転による荷重が発生する。よって、エンジンの高性能化を図るために、更にロータ先端部への変動荷重の少ない安定した回転が求められる。
また、ロータリピストンエンジンは、3葉ロータの偏心輪から出力軸に動力を伝達するための内歯歯車及び外歯歯車等の複雑な動力伝達機構を必要とする。また更に、ロータリピストンエンジンは、ロータハウジングのトロコイド内周面や3葉ロータの外周面等が特殊な曲面形状であり且つ高精度な加工が求められており、生産が難しいという問題点がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、安定した運転が可能な高性能で生産性に優れたロータリブレード型エンジンを提供することにある。
本発明のロータリブレード型エンジンは、円筒状の内周面を有する外シリンダと、前記外シリンダの内部に設けられ前記外シリンダとの間に作動室を形成する円筒状の内シリンダと、前記内周面と同軸に設けられ前記内シリンダの内部に挿通された出力軸と、前記出力軸に固定され前記出力軸と共に回転するブレードと、外部から前記作動室に燃焼用の空気を吸入する吸気ポートと、前記作動室から前記外部に膨張後の前記空気を排出する排気ポートと、入口流路が前記排気ポート近傍の前記作動室につながり出口流路が前記吸気ポート近傍の前記作動室につながる圧縮空気室と、を具備し、前記内シリンダは、前記内周面から偏心した位置に設けられて前記内シリンダの中心軸を回転中心として回転し、前記ブレードは、前記内シリンダの内部から前記内シリンダを遊動自在に貫通して前記内周面に摺接し前記作動室を区画し、前記作動室で圧縮された前記空気は、前記入口流路を経由して前記圧縮空気室に流れて貯留され、前記出口流路を経由して前記作動室に送られて膨張し、前記出口流路には、前記作動室から前記圧縮空気室への前記空気の流れを止める逆止弁が設けられていることを特徴とする。
本発明のロータリブレード型エンジンによれば、円筒状の内周面を有する外シリンダと、外シリンダの内部に設けられ外シリンダとの間に作動室を形成する円筒状の内シリンダと、外シリンダの内周面と同軸に設けられ内シリンダの内部に挿通された出力軸と、出力軸に固定され出力軸と共に回転するブレードと、を有する。そして、内シリンダは、外シリンダの内周面の中心軸から偏心した位置に設けられ内シリンダの中心軸を回転中心として回転し外周面の一部分が外シリンダの内周面に近接しており、ブレードは、内シリンダの内部から内シリンダを遊動自在に貫通して外シリンダの内周面に摺接し作動室を区画する。
このような構成により、出力軸から偏心した位置を回転中心とした内シリンダの安定した回転、及び出力軸を回転軸としたブレードの安定した回転により、作動室の内部で吸入、圧縮、膨張及び排気の工程を実行することができる。よって、振動の少ない安定した動作で燃料の熱エネルギーを出力軸の回転動力に変換することができる高性能なロータリブレード型エンジンが得られる。
具体的には、本発明のロータリブレード型エンジンには、従来技術のレシプロエンジンのピストンのように往復運動をする動力伝達機構がない。即ち、本発明の内シリンダは、作動室を形成すると共に、ブレードを遊動自在に支持し、回転運動する。また、ブレードは、往復運動せず出力軸を中心として回転することにより、作動室内を移動して作動室内の空気を押圧すると共に作動室内の空気の圧力を効率良く出力軸に伝達する。よって、本発明のロータリブレード型エンジンは、ピストンを往復運動させるレシプロエンジンよりも振動が少なく、出力軸を高速回転させることができ、高性能なエネルギー変換が可能である。
また、本発明のロータリブレード型エンジンは、従来技術のロータリピストンエンジンの3葉ロータのように自転しながら出力軸の周りを公転する機構を有しない。即ち、本発明の内シリンダは、円筒状の形態を成し、その中心軸を回転中心として回転し、回転中心の位置を変えて移動することなく同じ位置を回転中心として回転する。よって、内シリンダは、ロータリピストンエンジンの3葉ロータに比べて安定した回転が可能である。
また、本発明のロータリブレード型エンジンは、ロータリピストンエンジンのように出力軸に動力を伝達する内歯歯車及び外歯歯車等の複雑な動力伝達機構を必要とせず、また、トロコイド内周面等の特殊な高精度曲面の加工も不要である。即ち、内シリンダは、円筒状の形態でその中心軸を回転中心として回転し、ブレードは、出力軸に固定され出力軸を回転中心として回転するため先端部への荷重負荷のない構成であるので、従来技術のロータリピストンエンジンに比べて加工が容易であり生産性の観点からも優位性がある。
