以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1に本実施形態の一例の気泡入り洗浄水吐出装置の概略構成図を示す。本例のキッチンシンク13用の気泡入り洗浄水吐出装置1は、洗浄水が流れる流路として台所の流し台2に設けた洗浄水流路3を備えている。洗浄水流路3の上流端は水道上水4(所謂水道水を供給する水道管)に連通接続してあり、洗浄水流路3には水源となる水道上水4から洗浄水として水道水が供給される。洗浄水流路3には上流側から順に定流量弁5(減圧弁)、止水弁6、大気開放弁7を設けてあり、更に下流側に図3に示すように気体混入部8、洗剤供給部9、気泡微細化部10、整流部11を設けてあり、これらを順に通過した洗浄水は洗浄水流路3の下流端に設けた吐出口12から流し台2に設けたキッチンシンク13に吐出される。
定流量弁5及び止水弁6は流し台2内を通る洗浄水流路3に設けてあり、流し台2に内装されている。定流量弁5は水道圧により水道上水4から供給された洗浄水を減圧し流量を一定にして下流側へと送る。止水弁6は電磁弁6aからなり、該止水弁6を開閉することで吐出口12から洗浄水を吐出するか否かを切り替える。
洗浄水流路3の止水弁6よりも下流側の流路は、上流側から順に設けた立上管15、ホース16、吐出ノズル14で構成してある。立上管15は、流し台2の上面を構成するカウンタ18から上方に伸び、充分な高さで下方に折り返した逆U字状の管からなり、該立上管15の上端部には大気開放弁7を設けている。大気開放弁7は洗浄水流路3を流れる洗浄水の水圧の変化により開閉するフロート弁であって、止水弁6を開いて洗浄水が洗浄水流路3を流れている時には閉成して洗浄水流路3を密閉状態とし、また、止水弁6を閉じて洗浄水の流れが停止している時には開成して洗浄水流路3を大気開放状態とする。
立上管15の下流端はカウンタ18から流し台2に入り、流し台2の内部において屈曲自在なホース16の一端と接続してある。ホース16の他端側は流し台2から引き出され、該ホース16の他端には図4に示す吐出ノズル14の後端部を接続してあり、これにより吐出ノズル14は流し台2に対して移動自在となっている。また、この吐出ノズル14は図2に示す流し台2のキッチンシンク13の開口縁部に設けた飲用水を吐出する水栓カラン27とは別体であり、該水栓カラン27とは異なる位置に設けてある。このため吐出ノズル14及び水栓カラン27を使い勝手の良い位置に配置できる。また、ホース16の長さは、最大限上方に位置するように吐出ノズル14を移動した場合にも吐出ノズル14の吐出口12及び洗剤供給部9が大気開放弁7よりも下方に位置する長さとしてある。
なお、ホース16は、可撓性を有することで屈曲自在なものであっても良いし、また蛇腹ホースのように伸縮自在且つ屈曲自在であっても良い。また、ホース16は流し台2のキッチンシンク13の周縁部等から引き出し自在としたものであっても良い。ホース16を流し台2に対して引き出し自在とすれば、未使用時にホース16を流し台2に収納できて収まりが良い。
吐出ノズル14の内部には図3に示す上流部19a、中流部19b、下流部19cで構成される内部流路19を形成してあり、直線状の内部流路19の上流端となる一端はホース16の他端に連通接続される。内部流路19の上流部19a内には絞り管20を設けてあり、絞り管20の下流側の管径は上流側の管径よりも短い。内部流路19の上流部19aの内周面において、絞り管20の外周面に対向する位置又は絞り管20よりも若干下流側の位置には気体取込口8aからなる気体混入部8と洗剤取込口9aからなる洗剤供給部9を設けてあり、図示例では絞り管20の外周面に対向する位置に気体混入部8を設けると共に、絞り管20の若干下流側に位置する内周面に洗剤供給部9を設けている。なお、図示例では気体混入部8よりも下流側に洗剤供給部9を設けてあるが、気体混入部8よりも上流側に洗剤供給部9を設けても良い。
