JP4866484B2 - パラメータ選択方法、パラメータ選択装置、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
符号化装置2100(図1)のフレームバッファ2111には、標本化・量子化されたPCM (pulse code modulation)形式の時系列信号x(n)が入力される。なお、nは離散時間を示すインデックスであり、インデックスnに対応する離散時間を「離散時間n」と呼ぶ。また、小さいインデックスnほど先の離散時間を示す。また、時系列信号x(n)は、離散時間nでの時系列信号を意味する。
短期予測分析では、ある時点nの時系列信号x(n)と、その時点nよりも過去のP個(Pを「予測次数」と呼ぶ)の時点n-1,n-2,...,n-Pの時系列信号x(n-1),x(n-2),...,x(n-P)をそれぞれ係数α(m)(m=1,...,P)(「短期予測係数」と呼ぶ)で重み付けしたものと、予測残差e(n)(「予測誤差」と呼ぶ場合もある)と間に線形1次結合が成り立つと仮定する。この仮定に基づいた線形予測モデルは以下の式(1)のようになる。線形予測分析では、入力された時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)に対し、予測残差e(n)(n=0,...,N-1)のエネルギーを最小化する短期予測係数α(m)(m=1,2,...,P)又はそれに変換可能なPARCOR係数k(m)(m=1,2,...,P)などの係数を算出する。
e(n)=x(n)+α(1)・x(n-1)+α(2)・x(n-2)+...+α(P)・x(n-P) …(1)
y(n)=-{α(1)・x(n-1)+α(2)・x(n-2)+...+α(P)・x(n-P)} …(2)
(符号語長)=(モデルの記述長)+(そのモデルによるデータの記述長)
を最小にするモデルを最良とする。すなわち、非特許文献2の方式では、
(ロスレスで復号するために必要な符号量)=(PARCOR係数のために必要な符号量)+(予測残差のために必要な符号量) …(3)
を最小にする予測次数Pを最適予測次数Poptとする。
パラメータsの最適値は、入力された予測残差e(n)(n=0,...,N-1)の振幅に依存する。通常、フレームやそれを複数の時間区分に区分したサブフレームなどの或る離散時間区間毎に予測残差e(n)の振幅が均一であると仮定され、その区間での予測残差e(n)の平均振幅から当該区間でのパラメータsが設定される。
復号装置2200(図2)に入力された符号Cgは、分離部2210で最適予測次数Poptと係数符号Ckと残差符号Ce(n)(n=0,...,N-1)とパラメータsとに分離される。最適予測次数Popt及び係数符号Ckは予測復号部2230に入力され、残差符号Ce(n)(n=0,...,N-1)及びパラメータsは残差復号部2220に入力される。
しかし、このような方法では最適なパラメータからの乖離が大きくなる場合がある。
〔原理〕
まず、従来方式で予測残差の可変長符号化用のパラメータを選択した場合に、最適なパラメータからの乖離が大きくなる原因を検証する(非公知)。
まず、時系列信号の表現ビット長から固定的に定まる値をパラメータとした場合、予測残差の振幅によっては、最適なパラメータからの乖離が大きくなる場合がある。
e(n)=x(n)+ρ(-tap)・x(n-τ+tap)+...+ρ(tap)・x(n-τ-tap) …(4)
を定める。そして、入力された時系列信号x(n)に対し、予測残差e(n)のエネルギーを最小化するゲインρ(j)や遅延値τが算出される。ここで、
y(n)=-{ρ(-tap)・x(n-τ+tap)+...+ρ(tap)・x(n-τ-tap)} …(5)
の線形FIRフィルタを「長期予測フィルタ」と呼ぶ。
まず、短期予測フィルタを用いて得られた予測残差を符号化する場合を例にとって説明する。
<PARCOR係数の大きさを指標とする例>
フレームに属する時系列信号x(n)の自己相関の大きさを示す指標(時系列信号x(μ)(μ=μmin,...,μmax)の予測効果を表す指標)の一つにPARCOR係数k(m)がある。PARCOR係数k(m)は-1.0≦k(m)≦1.0の値をとり、時系列信号x(n)の自己相関が大きいほど絶対値が大きくなる。そのため、或る次数のPARCOR係数k(m)の大きさを指標とし、その大きさに応じて加算値の値を変化させることで、第1区間T1で最適なパラメータを選択することが可能となる。すなわち、フレームに属する時系列信号に対応する或る次数のPARCOR係数の大きさが第1値である場合に、第2区間パラメータと、正の第1加算値との和の広義単調増加関数値に相当する値を、第1区間T1に属する或る離散時間での予測残差の可変長符号化用のパラメータする。PARCOR係数の大きさが第1値よりも大きな第2値である場合に、第2区間パラメータと、第1加算値以上の第2加算値との和の広義単調増加関数値に相当する値を、第1区間T1に属する或る離散時間での予測残差の可変長符号化用のパラメータとする。なお、PARCOR係数の大きさとは、例えば、PARCOR係数の振幅の大きさ、PARCOR係数の絶対値の大きさ、PARCOR係数のエネルギーの大きさなどである。また、PARCOR係数の写像値の大きさを評価することで、PARCOR係数の大きさが評価されてもよい。
例1〜4はL=3の例である。各加算値a(r)が1次のPARCOR係数k(1)の絶対値|k(1)|の増加に応じて段階的に大きくなるように設定されている。また、加算値a(r)は離散時間rでの加算値であり、各離散時間r=0,1,2での第1区間パラメータはs(r)=s+a(r)(r=0,1,2)となる。なお、第1区間T1の最先からL番目までの離散時間の各インデックスをr(r=0,...,L-1)とし、インデックスrが示す離散時間を「離散時間r」と呼ぶ。なお、フレームの先頭に近い離散時間での予測残差ほど大きさが大きくなる傾向がある。そのため、加算値a(r)は、インデックスrの広義単調減少関数値に相当する値であることが望ましい。
