JP4917815B2 - 歯周病菌の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の細菌の検出方法に関する発明である。具体的には、本発明は、特定の歯周病菌を、リアルタイムPCR法を用いて定量検出することを目的とする発明である。
歯周疾患は、歯肉炎の段階であれば、正しい歯磨きや、歯石の除去により改善することが知られている。歯周疾患は、歯−歯周組織への細菌叢の定着と増殖により、歯肉縁下ポケットにおいて進行する疾患であることが知られている。歯周疾患は、進行してもほとんど痛みがなく、気付かないうちに進行することが多いが、放置しておくと最終的には歯が抜け落ちることにもなりかねない。
特に、近年の日本においては、食生活の欧米化が進み、比較的柔らかな食品を好む傾向や、精神的なストレスの増加等により、歯周疾患に罹患する度合いが高まっている。
歯周疾患の対策としては、正しい歯磨きや、定期検診によるプラークコントロール、食生活の改善等の予防行為が挙げられるが、現実的には、進行しつつある歯周疾患をいかに的確に発見し、その症状に適した治療を行うかが非常に重要なポイントとなっている。
歯周疾患の診断法としては、例えば、レントゲン検査、プラーク付着検査、歯肉縁下ポケット測定検査等が挙げられる。
歯周疾患は、歯周病菌による感染症であり、特に、重度慢性歯周炎や侵襲性歯周炎では、本来口腔内には存在しない、特定の歯周病菌が多く存在し、細菌検査により、当該歯周病菌を定量検出することにより、治療ターゲットを明確にした原因除去療法を行うことができると考えられている。
しかしながら、例えば、歯肉縁下の細菌叢には250種以上の細菌が存在することが知られており、この中から、歯周病菌を特定して定量検出することは困難である。
本発明では、このような状況を鑑み、多くの種類の細菌を含み得る、唾液等の検体から、歯周疾患の原因菌として知られている、Prevotella intermedia(P.i.)、
Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a.)、及び、Treponema denticola(T.d.)を、効率よく、かつ、確実に定量検出する手段を提供することにある。
本発明者は、上記の課題の解決のために、歯周病菌の定量検出をリアルタイムPCR法にて行うことを目指して、特定の検出遺伝子領域、当該遺伝子領域を増幅するための増幅用プライマー、PCRによる特定の遺伝子増幅産物を検出するためのプローブ等について検討を行い、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、検体中の歯周病菌を、リアルタイムPCR法を用いて定量検出する方法において、下記の方法にて、Prevotella intermedia(P.i.)、
Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a.)、及び、Treponema denticola(T.d.)からなる群の歯周病菌から選ばれる1〜3菌種を定量検出することを特徴とする、歯周病菌の検出方法(以下、本検出方法ともいう)を提供する発明である。
(1)P.i.の16SrRNAをコードする遺伝子を、増幅用プライマーとして、配列番号10に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号11に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を用いて、リアルタイムPCR法における遺伝子増幅産物として増幅を行い、当該増幅産物に対して配列番号24の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブにて検出を行うことにより得られるCt値を指標として、検体中のP.i.を定量検出する。
(2)A.a. の16SrRNAをコードする遺伝子を、増幅用プライマーとして、配列番号12に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号13に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を用いて、リアルタイムPCR法における遺伝子増幅産物として増幅を行い、当該増幅産物に対して配列番号26又は27に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブにて検出を行うことにより得られるCt値を指標として、検体中のA.a.を定量検出する。
(3)T.d.の16SrRNAをコードする遺伝子を、増幅用プライマーが、配列番号18に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号19に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を用いて、リアルタイムPCR法における遺伝子増幅産物として増幅を行い、当該増幅産物に対して配列番号29に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブにて検出を行うことにより得られるCt値を指標として、検体中のT.d.を定量検出する。
本発明において「相補的」とは、ある塩基配列の核酸に対してストリージェントな条件下(56〜68℃、50mM以上のナトリウムイオンの存在下)でハイブリダイズが可能な程度の相補性を有する塩基配列のことを意味する。また、「相補的両塩基配列」とは、+鎖に対する−鎖の関係を有する相補的塩基配列、及び/又は、−鎖に対する+鎖の関係を有する相補的塩基配列の双方を含む塩基配列という意味である。
本発明により、唾液等の検体における特定の歯周病菌を、効率よく、かつ、精度良く定量検出する手段が提供される。
<増幅用プライマーと検出用プローブ>
