JP4915189B2 - スポット溶接の品質判定方法及び品質判定システム - Google Patents

スポット溶接の品質判定方法及び品質判定システム Download PDF

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本発明は、スポット溶接の品質判定方法及び品質判定システムに関し、より詳細には、スポット溶接における被溶接物の品質の良否を判定する品質判定方法及び品質判定システムの改良技術に関する。
自動車等の車体を溶接組立する製造ラインには、通常、搬送装置によって搬送される被溶接物に対して溶接ガンを備えた溶接ロボットが配置されており、この溶接ロボットによってワークの所定箇所に所定条件でスポット溶接が行われる。具体的には、溶接ロボットによって、被溶接物における板組み(薄鋼板)に、溶接ガンに設けられたスポット溶接用電極を介して高周波電流(溶接電流)が通電されることで、板組み内部の温度が上昇されて、溶融凝固部(ナゲット)の生成を伴って板組みが溶着される。そして、スポット溶接においては、通常、被溶接物の溶接位置や素材等に応じた固有の溶接条件(電流値、加圧力、通電時間等)が設定されており、かかる溶接条件に基づいて溶接作業が行われる。
これまでに、このようなスポット溶接が適切に行われたか否かを判定する方法、つまり、スポット溶接の品質を判定するための品質判定方法が多数提案されている。
例えば、特許文献1には、スポット溶接において、電流値が閾値の範囲内であるか否かによって溶接の品質を判定する品質判定方法が開示されており、具体的には、予め設定された溶接回数ごとに、かかる閾値を一定の傾向で変化させる(再設定させる)ことで、電流設定値が度々更新されても作業者の手を煩わすことがなく、また、設置台数が多くても入力作業を簡易に行えるようにした方法が開示されている(特許文献1参照)。
実公平6−44528号公報
ところで、被溶接物は板組みごとに剛性などが異なるため、加圧力が一定であれば、板組みによってはその加圧力が不足し又は過剰となる場合がある。そのため、上述した特許文献1に開示される品質判定方法のように、一定の加圧力で溶接(判定)を行うと、板組みによっては加圧力が不足し又は過剰となって、正確な判定を行うことができない場合があった。
また、板組みのプレス精度によっては、被溶接物の板隙が変動することもあり、板隙が一定値以上となると、所定の大きさのナゲットが形成されず十分に溶着されない結果、製品の品質に劣る場合があった。そして、従来の品質判定方法では、固有の溶接条件通りに溶接が行われると正常であると判定してしまうため、このようなプレス精度に劣る被溶接物の品質判定を精度よく行うことができなかった。
そこで、本発明においては、スポット溶接の品質判定方法及び判定システムに関し、前記従来の課題を解決するもので、プレス精度に劣る被溶接物であっても、精度よくかつ効率的にその品質を判定することができるスポット溶接の品質判定方法及び品質判定システムを提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、スポット溶接における被溶接物の品質の良否を判定する品質判定方法であって、被溶接物の板組み情報を入力する入力工程と、予め板組みごとに設定された所定加圧下での板隙に対応した抵抗値の閾値から、前記入力工程で入力された板組み情報に対応する板組みの抵抗値の閾値を抽出する抽出工程と、前記所定加圧下で通電して電極間の抵抗値を検出する検出工程と、前記検出工程で検出された抵抗値が、前記抽出工程で抽出された閾値の範囲内にあるか否かを判定する判定工程とを有し、前記検出工程は、スポット溶接時よりも低い電流値で通電し、通電初期の抵抗値を検出するものである。
請求項2においては、前記判定工程にて、前記検出工程で検出された抵抗値が前記閾値の範囲内に入っていないと判定した場合に、通電を中止する中止工程を有するものである。
請求項3においては、前記検出工程で検出された抵抗値から、単位検出回数当たりの平均抵抗値を算出して、該平均抵抗値に基づいて、前記抽出工程にて抽出された板組みの抵抗値の閾値を変更する設定変更工程を有するものである。