気体混入部8は吐出ノズル14の外部に連通して大気に開放している。従って、止水弁6を開いて洗浄水が絞り管20を通過すると、内部流路19の気体混入部8近傍で負圧が発生し、この負圧により外気が気体混入部8より内部流路19に取り込まれ、気泡を含有した気泡入り洗浄水となる。このようにエジェクタ効果を利用して気体混入部8より気泡となる気体を供給できるので、別途ポンプ等の供給手段を設ける必要がなくてコストを削減できる。なお、気体混入部8から洗浄水流路3に供給される空気の供給量は空気を混合してなる気泡入り洗浄水のボイド率(気泡混入率)が10〜30%となるように設定してあり、これにより気泡による洗浄効果を高めると共に気泡により洗浄水の流れが乱れることを防止でき、また、洗剤による粘性を高めて水はね防止効果を高めることができる。
また、洗剤供給部9は洗剤貯留部21に連通している。洗剤貯留部21は吐出ノズル14に設けた洗剤タンク21aからなり、洗剤タンク21aには洗剤補給口35(図4参照)を介して洗剤を補給できるようになっている。なお、洗剤補給口35には着脱自在なキャップ17を取り付けてあり、該キャップ17により洗剤補給口35は閉塞される。洗剤貯留部21から洗剤供給部9までの流路の途中には洗剤貯留部21から洗浄水流路3への洗剤の供給の有無を切り替えるための切替手段22として開閉弁22aを設けている。図4のように開閉弁22aの操作スイッチ26は吐出ノズル14に設けてあり、該操作スイッチ26を操作することで開閉弁22aの開閉を切り替えられるようになっている。
操作スイッチ26は押釦スイッチ26aからなり、吐出ノズル14に設けた開閉弁22aは押釦スイッチ26aの操作に連動するよう押釦スイッチ26aに接続されている。吐出ノズル14には押釦スイッチ26a又は開閉弁22aに対して開閉弁22aが閉じる方向に付勢するばね40を設けてあり、これにより開閉弁22aは押釦スイッチ26aを押圧した時に開き、非押圧時にはばね40の付勢により開閉弁22aを閉じるように設定されている。即ち、押釦スイッチ26aの押圧時にのみ洗剤供給部9から洗剤を供給すると共に非押圧時に洗剤供給部9からの洗剤供給を停止するように設定されている。これにより、誤って洗剤を混入した気泡入り洗浄水が吐出することを防止できる。
洗剤タンク21aにはキッチンシンク13の表面や食器等の被洗浄物を洗浄するための洗剤が貯留される。この洗剤としては洗剤原液又は洗剤原液を水で希釈したもの等が挙げられる。この洗剤は止水弁6を開き且つ開閉弁22aを開くことで、洗浄水流路3の一部を構成する内部流路19に供給できるようになっている。即ち、止水弁6を開いて洗浄水が図3に示す絞り管20を通過した時には内部流路19の洗剤取込口9a近傍で負圧が発生し、この負圧により洗剤タンク21a内の洗剤が洗剤供給部9より内部流路19に供給され、これにより水道水よりなる洗浄水に洗剤が混入される。このようにエジェクタ効果を利用して洗剤供給部9より洗剤を供給できるので、別途ポンプ等の供給手段を設ける必要がなく、コストを削減することができる。なお、洗剤供給部9から洗浄水流路3に供給される洗剤の量は洗浄水の洗剤希釈濃度が5000〜10000倍となるように設定してあり、このように洗剤の希釈濃度の高い気泡入り洗浄水とすることで、吐出口12から多量の気泡を含むムース状の気泡入り洗浄水とすることができて洗浄効果を高めることができ、また適度の粘性を有する洗剤を含む気泡入り洗浄水を吐出でき、水はね防止効果を高めることができる。
上記操作スイッチ26による洗剤供給の切り替え機構としては例えば図14及び図15に示す機構が採用される。図14に示す吐出ノズル14の外面にはタンク接続用部材41を突設してあり、タンク接続用部材41にはタンク接続口部42を設けてある。タンク接続口部42には洗剤タンク21aの先端部に突設した被接続口部48が接続される。被接続口部48を介して洗剤タンク21a内に連通するタンク接続口部42はタンク接続用部材41の内部に形成した洗剤流路43を介して洗剤供給部9に連通し、この洗剤流路43が洗剤タンク21aから洗剤供給部9までの流路を構成する。