本発明の定量検出(以下、特に断らない限り、「検出」という)の対象となる歯周病菌は、Prevotella intermedia(P.i.)、Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a.)、及び、Treponema denticola(T.d.)である。歯周病菌としては、他に、Porphyromonas gingivalis(P.g.)、Bacteroides forsythus(B.f.)等が知られている。本検出方法において、定量検出を行うターゲットを含む遺伝子は、各歯周病菌の16SrRNAをコードする遺伝子である。P.i.の16SrRNAをコードする遺伝子は、配列番号1と図1にて示す通りであり、A.a. の16SrRNAをコードする遺伝子は、配列番号2と図1にて示す通りであり、T.d. の16SrRNAをコードする遺伝子は、配列番号3と図1にて示す通りである。本検出方法にて、具体的な検出ターゲットとなる各歯周病菌の16SrRNA遺伝子における領域は、P.i.が、31〜192番目の領域(配列番号4)、好適には91〜192番目の領域(配列番号5)、A.a.が、465〜609番目の領域(配列番号6)、T.d.が、333〜445番目の領域(配列番号7)である。いずれのターゲットとなる遺伝子領域においても、上記領域から連続して10塩基以上を具体的なターゲット領域として選択することが好適である。
本発明において、当該ターゲット領域は、リアルタイムPCR法におけるターゲット領域として扱われる。すなわち、当該ターゲット領域を増幅するために設計された増幅用プライマーと、PCR反応により得られる遺伝子増幅産物を検出するためのマーカーとなるプローブを用いたリアルタイムPCR法により、本検出方法を行うことができる。
リアルタイムPCR法を用いるには、選択する核酸増幅法に基づいた遺伝子増幅用プライマーを設計・調製して用いる必要がある。当該遺伝子増幅用プライマーは、増幅を企図する遺伝子領域(ターゲット領域)を、5’→3’の順方向(フォワード:Forward)と、逆方向(リバース:Reverse)に向けて遺伝子を増幅する+−プライマーで挟み込むべく設計することが通常である。このような遺伝子増幅用プライマーにおける塩基数は、少なくとも、鋳型となる遺伝子において相補的に結合すべき領域に正しく結合することが必要であり、特徴的な塩基配列に対して相補的であるための最低限の塩基数は確保されていることが必要である。このような遺伝子増幅用プライマーにおける塩基数は、少なくとも10塩基以上であり、好適には15〜25塩基程度である。また、相補的に結合するべき領域の3’側から数えて5塩基分の領域に対しては、可能な限り厳密な相補性を有するように遺伝子増幅用プライマーを設計することが好適である。
また、遺伝子増幅用プライマーの基となるべき遺伝子領域は、当該プライマーを用いて得られる遺伝子増幅産物に、少なくともターゲット領域に相応する相補的両塩基配列が含まれることが好適である。
本検出方法において用いられる遺伝子増幅用プライマーは、例えば、下記のものを例示することができる。
(1)P.i.を定量検出するための増幅用プライマーとして、配列番号8に記載の塩基配列から選ばれる連続した10塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号9に記載の塩基配列から選ばれる連続した10塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を例示することができる。また、当該増幅用プライマーとして、配列番号10に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号11に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組であることは特に好適である。
(2)A.a. を定量検出するための増幅用プライマーとして、配列番号12、14又は15に記載の塩基配列から選ばれる連続した10塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号13に記載の塩基配列から選ばれる連続した10塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を例示することができる。また、当該増幅用プライマーとして、配列番号12に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号13に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組であることは特に好適である。
(3)T.d.を定量検出するための増幅用プライマーとして、配列番号18に記載の塩基配列から選ばれる連続した10塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号19に記載の塩基配列から選ばれる連続した10塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を例示することができる。
本検出方法にて用いるリアルタイムPCR法の態様は特に限定されず、例えば、インターカレーター法、TaqManプローブ法、モレキュラービーコンプローブ法、サイクリングプローブ法等が挙げられるが、いずれの方法も用いることができる。検出用プローブは、これらのリアルタイムPCR法の態様に応じて選択することができる。検出用プローブは、ターゲット領域に対して相補的な両塩基配列を、少なくとも連続して10塩基以上、好適には連続して15〜30塩基程度を含む核酸であることが好適である。
本検出方法において用いられる検出用プローブは、例えば、下記のものを例示することができる。
(1)P.i.を定量検出するためのプローブとして、配列番号20〜25のいずれかに記載の塩基配列から選ばれる連続した10塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブを例示することができる。また、当該検出用プローブとして、配列番号24に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブであることは特に好適である。
