JP6189734B2 - 抵抗溶接方法、抵抗溶接装置及びその制御装置 - Google Patents

抵抗溶接方法、抵抗溶接装置及びその制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6189734B2
JP6189734B2 JP2013260036A JP2013260036A JP6189734B2 JP 6189734 B2 JP6189734 B2 JP 6189734B2 JP 2013260036 A JP2013260036 A JP 2013260036A JP 2013260036 A JP2013260036 A JP 2013260036A JP 6189734 B2 JP6189734 B2 JP 6189734B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistance value
current
optimum
welding
resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013260036A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015116579A (ja
Inventor
古川 一敏
一敏 古川
Original Assignee
Art−Hikari株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Art−Hikari株式会社 filed Critical Art−Hikari株式会社
Priority to JP2013260036A priority Critical patent/JP6189734B2/ja
Publication of JP2015116579A publication Critical patent/JP2015116579A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6189734B2 publication Critical patent/JP6189734B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Description

本発明は、抵抗溶接方法、抵抗溶接装置及びその制御装置に関する。より具体的には、歪みなどが存在し均一な溶接が困難なワーク(被溶接物)に対しても、高品質な抵抗溶接が可能な抵抗溶接方法、抵抗溶接装置及びその制御装置に関する。
従来より、自動車の製造工程においては、スポット溶接やシーム溶接など、少なくとも一つの電極を駆動する加圧機構を備え、溶接電流を供給することにより抵抗溶接を行う各種の抵抗溶接機が用いられている。このうち、特にスポット溶接においては、産業用ロボットに搭載され、加圧機構として加圧力を適宜調整することが可能なサーボモータを利用した装置が多く用いられている。また、加圧力の制御装置としては、ワークを挾持した状態における加圧機構の供給電流値と加圧力の関係を予め記憶し、設定された加圧力に応じて、加圧機構への供給電流値が設定される制御装置などが用いられている。そして、歪みや凸凹がないワークの溶接を想定し、所定の加圧力及び電流をかけて、複数点を溶接することが可能になっている。
しかしながら、現実の溶接、特に自動車部品の溶接などにおいては、ワーク形状が複雑かつ素材硬度が高いことなどから、重ね合わせた溶接部分が理想的な平面状態ではなく、若干の歪みや凹凸が存在することがある。この場合、結果として重ね合わせたワーク間に隙間などが生じている場合がある。この場合、隙間がない状態と同様の条件で溶接を行うと、チリやスパッタが生じ、かつ接触が十分でないため溶接品質が不良となる。
このような状況に対し、例えば特許文献1のような技術が開示されている。この技術は、電動サーボ式抵抗溶接装置の制御方法であって、上部チップを降下させて被溶接物間の隙間をゼロとする手順と、前記隙間をゼロとしたときの密着時加圧力を算出する手順と、前記密着時加圧力および設定加圧力に基づいて指令加圧力を算出する手順と、前記指令加圧力により被溶接物を加圧する手順と、前記指令加圧力を設定加圧力に戻す手順とを含んでなることを特徴とするものである。すなわち、電極位置を検知しつつ、一度ワーク間の隙間をゼロとするまで加圧し、その後所定の加圧力をかけるものである。
しかしながら、この技術のみでは、電極位置を探知しつつ、歪みを加圧により潰した後、隙間がゼロである場合の所定の加圧力をかけるものであるため、ワークの反発力などが考慮されていない。したがって、結果的に均質な溶接を行うには十分ではない。
