以下に、本発明を実施するための複数の形態について説明する。以下の説明において、先行する形態で説明している事項に対応する部分については同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。以下の説明は、情報処理方法についての説明をも含む。
図1は、本発明の実施の一形態である情報処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。図2は、運転情報記録装置10の電気的構成を示すブロック図である。図3は、Gセンサ15によるGセンサ出力値の検出方向を説明するための図である。
情報処理装置(以下「センタ機器」という場合がある)1は、後述する運転情報記録装置10を備える車両に対して配車指示および車両の運行管理を行う配車センタに備えられる。センタ機器1は、記録媒体、具体的にはコンパクトフラッシュ(登録商標)カード(以下「CFカード」という場合がある)7に記録された情報を解析可能かつ出力可能に構成されている。CFカード7は、通電しなくても記憶が消えないフラッシュメモリと、外部との入出力を受け持つコントローラ回路とが電気的に接続されたものである。センタ機器1は、CFカード7に限らず、SD(Secure Digital)メモリカード、メモリースティックおよびスマートメディアなどの記録媒体に記録された情報も解析可能かつ出力可能に構成されてもよい。
センタ機器1は、操作部2、カードリーダ3、センタ側記憶部4、表示部5およびセンタ側処理部6を含んで構成される。操作部2は、利用者が操作して所定の情報を入力するための入力操作キーなどの複数の操作片を有し、たとえばキーボードによって実現される。操作部2は、各操作片が操作されることによって、数字情報、文字情報およびセンタ機器1への指示情報などの所定の情報など、操作に応じた情報を表す信号を生成してセンタ側処理部6に与える。したがって利用者は、操作部2の各操作片を操作して、センタ機器1に情報を与えることができる。
カードリーダ3は、装着された記録媒体、本実施の形態ではCFカード7に記録された運転情報を読取る。CFカード7には、運転情報として、記録運転情報と、記録運転情報に対応付けられた画像を表す記録画像情報とが記録される。記録運転情報は、加速度を表す記録加速度情報または車両の走行速度(以下「車速」という場合がある)を表す記録車速情報の少なくともいずれか一方を含む。本実施の形態の運転情報は、記録加速度情報と、記録車速情報と、前記記録加速度情報または前記記録車速情報の少なくともいずれか一方に対応付けられた画像を表す記録画像情報とを含む。なお、CFカード7に記録する運転情報は、記録加速度情報または記録車速情報のいずれか一方と、その一方の記録情報に対応付けられた画像を表す記録画像情報としてもよい。さらには、加速度、車速以外の運転状態を示す記録情報と、その記録情報に対応付けられた画像を表す記録画像情報としてもよい。
センタ側記憶部4には、カードリーダ3によってCFカード7から読み出された運転情報と、比較用運転情報と、該比較用運転情報に予め対応付けられた車両の運転状況を表す運転状況情報とが記憶される。比較用運転情報は、予め定める時間の加速度を表す比較用加速度情報または前記予め定める時間の車両の走行速度を表す比較用車速情報の少なくともいずれか一方を含む。本実施の形態では、センタ側記憶部4に、カードリーダ3によってCFカード7から読み出された運転情報と、所定の走行パターンにおける前記比較用加速度情報および前記比較用車速情報と、比較用加速度情報または比較用車速情報の少なくともいずれか一方に予め対応付けられた車両の運転状況であって、車両の所定の走行パターンを表す運転状況情報とが記憶される。所定の走行パターンとは、「急発進」、「急加速」、「急ブレーキ」、「通常ブレーキ」、「左急ハンドル」および「右急ハンドル」などの車両の運転状況をいう。「左急ハンドル」とは、車両のハンドルを、該ハンドルの回転軸を中心として左回り、換言すれば反時計回りに、かつ操舵角が予め定める角度以上となるように操作される状況をいう。「右急ハンドル」とは、車両のハンドルを、該ハンドルの回転軸を中心として右回り、換言すれば時計回りに、かつ操舵角が予め定める角度以上となるように操作される状況をいう。なお、比較用運転情報としては、CFカード7に記録加速度情報または記録車速情報のいずれか一方が記憶される場合は、それに併せて少なくともその一方に対応する比較用情報、つまり比較用加速度情報または比較用車速情報が記憶されていればよく、CFカード7に加速度、車速以外の運転状態を示す記録情報が記録される場合は、少なくともその記録情報に対応する比較用情報が記憶されていればよい。以下の説明では、CFカード7に記録加速度情報と記録車速情報の両方が記録され、センサ側記憶部4に比較用加速度情報と比較用車速情報の両方が記憶される場合について説明するが、パラメータとして加速度、車速の一方、あるいは加速度、車速以外の運転状態とする場合も同様である。
センタ側記憶部4は、センタ機器1を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラムを記憶する。制御プログラムは、センタ機器1の図示しないROM(Read Only Memory)に記憶されてもよい。
表示部5は、後述するドライブレコーダ10のカメラ12で撮像されて、CFカード7に記録された車両の運転に関する運転情報に対応付けられた画像を表す記録画像情報の一覧を、この記録画像情報に関連付けられた運転状況情報とともに表示する。前記画像は、静止画像および動画像を含む。前記画像は、文字、数字などのキャラクタを表す画像でもよいし、写真およびイラストを表す画像でもよい。表示部5は、透過型液晶表示素子、反射型液晶表示素子、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence;略称:EL)素子および半透過半反射型液晶表示素子のうち、少なくとも1つを用いて実現されてもよい。また表示部5は、カラー表示可能であってもよいし、白黒表示可能であってもよい。
センタ側処理部6は、CPUなどの処理回路によって実現される。センタ側処理部6は、センタ側記憶部4に記憶される制御プログラムに従って、センタ機器1を構成するカードリーダ3、センタ側記憶部4および表示部5を制御する。
