JP4915106B2 - プラズマディスプレイパネルの製造方法およびプラズマディスプレイパネル用の誘電体ペースト - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法およびプラズマディスプレイパネル用の誘電体ペースト Download PDF

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Description

本発明は、表示デバイスなどに用いるプラズマディスプレイパネルの製造方法およびプラズマディスプレイパネル用の誘電体ペーストに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)は、高精細化、大画面化の実現が可能であることから、65インチクラスのテレビなどが製品化されている。近年、PDPは従来のNTSC方式に比べて走査線数が2倍以上のフルスペックのハイビジョンへの適用が進んでいるとともに、環境問題に配慮して鉛成分を含まないPDPが要求されている。
PDPは、基本的には、前面板と背面板とで構成されている。前面板は、フロート法による硼硅酸ナトリウム系ガラスのガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状の透明電極とバス電極とで構成される表示電極と、この表示電極を覆ってコンデンサとしての働きをする誘電体層と、この誘電体層上に形成された酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層とで構成されている。
背面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状のアドレス電極と、アドレス電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上に形成された隔壁と、各隔壁間に形成された赤色、緑色および青色それぞれに発光する蛍光体層とで構成されている。
前面板と背面板とは、その電極形成面側を対向させて気密封着され、隔壁によって仕切られた放電空間にNe−Xeの放電ガスが、400Torr〜600Torrの圧力で封入されている。PDPは、表示電極に映像信号電圧を選択的に印加することによって放電させ、その放電によって発生した紫外線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、青色の発光をさせてカラー画像表示を実現している。
ここで、特に前面板の誘電体層は、放電空間から発せられた光を透過させるために、できるだけ透過率を高くすることが必要である。ここで誘電体層は、誘電体ガラス材料を粉砕した誘電体ガラスフリット、バインダである樹脂、有機溶剤等を混合した誘電体ペーストを焼成して形成される。そして誘電体層の透過率を高くするためには、誘電体ガラスフリットの融点温度が低い低融点ガラス材料を軟化点温度より十分に高い温度で焼成する方法が知られている。このような方法で焼成すれば、誘電体ガラスフリットの流動性がよくなり、平坦なガラス層となるため、散乱光も減り透過率は高くなる。
また表示電極のバス電極には、導電性を確保するための銀電極が用いられている。このように表示電極に銀電極を用い、誘電体ペーストを軟化点温度より十分に高い温度で焼成すると、ガラス材料の流動性がよいため、可視光の透過率がよいが、銀電極から誘電体層へ銀イオンの拡散が起こる。銀イオンが誘電体層に拡散すると、誘電体層中のアルカリ金属イオンによって還元作用を受け、コロイド状の酸化銀を形成する。そして、この酸化銀が誘電体層を、黄色や褐色に強く着色させるとともに、一部の酸化銀が、還元作用を受けて酸素の気泡を発生し、その気泡が絶縁不良を引き起こす。
そこで誘電体層を、軟化点温度の高いガラス材料を用い、軟化点温度付近で焼成すると、ガラス材料が流動しない状態のため、銀電極から銀イオンの拡散も起きず、着色することはない。しかしながら、ガラス材料が流動しない状態では、誘電体層の表面は粗いスリガラス状となり、可視光の透過率が低下する。
そのため誘電体層を上層と、下層との2層に分け、銀電極を覆う下層の誘電体層には、軟化点温度の高いガラス材料を、下層の誘電体層上に形成される上層の誘電体層には、低融点ガラス材料を用いる例が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−50769号公報
このように、2層の誘電体層構造は、誘電体層の下層が、銀電極との反応を抑制し、上層が可視光の透過率を低下させない役割を果たす。しかしながら、上層の誘電体層の可視光の透過率改善が、十分になされていないという課題があった。
誘電体層は、上述したようにガラス材料、バインダである樹脂、有機溶剤等を混合した誘電体ペーストを焼成して形成される。ここで焼成後に残るのは、ガラス材料だけで、樹脂はガスと水分に分解される。そして、分解されたガスが焼成後も誘電体層中に残り空洞を作ると、その空洞が可視光を散乱させ、透過率を低下させると考えられる。
また、バインダである樹脂は、塗布時の粘度保持のためには、一定量が必要である。しかしながら、従来このような塗布時も考慮して、可視光の透過率を高めるという観点から、誘電体ペーストの誘電体ガラス材料と樹脂との割合についての検討がなされてこなかった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、銀電極との反応を抑制する構成の誘電体層であって、誘電体ペーストの塗布時も考慮し、可視光の透過率をさらに高めるPDPの製造方法およびPDP用の誘電体ペーストを提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために本発明は、基板上に表示電極と誘電体層とを形成した前面板と、背面板とを対向配置し、封着するPDPの製造方法であって、前記表示電極はAg成分を含み、前記誘電体層は第1誘電体層および第2誘電体層で構成され、前記第1誘電体層は第1誘電体ペーストによって、さらに前記第2誘電体層は第2誘電体ペーストによって形成され、前記第1誘電体ペーストおよび第2誘電体ペーストは、誘電体ガラス材料と、樹脂と、有機溶剤とを含み、前記第1誘電体ペーストおよび第2誘電体ペーストの前記誘電体ガラス材料は、酸化ビスマス(Bi 2 3 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化硼素(B 2 3 )、酸化硅素(SiO 2 )、酸化アルミニウム(Al 2 3 )、および酸化セリウム(CeO 2 )を含み、さらに、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも1種を含み、前記第1誘電体ペーストにおいて、前記樹脂はエチルセルロース、アクリル樹脂1重量%〜20重量%を含むターピネオール、あるいはブチルカルビトールアセテートであり、前記誘電体ガラス材料55重量%〜70重量%に対し前記樹脂30重量%〜45重量%であり、前記第2誘電体ペーストにおいて、前記樹脂はエチルセルロースを含み、前記エチルセルロースが前記誘電体ガラス材料に対して、体積百分率にて11%以上、20%以下であることを特徴とする。
