JP3998900B2 - 絶縁膜形成用塗料及びプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法 - Google Patents

絶縁膜形成用塗料及びプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、プラズマ・ディスプレイ・パネル、プラズマ・アドレス・液晶ディスプレイまたは電子放出素子を用いた画像形成装置に形成される絶縁膜に用いられる絶縁膜形成用塗料、及びそれを用いて前面ガラス基板上の誘電体層を形成したプラズマ・ディスプレイ・パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の重くて大きいブラウン管に変わる画像形成装置として、薄くて軽い平面型のディスプレイ、いわゆるフラット・パネル・ディスプレイ(FPD)の需要が高まっている。FPDとして代表的なものに液晶ディスプレイ(LCD)が挙げられるが、画像が暗い、視野角が狭い、大面積化が困難などの課題が残っている。そこで、近年ではプラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、電子放出素子を用いた画像形成装置などが注目を浴びており、LCD以上の高精細化、大型化が可能であることから、その需要はますます高まっている。
【0003】
図1はPDPの構造図(断面図)を示している。
【0004】
以下、図1を用いてPDPの表示原理を説明する。
【0005】
表面ガラス基板1に設けられた2つの表示電極4の間でプラズマを放電させることで発生させた紫外線が、背面ガラス基板2に塗布した蛍光体3を励起し、可視光を発生させる。発生した可視光は保護膜7、誘電体層6、前面ガラス基板1を透過して映像となって表示される。このとき、背面ガラス基板2に設けられたアドレス電極5に信号を印加し、どの放電セルを表示させるかを指定することで、映像を所要の画像とすることができる。
【0006】
プラズマを発生及び維持させるためには各電極間の絶縁を確保する必要があり、誘電体層6はその絶縁効果を付与するために設けられている。誘電体層6は、Siなどの元素を含んだガラス粉末を、樹脂などと共に有機溶剤中に分散させて得られた塗料を塗布して乾燥し、続いて焼成することで得られる。乾燥段階では溶媒である有機溶剤が気化し、焼成段階では樹脂が気化すると共にガラス粉末が溶解して互いに結合する。そして、焼成後に冷却してガラス膜となることで誘電体層6は形成される。
【0007】
上記誘電体層6には通常ガラスの絶縁膜が用いられるが、例えば、特開2000−16835号公報では、前面ガラス基板および背面ガラス基板表面に形成するパッシベーション膜(保護膜)としての薄膜の絶縁膜と、両ガラス基板上の電極を被覆する形の厚膜の絶縁膜とを形成するための塗料として、平均粒子径が0.3〜1.5μm、最大粒子径が10μm以下であるガラス粉末70〜95重量%と有機成分5〜30重量%を含む絶縁ペーストの使用が提案されている。
【0008】
一方、電子放出素子としては、大別して熱陰極電子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類が知られており、近年では、待機電力が不必要であり、高電流密度が可能な冷陰極電子放出素子による画像形成装置が注目されている。冷陰極電子放出素子としては、電解放出型(FE型)、金属/絶縁層/金属(MIM型)などがあり、冷陰極電子放出素子を用いた画像形成装置は、電子放出素子から放出される電子ビームを蛍光体に照射して蛍光を発生させることで画像を表示させる。
【0009】
このような冷陰極電子放出素子を用いた画像形成装置においても、プラズマ・ディスプレイ・パネルと同様にガラス化合物による絶縁膜が使用されている。例えば、背面ガラス基板には、複数の電子放出素子とそれらの素子を接続するためのマトリックス状の配線が設けられている。これらの配線はX方向及びY方向に設置され、電子放出素子の電極の部分で交差するが、この交差部において両者を絶縁するために帯状の絶縁膜を必要としている。このような層間絶縁膜は、例えば酸化鉛を主成分とするガラス化合物を用いて、膜厚10〜100μm、好ましくは20〜50μmで形成される。
【0010】
例えば、特開平9−283060号公報では、絶縁膜の下に下配線を形成した後、それに直交する形で帯状の絶縁膜を設置し、その絶縁膜の上に上配線を形成している。
【0011】
従って、電子放出素子を用いた画像形成装置においても、上記プラズマ・ディプレイ・パネルと同様に絶縁膜を必要とし、その絶縁膜は電気的絶縁性の発揮やパッシベーション膜としての遮蔽効果の発現などの機能を有する必要がある。これらは通常、真空蒸着法、スパッタ法あるいは印刷法などによって形成される。
【0012】
しかし、真空蒸着法やスパッタ法のような真空を必要とする工法は、高価な製造設備が必要であることが問題であり、特に上記のような大面積化を目指すFPDの場合ではますます製造コストの負担が大きくなる。
【0013】