《例1》
0.9≦|k(1)|≦1.0のとき:a(0)=3, a(1)=2, a(2)=1
0.6≦|k(1)|<0.9のとき:a(0)=2, a(1)=1, a(2)=0
0≦|k(1)|<0.6のとき :a(0)=1, a(1)=0, a(2)=0
《例2》
0.9≦|k(1)|≦1.0のとき:a(0)=2, a(1)=1, a(2)=0
0≦|k(1)|<0.9のとき :a(0)=1, a(1)=0, a(2)=0
《例3》
0.9≦|k(1)|≦1.0のとき:a(0)=3, a(1)=2, a(2)=1
0.6≦|k(1)|<0.9のとき:a(0)=2, a(1)=1, a(2)=0
0≦|k(1)|<0.6のとき :a(0)=0, a(1)=0, a(2)=0
《例4》
0.9≦|k(1)|≦1.0のとき:a(0)=2, a(1)=2, a(2)=2
0≦|k(1)|<0.9のとき :a(0)=1, a(1)=1, a(2)=1
《例5》
a(0)=2|k(1)|+1, a(1)=2|k(1)|, a(2)=|k(1)|
例6,7もL=3の例であるが、第1区間T1の一部の離散時間のみに本発明が適用される。この例では、離散時間r=0でのパラメータが固定値(例えば、時系列信号x(n)の表現ビット長−4)とされ、離散時間r=1,2でのパラメータが第1区間パラメータs(r)=s+a(r)(r=1,2)とされる。また、例7では、離散時間r=1での加算値a(1)が|k(1)|の増加に応じて段階的に大きくなるように設定され、離散時間r=2での加算値a(2)が固定値となっている。
《例6》
0.9≦|k(1)|≦1.0のとき:a(1)=3, a(2)=2
0.6≦|k(1)|<0.9のとき:a(1)=2, a(2)=1
0≦|k(1)|<0.6のとき :a(1)=1, a(2)=0
《例7》
0.9≦|k(1)|≦1.0のとき:a(1)=3, a(2)=1
0.6≦|k(1)|<0.9のとき:a(1)=2, a(2)=1
0≦|k(1)|<0.6のとき :a(1)=1, a(2)=1
フレームに属する時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)の自己相関の大きさを示す指標(時系列信号x(μ)(μ=μmin,...,μmax)の予測効果を表す指標)として、最適予測次数Poptが用いられてもよい。時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)の自己相関が大きいほど(予測効果が大きいほど)、予測次数の増加に伴う予測残差e(n)のエネルギー減少量が大きくなり、適応的に選択される最適予測次数Poptが大きくなる。そのため、最適予測次数Poptを指標とし、その大きさに応じて加算値の値を変化させることで、第1区間T1での最適なパラメータ設定が可能となる。
例8はL=3の例である。各加算値a(r)が最適予測次数Poptの増加に応じて段階的に大きくなるように設定されている。各離散時間r=0,1,2での第1区間パラメータはs(r)=s+a(r)(r=0,1,2)となる。なお、フレームの先頭に近い離散時間での予測残差ほど大きさが大きくなる傾向がある。そのため、加算値a(r)はインデックスrの広義単調減少関数値に相当する値であることが望ましい。また、例9はL=2の例である。その他、PARCOR係数を指標とする場合と同様、最適予測次数Poptの値に応じ、加算値a(r)が各離散時間r=0,1,2で0とされてもよいし、加算値a(r)が各離散時間r=0,1,2で同値とされてもよい。また、この例の場合も、第1区間T1の一部の離散時間のみに本発明が適用されてもよい。また、最適予測次数Poptの変化に応じて連続的に変化する関数値が加算値a(r)とされてもよい。
《例8》
16≦Popt≦Pmaxのとき :a(0)=3, a(1)=2, a(2)=1
4≦Popt<16のとき :a(0)=2, a(1)=1, a(2)=0
Pmin≦Popt<4のとき :a(0)=1, a(1)=0, a(2)=0
《例9》
16≦Popt≦Pmaxのとき :a(0)=3, a(1)=2
4≦Popt<16のとき :a(0)=2, a(1)=1
Pmin≦Popt<4のとき :a(0)=1, a(1)=0
フレームに属する時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)の自己相関が大きい場合(時系列信号x(μ)(μ=μmin,...,μmax)の予測効果が大きい場合)には、フレーム内の予測残差のエネルギーが小さくなる。逆に自己相関が小さい場合(時系列信号x(μ)(μ=μmin,...,μmax)の予測効果が小さい場合)には、フレーム内の予測残差のエネルギーが大きくなる。そのため、フレームに属する時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)の自己相関の大きさを示す指標(時系列信号x(μ)(μ=μmin,...,μmax)の予測効果を表す指標)として、フレーム内の予測残差のエネルギーが用いられてもよい。フレーム内の予測残差のエネルギーの総和は、フレーム内の時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)を予測次数Pで短期予測分析して得られた1次からP次までの各PARCOR係数k(m)(m=1,...,P)を用いてE(0)・Πm=1 P{1-k(m)2}によって算出できる。なお、E(0)は、フレーム内の時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)のエネルギーの総和E(0)=Σn=0 N-1{x(n)}2である。また、予測次数Pが適応的に選択される場合、予測次数Pは最適予測次数Poptとなる。ただ、E(0)は時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)の自己相関の大小の指標とはならないため、E(p)=Πm=1 P{1-k(m)2}を指標として用いる。
