JP4918103B2 - 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

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本発明は、時系列信号を予測分析して符号化する技術に関し、特に、予測残差の符号化及びその復号に関する。
音響信号や映像情報などの時系列信号を通信路によって伝送したり、情報記録媒体に記録する場合、時系列信号を圧縮符号に変換してから伝送したり記録する方法が、伝送効率や記録効率の点で有効である。また、近年のブロードバンドの普及や記憶装置の容量増加に伴い、圧縮率の高さを優先する非可逆圧縮符号化方式よりも原信号の完全再生を条件とした可逆圧縮符号化方式が重視されつつある(例えば、非特許文献1参照)。そのような中、線形予測分析等の要素技術を用いて音響信号を可逆圧縮符号化する技術がMPEG(Moving Picture Expert Group)の国際標準規格「MPEG-4 ALS」として承認されている(例えば、非特許文献2参照)。
図1は、従来における可逆圧縮符号化方式の符号化装置2100の機能構成を説明するためのブロック図である。図2は、図1に示す残差符号化部2120の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図3は、従来における可逆圧縮符号化方式の復号装置2200の機能構成を説明するためのブロック図である。図4は、図3に示す残差復号部2220の機能構成を説明するためのブロック図である。まず、これらの図を用いて従来の可逆圧縮符号化方式を説明する。
<符号化方法>
符号化装置2100のフレームバッファ2111には、標本化・量子化されたPCM (pulse code modulation)形式の時系列信号x(n)(nは離散時間を示すインデックス)が入力される。フレームバッファ2111は、予め定められた時間区間(以下、「フレーム」と呼ぶ)分の時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)(Nは正の整数)をバッファする。バッファされた1フレーム分の時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)は予測符号化部2110の線形予測分析部2112に送られ、線形予測分析部2112は、線形予測分析によって1次からP次までのPARCOR係数k(m)(m=1,2,...,P)を算出する。
なお、線形予測分析とは、ある時点nの時系列信号x(n)と、その時点nよりも過去のP個(Pを「予測次数」と呼ぶ)の時点n-1,n-2,...,n-Pの時系列信号x(n-1),x(n-2),...,x(n-P)をそれぞれ係数α(m)(m=1,...,P)(「線形予測係数」と呼ぶ)で重み付けしたものと、予測残差e(n)(「予測誤差」と呼ぶ場合もある)と間に線形1次結合が成り立つと仮定した下式に示す線形予測モデルを定め、入力された時系列信号x(n)に対し、予測残差e(n)のエネルギーを最小化する線形予測係数α(m)又はそれに変換可能なPARCOR係数k(m)などの係数を算出する処理を意味する。
e(n)=x(n)+α(1)・x(n-1)+α(2)・x(n-2)+...+α(P)・x(n-P)
線形予測分析の具体例としては、レビンソン・ダービン(Levinson-Durbin)法やバーグ(Burg)法などの逐次的方法や、自己相関法や共分散法のように予測次数ごとに連立方程式(予測残差を最小にする線形予測係数を解とする連立方程式)を解く方法などがある。
また、ある時点nの時系列信号y(n)を、その時点nよりも過去のP個の時点n-1,n-2,...,n-Pの時系列信号x(n-1),x(n-2),...,x(n-P)を用いて推定する下式の線形FIR(Finite Impulse Response)フィルタを「線形予測フィルタ」と呼ぶ。
y(n)=-{α(1)・x(n-1)+α(2)・x(n-2)+...+α(P)・x(n-P)}
算出されたPARCOR係数k(m)は、量子化部2113に送られ、量子化されて量子化PARCOR係数i(m)が生成される。量子化PARCOR係数i(m)は、係数符号化部2114に送られ、そこで可変長符号化される。また、量子化PARCOR係数i(m)は、線形予測係数変換部2115にも送られ、線形予測係数変換部2115は、これらを用いて線形予測係数α(m)(m=1,2,...,P)を算出する。線形予測部2016は、1フレーム分の時系列信号x(n)と各線形予測係数α(m)とを用い、線形予測フィルタによって線形予測値y(n)を生成し、減算部2117は、時系列信号x(n)から線形予測値y(n)を減算した予測残差(「予測誤差」と呼ぶ場合もある)e(n)を算出する(予測フィルタ処理)。
算出された予測残差e(n)は所定の範囲の整数で表現された値であり、残差符号化部2120は、当該整数表現された予測残差e(n)をゴロム・ライス符号化(Golomb-Rice Coding)する。ゴロム・ライス符号化では、まず、ライスパラメータ計算部2121が、入力された予測残差e(n)を用い、整数であるライスパラメータsを生成する。ライスパラメータsの最適値は、入力された予測残差e(n)の振幅に依存する。このライスパラメータsは、フレームごとに生成されてもよいし、フレームをさらに複数に区分した各時間区間であるサブフレームごとに生成されてもよい。
次に、ゴロム・ライス符号化部2122の分離演算部2122aに予測残差e(n)とライスパラメータsとが入力され、分離演算部2122aは、これらを用いた所定の除算によって、整数の商q(n)とその剰余を特定する情報sub(n)とを算出する。この除算は、基本的には予測残差e(n)を2sで割る演算である。しかし、正負が存在する予測残差e(n)を区別して取り扱う必要性や符号長削減等の観点から、単なる予測残差e(n)を2sで割る演算から多少の変更が加えられる場合もある。なお、法数が2のべき乗であり、被除数が2進数表現された整数である場合、割り算は被除数の下位ビットを削る処理となり、商は被除数の上位ビットとなり、剰余は下位ビットとなる。
次に、アルファ符号化部2122bが、この商q(n)をアルファ符号(「一進法符号」、「単進符号」、「unary符合」と呼ぶ場合もある)化し、情報prefix(n)を生成する。生成された情報prefix(n)と情報sub(n)とは合成部2122cに入力され、合成部2122cは、それらのビット結合値prefix(n)|sub(n)を予測残差e(n)に対応する符号Ceとして出力する。また、残差符号化部2120は、この符号Ceとともにライスパラメータsを特定するための符号Ccを出力する。すなわち、フレームごとにライスパラメータsが生成された場合には、サブフレーム分割をしないことを示す情報と、ライスパラメータsとを含む符号Ccが出力される。また、サブフレームごとにライスパラメータsが生成された場合には、サブフレーム分割を行うことを示す情報と、先頭のサブフレームに対して生成されたライスパラメータsと、サブフレーム数を指定する情報と、サブフレーム間の差分をそれぞれゴロム・ライス符号化した符号Cdとを含む符号Ccが出力される。
予測符号化部2110で生成された符号Ckと残差符号化部2120で生成された符号Ce及びCcとは合成部2130に送られ、そこで合成されて符号Cgが生成される。
<復号方法>
復号装置2200に入力された符号Cgは、分離部2210で符号Ckと符号Ceと符号Ccとに分離され、符号Ckは予測復号部2230に入力され、符号Ce及び符号Ccは残差復号部2220に入力される。
残差復号部2220は、入力された符号Ccからライスパラメータsを得る。例えば、符号Ccが、前述のサブフレーム分割を行うことを示す情報を含む場合には、ライスパラメータ復元部2222が、サブフレーム数を指定する情報と、先頭のサブフレームに対して生成されたライスパラメータsと、サブフレーム間の差分をゴロム・ライス符号化した符号Cdとを用い、2番目以降のサブフレームのライスパラメータsを復元することで各サブフレームのライスパラメータsが得られる。また、例えば、符号Ccが前述のサブフレーム分割を行わないことを示す情報を含む場合には、符号Ccが含むライスパラメータsがそのフレームのライスパラメータsである。
また、残差復号部2220のゴロム・ライス復号部2221は、入力された符号Ceを情報prefix(n)と情報sub(n)とに分離する。分離された情報prefix(n)は、アルファ復号部2221cで復号されて商q(n)が生成される。そして、合成演算部2221bに情報sub(n)と商q(n)とライスパラメータsとが入力され、合成演算部2221bはこれらを用いて予測残差e(n)を復号する。
一方、予測復号部2230に入力された符号Ckは、係数復号部2231で復号されて量子化PARCOR係数i(m)が生成される。量子化PARCOR係数i(m)は線形予測係数変換部2232に送られ、線形予測係数変換部2232は、これらを用いて予測次数Mの線形予測フィルタの各線形予測係数α(m)を算出する。線形予測部2233は、算出された各線形予測係数α(m)と過去に加算部2234から出力された時系列信号x(n)とを用い、線形予測フィルタによって線形予測値y(n)を生成し、加算部2234は、線形予測値y(n)と残差復号部2220で復号された予測残差e(n)とを加算して時系列信号x(n)を生成する(逆予測フィルタ処理)。
MatHans, "Lossless Compression of Digital Audio", IEEE SIGNAL PROCESSING MAGAZINE, July 2001, pp.21-32. ISO/IEC 14496-3 AMENDMENT 2: Audio Lossless Cording (ALS), new audio profiles and BSAC extensions.