一方、印刷法は安価な方法として多用されている。これは、絶縁膜を構成するガラス成分と有機成分とからなる絶縁層形成用塗料を、主にスクリーン印刷法やダイコート法によって塗布して乾燥し、その後焼成して絶縁膜を形成する方法である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、絶縁層形成用塗料の特性が最適化されていないと、ボイドやピンホールなどの欠陥が発生し、1回の塗布で所望の絶縁効果を有する膜を得ることは困難である。そのため、複数回の塗布・乾燥工程をへて積層させる手法が主にとられているが、奥野製薬(株)などから市販されている印刷用絶縁膜形成用塗料を構成する溶媒には、ブチルカルビトールアセテートとα―テルピネオールが1対1で混合された混合溶剤が多く用いられている。この2つの溶剤は沸点がそれぞれ246.8℃及び221℃というように200℃以上の超高沸点溶剤である。よって、塗料の乾燥には長時間が必要であり、今後拡大する需要に対処しきれない。
【0015】
しかし、より低沸点の溶媒を用いると、乾燥速度が速くなるために塗料表面のレベリングが十分行われないうちに塗膜が固化してしまったり、空気を取り込んで塗膜が白化してしまったりするなどの現象が起きてしまう。
【0016】
塗料のレベリングが十分でない場合、乾燥後の塗膜表面に乾燥ムラが生じ、焼成後の塗膜にも乾燥ムラによる凹凸が残る。その結果、表示映像の一部が凹凸によって歪んでしまい、良好な表示品位の映像が得られない。また、ボイドやピンホールなどの欠陥も発生しやすく、所望の絶縁効果を得ることが出来ない。
【0017】
また、バインダー樹脂の無機成分に対する量が最適化されていないと、絶縁膜形成用塗料中の無機成分が凝集したり、焼成後の絶縁膜にボイドやピンホールが発生したりしてしまい、これもまた所望の絶縁効果を得ることが出来ない。
【0018】
また、従来の絶縁膜形成用塗料に用いられているエチルセルロースは無機成分への吸着性が中程度なので、作製した絶縁膜形成用塗料の粘度安定性が悪い。そして、合成樹脂などに比べて体積が大きいので、焼成時の塗膜収縮率が大きく、焼成膜表面が荒れる原因となっていた。
【0019】
すなわち、今までの絶縁膜形成用塗料においては無機成分、特にガラス粉末の組成に着目してその焼成特性をコントロールしたものが多いが、塗料を構成するために必要な分散媒としての溶媒の組成に着目し、乾燥挙動をコントロールしたものはない。また、バインダーとしての樹脂に着目し、樹脂の相違によって塗料の塗布特性及び焼成特性をコントロールしたものもない。
【0020】
そこで本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。より特定すれば、本発明は乾燥時間が短く且つレベリング性が良くて塗膜表面が平滑になり、ボイドやピンホールを発生しない絶縁膜形成用塗料を提供することを目的とする。
【0021】
また本発明は、無機成分の分散安定性が良く且つ焼成後もボイドやピンホールを発生しない絶縁膜形成用塗料を提供することを目的とする。
【0022】
また本発明は、粘度安定性が優れた絶縁膜形成用塗料を提供することを目的とする。
【0023】
また本発明は、焼成後も表面の平坦性が高い絶縁膜形成用塗料を提供することを目的とする。
【0024】
また本発明は、本発明の絶縁膜形成用塗料を用いて前面ガラス基板の誘電体層を形成したPDP、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
また、第の本発明(請求項に対応)は、ガラス粉末からなる無機成分と、前記無機成分のバインダーとしての樹脂と前記樹脂を溶解している溶媒とを少なくとも含む有機成分とで構成された絶縁膜形成用塗料において、
前記溶媒が、沸点が100〜140℃の範囲内である有機溶剤からなるA群から選ばれた少なくとも1種と、沸点が140〜200℃の範囲内である有機溶剤からなるB群から選ばれた少なくとも1種との合わせて2種を80重量%以上含み、前記A群から選ばれた有機溶剤の重量%と前記B群から選ばれた有機溶剤の重量%との比(A/B)が1/5〜25/5であることを特徴とする絶縁膜形成用塗料である。
【0028】
この構成によると、よりレベリング性の優れた絶縁膜形成用塗料とすることができる。
【0029】
また、第の本発明(請求項に対応)は、前記樹脂がエチルセルロースであって、且つ前記無機成分に対するそのエチルセルロースの割合が1〜15重量%であり、
前記A群の有機溶剤が、n−ブタノール、イソブタノール、炭酸ジエチル、酢酸−n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、キシレンから選ばれた少なくとも1種であり、
前記B群の有機溶剤が、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートから選ばれた少なくとも1種である
ことを特徴とする第の本発明に記載の絶縁膜形成用塗料である。
【0030】
この構成によると、乾燥が速く且つレベリング性が優れることに加え、無機成分の分散性が良く且つ焼成後にボイドやピンホールが発生しない絶縁膜形成用塗料とすることが出来る。
【0033】
また、第の本発明(請求項3に対応)は、 ガラス粉末からなる無機成分と、前記無機成分のバインダーとしての樹脂と前記樹脂を溶解している溶媒とを少なくとも含む有機成分とで構成された絶縁膜形成用塗料において、
前記無機成分に対する前記樹脂の割合が、1〜15重量%であり、
前記樹脂がニトロセルロースであって、