例10はL=3の例である。各加算値a(r)がE(p)の増加に応じて段階的に小さくなるように設定されている。各離散時間r=0,1,2での第1区間パラメータはs(r)=s+a(r)(r=0,1,2)となる。フレームの先頭に近い離散時間での予測残差ほど大きさが大きくなる傾向がある。そのため、加算値a(r)はインデックスrの広義単調減少関数値に相当する値であることが望ましい。また、例11はL=2の例である。その他、PARCOR係数を指標とする場合と同様、E(p)の値に応じ、加算値a(r)が各離散時間r=0,1,2で0とされてもよいし、加算値a(r)が各離散時間r=0,1,2で同値とされてもよい。また、この例の場合も、第1区間T1の一部の離散時間のみに本発明を適用することとしてもよい。また、E(p)の値の変化に応じて連続的に変化する関数値が加算値a(r)とされてもよい。
《例10》
0≦E(p)<0.1のとき :a(0)=3, a(1)=2, a(2)=1
0.1≦E(p)<0.6のとき:a(0)=2, a(1)=1, a(2)=0
0.6≦E(p)≦1のとき :a(0)=1, a(1)=0, a(2)=0
《例11》
0≦E(p)<0.1のとき :a(0)=3, a(1)=2
0.1≦E(p)<0.6のとき:a(0)=2, a(1)=1
0.6≦E(p)≦1のとき :a(0)=1, a(1)=0
第1区間T1の先頭の離散時間r=0では、短期予測フィルタによる計算に用いることができる時系列信号が存在しない。そこで、フレーム内の時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)の平均エネルギーE(0)/Nを用い、離散時間r=0での予測残差e(0)のエネルギーをE(0)/Nと推定する。また、P>r>0の場合、第1区間T1の離散時間rでの予測残差e(r)のエネルギーは、{E(0)/N}・Πm=1 r{1-k(m)2}と推定される。なお、予測次数Pが適応的に選択される場合、予測次数Pは最適予測次数Poptとなる。また、L≧Pの場合、第2区間T2の離散時間zでの予測残差e(z)(z=L,...,N-1)の各エネルギーは{E(0)/N}・Πm=1 P{1-k(m)2}で推定され、第2区間T2の予測残差e(z)(z=L,...,N-1)の平均エネルギーは{E(0)/N}・Πm=1 P{1-k(m)2}で近似される。
{E(0)/N}{1-Πm=1 P{1-k(m)2}}
で近似される。また、L≧P>r>0の場合、第1区間T1の離散時間rでの予測残差e(r)のエネルギーと、第2区間T2の予測残差e(z)(z=L,...,N-1)の平均エネルギーとの差は、
{E(0)/N}{{Πm=1 r{1-k(m)2}-Πm=1 P{1-k(m)2}}
で近似される。
図6Aは、図5Aよりもフレームに属するサンプル数が少ない場合の予測残差e(n)(n=0,...,N-1)の振幅を模式的に例示している。図5Aと図6Aとを比較すれば分かるように、フレームに属するサンプル数が少ないほど、第2区間T2での予測残差の平均振幅が増加する傾向がある。これは、フレームに属するサンプル数が少ないほど、第2区間T2中に占める「短期予測フィルタによる計算に必要なすべての時系列信号x(n)を確保できない時間区間」の割合が大きくなることに起因する。そのため、加算値は、符号化の処理単位となるランダムアクセスされた離散時間区間に属する時系列信号数が大きくなるに従って広義単調増加する関係にあることが望ましい。言い換えると、加算値は、離散時間区間に属する時系列信号数の広義単調増加関数値に相当する値であることが望ましい。例えば、符号化の処理単位がフレーム又はサブフレームに切り替え可能とされ、サブフレームを処理単位として用いる場合の加算値よりも、フレームを処理単位として用いる場合の加算値が大きくされてもよい。
図6Bは、フレームに属する予測残差e(n)の振幅が0に近い場合を模式的に例示している。また、図6Cは、フレームに属する予測残差e(n)の振幅が最大振幅値MAXに近い場合を模式的に例示している。
上述した加算値を特定するために必要なPARCOR係数などの指標は、従来の短期予測符号化方式でも復号装置に与えられるものである。すなわち、本形態の処理を行うにあたり、符号化装置は、符号に新たな情報を付加する必要はない。
上述した基準を組み合わせて加算値a(r)(r=0,...,L-1)が設定されてもよい。例えば、異なる離散時間で異なる基準が用いられてもよい。例えば、離散時間r=1では、上述したPARCOR係数を指標とする基準に従って加算値a(1)が定められ、離散時間r=2では、上述した最適予測次数を指標とする基準に従って加算値a(2)が定められてもよい。
なお、本形態で設定を行うパラメータとは、予測残差を可変長符号化するためのパラメータであって、符号量を最小化するための最適値が当該予測残差の振幅が大きくなるに従って広義単調増加又は単調増加する関係にあるパラメータである。このようなパラメータの一例は、予測残差をゴロム・ライス符号化するためのライスパラメータである。しかし、これは本発明を限定するものではない。本発明は、例えば、予測残差又はその絶対値の増加に応じて単調増加する関係にある0以上の整数を被除数とし、当該予測残差が属する時間区間に対して設定されたパラメータに依存する整数を法数とした除算によって得られる整数の商を特定する第1情報と、前記被除数の前記法数に関する剰余を特定する第2情報とを含む情報を予測残差に対応する符号とする、あらゆる可変長符号化方式のパラメータに適用できる。このようなパラメータの例としては、ライスパラメータの他に予測残差をゴロム符号化(Golomb Coding)するためのゴロムパラメータや、ゴロム・ライス符号やゴロム符号のアルファ符号部分をハフマン符号(Huffman Code)に置き換えた可変長符号化方式のパラメータを例示できる。