予測残差を可変長符号化するために必要な情報の設定を或る時間区間ごとに行う場合、それらの連続する時間区間での当該設定情報間の統計的性質を利用することで、当該設定情報の符号化圧縮率の向上を期待できる。
例えば、従来の符号化方法では、予測残差をゴロム・ライス符号化するためのライスパラメータをサブフレーム単位で設定する場合、上述のように、先頭のサブフレームに対して生成されたライスパラメータsと、それと2番目以降のサブフレームに対して生成されたライスパラメータとの差分をゴロム・ライス符号化した符号Cdとを含む符号Ccを生成する。これにより、各サブフレームのライスパラメータをそのまま符号Ccに含める場合に比べ、符号化圧縮率を向上させることができる。しかし、この場合でも、整数値符号で考えると各符号Cdのビット長は必ず1ビット以上となる。
また、例えば、ゴロム・ライス符号化の変形方法として、前述の商をアルファ符号化する代わりに、当該商を他の方法で可変長符号化する方法(非公知)も想定できる。この場合、符号化装置は、当該商の可変長符号化方法を指定する符号を符号Ccに含めなければならない。この場合も、商の可変長符号化方法をサブフレームごとに設定する場合に、連続するサブフレーム間で設定された可変長符号化方法の統計的性質を利用することで符号化圧縮率を改善できる余地がある。
なお、このゴロム・ライス符号化の変形方法の場合、ライスパラメータの代わりに別のパラメータを用いた方が符号化圧縮率を向上できる場合もある(非公知)。そこで、上述の商を算出するための法数を特定するパラメータを総称して「分離パラメータ」と呼ぶことにする。
また、連続する時間区間での設定情報間の統計的性質を利用できるのは、連続する時間区間がサブフレームである場合のみではなく、連続する時間区間がフレームその他の時間区間である場合も同様である。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、予測残差を可変長符号化するために設定された情報の符号化圧縮率を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の第1態様では、予め定められた時間区間ごとに整数の分離パラメータを設定し、予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数を被除数とし、当該予測残差が属する時間区間に対して設定された分離パラメータに依存する整数を法数とした除算によって得られる整数の商を特定する第1情報と、被除数の法数に関する剰余を特定する第2情報とを含む情報を、予測残差に対応する符号として生成し、複数の連続する時間区間に対してそれぞれ設定された分離パラメータを統合したパラメータ統合情報を可変長符号化し、当該パラメータ統合情報に対応する符号を生成する。このパラメータ統合情報に対応する符号を生成は、互いの差が或る値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合が、互いの差が当該値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合よりも多い可変長符号化方法によって、パラメータ統合情報を可変長符号化して行われる。
一般に、連続する時間区間の間では予測残差の平均振幅は大きく変化しないことが多い。よって、連続する時間区間の間での各分離パラメータの差は小さくなることが多い。そのため、複数の連続する時間区間に対してそれぞれ設定された分離パラメータを統合したパラメータ統合情報を上記のように可変長符号化することで、符号化圧縮率を向上させることができる。
また、本発明の第2態様では、予め定められた時間区間ごとに前記予測残差の平均振幅に依存する整数の分離パラメータを設定し、予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数を被除数とし、当該予測残差が属する前記時間区間に対して設定された分離パラメータに依存する整数を法数とした除算によって得られる整数の商を求め、時間区間での商の頻度分布に依存する、当該商を可変長符号化するための第1可変長符号化方法を時間区間ごとに選択し、商に対応する予測残差が属する時間区間に対して設定された第1可変長符号化方法を用い、当該商を可変長符号化して第1情報を生成し、被除数の法数に関する剰余を特定する第2情報を生成し、第1情報と第2情報を含む情報を、予測残差に対応する符号として生成し、複数の連続する時間区間に対してそれぞれ設定された第1可変長符号化方法をそれぞれ示すインデックスを統合したインデックス統合情報を、第2可変長符号化方法によって可変長符号化し、当該パラメータ統合情報に対応する符号を生成する。この第2可変長符号化方法は、互いに異なる第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合が、互いに異なる第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合よりも多い符号化方法である。
一般に、連続する時間区間の間では予測残差の平均振幅は大きく変化しないことが多い。よって、連続する時間区間の間での各分離パラメータの差は小さくなることが多く、連続する時間区間の間での各商の頻度分布も近くなることが多い。そのため、連続する時間区間において互いに近い第1可変長符号化方法が設定されることが多い。以上より、複数の連続する時間区間に対してそれぞれ設定された第1可変長符号化方法をそれぞれ示すインデックスを統合したインデックス統合情報を上記のように可変長符号化することで、符号化圧縮率を向上させることができる。
以上のように本発明では、予測残差を可変長符号化するために設定された情報の符号化圧縮率を向上させることができる。
従来における可逆圧縮符号化方式の符号化装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図1に示す残差符号化部の機能構成を説明するためのブロック図。 従来における可逆圧縮符号化方式の復号装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図3に示す残差復号部の機能構成を説明するためのブロック図。 第1実施形態の符号化装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図5に示した残差符号化部の機能構成を説明するためのブロック図。 第1実施形態の復号装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図7に示した残差復号部の機能構成を説明するためのブロック図。 残差符号化部の符号表格納部及び残差復号部の符号表格納部に格納される符号表T[h(i),s(i)]と分離パラメータs(i)及びインデックスh(i)との対応関係を例示するための対応表。 (A)〜(C)は、図9の対応表の符号表T[h(i),s(i)]を例示するための図である。 (A)は、サブフレーム分割数I=2の場合の分離パラメータs(0)とs(1)との組み合わせの頻度分布を例示するための図である。(B)は、サブフレーム分割数I=2の場合のインデックスh(0)とh(1)との組み合わせの頻度分布を例示するための図である。 (A)は、残差符号化部の可変長符号化部が行う可変長符号化、及び残差復号部の可変長復号部が行う復号方法に対応する符号表の例示である。(B)は、残差符号化部の可変長符号化部が行う可変長符号化、及び残差復号部の可変長復号部が行う復号方法に対応する符号表の例示である。 第1実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャート。 (A)は、図13のステップS20の詳細を例示するためのフローチャートである。(B)は、図13のステップS30の詳細を例示するためのフローチャートである。 第1実施形態の復号方法を説明するためのフローチャート。 ステップS160の詳細を例示するためのフローチャート。 (A)は、ステップS330の処理を説明するためのフローチャートである。(B)は、ステップS460の処理を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態の残差符号化部の機能構成を説明するためのブロック図。 第2実施形態の残差復号部の機能構成を説明するためのブロック図。 第2実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャート。 第2実施形態の復号方法を説明するためのフローチャート。 第3実施形態の残差符号化部の機能構成を説明するためのブロック図。 第3実施形態の残差復号部の機能構成を説明するためのブロック図。 第3実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャート。 第3実施形態の復号方法を説明するためのフローチャート。
以下では、本発明の原理を説明した後、各実施形態の説明を行っていく。
〔原理1〕
通常、音響信号、映像情報、生体信号、地震波信号などの時系列信号の統計的性質が時間経過に従って急激に変化することは稀である。例えば、時系列信号が定常信号であればその統計的性質は一定であり、時系列信号が非定常信号であったとしてもその時間経過に伴う統計的性質の変化は滑らかである。そのため、フレームやサブフレームなどの予め定められた時間区間ごとに当該時系列信号を予測分析(線形予測分析、長期予測分析、マルチチャネル予測分析など)して得られた予測残差の統計的性質も、連続する時間区間では似通ったものとなる場合が多い。本形態では、このことを利用して符号化圧縮率を向上させる。以下、この原理を説明する。
本形態では、時系列信号を予測分析した結果に基づいて生成される整数表現された予測残差を符号化する。この予測残差の符号化方法は、(A) 予め定められた時間区間ごとに予測残差の平均振幅に依存する整数の分離パラメータを設定するステップと、(B) 予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数を被除数とし、当該予測残差が属する時間区間に対して設定された分離パラメータに依存する整数を法数とした除算によって得られる整数の商を特定する第1情報と、被除数の法数に関する剰余を特定する第2情報と、を含む情報を、予測残差に対応する符号として生成するステップと、(C) 複数の連続する時間区間に対してそれぞれ設定された分離パラメータを統合したパラメータ統合情報を可変長符号化し、当該パラメータ統合情報に対応する符号を生成するステップとを有する。
ここで、ステップ(B)の除算によって得られる商は、法数が大きくなるほど小さくなって0付近に偏り、法数が小さくなるほど被除数の大きさに依存する範囲に広く分布する。一方、その商に対応する残余は、法数が小さいほど偏りが大きくなって小さな値に偏って分布し、法数が大きいほど偏りが小さくなって広い範囲に分布する。つまり、法数が大きいほど、商を特定する第1情報の情報量を小さくすることができるが、剰余を特定する第2情報の情報量が大きくなってしまう傾向がある。予測残差の符号の符号量を小さくするためには、予測残差の振幅に応じて適切な法数を用いなければならず、言い換えると、予測残差の振幅に応じて適切な分離パラメータを用いなければならない。すなわち、最適な分離パラメータは、予測残差の符号化処理単位となるフレームやサブフレームなどの予め定められた時間区間における予測残差の符号の総符号量を最小化するものである。なお、値の最小化とは、当該値を厳密な意味で最小にすることのみならず、当該値を最小であると近似できる値にすることや、当該値を予め定められた閾値以下若しくは未満とすることをも含む概念である。分離パラメータの例は、ゴロム・ライス符号におけるライスパラメータやその写像値である。また、ライスパラメータの写像値の一例は、ライスパラメータと正又は負の整数定数との和である。また、商の符号化方法としてアルファ符号化以外をも許す場合にはその自由度の拡大を考慮し、ライスパラメータと負の整数定数(例えば「−1」)との和を分離パラメータすることが望ましい。
このような分離パラメータは、処理単位であるフレームやサブフレームなどの時間区間での予測残差の平均振幅に依存する。そして、連続する時間区間において予測残差の統計的性質が急激に変化することは稀であるのだから、連続する時間区間での各分離パラメータは似通った値となることが多い。