センタ側処理部6は、カードリーダ3によってCFカード7から読取られた運転情報を、センタ側記憶部4に記憶させる。
センタ側処理部6は、カードリーダ3によってCFカード7から読取られる記録加速度情報とセンタ側記憶部4に記憶される比較用加速度情報との比較、またはカードリーダ3によってCFカード7から読取られる記録車速情報とセンタ側記憶部4に記憶される比較用車速情報との比較のうち、少なくともいずれか一方を行い、予めセンタ側記憶部4に記憶される運転状況情報に基づいて、記録加速度情報または記録車速情報の少なくともいずれか一方に対応する運転状況情報を特定する。センタ側処理部6は、特定した運転状況情報を、記録加速度情報または記録車速情報の少なくともいずれか一方に対応付けられた記録画像情報に関連付けて、センタ側記憶部4に記憶させる。
センタ側処理部6は、カードリーダ3によってCFカード7から読取られる記録加速度情報と、記録車速情報と、これら記録加速度情報または記録車速情報の少なくともいずれか一方に対応付けられた記録画像情報の一覧を、前記記録画像情報に関連付けられた運転状況情報とともに、表示部5に表示させる。
センタ側処理部6は、センタ側記憶部4に、予め定める画像解析プログラムなどのアプリケーションプログラムをインストールすることによって、情報を解析可能に構成されている。ただし、アプリケーションプログラムは、画像解析プログラムに限定されるものではない。
本実施の形態のカードリーダ3は、読取手段に相当する。センタ側記憶部4は、記憶手段に相当する。表示部5は、表示手段に相当する。センタ側処理部6は、特定手段に相当する。センタ側記憶部4およびセンタ側処理部6は、制御手段に相当する。
運転情報記録装置(以下「ドライブレコーダ」という場合がある)10は、たとえばバッテリ電圧が24ボルトの運輸トラックおよびバスに好適に搭載される。ただし適用車両は、運輸トラックおよびバスだけに限定されるものではなく、たとえばバッテリ電圧が12ボルトのタクシーに搭載されてもよい。
ドライブレコーダ10は、車両の運転に関する運転情報を巡回して記憶するとともに、予め定める条件が成立した場合に、前記運転情報などと関連付けて画像および音声情報を、記録媒体14、具体的にはCFカード7に記録可能に構成されている。
ドライブレコーダ10は、ドライブレコーダ本体11、撮像手段であるカメラ12、マイクロフォン(以下「マイク」という)13およびスピーカ14を有する。カメラ12およびマイク13は、ドライブレコーダ本体11のレコーダ側処理部20に電気的に接続されて別体に設けられる。カメラ12およびマイク13は、ドライブレコーダ本体11と一体に設けられてもよい。この場合、カメラ12およびマイク13と一体化されたドライブレコーダ本体11は、たとえばフロントガラスに付設される。
当該車両には、少なくとも一台のカメラ12が設けられる。カメラ12は、CCD( Charge Coupled Device)カメラによって実現される。カメラ12は、車両前方を撮像す
べく車両に固定される。車両前方以外に、たとえば車両後方を撮像すべく、増設カメラを車両に固定することも可能である。
マイク13には、たとえば車室内の音声が入力される。マイク13に入力された音声を表す音声情報は、レコーダ側処理部20に与えられる。スピーカ14は、ドライブレコーダ本体11の後述するレコーダ側処理部20に電気的に接続され、レコーダ側処理部20から与えられる電気信号を音響化して音声を出力する。スピーカ14は、後述するROM18に記憶されている予め定める音声、たとえばビープ音および合成音声を出力する。
ドライブレコーダ本体11には、CFカード7を挿抜可能な不図示の挿入口が形成されている。挿入口に挿抜可能な記録媒体は、前述のCFカード7に限らず、たとえばSD(Secure Digital)メモリカード、メモリースティックおよびスマートメディアであってもよい。
ドライブレコーダ本体11は、加速度センサ(以下「Gセンサ」という場合がある)15、車速センサ16、車両状態センサ17、ROM18、RAM(Random Access Memory)19およびレコーダ側処理部20を含んで構成される。
Gセンサ15は、車両の前後方向および左右方向に作用する重力加速度、いわゆるGセンサ出力値を検出する。当該車両の進行方向を前後方向とし、その一方が前方であり、他方が後方である。また車両の進行方向に向かって左右の方向を左右方向とする。前後方向および左右方向に直交する方向を上下方向とする。本実施の形態では、前後方向をY軸方向と定義し、左右方向をX軸方向と定義する。図3に示す「Y」は、進行方向であり、「−Y」は、進行方向とは逆向きの方向である。図3に示す「X」は、当該車両の進行方向に向かって右方向であり、「−X」は、当該車両の進行方向に向かって左方向である。
X軸方向の重力加速度を表す加速度情報(以下「X軸方向のGセンサ出力値」という場合がある)G(X)と、Y軸方向の重力加速度を表す加速度情報(以下「Y軸方向のGセンサ出力値」という場合がある)G(Y)とは、独立して検出されて記録される。以下の説明において、「X軸方向のGセンサ出力値」と「Y軸方向のGセンサ出力値」とを総称して「Gセンサ出力値」という場合がある。Gセンサ15は、検出したGセンサ出力値を、レコーダ側処理部20に与える。
車速センサ16は、車両の車輪の回転速度に対応して発生される車速パルスを検出し、検出した車速パルスをレコーダ側処理部20に与える。レコーダ側処理部20は、車速センサ16から与えられる車速パルスに基づいて車両の走行速度(以下「車速」という場合がある)を算出する。
車両状態センサ17は、運転者によって操作される車両のステアリングホイールの操舵角度を表す情報を検出する操舵角センサ、および方向指示器スイッチなどの操作部の操作状態を表す情報を検出するセンサを含む。車両状態センサ17は、検出した前記操舵角度を表す情報および前記操作部の操作状態を表す情報を、レコーダ側処理部20に与える。
ROM18は、たとえばフラッシュROMによって実現される。ROM18は、ドライブレコーダ本体11を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラムを記憶する。