洗剤流路43の途中に設けた開閉弁22aは、タンク接続用部材41に移動自在に設けた押釦スイッチ26aに接続してある。押釦スイッチ26aはタンク接続用部材41に設けたばね40により開閉弁22aにて洗剤流路43を遮断する方向に付勢されている。従って、開閉弁22aを開く場合は、図15(a)に示すように押釦スイッチ26aをばね40に抗してタンク接続用部材41側に押し込む。また、図15(b)に示す押釦スイッチ26aの非押し込み時においては、前記ばね40により開閉弁22aは洗剤流路43を遮断する位置に移動し、洗剤タンク21aから洗剤供給部9への洗剤の供給が停止される。
内部流路19の上流部19aに連通する中流部19bはベンチュリ管状の流路としてあり、上流側の減圧部23と下流側の増圧部24で構成してある。減圧部23は下流側に向かって流路径を縮小した流路からなり、増圧部24は下流側に向かって流路径を拡大した流路からなり、該中流部19bを通過する気泡入り洗浄水は減圧部23及び増圧部24を通過する際に生じる圧力変動に伴って含有する比較的大きな気泡が剪断され、これにより気泡が微細化される。また、中流部19b(増圧部24)の下流側端部にはメッシュ25を設けてあり、洗浄水に含まれる気泡はこのメッシュ25を通過することで更に微細化される。即ち、本例では内部流路19の中流部19bとメッシュ25で気泡微細化部10を構成している。
内部流路19の中流部19bに連通する下流部19cは流れ方向において断面が同一の円形となった整流部11としてある。整流部11は流路長さLを整流部11の直径aの2〜5倍としてあり、また、洗浄水流路3の吐出口12から吐出される洗浄水は、水圧1〜1.5kg/m、流量5〜8L/min、吐出口12の直径4〜10mm(より好ましくは6mm程度)に設定してあり、これにより、気泡微細化部10を通過した気泡入り洗浄水は断面円形で流路長さの長い整流部11を通過することで整流される。
整流部11は吐出ノズル14の先端に設けた吐出口12に連続し、洗浄水流路3の下流側端部に位置し、整流部11で整流された洗浄水が吐出口12より直線状に吐出される。
洗浄水吐出装置1を用いてキッチンシンク13の表面や食器等の被洗浄物を洗浄するには、吐出ノズル14を移動して吐出口12を被洗浄物に向け、この状態で流し台2等に設けた操作部(図示せず)を操作して止水弁6を開く。これにより水道上水4から洗浄水としての水道水が洗浄水流路3に供給され、該洗浄水は定流量弁5及び止水弁6を通過した後、立上管15及びホース16を介して吐出ノズル14に供給され、吐出ノズル14の内部流路19を通過した後、吐出ノズル14の先端の吐出口12から洗浄水が吐出される。また、この時、吐出ノズル14の内部流路19においては、前述したように内部流路19を流れる洗浄水に気体混入部8から気体(大気)が混入されて気泡入り洗浄水となり、この後、気泡微細化部10において洗浄水に含まれる気泡が微細化されて微細気泡を有する洗浄水となり、該微細気泡入り洗浄水が整流部11で整流された後、吐出口12から吐出される。そして、このように吐出口12から吐出された微細気泡を有する気泡入り洗浄水を被洗浄物に当てることで洗浄を行うものである。
また、上記止水弁6を開いた状態で吐出ノズル14に設けた操作スイッチ26を操作して開閉弁22aを開くことで、既述したように洗剤貯留部21の液体洗剤を洗剤供給部9から吐出ノズル14の内部流路19を流れる洗浄水に洗剤を供給でき、これにより吐出ノズル14の吐出口12から整流部11にて整流された洗剤を混入した気泡入り洗浄水を吐出できるようになっている。