請求項4においては、スポット溶接における被溶接物の品質の良否を判定する品質判定システムであって、被溶接物の板組み情報を入力する入力手段と、予め板組みごとに設定された所定加圧下での板隙に対応した抵抗値の閾値から、前記入力工程で入力された板組み情報に対応する板組みの抵抗値の閾値を抽出する抽出手段と、前記所定加圧下で通電して電極間の抵抗値を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された抵抗値が、前記抽出手段で抽出された閾値の範囲内にあるか否かを判定する判定手段とを備え、前記検出手段は、スポット溶接時よりも低い電流値で通電し、通電初期の抵抗値を検出するものである。
請求項5においては、前記検出手段で検出された抵抗値から、単位検出回数当たりの平均抵抗値を算出して、該平均抵抗値に基づいて、前記抽出工程にて抽出された板組みの抵抗値の閾値を変更する設定変更手段を備えるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、被溶接物の板組み状態に起因する溶接異常を検出することができ、精度よくかつ効率的にその品質を判定することができる。
また、スポット溶接時若しくは溶接前の被溶接物の板組み状態に起因する溶接異常を予め検出することができ、判定効率をより向上できる。
請求項2においては、板組み状態の不良を直ちに改善することで、製造ラインのリードタイムを短縮することができる。
請求項3においては、抵抗値の閾値を検出回数に応じて自動的に逐次変更することで、さらに精度の高い判定を行うことができる。
請求項4においては、被溶接物の板組み状態に起因する溶接異常を検出することができ、精度よくかつ効率的にその品質を判定することができる。
また、スポット溶接時若しくは溶接前の被溶接物の板組み状態に起因する溶接異常を予め検出することができ、判定効率をより向上できる。
請求項5においては、抵抗値の閾値を検出回数に応じて自動的に逐次変更することで、さらに精度の高い判定を行うことができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る品質判定システムを備えた溶接システムの全体的な構成を示した側面図、図2は溶接ガンに固定された状態の被溶接物の側断面図、図3は品質判定システムのスケルトン図、図4は品質判定システムを用いた品質判定方法を示すフローチャート、図5は品質判定システムにおける被溶接物に通電される電流値の経時変化を示した図、図6は別実施例の品質判定システムのスケルトン図、図7は別実施例の品質判定システムを用いた品質判定方法を示すフローチャート、図8は別実施例の品質判定システムにおける被溶接物に通電される電流値の経時変化を示した図である。
まず、本実施例のスポット溶接の品質判定システム5を備えたスポット溶接システム1の全体構成について、以下に概説する。
図1及び図2に示すように、本実施例のスポット溶接システム1は、例えば、自動車の車体を溶接組立する製造ラインの側近に配備されて、図示せぬ搬送装置によって搬送される被溶接物としてのワークWの所定箇所に所定条件でスポット溶接を行うシステムであって、ワークWへの溶接を行う溶接ガン3を有する溶接ロボット2と、溶接ロボット2を稼動させて所定の溶接条件に基づいてワークWに対する溶接を制御する制御装置4と、ワークWの品質判定システム5等とで構成されている。
本実施例でのワークWは、自動車の車体フレームを構成する薄鋼板が2〜3枚組み合わされて板組みが構成されており、この板組みの所定箇所にスポット溶接が行われることで各薄鋼板が溶着される。また、ワークWは板組みのプレス状態に応じて板隙Dを有して離間されている(図2参照)。
溶接ロボット2は、多関節型ロボットに構成されており、図示せぬアクチュエータが作動されることによって可動自在とされるアーム20が設けられ、アーム20の先端に溶接ガン3が取り付けられている。つまり、溶接ロボット2は、ワークWに対して溶接ガン3を相対位置変動可能に支持しており、このように溶接ガン3を取り付けることによって、ワークWの所定位置にスポット溶接を行うことができるように構成されている。
溶接ガン3においては、一対の電極チップ30・30が対向するようにして配置されており、電極チップ30は上下方向に移動可能に設けられた可動部の端部にそれぞれ設けられている。スポット溶接時には、各可動部が端部を近接させる方向に移動されて、電極チップ30・30によってワークWが挟まれて加圧される。そして、電極チップ30・30によって所定の圧力下でワークWが挟まれた状態で、電極チップ30・30間で高周波電流(溶接電流)が通電されることで、ワークWの板組みを構成する各薄鋼板に跨って溶融凝固部(ナゲットN)が形成されて(図2参照)、各薄鋼板が溶着される。