このような製造方法とすると、誘電体層の酸化ビスマスが銀電極との反応を抑制する。そして誘電体ガラス材料との体積比をこのような範囲とすると、誘電体ペーストの粘度を塗布する際の適切な範囲となり、また誘電体層の透過率も高くできる。そのため、銀電極との反応を抑制する構成の誘電体層の誘電体ペーストの塗布時も考慮し、可視光の透過率をさらに高めたPDPの製造方法となる。
以上のように、本発明によれば、誘電体層ペーストの樹脂量を必要な粘度が得られる範囲まで抑えて、樹脂の分解による空洞を減じることができるため、さらに透過率を高めた誘電体層を備えたPDPの製造方法およびPDP用の誘電体ペーストを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態によるPDPについて図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図である。PDPの基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示すように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる背面板10とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP1内部の放電空間16には、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などの放電ガスが400Torr〜600Torrの圧力で封入されている。
前面板2の前面ガラス基板3上には、走査電極4および維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6と、ブラックストライプ(遮光層)7とが互いに平行に、それぞれ複数列配置されている。前面ガラス基板3上には、表示電極6と、ブラックストライプ7とを覆うようにコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成され、さらにその表面に酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層9が形成されている。
背面板10の背面ガラス基板11上には、前面板2の走査電極4および維持電極5と直交する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層13が被覆している。さらに、アドレス電極12間の下地誘電体層13上には、放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14間の溝にアドレス電極12毎に、紫外線によって赤色、青色、および緑色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布して形成されている。走査電極4および維持電極5と、アドレス電極12とが交差する位置に放電セルが形成され、表示電極6方向に並んだ赤色、青色、緑色の蛍光体層15を有する放電セルが、カラー表示のための画素になる。
図2は、本発明の実施の形態におけるPDP1の誘電体層8の構成を示す前面板2の断面図である。図2は、図1を上下反転させて示している。図2に示すように、フロート法などにより製造された前面ガラス基板3に、走査電極4および維持電極5よりなる表示電極6と、ブラックストライプ7とがパターン形成されている。走査電極4と維持電極5は、それぞれインジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ(SnO)などからなる透明電極4a、5aと、透明電極4a、5a上に形成されたバス電極4b、5bとにより構成されている。バス電極4b、5bは、透明電極4a、5aの長手方向に導電性を付与する目的として用いられ、銀材料を主成分とする導電性材料によって形成されている。
誘電体層8は、前面ガラス基板3上に形成されたこれらの透明電極4a、5a、バス電極4b、5b、およびブラックストライプ7を覆って設けた第1誘電体層81と、第1誘電体層81上に形成された第2誘電体層82との少なくとも2層構成とし、さらに第2誘電体層82上に保護層9を形成している。
次に、PDP1の製造方法について説明する。
まず、前面ガラス基板3上に、走査電極4および維持電極5と、ブラックストライプ7とを形成する。これらの透明電極4a、5aとバス電極4b、5bは、フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングして形成される。透明電極4a、5aは、薄膜プロセスなどを用いて形成され、バス電極4b、5bは、銀材料を含むペーストを所望の温度で焼成して固化している。また、ブラックストライプ7も同様に、黒色顔料を含むペーストを、スクリーン印刷する方法、または黒色顔料をガラス基板の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成することにより形成される。