RAM19は、たとえばSD−RAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)によって実現される。RAM19は、後述するレコーダ側処理部20が内蔵するRTC(Real Time Clock)によって計時される時刻を表す時刻情報、Gセンサ15によって検出されるGセンサ出力値、および車速センサ16によって検出され、レコーダ側処理部20によって算出された車速を表す車速情報を含む車両の状態を表す状態情報と、カメラ12によって撮像され、JPEG(Joint Photographic coding Experts Group)形式に変換された画像を表す画像情報とを関連付けた運転情報を一時的に記憶する。カメラ12によって撮像された画像のファイル形式は、JPEG形式に限定されるものではなく、たとえばビットマップ形式であってもよいし、動画のファイル形式であってもよいし、さらには独自に開発した形式であってもよい。
レコーダ側処理部20は、中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称:CP
U)などの処理回路によって実現される。レコーダ側処理部20は、ROM18に記憶されている制御プログラムに従って、ドライブレコーダ10を構成するスピーカ14およびRAM19と、記録媒体14とを制御する。レコーダ側処理部20は、RTCを内蔵し、時刻を計時している。レコーダ側処理部20は、内蔵するRTCによって計時する時刻を表す時刻情報と、Gセンサ15によって検出されるGセンサ出力値、および車速センサ16によって検出され、レコーダ側処理部20によって算出された車速を表す車速情報を含む車両の状態を表す状態情報と、カメラ12によって撮像され、JPEG形式に変換された画像を表す画像情報とを関連付けた運転情報を、RAM19に記憶させる。レコーダ側処理部20は、予め定める記録開始条件に基づいて、RAM19に記憶された運転情報をCFカード7に記録するように制御する。
CFカード7に記録される運転情報を表1に示す。
本実施の形態では、複数の事象(イベント)の運転情報がCFカード7に記録される。具体的に述べると、CFカード7には、表1に示されるように、複数の事象を識別するための識別番号(以下「イベントNo.」という場合がある)と、事象の発生時刻(t)を表す時刻情報と、イベントNo.に対応する車速を表す車速情報、X軸方向のGセンサ出力値G(X)、Y軸方向のGセンサ出力値G(Y)およびカメラ12によって撮像された画像を表す画像情報とが記録される。
図4は、Gセンサ出力値に基づいて、静止画像情報が一定間隔δおきにCFカード7に記録される態様を示す図である。図5は、画像情報の一部と位置情報等との関係を示す図である。レコーダ側処理部20は、カメラ12で撮像されてドライブレコーダ本体11に入力された入力画像をJPEG形式の画像情報に変換し、JPEG形式に変換された画像情報をRAM19に順次記録させる。このとき一枚の静止画像は、たとえば「画像*.jpg」というファイル名でRAM19に記憶される(図5参照)。前記「*」は整数である。
前述のようにレコーダ側処理部20は、静止画像の付加情報として、時刻情報、当該車両のGセンサ出力値および車速情報を、RAM19に順次記憶させる。予め定める記録条件を満たした場合、レコーダ側処理部20は、RAM19に記憶されるJPEG変換画像、時刻情報、Gセンサ出力値および車速情報をCFカード7に記録させる。
本実施の形態では、たとえば1秒間に10枚の静止画像がCFカード7に記録され、1イベント最大20秒間で200枚の静止画像がCFカード7に記録可能に構成されている。1イベントとは、予め定める記録条件を満たした一つの状態と同義である。さらに述べると、たとえば図5に示すように、CFカード7には、最大20秒間で200枚の静止画像「画像1.jpg」,・・・,「画像200.jpg」から成る画像情報群が記録され、また前記画像情報群に含まれる各静止画像のファイル名「画像1」,・・・,「画像200」と、時刻情報、前記車両のGセンサ出力値および車速情報がそれぞれ関連付けられた情報とが、画像情報群の付加情報として、CFカード7に記録される。
図6は、閾値を超過したGセンサ出力値30と、CFカード7に記録される記録画像情報の記録範囲Rhとの関係を示す図である。閾値を超過したGセンサ出力値30と、CFカード7に記録される記録画像情報の記録範囲Rhとの関係について、図2および図4も参照しつつ説明する。記録条件としてGセンサ出力値30が閾値GmaxまたはGminを超過すると、閾値超過時刻Tgを基準として最大20秒間の記録範囲Rhにわたって、RAM19にエンドレスで記録されたJPEG変換画像、そのGセンサ出力値、時刻情報および車速情報を、CFカード7に記録する。以下の説明において、閾値超過時刻Tgをトリガ発生時という場合がある。トリガ発生時Tg前の記録時間Tbef秒に、トリガ発生時Tg後の記録時間Taft秒を加えた時間が、1イベントにおける記録範囲Rhの合計時間に相当する。
トリガ発生時Tg前の記録時間Tbefは、8秒以上12秒以下の範囲で設定可能であり、トリガ発生時Tg後の記録時間Taftは、8秒以上12秒以下の範囲で設定可能である。換言すれば、1イベントにおける記録範囲Rhは、トリガ発生時Tg前8秒以上12秒以下、トリガ発生時Tg後8秒以上12秒以下の範囲で最大20秒間を設定可能になっている。
本実施の形態では、1イベントにおける記録範囲Rhの合計時間を最大20秒に設定しているが、記録範囲Rhの合計時間は20秒に限定されるものではなく、記録範囲Rhの合計時間をたとえば最大30秒に設定してもよい。この場合には、トリガ発生時Tg前の記録時間Tbefを、たとえば5秒以上25秒以下の範囲で設定し、トリガ発生時Tg後の記録時間Taftを、たとえば5秒以上25秒以下の範囲で設定してもよい。
図7は、Gセンサ出力値の閾値判定方法を説明するための図である。レコーダ側処理部20は、Gセンサ15の出力を取得し、閾値Gabeを超えたか否かを判定する。Gセンサ15は、前述のようにX軸方向およびY軸方向の重力加速度を検出する二軸タイプであり、車両の前後方向および左右方向の重力加速度を検出可能に構成されている。したがって車両の前後方向の衝突事故だけでなく、左右方向の衝突事故をも確実に検出することができ、その原因を分析することが可能となる。閾値判定は、前後方向の重力加速度と、左右方向の重力加速度とのベクトル和で実施する。この閾値は、設定により任意の値に変更可能になっている。