本形態ではこの性質を利用し、複数の連続する時間区間に対してそれぞれ設定された分離パラメータを統合したパラメータ統合情報を可変長符号化する。すなわち、ステップ(C)では、互いの差が或る値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合が、互いの差が当該値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合よりも多い可変長符号化方法によって、パラメータ統合情報を可変長符号化する。このような可変長符号化により、連続する時間区間での各分離パラメータが似通ったものとなる場合に、パラメータ統合情報に対応する符号の平均符号長を短くでき、分離パラメータの符号化圧縮率を向上させることができる。なお、このような可変長符号化方法の一例は、互いの差が或る値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い可変長符号化方法である。また、ここでの「或る値」の例は0や1や2などであるが、「或る値」が0である場合、このような可変長符号化方法は、同一の値の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、異なる値の分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合が、同一の値の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、異なる値の分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合よりも多い符号化方法と表現できる。このような可変長符号化方法の一例は、同一の値の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、異なる値の分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い可変長符号化方法である。また、ステップ(C)の可変長符号化を具体的に実現するための符号化方法の例は、ハフマン符号化(Huffman Coding)、算術符号、ゴロム・ライス符号化、ゴロム符号化(Golomb Coding)、及びその他のエントロピー符号化などである。また、1つのパラメータ統合情報に統合される分離パラメータの一例は、2つの連続する時間区間に対してそれぞれ設定された分離パラメータであるが、本発明はこれに限定されない。
<ライスパラメータでの例>
以上のことを、分離パラメータがゴロム・ライス符号化のライスパラメータである場合について説明する。
[ゴロム・ライス符号化]
ゴロム・ライス符号化では、例えば、以下のように予測残差の符号を生成する。なお、ゴロム・ライス符号化では、フレームごとにライスパラメータを設定してもよいし、サブフレームごとにライスパラメータを設定してもよいが、以下ではサブフレームごとにライスパラメータを設定する例を説明する。また、以下において、e(n)は予測残差であり、q(n)は整数の商であり、prefix(n)は商を可変長符号化した第1情報であり、sub(n)は剰余を特定する第2情報であり、s(i)は各サブフレームi(i=0,...,I-1)での分離パラメータ(この例ではライスパラメータ)であり、Iは1つのフレームに属するサブフレーム数、言い換えると、1つのフレームのサブフレーム分割数であり、floor(x)はx以下の最大の整数である。
分離パラメータs(i)>0の場合、ステップ(B)では以下のように商q(n)を生成する。
q(n)=floor(e(n)/2s(i)−1) (for e(n)≧0) …(1)
q(n)=floor{(−e(n)−1)/2s(i)−1} (for e(n)<0) …(2)
一方、分離パラメータs(i)=0の場合、ステップ(B)では以下のように商q(n)を生成する。
q(n)=2・e(n) (for e(n)≧0) …(3)
q(n)=−2・e(n)−1 (for e(n)<0) …(4)
また、分離パラメータs(i)>0の場合、ステップ(B)で使用される剰余を特定する第2情報sub(n)は以下のように特定される。
sub(n)=e(n)−2s(i)−1・q(n)+2s(i)−1 (for e(n)≧0) …(5)
sub(n)=(−e(n)−1)−2s(i)−1・q(n) (for e(n)<0) …(6)
一方、分離パラメータs(i)=0の場合、剰余を特定する第2情報sub(n)は存在しない(sub(n)=null)。
[分離パラメータs(i)の生成方法]
予め定められた時間区間の予測残差e(n)に対応する符号の総符号量を最小化する整数が分離パラメータとなる。ここでは、サブフレームiごとに分離パラメータs(i)を設定する例を説明する。
式(1)〜(4)を共通化して商q(n)を表現すると以下の式となる。ただし、|・|は・の絶対値を示す。
q(n)=floor{(2・|e(n)|−z)/2s(i)} (z=0 or 1 or 2) …(7)
ゴロム・ライス符号化の場合、prefix(n)は商q(n)をアルファ符号化した符号であり、その符号長は、式(7)を用いて以下のように表現できる。
floor{(2・|e(n)|−z)/2s(i)}+1 …(8)
また、ゴロム・ライス符号化の場合、式(5)(6)の剰余を特定する第2情報sub(n)はs(i)ビットで表現される。よって、サブフレームiのサンプル数をN(i)とし、サブフレームiの先頭離散時間をn(i)とすると、1サブフレーム当たりのゴロム・ライス符号の符号長C(s(i),e(n),N(i))の符号長は、以下のように表現できる。
Figure 0004918103
ここでfloor{(2・|e(n)|-z)/2s(i)}={(2・|e(n)|-z)/2s(i)と近似すると、式(9)は以下のように近似できる。
Figure 0004918103
そして、式(10)のs(i)についての偏微分結果が0となるs(i)を求めると以下のようになる。なお、このs(i)はサブフレームiにおける予測残差e(n)に対応する符号の総符号量を最小化する値である。
s(i)=log2{ln2・(2・D(i)/N(i)-z)} …(11)
ここで、D(i)/N(i)がzよりも十分大きいならば以下の式が近似できる。
s(i)=log2{ln2・(2・D(i)/N(i))} …(12)
式(12)で得られる値s(i)は整数化されていない連続値であるため、式(12)で得られる値s(i)を整数に量子化した値を分離パラメータs(i)とする。
このように、分離パラメータs(i)は、サブフレームiでの予測残差e(n)の平均振幅D(i)/N(i)に依存する値となる。そして、連続する各サブフレームiにおいて予測残差e(n)の統計的性質が急激に変化することは稀であるのだから、連続する各サブフレームiでの各分離パラメータs(i)は似通った値となることが多い。そのため、連続する各サブフレームiでの各分離パラメータs(i)を統合したパラメータ統合情報Sを上記のように可変長符号化することで、分離パラメータの符号化圧縮率を向上させることができる。なお、サブフレームiごとに分離パラメータs(i)を設定する場合のパラメータ統合情報Sの一例は、1フレーム中のすべての分離パラメータs(i)を統合したS=[s(0),...,s(I-1)]であるが、これは本発明を限定するものではなく、1フレーム中の一部の分離パラメータs(i)を統合した情報を1つのパラメータ統合情報Sとしてもよい。
〔原理2〕
上記の原理1に加えて以下の原理2を採用して分離パラメータの符号化圧縮率を向上させてもよい。
ゴロム・ライス符号化方法では、前述のように算出された整数の商q(n)(例えば、式(1)〜(4)で例示した商q(n))をアルファ符号化し、予測残差e(n)に対応する符号の一部である情報prefix(n)を生成する。ここで、当該整数の商q(n)がラプラス(Laplace)分布に従うのであれば、整数の商q(n)をアルファ符号に符号化することは最適な可変長符号化であるといえる。しかし、当該整数の商q(n)の分布がラプラス分布に従わない場合、他の可変長符号化の方が符号化圧縮率を向上できる場合がある。そのため、原理2では、整数の商q(n)の可変長符号化するための符号化方法を複数用意しておき、そこから最適な符号化方法を選択して符号化を行う。すなわち、第1情報は、商q(n)を可変長符号化した符号であり、ステップ(B)は、(B-1) 商q(n)を求めるステップと、(B-2) 或る時間区間での商q(n)の頻度分布に依存する、当該商q(n)を可変長符号化するための可変長符号化方法を当該時間区間ごとに選択するステップと、(B-3) 商q(n)に対応する予測残差が属する時間区間に対して設定された可変長符号化方法を用い、当該商q(n)を可変長符号化して第1情報を生成するステップとを含む。なお、ステップ(B-2)の「時間区間」は、予測残差の符号化処理単位であるフレームやサブフレームなどの時間区間である。また、商q(n)を可変長符号化するための符号化方法の例は、アルファ符号化、デルタ符号化、ハフマン符号化、ゴロム・ライス符号化、ゴロム符号化、及びその他のエントロピー符号化である。例えば、整数の商q(n)をハフマン符号化するための複数のハフマン表を用意しておき、そこから最適なハフマン表を選択して符号化を行う。このハフマン表にはアルファ符号と同一の符号化を行うための符号表が含まれていてもよい。また、アルファ符号化方法やデルタ符号化方法のような符号表を用いることなく計算可能な符号化方法を選択可能とする場合には、符号表を選択するのではなく、符号化関数を選択する構成であってもよい。
本形態ではさらに、(D) 複数の連続する時間区間に対してそれぞれ設定された可変長符号化方法をそれぞれ示すインデックスを統合したインデックス統合情報を可変長符号化し、当該インデックス統合情報に対応する符号を生成するステップが実行される。
前述のように、連続する時間区間の間では予測残差の平均振幅は大きく変化しないことが多く、各商の頻度分布も近くなることが多い。そのため、連続する時間区間では、ステップ(B-2)において互いに近い可変長符号化方法が設定されることが多い。よって、ステップ(D)では、互いに異なる可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合が、互いに異なる可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合よりも多い可変長符号化方法によって、パラメータ統合情報を可変長符号化することが望ましい。これにより、符号化圧縮率を向上させることができる。また、このような可変長符号化方法の一例は、互いに異なる可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い可変長符号化方法である。また、同一の値のインデックスを統合したインデックス統合情報に対応する符号の符号長が、異なる値のインデックスを統合したインデックス統合情報に対応する符号の符号長よりも長い場合が、同一の値のインデックスを統合したインデックス統合情報に対応する符号の符号長が、異なる値のインデックスを統合したインデックス統合情報に対応する符号の符号長よりも短い場合よりも多い可変長符号化方法であってもよい。さらに、同一の値のインデックスを統合したインデックス統合情報に対応する符号の符号長が、異なる値のインデックスを統合したインデックス統合情報に対応する符号の符号長よりも長い可変長符号化方法であってもよい。
なお、2つの可変長符号化方法間の距離は、例えば、以下のように定義できる。
可変長符号化方法Uで符号化対象値kに割り当てられる符号のビット長をbu(k)とし、可変長符号化方法Xで符号化対象値kに割り当てられる符号のビット長をbx(k)とする。そして、各可変長符号化方法U,Xについて、符号化対象値kの頻度をfu(k)=0.5bu(k)及びfx(k)=0.5bx(k)と近似する。そして、 (bu(k)−bx(k))(fu(k)−fx(k))の各kについての総和
E=Σ(bu(k)−bx(k))(fu(k)−fx(k)) …(13)
を可変長符号化方法Uと可変長符号化方法Xとの距離と定義する。この距離Eが小さいほど、可変長符号化方法Uと可変長符号化方法Xとは近く、類似する。
以上のように、上記の原理1に加えて以下の原理2を採用することで、分離パラメータの符号化圧縮率をより向上させることができる。しかし、原理2のみを採用して分離パラメータの符号化圧縮率を向上させることとしてもよい。すなわち、パラメータ統合情報の可変長符号化を行わず、インデックス統合情報の可変長符号化のみを行ってもよい。
〔第1実施形態〕
次に、本発明の第1実施形態を説明する。なお、本形態では、予測残差の符号化の処理単位である時間区間をサブフレームとし、サブフレーム分割数Iを2とした例を説明するが、これは本発明を限定するものではない。
<構成>