次に、走査電極4、維持電極5およびブラックストライプ7を覆うように前面ガラス基板3上に、誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して、誘電体ペースト層(誘電体材料層)を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって、塗布された誘電体ペースト表面がレベリングされて、平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5およびブラックストライプ7を覆う誘電体層8が形成される。なお、誘電体ペーストは誘電体ガラス材料を粉砕した誘電体ガラスフリット、バインダ、および溶剤を含む塗料である。
次に、誘電体層8上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層9を、真空蒸着法により形成する。以上の工程により、前面ガラス基板3上に所定の構成物(走査電極4、維持電極5、ブラックストライプ7、誘電体層8、保護層9)が形成され、前面板2が完成する。
背面板10は、次のようにして形成される。まず、背面ガラス基板11上に、銀材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法、または金属膜を全面に形成する。そして、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などにより、アドレス電極12用の構成物となる材料層を形成し、それを所望の温度で焼成してアドレス電極12を形成する。
次に、アドレス電極12が形成された背面ガラス基板11上に、ダイコート法などによりアドレス電極12を覆うように、誘電体ペーストを塗布して誘電体ペースト層を形成する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより、下地誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペーストは誘電体ガラス材料を粉砕した誘電体ガラスフリット、バインダ、および溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁形成用ペーストを塗布して、所定の形状にパターニングすることにより、隔壁材料層を形成した後、焼成することにより隔壁14を形成する。ここで、下地誘電体層13上に塗布した隔壁用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法、サンドブラスト法を用いることができる。
次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上、および隔壁14の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成することにより蛍光体層15が形成される。以上の工程により、背面ガラス基板11上に所定の構成部材を有する背面板10が完成する。
このようにして所定の構成部材を備えた前面板2と、背面板10とを、走査電極4とアドレス電極12とが直交するように対向配置して、その周囲をガラスフリットで封着し、放電空間16にネオン、キセノンなどを含む放電ガスを封入することによりPDP1が完成する。
ここで前面板2の誘電体層8を構成する第1誘電体層81と、第2誘電体層82とについて詳細に説明する。第1誘電体層81の誘電体ガラス材料は、次の材料より構成されている。すなわち、酸化ビスマス(Bi)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化硼素(B)、酸化硅素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)を含んでいる。さらに、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも1種を含み、酸化モリブデン(MoO)、酸化タングステン(WO)から選ばれる少なくとも1種も含んでいる。
なお、酸化モリブデン(MoO)、酸化タングステン(WO)に代えて、酸化セリウム(CeO)、酸化銅(CuO)、二酸化マンガン(MnO)、酸化クロム(Cr)、酸化コバルト(Co)、酸化バナジウム(V)、酸化アンチモン(Sb)から選ばれる少なくとも1種を含ませてもよい。
これらの材料からなる誘電体ガラス材料を、湿式ジェットミルやボールミルで平均粒径が0.5μm〜2.5μmとなるように粉砕して誘電体ガラスフリットを作成する。次に、この誘電体ガラスフリット55重量%〜70重量%と、バインダ成分30重量%〜45重量%とを三本ロールでよく混練して、ダイコート用あるいは印刷用の第1誘電体層用ペーストを作成する。バインダ成分はエチルセルロース、あるいはアクリル樹脂1重量%〜20重量%を含むターピネオール、あるいはブチルカルビトールアセテートである。
また、ペースト中には、必要に応じて可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチ、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルを添加し、分散剤としてグリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加して、印刷性を向上させてもよい。
次に、この第1誘電体層用ペーストを用い、表示電極6を覆うように前面ガラス基板3にダイコート法、あるいはスクリーン印刷法で印刷して乾燥させ、その後、誘電体ガラス材料の軟化点温度より少し高い温度の575℃〜590℃で焼成する。
次に、第2誘電体層82について説明する。第2誘電体層82の誘電体ガラス材料は、次の材料より構成されている。すなわち、酸化ビスマス(Bi)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化硼素(B)、酸化硅素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)を含んでいる。さらに、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも1種を含み、酸化セリウム(CeO)も含んでいる。
これらの組成からなる誘電体ガラス材料を、湿式ジェットミルやボールミルで平均粒径が0.5μm〜2.5μmとなるように粉砕して誘電体ガラスフリットを作成する。次に、この誘電体ガラス材料の体積に対して、バインダの体積比を11%以上、20%以下とした樹脂と、誘電体ガラスフリットとを三本ロールでよく混練して、ダイコート用の第2誘電体層用ペーストを作成する。ここでバインダ成分は、エチルセルロースである。