次に、ドライブレコーダ11によってCFカード7に記録されたGセンサ出力値と車速情報とに対応する運転状況情報の特定方法について説明する。
図8は、CFカード7に記録された記録加速度情報および記録車速情報に対応する運転状況情報の特定処理およびその表示処理に関するセンタ側処理部6の処理手順を示すフローチャートである。
図9は、カードリーダ3によってCFカード7から読取られた記録加速度情報および記録車速情報の時間変化を示すグラフである。図9(1)に、X軸方向のGセンサ出力値G(X)の時間変化を表すグラフを示し、図9(2)に、Y軸方向のGセンサ出力値G(Y)の時間変化を表すグラフを示し、図9(3)に、車速値Vの時間変化を表すグラフを示す。図9(1)に示すグラフの縦軸は、X軸方向のGセンサ出力値G(X)を表し、図9(2)に示すグラフの縦軸は、Y軸方向のGセンサ出力値G(Y)を表し、図9(3)に示すグラフの縦軸は、車速値Vを表す。
図10は、加速度平滑化情報および車速平滑化情報の時間変化を示すグラフである。図10(1)に、X軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(X)の時間変化を表すグラフを示し、図10(2)に、Y軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(Y)の時間変化を表すグラフを示し、図10(3)に、平滑化車速値HVの時間変化を表すグラフを示す。図10(1)に示すグラフの縦軸は、X軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(X)を表し、図10(2)に示すグラフの縦軸は、Y軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(Y)を表し、図10(3)に示すグラフの縦軸は、平滑化車速値HVを表す。
図11は、運転状況情報が急ブレーキであるときの加速度マスタ情報および車速マスタ情報の時間変化を示すグラフである。図11(1)に、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)の時間変化を表すグラフを示し、図11(2)に、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)の時間変化を表すグラフを示し、図11(3)に、マスタ車速値MVの時間変化を表すグラフを示す。図11(1)に示すグラフの縦軸は、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)を表し、図11(2)に示すグラフの縦軸は、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)を表し、図11(3)に示すグラフの縦軸は、マスタ車速値MVを表す。図9、図10および図11に示すグラフの横軸は、時間を表す。
図8に示すフローチャートは、センタ機器1のカードリーダ3にCFカード7が装着される条件で処理が開始する。本処理は、センタ側処理部6によって実行される。本処理開始後、ステップa1に移行する。
ステップa1では、カードリーダ3に装着されたCFカード7に記録される情報であって、トリガ発生時Tgの12秒前から、トリガ発生時Tgの8秒後までの20秒間における記録加速度情報と、記録車速情報と、記録加速度情報および記録車速情報に対応付けられた記録画像情報とを、カードリーダ3に読取らせて、ステップa2に移行する。カードリーダ3によって読取られた記録加速度情報と、記録車速情報と、記録加速度情報および記録車速情報に対応付けられた記録画像情報とは、センタ側処理部6に与えられる。
ステップa2では、カードリーダ3によって読取られた記録加速度情報が表すGセンサ出力値、具体的にはX軸方向のGセンサ出力値G(X)およびY軸方向のGセンサ出力値G(Y)と、カードリーダ3によって読取られた記録車速情報が表す車速値Vとをそれぞれ平滑化して、ステップa3に移行する。さらに述べると、センタ側処理部6は、X軸方向のGセンサ出力値G(X)およびY軸方向のGセンサ出力値G(Y)をそれぞれ平滑化して、X軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(X)およびY軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(Y)を求め、また車速値Vを平滑化して、平滑化車速値HVを求める。
ステップa3では、ステップa2で求めたX軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(X)、Y軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(Y)および平滑化車速値HV(以下「平滑化情報」という場合がある)と、予め記憶工程において運転状況情報に対応してセンタ側記憶部4に記憶される複数の比較用加速度情報および比較用車速情報、さらに具体的には複数のX軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)およびマスタ車速値MV(以下「マスタ情報」という場合がある)とを比較して、平滑化情報に対応する運転状況情報が特定されたか否かを判断し、運転状況情報が特定されていればステップa4に移行し、運転状況情報が特定されていなければ本処理を終了する。
ステップa3において、センタ側処理部6は、具体的には平滑化情報と各マスタ情報との差分値を求め、求めた差分値が最小となるときのマスタ情報、換言すれば平滑化情報に類似するマスタ情報がセンタ側記憶部4に記憶されているか否かを判断し、記憶されていれば、そのセンタ側記憶部4に記憶されているマスタ情報に基づいた運転状況情報を、平滑化情報に対応する運転状況情報として特定して、ステップa4に移行する。ステップa3において、平滑化情報に類似するマスタ情報がセンタ側記憶部4に記憶されていなければ、本処理を終了する。