前記溶媒が、沸点が100〜140℃の範囲内である有機溶剤からなるC群から選ばれた少なくとも1種と、沸点が140〜200℃の範囲内である有機溶剤からなるD群から選ばれた少なくとも1種との合わせて2種を80重量%以上含み、前記C群から選ばれた有機溶剤の重量%と前記D群から選ばれた有機溶剤の重量%との比(C/D)が1/5〜25/5である
ことを特徴とする絶縁膜形成用塗料である。
【0034】
この構成によると、乾燥が速く且つレベリング性が優れることに加え、無機成分の分散性が良く且つ焼成後にボイドやピンホールが発生しない絶縁膜形成用塗料とすることが出来る。また、無機成分へのバインダー樹脂の吸着性が高いため、絶縁膜形成用塗料の粘度安定性が高くなる。また、脱バインダー性に優れるため、焼成膜表面の平坦性が良い。
【0035】
また、第の本発明(請求項に対応)は、前記C群の溶媒が、炭酸ジエチル、酢酸−n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブから選ばれた少なくとも1種であり、前記D群の溶媒が、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする第の本発明に記載の絶縁膜形成用塗料である。
【0036】
また、第の本発明(請求項に対応)は、ガラス粉末からなる無機成分と、前記無機成分のバインダーとしての樹脂と前記樹脂を溶解している溶媒とを少なくとも含む有機成分とで構成された絶縁膜形成用塗料において、
前記無機成分に対する前記樹脂の割合が、1〜15重量%であり、
前記樹脂がポリビニルブチラールであって、
前記溶媒が、沸点が100〜140℃の範囲内である有機溶剤からなるE群から選ばれた少なくとも1種と、沸点が140〜200℃の範囲内である有機溶剤からなるF群から選ばれた少なくとも1種との合わせて2種を80重量%以上含み、前記E群から選ばれた有機溶剤の重量%と前記F群から選ばれた有機溶剤の重量%との比(E/F)が1/5〜25/5である
ことを特徴とする絶縁膜形成用塗料である。
【0037】
この構成によると、乾燥が速く且つレベリング性に優れることに加え、無機成分の分散性が良く且つ焼成後にボイドやピンホールが発生しない絶縁膜形成用塗料とすることが出来る。また、合成樹脂であるため重合度のバラツキが少なく、絶縁膜形成用塗料間の粘度のバラツキが抑えられる。また、樹脂の体積がセルロース系樹脂に比べて小さいため、脱バインダー時の塗膜収縮率が小さく、焼成膜表面の平坦性が良い。
【0038】
また、第の本発明(請求項に対応)は、前記E群の有機溶剤が、n−ブタノール、炭酸ジエチル、酢酸−n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、キシレンから選ばれた少なくとも1種であり、前記F群の有機溶剤が、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする第の本発明に記載の絶縁膜形成用塗料である。
【0040】
また、第の本発明(請求項に対応)は、第1〜第のいずれかの本発明に記載の絶縁膜形成用塗料を塗布して乾燥し、焼成を行うことで、前面ガラス基板上の誘電体層を形成することを特徴とするプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法である。
【0041】
この構成によると、プラズマ・ディスプレイ・パネルの前面ガラス基板上に設けられる誘電体層を、短時間で、表示品位が良く、歩留まりも良く製造することが出来る。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明及び本発明に関連する発明の実施の形態について説明する。
【0045】
本発明の絶縁膜形成用塗料は、プラズマ・ディスプレイ・パネル、プラズマ・アドレス・液晶ディスプレイまたは電子放出素子を用いた画像形成装置に形成される絶縁膜の形成に好適に用いられるものである。
【0046】
その絶縁膜形成用塗料は、無機成分を分散し、且つバインダー樹脂を溶解する溶媒として、沸点が100〜200℃の範囲内である有機溶剤から選ばれた少なくとも1種を80重量%以上含むものである。
【0047】
一般に沸点の低い有機溶剤ほど、ある温度における飽和蒸気圧が高く、蒸発速度も大きい。有機溶剤は沸点によって、▲1▼沸点が100℃以下の低沸点溶剤、▲2▼沸点が100〜150℃の中沸点溶剤、▲3▼沸点が150℃以上の高沸点溶剤に大きく分類される。
【0048】
低沸点溶剤は蒸発速度が速く、塗料の乾燥を速めたり、塗料を低粘度化させたりするのに有効である。しかし、その速すぎる蒸発速度のために、分量が増すと塗料のレベリング性(展延性)が低下して塗膜表面が粗雑化したり、乾燥途中で空気中の水分が凝縮して塗膜にいわゆる白化(ブラッシング)が起こったりする。
【0049】
中沸点溶剤は蒸発速度が中程度であり、乾燥速度が低沸点溶剤より遅いが、塗料溶剤としては良いレベリング性を与えてくれる。
【0050】
高沸点溶剤は、蒸発速度は遅いが、強い溶解力を持ち溶質の沈殿を防ぐ効果がある。また、塗料用溶剤のリターダー(蒸発抑制剤)としての効果があり、塗膜の白化を防いでくれる。
【0051】
プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、プラズマ・アドレス・液晶ディスプレイ(PALC)、電子放出素子を用いた画像形成装置などのフラット・パネル・ディスプレイ(FPD)に用いられる絶縁膜は、数10μmという非常に薄い膜でありながら高い絶縁性を有する必要がある。乾燥後及び焼成後の塗膜にボイドやピンホールが生じていると、そこで絶縁破壊が発生し、FPDは製品として成り立たなくなってしまう。また、乾燥時の有機溶剤の蒸発によって塗膜表面にムラが生じてしまうと、製品となった場合に画像の表示ムラの原因となったり、ボイドやピンホールが生じていなくても、局部的に薄くなった部分が絶縁破壊の原因となったりして、製品として成り立たなくなってしまう。
【0052】
以上のように、FPDの絶縁膜には高い均質性と平坦性が求められるため、アセトンやテトラヒドロフランなど沸点が100℃以下の有機溶剤が大量に塗料中に含まれると、乾燥速度は速くなり短時間で絶縁膜を形成することが出来るが、その速すぎる乾燥速度のために乾燥膜表面が荒れやすく、また白化が起こりやすいため、所望のFPD用絶縁膜を得ることが出来ない。
【0053】
一方、塗料のレベリング性向上と白化の防止のために、200℃以上の高沸点を有する有機溶剤を大量に含有させると、今度は乾燥速度が極端に遅くなってしまい、また、塗料の粘度が上昇するために塗布性も低下してしまい、FPDの生産性が大きく減少してしまう。
【0054】
沸点が100〜200℃の間にある有機溶剤は、乾燥速度が極端に速いことがなく、また、レベリング性が極端に悪いことも無いので、印刷用塗料の溶媒として好適に用いることが出来る。
【0055】
ここで、沸点が100〜200℃の間にある有機溶剤以外に、沸点が100℃以下もしくは200℃以上の有機溶剤を溶媒全体に対して20重量%を上限として含むことができる。沸点が100℃以下の有機溶剤が20重量%を上限として含まれると、乾燥速度が速くなるほか、一般的に低沸点溶媒であるほど価格が安くなるので、コストダウンにつながる。沸点が200℃以上の有機溶剤が20重量%を上限として含まれると、塗膜の白化防止、レベリング性向上が見込まれる。ただし、沸点が100℃以下の有機溶剤が20重量%以上含まれると、塗膜が白化しやすく、塗膜表面が荒れやすくなる。また、沸点が200℃以上の有機溶剤が20重量%以上含まれると、乾燥に時間がかかりすぎてしまう。
【0056】
さらに、沸点が100〜200℃の間にある有機溶剤が、沸点が100〜140℃の範囲内である有機溶剤からなるA群から選ばれた少なくとも1種と、沸点が140〜200℃の範囲内である有機溶剤からなるB群から選ばれた少なくとも1種との合わせて2種であり、A群の有機溶剤の重量%とB群の有機溶剤の重量%との比(A/B)が1/5〜25/5であることが好ましい。
【0057】
上述のように沸点が100〜200℃の範囲内にある有機溶剤から、異なる沸点範囲から選ばれた2種以上を混合させることで、乾燥時における有機溶剤の気化をゆるやかにして、塗料を徐々に乾燥させ、乾燥膜表面の平坦性を向上させることが出来る。上記重量比A/Bが1/5未満であると、高沸点成分(沸点:140〜200℃)の影響が強く、塗料のレベリング性は良いが、レベリング後の乾燥が急峻になり塗膜表面が荒れやすい。また、上記重量比A/Bが25/5を超えると、低沸点成分(沸点:100〜140℃)の影響が強く、塗料の乾燥に要する時間は短いが、レベリング性が不十分で塗膜表面が荒れやすい。
【0058】
無機成分やバインダー樹脂に何を選択するかによって選ばれる有機溶剤は決定されるが、一般にバインダー樹脂の溶解能が高いものを用いることが出来る。例えば、アルコール系、エステル系、エーテル系、ケトン系、芳香族系の有機溶剤などが挙げられる。アルコール系有機溶剤としては、n−ブタノール、sec−ブタノールなどが挙げられる。また、エステル系有機溶剤としては、酢酸−n−ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチルなどが挙げられる。また、エーテル系有機溶剤としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブ、ジエチルセロソルブなどが挙げられる。また、ケトン系有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノンなどが挙げられる。また、芳香族有機溶剤としては、トルエン、キシレン、ピリジンなどが挙げられる。これらの有機溶剤を、バインダー樹脂の溶解性、他の有機溶剤との相溶性などを考慮して、1種を単独でもしくは2種以上を混合して用いるのが一般的である。
【0059】
また、20重量%を上限として溶媒中に含むことが出来る有機溶剤として、沸点が100℃以下の有機溶剤からは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、sec−ブタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが、沸点が200℃以上の有機溶剤からは、α−テルピネオール、ベンジルアルコール、カルビトール、ブチルカルビトール、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどが挙げられる。これらは必ずしもバインダー樹脂を溶解する必要は無く、助溶剤や希釈剤として用いても良い。
【0060】