制御装置4は、溶接ロボット2のアクチュエータや溶接ガン3を制御して、ワークWの所定位置に所定条件でスポット溶接が行われるような構成とされている。なお、この制御装置4は、後述する品質判定システム5の一部を構成する(図3参照)。
次に、本実施例の品質判定システム5の構成について、以下に詳述する。
図3及び図4に示すように、品質判定システム5は、上述したスポット溶接システム1に設けられており、スポット溶接時に同時にワークWの品質を判定するものである。
なお、「ワークWの品質の良否を判定する」とは、スポット溶接によって完全に溶着された、若しくは溶着させることができるワークWの品質を判定することをいい、本実施例では、スポット溶接するワークWにおける、所定加圧下での板組みごとの板隙Dに対応した電極チップ30・30間の抵抗値が、閾値の範囲内であるか否かに基づいてその品質の良否を判定することをいう。
具体的には、品質判定システム5は、電圧値を検出する電圧値検出部50と、電流値を検出する電流値検出部51と、AD変換器52と、オペレータによってワークWの板組み情報を入力する入力部53と、溶接条件抽出部54aや判定条件抽出部54bや抵抗値検出部54cや品質判定部54d等を備えたコンピュータ装置54と、入力部53で入力された板組み情報に対応した溶接条件テーブル55aが記憶された溶接条件記憶部55と、入力部53で入力された板組み情報に対応した判定条件テーブル56aが記憶された判定条件記憶部56と等とから構成されている。なお、入力部53及びコンピュータ装置54等は、上述した制御装置4に設けられている。
電圧値検出部50及び電流値検出部51は、溶接ガン3の所定位置にそれぞれ設けられ(図1参照)、電圧値検出部50で電極チップ30・30間に印加された電圧が検出されるとともに、電流値検出部51で電極チップ30・30を介してワークWを流れる電流が検出される。
電圧検出部50では、溶接ガン3に設けられた電圧センサによって電極チップ30・30間の電圧が測定され、図示せぬ波形復元回路により得られたアナログ信号の検出信号がAD変換器52を介してデジタル信号に変換されてコンピュータ装置54に出力される。
電流検出部51では、溶接ガン3の一方の電極チップ30に付設されたトロイダルコイル型の電流センサ51aによって電流が測定され、図示せぬ波形復元回路により得られたアナログ信号の検出信号がAD変換器52を介してデジタル信号に変換されてコンピュータ装置54に出力される。
入力部53は、キーボート、テンキー、若しくはタッチパネル等の入力装置として構成されており、スポット溶接時には、オペレータによってワークWの板組み情報が入力される。
なお、「板組み情報」とは、ワークWを構成する板組み(薄鋼板)の素材、材質、強度、薄鋼板一枚当たりの厚さ、及び薄鋼板の組み合せ等に関する情報のことをいう。
コンピュータ装置54における溶接条件抽出部54aは、入力部53で入力された板組み情報に基づいて、後述する溶接条件テーブル55aからワークWに応じた溶接条件を抽出する。溶接条件抽出部54aで抽出された溶接条件は、溶接ロボット2及び溶接ガン3に出力される。
なお、「溶接条件」とは、スポット溶接を行う際の溶接内容を表すものであって、溶接位置、電流値、電圧値、溶接時間、及び加圧力等に関する情報が含まれる。
判定条件抽出部54bは、入力部53で入力された板組み情報に基づいて、後述する判定条件テーブル56aからワークWに応じた判定条件を抽出する。判定条件抽出部54bで抽出された判定条件は、溶接ロボット2及び溶接ガン3に出力される。
なお、「判定条件」とは、ワークWの品質を判定する際の判定内容を表すものであって、溶接位置、電流値、電圧値、溶接時間、及び加圧力等に関する情報の他に、板組みごとの所定加圧下での板隙Dに対応した抵抗値の閾値に関する情報が含まれる。
抵抗値検出部54cは、上述した電圧検出部50及び電流検出部51より出力された電圧値及び電流値から電極チップ30・30間の抵抗値を演算して検出する。なお、以下抵抗値検出部54cで検出された抵抗値を実測抵抗値R1とする。
品質判定部54dは、抵抗値検出部54cで検出された実測抵抗値R1と判定条件抽出部54bで抽出された閾値とを比較して、かかる実測抵抗値R1が閾値の範囲内にあるか否かを判定する。