本実施の形態では、平滑化情報とセンタ側記憶部4に記憶される複数のマスタ情報とを比較、具体的には図10の平滑化情報の時間変化と図11のマスタ情報の時間変化とを比較する。図10の平滑化情報の時間変化は、トリガ発生時Tg前の予め定める時間、たとえば0.7秒以内にY軸方向のGセンサ出力値が急激に増加、たとえば0.5G以上となり、その後、車速値が急激に減少、たとえば1秒間に車速が10km/h以上減少する特徴を有しており、センタ側記憶部4に記憶されている複数のマスタ情報のうち、図11のマスタ情報の時間変化も図10の平滑化情報の時間変化と同様の特徴を有している。
これによって図10の平滑化情報の時間変化は、図11のマスタ情報の時間変化に類似していることがセンタ側処理部6によって判断される。センタ側処理部6によって、図11のマスタ情報に基づいた運転状況情報、具体的には「急ブレーキ」を、図10の平滑化情報に対応する運転状況情報として特定して、ステップa4に移行する。
ステップa4では、ステップa3で特定された運転状況情報、具体的には「急ブレーキ」を、平滑化情報に対応する記録画像情報に関連付けてセンタ側記憶部4に記憶させて、ステップa5に移行する。ステップa5では、平滑化情報に対応する記録画像情報の一覧を、この記録画像情報に関連付けた運転状況情報とともに表示部5に表示させて、本処理を終了する。
図8に示すフローチャートのステップa1は、読取工程に相当し、ステップa3は特定工程に相当し、ステップa4およびステップa5は、制御工程に相当する。
前述の図8に示すフローチャートのステップa3において、平滑化情報に対応する運転状況情報を特定するために、平滑化情報とセンタ側記憶部4に記憶される複数のマスタ情報とを比較するにあたって、センタ側記憶部4には、予め複数のマスタ情報とともに、マスタ情報に基づいた運転状況情報、換言すればマスタ情報の時間変化の特徴に応じた複数の運転状況情報が記憶される。以下に、センタ側記憶部4に記憶されるマスタ情報の時間変化の特徴、およびその特徴を有するマスタ情報に対応する運転状況情報について説明する。
図12は、運転状況情報が通常ブレーキであるときの加速度マスタ情報および車速マスタ情報の時間変化を示すグラフである。図12(1)に、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)の時間変化を表すグラフを示し、図12(2)に、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)の時間変化を表すグラフを示し、図12(3)に、マスタ車速値MVの時間変化を表すグラフを示す。図12(1)に示すグラフの縦軸は、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)を表し、図12(2)に示すグラフの縦軸は、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)を表し、図12(3)に示すグラフの縦軸は、マスタ車速値MVを表す。図12(1)〜図12(3)に示すグラフの横軸は、時間を表す。
運転状況情報が通常ブレーキであるときのマスタ情報は、運転状況情報が急ブレーキであるときのマスタ情報に比べて、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)の急激な増加はないものの、トリガ発生時Tgよりも予め定める時間、たとえば0.7秒以前から、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)が緩やかに増加し、マスタ車速値MVが緩やかに減少、たとえば1秒間に車速が0km/h以上10km/h未満の範囲で減少する特徴を有する。
前述の図8に示すフローチャートのステップa3において、平滑化情報とセンタ側記憶部4に記憶される複数のマスタ情報とを比較して、センタ側処理部6によって、平滑化情報が、運転状況情報が通常ブレーキであるときの図12に示されるマスタ情報と類似していると判断されたときは、平滑化情報に対応する運転状況情報が、図12に示されるマスタ情報に基づいた運転状況情報、具体的には「通常ブレーキ」に特定される。
図13は、運転状況情報が急発進であるときの加速度マスタ情報および車速マスタ情報の時間変化を示すグラフである。図13(1)に、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)の時間変化を表すグラフを示し、図13(2)に、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)の時間変化を表すグラフを示し、図13(3)に、マスタ車速値MVの時間変化を表すグラフを示す。図13(1)に示すグラフの縦軸は、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)を表し、図13(2)に示すグラフの縦軸は、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)を表し、図13(3)に示すグラフの縦軸は、マスタ車速値MVを表す。図13(1)〜図13(3)に示すグラフの横軸は、時間を表す。
運転状況情報が急発進であるときのマスタ情報は、マスタ車速値MVが0(零)でかつ、トリガ発生時Tg前の予め定める時間、たとえば0.7秒以内にY軸方向のマスタGセンサ出力値G(Y)が、車両の進行方向とは逆向きの方向である−Y軸方向に比較的大きく増加し、トリガ発生時Tg以後、マスタ車速値MVが増加、たとえば1秒間に車速が10km/h以上増加する特徴を有する。
前述の図8に示すフローチャートのステップa3において、平滑化情報とセンタ側記憶部4に記憶される複数のマスタ情報とを比較して、センタ側処理部6によって、平滑化情報が、運転状況情報が急発進であるときの図13に示されるマスタ情報と類似していると判断されたときは、平滑化情報に対応する運転状況情報が、図13に示されるマスタ情報に基づいた運転状況情報、具体的には「急発進」に特定される。