時系列信号の長期予測分析を行い、長期予測フィルタを用いて得られた予測残差の符号化を行う場合、前述のLは、長期予測分析における遅延値τの最大値以下の予め定められた整数である。前述のように、長期予測分析は、入力された時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)に対し、式(4)に示す予測残差e(n)(n=0,...,N-1)のエネルギーを最小化するゲインρ(j)や遅延値τを算出する処理であり、遅延値τは最小遅延値Τmin以上かつ最大遅延値Τmax以下の範囲から適応的に選択される。そのため、長期予測フィルタによる計算に必要なすべての時系列信号x(n)を確保できない時間区間となり得るのは、先頭からΤmax番目までの離散時間からなる時間区間(0,...,Τmax-1)である。そこで、本形態では、この時間区間(0,..., Τmax-1)のうちの時間区間(0,...,L-1)を第1区間T1とする。また、残りの時間区間(L,...,N-1)を第2区間T2とする。そして、予測残差e(n)を可変長符号化するときに、第2区間T2を含む時間区間での予測残差e(μ)(μ=μmin,...,μmax)の平均振幅が大きくなるに従って広義単調増加する正の第2区間パラメータsが、第2区間T2の予測残差e(z)を可変長符号化するためのパラメータとして算出される。また、第2区間パラメータsと、フレームに属する時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)の自己相関が大きくなるに従って広義単調増加する関係にある正の加算値(時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)の長期予測分析を行った場合の予測効果を表す指標に対応する値)との和又はその補正値である第1区間パラメータが、第1区間T1に属する或る離散時間での予測残差を可変長符号化するためのパラメータとされる。すなわち、第1区間パラメータは、第2区間パラメータsと、時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)の長期予測分析を行った場合の予測効果を表す指標に対応する値との和の広義単調増加関数値に相当する値である。
例12はL=3の例である。例12では、各加算値a(r)がゲインρ(j)の絶対値|ρ(j)|の増加に応じて段階的に大きくなるように設定されている。各離散時間r=0,1,2での第1区間パラメータはs(r)=s+a(r)(r=0,1,2)となる。フレームの先頭に近い離散時間での予測残差ほど大きさが大きくなる傾向がある。そのため、加算値a(r)は、インデックスrの広義単調減少関数値に相当する値であることが望ましい。また、例13では、各加算値a(r)がゲインρ(-tap),...,ρ(tap)の絶対値の平均値ρaveの増加に応じて段階的に大きくなるように設定されている。その他、ゲインの値に応じ、加算値a(r)が各離散時間r=0,1,2で0とされてもよいし、加算値a(r)が各離散時間r=0,1,2で同値とされてもよい。また、この例の場合も、第1区間T1の一部の離散時間のみに本発明が適用されてもよい。また、ゲインの変化に応じて連続的に変化する関数値が加算値a(r)とされてもよい。
《例12》
|ρ(0)|≧60のとき :a(0)=3, a(1)=2, a(2)=1
60>|ρ(0)|≧40のとき :a(0)=2, a(1)=1, a(2)=0
40>|ρ(0)|のとき :a(0)=1, a(1)=0, a(2)=0
《例13》
ρave≧60のとき :a(0)=3, a(1)=2, a(2)=1
60>ρave≧40のとき :a(0)=2, a(1)=1, a(2)=0
40>ρaveのとき :a(0)=1, a(1)=0, a(2)=0
次に、本発明の第1実施形態を説明する。本形態は、短期予測フィルタを用いて得られた予測残差を符号化する形態である。本形態では、PARCOR係数の大きさを指標として加算値を設定する例を説明する。また、具体的な基準として《例1》の基準を用いる場合を例示する。さらに、本形態の例では、0以上最大振幅値MAX以下の範囲に所定値TH1と所定値TH2とを設定し(0≦TH1<TH2≦MAX)、第2区間パラメータsが所定値TH1以下である場合の加算値a(r)が、当該第2区間パラメータが当該所定値TH1よりも大きく所定値TH2よりも小さい場合の加算値a(r)以下となるようにし、第2区間パラメータsが所定値TH2以上である場合の加算値a(r)が、当該第2区間パラメータsが所定値TH1よりも大きく当該所定値TH2よりも小さい場合の加算値a(r)以下となるようにする。ただし、これらは本発明を限定するものではない。
図7は、第1実施形態の符号化装置100の機能構成を説明するためのブロック図であり、図8は、図7に示した残差符号化部120の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図9は、第1実施形態の復号装置200の機能構成を説明するためのブロック図であり、図10は、図9に示した残差復号部220の機能構成を説明するためのブロック図である。なお、これらの図において図1から図3と同じ構成については、図1から図3と同じ符号を用い、説明を省略する。
図11は、第1実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。また、図12は、図11のステップS30の一例を説明するためのフローチャートであり、図13は、図11のステップS50の詳細を例示するためのフローチャートである。以下、これらの図を用いて本形態の符号化方法を説明する。