品質判定部54dにおいて、実測抵抗値R1が判定条件抽出部54bで抽出された閾値の範囲内にあってワークWの品質が「良」であると判定された場合には、ワークWの板隙Dの離間が所定範囲内であって、形成されたナゲットNによって各板組みが十分に溶着されることを意味する。一方、実測抵抗値R1が判定条件抽出部54bにて抽出された閾値の範囲外にあってワークWの品質が「否」であると判定された場合には、ワークWの板組みの板隙Dが所定範囲以上に離間していて、形成されたナゲットNによっても各板組みが十分に溶着されないことを意味する。
溶接条件記憶部55に記憶された溶接条件テーブル55aは、板組み情報と溶接条件との相関関係を読み出し可能なデータ形式として構成しており、板組み情報に対する所定の溶接条件が予め実験により求められて記憶されている。
判定条件記憶部56に記憶された判定条件テーブル56aは、板組み情報と判定条件との相関関係を読み出し可能なデータ形式として構成しており、板組み情報に対する所定の判定条件が予め実験により求められて記憶されている。
特に、本実施例の判定条件テーブル56aは、まず、所定のワークWに対して通電時間と電流値の大きさを変化させた時の、各通電時間および電流値における板隙Dと抵抗値との相関が調べられ、次いで、同じワークWに対して加圧力を変化させたときの、各加圧力における板隙Dと抵抗値との相関が調べられて、所定加圧下での各板隙Dに対応した抵抗値の閾値が記憶される。
また、この判定条件テーブル56aには、ワークWに応じて最適な判定条件が選定されて記憶されており、具体的には、板組み情報ごとに、板隙Dと抵抗値との間に相関関係が得られる最適な通電時間、電流値、加圧力、及び抵抗値の閾値が記憶される。
判定条件テーブル56aに記憶される判定条件の一例について説明すると、通電時間は、通電初期の短時間とするのが好ましい。また、品質判定時の電流値は、スポット溶接時の電流値(溶接電流)と比べて十分に小さいことが好ましい。
品質判定時の所定加圧力は、板隙Dと抵抗値とが相関を有するように選定され、また、板組みの薄鋼板一枚当たりの厚さが薄い場合は低加圧とし、厚い場合はそれより高加圧とするのが好ましい。ただし、何れの場合の加圧力もスポット溶接時の加圧力と比べて小さいことが好ましい。
抵抗値の閾値は、板隙Dに対応する実測抵抗値R1の上限値及び下限値として、例えば、実測抵抗値R1が初期値からの上昇率(変化率)で60%〜70%となる値(範囲)が選定される。
次に、本実施例の品質判定システム5を用いたスポット溶接の品質判定方法について、以下に詳述する。
図4及び図5に示すように、ワークWの品質判定を行うにあたり、まず溶接ガン3に取り付けられたワークWの板組み情報を入力部53より入力する(S100)。入力部53で入力された板組み情報に基づいて、溶接条件抽出部54aで溶接条件記憶部55に記憶された溶接条件テーブル55aからワークWに応じた溶接条件を抽出する(S101)。これと同時に、入力部53により入力された板組み情報に基づいて、判定条件抽出部54bで判定条件記憶部56に記憶された判定条件テーブル56aからワークWに応じた判定条件(抵抗値の閾値)を抽出する(S102)。
コンピュータ装置54は、溶接ロボット2及び溶接ガン3に、溶接条件抽出部54aで抽出された溶接条件と判定条件抽出部54bで抽出された判定条件を出力して、スポット溶接及びワークWの品質判定を行う。
本実施例では、スポット溶接前(若しくはスポット溶接の初期)にワークWの品質判定を行うように制御される(図5参照)。すなわち、まず判定条件に基づいて所定加圧下で所定時間だけ通電し、抵抗値検出部54cにて、電圧検出部50及び電流検出部51より出力された電圧値及び電流値から電極チップ30・30間の実測抵抗値R1を演算して検出する(S103)。そして、品質判定部54dにて、抵抗値検出部54cで検出された実測抵抗値R1が判定条件抽出部54bで抽出された抵抗値の閾値の範囲内にあるか否かを判定する(S104)。
品質判定部54dにて判定した結果、抵抗値検出部54cで検出された実測抵抗値R1が、判定条件抽出部54bで抽出された閾値の範囲内にある場合には、ワークWの品質は「良」であると判定して(S105)、続いて溶接条件に基づいてスポット溶接を行う(S106)。一方、品質判定部54dに判定した結果、抵抗値検出部54cで検出された抵抗値が、判定条件抽出部54bで抽出された閾値の範囲外であった場合には、ワークWの品質は「否」であると判定して(S107)、スポット溶接を中止する(S108)。