図14は、運転状況情報が左急ハンドルであるときの加速度マスタ情報および車速マスタ情報の時間変化を示すグラフである。図14(1)に、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)の時間変化を表すグラフを示し、図14(2)に、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)の時間変化を表すグラフを示し、図14(3)に、マスタ車速値MVの時間変化を表すグラフを示す。図14(1)に示すグラフの縦軸は、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)を表し、図14(2)に示すグラフの縦軸は、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)を表し、図14(3)に示すグラフの縦軸は、マスタ車速値MVを表す。図14(1)〜図14(3)に示すグラフの横軸は、時間を表す。
運転状況情報が左急ハンドルであるときのマスタ情報は、トリガ発生時Tg前後の予め定める時間以内に、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)が、車両に着座した乗務員の右方向である+X軸方向に比較的大きく増加、たとえば+X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)が0.3G以上で、かつ車両の前後方向であるY軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)の2倍以上の値となる特徴を有する。運転状況情報が左急ハンドルであるときのマスタ情報は、Gセンサ出力値および車速値とともに、さらに車両のステアリングホイールの操舵角度を考慮してもよい。
前述の図8に示すフローチャートのステップa3において、平滑化情報とセンタ側記憶部4に記憶される複数のマスタ情報とを比較して、センタ側処理部6によって、平滑化情報が、運転状況情報が左急ハンドルであるときの図14に示されるマスタ情報と類似していると判断されたときは、平滑化情報に対応する運転状況情報が、図14に示されるマスタ情報に基づいた運転状況情報、具体的には「左急ハンドル」に特定される。
図15は、運転状況情報が右急ハンドルであるときの加速度マスタ情報および車速マスタ情報の時間変化を示すグラフである。図15(1)に、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)の時間変化を表すグラフを示し、図15(2)に、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)の時間変化を表すグラフを示し、図15(3)に、マスタ車速値MVの時間変化を表すグラフを示す。図15(1)に示すグラフの縦軸は、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)を表し、図15(2)に示すグラフの縦軸は、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)を表し、図15(3)に示すグラフの縦軸は、マスタ車速値MVを表す。図15(1)〜図15(3)に示すグラフの横軸は、時間を表す。
運転状況情報が右急ハンドルであるときのマスタ情報は、トリガ発生時Tg前後の予め定める時間以内に、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)が、車両に着座した乗務員の左方向である−X軸方向に比較的大きく増加、たとえば−X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)が0.3G以上で、かつ車両の前後方向であるY軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)の2倍以上の値となる特徴を有する。運転状況情報が右急ハンドルであるときのマスタ情報は、Gセンサ出力値および車速値とともに、さらに車両のステアリングホイールの操舵角度を考慮してもよい。
前述の図8に示すフローチャートのステップa3において、平滑化情報とセンタ側記憶部4に記憶される複数のマスタ情報とを比較して、センタ側処理部6によって、平滑化情報が、運転状況情報が右急ハンドルであるときの図15に示されるマスタ情報と類似していると判断されたときは、平滑化情報に対応する運転状況情報が、図15に示されるマスタ情報に基づいた運転状況情報、具体的には「右急ハンドル」に特定される。
センタ側記憶部4には、前述の運転状況情報である「急ブレーキ」、「通常ブレーキ」、「急発進」、「左急ハンドル」および「右急ハンドル」以外の運転状況情報に対応するマスタ情報が記憶されてもよく、たとえば「急加速」でもよい。
運転状況情報が急加速であるときのマスタ情報は、トリガ発生時Tg以後に、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)が、車両の進行方向とは逆向きの方向である−Y軸方向に急激に増加し、その直後に、マスタ車速値MVが急激に増加、たとえば1秒間に車速が10km/h以上増加する特徴を有する。運転状況情報が急加速であるときのマスタ情報は、運転状況情報が急発進であるときのマスタ情報とは異なり、トリガ発生時Tgのマスタ車速値MVが0(零)ではない。
前述の図8に示すフローチャートのステップa3において、平滑化情報とセンタ側記憶部4に記憶される複数のマスタ情報とを比較して、センタ側処理部6によって、平滑化情報が、運転状況情報が急加速であるときのマスタ情報と類似していると判断されたときは、平滑化情報に対応する運転状況情報が「急加速」に特定される。
センタ側記憶部4には、前述の運転状況情報である「急ブレーキ」、「通常ブレーキ」、「急発進」、「急加速」、「左急ハンドル」および「右急ハンドル」を適宜組合わせて運転状況情報とし、その組合わされた運転状況情報に対応するマスタ情報が記憶されてもよい。運転状況情報として、たとえば「急ブレーキ」と「左急ハンドル」とを組合わせてもよい。
運転状況情報が「急ブレーキ」と「左急ハンドル」とを組合わせたときのマスタ情報は、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)がたとえば0.3G以上となり、かつX軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)が、車両の前後方向であるY軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)のたとえば0.5倍以上2倍未満の値となる特徴を有する。