(2)A.a. を定量検出するためのプローブとして、配列番号26又は27に記載の塩基配列から選ばれる連続した10塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブを例示することができる。また、当該検出用プローブとして、配列番号26又は27に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブであることは特に好適である。
(3)T.d. を定量検出するためのプローブとして、配列番号29に記載の塩基配列から選ばれる連続した10塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブを例示することができる。また、当該検出用プローブとして、配列番号29に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブであることは特に好適である。
<具体的な検出の態様>
本検出方法を適用すべき検体は、歯周病菌を検出すべきすべてのものが対象となる。通常は、唾液検体又はプラーク検体であるが、重篤な歯周疾患の原因菌を特定するために、血清、血漿等の血液検体や尿検体も用い得る。
これらの検体からの遺伝子の調製方法は、常法に従って行うことができる。概ね、用いる検体、すなわち、唾液やペーパーポイント上のプラーク等を、SDS法、フェノール法、エタノール法等の常法や、自動DNA抽出機により、検体中のDNAを抽出することにより行うことができる。このようにして得られる核酸試料を、上記の遺伝子増幅用プライマーを用いて、遺伝子増幅を行うことにより、所望する遺伝子増幅産物を得ることができる。リアルタイムPCR法では、電気泳動の手間を省きつつ、所望する遺伝子増幅産物の定量検出を行うことが可能である。
リアルタイムPCR法とは、PCR反応による遺伝子増幅産物の増幅量をリアルタイムにてモニターし解析する方法である。具体的には、段階希釈した既知量のDNAをスタンダードとしてPCR反応を行い、これを基に、遺伝子の増幅が指数関数的に起こる領域で、一定の増幅産物量となるサイクル数(Ct値)と、初発のDNA量との相関から得られる検量線を作成し、当該検量線を基にしてサンプル中の目的とするDNA量を測定する方法である。上述したように、リアルタイムPCR法の態様として、インターカレーター法、TaqManプローブ法、モレキュラー ビーコン プローブ法、サイクリングプローブ法等が挙げられる。
インターカレーター法は、二本鎖DNAに結合することで蛍光を発する試薬(インターカレーター)をPCR反応系に加える方法であり、当該蛍光を検出することにより、遺伝子増幅産物の生成量をモニターすることが可能である。
モレキュラー ビーコン プローブ法は、遺伝子増幅産物の生成を、増幅過程中(増幅過程後も可能)に、蛍光でモニターするために使用できる、ヘアピン型のハイブリダイゼーションプローブ[モレキュラー ビーコン プローブ(Molrecular beacon Probe)]を用いる遺伝子の検出方法である(Nature Biotechnology 1998 16:49-53)。モレキュラー ビーコン プローブを構成する核酸の末端は、互いに相補的となっており、通常は、これらの末端同士が結合して、いわゆるステム構造を形成し、かかるステム構造におけるループ部分は、ターゲット領域に対して相補的になるように設計されている。さらに、蛍光剤と非蛍光の消光剤が核酸の両端にそれぞれ結合しており、溶液中でプローブが遊離しているときは、ヘアピン構造を形成するため、蛍光剤と消光剤は互いに作用して蛍光は消えている。しかし、核酸に相補的な両塩基配列が存在する遺伝子増幅産物が存在する場合には、ループ部分が、その相補的な両塩基配列に結合し、その結果、プローブ全体の構造が変化して、蛍光剤と消光剤が離れて、消光剤の蛍光剤に対する消光効果が解消するために、蛍光剤が本来の蛍光を発するようになる。この蛍光強度の増加をモニタリングすることにより、目的の塩基配列の存在を検出することができる。なお、モレキュラー ビーコン プローブにおける、上述した蛍光剤と消光剤の標識は、通常、核酸の5'末端に、6−carboxyfluorescein(6-FAM)や、6-carboxy-4,7,2',7'-tetrachlorofluorescein(TET)等のフルオレセイン系蛍光色素や、5-carboxytetramethylrhodsmine(TAMARA)等のローダミン系蛍光色素を標識し、さらに3'末端に、4-(4'-dimethylaminophenylazo)benzoic acid(DABCYL)等の消光剤を標識することにより行うことができる(例えば、Nature Biotechnology 1996 14:303-308等)。
タック−マン プローブ法は、遺伝子増幅産物の形成を増幅過程中に蛍光でモニターすることために使用できる、ハイブリダイゼーションプローブであるタック−マン プローブ(Taq-Man Probe)を用いる遺伝子の検出方法である(実験医学 Vol.15 No.7(増刊) p46〜51,1997等)。タック−マン プローブは、5'末端には、フルオレセイン系の蛍光色素(レポーター色素)が、3'末端には、ローダミン系の蛍光色素(クエンチャー色素)が、それぞれ標識された核酸である。レポーター色素とクエンチャー色素が、核酸を介して結合している状態では、ホエルスター(Forster)共鳴エネルギーにより、レポーター色素の蛍光は、クエンチャー色素によって抑制されている。これに対して、プライマー及びタック−マン プローブが、遺伝子増幅産物のタック−マン プローブの核酸に相補的な核酸をアニーリングして伸長反応が進むと、TaqDNAポリメラーゼの5'→3'エンドヌクレアーゼ活性により、タック−マン プローブの5'末端のレポーター色素が、3'末端のクエンチャー色素から離脱すると、抑制されていたレポーター色素の蛍光強度が増大する。レポーター色素による蛍光強度の増加は、核酸に相補的な両塩基配列を有する遺伝子増幅産物の増加に比例する。そして、この蛍光強度の増加をモニタリングすることにより、遺伝子の増幅過程における(遺伝子増幅過程終了後も可能)、目的とする塩基配列の存在を検出することができる。なお、タック−マン プローブにおける、上述した蛍光標識は、通常、核酸の5'末端に、6−FAMやTET等のフルオレセイン系の蛍光色素を、同3'末端にTAMARA等のローダミン系の蛍光色素を、常法(例えば、Nucleic Acids Research 1993 21(16):3761-3766等)に従って行うことができる。