また、本発明のロータリブレード型エンジンによれば、外部から前記作動室に燃焼用の空気を吸入する吸気ポートと、前記作動室から前記外部に膨張後の前記空気を排出する排気ポートと、入口流路が前記排気ポート近傍の前記作動室につながり出口流路が前記吸気ポート近傍の前記作動室につながる圧縮空気室と、を具備し、前記作動室で圧縮された前記空気は、前記入口流路を経由して前記圧縮空気室に流れて貯留され、前記出口流路を経由して前記作動室に送られて膨張する。このような構成により、ブレードの回転で作動室における吸入、圧縮、膨張及び排気の工程を効率良く実行することができる。
また、本発明のロータリブレード型エンジンによれば、前記吸気ポートに設けられた吸気弁と、前記排気ポートに設けられた排気弁と、前記入口流路に設けられた圧縮空気室入口弁と、前記出口流路に設けられた圧縮空気室出口弁と、を有しても良い。これにより、吸入、圧縮、膨張及び排気の各工程における空気の逆流や不要な混合を抑制して高性能なエネルギー変換を実現することができる。
また、本発明のロータリブレード型エンジンによれば、前記出口流路には、前記作動室から前記圧縮空気室への前記空気の流れを止める逆止弁が設けられても良い。これにより、膨張工程において作動室から圧縮空気室へ膨張空気が漏れることを抑制し、エンジン出力の低下を防止することができる。
また、本発明のロータリブレード型エンジンによれば、前記吸気弁、前記排気弁、前記圧縮空気室入口弁及び前記圧縮空気室出口弁は、電磁駆動式の弁であっても良い。これにより、それぞれの弁の開閉タイミング及び開閉度を好適に制御することができる。よって、ロータリブレード型エンジンの効率を向上させることができる。また、それぞれの弁を開閉するためのカム機構等を設ける必要がないので、弁の配置の自由度が高く、ロータリブレード型エンジンの構造がシンプルになり、装置を小型軽量化することができる。また、ロータリブレード型エンジンの製造が容易になり、生産性を高めることができる。
また、本発明のロータリブレード型エンジンによれば、前記吸気弁及び前記排気弁が開き前記圧縮空気室入口弁及び前記圧縮空気室出口弁が閉じた状態で前記ブレードが回転して前記ブレードの後方の後作動室において吸入工程が実行されると共に前記ブレードの前方の前作動室において排気工程が実行され、次の回転において、前記吸気弁、前記排気弁及び前記圧縮空気室入口弁が閉じ前記圧縮空気室出口弁が開いた状態で前記圧縮空気室から前記後作動室に圧縮された前記空気が供給されると共に前記前作動室で圧縮工程が開始され、次いで、前記圧縮空気室出口弁が閉じて前記圧縮空気室入口弁が開き前記後作動室において膨張工程が実行されると共に前記前作動室において前記圧縮工程が実行され圧縮された前記空気が前記圧縮空気室に送り込まれる。これにより、ブレードの2回転に対して約1回転の膨張工程が実行されることとなり、安定した回転出力が得られる。
本発明の実施形態に係るロータリブレード型エンジンの概略構成を示す正面断面図である。 本発明の実施形態に係るロータリブレード型エンジンの概略構成を示す側面断面図である。 本発明の実施形態に係るロータリブレード型エンジンのブレードピンの概略を示す(A)側面図、(B)A-A線断面図である。 本発明の実施形態に係るロータリブレード型エンジンのブレード及びブレードピン近傍の概略を示す正面断面図である。 本発明の実施形態に係るロータリブレード型エンジンの吸入工程及び排気工程を示す図である。 本発明の実施形態に係るロータリブレード型エンジンの圧縮工程及び膨張工程を示す図である。 本発明の実施形態に係るロータリブレード型エンジンの圧縮空気送入工程を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るロータリブレード型エンジンの概略構成を示す正面断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るロータリブレード型エンジン1を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るロータリブレード型エンジン1の概略構成を示す正面断面図である。
ロータリブレード型エンジン1は、ガソリン、軽油及び水素ガス等の燃料を作動室14内で燃焼させその熱エネルギーを機械エネルギーに変換して出力軸5の回転動力として出力する内燃機関である。ロータリブレード型エンジン1は、発電装置、車両、船舶、農業機械、土木機械、建設機械、産業機械、空気調和装置、空気圧縮機、ポンプその他回転動力を必要とする各種装置の駆動源として用いられる。