また、上記吐出口12からの洗浄水の吐出を停止するには前述の操作部を操作して止水弁6を閉じる。これにより水道上水4から洗浄水流路3への洗浄水の供給が停止され、大気開放弁7が開き、洗浄水流路3内は大気開放される。ここで吐出ノズル14の吐出口12は大気開放弁7よりも下方に位置するので、大気開放弁7が開いた際には洗浄水流路3の大気開放弁7よりも下流側部分に溜まった洗浄水が吐出口12から排出される。また、これにより、洗剤を混入した気泡入り洗浄水を吐出した後に洗浄水流路3に残った洗剤等を洗浄水流路3から排出でき、未使用時に誤って洗剤を含む洗浄水が吐出口12から吐出したり、止水弁6側に逆流することを防止できる。また、この場合、洗剤貯留部21を移動自在の吐出ノズル14に設けることで、洗剤貯留部21に通じる洗剤供給部9を吐出口12に近い吐出ノズル14に簡単に設けることができ、前記残留洗剤の排出を確実に行うことができる。
以上説明した本例の洗浄水吐出装置1は洗浄水流路3に気体を混入する気体混入部8を設けることで、吐出口12から洗浄効果の高い気泡入り洗浄水を吐出でき、被洗浄物を効率良く且つ効果的に洗浄できる。また、洗浄水流路3の下流側端部に洗浄水を整流する整流部11を設けることで、気泡入り洗浄水を整流部11にて整流した後に吐出口12から吐出でき、このように気泡入り洗浄水を整流することで気泡入り洗浄水が被洗浄物に当たった際に水はねが生じることを防止できる。
また、本例では洗浄水流路3に洗浄水中の気泡を微細化する気泡微細化部10を設けることで、吐出口12から微細気泡入り洗浄水を吐出できる。この微細気泡入り洗浄水に含まれる微細気泡は泡径が非常に小さく、汚れへの付着性、浸透性、剥離効果が高いため、被洗浄物に付着した油汚れをより効果的に落とすことができる。また、この微細気泡は泡径が非常に小さく均一に含まれるために洗浄水の水流を乱しにくく、このため前述の水はねを一層防止できるという効果もある。また、気泡微細化部10は洗剤供給部9よりも下流側に設けてあるので、洗剤を含むことで泡立ちが良い気泡入り洗浄水を気泡微細化部10で微細化でき、気泡を一層微細化できるといった効果もある。
また、洗浄水流路3に洗剤を供給する洗剤供給部9を設けることで、既述のように吐出口12から洗剤を混入した気泡入り洗浄水を吐出でき、洗剤の効果により気泡入り洗浄水の洗浄効果を一層高めることができる。また、洗剤の粘性により水はねを一層防止できる。また、この洗剤供給部9からの洗剤供給の有無は切替手段22により切り替えることができるので、吐出口12から洗剤を含まない気泡入り洗浄水と洗剤を含む気泡入り洗浄水を選択して吐出でき、洗剤を含む気泡入り洗浄水を吐出して洗浄を行った後に洗剤を含まない気泡入り洗浄水を吐出してすすぐ等できる。
以下、上記一例とは異なる気泡入り洗浄水吐出装置を列挙する。
図5に示す他例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、図1の一例の気泡入り洗浄水吐出装置1において、止水弁6として、洗浄水流路3に流し台2のカウンタ18上に設置した洗浄用水栓6bを設けると共に、定流量弁5を洗浄用水栓6bに設けている。洗浄用水栓6bには立上管15の上流端が接続され、洗浄用水栓6bに設けた操作部を構成する操作レバー28を操作することで、洗浄用水栓6bの開閉を行って洗浄水流路3の止水及び通水を切り替え可能としている。このように止水弁6として電磁弁6aに代えて洗浄用水栓6bを設けることで電気系のない構成とすることができる。
図6及び図7に示す更に他例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、図1の一例の気泡入り洗浄水吐出装置1において、洗浄水流路3の止水弁6よりも下流側の流路を、カウンタ18から立ち上げた立上部32の内部に形成した流路(図示せず)と、後端が立上部32に接続されて縦軸回りに回動自在(首振り可能)に設けた供給管30と、供給管30の先端に設けた吐出ノズル14で構成してある。このように流し台2上に立ち上げた立上部32に回動自在な供給管30を設け、該供給管30の先端に吐出ノズル14を設けることで、供給管30を回動して吐出ノズル14を移動でき、使い勝手が良い。また、大気開放弁7は立上部32の上端部に設けている。供給管30は立上部32から斜め下方に向けて突出し、吐出ノズル14の先端に設けた吐出口12は大気開放弁7よりも下方に位置している。また、止水弁6を閉じると大気開放弁7が一例の気泡入り洗浄水吐出装置1と同様に開くものであり、これにより本例でも洗浄水流路3の大気開放弁7よりも下流側部分に溜まった洗浄水が吐出口12から排出される。