図5は、第1実施形態の符号化装置100の機能構成を説明するためのブロック図であり、図6は、図5に示した残差符号化部120の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図7は、第1実施形態の復号装置200の機能構成を説明するためのブロック図であり、図8は、図7に示した残差復号部220の機能構成を説明するためのブロック図である。なお、これらの図において図1から図4と同じ構成については、図1から図4と同じ符号を用い、説明を省略する。
図5に示すように、本形態の符号化装置100は、予測符号化部2110、残差符号化部120、及び合成部1130を有する。また、図6に示すように、残差符号化部120は、分離パラメータ生成部121、符号化部122、及び可変長符号化部123,124を有する。また、分離パラメータ生成部121は、パラメータ演算部121a、及び量子化部121bを有し、符号化部122は、分離演算部2122a、合成部2122c、ハフマン符号化部122b、符号表選択部122d、及び符号表格納部122eを有する。
また、図7に示すように、本形態の復号装置200は、分離部1210、残差復号部220、及び予測復号部2230を有する。また、図8に示すように、残差復号部220は、復号部221、及び可変長復号部222,223を有する。また、復号部221は、分離部2221a、合成演算部2221b、ハフマン復号部221c、及び符号表格納部221eを有する。
なお、本形態の符号化装置100や復号装置200は、例えば、CPU(central processing unit)、RAM(random-access memory)、ROM(read-only memory)等を備えた公知のコンピュータに所定のプログラムが読み込まれ、CPUがそれを実行することによって構成される。すなわち、フレームバッファ2111、及び符号表格納部122e,221eは、例えば、RAM、キャッシュメモリ、レジスタ等のメモリであり、その他の各処理部は、例えば、CPUが所定のプログラムを実行することで構築される処理部である。また、これらの処理部の少なくとも一部が集積回路等の電子回路によって構成されてもよい。さらに、必要に応じ、符号化装置100や復号装置200に、各処理部の処理によって出力されたデータを格納し、各処理部の別の処理時にデータが読み出される一時メモリを設けてもよい。また、このような各処理部の実現方法は、以下の各実施形態やその変形例でも同様である。
<前処理>
図9は、残差符号化部120の符号表格納部122e及び残差復号部220の符号表格納部221eに格納される符号表T[h(i),s(i)]と分離パラメータs(i)及びインデックスh(i)との対応関係を例示するための対応表である。なお、分離パラメータs(i)は、サブフレームiで選択された分離パラメータを意味し、インデックスh(i)は、サブフレームiで選択された可変長符号化方法を示すインデックスを意味する。また、図10(A)〜(C)は、図9の対応表の符号表T[h(i),s(i)]を例示するための図である。これらの符号表T[h(i),s(i)]では、符号化対象である入力値と、それに対応する符号と、その符号のビット数とが対応付けられている。また、図11(A)は、サブフレーム分割数I=2の場合の分離パラメータs(0)とs(1)との組み合わせの頻度分布を例示するための図である。また、図11(B)は、サブフレーム分割数I=2の場合のインデックスh(0)とh(1)との組み合わせの頻度分布を例示するための図である。ここで、◎は選択される頻度が最も高いことを示し、○はその次に選択される頻度が高いことを示し、△はそれよりも選択される頻度が低いことを示している。また、図12(A)は、残差符号化部120の可変長符号化部123が行う可変長符号化、及び残差復号部220の可変長復号部222が行う復号方法に対応する符号表の例示である。また、図12(B)は、残差符号化部120の可変長符号化部124が行う可変長符号化、及び残差復号部220の可変長復号部223が行う復号方法に対応する符号表の例示である。
符号化処理や復号処理の前処理として、残差符号化部120(図6)の符号表格納部122e及び残差復号部220(図8)の符号表格納部221eに、商q(n)を符号化するための複数の可変長符号化方法をそれぞれ示す符号表T[h(i),s(i)]が格納される。符号表T[h(i),s(i)]は各分離パラメータs(i)に対してM(s(i))(M(s(i))は1以上の整数)個ずつ設定され、各符号表T[h(i),s(i)]にはそれぞれを特定するためのインデックスh(i)が付されている。このインデックスh(i)は符号表T[h(i),s(i)]ごとに異なるものであってもよいが、本形態の符号表T[h(i),s(i)]は分離パラメータs(i)ごとに設定されるため、分離パラメータs(i)が同一の異なる符号表T[h(i),s(i)]に対して異なるインデックスh(i)を割り当てれば足りる。そのため、本形態では、分離パラメータs(i)とインデックスh(i)との組み合わせで各符号表T[h(i),s(i)]が特定されるものとする。図9は、M(s(i))=4の場合の例であり、各分離パラメータs(i)に対して4個ずつの符号表T[h(i),s(i)](インデックスh(i)=0〜3)が設定されている。各符号表T[h(i),s(i)]は、分離パラメータs(i)とインデックスh(i)との組に対応付けられ、分離パラメータs(i)とインデックスh(i)の組を指定することによって1つの符号表T[h(i),s(i)]が特定される。なお、符号表格納部122eにおいて分離パラメータs(i)とインデックスh(i)との組によって特定される符号表T[h(i),s(i)]は、符号表格納部221eにおいて当該分離パラメータs(i)とインデックスh(i)との組によって特定される符号表T[h(i),s(i)]と同一である。
また、符号表格納部122eや符号表格納部221eに格納される符号表T[h(i),s(i)]の一例は、ハフマン符号化のためのハフマン表であり、これにはアルファ符号化と同一の符号化を行うためのハフマン表が含まれてもよい。例えば、図10の例では、符号表T[0,3]として、アルファ符号と同一の符号化を行うためのハフマン表が設定され(図10(A))、符号表T[1,3]及び符号表T[2,3]として、アルファ符号と異なるハフマン符号化を行うためのハフマン表が設定されている(図10(B)(C))。
図11(A)は、サブフレーム分割数I=2の場合の分離パラメータs(0)とs(1)との組み合わせの頻度分布を例示している。図11(A)に例示するように、分離パラメータs(0)とs(1)との差は小さくなる傾向が高く、図11(A)の対角要素の頻度が高くなる。また、図11(B)は、サブフレーム分割数I=2の場合のインデックスh(0)とh(1)との組み合わせの頻度分布を例示している。図11(B)に例示するように、インデックスh(0)とh(1)との差は小さくなる傾向が高く、図11(B)の対角要素の頻度が高くなる。分離パラメータs(0),s(1)を統合したパラメータ統合情報S=[s(0),s(1)]の頻度分布は事前学習され、パラメータ統合情報Sの頻度分布に応じ、パラメータ統合情報Sを符号化するために最適な可変長符号化方法の符号表(図12(A)に例示)が可変長符号化部123と可変長復号部222とに設定される。図12(A)の例では、パラメータ統合情報Sとそれに割り当てられた符号とが一対一で対応付けられている。
なお、パラメータ統合情報Sを符号化するために最適な可変長符号化方法とは、互いの差が或る値以下の分離パラメータs(0),s(1)のみを統合したパラメータ統合情報Sに割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータs(0),s(1)を統合したパラメータ統合情報Sに割り当てられる符号の符号長よりも短い場合が、その逆の場合よりも多い可変長符号化方法である。その一例は、同一の値の分離パラメータs(0),s(1)のみを統合したパラメータ統合情報Sに割り当てられる符号の符号長が、異なる値の分離パラメータs(0),s(1)を統合したパラメータ統合情報Sに割り当てられる符号の符号長よりも短い場合が、その逆の場合よりも多い可変長符号化方法である。
また、インデックスh(0),h(1)を統合したインデックス統合情報H=[h(0),h(1)]の頻度分布は事前学習され、インデックス統合情報Hを符号化するために最適な可変長符号化方法の符号表(図12(B)に例示)が可変長符号化部124と可変長復号部223とに設定される。図12(B)の例では、インデックス統合情報Hとそれに割り当てられた符号とが一対一で対応付けられている。
なお、インデックス統合情報Hを符号化するために最適な可変長符号化方法とは、互いに異なる可変長符号化方法に対応するインデックスh(0),h(1)を統合したインデックス統合情報Hに割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い可変長符号化方法に対応するインデックスh(0),h(1)を統合したインデックス統合情報Hに割り当てられる符号の符号長よりも長い場合が、その逆の場合よりも多い可変長符号化方法である。その一例は、同一の値のインデックスh(0),h(1)を統合したインデックス統合情報Hに対応する符号の符号長が、異なる値のインデックスh(0),h(1)を統合したインデックス統合情報に対応する符号の符号長よりも長い場合が、その逆の場合よりも多い可変長符号化方法である。なお、可変長符号化方法間の距離は、例えば前述の式(13)で定義される。
<符号化方法>
図13は、第1実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。また、図14(A)は、図13のステップS20の詳細を例示するためのフローチャートであり、図14(B)は、図13のステップS30の詳細を例示するためのフローチャートである。以下、これらの図を用いて本形態の符号化方法を説明する。
符号化装置100(図5)の予測符号化部2110には、標本化・量子化されたPCM形式の時系列信号x(n)が入力される。これらの時系列信号x(n)は、線形量子化(「一様量子化」と呼ぶ場合もある)されたものであってもよいし、圧伸量子化(例えば、ITU-T Recommendation G.711, “Pulse Code Modulation (PCM) of Voice Frequencies”参照)のような非線形量子化(「非一様量子化」と呼ぶ場合もある)されたものであってもよい。また、時系列信号x(n)がPCM形式の信号ではなく、量子化されていない信号であってもよい。予測符号化部2110は、前述したようにフレームごとに時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)を線形予測分析し、その線形予測分析結果に基づいて 、PARCOR係数に対応する符号Ckと予測残差e(n)とを生成して出力する(ステップS10)。なお、予測符号化部2110は、入力された時系列信号x(n)をそのまま線形予測分析する構成であってもよいし、非線形量子化されて入力された時系列信号x(n)を線形量子化や他の非線形量子化にマッピングしてから線形予測分析を行う構成であってもよい。
予測符号化部2110から出力された予測残差e(n)は残差符号化部120に入力される。なお、残差符号化部120に入力される予測残差e(n)は整数表現された値であり、例えば−2から+(2−1)までの整数である。
残差符号化部120(図6)に入力された予測残差e(n)は分離パラメータ生成部121に送られ、分離パラメータ生成部121は、予測残差e(n)の振幅に依存する整数の分離パラメータs(i)をサブフレームiごとに設定する(ステップS20)。
[ステップS20の詳細の例]
本形態では、まず、分離パラメータ生成部121のパラメータ演算部121aが以下の式に従って、予測残差e(n)の振幅の増加に応じて単調増加する連続量パラメータs(i)’をサブフレームiごとに算出して出力する(ステップS21)。
Figure 0004918103
連続量パラメータs(i)’は量子化部121bに入力され、量子化部121bは連続量パラメータs(i)’を整数値に量子化した分離パラメータs(i)を生成して出力する(ステップS22)。なお、この量子化は、例えば、s(i)≦s(i)’<s(i)+1の範囲にある連続量パラメータs(i)’を整数である分離パラメータs(i)に写像する処理である([ステップS20の詳細の例]の説明終わり)。
次に、符号化部122(図6)において、予測残差e(n)又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数を被除数とし、当該予測残差e(n)が属する時間区間に対して設定された分離パラメータs(i)に依存する整数を法数とした除算によって得られる整数の商q(n)を特定する第1情報prefix(n)と、被除数の法数に関する剰余を特定する第2情報sub(n)と、を含む予測残差e(n)に対応する符号Ceを生成する(ステップS30〜S60)。