図12に示す処理はL=3の場合の一例である。この例の場合、まず、加算値決定部121bは、s≦TH1を満たすか否かを判断し(ステップS31)、s≦TH1を満たすのであれば、加算値をa(0)=1,a(1)=0,a(2)=0とする(ステップS32)。また、s≦TH1を満たさないのであれば、加算値決定部121bは、s≧TH2を満たすか否かを判断し(ステップS33)、s≧TH2を満たすのであれば、加算値をa(0)=0,a(1)=0,a(2)=0とする(ステップS34)。さらに、s≧TH2も満たさないのであれば、加算値決定部121bは、|k(1)|≧0.9を満たすか否かを判断し(ステップS35)、|k(1)|≧0.9を満たすのであれば、加算値をa(0)=3,a(1)=2,a(2)=1とする(ステップS36)。また、|k(1)|≧0.9も満たさないのであれば、加算値決定部121bは、|k(1)|≧0.6を満たすか否かを判断し(ステップS37)、|k(1)|≧0.6を満たすのであれば、加算値をa(0)=2,a(1)=1,a(2)=0とする(ステップS38)。|k(1)|≧0.6も満たさないのであれば、加算値決定部121bは、加算値をa(0)=1,a(1)=0,a(2)=0とする(ステップS39)。なお、この例では1次のPARCOR係数k(1)の絶対値|k(1)|を指標にして加算値a(r)を決定している。しかし、1次のPARCOR係数k(1)の量子化誤差が原因となって、符号化装置100で選択された加算値a(r)が復号装置200で選択される加算値a(r)(後述する)と相違してしまうことを防止するために、1次のPARCOR係数k(1)を量子化してから逆量子化して得られた1次のPARCOR係数k(1)の絶対値を指標にし、上述のように加算値a(r)が決定されもよい([ステップS30の一例]の説明終わり)。
図13に示す処理は、予測残差e(n)をゴロム・ライス符号化する場合の一例である。なお、以下では離散時間nについての処理を説明するが、実際は各離散時間n=0,...,N-1についてそれぞれ同様な処理が実行される。
q(n)=floor(e(n)/2w(n)−1) (for e(n)≧0) …(6)
に従って整数の商q(n)を生成し(ステップS55a)、
sub(n)=e(n)−2w(n)−1・q(n)+2w(n)−1 (for e(n)≧0) …(7)
に従って剰余を特定するための情報sub(n)を生成して出力する(ステップS56a)。
q(n)=floor{(−e(n)−1)/2w(n)−1} (for e(n)<0) …(8)
に従って整数の商q(n)を生成し(ステップS55b)、
sub(n)=(−e(n)−1)−2w(n)−1・q(n) (for e(n)<0) …(9)
に従って剰余を特定するための情報sub(n)を生成して出力する((ステップS56b)。
q(n)=2・e(n) (for e(n)≧0) …(10)
に従って商q(n)を生成し(ステップS55c)、sub(n)をnullとして出力する(ステップS56c)。
q(n)=−2・e(n)−1 (for e(n)<0) …(11)
に従って商q(n)を生成し(ステップS55d)、sub(n)をnullとして出力する(ステップS56c)。
図14は、第1実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。また、図15は、ステップS250の詳細を例示するためのフローチャートである。以下、これらの図を用いて本形態の復号方法を説明する。
図15に示す処理は、予測残差e(n)のゴロム・ライス符号を復号する場合の一例である。なお、以下では離散時間nについての処理を説明するが、実際は各離散時間n=0,...,N-1についてそれぞれ同様な処理が実行される。
e(n)=sub(n)+2w(n)−1・q(n)−2w(n)−1 …(12)
e(n)=−sub(n)−1−2w(n)−1・q(n) …(13)
e(n)=q(n)/2 …(14)
e(n)=−(q(n)+1)/2 …(15)
本形態では、予測残差e(n)の符号化時に、符号化装置100の加算値決定部121b(図8)が、フレーム内の時系列信号x(n)(n=0,...,N-1)を短期予測分析して得られた或る次数のPARCOR係数の大きさが大きくなるに従って広義単調増加する関係にある加算値a(r)(r=0,...,L-1)を求め、復号時に復号装置200の加算値決定部222が、その次数のPARCOR係数に対応する符号の復号値を用い、その次数のPARCOR係数の絶対値が大きくなるに従って広義単調増加する関係にある加算値a(r)を求めることとした。しかし、前述のように、その他の基準に従って加算値a(r)が求められてもよい。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本形態では、復号装置200で加算値a(r)を復元するために用いる補助情報を符号Cgに含める。この場合、補助情報分だけ符号Cgの符号量は大きくなるが、加算値a(r)の設定の自由度を広げることができるため、加算値a(r)の設定方法によっては符号Cgの符号量を削減できる。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する事項については説明を省略する。
図16は、第2実施形態における符号化装置の残差符号部320の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図17は、第2実施形態の復号装置の残差復号部420の機能構成を説明するためのブロック図である。なお、これらの図において第1実施形態と共通する部分については第1実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