図8に示す更に他例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、図6の気泡入り洗浄水吐出装置1において、洗浄水流路3に止水弁6として流し台2のカウンタ18上に設置した洗浄用水栓6bを設けると共に、定流量弁5及び大気開放弁7を洗浄用水栓6bに設けている。洗浄用水栓6bはカウンタ18上に設置した水栓本体31と、後端が水栓本体31に接続されて縦軸回りに回動自在(首振り可能)に設けた供給管30とで構成してあり、カウンタ18から立ち上げた水栓本体31で立上部32を構成している。洗浄用水栓6bに設けた操作部を構成する操作レバー28を操作することで、洗浄用水栓6bの開閉を行って洗浄水流路3の止水及び通水を切り替え可能としている。このように流し台2に立ち上げた水栓本体31(立上部32)に回動自在な供給管30を設け、該供給管30の先端に吐出ノズル14を設けることで、供給管30を回動して吐出ノズル14を移動でき、使い勝手が良い。また、止水弁6として電磁弁6aに代えて洗浄用水栓6bを設けることで電気系のない構成とすることができる。また、本例でも水栓本体31の上端部に水栓本体31内の洗浄水流路3に通じる大気開放弁7を設けることで、吐出ノズル14の先端に設けた吐出口12を大気開放弁7よりも下方に位置させており、このため本例でも洗浄用水栓6bを閉じると大気開放弁7が開き、洗浄水流路3の大気開放弁7よりも下流側部分に溜まった洗浄水が吐出口12から排出される。
図9に示す更に他例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、図1の一例の気泡入り洗浄水吐出装置1において、流し台2内を通る洗浄水流路3の止水弁6よりも下流側部分に大気開放弁7を設け、大気開放弁7を流し台2の上端部に配置してカウンタ18上に露出させている。洗浄水流路3は大気開放弁7から下方に伸びた後、上方に折り返され、流し台2のカウンタ18の上方に突出した位置でホース16の一端に接続されている。前記洗浄水流路3の大気開放弁7から下方に伸びる部分には洗剤及び気体を混入するための洗剤・気体混入部33を設けている。
洗剤・気体混入部33は図示は省略するが一例の気泡入り洗浄水吐出装置1における吐出ノズル14の内部に形成した図3に示す内部流路19と略同様の構成を有する流路であり、図3の内部流路19における上流部19a及び中流部19bで構成され、上流部19aには洗剤供給部9及び気体混入部8が設けられ、中流部19bはベンチュリ管状の流路となっている。なお、この流路は図3に示す整流部11、即ち下流部19cは有していない。洗剤貯留部21は流し台2に内装した洗剤タンク21aからなり、洗剤タンク21aの洗剤補給口35はカウンタ18上に露出している。
また、洗剤貯留部21は流し台2内を通る洗剤供給路34を介して洗剤・気体混入部33の洗剤供給部9に接続してある。洗剤供給路34には洗剤貯留部21内の洗剤を洗剤供給部9を介して洗剤・気体混入部33内を流れる洗浄水に供給するポンプ36を設けている。ポンプ36の運転は、電磁弁6aからなる止水弁6の開閉に連動して止水弁6の開成時に駆動すると共に止水弁6の閉成時に停止するものである。また、洗剤供給路34には電磁弁22bを設けてあり、該電磁弁22bを流し台2等に設けた操作部(図示せず)を操作して開閉することで、洗剤供給部9からの洗剤供給の有無を切り替えられるようになっている。即ち本例では電磁弁22bで切替手段22を構成している。