図5は、品質判定システム5におけるワークWに通電される電流値の経時変化を示したものである。つまり、本実施例の品質判定方法では、通電初期には、一旦スポット溶接時よりも低い電流(電流値A1)を通電してワークWの品質判定T1を行い、その後、品質判定部54dでの判定結果を受けてワークWの品質が「良」と判定された場合にだけ、溶接電値(電流値A2)を通電してスポット溶接T2を行うものである。
以上のように、本実施例のスポット溶接の品質判定方法は、スポット溶接におけるワークWの品質の良否を判定する品質判定方法であって、ワークWの板組み情報を入力する入力工程(S100)と、前記入力工程で入力された板組み情報から、板組みごとに、所定加圧下での板隙Dに対応した抵抗値の閾値を抽出する抽出工程(S102)と、所定加圧下で通電して電極チップ30・30間の実測抵抗値R1を検出する検出工程(S104)と、前記検出工程で検出された実測抵抗値R1が、前記抽出工程で抽出された閾値の範囲内にあるか否かを判定する判定工程(S105)とを有するため、ワークWの板隙Dの状態が変化すると実測抵抗値R1も変化するため、この実測抵抗値R1が閾値の範囲内が否かを判定することで、プレス精度、板組みの誤セット、及び溶接打点の設定ミス等のワークWの板組み状態に起因する溶接異常を検出することができ、精度よくかつ効率的にワークWの品質を判定することができる。
また、本実施例では、スポット溶接時よりも低い電流値(電流値A1<電流値A2)で通電し、通電初期の実測抵抗値R1を検出するものであるため、スポット溶接時若しくは溶接前のワークWの板組み状態に起因する溶接異常を予め検出することができ、判定効率をより向上できる。また、例えば、溶接を実施しない部位でも、所定の判定条件を設定することで当該部位の板隙Dの変化を検出することができ、溶接品質に加えて、ワークWのプレス精度等の板組み異常を判定することができる。
特に、本実施例では、品質判定部54dにて、抵抗値検出部54cで検出された実測抵抗値R1が閾値の範囲内に入っていないと判定した場合には、ワークWへの通電を中止するため、板組み状態の不良を直ちに改善することで、製造ラインのリードタイムを短縮することができる。
なお、スポット溶接の品質判定方法や品質判定システム5の構成は、上述した実施例に限定されない。
上述した本実施例では、板組みごとの判定条件が判定条件テーブル55aに記憶され、判定条件(閾値)を抽出する際にはワークWの板組み情報に基づいて判定条件テーブル55aから所定の判定条件(閾値)が抽出されるように構成されているが、これに限定しない。例えば、判定条件テーブル55aを設けることなく、入力された板組み情報から判定条件、特に、抵抗値の閾値を直ちに演算するような演算部を設けてもよい。
また、上述した本実施例では、品質判定部54dによる判定結果に基づいてスポット溶接を行うように構成されているが、例えば、入力部53で入力された板組み情報に基づいて抽出された溶接条件と判定条件から、スポット溶接と品質判定とが同時に開始されてもよい。また、図6に示すように、直ちに溶接電値(電流値A2)が通電されてスポット溶接T2が行われるとともに、溶接電値(電流値A2)よりも低い電流(電流値A1)が通電されている通電初期の間に同時にワークWの品質判定T1が行われるように構成されてもよい。ただし、かかる場合には、ワークWの品質判定T1の結果によらずスポット溶接が行われるため、判定結果はワークWの板組みごとの判定履歴として所定箇所に記憶される。
また、上述した本実施例では、判定条件テーブル56aを変更する際には、オペレータによって手動で上書き等して変更するように構成されているが、例えば、図7及び図8に示すように、コンピュータ装置54に、別途抵抗値検出部54cで検出された実測抵抗値R1から単位検出回数N当たりの平均抵抗値R2を算出し、この平均抵抗値R2から抵抗値の閾値を自動的に上書きして変更する閾値変更部54dを設けて、スポット溶接(品質判定)の回数に応じて、判定条件抽出部54bで抽出された抵抗値の閾値が逐次変更されるように構成してもよい。このように、抵抗値の閾値を検出回数に応じて自動的に逐次変更することで、さらに精度の高い判定を行うことができる。