第1実施形態との相違点は、加算値決定部321bが行う加算値a(r)の決定処理(ステップS30)と、その求め方を特定するための補助情報dを符号Cgに含める点(ステップS60)である。以下では、これらの相違点のみを説明する。
本形態の加算値決定部321bは、加算値を特定するための複数の基準から選択した基準に従い、加算値a(r)を決定する。
加算値決定部321bは、上記のように選択した基準を特定するための補助情報dを合成部2130に出力し、合成部2130は補助情報dを符号Cgに含める。なお、補助情報dは、例えば、0又は1の値をとる1ビットの情報であり、その値が選択した基準に対応している。
第1実施形態との相違点は、加算値決定部422が行う加算値a(r)の決定処理(ステップS230)である。以下では、この相違点のみを説明する。
この変形例では、符号化時に、各離散時間rに対して複数ずつの加算値a(r)(予測効果を表す指標に対応する加算値)が定められ、その中から予測残差e(n)の符号量が最小になる加算値a(r)が各離散時間rに対して1つずつ選択され、選択された各加算値a(r)を特定するための補助情報dが符号Cgに含められる例である。以下では、第1,2実施形態との相違点を中心に説明し、第1,2実施形態と共通する事項については説明を省略する。
図19は、第2実施形態の変形例における符号化装置の残差符号部520の機能構成を説明するためのブロック図である。なお、この図において第1実施形態と共通する部分については第1実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
図20は、第2実施形態の変形例の符号化方法を説明するためのフローチャートである。また、図21は、図20のステップS630の一例を説明するためのフローチャートである。以下、これらの図を用いて本形態の符号化方法を説明する。
図21に示す処理はL=2,dmax=1の場合の一例である。この例の場合、まず、加算値決定部521bは、s≦TH1を満たすか否かを判断し(ステップS631)、s≦TH1を満たすのであれば、d=0に対応する加算値をa(0)=1,a(1)=0とし、d=1に対応する加算値をa(0)=0,a(1)=0とする(ステップS632)。また、s≦TH1を満たさないのであれば、加算値決定部521bは、s≧TH2を満たすか否かを判断し(ステップS633)、s≧TH2を満たすのであれば、d=0に対応する加算値をa(0)=1,a(1)=0とし、d=1に対応する加算値をa(0)=0,a(1)=0とする(ステップS634)。さらに、s≧TH2も満たさないのであれば、加算値決定部521bは、|k(1)|≧0.9を満たすか否かを判断し(ステップS635)、|k(1)|≧0.9を満たすのであれば、d=0に対応する加算値をa(0)=3,a(1)=2とし、d=1に対応する加算値をa(0)=2,a(1)=1とする(ステップS636)。また、|k(1)|≧0.9も満たさないのであれば、加算値決定部521bは、|k(1)|≧0.6を満たすか否かを判断し(ステップS637)、|k(1)|≧0.6を満たすのであれば、d=0に対応する加算値をa(0)=2,a(1)=1とし、d=1に対応する加算値をa(0)=1,a(1)=0とする(ステップS638)。|k(1)|≧0.6も満たさないのであれば、加算値決定部521bは、d=0に対応する加算値をa(0)=1,a(1)=0とし、d=1に対応する加算値をa(0)=0,a(1)=0とする(ステップS639)。なお、この例では、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値|k(1)|を指標にして加算値a(r)を決定している。しかし、1次のPARCOR係数k(1)の量子化誤差が原因となって、符号化装置で選択された加算値a(r)が復号装置で選択される加算値a(r)と相違してしまうことを防止するために、1次のPARCOR係数k(1)を量子化してから逆量子化して得られた1次のPARCOR係数k(1)の絶対値を指標にし、上述のように加算値a(r)が決定されてもよい([ステップS630の一例]の説明終わり)。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。本形態は、長期予測フィルタを用いて得られた予測残差を符号化する形態である。本形態では、ゲインρ(0)の大きさを指標として加算値を設定する例を説明する。また、具体的な基準として《例12》の基準を用いる場合を例示する。さらに、本形態の例では、0以上最大振幅値MAX以下の範囲に所定値TH1と所定値TH2とが設定される(0≦TH1<TH2≦MAX)。そして、第2区間パラメータsが所定値TH1以下である場合の加算値a(r)が、当該第2区間パラメータが当該所定値TH1よりも大きく所定値TH2よりも小さい場合の加算値a(r)以下となるようにする。さらに、第2区間パラメータsが所定値TH2以上である場合の加算値a(r)が、当該第2区間パラメータsが所定値TH1よりも大きく当該所定値TH2よりも小さい場合の加算値a(r)以下となるようにする。ただし、これらは本発明を限定するものではない。また、以下では、第1,2実施形態との相違点を中心に説明し、それらと共通する事項については説明を省略する。
図22は、第3実施形態の符号化装置600の機能構成を説明するためのブロック図であり、図23は、図22に示した残差符号化部620の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図24は、第3実施形態の復号装置700の機能構成を説明するためのブロック図であり、図25は、図24に示した残差復号部720の機能構成を説明するためのブロック図である。なお、これらの図において、これまで説明したものと同じ構成については、それらと同じ符号を用い、説明を省略する。