サイクリングプローブ法は、RNAとDNAとからなるキメラプローブとRNaseHの組み合わせによる検出方法で、遺伝子増幅中や増幅後にて、特定の塩基配列を効率よく検出することが可能な方法である。プローブは、5'末端側が蛍光色素(リポーター)で、3'側が消光剤(クエンチャー)で標識されている。このプローブは、そのままの状態では蛍光色素と消光剤の接触により蛍光が抑制されているが、配列が相補的な増幅産物と結合した後に、RNaseHによりRNA部分が切断されると強い蛍光を発するようになる、かかる蛍光強度を測定することで、目的とする遺伝子増幅産物の量をモニターすることが可能である。
このように、本検出方法では、特定の歯周病菌の遺伝子の核酸を定量して検出することが可能である。
なお、本検出方法においては、検体中の全菌体数を算出して、その中での特定の歯周病菌の比率を求めることにより、さらに正確に被験者の歯周疾患の状態を把握することが可能である。すなわち、特に、唾液を検体として用いる場合には、唾液の採取方法によって、唾液内に含まれる細菌濃度が異なってくる傾向が認められる。例えば、自然に口腔内に分泌されている唾液と、ガム等を噛ませて分泌量を促進させて得た唾液とを比較すると、後者の唾液の方が、唾液量当たりの菌体数が少ないことが通常である。そのため、歯周病菌の数を定量するには、まず、唾液から抽出した核酸に基づいて全菌体数を測定し、その唾液検体における口腔細菌の単位容積当たりの菌体数を確認した上で、歯周病菌についての測定を行い、口腔細菌全体の菌体数に占める歯周病菌の菌体数の割合を求めることで、唾液検体の採取方法等に影響なく、歯周病菌の定量検出を行うことが可能である。検体中の全菌体数の算出の方法は常法に従うが、リアルタイムPCR法を用いる態様を好適な方法として例示することができる。
この場合、例えば、増幅用プライマーを、配列番号30に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号31に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組として、検出用プローブを、配列番号32の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブとして、リアルタイムPCR法を行うことにより、簡便かつ正確に、検体中の全菌体数を算出することが可能である。
<検出用キット>
本発明においては、本検出方法を行うための、上記特定の3種の歯周病菌の検出用キット(以下、本検出用キットともいう)も提供される。
本検出用キットには、通常、当該歯周病菌の遺伝子のターゲット領域をリアルタイムPCR法により増幅するために用いる、遺伝子増幅用プライマー(例えば、配列番号8〜19の塩基配列の核酸等を上述した本検出方法の内容にて含む)、及び/又は、遺伝子増幅産物におけるターゲット領域を検出するためのプローブ(例えば、配列番号20〜29の核酸等を含むプローブを上述した本検出方法の内容にて含む)が含まれるが、検出対象が上述した本検出方法の内容にて特定されたプライマーとプローブの双方が含まれることが好適である。遺伝子増幅用プライマーは、リアルタイムPCR法にて用いることにより、当該歯周病菌の遺伝子のターゲット領域を遺伝子増幅産物として増幅させることが可能な核酸である。また、検出用プローブは、当該ターゲット領域に対応する遺伝子増幅産物に対して相補的な両塩基配列を含む核酸である。検出用プローブは、上述のごとく、TaqManプローブ、モレキュラー ビーコン プローブ、又は、サイクリングプローブを、検出用プローブとして組み入れたものを用いることが好適である。
また、検体における全菌体数を算出することを目的としたリアルタイムPCR法を行うための、遺伝子増幅用プライマー(配列番号30・31の核酸等)及び検出用プローブ(配列番号32の核酸等を含むプローブ)を、キットの構成要素として加えることも好適である。
本検出用キットに含めることができる、遺伝子増幅用プライマーと遺伝子検出用核酸プローブについては、本検出方法の説明において開示した通りであり、実施例においても具体例を開示した。
以下、本発明の実施例を開示する。ただし、本実施例により、本発明の範囲が限定されるものではない。
[歯周病菌の検出]
(1)検出対象
検出対象は、前述したとおり、歯周病菌のうち、(a)Prevotella intermedia(P.i.)、(b)Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a.)、及び、(c)Treponema denticola(T.d.)である。
(2)口腔内の全菌体数
上述したように、被験者の口腔内における全菌体数を把握することは、特に、唾液検体を用いる場合には、歯周疾患における正確な評価を行う上で重要な要素である。本実施例では、サンプル中の全菌体数を、細菌の16SrRNAをコードする遺伝子の塩基配列の1298〜1512番目の領域に該当する部分を検出ターゲットとして、リアルタイムPCR法により、初発のDNA量(Ct値)として算出した。この場合に用いたプライマー・プローブセットとPCR条件は、下記のごとくである。
プライマーとプローブ
(a)センスプライマー:5’-GGAWTCGCTAGTAATCG-3’(配列番号30)
(b)アンチセンスプライマー:5’-TACCTTGTTACGACTT-3’(配列番号31)
(c)TaqManプローブ:5’-GCCTTGTACACACCGCCCGTCA-3’(配列番号32)
PCR条件