本発明の絶縁膜形成用塗料に含まれる無機成分であるガラス粉末に含まれる化合物としては、SiO2、ZnO、B23、PbO、Bi23、BaO、P25、CaOなどを好ましく挙げることができる。絶縁膜として一般的に用いられる低融点ガラスには、これら酸化物の中から2種以上を混合させたガラス粉末が用いられている。特に、PbOを主成分としたガラス粉末は軟化点調整などの点で制御しやすく、好ましく用いられている。
【0061】
上述のガラス化合物は、一般的に溶融ガラス化合物を急冷して粉砕することで合成されるため、粉末状態である。従って、この粉末ガラスと、粉末ガラスを分散させるための有機溶媒と、有機溶媒中に均質に分散させるため及び塗布・乾燥後の塗膜が型崩れを起こすのを防ぐためのバインダーとしての樹脂とを少なくとも含有することで塗料を作製することが出来る。
【0062】
所望の絶縁膜は、このような塗料を塗布して乾燥させた後に焼成することによって得られる。分散媒としての有機溶剤は乾燥時に、そしてバインダーとしての樹脂は焼成時に揮発し、最後に残されるのはガラス成分のみである。ここで、上述のガラス化合物は各元素の酸化物から構成されており、バインダーとしての樹脂、及び分散媒としての有機溶剤と化学反応を起こしてその化学構造が変化することはない。すなわち、分散媒としての有機溶剤とバインダーとしての樹脂は、ガラス粉末を絶縁膜として形成させる場合に、安価な塗布型の形成方法を用いることが出来るようにするために必要である。従って、本発明の絶縁膜形成用塗料に含まれる無機成分としては、焼成することによりガラスを形成するガラス化合物が好ましい。また、これはセラミックス微粒子についても同様である。
【0063】
さらに、本発明の絶縁膜形成用塗料には、必要に応じて、分散剤、可塑剤、粘度調節剤などを加えることができる。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリンなどが挙げられ、また、粘度調節剤としては、アエロジルなどのチキソ剤を挙げることが出来る。
【0064】
また、本発明の絶縁膜形成用塗料は、ガラス化合物からなる無機成分に対するバインダー樹脂の量が、1〜15重量%の範囲内である必要がある。
【0065】
バインダー樹脂は、塗料が塗膜となったときにガラス化合物からなる無機成分同士を結合させ、塗膜が崩れるのを防ぐ役目を持っている。そして、その全てというわけではないが、塗料状態においては無機成分に吸着して、無機成分同士が凝集するのを防いだり、沈降するのを抑制したりする効果も有している。
【0066】
このバインダー樹脂の量が無機成分に対して1重量%未満であると、塗料内で無機成分をしっかりと分散させ、崩れないしっかりとした塗膜を得るために必要なバインダー樹脂が不足する。その結果、塗料は沈降しやすく、塗布後の塗膜にはオレンジピールが発生しやすい上、乾燥後の塗膜は崩れやすい。また、このバインダー樹脂の量が無機成分に対して15重量%を超えると、無機成分に吸着しない樹脂によって粘度安定性が低下するほか、焼成膜表面にボイドなど凹凸が発生するなど、所望のガラス膜を得ることが出来ない。
【0067】
バインダー樹脂としては、一般にこの種の絶縁膜形成用塗料に利用されている各種のもののいずれでも良く、例えば、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体や共重合体、アクリル酸エステル重合体や共重合体などが挙げられる。また、上記樹脂は絶縁膜形成用塗料内にその1種を単独で、もしくは2種以上を併用することができる。
【0068】
特に、バインダー樹脂としてエチルセルロースを用いる場合、エチルセルロースの無機成分に対する重量比が1〜15重量%の範囲内であり、溶媒が、n−ブタノール、イソブタノール、炭酸ジエチル、酢酸−n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、キシレンからなるA群から選ばれた少なくとも1種と、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートからなるB群から選ばれた少なくとも1種とを、重量比A/Bが1/5〜25/5の範囲内で混合させた混合有機溶剤であることが好ましい。
【0069】
上述の各有機溶剤はエチルセルロースを溶解する能力が高く、またお互いの相溶性も高い。そのため、エチルセルロースが絶縁膜形成用塗料内で偏在し、乾燥膜にムラが発生することを抑制する効果がある。
【0070】
また、本発明の絶縁膜形成用塗料は、バインダー樹脂としてニトロセルロースを用い、ニトロセルロースの無機成分に対する重量比が1〜15重量%の範囲内であり、ガラス化合物からなる無機成分を分散し、且つバインダー樹脂を溶解する溶媒が、沸点が100〜140℃の範囲内である有機溶剤からなるC群から選ばれた少なくとも1種と、沸点が140〜200℃の範囲内である有機溶剤からなるD群から選ばれた少なくとも1種との合わせて2種を80重量%以上含み、C群の有機溶剤の重量%とD群の有機溶剤の重量%との比(C/D)が1/5〜25/5である必要がある。
【0071】
さらに、前記C群の溶媒が、炭酸ジエチル、酢酸−n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブから選ばれた少なくとも1種であり、前記D群の溶媒が、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートから選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【0072】