このため、特許文献1においては、 電動サーボ式抵抗溶接装置の制御方法であって、上部チップを低加圧力により被溶接物を加圧した状態で上部チップの降下動作を停止させる手順と、上部チップの降下動作を停止した時点における被溶接物間の隙間を算出する手順と、前記隙間および被溶接物のバネ定数を用いて密着時加圧力を算出する手順と、前記密着時加圧力および設定加圧力に基づいて指令加圧力を算出する手順と、前記指令加圧力により被溶接物を加圧する手順とを含んでなることを特徴とする電動サーボ式抵抗溶接装置の制御方法も開示している。すなわち、上記技術においてバネ定数を導入することにより、ワークの反発力も考慮した適切な加圧力を導きだそうとする技術が開示されている。
しかしながら、実際のワークにおける歪みや凸凹は千差万別であり、歪みの角度も大きさも深さも全く異なる。したがって、ワーク全体に渡る適切なバネ定数を求めることは極めて困難で実質的に不可能であり、上記技術によっても、均一な溶接条件を得ることができない。
さらに、上記の技術において、ワーク上のある点において歪みを加圧により潰して溶接した場合には、その後の他点において既に一定の加圧力がかかっている場合が生じうる。このような場合、理想的なワーク状況に対して所定の加圧力をかけると結果的に過加圧となり、溶接不良が起こり得るが、上記技術を含む従来技術では、このような過加圧の状況に対応することができない。
したがって、現状において、歪みや凸凹が生じているワークに関して、歪みの度合いや形状が様々に変化していても、チリやスパッタが生じることなく、効率的に常に一定の溶接品質を得ることが可能な抵抗溶接制御方法及び制御装置は存在していない。
特開2000−218379
そこで、本発明は、歪みや凸凹などが存在し、ワーク間に隙間などが存在する場合であっても、効率的で、適切に均一な抵抗溶接が可能な抵抗溶接制御方法及び制御装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明の抵抗溶接方法は、
インバータ式溶接電源装置と、一対の電極と、少なくとも一つの電極を駆動する加圧機構とを備え、溶接電流を供給することにより抵抗溶接を行う抵抗溶接方法であって、
溶接すべきワークの素材と厚さに対応した最適抵抗値、最適溶接電流又は電圧及び最適通電時間とを設定するステップ、
重ねたワークに初期加圧をかけるステップ、
電極間に検知電流を供給するステップ、
電極間の現抵抗値を測定するステップ、
最適抵抗値と現抵抗値を比較するステップ、
現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より大きい場合、加圧力を増加させるステップ、
現抵抗値と最適抵抗値が等しい又は許容範囲内である場合、その時点の加圧力を保持し、最適溶接電流を最適通電時間供給するステップからなる。
また、現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より小さい場合、加圧力を減少させるステップを備えていることが好適である。
また、加圧機構がサーボモータであることが好適である。
また、最後に溶接品質を判断するステップを備えていることが好適である。
さらに、本発明の抵抗溶接機は、
インバータ式溶接電源装置と、一対の電極と、少なくとも一つの電極を駆動する加圧機構とを備え、溶接電流を供給することにより抵抗溶接を行う抵抗溶接機であって、
溶接すべきワークの素材と厚さに対応した最適抵抗値と、最適溶接電流又は電圧及び最適通電時間を保持する手段、
重ねたワークに初期加圧をかける手段、
電極間に検知電流を供給する手段、
電極間電流及び電圧を検知し電極間の現抵抗値を算出する手段、
最適抵抗値と現抵抗値を比較する手段、
現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より大きい場合、加圧力を増加させる手段、
現抵抗値と最適抵抗値が等しい又は許容範囲内である場合、その時点の加圧力を保持し、最適溶接電流を最適通電時間供給する手段を備えていることからなる。
また、現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より小さい場合、加圧力を減少させる手段を備えることが好適である。
また、加圧機構がサーボモータであることが好適である。
また、最後に溶接品質を判断する手段を備えていることが好適である。
さらに、本発明の制御装置は、