ABI SDS 7900(アプライドビオシステムズ社製)を用いて、50℃・2分間、95℃・10分間、95℃・15秒間、及び、52℃・60秒間のサイクルを、40回行い、なお、検出プローブは、上記の通り、TaqManプローブを用いた。
測定値
本実施例における測定値は、
歯周病菌数/総口腔細菌数×100=口腔細菌全体に対する歯周病菌の割合(%)として算出した。なお、後述するように、歯周病菌数も、リアルタイムPCR法による初発DNA量(Ct値)として算出した。
(3)特定の歯周病菌の検出
上記の3菌種(a)〜(c)を検出するためのプライマー、プローブを調製し(各々後述する)、以下の歯周病菌の検出のために使用した。リアルタイムPCR用試薬として、プライマー20μMを各1μl、プローブ5μMを1μl、2×TaqMan Master mixを12.5μl、D.W.を4.5μlを混合し、サンプル5μlを加えた。反応条件は、3菌種ともに、50℃・2分間、95℃・10分間の前処理に続き、95℃・15秒間、59℃・60秒間の、2−step PCRを45サイクル行うこととした。試料として選択したサンプルは歯周ポケットのプラークを採取したペーパーポイントおよび唾液由来のDNA抽出液である。なお、下記(a)〜(c)検討に用いた唾液・プラーク検体において、上記の要領にて算出した総口腔細菌数は、3×10の7乗コピー〜8×10の8乗コピーの間に分布し、著しく測定値の低いものや検出不能となったものは認められなかった。このことからサンプルとして用いたDNA抽出液中には、PCR反応を阻害する成分は実質的に存在しないと判断した。
(a)Prevotella intermedia(P.i.)の検出
まず、P.i.菌株(ATCC49046)よりDNAを抽出し、常法に従い、16SrRNA遺伝子全長をPCR増幅した後、当該増幅産物をプラスミドベクター(pCRII-TOPO:インビトロジェン社)に組み込んだ。このプラスミドを導入した、大腸菌(DH5α:東洋紡)のコンピテントセルを大量培養し、プラスミドDNAのみを抽出精製した。このプラスミドDNAの濃度を調整し、10の1乗〜10の8乗コピーに希釈したものを、検出感度検討用の標準試薬とした。次に、P.i.菌の16SrRNA遺伝子配列(Gene bank accetion number : X73965:配列番号1、図1) に基づき、Applied Biosystems社の、プライマー・プローブデザインソフト(Primer Express)を用いて約200通りのプライマー・プローブセット(プローブは、TaqManプローブ)を設計した。これらの中から、上記塩基配列上の領域30〜124、31〜151、91〜191の3領域を増幅ターゲットとするプライマー・プローブセットを選択した。これらのプライマー・プローブセットを用いて、168例の唾液・プラーク検体由来のDNAに対して、上記の要領でリアルタイムPCR法による初発DNAの定量検出を行い、さらに、PCR法(Slots,J. et al.:Clin Infect Dis 20 : 304-307,1995)による定量検出の結果との比較検討を行った。その結果、上記領域31〜151、91〜191の2領域をターゲットとした場合は、上記168例のうち、PCR陽性サンプル106例および陰性サンプル50例(92.9%)について、リアルタイムPCR法による結果との相違は認められなかった。しかし、PCR陰性サンプル12例については、領域31〜151をターゲットとした場合には検出されず、領域91〜191をターゲットとした場合にのみ陽性となった。これら12例をシークエンス法で確認したところ、P.i.菌由来のDNAであることを確認した。また、標準試薬を用いた検出感度についても検討したが、領域91〜191において、下記(b)(配列番号24)のプローブを用いたときのみ10コピー/測定チューブを検出できた。また、このプローブ・プライマーセットを用いて、培養プレートで分離培養したPorphyromonas gingivalis (P.g.)、P.i.、Bacteroides forsythus(B.f.)、A.a.、Treponema denticola(T.d.)、Neisseria subflava(N.sub.)、Neisseria sicca(N.sic.)、Streptococcus mutans(S.mut.)、Streptococcus sobrinus(S.sob.)、Streptococcus salivarius(S.sal.)、Streptococcus mitis(S.mit.)、Streptococcus anguinosus(S.ang.)、Streptococcus gordanii(S.gor.)、Streptococcus sanguis(S.san.)の菌株から抽出したDNA100ngを測定したところ、P.i.菌のみを特異的に検出した。これらの結果から、領域91〜191を増幅領域とし、下記(b)のプローブ(配列番号24)を使用すれば、サンプル中のP.i.菌のみを最も高い感度で検出することができると判断した。なお、本検出方法にて陽性となったP.i.菌の全口腔菌体数における割合は、0.000013〜0.67%であった。
<31〜151番目の領域に対して>
センスプライマー:5’- GGGAAACGGCATTATGTGCTT-3’(配列番号8)
プローブ:
(a)5’- TGGACGTCGACCGGCGCA-3(位置60:配列番号20)もしくは、
(b)5’- CGCACGGGTGAGTATCGCGTATCC-3’(位置74:配列番号21)もしくは、
(c)5’- AGTATCGCGTATCCAACCTTCCCTCCAC -3’ (位置84:配列番号22)
アンチセンスプライマー:5’- ACATCGGGTATTAGGCCGTCTT-3’(配列番号9)
<91〜191番目の領域に対して>
センスプライマー:5’-CGTATCCAACCTTCCCTCCA-3’(配列番号10:図1中符号10)
プローブ:
(a)5’-CGTTGAAAGACGGCCTAATACCCGATGT-3’ (位置124:配列番号23)
もしくは、
(b)5’-TGTGGACAACATCGGGTATTAGGCCG-3’ (位置134:配列番号24:図1中符号24(相補塩基表示))