ニトロセルロースはニトロ基を有しているため、従来例のエチルセルロースよりも無機成分に対する吸着性に優れる。そのため、絶縁膜形成用塗料の粘度安定性が向上し、経時変化による塗布特性の変化が少ない。また、エチルセルロースよりも燃焼性がよく脱バインダー性に優れるため、焼成後の塗膜の平坦性が良い。
【0073】
上述の各有機溶剤はニトロセルロースを溶解する能力が高く、またお互いの相溶性も高い。そのため、ニトロセルロースが絶縁膜形成用塗料内で偏在し、乾燥膜にムラが発生することを抑制する効果がある。
【0074】
また、本発明の絶縁膜形成用塗料は、バインダー樹脂としてポリビニルブチラールを用い、ポリビニルブチラールの無機成分に対する重量比が1〜15重量%の範囲内であり、ガラス化合物からなる無機成分を分散し、且つバインダー樹脂を溶解する溶媒が、沸点が100〜140℃の範囲内である有機溶剤からなるE群から選ばれた少なくとも1種と、沸点が140〜200℃の範囲内である有機溶剤からなるF群から選ばれた少なくとも1種との合わせて2種を80重量%以上含み、E群の有機溶剤の重量%とF群の有機溶剤の重量%との比(E/F)が1/5〜25/5である必要がある。
【0075】
さらに、前記E群の有機溶剤が、n−ブタノール、炭酸ジエチル、酢酸−n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、キシレンから選ばれた少なくとも1種であり、前記F群の有機溶剤が、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブから選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【0076】
ポリビニルブチラールはエチルセルロース、ニトロセルロースなどセルロース系樹脂に比べて重合度のバラツキが少なく、塗料作製時のロット間バラツキが抑えられる。また、前記セルロース系樹脂に比べて体積が小さいため、脱バインダー時に生じるボイドが小さく、焼成膜表面が平坦化される。
【0077】
上述の各有機溶剤はポリビニルブチラールを溶解する能力が高く、またお互いの相溶性も高い。そのため、ポリビニルブチラールが絶縁膜形成用塗料内で偏在し、乾燥膜にムラが発生することを抑制する効果がある。
【0078】
本発明の絶縁膜形成用塗料は、例えば、無機微粒子、バインダー樹脂、溶媒、分散剤、可塑剤、その他の添加剤などの各種成分を、所望の組成となるように配合後、3本ローラー、ボールミル、サンドミル等の分散機によって均質に混合分散して作製することが出来る。
【0079】
また、本発明の絶縁膜形成用塗料は、プラズマ・ディスプレイ・パネル、プラズマ・アドレス・液晶ディスプレイまたは電子放出素子を用いた画像形成装置の絶縁膜の形成に好適に用いることが出来る。
【0080】
次に、本発明の絶縁膜形成用塗料を用いた、本発明のプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法について説明する。
【0081】
上述のように、プラズマ・ディスプレイ・パネルの前面板は、前面ガラス基板1上に2つの表示電極4を設け、その上を覆うようにして誘電体層6、そして保護膜7を形成しているのが一般的である。
【0082】
この誘電体層6は各表示電極4の間及び表示電極4とアドレス電極5との間の短絡(リーク)を防止するために設けられているため、所望の絶縁効果を有する必要がある。ただし、背面ガラス板2に設けられている隔壁のようなパターン形成をする必要はなく、逆に表示ムラを抑制するために平坦で透明性の高い薄膜が必要である。そのため、印刷法により絶縁膜形成用塗料を塗布して、乾燥・焼成して製造することが出来る。
【0083】
本発明の絶縁膜形成用塗料を焼成後の厚さが10〜50μmとなるように30〜150μm塗布して乾燥し、通常600℃以下の温度で焼成して誘電体層6を形成する。絶縁膜形成用塗料の塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター法、ロールコーター法、スリットダイコーター法、ドクターブレード法などの一般的な方法を用いることが出来る。
【0084】
本発明の絶縁膜形成用塗料は、例えば、乾燥膜をサンドブラスト法によりパターン形成させることで、背面板の隔壁の材料としても使用することが出来る。また、背面板のアドレス電極の絶縁性の確保や、輝度向上のための反射層としてアドレス電極の下地層に使用することも出来る。
【0085】
また、本発明のプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法によれば、誘電体層6を平坦且つ短時間で歩留まりよく作製できるため、生産性の向上効果、高歩留まりによるコストダウン効果が得られる。
【0086】
次に、本発明のプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法を用いて製造された、本発明のプラズマ・ディスプレイ・パネルについて説明する。
【0087】
本発明のプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法によって製造された前面板を、別工程で製造された背面板と合わせ、駆動装置、外枠、電源ユニットなどと組み合わせることで、本発明のプラズマ・ディスプレイ・パネルは製造される。