一対の電極と、少なくとも一つの電極を駆動する加圧機構とを備え、溶接電流を供給することにより抵抗溶接を行う抵抗溶接機に使用される制御装置であって、
溶接すべきワークの素材と厚さに対応した最適抵抗値と、最適溶接電流又は電圧及び最適通電時間、及び初期加圧を記録する記録部と、
検知された電極間の電流値及び電圧から現抵抗値を算出する算出部と、
最適抵抗値と現抵抗値を比較する比較部と、
現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より大きい場合、加圧力を増加させ、
現抵抗値と最適抵抗値が等しい又は許容範囲内である場合、その時点の加圧力を保持し、最適溶接電流を最適通電時間供給する指令部とを備えることからなる。
また、指令部が、さらに現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より小さい場合、加圧力を減少させる指令を行うことが出来ることが好適である。
また、加圧機構がサーボモータであることが好適である。
また、溶接品質の判断部を備えていることが好適である。
本発明は、ワークの歪みや凸凹にかかわらず、常に一定の時間、一定の電流量、一定の抵抗値で、一定の熱量を溶接部に供給することを可能にするものであり、多点溶接を行っても常に一定の溶接品質を得ることを可能にし、かつ一度の溶接電流の供給により溶接部を適切に溶接することが可能で、極めて効率的に均質な溶接を行うことが可能になるものである。
より具体的には、所定の初期加圧をかけた後、検知電流を使用して溶接部の抵抗値を算出する。ワーク間に隙間がある場合には、隙間がない場合に比べ抵抗値が大きくなる。そのため、隙間がない理想的な状態の抵抗値を最適抵抗値として、現抵抗値と比較しながら、当該最適抵抗値になるまで加圧力を増加する。そして、現抵抗値が最適抵抗値と等しく又は許容範囲内となった時(この時、隙間は結果的になくなっている。)に、隙間がない場合と同じ最適な通電時間及び溶接電流を1回の通電で供給する。
さらには、部分的に溶接前に過度な加圧がかかっている場合については、所定の最適抵抗値と等しくなるまで加圧を減らし、現抵抗値が最適抵抗値と等しく又は許容範囲内になった時(この時、結果的に過加圧は解消されている。)、歪みの有無にかかわらず所定の最適な通電時間及び溶接電流を1回の通電で供給する。
この結果、溶接点ごとに溶接電流を適宜増減させる制御や通電時間の変動の必要もなく、ワークに対し抵抗値,溶接電流,通電時間が常に一定となるため、ワークが適切に密接した状態で常に一定の熱量を1回で供給することが可能となる。このため、ワーク形状やその歪みなどにかかわらず、チリやスパッタが生じることもなく、自動的に常に一定の溶接品質を維持することが可能である。このため、バネ定数の考慮や複数回通電の必要もなく、均一な品質の溶接を行うことが可能である。
本発明によれば、初期加圧値は、自由に設定が可能である。しかしながら、隙間がない理想的なワーク間溶接における最適抵抗値を1回で得ることができる加圧値であることが、より効率的であり好適である。又は、最初に少し強めに加圧し、徐々に加圧を減少させながら最適抵抗値を得ることでワーク間のなじみを良くするように、最適抵抗値を1回で得ることができる加圧値よりも大きい値を初期加圧値とすることも可能である。
検知電流は、ワークの素材や厚さにより適宜設定されるものであるが、溶接電流(〜数万A)と異なり、溶接部分の素材に変形・変質が生じない程度に弱い電流(例えば、3000A以下)であれば良い。
現抵抗値は、例えば、電極間電圧とトランス2次側の電流値を検知して、電圧を電流値で割って算出することが出来る。その他、トランスの一次側の巻線に流れる電流を使用して算出することなど、一定の抵抗値を検知できる限り、検出位置は特定の位置に限定されるものではない。最適抵抗値は、ワークの素材や厚さに個々対応して設定され、それぞれに最適な通電時間・溶接電流値が設定される。また、最適抵抗値の記録及び蓄積は、歪みのないワーク間の溶接から具体的に得られた値を記録することにより蓄積することが好ましいが、良好な最初の溶接点を基準として算出することなども可能である。なお、本発明において電流値は電圧値の観点から制御が可能ではあるが、最適な電流量をワークに供給するという本発明の趣旨からすれば、電流値で制御することが好ましい。
さらに、本発明は、産業用ロボットに搭載され、3次元上の多点溶接を行うことが可能なスポット溶接機において最も効果を発揮するが、その他のスポット溶接機や、シーム溶接機など他の抵抗溶接機に応用することも想定されうる。