図1に示すように、ロータリブレード型エンジン1は、ハウジング2に設けられた外シリンダ3と、外シリンダ3の内部に設けられた内シリンダ4と、内シリンダ4の内部に挿通された出力軸5と、出力軸5に固定され回転するブレード6と、を有する。
外シリンダ3は、作動室14を形成する部材であり、円筒状の内周面を有する。外シリンダ3の内部には、円筒状の外周面を有する内シリンダ4が設けられている。外シリンダ3の内周面、内シリンダ4の外周面及びサイドハウジング38、39(図2参照)の内面に囲まれた領域が、空気を吸入、圧縮、膨張及び排気する作動室14となる。
内シリンダ4は、外シリンダ3に対して偏心した位置に、回転自在に設けられている。即ち、内シリンダ4の中心軸X2は、外シリンダ3の内周面の中心軸X1からオフセットした位置にある。内シリンダ4の中心軸X2と外シリンダ3の中心軸X1は平行である。内シリンダ4は、内シリンダ4の中心軸X2を回転中心として、図1おいて反時計回りに回転する。
内シリンダ4は、前述のとおり、外シリンダ3に対して偏心した位置にあり、内シリンダ4の外周面の一部分は、外シリンダ3の内周面に近接している。外シリンダ3の内周面であって、内シリンダ4が近接する部分の近傍には、作動室14を区画するシール部材37が設けられている。このような構成により、作動室14は、外シリンダ3の内周面と内シリンダ4の外周面に挟まれた平面視略三日月状の形態を成す。
シール部材37は、外シリンダ3に形成されたシール支持穴17に内嵌されており、内シリンダ4側の端部が内シリンダ4の外周面に摺動自在に当接する。シール支持穴17の内部には、シール部材37を内シリンダ4方向に押圧するバネ等の弾性部材18が設けられても良い。
出力軸5は、ロータリブレード型エンジン1から回転動力を出力する回転軸であり、外シリンダ3の内周面の中心軸X1と同軸に設けられている。出力軸5は、内シリンダ4の内部の空間を貫通するよう設けられている。即ち、出力軸5は、外シリンダ3の中心軸X1の位置で内シリンダ4の内部を回転し、内シリンダ4は、出力軸5からオフセットした位置を回転中心として出力軸5の外側を回転する。なお出力軸5の回転方向は、内シリンダ4と同じく、図1において反時計回りである。
出力軸5には、ブレード6が固定されている。ブレード6は、略板状の形態を成す部材であり、内シリンダ4の内部から内シリンダ4を遊動自在に貫通し、外シリンダ3の内周面及びサイドハウジング38、39の内面に摺接している。これによりブレード6は、作動室14を回転方向の前方の前作動室15と、後方の後作動室16と、に区画している。
ブレード6は、出力軸5と共に回転し、作動室14内の空気の圧力を出力軸5に伝達する部材である。具体的には、ブレード6は、出力軸5と共に回転することにより、作動室14内に空気を吸入、圧縮し、作動室14内で燃焼して膨張する空気の圧力を出力軸5に伝達し、膨張した空気を排気する。
前述のとおり、出力軸5は、外シリンダ3の内周面の中心軸X1と同軸に設けられており、ブレード6は、出力軸5を中心として回転する。よって、ブレード6の先端部は、外シリンダ3の内周面を径方向に荷重することなく回転方向に移動する。
内シリンダ4には、ブレード6を遊動自在に支持するブレードピン31が設けられている。ブレードピン31は、内シリンダ4のブレードピン支持部29に回動自在に支持されており、ブレード6は、ブレードピン31のブレード支持孔32に摺動自在に内嵌されている。
また、ハウジング2には、外部から作動室14に燃焼用の空気を吸入する吸気ポート10と、作動室14から外部に膨張後の空気を排出する排気ポート12と、作動室14で圧縮された空気を貯留する圧縮空気室21と、が形成されている。
吸気ポート10は、正面視略三日月状の形態を成す作動室14の一方の端辺近傍、詳しくは、ブレード6の回転方向の後方側となる端部近傍、即ち図1においては左側の端部近傍、につながるよう形成されている。なお、吸気ポート10は、作動室14に直接つながるよう形成されても良いし、後述する出口流路26につながるよう形成されても良い。
他方、排気ポート12は、吸気ポート10に対して反対側の端辺近傍、詳しくは、ブレード6の回転方向の前方側となる端部近傍、即ち図1においては右側の端部近傍、につながるよう形成されている。
圧縮空気室21は、作動室14で圧縮された高圧の空気を貯留する空間である。ハウジング2には、作動室14から圧縮空気室21に流入する空気の流路である入口流路25と、圧縮空気室21から作動室14に供給される空気の流路である出口流路26と、が形成されている。具体的には、入口流路25は、排気ポート12近傍の作動室14につながり、出口流路26は、吸気ポート10近傍の作動室14につながっている。