また、吐出ノズル14には一例の気泡入り洗浄水吐出装置1の吐出ノズル14の内部流路19を形成しておらず、吐出ノズル14の内部には先端の吐出口12とホース16の一端を接続する図示しない流路を形成してあり、該流路の下流側端部に図3に示す整流部11と同様の整流部を設けている。また、ホース16の長さは吐出ノズル14の吐出口12が大気開放弁7よりも下方に位置するまで吐出ノズル14を移動できる長さとしてあり、即ち、吐出口12を大気開放弁7よりも下方に配置可能となっている。このため本例でも止水弁6を閉じると大気開放弁7が一例の気泡入り洗浄水吐出装置1と同様に開き、この状態で吐出ノズル14を移動して吐出口12を大気開放弁7よりも下方に配置すれば、洗浄水流路3の大気開放弁7よりも下流側部分に溜まった洗浄水を吐出口12から排出できる。
以上説明した本例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、流し台2の内部に、定流量弁5、止水弁6、洗剤・気体混入部33、ポンプ36、洗剤貯留部21の全てを配置でき、収まりが良い。また、吐出ノズル14に洗剤貯留部21を設けず、また、吐出ノズル14を簡単な構成とでき、吐出ノズル14の小型化及び軽量化を図り、手持ち式の吐出ノズル14の使い勝手が良くなる。
図10に示す更に他例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、図9の気泡入り洗浄水吐出装置1において、洗浄水流路3に止水弁6として流し台2のカウンタ18上に設置した洗浄用水栓6bを設け、定流量弁5を洗浄用水栓6bに設け、大気開放弁7を洗浄用水栓6bの上端部に設けている。そして、洗浄用水栓6bに設けた操作部を構成する操作レバー28を操作することで、洗浄用水栓6bの開閉を行って洗浄水流路3の止水及び通水を切り替え可能としている。また、洗剤供給路34にはポンプ36及び電磁弁22bを設けていない。即ち、本例では一例の気泡入り洗浄水吐出装置1と同様に、水道圧により洗浄水が洗浄水流路3を流れる際に発生する負圧を利用して洗剤貯留部21内の洗剤を洗剤供給部9から洗浄水流路3に供給する。このように止水弁6として電磁弁6aに代えて洗浄用水栓6bを設けることで、電気系のない構成とすることができる。なお、本例の気泡入り洗浄水吐出装置1の洗浄用水栓6b、加えて図5、図6、図8、図10の各例の洗浄水吐出装置1の洗浄用水栓6bは、上記一般の水栓カラン27から離れた位置に設けてあっても良いし、水栓カラン27と一体に設けてあっても良いものとする。
図11に示す更に他例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、図1の一例の気泡入り洗浄水吐出装置1において、洗剤貯留部21を流し台2に内装した洗剤タンク21aで構成してあり、洗剤タンク21aの洗剤補給口35はカウンタ18上に露出している。洗剤貯留部21は洗剤供給路34を介して吐出ノズル14の洗剤供給部9に接続してあり、洗剤供給路34の吐出ノズル14に接続される下流側部分は移動自在に設けた吐出ノズル14の移動に支障がないよう可撓性を有すると共に充分長いホース37で構成してある。また、洗剤供給路34には洗剤貯留部21内の洗剤を洗剤供給部9を介して吐出ノズル14の内部流路19を流れる洗浄水に供給するポンプ36を設けている。ポンプ36の運転は、電磁弁6aからなる止水弁6の開閉に連動して止水弁6の開成時に駆動すると共に止水弁6の閉成時に停止するものである。また、洗剤供給路34には電磁弁22bを設けてあり、該電磁弁22bを流し台2等に設けた操作部(図示せず)を操作して開閉することで、洗剤供給部9からの洗剤供給の有無を切り替えられるようになっている。即ち本例では電磁弁22bで切替手段22を構成している。
以上説明した本例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、流し台2の内部に、ポンプ36及び洗剤貯留部21を配置できて収まりが良い。また、吐出ノズル14に洗剤貯留部21を設けないので、吐出ノズル14の小型化及び軽量化を図り、手持ち式の吐出ノズル14の使い勝手を良くできる。