【0088】
本発明のプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法によれば、前面板の誘電体層6の平坦性が優れ、プラズマ・ディスプレイ・パネルとしての表示品位が向上する。また、歩留まりよく短時間で製造できるため、得られたプラズマ・ディスプレイ・パネルは高品質でありながら、低価格で大量に供給できる。
【0089】
【実施例】
続いて、以下に本発明を実施例及び参考例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例及び参考例における%表示の濃度は、断りの無い場合は重量%である。
【0090】
参考例1)
ガラス粉末としては、酸化鉛60%、酸化珪素20%、酸化ホウ素13%、酸化亜鉛7%の組成を有する酸化鉛系の低融点ガラス粉末を用いた。
【0091】
エチルセルロース(STD−4:ダウ・ケミカル)3.5gを有機溶剤100%中に溶解して作製したビヒクル30gと、上記酸化鉛系ガラス粉末70gとを混合・予備混練した後、サンドミルにて高分散化して絶縁膜形成用塗料を作製した。なお、エチルセルロースのガラス粉末に対する重量比が5%となるようにした。また、溶媒としての有機溶剤は、炭酸ジエチル、エチルセロソルブ、酢酸−n−ブチル、乳酸エチル、ブチルセロソルブのそれぞれが100%(単成分系)となるようにして計5種類の塗料を作製した。
【0092】
上記のようにして作製した塗料を、ドクターブレード法にて塗布膜厚100μmで塗布面積が60mm×80mmとなるように石英ガラス上に塗布し、ホットプレート上にて乾燥温度80℃で乾燥させて乾燥膜とした。乾燥膜表面の表面粗さ(Ra)と、乾燥膜表面のレベリングが終了して乾燥膜表面が硬化し終わるまでの時間を測定した。その結果を表1に示す。
【0093】
【表1】
Figure 0003998900
表1のように、表面の平坦性が良く、乾燥が早い絶縁膜形成用塗料を作製することが出来た。
【0094】
また、それぞれの乾燥膜を590℃で焼成した結果、全ての焼成膜は透明且つ平坦性の良い膜であった。
【0095】
参考例2)
絶縁膜形成用塗料を作製するときに使用するビヒクル中の樹脂としてメタクリル酸メチル(三菱レイヨン)を用い、溶媒として酢酸−n−ブチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコールをそれぞれ100%(単成分系)となるようにし、参考例1と同様の塗料作成方法にて計4種類の絶縁膜形成用塗料を作製した。そして、参考例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0096】
【表2】
Figure 0003998900
表2のように、ポリメタクリル酸メチル樹脂を用いた場合でも、表面の平坦性が良く、乾燥が早い絶縁膜形成用塗料を作製することが出来た。
【0097】
また、それぞれの乾燥膜を590℃で焼成した結果、全ての焼成膜は透明且つ平坦性の良い膜であった。
【0098】
参考例3)
絶縁膜形成用塗料を作製するときに使用するビヒクル中の樹脂としてエチルセルロースを用い、溶媒としては、炭酸ジエチル、エチルセロソルブ、酢酸−n−ブチル、乳酸エチル、ブチルセロソルブから選ばれた1種を80%、エタノールを20%含む混合溶剤を用い、参考例1と同様の塗料作成方法にて計5種類の絶縁膜形成用塗料を作製した。そして、参考例1と同様に評価した。その結果を表3に示す。
【0099】
【表3】
Figure 0003998900
表3のように、溶媒としてエタノールを20%含んだ2成分系においても、表面の平坦性が良く、乾燥が早い絶縁膜形成用塗料を作製することが出来た。
【0100】
また、それぞれの乾燥膜を590℃で焼成した結果、全ての焼成膜は透明且つ平坦性の良い膜であった。
【0101】
(実施例
絶縁膜形成用塗料を作製するときに使用するビヒクル中の樹脂としてエチルセルロースを用い、溶媒としては、炭酸ジエチルとシュウ酸ジエチルの混合溶剤100%を用い、参考例1と同様の塗料作成方法にて絶縁膜形成用塗料を作製した。
【0102】
上述の作製方法を用いて、炭酸ジエチルとシュウ酸ジエチルの重量比を変化させて6種類の絶縁膜形成用塗料を作製し、それぞれをドクターブレード法にて塗布膜厚100μmで塗布面積が60mm×80mmとなるように石英ガラス上に塗布し、ホットプレート上にて乾燥温度80℃で乾燥させて乾燥膜とした。上記6種類の各絶縁膜形成用塗料から作製した、それぞれの乾燥膜表面の表面粗さ(Ra)と、乾燥膜表面のレベリングが終了して乾燥膜表面が硬化し終わるまでの時間を測定した。その結果を表4に示す。
【0103】
なお、表4中のAは炭酸ジエチルの%、Bはシュウ酸ジエチルの%であり、A/Bはそれらの比を表し、実用性評価は良い方から◎、○、△、×で、◎、○を合格品とする。
【0104】
【表4】
Figure 0003998900
表4のように、乾燥時間が早く、乾燥膜表面が平坦となる絶縁膜形成用塗料を得ることが出来た。特に、A/Bが1/5〜25/5の範囲内である場合に、乾燥時間とレベリング性のバランスが良い絶縁膜形成用塗料となった。
【0105】
また、それぞれの乾燥膜を590℃で焼成した結果、全ての焼成膜は透明且つ平坦性の良い膜であった。
【0106】