これにより、作動室14で圧縮された空気は、入口流路25を経由して圧縮空気室21に流れて貯留され、圧縮空気室21から出口流路26を経由して吸気ポート10近傍から作動室14に送られた後、作動室14内で膨張する。このような構成により、ブレード6の回転で作動室14における吸入、圧縮、膨張及び排気の工程を効率良く実行することができる。
吸気ポート10には、吸気ポート10を開閉して作動室14への空気の吸入を制御する吸気弁11が設けられている。他方、排気ポート12には、排気ポート12を開閉して作動室14からの排気を制御する排気弁13が設けられている。
圧縮空気室21の入口、即ち入口流路25の圧縮空気室21側の開口部近傍には、入口流路25を開閉して作動室14から圧縮空気室21への圧縮空気の流れを制御する圧縮空気室入口弁22が設けられている。圧縮空気室21の出口、即ち出口流路26の圧縮空気室21側の開口部近傍には、出口流路26を開閉して圧縮空気室21から作動室14への圧縮空気の流れを制御する圧縮空気室出口弁23が設けられている。
吸気弁11、排気弁13、圧縮空気室入口弁22及び圧縮空気室出口弁23を備えていることにより、吸入、圧縮、膨張及び排気の各工程における空気の逆流や不要な混合を抑制して高性能なエネルギー変換を実現することができる。
また、出口流路26には、圧縮空気室出口弁23と略同じタイミングで開閉し、作動室14から圧縮空気室21への空気の逆流を防止する逆止弁24が設けられている。これにより、膨張工程S4において作動室14から圧縮空気室21へ膨張空気が漏れることが抑制され、エンジン出力の低下を防止することができる。
上述した吸気弁11、排気弁13、圧縮空気室入口弁22、圧縮空気室出口弁23及び逆止弁24は、例えば、DCモータを駆動源とした電磁駆動式の弁であっても良い。電磁駆動式の弁が採用されることにより、それぞれの弁の開閉タイミング及び開閉度、即ちリフト量、を好適に制御することができる。よって、ロータリブレード型エンジン1の効率を向上させることができる。
また、吸気弁11、排気弁13、圧縮空気室入口弁22、圧縮空気室出口弁23及び逆止弁24が電磁駆動式の弁であることにより、それぞれの弁を開閉するためのカム機構等を設ける必要がない。よって、吸気弁11、排気弁13、圧縮空気室入口弁22、圧縮空気室出口弁23及び逆止弁24の配置の自由度が高く、ロータリブレード型エンジン1の構造がシンプルになり、装置全体を小型軽量化することができる。また、ロータリブレード型エンジン1の製造が容易になるので、電磁駆動式の弁は、生産性の観点からも望ましい。
ハウジング2には、圧縮空気に燃料を供給する燃料噴射装置40と、燃料に点火する点火プラグ41が設けられている。具体的には、燃料噴射装置40及び点火プラグ41は、吸気ポート10近傍の作動室14若しくは出口流路26に燃料を噴射して点火するよう設けられている。燃料噴射装置40は、例えば、電子制御によって燃料を噴射する電子制御燃料噴射装置である。
図2は、ロータリブレード型エンジン1の概略構成を示す側面断面図である。
図2を参照して、ハウジング2は、円筒状の内周面を有する外シリンダ3を備えている。外シリンダ3の中心軸X1の方向の両側には、一対のサイドハウジング38、39が固定されている。
外シリンダ3とサイドハウジング38、39とで囲まれた領域には、内シリンダ4が設けられている。外シリンダ3の内周面、内シリンダ4の外周面及びサイドハウジング38、39の内面で囲まれた領域が作動室14(図1参照)となる。
前述のとおり、内シリンダ4は、外シリンダ3の中心軸X1からオフセットした位置を回転中心として回動自在である。具体的には、内シリンダ4の中心軸X2の方向の両端近傍の内径側には、軸受部20が設けられており、内シリンダ4は、軸受部20を介してサイドハウジング38、39に回転自在に支持されている。なお、図示を省略するが、内シリンダ4の側面とサイドハウジング38、39との間には、内シリンダ4に摺接して空気の漏れを防止するシール部材が設けられている。
出力軸5は、外シリンダ3の内周面の中心軸X1と同軸に設けられ、内シリンダ4の内部を通過するよう設けられている。具体的には、出力軸5は、外シリンダ3の中心軸X1を回転中心とし、軸受部19を介して、サイドハウジング38、39に回転自在に支持されている。
出力軸5には、出力軸5と共に回転するブレード6が固定されており、ブレード6は、内シリンダ4を貫通して作動室14に突出して外シリンダ3の内周面に摺接する。具体的には、ブレード6は、ブレードピン31を介して、摺動自在且つ回動自在に、内シリンダ4に支持されている。
図3は、ブレードピン31の概略を示す図であり、図3(A)は側面図、図3(B)はA-A線断面図である。