本発明の抵抗溶接機(スポット溶接機)の構成の1例を示す概念図である。 本発明の実施の1例を示すフロー図である。 ワークの素材や厚さに応じた最適抵抗値及び初期加圧値のデータの蓄積の手順の一例を示すフロー図である。
本発明の実施の形態の1例を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の抵抗溶接機(スポット溶接機)の構成の1例を示す概念図である。本実施形態に係る抵抗溶接機1は、インバータ式の溶接電源装置2、トランス3、一対の電極4,4’、加圧機構であるサーボモータ5を備える。溶接電源装置2は、サーボモータ5を制御し必要な加圧の増減を行うことが可能である。電圧センサー6及び電流センサー7が、電極間電圧とトランス2次側からの電流値を検知すべく設けられている。
インバータ式の溶接電源装置2は、インバータ回路及び整流回路21を含んでおり交流を整流して直流に変換し、トランス3の1次側へ供給する。変圧されたトランス3の2次側からの電流は電極4,4’へ供給され、検知電流及び溶接電流を通電させることが可能である。電極支持アームや操作パネルなどの構成は他の公知の抵抗溶接機と特に変わるところはなく、本発明の目的を達する限り様々な態様の構成を用いることが出来る。
インバータ式の溶接電源装置2は、CPU、ROMやRAM(図示せず)など公知の構成を備えた制御装置22、ADコンバータ23、出入力24、出入力インターフェース(図示せず)などを備えている。ADコンバータ23は、電圧センサー(電圧検知回路)6及び電流センサー(電流検知回路)7で検知された電圧シグナル及び電流シグナルを受け取りデジタル化して制御装置22へ出力する。制御装置22は記録部221、算出部222、比較部223、指令部224を備え、現抵抗値を算出して最適抵抗値と比較し、必要なサーボモータ5への加圧制御25や通電制御などを行う。
記録部221には、溶接すべきワーク8の素材と厚さに対応した最適抵抗値と、それに対応した最適溶接電流値又は電圧及び最適通電時間、さらには初期加圧値を保持・記録することが出来る。記録及び保持は、外部入力により設定されることで行われても良いが、ワーク8の素材や板厚(及び枚数)と、対応する最適抵抗値、最適溶接電流値、最適通電時間、及び初期加圧値をリンクさせて記録したデータベースとして備えることで行われることが好ましい。
算出部222は、電圧センサー6及び電流センサー7で検知された電極4,4’間の電流値及び電圧から、現抵抗値をリアルタイムで算出する。現抵抗値は、基本的には電圧を電流で割ることにより算出可能であるが、最適抵抗値と比較することができる限り、他の算出方法を使用しても本発明の目的を達成することが可能である。
比較部223は、最適抵抗値と現抵抗値をリアルタイムで比較する。
指令部224は、現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より大きい場合、加圧力を増加させる指示を行う。逆に、現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より小さい場合、加圧力を減少させる指示を行う。現抵抗値と最適抵抗値が等しい又は許容範囲内である場合、その時点の加圧力を溶接が終了するまで保持し、最適溶接電流値を最適通電時間供給する指令部を行う。
図2は、本発明の実施の1例を示すフロー図である。まず、蓄積されたデータから、ワークの素材や板厚から溶接するワークの最適抵抗値を設定する(S1)。この時、最適溶接電流値及び最適通電時間も設定される。そして、これら状況に対応した初期加圧値が設定され(S2)、サーボモータによる加圧制御により初期加圧が行われる(S3)。所定の初期加圧がワークにかかった後、検知電流を通電する。電圧センサー及び電流センサーにより電圧と電流値が検出され、現抵抗値が測定・算出される(S4)。算出された現抵抗値は、最適抵抗値と比較され、その差がゼロであるか許容範囲内であれば(S5)、当該加圧力を保持し、あらかじめ設定された、ワークの溶接に最も適した溶接電流を所定の時間通電する(S6)。なお、CPLなど公知の手段を使用して溶接品質の確認を行い、各溶接点の不良の有無などを確認・判定する行程をさらに備えることが出来る(S9)。
比較の結果、もし現抵抗値が最適抵抗値より許容範囲以上に大きければ、例えばワーク間に隙間が生じていることを示しており、制御部は加圧力を大きくする指令を出す(S7)。この時、所定の割合で加圧を段階的に増加させる方法も採りうるが、溶接をより効率的に行うために、リアルタイムで現抵抗値を測定しながら加圧の増加を続ける(S3〜S4)。この時、隙間があった場合には加圧により当該隙間が潰されていくことを意味する。そして、現抵抗値と最適抵抗値との差がゼロであるか許容範囲内であれば(S5)、結果的に隙間はなくなり適切な接触状態となっているので、加圧の増加を止め当該加圧力を保持し、あらかじめ設定された、隙間がない場合と同じく、そのワークの溶接に最も適した溶接電流を所定の時間通電する(S6)。