)もしくは、
(c)5’-CCTAATACCCGATGTTGTCCACATATGGCA-3’ (位置137:配列番号25)
アンチセンスプライマー:5’-CCGATGAATCTTTGGTCCACGT-3’ (配列番号11:図1中符号11(相補塩基表示))
(b)Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a.)の検出
A.a.菌は本邦においては若年者の口腔内には多くみられるが、成人している非歯周病患者ではほとんど検出されないことが報告されている( Kimura,S. et al.:J. Periodontol. 73 : 20-26,2002)。
まず、A.a.菌株(ATCC43718)よりDNAを抽出し、16SrRNA遺伝子全長をPCR増幅した後、プラスミドベクター(pCRII-TOPO:インビトロジェン社)に組み込んだ。このプラスミドを導入した、大腸菌(DH5α:東洋紡)を導入したコンピテントセルを大量培養し、プラスミドDNAのみを抽出精製した。このプラスミドDNAの濃度を調整し、10の8乗〜10の1乗コピーに希釈したものを検出感度検討用の標準試薬とした。次にA.a.菌の16SrRNA遺伝子配列(Gene bank accetion number : M75037およびM75038:配列番号2、図1) に基づき、Applied Biosystems社の、プライマー・プローブデザインソフト(Primer Express)を用いて、約200通りのプライマー・プローブセットを設計した(プローブは、TaqManプローブ)。これらの中から、上記塩基配列上の領域76〜183、127〜217、127〜269、127〜277、127〜278、130〜217、130〜277、130〜278、183〜269、183〜277、183〜278、508〜609(2プローブ)、465〜609(2プローブ)、516〜609(2プローブ)、521〜609(2プローブ)、834〜954(2プローブ)を増幅ターゲットとする、プライマー・プローブを設計し検討した。これら20通りのプライマー・プローブセットを用いて、8例の唾液・プラーク検体由来のDNAに対して、上記の要領でリアルタイムPCR法による初発DNAの定量検出を行い、さらに、PCR法(Slots,J. et al.:Clin Infect Dis 20 : 304-307,1995)による定量検出の結果との比較検討を行った(PCR陽性4例、陰性4例)。その結果、上記のプライマー・プローブセットを用いたリアルタイムPCR法による検出の結果が、PCR法との相違が認められなかったものは、増幅ターゲット領域が、465〜609、516〜609、521〜609の3領域の場合のみであった。次に、唾液・プラーク検体由来のDNAを、160例に増やして検討したところ、増幅ターゲット領域が465〜609の場合おいては、150例(93.8%)でPCR法と結果が一致した。このターゲット領域に対するリアルタイムPCR法による検出にて陽性、PCR法にて陰性となった10例について、シークエンス法で確認したところ、A.a.菌由来のDNAであることが確認された。また、標準試薬を用いた検出感度についても検討したところ、増幅ターゲット領域465〜609にてリアルタイムPCR法を行った場合、10コピー/測定チューブの感度で検出できた。また、このプライマー・プローブセットを用いたリアルタイムPCR法により、培養プレートにて分離培養したP.g.、P.i.、B.f.、A.a.、T.d.、N.sub.、N.sic.、S.mut.、S.sob.、S.sal.、S.mit.、S.ang.、S.gor.、S.san.の菌株から抽出したDNA100ngを測定したところ、A.a.菌のみを特異的に定量検出することができた。これらの結果から、領域465〜609を増幅ターゲット領域としてリアルタイムPCR法により検出を行うことにより、検体中のA.a.菌のみを高い感度で検出することが可能であることが判明した。なお、本検出方法にて陽性となったA.a.菌の全口腔菌体数における割合は、0.000019〜0.0087%であった。
<465〜609番目の領域に対して>
センスプライマー
5’- TAGCATGCCAAMTTGACGTTAAAT-3’(配列番号12:図1中符号12)
プローブ
(a)5’- TGCGAGCGTTAATCGGAATAACTGGG-3(位置541:配列番号26:図1中符号26)もしくは、
(b)5’- AATCGGAATAACTGGGCGTAAAGGGCA-3(位置551:配列番号27:図1中符号27)
アンチセンスプライマー
5’- GATTTCACACCTCACTTAAAGGTCC-3’(配列番号13:図1中符号13(相補塩基表示))
<516〜609番目の領域に対して>
センスプライマー
5’-CCAGCAGCCGCGGTAATA-3’(配列番号14)
プローブ
(a)5’- TGCGAGCGTTAATCGGAATAACTGGG-3(位置541:配列番号26)もしくは
(b)5’- AATCGGAATAACTGGGCGTAAAGGGCA-3(位置551:配列番号27)
アンチセンスプライマー
5’- GATTTCACACCTCACTTAAAGGTCC -3’(配列番号13)
<521〜609番目の領域に対して>
センスプライマー
5’-AGCCGCGGTAATACGGG-3’(配列番号15)
プローブ
(a)5’- TGCGAGCGTTAATCGGAATAACTGGG-3(位置541:配列番号26)もしくは
(b)5’- AATCGGAATAACTGGGCGTAAAGGGCA-3(位置551:配列番号27)
アンチセンスプライマー
5’- GATTTCACACCTCACTTAAAGGTCC -3’(配列番号13)
(c)Treponema denticola(T.d.)の検出