図12に示す更に他例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、図1の一例の気泡入り洗浄水吐出装置1において、カウンタ18から立ち上げた立上部32に立上管15を内装し、大気開放弁7を立上部32の上端部に配置している。立上管15の大気開放弁7から下方に伸びる部分には洗剤及び気体を混入するための洗剤・気体混入部33を設けている。
洗剤・気体混入部33は図示は省略するが一例の気泡入り洗浄水吐出装置1における吐出ノズル14の内部に形成した図3に示す内部流路19と略同様の構成を有する流路であり、図3の内部流路19における上流部19a及び中流部19bで構成され、上流部19aには洗剤供給部9及び気体混入部8が設けられ、中流部19bはベンチュリ管状の流路となっている。なお、この流路は図3に示す整流部11、即ち下流部19cは有していない。洗剤貯留部21は流し台2の立上部32に内装した洗剤タンク21aからなり、洗剤タンク21aの洗剤補給口は立上部32の外部に露出している。洗剤貯留部21は流し台2内を通る洗剤供給路34を介して洗剤・気体混入部33の洗剤供給部9に接続してある。洗剤供給路34には電磁弁22bを設けてあり、該電磁弁22bを流し台2等に設けた操作部(図示せず)を操作して開閉することで、洗剤供給部9からの洗剤供給の有無を切り替えられるようになっている。即ち本例では電磁弁22bで切替手段22を構成している。
立上部32には供給管30の後端を接続してあり、該供給管30は縦軸回りに回動自在(首振り可能)となっている。供給管30の先端には吐出ノズル14を設けてあり、該吐出ノズル14には一例の気泡入り洗浄水吐出装置1の吐出ノズル14の内部流路19を形成しておらず、吐出ノズル14の内部には先端の吐出口12と供給管30の先端を接続する図示しない流路を形成してあり、該流路の下流側端部に図3に示す整流部11と同様の整流部を設けている。このように流し台2上に立ち上げた立上部32に回動自在な供給管30を設け、該供給管30の先端に吐出ノズル14を設けることで、供給管30を回動して吐出ノズル14を移動でき、使い勝手が良い。また、吐出ノズル14の吐出口12は大気開放弁7よりも下方に位置している。このため本例でも止水弁6を閉じると大気開放弁7が一例の気泡入り洗浄水吐出装置1と同様に開き、洗浄水流路3の大気開放弁7よりも下流側部分に溜まった洗浄水が吐出口12から排出される。
以上説明した本例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、流し台2のカウンタ18上に立ち上げた立上部32の内部に、立上管15、洗剤・気体混入部33、洗剤貯留部21を配置でき、収まりが良い。また、吐出ノズル14に洗剤貯留部21を設けず、また吐出ノズル14を簡単な構成とでき、吐出ノズル14の小型化及び軽量化を図り、手で持って使用される吐出ノズル14を使いやすいものとできる。
図13に示す更に他例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、図12の気泡入り洗浄水吐出装置1において、立上管15の大気開放弁7から下方に伸びる部分に洗剤・気体混入部33に代えて洗剤供給部9を設けてあり、該洗剤供給部9を流し台2内を通る洗剤供給路34を介して洗剤貯留部21に接続してある。即ち、本例では一例の気泡入り洗浄水吐出装置1と同様に、水道圧により洗浄水が洗浄水流路3を流れる際に発生する負圧を利用して洗剤貯留部21内の洗剤を洗剤供給部9から洗浄水流路3に供給する。洗剤供給路34には洗剤貯留部21から洗浄水流路3への洗剤の供給の有無を切り替えるための切替手段22として開閉弁22aを設けている。開閉弁22aの操作スイッチ26は立上部32に設けてあり、該操作スイッチ26を操作することで開閉弁22aの開閉が切り替えられる。
また、供給管30の先端に設けた吐出ノズル14には一例の気泡入り洗浄水吐出装置1の吐出ノズル14の内部流路19と略同様(詳しくは洗剤供給部9を設けていない)の内部流路を形成してあり、該内部流路に形成した気体混入部8から気泡となる気体を供給する。