逆に、現抵抗値が最適抵抗値より許容範囲以上に小さければ、例えば前の溶接点で歪みを押しつぶした場合における隣接した接触点など、加圧前からワーク間に一定の圧力がかかっている場合を示している。この場合、指令部224は加圧力を減少させる指令を出す(S8)。この時、所定の割合で加圧を段階的に減少させる方法も採りうるが、溶接をより効率的に行うために、好ましくは現抵抗値を測定しながら加圧の減少を続ける(S3〜S4)。そして、現抵抗値と最適抵抗値との差がゼロであるか許容範囲内であれば(S5)、当該加圧力を保持し、あらかじめ設定された、隙間がない場合と同じく、そのワークの溶接に最も適した溶接電流を所定の時間通電する(S6)。
したがって、本発明によれば隙間がある場合だけでなく、あらゆる歪みに自動的に対応し、均一な溶接品質を効率的に得ることが出来る。
本発明によれば、通電時間、電流、抵抗値の全てが一定の状態で溶接が行われるために、ワークの歪みや隙間の有無や程度にかかわらず、結果的に隙間などが消滅し適切な接触状態となっており一定の熱量を供給することが可能で、チリやスパッタが生じることもなく、一定の溶接品質を得ることが可能である。さらに、溶接電流の通電は基本的に1度で良い(歪みのない箇所の溶接と同じ溶接条件で良い)ため、多段溶接のような非効率性やワークの変質などによる不均一性の問題も生じず、連続的な多点溶接を高速で行うことが出来る。さらに、本発明は2枚のワークの溶接に限らず、3枚以上の重ね溶接や、異なる素材間のワークの溶接などにも適用が可能である。
図3は、ワークの素材や厚さに応じた最適抵抗値及び初期加圧値のデータの蓄積の手順の一例を示すフロー図である。まず、ワーク8を重ねて配置し、所定の加圧目標値を設定し(T1)、当該加圧値で加圧する(T2)。検知電流を使用して電極間抵抗値を測定し(T3)、所定の溶接電流を所定の時間通電する(T4)。その後、溶接品質の良否判定を行い(T5)、良好であれば当該ワークの素材や厚さに対応して、加圧値、抵抗値、所定の溶接電流及び所定の通電時間を初期加圧値、最適抵抗値、最適な溶接電流値及び通電時間として記録する(T6)。不良であれば、加圧値を増加又は減少して更新し(T7)、溶接品質が良好になるまで上記手順を繰り返す。ワークの厚さや素材だけでなく、溶接電流値や通電時間を更新して上記行程を繰り返し、より最適な値を蓄積することも出来る。また、抵抗値の許容範囲については、例えば得られた最適抵抗値から誤差数%の範囲内として設定することが可能であるが、上記行程の繰り返しにより蓄積された、同条件(ワークの厚さ,素材、溶接電流・通電時間)内で良好な溶接が行うことができる加圧値の範囲とすることが出来る。得られた最適値は、CD-ROMなどの記録保持手段に記録して所持しても良いし、記録部221に直接データベース又はデータテーブルの形式で蓄積するなど、様々な利用形態を採りうる。
1 抵抗溶接機
2 溶接電源装置
3 トランス
4,4’ 電極
5 サーボモータ
6 電圧センサー
7 電流センサー
8 ワーク
21 インバータ回路及び整流回路
22 制御装置
221 記録部
222 算出部
223 比較部
224 指令部
23 ADコンバータ
24 出入力
25 加圧制御

Claims (12)

  1. インバータ式溶接電源装置と、一対の電極と、少なくとも一つの電極を駆動する加圧機構とを備え、溶接電流を供給することにより抵抗溶接を行う抵抗溶接方法であって、
    溶接すべきワークの素材と厚さに対応した最適抵抗値を設定するステップ、
    重ねたワークに初期加圧をかけるステップ、
    電極間に検知電流を供給するステップ、
    電極間の現抵抗値を測定するステップ、
    最適抵抗値と現抵抗値を比較するステップ、
    現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より大きい場合、加圧力を増加させるステップ、
    現抵抗値と最適抵抗値が等しい又は許容範囲内である場合、その時点の加圧力を保持し、最適溶接電流を最適通電時間供給するステップからなる。
  2. 現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より小さい場合、加圧力を減少させるステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の抵抗溶接方法。