また、ペースト中には、必要に応じて可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルを添加し、分散剤としてグリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加して、印刷性を向上させてもよい。
次に、この第2誘電体層用ペーストを用いて、第1誘電体層81上にダイコート法で印刷して乾燥させ、その後、誘電体ガラス材料の軟化点温度より高い温度の550℃〜590℃で焼成する。
ここで第2誘電体層用ペーストの材料である樹脂と、誘電体ガラス材料との比率について説明する。図3は、本発明の実施の形態のPDPの誘電体層材料の最適構成範囲を説明する図である。図3の横軸は、誘電体ガラス材料の体積に対する樹脂の体積比であり、縦軸は、これら誘電体ガラス材料を粉砕した誘電体ガラスフリットと樹脂とを混ぜ合わせたペーストの粘度、およびこのペーストを前面ガラス基板に塗布し、誘電体ガラス材料の軟化点温度付近で焼成し厚さ30μmの誘電体層を形成したときの透過率を示している。
図3に示すように、誘電体ガラス材料に対して樹脂量が多くなるほど、粘度は大きくなる。ダイコート法で塗布するには、ペーストの粘度が30Pa・s以上必要である。また、誘電体ガラス材料に対して樹脂量が多いペーストを焼成したものほど、分解されて生じるガス、そのガスによる空洞の量も多くなるため、透過率は低下する。そして、この誘電体層での透過率は、少なくとも81%は必要で、誘電体層の透過率が81%を下回ると必要な輝度が得られなくなる。従って、誘電体ガラス材料に対する樹脂量の体積比が、11%以上、20%以下であると、ダイコート法の塗布時の必要な粘度が確保され、また透過率も必要な値を確保できる。ただし、誘電体ガラス材料としては酸化ビスマスを含むものであり、樹脂としては、エチルセルロースの場合である。
ここで、誘電体層8の膜厚については、第1誘電体層81と第2誘電体層82とを合わせ、可視光透過率を確保するためには41μm以下が好ましい。第1誘電体層81は、バス電極4b、5bの銀(Ag)との反応を抑制するために、ガラス材料の組成の制限がある。第1誘電体層81の可視光の透過率が、第2誘電体層82の可視光の透過率よりも低くならないように、第1誘電体層81の膜厚を、第2誘電体層82の膜厚よりも薄くしている。
なお、誘電体層8の膜厚が小さいほど、パネル輝度の向上と放電電圧を低減するという効果は顕著になる。しかし誘電体層8の膜厚を小さくしすぎると、必要な絶縁耐圧を得られなくなる。
このように、バス電極4b、5bの銀との反応を抑制するために、バス電極4b、5bを覆う第1誘電体層81は透過率の低いガラス材料の組成にせざるを得ない。また、絶縁耐圧を得るためには、所定の誘電体層8の膜厚が必要となるので、可視光の透過率を極端に低下させない、所定厚みの第2誘電体層82が必要となる。
以上説明してきたように、誘電体層を形成する誘電体ガラス材料と、樹脂との比率を最適化することで、誘電体ペーストの粘度も適切な範囲となるため塗布も問題なく、透過率をさらに高めた誘電体層となる。
以上述べてきたように本発明は、誘電体層ペーストの樹脂量を必要な粘度が得られる範囲まで抑えて樹脂の分解による空洞を減じることができるため、さらに透過率を高めた誘電体層を備えたPDPの製造方法およびPDP用の誘電体ペーストとなり、表示品質に優れた大画面の表示デバイスとして有用である。
本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図 同PDPの誘電体層の構成を示す前面板の断面図 同PDPの誘電体層材料の最適構成範囲を説明する図
符号の説明
1 PDP
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4a,5a 透明電極
4b,5b バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 ブラックストライプ(遮光層)
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス基板
12 アドレス電極
13 下地誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間
81 第1誘電体層
82 第2誘電体層

Claims (1)

  1. 基板上に表示電極と誘電体層とを形成した前面板と、背面板とを対向配置し、封着するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記表示電極はAg成分を含み、
    前記誘電体層は第1誘電体層および第2誘電体層で構成され、
    前記第1誘電体層は第1誘電体ペーストによって、さらに前記第2誘電体層は第2誘電体ペーストによって形成され、
    前記第1誘電体ペーストおよび第2誘電体ペーストは、誘電体ガラス材料と、樹脂と、有機溶剤とを含み、
    前記第1誘電体ペーストおよび第2誘電体ペーストの前記誘電体ガラス材料は、酸化ビスマス(Bi23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化硼素(B23)、酸化硅素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、および酸化セリウム(CeO2)を含み、さらに、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記第1誘電体ペーストにおいて、前記樹脂はエチルセルロース、アクリル樹脂1重量%〜20重量%を含むターピネオール、あるいはブチルカルビトールアセテートであり、前記誘電体ガラス材料55重量%〜70重量%に対し前記樹脂30重量%〜45重量%であり、
    前記第2誘電体ペーストにおいて、前記樹脂はエチルセルロースを含み、前記エチルセルロースが前記誘電体ガラス材料に対して、体積百分率にて11%以上、20%以下である、プラズマディスプレイパネルの製造方法。
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