具体的には、入力部53に入力された板組み情報(S200)に基づいて、溶接条件及び判定条件(抵抗値の閾値)を抽出した後(S201、S202)、抵抗値検出部54cで電極チップ30・30間の実測抵抗値R1を演算して検出する(S203)。次いで、閾値変更部54eにて、抵抗値検出部54cでの抵抗値の検出回数がN回目か否かを判定し(S209)、検出回数がN回目以下であれば、品質判定部54dで実測抵抗値R1と閾値とが比較されて品質判定が行われる(S204)。一方、検出回数がN回目より大きければ、過去N回分の検出回数当たりの平均抵抗値R2を演算し、この平均抵抗値R2から抵抗値の閾値を再設定する(S210)。再設定された閾値は、判定条件テーブル56aに記憶される。なお、コンピュータ装置54には、過去の検出回数を積算してカウントする記憶部等が別途設けられる。
本発明の一実施例に係る品質判定システムを備えた溶接システムの全体的な構成を示した側面図。 溶接ガンに固定された状態の被溶接物の側断面図。 品質判定システムのスケルトン図。 品質判定システムを用いた品質判定方法を示すフローチャート。 品質判定システムにおける被溶接物に通電される電流値の経時変化を示した図。 別実施例の品質判定システムのスケルトン図。 別実施例の品質判定システムを用いた品質判定方法を示すフローチャート。 別実施例の品質判定システムにおける被溶接物に通電される電流値の経時変化を示した図。
1 スポット溶接システム
2 溶接ロボット
3 溶接ガン
4 制御装置
5 品質判定システム
53 入力部
54 コンピュータ装置
54a 溶接条件抽出部
54b 判定条件抽出部
54c 抵抗値検出部
54d 品質判定部
55 溶接条件記憶部
55a 溶接条件テーブル
56 判定条件記憶部
56a 判定条件テーブル
W ワーク(被溶接物)

Claims (5)

  1. スポット溶接における被溶接物の品質の良否を判定する品質判定方法であって、
    被溶接物の板組み情報を入力する入力工程と、
    予め板組みごとに設定された所定加圧下での板隙に対応した抵抗値の閾値から、前記入力工程で入力された板組み情報に対応する板組みの抵抗値の閾値を抽出する抽出工程と、
    前記所定加圧下で通電して電極間の抵抗値を検出する検出工程と、
    前記検出工程で検出された抵抗値が、前記抽出工程で抽出された閾値の範囲内にあるか否かを判定する判定工程とを有し、
    前記検出工程は、スポット溶接時よりも低い電流値で通電し、通電初期の抵抗値を検出する、
    ことを特徴とするスポット溶接の品質判定方法。
  2. 前記判定工程にて、前記検出工程で検出された抵抗値が前記閾値の範囲内に入っていないと判定した場合に、通電を中止する中止工程を有することを特徴とする請求項1に記載のスポット溶接の品質判定方法。
  3. 前記検出工程で検出された抵抗値から、単位検出回数当たりの平均抵抗値を算出して、該平均抵抗値に基づいて、前記抽出工程にて抽出された板組みの抵抗値の閾値を変更する設定変更工程を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスポット溶接の品質判定方法。
  4. スポット溶接における被溶接物の品質の良否を判定する品質判定システムであって、
    被溶接物の板組み情報を入力する入力手段と、
    予め板組みごとに設定された所定加圧下での板隙に対応した抵抗値の閾値から、前記入力工程で入力された板組み情報に対応する板組みの抵抗値の閾値を抽出する抽出手段と、
    前記所定加圧下で通電して電極間の抵抗値を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出された抵抗値が、前記抽出手段で抽出された閾値の範囲内にあるか否かを判定する判定手段とを備え、
    前記検出手段は、スポット溶接時よりも低い電流値で通電し、通電初期の抵抗値を検出する、
    ことを特徴とするスポット溶接の品質判定システム。
  5. 前記検出手段で検出された抵抗値から、単位検出回数当たりの平均抵抗値を算出して、該平均抵抗値に基づいて、前記抽出工程にて抽出された板組みの抵抗値の閾値を変更する設定変更手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のスポット溶接の品質判定システム。
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