図3(A)及び図3(B)に示すように、ブレードピン31は、略円柱状の形態を成し、内シリンダ4(図2参照)に設けられて、ブレード6(図1参照)を摺動自在に支持する部材である。ブレードピン31には、ブレード6が挿入されるブレード支持孔32が形成されている。
ブレード支持孔32は、ブレード6の断面形状に対応する断面略長方形状の形態をなし、ブレードピン31の周面の一方側から他方側に貫通するよう形成されている。このブレード支持孔32にブレード6が内嵌され摺動自在に支持される。
ブレードピン31の両端部には、内シリンダ4のブレードピン支持部29(図2参照)に内嵌される支持軸部33が形成されている。図2に示すように、支持軸部33は、ブレードピン支持部29に回動自在に内嵌される。
図4は、ロータリブレード型エンジン1のブレードピン31近傍の概略を示す正面断面図である。
図4に示すように、ブレードピン31は、内シリンダ4に形成された開口部27に回動自在に設けられる。開口部27は、内シリンダ4の内部から外周部の外側まで貫通するよう形成されている。そして、前述のとおり、ブレードピン31には内シリンダ4の内部から外部に貫通するブレード支持孔32が形成されており、ブレード支持孔32には、ブレード6が摺動自在に内嵌されている。
内シリンダ4の開口部27には、内シリンダ4の内部側及び外周面側に、開口面積が大きくなる拡開部28が形成されている。これにより、ブレードピン31に内嵌されたブレード6と開口部27との間に、ブレード6を回動自在とする空間が確保される。即ち、ブレード6は、回動しても内シリンダ4の開口部27に接触することがない。
このような構成により、ブレード6は、内シリンダ4の内部から外周面を貫通し、内シリンダ4の内外方向に摺動自在であり、且つ、内シリンダ4に対して周方向の傾斜を変更可能となる。
ブレードピン31の外周面とブレードピン支持部29との間には、ブレードピンシールとしてのシール部材34が設けられている。シール部材34が設けられることにより、ブレードピン31の外周面がシールされ、作動室14から内シリンダ4の内部への、またはその逆の、空気の漏れが防止される。
ブレード6の前後両面とブレードピン31のブレード支持孔32との間には、ブレードピンシールとしてのシール部材35が設けられている。シール部材35が設けられることにより、ブレード6の前後面がシールされ、作動室14から内シリンダ4の内部への、またはその逆の、空気の漏れが防止される。
ブレード6の先端近傍には、ブレード6の先端と外シリンダ3の内周面との間を摺動自在にシールするアペックスシール36が設けられている。換言すれば、ブレード6は、アペックスシール36を介して外シリンダ3の内周面に摺接している。
なお、前述のとおり、ブレード6は、外シリンダ3の内周面の中心軸X1と同軸な出力軸5を中心として回転するので、ブレード6の先端部は、外シリンダ3の内周面を径方向に荷重しない。よって、ブレード6は、先端部の摩擦が少ない高効率な回転運転が可能となる。
また、図示を省略するが、ブレード6の側端部には、ブレード6とサイドハウジング38、39(図2参照)の内面との間を摺動自在にシールするサイドシールが設けられている。換言すれば、ブレード6は、サイドシールを介してサイドハウジング38、39の内面に摺接している。
上記のように、ブレード6の摺動部等にシール部材34、35、アペックスシール36及びサイドシールが設けられることにより、空気漏れによる熱効率の低下を防止し、ロータリブレード型エンジン1の高効率化を図ることができる。
次に、図5ないし図7を参照して、ロータリブレード型エンジン1の動作について詳細に説明する。
図5は、ロータリブレード型エンジン1の吸入工程S1及び排気工程S5を示す図である。
図5ないし図7において、出力軸5は、外シリンダ3の中心軸X1を回転中心として反時計回りに回転し、内シリンダ4は、出力軸5の回転に連動し、出力軸5から偏心した位置にある内シリンダ4の中心軸X2を回転中心として反時計回りに回転する。
図5を参照し、先ず吸入工程S1について説明する。出力軸5と共に回転するブレード6が吸気ポート10及び出口流路26近傍を通過した後、吸入工程S1が実行される。吸入工程S1では、吸気弁11及び排気弁13が開き、圧縮空気室入口弁22、圧縮空気室出口弁23及び逆止弁24が閉じた状態で、ブレード6が回転する。これにより、ブレード6の後方の後作動室16に吸気ポート10から空気が吸入される。
なお、吸入工程S1が実行される際に、ブレード6の前方の前作動室15においては、吸入工程S1と略同じタイミングで排気工程S5が実行される。即ち、前作動室15内の空気は、ブレード6に押圧され排気ポート12を介して外部に排気される。