まず、符号化部122の分離演算部2122aに、残差符号化部120に入力された予測残差e(n)と、分離パラメータ生成部121から出力された分離パラメータs(i)とが入力される。なお、この分離パラメータs(i)は、入力された予測残差e(n)が属するサブフレームiに対して設定されたものである。分離演算部2122aは、これらを用い、予測残差e(n)又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数を被除数とし、分離パラメータs(i)に依存する整数を法数とした除算によって得られる整数の商q(n)と、その剰余を特定するための情報sub(n)(「第2情報」に相当)と、を生成する(ステップS30)。
[ステップS30の詳細の例]
この例のステップS30では、各離散時間nについて以下の処理が実行される。
まず、分離演算部2122aは、離散時間nが属するサブフレームiに対応する分離パラメータs(i)が0であるか否かを判定する(ステップS31)。ここで、s(i)=0でなかった場合、分離演算部2122aは、入力された予測残差e(n)が0以上であるか否かを判定し(ステップS32a)、e(n)≧0であると判定された場合、前述の式(1)に従って整数の商q(n)を生成し(ステップS33a)、前述の式(5)に従って剰余を特定するための情報sub(n)を生成して出力する(ステップS34a)。なお、式(1)における「2s(i)−1」が「分離パラメータs(i)に依存する整数(法数)」に相当する。一方、ステップS32aでe(n)≧0でないと判定された場合、分離演算部2122aは、前述の式(2)に従って整数の商q(n)を生成し(ステップS33b)、前述の式(6)に従って剰余を特定するための情報sub(n)を生成して出力する(ステップS34b)。なお、式(2)における「(−e(n)−1)」が「予測残差e(n)の絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数(被除数)」に相当し、「2s(i)−1」が「分離パラメータs(i)に依存する整数(法数)」に相当する。
一方、ステップS31でs(i)=0であると判定された場合、分離演算部2122aは、入力された予測残差e(n)が0以上であるか否かを判定し(ステップS32b)、e(n)≧0であると判定された場合、前述の式(3)に従って商q(n)を生成し(ステップS33c)、sub(n)をnullとして出力する(ステップS34c)。なお、式(3)「q(n)=2・e(n)= 2・e(n)/2s(i)(s(i)=0)」における「2・e(n)」が「予測残差e(n)の絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数(被除数)」に相当し、「2s(i)=1(s(i)=0)」が「分離パラメータs(i)に依存する整数(法数)」に相当する。
一方、ステップS32bでe(n)≧0でないと判定された場合、分離演算部2122aは、前述の式(4)に従って商q(n)を生成し(ステップS33d)、sub(n)をnullとして出力する(ステップS34c)。なお、式(4)「q(n)=−2・e(n)−1= (−2・e(n)−1)/2s(i)(s(i)=0)」における「−2・e(n)−1」が「予測残差e(n)の絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数(被除数)」に相当し、「2s(i)=1(s(i)=0)」が「分離パラメータs(i)に依存する整数(法数)」に相当する([ステップS30の詳細の例]の説明終わり)。
次に、分離演算部2122aから出力された商q(n)と分離パラメータ生成部121から出力された分離パラメータs(i)とが符号表選択部122dに入力され、符号表選択部122dは、これらを用いて商q(n)を可変長符号化するための可変長符号化方法をサブフレームiごとに選択する(ステップS40)。このステップS40でサブフレームiに対して選択されるの可変長符号化方法は、当該サブフレームiでの商q(n)の頻度分布に依存する。例えば、符号表選択部122dは、符号表格納部122eを参照し、入力された分離パラメータs(i)に対応する符号表T[h(i),s(i)]ごとにサブフレームi内の各商q(n)にそれぞれ対応する符号のビット数の総和を求め、その総和が最小となる符号表T[h(i),s(i)]を選択する。例えば、図9の例においてs(i)=2であった場合、符号表選択部122dは、符号表T[0,2],T[1,2],T[2,2],T[3,2]それぞれについて、サブフレームi内の各商q(n)にそれぞれ対応する符号のビット数の総和を求め、その総和が最小となる符号表を符号表T[0,2],T[1,2],T[2,2],T[3,2]から選択する。符号表選択部122dは、サブフレームiごとに選択した可変長符号化方法を特定するためのインデックスh(i)と入力された分離パラメータs(i)とを出力する。
次に、符号表選択部122dから出力された各サブフレームiでのインデックスh(i)及び分離パラメータs(i)と、分離演算部2122aから出力された当該サブフレームiに対応する商q(n)とが、ハフマン符号化部122bに入力される。ハフマン符号化部122bは、このインデックスh(i)及び分離パラメータs(i)を用いて符号表格納部122eを検索し、インデックスh(i)及び分離パラメータs(i)の組に対応する符号表T[h(i),s(i)]を抽出する。そして、ハフマン符号化部122bは、抽出した符号表T[h(i),s(i)]を用いて当該サブフレームiに属する商q(n)を可変長符号化して情報prefix(n)(「第1情報」に相当)を生成する(ステップS50)。
ハフマン符号化部122bから出力された情報prefix(n)と、分離演算部2122aから出力された情報sub(n)とは合成部2122cに入力され、合成部2122cは、情報prefix(n)(「第1情報」に相当)と情報sub(n)(「第2情報」に相当)とを含む符号を、少なくとも一部の予測残差e(n)に対応する符号Ceとして出力する(ステップS60)。例えば、合成部2122cは、sub(n)がnullでない場合には、情報prefix(n)と情報sub(n)とを合成し、それらのビット結合値prefix(n)|sub(n)を符号Ceとして出力するステップを実行し、sub(n)がnullである場合には、情報prefix(n)を符号Ceとして出力するステップを実行する。また、情報prefix(n)や情報sub(n)以外のヘッダ等の付加情報を符号Ceに含めてもよい。
また、符号表選択部122dから出力された各サブフレームiの分離パラメータs(i)は可変長符号化部123に入力され、各サブフレームiのインデックスh(i)は可変長符号化部124に入力される。
可変長符号化部123は、複数の連続するサブフレームiに対してそれぞれ設定された分離パラメータs(i)を統合したパラメータ統合情報S=[s(0),s(1)]を可変長符号化し、当該パラメータ統合情報Sに対応する符号Csを生成する(ステップS70)。なお、ステップS70での可変長符号化は、前述したパラメータ統合情報Sを符号化するために最適な可変長符号化方法によって行われる(図12(A)に例示)。
また、可変長符号化部124は、複数の連続するサブフレームiに対してそれぞれ設定された可変長符号化方法をそれぞれ示すインデックスh(i)を統合したインデックス統合情報H=[h(0),h(1)]を可変長符号化し、当該インデックス統合情報Hに対応する符号Chを生成する(ステップS80)。なお、ステップS80での可変長符号化は、前述したインデックス統合情報Hを符号化するために最適な可変長符号化方法によって行われる(図12(B)に例示)。
以上のように生成されたPARCOR係数に対応する符号Ckと、予測残差e(n)に対応する符号Ceと、パラメータ統合情報Sに対応する符号Csと、インデックス統合情報Hに対応する符号Chは、合成部1130(図5)に入力され、合成部1130は、これらを合成した符号Cgを生成して出力する(ステップS90)。
<復号方法>
図15は、第1実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。また、図16は、ステップS160の詳細を例示するためのフローチャートである。以下、これらの図を用いて本形態の復号方法を説明する。
復号装置200(図7)の分離部1210は、復号装置200に入力された符号Cgを分離し、PARCOR係数に対応する符号Ckと、予測残差e(n)に対応する符号Ceと、パラメータ統合情報Sに対応する符号Csと、インデックス統合情報Hに対応する符号Chとを生成する(ステップS110)。
パラメータ統合情報Sに対応する符号Csは可変長復号部222に入力され、可変長復号部222は、前述のように設定された符号表(例えば、図12(A))を用い、符号Csを復号してパラメータ統合情報S=[s(0),s(1)]を生成し、サブフレームi=0の分離パラメータs(0)と、サブフレームi=1の分離パラメータs(1)とを出力する(ステップS120)。
また、インデックス統合情報Hに対応する符号Chは可変長復号部223に入力され、可変長復号部223は、前述のように設定された符号表(例えば、図12(B))を用い、
符号Chを復号してインデックス統合情報H=[h(0),h(1)]を生成し、サブフレームi=0のインデックスh(0)と、サブフレームi=1のインデックスh(1)とを出力する(ステップS130)。
また、復号部221において、予測残差e(n)に対応する符号Ceと、以上のように復元されたパラメータ統合情報S及びインデックス統合情報Hを用い、予測残差e(n)を生成する(ステップS140〜S160)。
まず、予測残差e(n)に対応する符号Ceは、残差復号部220(図8)の分離部2221aに入力される。分離部2221aは、入力された符号Ceを分離し、情報prefix(n)と、情報sub(n)とを生成する(ステップS140)。
次に、可変長復号部222から出力されたサブフレームiの分離パラメータs(i)と、可変長復号部223から出力されたサブフレームiのインデックスh(i)と、分離部2221aから出力された情報prefix(n)とが、ハフマン復号部221cに入力される。ハフマン復号部221cは、サブフレームiごとに、分離パラメータs(i)とインデックスh(i)との組を用いて符号表格納部221eを検索し、分離パラメータs(i)とインデックスh(i)との組に対応する符号表T[h(i),s(i)]を抽出する。そして、ハフマン復号部221cは、抽出した符号表T[h(i),s(i)]を用い、サブフレームiに属する情報prefix(n)を復号し、商q(n)を生成する(ステップS150)。
その後、ハフマン復号部221cから出力された商q(n)と、分離部2221aから出力された情報sub(n)と、可変長復号部222から出力されたサブフレームiの分離パラメータs(i)とが、合成演算部2221bに入力される。合成演算部2221bは、これらを用いて予測残差e(n)を算出して出力する(ステップS160)。
[ステップS160の詳細の例示]
この例のステップS160では、各離散時間nについて以下の処理が実行される。
まず、合成演算部2221bは、離散時間nが属するサブフレームiに対応する分離パラメータs(i)が0であるか否かを判定する(ステップS161)。ここで、s(i)=0でないと判定された場合、次に合成演算部2221bは、情報sub(n)が2s(i)−1以上であるか否かを判定する(ステップS162a)。この判定は予測残差e(n)が0以上であるか否かを判定することに相当する。ステップS162aでsub(n)≧2s(i)−1と判定された場合、合成演算部2221bは、以下の式によって予測残差e(n)を算出する(ステップS163a)。
e(n)=sub(n)+2s(i)−1・q(n)−2s(i)−1 …(15)
一方、ステップS162aでsub(n)<2s(i)−1と判定された場合、合成演算部2221bは、以下の式によって予測残差e(n)を算出する(ステップS163b)。
e(n)=−sub(n)−1−2s(i)−1・q(n) …(16)
一方、ステップS161でs(i)=0と判定された場合、次に合成演算部2221bは、情報q(n)が偶数であるか否かを判定する(ステップS162b)。この判定は予測残差e(n)が0以上であるか否かを判定することに相当する。ステップS162bでq(n)が偶数であると判定された場合、合成演算部2221bは、以下の式によって予測残差e(n)を算出する(ステップS163c)。
e(n)=q(n)/2 …(17)