  3. 加圧機構がサーボモータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の抵抗溶接方法。
  4. 最後に溶接品質を判断するステップを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の抵抗溶接方法。
  5. インバータ式溶接電源装置と、一対の電極と、少なくとも一つの電極を駆動する加圧機構とを備え、溶接電流を供給することにより抵抗溶接を行う抵抗溶接機であって、
    溶接すべきワークの素材と厚さに対応した最適抵抗値を保持する手段、
    重ねたワークに初期加圧をかける手段、
    電極間に検知電流を供給する手段、
    電極間電流及び電圧を検知し電極間の現抵抗値を算出する手段、
    最適抵抗値と現抵抗値を比較する手段、
    現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より大きい場合、加圧力を増加させる手段、
    現抵抗値と最適抵抗値が等しい又は許容範囲内である場合、その時点の加圧力を保持し、最適溶接電流値を最適通電時間供給する手段を備えていることを特徴とする抵抗溶接機。
  6. 現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より小さい場合、加圧力を減少させる手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の抵抗溶接機。
  7. 加圧機構がサーボモータであることを特徴とする請求項5又は6に記載の抵抗溶接機。
  8. 溶接品質を判断する手段を備えていることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の抵抗溶接方法。
  9. 一対の電極と、少なくとも一つの電極を駆動する加圧機構とを備え、溶接電流を供給することにより抵抗溶接を行う抵抗溶接機に使用される制御装置であって、
    溶接すべきワークの素材と厚さに対応した最適抵抗値と、最適溶接電流値又は電圧及び最適通電時間、及び初期加圧を記録する記録部と、
    検知された電極間の電流値及び電圧から現抵抗値を算出する算出部と、
    最適抵抗値と現抵抗値を比較する比較部と、
    現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より大きい場合、加圧力を増加させ、
    現抵抗値と最適抵抗値が等しい又は許容範囲内である場合、その時点の加圧力を保持し、最適溶接電流値を最適通電時間供給する指令部とを備えることを特徴とする制御装置。
  10. また、加圧指令部が、さらに現抵抗値が最適抵抗値又はその許容範囲より小さい場合、加圧力を減少させる指令を行うことが出来ることを特徴とする請求項9に記載の制御装置。
  11. 加圧機構がサーボモータであることを特徴とする請求項9又は10に記載の制御装置。
  12. 溶接品質の判断部を備えていることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の抵抗溶接方法。
JP2013260036A 2013-12-17 2013-12-17 抵抗溶接方法、抵抗溶接装置及びその制御装置 Active JP6189734B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013260036A JP6189734B2 (ja) 2013-12-17 2013-12-17 抵抗溶接方法、抵抗溶接装置及びその制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013260036A JP6189734B2 (ja) 2013-12-17 2013-12-17 抵抗溶接方法、抵抗溶接装置及びその制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015116579A JP2015116579A (ja) 2015-06-25