図6は、ロータリブレード型エンジン1の圧縮工程S2及び膨張工程S4を示す図である。
図6を参照して、吸入工程S1(図5参照)が行われ作動室14に空気が吸入された後、吸入された空気を圧縮する圧縮工程S2が行われる。
具体的には、吸入工程S1で1回転したブレード6が次の回転、即ち第2の回転、をする際には、排気弁13が閉じられ、前作動室15において圧縮工程S2が実行される。圧縮工程S2においては、前作動室15の空気がブレード6の回転により圧縮される。
そして、圧縮空気室入口弁22が開き、前作動室15でブレード6に圧縮された空気が入口流路25を通過して圧縮空気室21に送り込まれる。
なお、前作動室15で圧縮工程S2が行われる際には、後作動室16では、後述する圧縮空気送入工程S3及び膨張工程S4が行われる。
図7は、圧縮空気送入工程S3を示す図である。
図7を参照して、圧縮工程S2が行われ圧縮された空気が圧縮空気室21に貯留された後、圧縮された空気を作動室14に供給する圧縮空気送入工程S3が行われる。
具体的には、圧縮工程S2が行われた第2の回転の次の回転、即ち第3の回転において、吸気弁11、排気弁13、圧縮空気室入口弁22、圧縮空気室出口弁23及び逆止弁24が閉じられた状態で、ブレード6が吸気ポート10及び出口流路26近傍を通過すると、圧縮空気室出口弁23及び逆止弁24が開かれる。これにより、圧縮空気室21と後作動室16が出口流路26を介して連通し、圧縮空気室21から後作動室16に圧縮空気が供給される。
なお、圧縮空気送入工程S3において、ブレード6の前方の前作動室15では、作動室14内の空気を圧縮する圧縮工程S2が行われている。圧縮空気室出口弁23及び逆止弁24が開いて圧縮空気送入工程S3が行われている際には、圧縮空気室21の圧縮空気室入口弁22は閉じた状態である。そのため、ブレード6の回転によって前作動室15の中で圧縮される空気は、圧縮空気室21まで流れない。
そして、ブレード6が所定の位置まで回転したら、圧縮空気室出口弁23及び逆止弁24が閉じられ圧縮空気送入工程S3が完了する。圧縮空気送入工程S3が完了したら、次いで、後作動室16において膨張工程S4が実行される。即ち、第3の回転では、1回の回転で、後作動室16に圧縮空気を供給する圧縮空気送入工程S3と、圧縮空気を膨張させる膨張工程S4(図6参照)と、が連続して行われる。
具体的には、図6を参照して、燃料噴射装置40から後作動室16に燃料が噴射され、点火プラグ41による点火が行われる。そうすると、燃料の燃焼(爆発)により、後作動室16内の空気が昇圧し、空気の圧力によってブレード6が後方から押圧され、空気が膨張する。この膨張による空気の圧力が出力軸5に伝達され、回転動力として出力される。
なお、ブレード6後方の後作動室16では、圧縮空気送入工程S3に引き続き膨張工程S4が行われ、その際、ブレード6前方の前作動室15では、作動室14内の空気を圧縮する圧縮工程S2が行われている。圧縮空気送入工程S3が終了して圧縮空気室出口弁23及び逆止弁24が閉じられた後、圧縮空気室入口弁22が開かれるので、前作動室15で圧縮された空気は、前述のとおり、圧縮空気室21に送られる。
膨張工程S4が完了したら、ブレード6の次の回転、即ち第4の回転で、排気工程S5が行われる。図5を参照して、排気工程S5では、排気弁13が開き、圧縮空気室入口弁22が閉じた状態で、ブレード6が回転し、前作動室15の空気が排ポート12から排出される。
なお、既に説明したように、排気工程S5は、吸入工程S1と略同時に行われる。即ち、吸気弁11及び排気弁13が開き、圧縮空気室入口弁22、圧縮空気室出口弁23及び逆止弁24が閉じた状態で、ブレード6が回転し、後作動室16で吸入工程S1が、前作動室15で排気工程S5が実行される。
以上説明の如く、ロータリブレード型エンジン1では、図5ないし図7を参照して、ブレード6の第1の回転で吸入工程S1が、第2の回転で圧縮工程S2が、第3の回転で圧縮空気送入工程S3及び膨張工程S4が、第4の回転で排気工程S5が行われる。
即ち、ブレード6の第1の回転によって、吸気ポート10からブレード6後方の後作動室16に空気が吸入され、その空気がブレード6の第2の回転によってブレード6前方の前作動室15で圧縮され入口流路25を経由して圧縮空気室21に貯留される。
そして、ブレード6の第3の回転時に、圧縮空気室21に貯留されている圧縮された空気がブレード6後方の後作動室16に再度送られ膨張し、ブレード6を押圧して駆動力を発揮する。そして、ブレード6の第3の回転で膨張した空気は、第4の回転時に、ブレード6前方の前作動室15から排気ポート12を経て排出される。