一方、ステップS162bでq(n)が奇数であると判定された場合、合成演算部2221bは、以下の式によって予測残差e(n)を算出する(ステップS163d)。
e(n)=−(q(n)+1)/2 …(18)
以上のように生成された予測残差e(n)は、合成演算部2221bから出力される([ステップS160の詳細の例示]の説明終わり)。
また、残差復号部220から出力された予測残差e(n)と、分離部1210から出力された符号Ckとは、予測復号部2230に入力される。予測復号部2230の係数復号部2231は、符号Ckを復号し(ステップS170)、予測復号部2230は、その復号値と予測残差e(n)とを用い、時系列信号x(n)を生成して出力する(ステップS180)。
〔第1実施形態の変形例〕
第1実施形態では1フレーム当たりのサブフレーム分割数Iが2の場合を例示した。しかし、フレーム分割数I≧3の場合に本発明を適用し、サブフレームi=0,...,I-1の分離パラメータs(i)を統合したパラメータ統合情報S=[s(0),...,s(I-1)]や、サブフレームi=0,...,I-1のインデックスh(i)を統合したインデックス統合情報H=[h(0),...,h(I-1)]を可変長符号化する構成でもよい。また、第1実施形態では、サブフレームを予測残差e(n)の符号化処理単位とし、サブフレームごとに分離パラメータやインデックスを定める構成とした。しかし、フレームを予測残差e(n)の符号化処理単位とし、フレームごとに分離パラメータやインデックスを定め、複数のフレームに対応する各分離パラメータを統合したパラメータ統合情報Sや、複数のフレームに対応する各インデックスを統合したインデックス統合情報Hを可変長符号化する構成でもよい。
また、第1実施形態の変形として、残差符号化部120(図6)に予測残差e(n)を整数値に写像する信号変換部125を設け、残差復号部220(図8)に信号変換部125の逆変換を行う逆変換部225を設けた構成であってもよい。この場合、分離パラメータ生成部121は、信号変換部125の出力値e'(n)を用いて分離パラメータs(i)を生成し、符号化部122は、信号変換部123の出力値e'(n)を符号化する。また、残差復号部220は、合成演算部2221bの出力値e'(n)を逆変換部226で逆変換し、復号された予測残差e(n)として出力する。なお、信号変換部125での写像は予め定められた規則に従って行われ、例えば、入力された予測残差e(n)が0以上の場合にはそれを大小関係の順序を保ったまま奇数の整数に写像し、入力された予測残差e(n)が0未満の場合にはそれを絶対値の大小関係の順序を保ったまま偶数の整数に写像する。また、この場合、図14(B)で例示したステップS30の処理の代わりに、図17(A)のステップS330の処理を実行し、図16で例示したステップS160の処理の代わりに、図17(B)のステップS460の処理を実行してもよい。
[ステップS330の処理]
ステップS330では、各離散時間nについて以下の処理が実行される。
まず、分離演算部2122aは、離散時間nが属するサブフレームiに対応する分離パラメータs(i)が0であるか否かを判定する(ステップ S331)。ここで、s(i)=0でなかった場合、分離演算部2122aは、
q(n)=floor(e'(n)/2s(i)) …(19)
に従って整数の商q(n)を生成し(ステップS332a)、
sub(n)=e'(n)−2s(i)・q(n) …(20)
に従って剰余を特定するための情報sub(n)を生成して出力する(ステップS333a)。なお、式(19)における「2s(i)」が「分離パラメータs(i)に依存する整数(法数)」に相当する。
一方、s(i)=0であった場合、分離演算部322aは、
q(n)=e'(n) …(21)
に従って整数の商q(n)を生成し(ステップS332b)、sub(n)をnullとして出力する(ステップS333b)。
なお、式(21)「q(n)=e'(n)=e'(n)/2s(i)(s(i)=0)」における「e'(n)」が「予測残差e(n)の絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数(被除数)」に相当し、「2s(i)=1(s(i)=0)」が「分離パラメータs(i)に依存する整数(法数)」に相当する。
[ステップS460の処理]
ステップS460では、各離散時間nについて以下の処理が実行される。
まず、合成演算部2221bは、離散時間nが属するサブフレームiに対応する分離パラメータs(i)が0であるか否かを判定する(ステップS461)。ここで、s(i)=0でないと判定された場合、合成演算部2221bは、
e'(n)=2s(i)・q(n)+sub(n) …(22)
によって値e'(n)を算出する(ステップS452a)。
一方、s(i)=0であると判定された場合、合成演算部2221bは、
e'(n)=q(n) …(23)
によって値e'(n)を算出する(ステップS452b)。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本形態は第1実施形態の変形例であり、商q(n)の可変長符号化方法をアルファ符号化に固定した形態である。本形態でもパラメータ統合情報Sの可変長符号化が行われる。しかし、商q(n)の可変長符号化方法の伝送は不要であるため、インデックス統合情報Hの可変長符号化は行われない。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する部分については説明を省略する。
<構成>
図18は、第2実施形態の残差符号化部320の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図19は、第2実施形態の残差復号部420の機能構成を説明するためのブロック図である。
本形態の符号化装置は、第1実施形態の符号化装置100の残差符号化部120を図18の残差符号化部320に置換した構成である。また、図18に示すように、本形態の残差符号化部320は、第1実施形態の残差符号化部120(図6)の符号化部122を図2のゴロム・ライス符号化部2122に置換し、可変長符号化部124を除いた構成である。
また、本形態の復号装置は、第1実施形態の復号装置200の残差復号部220を図19の残差復号部420に置換した構成である。また、図19に示すように、本形態の残差復号部420は、第1実施形態の残差復号部220(図8)の復号部221を図4のゴロム・ライス復号部2221に置換し、可変長復号部223を除いた構成である。
<前処理>
第1実施形態との相違点は、商q(n)を符号化するための複数の可変長符号化方法を示す符号表T[h(i),s(i)]を符号化装置や復号装置に格納しておかない点である。本形態では、アルファ符号化のみによって商q(n)の符号化を行うからである。
<符号化方法>
図20は、第2実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、この図を用いて本形態の符号化方法を説明する。
本形態の符号化装置は、まず、第1実施形態のステップS10〜S30の処理が実行された後、ステップS40の処理が実行されることなく、アルファ符号化部2122bが、商q(n)をアルファ符号化して情報prefix(n)(「第1情報」に相当)を生成する(ステップS550)。その後、第1実施形態のステップS60及びS70の処理が実行され、ステップS80の処理が実行されることなく、合成部1130(図5)が、生成されたPARCOR係数に対応する符号Ckと、予測残差e(n)に対応する符号Ceと、パラメータ統合情報Sに対応する符号Csとを合成した符号Cgを生成して出力する(ステップS590)。
<復号方法>
図21は、第2実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、この図を用いて本形態の復号方法を説明する。
まず、復号装置の分離部1210(図7)が、符号Cgを分離し、PARCOR係数に対応する符号Ckと、予測残差e(n)に対応する符号Ceと、パラメータ統合情報Sに対応する符号Csとを生成する(ステップS610)。その後、第1実施形態のステップS120の処理が実行され、ステップS130の処理が実行されることなく、ステップS140の処理が実行される。次に、アルファ復号部2221cが、分離部2221aから出力された情報prefix(n)を復号し、商q(n)を生成する(ステップS650)。その後、第1実施形態のステップS160〜S180の処理が実行される。
〔第2実施形態の変形例〕
本形態では、本形態では、アルファ符号化のみによって商q(n)の符号化を行うこととしたが、その他の固定された符号化方法によって商q(n)の符号化する構成であってもよい。また、第2実施形態についても、第1実施形態の変形例と同様な変形を行ってもよい。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を説明する。本形態は第1実施形態の変形例である。本形態でもインデックス統合情報Hの可変長符号化は行われるが、パラメータ統合情報Sの可変長符号化は行われない。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する部分については説明を省略する。
<構成>
図22は、第3実施形態の残差符号化部520の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図23は、第3実施形態の残差復号部620の機能構成を説明するためのブロック図である。
本形態の符号化装置は、第1実施形態の符号化装置100の残差符号化部120を図22の残差符号化部520に置換した構成である。また、図22に示すように、本形態の残差符号化部520は、第1実施形態の残差符号化部120(図6)の分離パラメータ生成部121を分離パラメータ生成部521に置換し、可変長符号化部123を除いた構成である。また、分離パラメータ生成部521は、第1実施形態の分離パラメータ生成部121のパラメータ演算部121a及び量子化部121bを、パラメータ演算部521a及び量子化部521bに置換した構成である。
また、本形態の復号装置は、第1実施形態の復号装置200の残差復号部220を図23の残差復号部620に置換した構成である。また、図23に示すように、残差復号部620は、第1実施形態の残差復号部220から可変長復号部224を除いた構成である。
<前処理>
第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
<符号化方法>
図24は、第3実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、この図を用いて本形態の符号化方法を説明する。
まず、第1実施形態のステップS10の処理が実行された後、分離パラメータ生成部521が、予測残差e(n)の振幅に依存する整数の分離パラメータsをフレームごとに設定する(ステップS720)。なお、ステップS720と第1実施形態のステップS20との相違点は、分離パラメータをフレームごとに生成するかサブフレームごと生成するかの違いだけである。
次に、符号化部122の分離演算部2122aに、残差符号化部120に入力された予測残差e(n)と、分離パラメータ生成部121から出力された分離パラメータsとが入力される。なお、この分離パラメータsは、入力された予測残差e(n)が属するフレームに対して設定されたものである。分離演算部2122aは、これらを用い、予測残差e(n)又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数を被除数とし、分離パラメータsに依存する整数を法数とした除算によって得られる整数の商q(n)と、その剰余を特定するための情報sub(n)(「第2情報」に相当)と、を生成する(ステップS730)。なお、ステップS730と第1実施形態のステップS30との相違点は、分離パラメータをフレームごとに生成するかサブフレームごと生成するかの違いだけである。
その後、第1実施形態のステップS40〜S60の処理が実行され、ステップS70の処理が実行されることなく、ステップS80の処理が実行される。その後、合成部1130(図5)が、PARCOR係数に対応する符号Ckと予測残差e(n)に対応する符号Ceと分離パラメータsとインデックス統合情報Hに対応する符号Chを合成した符号Cgを生成して出力する(ステップS790)。
<復号方法>
図25は、第3実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、この図を用いて本形態の復号方法を説明する。