また、図16乃至図18に示す更に他例の気泡入り洗浄水吐出装置1を示す。本例の気泡入り洗浄水吐出装置1は、操作スイッチ26を操作して開閉弁22aを閉状態から開状態に切り替えた後に、次に操作スイッチ26が操作されて開閉弁22aが閉じられるまで開閉弁22aを開状態に維持し、操作スイッチ26を操作していない状態で洗剤貯留部21から洗浄水流路3へ洗剤を供給できるようにしたものである。なお、以下の説明では図1の一例の気泡入り洗浄水吐出装置1と異なる点についてのみ説明する。
図17に示すように吐出ノズル14の外面には図14及び図15に示す例と同様にタンク接続用部材41を突設してある。タンク接続用部材41にはタンク接続口部42を設けてあり、また、タンク接続口部42はタンク接続用部材41の内部に形成した洗剤流路43を介して洗剤供給部9に連通している。
洗剤流路43の途中に設けた開閉弁22aは、吐出ノズル14のタンク接続用部材41に対してスライド自在に設けたスライド弁22a1からなり、スライド弁22a1には図18に示すように連通孔45を貫通形成してある。
スライド弁22a1の両側には操作スイッチ26としてスライドスイッチ26b1、26b2を夫々設けてあり、両スライドスイッチ26b1、26b2はスライド弁22a1のスライド方向にスライド自在に設けてある。両スライドスイッチ26b1、26b2のうち、いずれのスライドスイッチ26b1、26b2を押し込んだ場合にも、当該押し込んだスライドスイッチによりスライド弁22a1が他のスライドスイッチ側に移動するようになっている。また、スライドスイッチ26b1を押し込んだ状態では、スライドスイッチ26b2の吐出ノズル14に対する突出量がスライドスイッチ26b1のそれよりも大きくなり、逆にスライドスイッチ26b2を押し込んだ状態では、スライドスイッチ26b1の吐出ノズル14に対する突出量がスライドスイッチ26b2のそれよりも大きくなる。
スライド弁22a1による洗剤供給部9に洗剤を供給するか否かの切り替えは、前述のスライドスイッチ26b1、26b2を押し込むことで行われる。
即ち、スライドスイッチ26b1をスライドスイッチ26b2側に押し込むことにより、該スライドスイッチ26b1によりスライド弁22a1及びスライドスイッチ26b2が押されてスライドスイッチ26b2側に移動する。これにより洗剤流路43におけるスライド弁22a1の上流側と下流側とがスライド弁22a1の連通孔45を介して連通し、洗剤供給部9に洗剤を供給できる状態となる。この連通状態はスライドスイッチ26b2が押し込まれるまで維持される。
また、スライドスイッチ26b2をスライドスイッチ26b1側に押し込むことにより、該スライドスイッチ26b2によりスライド弁22a1及びスライドスイッチ26b1がスライドスイッチ26b1側に移動し、これにより洗剤流路43はスライド弁22a1により遮断され、洗剤供給部9に洗剤を供給できない状態となる。この遮断状態はスライドスイッチ26b1が押し込まれるまで維持される。
このように操作スイッチ26の非操作時において洗剤供給部9から洗剤を供給する状態が維持されるようにしたことで、洗剤供給時において操作スイッチ26を押し操作し続ける必要がない。従って、洗剤を含む洗浄水により被洗浄物を洗浄する作業が容易になり、特に食器等を洗浄する際には両手を使って被洗浄物を洗浄したりすすいだりすることができて良い。
なお、本例では、洗浄水流路3の下流側端部にシャワーヘッド46を設けている。吐出口12はシャワーヘッド46に設けた多数(複数)の吐出孔47で構成してある。各吐出孔47は流れ方向において断面が同一の円形となった整流部としてあり、図示は省略するが、各整流部は既述の整流部11と同様に流路長さLを直径aの2〜5倍としてある。なお、本例でも図1や図14の例における整流部11を採用しても良いものとする。また、本例は図5や図6、図8等の例にも適用可能であることは言うまでもない。