JP6189734B2 true JP6189734B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=53529816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013260036A Active JP6189734B2 (ja) 2013-12-17 2013-12-17 抵抗溶接方法、抵抗溶接装置及びその制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6189734B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7158144B2 (ja) * 2017-12-28 2022-10-21 ダイハツ工業株式会社 溶接装置
JP2021079417A (ja) * 2019-11-21 2021-05-27 株式会社豊田中央研究所 スポット溶接方法、スポット溶接の制御装置および制御プログラム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3661008B2 (ja) * 1999-01-27 2005-06-15 川崎重工業株式会社 電動サーボ式抵抗溶接装置の制御方法および制御装置
JP2006095572A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Daihen Corp 抵抗溶接制御方法
JP4915189B2 (ja) * 2006-09-19 2012-04-11 トヨタ自動車株式会社 スポット溶接の品質判定方法及び品質判定システム
JP5599553B2 (ja) * 2008-03-31 2014-10-01 Jfeスチール株式会社 抵抗スポット溶接方法
JP5530912B2 (ja) * 2010-12-02 2014-06-25 本田技研工業株式会社 スポット溶接装置における溶接条件の設定方法
JP2013121616A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Dengensha Mfg Co Ltd 抵抗溶接機及び抵抗溶接方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015116579A (ja) 2015-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011152574A (ja) 抵抗溶接方法
JP2013121616A (ja) 抵抗溶接機及び抵抗溶接方法
JP6471841B1 (ja) 抵抗スポット溶接方法および溶接部材の製造方法
JP2019155389A (ja) 抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接装置
JP6189734B2 (ja) 抵抗溶接方法、抵抗溶接装置及びその制御装置
US10744594B2 (en) Method for processing a workpiece
JP2008536692A (ja) 部材の溶接方法およびシステム
JP4535739B2 (ja) スポット溶接装置
JP2009066612A (ja) スパッタ検出手段を備えたスポット溶接装置
JP2011156564A (ja) 溶接用電極の位置ずれ補正方法および装置
JP6104013B2 (ja) スポット溶接方法及びスポット溶接装置
US8800847B2 (en) Dynamic path correction of friction stir welding
JP2006095572A (ja) 抵抗溶接制御方法
JP5236420B2 (ja) アークスポット溶接装置
JP2012254472A (ja) 溶接ロボットシステム
JP3554830B2 (ja) 電動サーボ式抵抗溶接装置の制御方法および制御装置
JP5787696B2 (ja) 溶接方法及びその装置
JP6164862B2 (ja) シーム溶接方法及びシステム
JP2007313564A (ja) 溶接加工部品移動感知システム
JP2012187621A (ja) 抵抗溶接制御装置
JP2019118921A (ja) 溶接装置
JPWO2020004117A1 (ja) 抵抗スポット溶接方法および溶接部材の製造方法
CN213053188U (zh) 轨道车辆铝合金牵枕缓部件电加热陶瓷板焊前预热装置
JPH04238680A (ja) ストリップの突き合わせ溶接方法
JP2021159953A (ja) 溶接部の通電状態監視方法及び抵抗溶接機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6189734

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250