まず、復号装置の分離部1210(図7)が、符号Cgを分離し、係数に対応する符号Ckと予測残差e(n)に対応する符号Ceと分離パラメータsとインデックス統合情報Hに対応する符号Chを生成する(ステップS810)。次に、第1実施形態のステップS130〜S150が実行され、その後、ハフマン復号部221cから出力された商q(n)と、分離部2221aから出力された情報sub(n)と、分離パラメータsとが、合成演算部2221bに入力される。合成演算部2221bは、これらを用いて予測残差e(n)を算出して出力する(ステップS860)。なお、第1実施形態のステップS160と本形態のステップS860との相違点は、サブフレームごとに設定された分離パラメータを用いるのか(ステップS160)、フレームごとに設定された分離パラメータを用いるのか(ステップS860)の違いのみである。その後、第1実施形態のステップS170及びS180の処理が実行される。
〔第3実施形態の変形例〕
本形態では、フレームごとに設定された分離パラメータsをそのまま符号Cgに含める構成としたが、例えば、分離パラメータsごとに独立に可変長符号化した符号を符号Cgに含める構成としてもよい。また、第3実施形態でもサブフレームiごとに分離パラメータs(i)を設定し、分離パラメータs(i)をそのまま符号Cgに含める構成としてもよいし、分離パラメータs(i)ごとに独立に可変長符号化した符号を符号Cgに含める構成としてもよい。また、従来技術として説明したように先頭のサブフレームの分離パラメータs(0)を可変長符号化し、2番目以降のサブフレームi=1,...,I-1の分離パラメータ(i)については差分のみを可変長符号化し、それらによって生成された符号を符号Cgに含める構成としてもよい。また、第3実施形態についても、第1実施形態の変形例と同様な変形を行ってもよい。
〔その他の変形例等〕
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述の第1,3実施形態では、ハフマン表等の符号表を特定するためのインデックスを統合したインデックス統合情報を可変長符号化することとしたが、時間区間ごとに符号表を必要としないデルタ符号やアルファ符号等の可変長符号化方法を定め、定められた可変長符号化方法で上記の商q(n)を符号化する場合には、符号表を特定するためのインデックスではなく、各時間区間に設定された符号化方法を特定するためのインデックスを統合したインデックス統合情報を可変長符号化してもよい。
また、上述の第1,3実施形態では、ハフマン表等の符号表を特定するための各インデックスのすべての桁を統合したインデックス統合情報を可変長符号化することとした。しかし、ハフマン表等の符号表を特定するための各インデックスの2進表記上位V桁(Vは1以上、インデックスの総桁数未満の整数)だけを統合したインデックス統合情報を可変長符号化してもよい。これにより、可変長符号の設計が簡易化でき、さらに、可変長符号の符号表探索処理も単純化できる。この場合、各インデックスの2進表記上位V桁を除いた下位(インデックスを2のV乗で割った余り)には、その数値を示すビット列を符号とする符号化がなされる。すなわち、「可変長符号化方法をそれぞれ示すインデックスを統合したインデックス統合情報」は、各インデックスのすべての桁を統合したインデックス統合情報のみならず、各インデックスの2進表記上位V桁だけを統合したインデックス統合情報をも含む概念である。
また、上記の各実施形態では、分離パラメータとしてライスパラメータを用いる例を示した。しかし、第1,3実施形態の方式は、商q(n)をアルファ符号よりも自由度の高い可変長符号化方法で符号化することが可能なものであるため、商q(n)の符号化方法をアルファ符号化方法に限定するゴロム・ライス符号化方法のライスパラメータよりも小さな値を分離パラメータとするほうが、予測残差e(n)に対応する符号量を小さくできる場合がある。そのため、例えば、ライスパラメータから所定の整数(例えば1)を減じた値を分離パラメータとしてもよい。また、逆に、ライスパラメータに所定の整数(例えば1)を加算した値を分離パラメータとしてもよい。
また、上記の実施形態では、分離パラメータsに対して2sや2s-1を、分離演算部における除算のための法数としたが、分離パラメータ自体を2sや2s-1とし、分離パラメータ自体を分離演算部における除算のための法数としてもよい。
また、上記の実施形態では、符号化の際に、まず最適な分離パラメータを設定し、設定した分離パラメータを用いて分離演算部における除算を行って商q(n)と剰余を特定するための情報sub(n)とを求めていた。しかし、予め定められた整数集合から順番に整数を選択することで分離パラメータを設定し、設定した各分離パラメータを用いて分離演算部における除算を行って商q(n)と剰余を特定するための情報sub(n)とを求め、求めた商q(n)及び情報sub(n)の情報量の総和を算出し、それが最小となる分離パラメータを採用する構成であってもよい。
また、上記の各実施形態は、時系列信号を線形予測分析した結果に基づいて得られた予測残差を符号化する際に本発明を適用した例であったが、ピッチ予測分析などの長期予測分析や、チャネル間予測分析や、線形予測分析と長期予測分析との組み合わせ、線形予測分析と長期予測分析とチャネル間予測分析との組み合わせ、線形予測分析とチャネル間予測分析との組み合わせ等の結果に基づいて得られた予測残差(例えば「鎌本優、守谷健弘、西本卓也、嵯峨山茂樹、“チャネル相関を用いた多チャネル信号の可逆圧縮符号化,”情処学論,Vol.46,No.5,pp.1118-1128,2005.」「鎌本優、守谷健弘、原田登、西本卓也、嵯峨山茂樹、“ISO/IEC MPEG-4 Audio Lossless Coding(ALS)におけるチャネル内とチャネル間の長期予測,”信学論,Vol.J89-B,No.2,pp.214-222,2006.」等参照)を符号化する際に本発明を適用してもよい。
また、音響信号、映像情報、生体信号、地震波信号などの時系列信号に対し、線形予測分析、長期予測分析、マルチチャネル予測分析などの予測分析を行ってその予測残差を求めた場合、その予測残差の振幅には或る偏りが生じる。また、分離パラメータは予測残差の振幅に依存し、分離パラメータの頻度分布にも偏りが生じる。そのため、この性質を利用し、このような分離パラメータを統合したパラメータ統合情報を可変長符号化してもよい。すなわち、予め定められた特定の値からの距離が第1距離である分離パラメータを含むパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、当該予め定められた特定の値からの距離が第1距離よりも大きい第2距離である分離パラメータを含むパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合が多い可変長符号化方法により、パラメータ統合情報を符号化してもよい。これにより、符号化圧縮率が向上する。なお、この「予め定められた特定の値」は、上述の法数を1以上かつ被除数の最大値以下にするために分離パラメータがとり得る範囲内の値であって、当該分離パラメータがとり得る範囲(smin以上smax以下)の下限値smin及び上限値smaxを除く値である。言い換えると、上記「予め定められた特定の値」は、例えば、上述の法数を1以上かつ被除数の最大値以下にするために分離パラメータがとり得る範囲内の値であって、当該分離パラメータがとり得る範囲(smin以上smax以下)の下限値smin及び上限値smaxよりも、下限値sminと上限値smaxとの中間値(smin + smax)/2に近い値である。
また、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
本発明の産業上の利用分野としては、例えば、音響信号の可逆圧縮符号化・復号化技術を例示できる。また、本発明は、音響信号以外にも、映像信号、生体信号、地震波信号などの可逆圧縮符号化・復号化技術にも応用可能である。
100,2100 符号化装置
200,2200 復号装置

Claims (18)

  1. 時系列信号を予測分析した結果に基づいて生成される整数表現された予測残差を符号化する符号化方法であって、
    (A) 予め定められた時間区間ごとに前記予測残差の平均振幅に依存する整数である分離パラメータを設定するステップと、
    (B) 前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数である被除数、当該予測残差が属する前記時間区間に対して設定された前記分離パラメータに依存する整数である法数除算することによって得られる整数の商を特定する第1情報と、前記被除数の前記法数に関する剰余を特定する第2情報と、を含む情報を、前記予測残差に対応する符号として生成するステップと、
    (C) 複数の連続する前記時間区間に対してそれぞれ設定された前記分離パラメータを統合したパラメータ統合情報を可変長符号化し、当該パラメータ統合情報に対応する符号を生成するステップと、を有し、
    前記ステップ(C)は、互いの差が或る値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合が、互いの差が当該値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合よりも多い第1可変長符号化方法によって、前記パラメータ統合情報を可変長符号化するステップである、
    ことを特徴とする符号化方法。
  2. 請求項1の符号化方法であって、
    前記第1可変長符号化方法は、同一の値の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、異なる値の分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合が、同一の値の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、異なる値の分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合よりも多い符号化方法である、
    ことを特徴とする符号化方法。
  3. 請求項1又は2の符号化方法であって、
    前記予測残差は、予測分析の処理時間単位であるフレームごとに時系列信号を予測分析した結果から得られたものであり、
    前記分離パラメータが設定される前記時間区間は、前記フレームをさらに複数の時間区分に区分したサブフレームである、
    ことを特徴とする符号化方法。
  4. 請求項1から3の何れかの符号化方法であって、
    前記ステップ(B)が、
    (B-1) 前記商を求めるステップと、
    (B-2) 前記時間区間での前記商の頻度分布に依存する、当該商を可変長符号化するための第2可変長符号化方法を前記時間区間ごとに選択するステップと、
    (B-3) 前記商に対応する前記予測残差が属する前記時間区間に対して設定された前記第2可変長符号化方法を用い、当該商を可変長符号化して前記第1情報を生成するステップと、を含み、
    (D) 複数の連続する前記時間区間に対してそれぞれ設定された前記第2可変長符号化方法をそれぞれ示すインデックスを統合したインデックス統合情報を可変長符号化し、当該インデックス統合情報に対応する符号を生成するステップが、さらに備えられたこと、
    を特徴とする符号化方法。
  5. 請求項4の符号化方法であって、
    前記ステップ(D)は、互いに異なる前記第2可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い前記第2可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合が、互いに異なる前記第2可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い前記第2可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合よりも多い第3可変長符号化方法によって、前記パラメータ統合情報を可変長符号化するステップである、
    ことを特徴とする符号化方法。
  6. 請求項5の符号化方法であって、
    可変長符号化方法Uで符号化対象値kに割り当てられる符号のビット長をbu(k)とし、可変長符号化方法Xで符号化対象値kに割り当てられる符号のビット長をbx(k)とし、fu(k)=0.5bu(k)とし、fx(k)=0.5bx(k)とした場合における、(bu(k)−bx(k))(fu(k)−fx(k))の各kについての総和が小さいほど、可変長符号化方法Uと可変長符号化方法Xとは近い、
    ことを特徴とする符号化方法。
  7. 請求項4から6の何れかの符号化方法であって、