そして、ブレード6の後方の後作動室16と前方の前作動室15で同時に2つの工程が実行されるので、ブレード6の2回転に対して1回の膨張工程S4が行われることになる。よって、安定した回転出力が得られる。
また、既に説明したとおり、ロータリブレード型エンジン1には、従来技術のレシプロエンジンのピストンのように往復運動をする動力伝達機構がない。即ち、内シリンダ4は、作動室14を形成すると共に、ブレード6を遊動自在に支持し、回転運動する。
また、ブレード6は、往復運動せず出力軸5を中心として回転することにより、作動室14内を移動して作動室14の空気を押圧すると共に作動室14の空気の圧力を効率良く出力軸5に伝達する。よって、本発明のロータリブレード型エンジン1は、ピストンを往復運動させるレシプロエンジンよりも振動が少なく、出力軸5を高速回転させることができ、高性能なエネルギー変換が可能である。
また、本発明のロータリブレード型エンジン1は、従来技術のロータリピストンエンジンの3葉ロータのように自転しながら出力軸5の周りを公転する機構を有しない。即ち、本発明の内シリンダ4は、円筒状の形態を成し、その中心軸X2を回転中心として回転し、回転中心の位置を変えて移動することなく同じ位置で回転する。よって、内シリンダ4は、ロータリピストンエンジンの3葉ロータに比べて安定した回転が可能である。
また、本発明のロータリブレード型エンジン1は、ロータリピストンエンジンのように出力軸5に動力を伝達する内歯歯車及び外歯歯車等の複雑な動力伝達機構を必要とせず、また、トロコイド内周面等の特殊な高精度曲面の加工も不要である。即ち、内シリンダ4は、円筒状の形態でその中心軸X2を回転中心として回転し、ブレード6は、出力軸5に固定され出力軸5を回転中心として回転するため先端部への荷重負荷のない構成である。そのため、ロータリブレード型エンジン1は、従来技術のロータリピストンエンジンに比べて加工が容易であり生産性の観点からも優位性がある。
このように、本実施形態に係るロータリブレード型エンジン1は、出力軸5から偏心した位置を回転中心とした内シリンダ4の安定した回転、及び出力軸5を回転軸としたブレード6の安定した回転により、作動室14の内部で吸入、圧縮、膨張及び排気の各工程を効率良く実行することができる。よって、振動の少ない安定した動作で燃料の熱エネルギーを出力軸5の回転動力に変換することができる高性能なロータリブレード型エンジン1が得られる。
次に、図8を参照して、実施形態を変形した例として、ロータリブレード型エンジン101について詳細に説明する。
図8は、ロータリブレード型エンジン101の概略構成を示す正面断面図である。なお、既に説明した実施形態と同一若しくは同様の作用、効果を奏する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、ロータリブレード型エンジン101は、2つの燃料噴射装置40、140を有する。即ち、ハウジング2には、圧縮空気に燃料を供給する燃料噴射装置40と、同じく圧縮空気に燃料を供給する燃料噴射装置140が設けられている。例えば、一方の燃料噴射装置40は、燃料としての水素ガスを供給し、他方の燃料噴射装置140は、燃料としてのガソリンを供給する装置であっても良い。
具体的には、燃料噴射装置40及び燃料噴射装置140は、吸気ポート10近傍の作動室14若しくは出口流路26に設けられている。一方の燃料噴射装置40が水素ガスを供給する装置である場合、燃料噴射装置40は、出口流路26に水素ガスを噴射するよう設けられても良い。そして、他方の燃料噴射装置140がガソリンを供給する装置である場合、燃料噴射装置140は、作動室14にガソリンを噴射するよう設けられても良い。
燃料に点火する点火プラグ41は、燃料噴射装置40及び燃料噴射装置140よりも下流に設けられている。即ち、上記のように燃料噴射装置40が水素ガスを供給し、燃料噴射装置140がガソリンを供給する構成では、点火プラグ41は、ガソリンを供給する燃料噴射装置140近傍であって、燃料噴射装置140の下流、即ちブレード6の回転方向において燃料噴射装置140より前方、に設けられている。
このように水素ガスを噴射する燃料噴射装置40が点火プラグ41から離れた位置に設けられ、ガソリンを供給する燃料噴射装置140が点火プラグ41の近傍に設けられることにより、発火が速い水素ガスを安全に点火することができる。
詳しくは、ブレード6が出口流路26近傍を通過した後に、燃料噴射装置40から水素ガスが噴射され、燃料噴射装置40からの水素ガスの噴射が終了した後に、ブレード6が点火プラグ41近傍を通過し、点火プラグ41による着火が行われる。これにより、燃料噴射装置40内への逆火を防止して水素ガスを安全に燃焼させることができる。