前述の図8に示すフローチャートのステップa3において、平滑化情報とセンタ側記憶部4に記憶される複数のマスタ情報とを比較して、センタ側処理部6によって、平滑化情報が、運転状況情報が「急ブレーキ」と「左急ハンドル」とを組合わせたときのマスタ情報と類似していると判断されたときは、平滑化情報に対応する運転状況情報が、「急ブレーキ」と「左急ハンドル」との組合せに特定される。
センタ側記憶部4には、前述のように、運転状況情報である「急ブレーキ」、「通常ブレーキ」、「急発進」、「急加速」、「左急ハンドル」および「右急ハンドル」に対応するマスタ情報、ならびに前記の各運転状況情報を適宜組合わせた運転状況情報に対応するマスタ情報が記憶されるが、これら以外の運転状況情報として、たとえば「大事故」および「事故」に対応するマスタ情報が記憶されてもよい。
運転状況情報が大事故であるときのマスタ情報は、トリガ発生時TgにおけるX軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)とY軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)とを合計した値が、5.0G以上となる特徴を有する。
前述の図8に示すフローチャートのステップa3において、平滑化情報とセンタ側記憶部4に記憶される複数のマスタ情報とを比較して、センタ側処理部6によって、平滑化情報が、運転状況情報が大事故であるときのマスタ情報に類似していると判断されたときは、平滑化情報に対応する運転状況情報が「大事故」に特定される。
運転状況情報が事故であるときのマスタ情報は、予め定める時間、たとえば0.1秒間に、X軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)とY軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)とを合計した値が、1.0G以上増加する特徴を有する。
前述の図8に示すフローチャートのステップa3において、平滑化情報とセンタ側記憶部4に記憶される複数のマスタ情報とを比較して、センタ側処理部6によって、平滑化情報が、運転状況情報が事故であるときのマスタ情報に類似していると判断されたときは、平滑化情報に対応する運転状況情報が「事故」に特定される。
本発明の実施の形態では、ステップa3において、平滑化情報と、予め作成されてセンタ側記憶部4に記憶されるマスタ情報とを比較しているが、本発明の実施の他の形態では、平滑化情報とマスタ情報とを比較することなく、CFカード7から読込んだX軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)またはY軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)の少なくともいずれか一方が5.0G以上であれば、センタ側処理部6が、平滑化情報に対応する運転状況情報を「大事故」に特定するように構成されてもよい。
またステップa3において、平滑化情報と、予め作成されてセンタ側記憶部4に記憶されるマスタ情報とを比較しているが、本発明の実施の他の形態では、平滑化情報とマスタ情報とを比較することなく、CFカード7から読込んだX軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)またはY軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)の少なくともいずれか一方が1.0G以上であれば、センタ側処理部6が、平滑化情報に対応する運転状況情報を「事故」に特定するように構成されてもよい。
またX軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)およびY軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)は、CFカード7から読取られたX軸方向のGセンサ出力値G(X)およびY軸方向のGセンサ出力値G(Y)であってもよいし、X軸方向のGセンサ出力値G(X)およびY軸方向のGセンサ出力値G(Y)をそれぞれ平滑化した値、すなわちX軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(X)およびY軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(Y)であってもよい。
前述のように本実施の形態の情報処理装置1によれば、センタ側処理部6によって、平滑化情報と、予め運転状況情報に対応してセンタ側記憶部4に記憶される複数のマスタ情報とを比較して、平滑化情報に対応する運転状況情報が特定される。センタ側処理部6によって特定された運転状況情報は、平滑化情報に対応付けられた記録画像情報に関連付けてセンタ側記憶部4に記憶され、平滑化情報に対応付けられた記録画像情報の一覧が、この記録画像情報に関連付けられた運転状況情報とともに、表示部5に表示される。
したがってセンタ機器1の運行管理者は、表示部5に表示される運転状況情報を視認することによって、カードリーダ3によってCFカード7から読取った全ての記録画像情報を逐一確認する必要がなく、運転状況情報に基づいて確認の必要があると判断した記録画像情報を確認するだけで、乗務員の運転指導および運転評価に必要な画像であるか否かを容易に判断することができる。これによってセンタ機器1の運行管理者による記録画像情報の確認の手間を省くことができ、センタ機器1の運行管理者の労力を前記従来技術に比べて低減することができる。
また本実施の形態の情報処理装置1によれば、平滑化情報に対応付けられた記録画像情報の一覧が、この記録画像情報に関連付けられた運転状況情報とともに、表示部5に表示されるので、センタ機器1の運行管理者は、運転状況情報を視認することによって、運転状況情報に関連付けられている記録画像情報が表す画像が、どのような状況でCFカード7に記録されたものであるかを容易に把握することができる。