T.d.菌株(ATCC35404)よりDNAを抽出し、16SrRNA遺伝子全長をPCR増幅した後、プラスミドベクター(pCRII-TOPO:インビトロジェン社)に組み込んだ。このプラスミドを導入した、大腸菌(DH5α:東洋紡)を導入したコンピテントセルを大量培養し、プラスミドDNAのみを抽出精製した。このプラスミドDNAの濃度を調整し、10の8乗〜10の1乗コピーに希釈したものを検出感度検討用の標準試薬とした。次にT.d.菌の16SrRNA遺伝子配列(Gene bank accetion number : D85438:配列番号3、図1) に基づき、Applied Biosystems社の、プライマー・プローブデザインソフト(Primer Express)を用いて、約200通りのプライマー・プローブセットを設計した(プローブは、TaqManプローブ)。これらの中から、上記塩基配列上の領域129〜247、333〜445を増幅ターゲットとする、プライマー・プローブを設計し検討した。これら2通りのプライマー・プローブセットを用いて、168例の唾液・プラーク検体由来のDNAに対して、上記の要領でリアルタイムPCR法による初発DNAの定量検出を行い、さらに、PCR法(Slots,J. et al.:Clin Infect Dis 20 : 304-307,1995)による定量検出の結果との比較検討を行った。その結果、上記のプライマー・プローブセットを用いたリアルタイムPCR法による検出において、増幅ターゲット領域が333〜445の場合は、PCR法との本質的な相違が認められなかった[160例(95.2%)がPCR法と結果が一致した]。本検出方法でのみ陽性となった8例(4.8%)については、シークエンス法で確認したところ、T.d.菌由来のDNAであることが確認された。また、標準試薬を用いた検出感度についても検討したが、領域333〜445では10コピー/測定チューブを検出できた。また、このプライマー・プローブセットを用いたリアルタイムPCR法により、培養プレートにて分離培養した、P.g.、P.i.、B.f.、A.a.、T.d.、N.sub.、N.sic.、S.mut.、S.sob.、S.sal.、S.mit.、S.ang.、S.gor.、S.san. の菌株から抽出したDNA100ngを測定したところ、T.d.菌のみを特異的に定量検出することができた。これらの結果から、領域333〜445を増幅ターゲット領域としてリアルタイムPCR法により検出を行うことにより、検体中のT.d.菌のみを高い感度で検出することが可能であることが判明した。なお、本検出方法にて陽性となったT.d.菌の全口腔菌体数における割合は、0.000072〜0.31%であった。
<129〜247の領域に対して>
センスプライマー5’- GATAATACCGAATGTGCTCATTTACATAA-3’(配列番号16)
プローブ5’- AGCTACGGCTCCGCTTCAGGATGG-3’(位置175:配列番号28)
アンチセンスプライマー5’- GTTGCCTTGGTGGGCCT-3’(配列番号17)
<333〜445の領域に対して>
センスプライマー5’-CTTCCGCAATGGACGAAAGT-3’(配列番号18:図1中符号18)
プローブ5’- TGTGAATGAAGAAGGCCGAAAGGTTGTAAA-3(位置370:配列番号29:図1中符号29)
アンチセンスプライマー5’- CAAAGAAGCATTCCCTCTTCTTCTTA -3’(配列番号19:図1中符号19(相補塩基表示))
歯周病菌の16SrRNA遺伝子の塩基配列と、本発明の実施例で用いられたプライマー・プローブの位置関係を示した図面である。

Claims (8)

  1. 検体中の歯周病菌を、リアルタイムPCR法を用いて定量検出する方法において、下記の方法にて、Prevotellaintermedia(P.i.)、Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a.)、及び、Treponema denticola(T.d.)からなる群の歯周病菌から選ばれる1〜3菌種を定量検出することを特徴とする、歯周病菌の検出方法。
    (1)P.i.の16SrRNAをコードする遺伝子を、増幅用プライマーとして、配列番号10に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号11に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を用いて、リアルタイムPCR法における遺伝子増幅産物として増幅を行い、当該増幅産物に対して配列番号24の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブにて検出を行うことにより得られるCt値を指標として、検体中のP.i.を定量検出する。
    (2)A.a. の16SrRNAをコードする遺伝子を、増幅用プライマーとして、配列番号12に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号13に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を用いて、リアルタイムPCR法における遺伝子増幅産物として増幅を行い、当該増幅産物に対して配列番号26又は27に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブにて検出を行うことにより得られるCt値を指標として、検体中のA.a.を定量検出する。
    (3)T.d.の16SrRNAをコードする遺伝子を、増幅用プライマーが、配列番号18に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号19に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を用いて、リアルタイムPCR法における遺伝子増幅産物として増幅を行い、当該増幅産物に対して配列番号29に記載の塩基配列から選ばれる連続した15塩基以上の核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブにて検出を行うことにより得られるCt値を指標として、検体中のT.d.を定量検出する。