図26は、第3実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。また、図27は、図26のステップS730の一例を説明するためのフローチャートである。以下、これらの図を用いて本形態の符号化方法を説明する。
図27に示す処理はL=3の場合の一例である。この例の場合、まず、加算値決定部621bは、s≦TH1を満たすか否かを判断し(ステップS31)、s≦TH1を満たすのであれば、加算値をa(0)=1,a(1)=0,a(2)=0とする(ステップS32)。また、s≦TH1を満たさないのであれば、加算値決定部621bは、s≧TH2を満たすか否かを判断し(ステップS33)、s≧TH2を満たすのであれば、加算値をa(0)=0,a(1)=0,a(2)=0とする(ステップS34)。さらに、s≧TH2も満たさないのであれば、加算値決定部621bは、|ρ'(0)|≧60を満たすか否かを判断し(ステップS735)、|ρ'(0)|≧60を満たすのであれば、加算値をa(0)=3,a(1)=2,a(2)=1とする(ステップS36)。また、|ρ'(0)|≧60も満たさないのであれば、加算値決定部621bは、|ρ'(0)|≧40を満たすか否かを判断し(ステップS737)、|ρ'(0)|≧40を満たすのであれば、加算値をa(0)=2,a(1)=1,a(2)=0とする(ステップS38)。|ρ'(0)|≧40も満たさないのであれば、加算値決定部621bは、加算値をa(0)=1,a(1)=0,a(2)=0とする(ステップS39/[ステップS730の一例]の説明終わり)。
図28は、第3実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、この図を用いて本形態の復号方法を説明する。
本形態では、前述の《例12》の基準に従って加算値a(r)(r=0,...,L-1)を設定することとした。しかし、《例13》のような、その他の基準に従って加算値a(r)を求める構成であってもよい。また、これらの異なる基準を組み合わせて利用してもよく、例えば、離散時間rごとに異なる基準を用いて加算値a(r)を求めてもよい。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、本形態では、ランダムアクセスされたフレームや先頭のサブフレームを「或る離散時間区間」として本発明を適用することとした。しかし、短期予測フィルタによる計算に、処理対象のフレーム(又はサブフレーム)より前の時間区間の時系列信号を用いることができない状況であれば、本発明を適用することで平均符号量を削減できる。
2200,200,700,900 復号装置
Claims (16)
- 或る離散時間区間に属する時系列信号の予測残差の可変長符号化用パラメータを選択するパラメータ選択方法であって、
(A) 前記離散時間区間が含む最先の時間区間を第1区間とし、当該第1区間よりも後の時間区間を第2区間とした場合における、当該第2区間を含む時間区間での予測残差の平均振幅の単調非減少関数値に相当する正の第2区間パラメータを、前記第2区間の予測残差の可変長符号化用パラメータとするステップと、
(B) 前記第2区間パラメータと前記第2区間を含む時間区間での時系列信号の予測効果を表す指標に対応する正の加算値との和の単調非減少関数値に相当する値を、前記第1区間に属する或る離散時間での予測残差の可変長符号化用パラメータとするステップと、
を有するパラメータ選択方法。 - 或る離散時間区間に属する時系列信号の予測残差の可変長符号化用パラメータを選択するパラメータ選択方法であって、
(A) 前記離散時間区間が含む最先の時間区間を第1区間とし、当該第1区間よりも後の時間区間を第2区間とした場合における、当該第2区間を含む時間区間での予測残差の平均振幅の単調非減少関数値に相当する正の第2区間パラメータを、前記第2区間の予測残差の可変長符号化用パラメータとするステップと、
(B) 前記離散時間区間に属する時系列信号に対応する或る次数のPARCOR係数の大きさが第1値である場合に、前記第2区間パラメータと、正の第1加算値との和の単調非減少関数値に相当する値を、前記第1区間に属する或る離散時間での予測残差の可変長符号化用パラメータとし、前記PARCOR係数の大きさが前記第1値よりも大きな第2値である場合に、前記第2区間パラメータと前記第1加算値以上の第2加算値との和の単調非減少関数値に相当する値を、前記第1区間に属する或る離散時間での予測残差の可変長符号化用パラメータとするステップと、
を有するパラメータ選択方法。 - 或る離散時間区間に属する時系列信号の予測残差の可変長符号化用パラメータを選択するパラメータ選択方法であって、
(A) 前記離散時間区間が含む最先の時間区間を第1区間とし、当該第1区間よりも後の時間区間を第2区間とした場合における、当該第2区間を含む時間区間での予測残差の平均振幅の単調非減少関数値に相当する正の第2区間パラメータを、前記第2区間の予測残差の可変長符号化用パラメータとするステップと、
(B) 前記第2区間パラメータと前記離散時間区間の時系列信号の長期予測分析を行った場合の予測効果を表す指標に対応する正の加算値との和の単調非減少関数値に相当する値を、前記第1区間に属する或る離散時間での予測残差の可変長符号化用パラメータとするステップと、
を有するパラメータ選択方法。 - 請求項1のパラメータ選択方法であって、
前記加算値は、前記第2区間を含む時間区間での時系列信号の平均振幅に対する予測残差の平均振幅の比の単調非増加関数値に相当する、パラメータ選択方法。 - 請求項1のパラメータ選択方法であって、
前記加算値は、前記離散時間区間に属する時系列信号に対応する或る次数のPARCOR係数の大きさの単調非減少関数値に相当する、パラメータ選択方法。 - 請求項1のパラメータ選択方法であって、