また本実施の形態の情報処理装置1によれば、センタ側記憶部4に記憶されるマスタ情報に対応する運転状況情報は、加速度情報だけでなく、車速情報も考慮することによって、細かく分類することができる。これによってセンタ機器1の運行管理者は、運転状況情報に関連付けられている記録画像情報が表す画像が、どのような状況でCFカード7に記録されたものであるかを、より正確に把握することが可能となる。
また本実施の形態の情報処理方法によれば、記録加速度情報または記録車速情報の少なくともいずれか一方を含む記録運転情報と、該記録運転情報に対応付けられた画像を表す記録画像情報とが記録されたCFカード7から、記録加速度情報、記録車速情報または記録画像情報のうち、少なくともいずれか1つを読取る読取工程と、比較用加速度情報または比較用車速情報の少なくともいずれか一方を含む比較用運転情報と、該比較用運転情報に予め対応付けられた車両の運転状況を表す運転状況情報とを記憶する記憶工程と、CFカード7に記録加速度情報が記録され、記憶工程で比較用加速度情報が記憶されている場合、読取工程でCFカード7から読取られる記録加速度情報と記憶工程で記憶される比較用加速度情報との比較を行い、記憶工程で記憶される運転状況情報に基づいて、記録加速度情報に対応する運転状況情報を特定し、CFカード7に記録車速情報が記録され、記憶工程で比較用車速情報が記憶されている場合、読取工程でCFカード7から読取られる記録車速情報と記憶工程で記憶される比較用車速情報との比較を行い、記憶工程で記憶される運転状況情報に基づいて、記録車速情報に対応する運転状況情報を特定し、CFカード7に記録加速度情報および記録車速情報が記録され、記憶工程で比較用加速度情報および比較用車速情報が記憶されている場合、読取工程でCFカード7から読取られる記録加速度情報と記憶工程で記憶される比較用加速度情報との比較、および読取工程でCFカード7から読取られる記録車速情報と記憶工程で記憶される比較用車速情報との比較を行い、記憶工程で記憶される運転状況情報に基づいて、記録加速度情報および記録車速情報に対応する運転状況情報を特定する特定工程と、特定工程で特定された運転状況情報を、前記記録画像情報に関連付けて記憶し、前記運転状況情報に対応付けられた記録画像情報の一覧を該運転状況情報とともに出力する制御工程とを有する。
したがって制御工程で記録画像情報に関連付けて記憶された運転状況情報を、前記運転状況情報に対応付けられた記録画像情報の一覧とともに、たとえば表示部5に表示することができる。したがってセンタ機器1の運行管理者は、表示部5に表示される運転状況情報と前記運転状況情報に対応付けられた記録画像情報の一覧とを視認することによって、読取工程でカードリーダ3によってCFカード7から読取られた全ての記録画像情報を逐一確認する必要がなく、運転状況情報に基づいて確認の必要があると判断した記録画像情報を確認するだけで、乗務員の運転指導および運転評価に必要な画像であるか否かを容易に判断することができる。これによってセンタ機器1の運行管理者による記録画像情報の確認の手間を省くことができ、センタ機器1の運行管理者の労力を前記従来技術に比べて低減することができる。
前述の実施の形態の情報処理装置1および情報処理方法では、センタ側処理部6によって、X軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(X)、Y軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(Y)および平滑化車速値HVを含む平滑化情報と、予め運転状況情報に対応してセンタ側記憶部4に記憶されるX軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)、Y軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)およびマスタ車速値MVを含むマスタ情報とを比較して、平滑化情報に対応する運転状況情報を特定するように構成されているが、必ずしもこのような構成に限定されない。
本発明の実施の他の形態の情報処理装置および情報処理方法では、センタ側処理部6によって、X軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(X)およびY軸方向の平滑化Gセンサ出力値HG(Y)を含む平滑化情報と、センタ側記憶部4に記憶されるX軸方向のマスタGセンサ出力値MG(X)およびY軸方向のマスタGセンサ出力値MG(Y)を含むマスタ情報とを比較して、平滑化情報に対応する運転状況情報を特定するように構成されてもよい。このように構成された場合でも、前述の実施の形態の情報処理装置1および情報処理方法と同様の効果を得ることができる。
本発明の実施のさらに他の形態の情報処理装置および情報処理方法では、センタ側処理部6によって、平滑化車速値HVと、センタ側記憶部4に記憶されるマスタ車速値MVとを比較して、平滑化車速値HVに対応する運転状況情報を特定するように構成されてもよい。このように構成された場合でも、前述の実施の形態の情報処理装置1および情報処理方法と同様の効果を得ることができる。
また、コンピュータに情報処理装置1の機能を実行させることができる。これによって、センタ機器1の運行管理者は、表示部5に表示される運転状況情報を視認することによって、カードリーダ3によってCFカード7から読取った全ての記録画像情報を逐一確認する必要がなく、運転状況情報に基づいて確認の必要があると判断した記録画像情報を確認するだけで、乗務員の運転指導および運転評価に必要な画像であるか否かを容易に判断することができる。これによってセンタ機器1の運行管理者による記録画像情報の確認の手間を省くことができ、センタ機器1の運行管理者の労力を前記従来技術に比べて低減することができる。
また、コンピュータに、前述の実施の他の形態の情報処理装置および前述の実施のさらに他の形態の情報処理装置の各機能を実行させることができる。これによって、コンピュータに情報処理装置1の機能を実行させた場合と同様の効果を得ることができる。
前述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、発明の範囲内において構成を変更することができる。前述の実施の形態では、2軸タイプのGセンサ15を用いているけれども、前後方向であるY軸方向、および左右方向であるX軸方向にそれぞれ直交する上下方向に作用する重力加速度をも検出する3軸タイプのGセンサを用いてもよい。