また、ガソリン燃料が使用される場合には、ブレード6が燃料噴射装置140近傍を通過した後に、燃料噴射装置140からガソリンが噴射され、ブレード6が点火プラグ41近傍を通過した後に、点火プラグ41による着火が行われる。
なお、燃料は、燃料噴射装置40または燃料噴射装置140の何れか一方のみから供給されれば良い。つまり、ロータリブレード型エンジン101は、例えば、運転中の燃料不足やガス欠時、燃料噴射装置40から供給される水素ガスまたは燃料噴射装置140から供給されるガソリンを選択的に使用して安全な燃焼を行い回転動力を継続して出力することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
1、101 ロータリブレード型エンジン
2 ハウジング
3 外シリンダ
4 内シリンダ
5 出力軸
6 ブレード
10 吸気ポート
11 吸気弁
12 排気ポート
13 排気弁
14 作動室
15 前作動室
16 後作動室
17 シール支持穴
18 弾性部材
19 軸受部
20 軸受部
21 圧縮空気室
22 圧縮空気室入口弁
23 圧縮空気室出口弁
24 逆止弁
25 入口流路
26 出口流路
27 開口部
28 拡開部
29 ブレードピン支持部
31 ブレードピン
32 ブレード支持孔
33 支持軸部
34 シール部材
35 シール部材
36 アペックスシール
37 シール部材
38 サイドハウジング
39 サイドハウジング
40、140 燃料噴射装置
41 点火プラグ
X1 中心軸
X2 中心軸
S1 吸入工程
S2 圧縮工程
S3 圧縮空気送入工程
S4 膨張工程
S5 排気工程

Claims (4)

  1. 円筒状の内周面を有する外シリンダと、
    前記外シリンダの内部に設けられ前記外シリンダとの間に作動室を形成する円筒状の内シリンダと、
    前記内周面と同軸に設けられ前記内シリンダの内部に挿通された出力軸と、
    前記出力軸に固定され前記出力軸と共に回転するブレードと、
    外部から前記作動室に燃焼用の空気を吸入する吸気ポートと、
    前記作動室から前記外部に膨張後の前記空気を排出する排気ポートと、
    入口流路が前記排気ポート近傍の前記作動室につながり出口流路が前記吸気ポート近傍の前記作動室につながる圧縮空気室と、を具備し、
    前記内シリンダは、前記内周面から偏心した位置に設けられて前記内シリンダの中心軸を回転中心として回転し、
    前記ブレードは、前記内シリンダの内部から前記内シリンダを遊動自在に貫通して前記内周面に摺接し前記作動室を区画し、
    前記作動室で圧縮された前記空気は、前記入口流路を経由して前記圧縮空気室に流れて貯留され、前記出口流路を経由して前記作動室に送られて膨張し、
    前記出口流路には、前記作動室から前記圧縮空気室への前記空気の流れを止める逆止弁が設けられていることを特徴とするロータリブレード型エンジン。
  2. 前記吸気ポートに設けられた吸気弁と、
    前記排気ポートに設けられた排気弁と、
    前記入口流路に設けられた圧縮空気室入口弁と、
    前記出口流路に設けられた圧縮空気室出口弁と、を有することを特徴とする請求項1に記載のロータリブレード型エンジン。
  3. 前記吸気弁、前記排気弁、前記圧縮空気室入口弁及び前記圧縮空気室出口弁は、電磁駆動式の弁であることを特徴とする請求項2に記載のロータリブレード型エンジン。
  4. 前記吸気弁及び前記排気弁が開き前記圧縮空気室入口弁及び前記圧縮空気室出口弁が閉じた状態で前記ブレードが回転して前記ブレードの後方の後作動室において吸入工程が実行されると共に前記ブレードの前方の前作動室において排気工程が実行され、
    次の回転において、前記吸気弁、前記排気弁及び前記圧縮空気室入口弁が閉じ前記圧縮空気室出口弁が開いた状態で前記圧縮空気室から前記後作動室に圧縮された前記空気が供給されると共に前記前作動室で圧縮工程が開始され、
    次いで、前記圧縮空気室出口弁が閉じて前記圧縮空気室入口弁が開き前記後作動室において膨張工程が実行されると共に前記前作動室において前記圧縮工程が実行され圧縮された前記空気が前記圧縮空気室に送り込まれることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のロータリブレード型エンジン。
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