    前記ステップ(D)は、同一の値のインデックスを統合したインデックス統合情報に対応する符号の符号長が、異なる値のインデックスを統合したインデックス統合情報に対応する符号の符号長よりも長い場合が、同一の値のインデックスを統合したインデックス統合情報に対応する符号の符号長が、異なる値のインデックスを統合したインデックス統合情報に対応する符号の符号長よりも短い場合よりも多い第3可変長符号化方法によって、前記インデックス統合情報を可変長符号化するステップである、
    ことを特徴とする符号化方法。
  8. 時系列信号を予測分析した結果に基づいて生成される整数表現された予測残差を符号化する符号化方法であって、
    予め定められた時間区間ごとに前記予測残差の平均振幅に依存する整数である分離パラメータを設定するステップと、
    前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数である被除数、当該予測残差が属する前記時間区間に対して設定された前記分離パラメータに依存する整数である法数除算することによって得られる整数の商を求めるステップと、
    前記時間区間での前記商の頻度分布に依存する、当該商を可変長符号化するための第1可変長符号化方法を前記時間区間ごとに選択するステップと、
    前記商に対応する前記予測残差が属する前記時間区間に対して設定された前記第1可変長符号化方法を用い、当該商を可変長符号化して前記第1情報を生成するステップと、
    前記被除数の前記法数に関する剰余を特定する第2情報を生成するステップと、
    前記第1情報と前記第2情報を含む情報を、前記予測残差に対応する符号として生成するステップと、
    複数の連続する前記時間区間に対してそれぞれ設定された前記第1可変長符号化方法をそれぞれ示すインデックスを統合したインデックス統合情報を、第2可変長符号化方法によって可変長符号化し、当該パラメータ統合情報に対応する符号を生成するステップと、を有し、
    前記第2可変長符号化方法が、互いに異なる前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合が、互いに異なる前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合よりも多い符号化方法である、
    ことを特徴とする符号化方法。
  9. 時系列信号を予測分析した結果に基づいて生成される整数表現された予測残差を符号化した符号を復号する復号方法であって、
    前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数である被除数、当該予測残差が属する時間区間に対して設定された分離パラメータに依存する整数である法数除算することによって得られる整数の商を特定する第1情報と、前記被除数の前記法数に関する剰余を特定する第2情報と、を含む前記予測残差に対応する符号を生成する際に用いられた、複数の連続する前記時間区間に対してそれぞれ設定された前記分離パラメータを統合したパラメータ統合情報の可変長符号を復号し、前記パラメータ統合情報を生成するステップと、
    前記予測残差に対応する符号と、前記パラメータ統合情報とを用い、前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数を生成するステップと、を有し、
    前記パラメータ統合情報の可変長符号が、互いの差が或る値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合が、互いの差が当該値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合よりも多い可変長符号化方法によって符号化されたものである、
    ことを特徴とする復号方法。
  10. 時系列信号を予測分析した結果に基づいて生成される整数表現された予測残差を符号化した符号を復号する復号方法であって、
    前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数である被除数、当該予測残差が属する時間区間に対して設定された分離パラメータに依存する整数である法数除算することによって得られる整数の商を、当該時間区間に対して設定された第1可変長符号化方法で符号化した第1情報と、前記被除数の前記法数に関する剰余を特定する第2情報と、を含む前記予測残差に対応する符号を生成する際に用いられた、複数の連続する前記時間区間に対してそれぞれ設定された前記第1可変長符号化方法にそれぞれ対応するインデックスを統合したインデックス統合情報の可変長符号を復号し、前記インデックス統合情報を生成するステップと、
    前記予測残差に対応する符号と、前記分離パラメータと、前記インデックス統合情報とを用い、前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数を生成するステップと、を有し、
    前記インデックス統合情報の可変長符号が、互いに異なる前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合が、互いに異なる前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合よりも多い可変長符号化方法によって符号化されたものである、
    ことを特徴とする復号方法。
  11. 時系列信号を予測分析した結果に基づいて生成される整数表現された予測残差を符号化する符号化装置であって、
    予め定められた時間区間ごとに前記予測残差の平均振幅に依存する整数である分離パラメータを設定し、前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数である被除数、当該予測残差が属する前記時間区間に対して設定された前記分離パラメータに依存する整数である法数除算することによって得られる整数の商を特定する第1情報と、前記被除数の前記法数に関する剰余を特定する第2情報と、を含む情報を、前記予測残差に対応する符号として生成する符号化部と、
    複数の連続する前記時間区間に対してそれぞれ設定された前記分離パラメータを統合したパラメータ統合情報を可変長符号化し、当該パラメータ統合情報に対応する符号を生成する可変長符号化部と、を有し、
    前記可変長符号化部は、互いの差が或る値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合が、互いの差が当該値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合よりも多い可変長符号化方法によって、前記パラメータ統合情報を可変長符号化する、
    ことを特徴とする符号化装置。
  12. 時系列信号を予測分析した結果に基づいて生成される整数表現された予測残差を符号化する符号化装置であって、
    予め定められた時間区間ごとに前記予測残差の平均振幅に依存する整数である分離パラメータを設定し、前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数である被除数、当該予測残差が属する前記時間区間に対して設定された前記分離パラメータに依存する整数である法数除算することによって得られる整数の商を求め、前記時間区間での前記商の頻度分布に依存する、当該商を可変長符号化するための第1可変長符号化方法を前記時間区間ごとに選択し、前記商に対応する前記予測残差が属する時間区間に対して設定された前記第1可変長符号化方法を用い、当該商を可変長符号化して前記第1情報を生成し、 前記被除数の前記法数に関する剰余を特定する第2情報を生成し、前記第1情報と前記第2情報を含む情報を、前記予測残差に対応する符号として生成する符号化部と、
    複数の連続する前記時間区間に対してそれぞれ設定された、前記第1可変長符号化方法をそれぞれ示すインデックスを統合したインデックス統合情報を、第2可変長符号化方法によって可変長符号化し、当該パラメータ統合情報に対応する符号を生成する可変長符号化部と、を有し、
    前記第2可変長符号化方法が、互いに異なる前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合が、互いに異なる前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合よりも多い符号化方法である、
    ことを特徴とする符号化装置。
  13. 時系列信号を予測分析した結果に基づいて生成される整数表現された予測残差を符号化した符号を復号する復号装置であって、
    前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数である被除数、当該予測残差が属する時間区間に対して設定された分離パラメータに依存する整数である法数除算することによって得られる整数の商を特定する第1情報と、前記被除数の前記法数に関する剰余を特定する第2情報と、を含む前記予測残差に対応する符号を生成する際に用いられた、複数の連続する前記時間区間に対してそれぞれ設定された前記分離パラメータを統合したパラメータ統合情報の可変長符号を復号し、前記パラメータ統合情報を生成する第1復号部と、
    前記予測残差に対応する符号と、前記パラメータ統合情報とを用い、前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数を生成する第2復号部と、を有し、
    前記パラメータ統合情報の可変長符号が、互いの差が或る値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合が、互いの差が当該値以下の分離パラメータのみを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長が、互いの差が当該値よりも大きい分離パラメータを統合したパラメータ統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合よりも多い可変長符号化方法によって符号化されたものである、
    ことを特徴とする復号装置。
  14. 時系列信号を予測分析した結果に基づいて生成される整数表現された予測残差を符号化した符号を復号する復号装置であって、
    前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数である被除数、当該予測残差が属する時間区間に対して設定された分離パラメータに依存する整数である法数除算することによって得られる整数の商を、当該時間区間に対して設定された第1可変長符号化方法で符号化した第1情報と、前記被除数の前記法数に関する剰余を特定する第2情報と、を含む前記予測残差に対応する符号を生成する際に用いられた、複数の連続する前記時間区間に対してそれぞれ設定された前記第1可変長符号化方法にそれぞれ対応するインデックスを統合したインデックス統合情報の可変長符号を復号し、前記インデックス統合情報を生成する第1復号部と、
    前記予測残差に対応する符号と、前記分離パラメータと、前記インデックス統合情報とを用い、前記予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する0以上の整数を生成する第2復号部と、を有し、
    前記インデックス統合情報の可変長符号が、互いに異なる前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも長い場合が、互いに異なる前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長が、それよりも互いに近い前記第1可変長符号化方法に対応するインデックスを統合したインデックス統合情報に割り当てられる符号の符号長よりも短い場合よりも多い可変長符号化方法によって符号化されたものである、
    ことを特徴とする復号装置。
  15. 請求項1から8の何れかの符号化方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  16. 請求項9又は10の復号方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  17. 請求項15のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  18. 請求項16のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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