前記加算値は、前記離散時間区間の時系列信号の短期予測分析を行う際に適応的に選択される最適予測次数の単調非減少関数値に相当する、パラメータ選択方法。 - 請求項1のパラメータ選択方法であって、
前記加算値は、前記離散時間区間の時系列信号を予測次数Pで短期予測分析して得られる1次からP次までの各PARCOR係数をk(m)(m=1,...,P)とした場合におけるΠm=1 P{1-k(m)2}の単調非増加関数値に相当する、パラメータ選択方法。 - 請求項1のパラメータ選択方法であって、
前記加算値は、前記離散時間区間に属する離散時間数未満の正の整数をLとし、前記第1区間を前記離散時間区間の最先の離散時間からL番目の離散時間までの時間区間とし、前記第1区間の最先からL番目までの離散時間の各インデックスをr(r=0,...,L-1)とした場合における、各インデックスrに対応する各離散時間にそれぞれ設定され、
インデックスr=0に対応する離散時間での前記加算値は、前記離散時間区間の時系列信号を予測次数Pで短期予測分析して得られる1次からP次までの各PARCOR係数をk(m)(m=1,...,P)とした場合における1-Πm=1 P{1-k(m)2}の単調非減少関数値に相当し、0<r<Pのインデックスrに対応する離散時間での前記加算値は、Πm=1 r{1-k(m)2}-Πm=1 P{1-k(m)2}の単調非減少関数値に相当し、
前記ステップ(B)は、前記第2区間パラメータと、前記インデックスrに対応する離散時間での前記加算値との和の単調非減少関数値に相当する値を、当該インデックスrに対応する離散時間での予測残差の可変長符号化用パラメータとするステップである、パラメータ選択方法。 - 請求項1のパラメータ選択方法であって、
前記ステップ(B)は、前記第2区間パラメータが所定値よりも大きい場合に実行されるステップであり、
前記第2区間パラメータが前記所定値以下である場合には、前記第2区間パラメータと前記加算値より小さな正の第2加算値との和の単調非減少関数値に相当する値を、前記第1区間に属する或る離散時間での予測残差の可変長符号化用パラメータとするステップが実行され、
前記所定値は、0以上であって前記第2区間パラメータの最大振幅値未満の値である、パラメータ選択方法。 - 請求項1から3の何れかのパラメータ選択方法であって、
前記加算値は、前記離散時間区間に属する時系列信号数の単調非減少関数値に相当する、パラメータ選択方法。 - 請求項1から3の何れかのパラメータ選択方法であって、
前記第1区間は、前記離散時間区間の最先の離散時間からL番目の離散時間までの時間区間であり、
前記第2区間は、前記離散時間区間のL+1番目の離散時間から当該離散時間区間の最後の離散時間までの時間区間であり、
Lは前記離散時間区間に属する離散時間数未満の正の整数である、パラメータ選択方法。 - 或る離散時間区間に属する時系列信号の予測残差の可変長符号化用パラメータを選択する装置であって、
前記離散時間区間が含む最先の時間区間を第1区間とし、当該第1区間よりも後の時間区間を第2区間とした場合における、当該第2区間を含む時間区間での予測残差の平均振幅の単調非減少関数値に相当する正の第2区間パラメータを、前記第2区間の予測残差の可変長符号化用パラメータとする第2区間パラメータ算出部と、
前記第2区間パラメータと前記第2区間を含む時間区間での時系列信号の予測効果を表す指標に対応する正の加算値との和の単調非減少関数値に相当する値を、前記第1区間に属する或る離散時間での予測残差の可変長符号化用パラメータとする第1区間パラメータ算出部と、
を有する装置。 - 或る離散時間区間に属する時系列信号の予測残差の可変長符号化用パラメータを選択する装置であって、
前記離散時間区間が含む最先の時間区間を第1区間とし、当該第1区間よりも後の時間区間を第2区間とした場合における、当該第2区間を含む時間区間での予測残差の平均振幅の単調非減少関数値に相当する正の第2区間パラメータを、前記第2区間の予測残差の可変長符号化用パラメータとする第2区間パラメータ算出部と、
前記離散時間区間に属する時系列信号に対応する或る次数のPARCOR係数の大きさが第1値である場合に、前記第2区間パラメータと正の第1加算値との和の単調非減少関数値に相当する値を、前記第1区間に属する或る離散時間での予測残差の可変長符号化用パラメータとし、前記PARCOR係数の大きさが前記第1値よりも大きな第2値である場合に、前記第2区間パラメータと前記第1加算値以上の第2加算値との和の単調非減少関数値に相当する値を、前記第1区間に属する或る離散時間での予測残差の可変長符号化用パラメータとする第1区間パラメータ算出部と、
を有する装置。 - 或る離散時間区間に属する時系列信号の予測残差の可変長符号化用パラメータを選択する装置であって、
前記離散時間区間が含む最先の時間区間を第1区間とし、当該第1区間よりも後の時間区間を第2区間とした場合における、当該第2区間を含む時間区間での予測残差の平均振幅の単調非減少関数値に相当する正の第2区間パラメータを、前記第2区間の予測残差の可変長符号化用パラメータとする第2区間パラメータ算出部と、
前記第2区間パラメータと前記離散時間区間の時系列信号の長期予測分析を行った場合の予測効果を表す指標に対応する正の加算値との和の単調非減少関数値に相当する値を、前記第1区間に属する或る離散時間での予測残差の可変長符号化用パラメータとする第1区間パラメータ算出部と、
を有する装置。 - 請求項1から3の何れかのパラメータ選択方法の各ステップの処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項1から3の何れかのパラメータ選択方法の各ステップの処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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