  2. 前記検出方法において、(1)P.i.を定量検出するためのプローブが、配列番号24に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブであり、(2)A.a. を定量検出するためのプローブが、配列番号26又は27に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブであり、(3)T.d. を定量検出するためのプローブが、配列番号29に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブである、ことを特徴とする請求項1記載の歯周病菌の検出方法。
  3. 前記検出方法において用いるプローブが、TaqManプローブ、モレキュラービーコンプローブ又はサイクリングプローブであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯周病菌の検出方法。
  4. 前記検出方法において、(1)P.i.を定量検出するためのリアルタイムPCR法にて用いる増幅用プライマーが、配列番号10に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号11に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組であり、(2)A.a. を定量検出するためのリアルタイムPCR法にて用いる増幅用プライマーが、配列番号12に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号13に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組であり、(3)T.d.を定量検出するためのリアルタイムPCR法にて用いる増幅用プライマーが、配列番号18に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号19に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組、であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の歯周病菌の検出方法。
  5. 前記検出方法において、検体が、唾液検体又はプラーク検体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の歯周病菌の検出方法。
  6. 前記検出方法において、検体中の全菌体数をリアルタイムPCR法にて定量検出して、当該全菌体数における歯周病菌の菌体数の割合を算出する場合に、当該リアルタイムPCR法にて用いる増幅用プライマーは、配列番号30に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号31に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組であり、かつ、プローブが配列番号32の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の歯周病菌の検出方法。
  7. リアルタイムPCR法を行うことにより、検体中の歯周病菌を定量検出するためのキットであり、かつ、下記(1)〜(3)の特徴を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の検出方法を行うことを目的とする検出用キット。
    (1)P.i.を定量検出するためのリアルタイムPCR法にて用いる増幅用プライマーとして、配列番号10に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号11に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を含み、かつ、プローブとして配列番号24に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブを含む
    (2)A.a. を定量検出するためのリアルタイムPCR法にて用いる増幅用プライマーとして、配列番号12に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号13に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を含み、かつ、プローブとして配列番号26又は27に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブを含む
    (3)T.d.を定量検出するためのリアルタイムPCR法にて用いる増幅用プライマーとして、配列番号18に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号19に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を含み、かつ、プローブとして配列番号29に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を有するプローブを含む
  8. 前記キットにおいて、さらに、検体中の全菌体数を、定量検出を行うことを目的としたリアルタイムPCR法を行うためのプライマーとして、配列番号30に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)及び配列番号31に記載の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)の組を含有し、プローブとして、配列番号32の塩基配列からなる核酸(当該塩基配列に相補的な両塩基配列を含む)を含むことを特徴とする、請求項6記載の検出方法を行うことを目的とする請求項7に記載の検出用キット。
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