(実施例
絶縁膜形成用塗料を作製するときに使用するビヒクル中の溶媒として、炭酸ジエチルとシュウ酸ジエチルの混合溶媒を80%、エタノールを20%含有する3成分系を用いた以外は、実施例と同様の塗料作成方法にてA/Bが異なる6種類の絶縁膜形成用塗料を作製した。そして、参考例1と同様に評価した。その結果を表5に示す。
【0107】
【表5】
Figure 0003998900
表5のように、乾燥時間が早く、乾燥膜表面が平坦となる絶縁膜形成用塗料を得ることが出来た。特に、A/Bが1/5〜5/5の範囲内である場合に、乾燥時間とレベリング性のバランスが良い絶縁膜形成用塗料となった。
【0108】
また、それぞれの乾燥膜を590℃で焼成した結果、全ての焼成膜は透明且つ平坦性の良い膜であった。
【0109】
(実施例
絶縁膜形成用塗料を作製するときに使用するビヒクル中の溶媒として、酢酸−n−ブチル(A群)とジアセトンアルコール(B群)の混合溶媒100%を含有する2成分系を用いた以外は、実施例と同様の塗料作成方法にてA/Bが異なる6種類の絶縁膜形成用塗料を作製した。そして、参考例1と同様に評価した。その結果を表6に示す。
【0110】
【表6】
Figure 0003998900
表6のように、乾燥時間が早く、乾燥膜表面が平坦となる絶縁膜形成用塗料を得ることが出来た。特に、A/Bが1/5〜25/5の範囲内である場合に、乾燥時間とレベリング性のバランスが良い絶縁膜形成用塗料となった。
【0111】
また、それぞれの乾燥膜を590℃で焼成した結果、全ての焼成膜は透明且つ平坦性の良い膜であった。
【0112】
(実施例
絶縁膜形成用塗料を作製するときに使用するビヒクル中の樹脂としてエチルセルロースを用い、溶媒としては、炭酸ジエチル(A群)、乳酸エチル(B群)、シュウ酸ジエチル(B群)の混合溶剤100%を用い、実施例と同様の塗料作成方法にて絶縁膜形成用塗料を作製した。ただし、乳酸エチルとシュウ酸ジエチルの混合比は1対1とした。そして、参考例1と同様に評価した。その結果を表7に示す
【0113】
【表7】
Figure 0003998900
表7のように、B群に2種の溶剤を含んだ3成分系においても、表面の平坦性が良く、乾燥が早い絶縁膜形成用塗料を作製することが出来た。
【0114】
また、それぞれの乾燥膜を590℃で焼成した結果、全ての焼成膜は透明且つ平坦性の良い膜であった。
【0115】
(比較例1)
絶縁膜形成用塗料を作製するときに使用するビヒクル中の溶媒として、α―テルピネオール100%の単成分系を用いた以外は、参考例1と同様に、エチルセルロースがガラス粉末に対して5%になるように調整して絶縁膜形成用塗料を作製した。そして、参考例1と同様にして1種類の乾燥膜を作製した。その結果、表面粗さ(Ra)は0.65μmと悪く、乾燥時間が183秒と上記参考例1の約2倍もしくはそれ以上の時間が必要であった。
【0116】
(比較例2)
絶縁膜形成用塗料を作製するときに使用するビヒクル中の溶媒として、炭酸ジエチルとシュウ酸ジエチルの混合溶媒を70%、エタノールを30%含有する3成分系を用いた以外は、参考例1と同様の組成、同様の塗料作成方法にてA/Bが異なる6種類の絶縁膜形成用塗料を作製した。そして、参考例1と同様に評価した。その結果を表8に示す。
【0117】
【表8】
Figure 0003998900
表8のように、A/Bが1/10〜5/5の場合では乾燥時間は早いが表面粗さが大きくなり、両者のバランスが良い塗料は作製できなかった。また、A/Bが15/5〜30/5の場合ではより急激に乾燥が行われるため、乾燥膜表面にオレンジピールが発生し、更に表面粗さが悪くなっていた。
【0118】
(実施例
炭酸ジエチルとシュウ酸ジエチルを重量比で25/5で混合させた2成分系混合溶剤100%の30g中に、エチルセルロースを0.35g、0.7g、3.5g、7g、10.5g、14gずつ(対ガラス成分比はそれぞれ、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%)溶解させて作製した6種のビヒクルを、参考例1中の酸化鉛系ガラス粉末70gと混合・予備混練した後、サンドミルにて高分散化して6種の絶縁膜形成用塗料を作製した。以後は参考例1と同様にして評価した。その結果を表9に示す。
【0119】
【表9】
Figure 0003998900
表9のように、エチルセルロース量がガラス粉末に対して1%未満であると、ガラス粉末に吸着して塗料中で安定して分散させるのに必要な樹脂量が不足し、乾燥膜には分散不良による海縞状のムラ、オレンジピールなどが発生した。そして、焼成膜は凹凸によるムラが残ってしまった。一方、エチルセルロース量がガラス粉末に対して15%を超えると、樹脂過多になり、乾燥膜は平坦な膜であっても、焼成時に脱バインダーする量が多いために焼成膜にボイドが発生し、焼成膜表面が荒れてしまった。
【0120】
エチルセルロース量がガラス粉末に対して1〜15%である場合は、乾燥膜、焼成膜ともに平坦な膜となり、焼成膜は透明でムラのない膜であった。
【0121】
(実施例
バインダー樹脂として、エチルセルロースの替わりにニトロセルロース(HIG1/16:旭化成工業)5g(ニトロセルロース:70%、イソプロピルアルコール:30%)を、炭酸ジエチルとシュウ酸ジエチルの混合溶媒100%中に溶解して作製したビヒクル30gと、参考例1中の酸化鉛系ガラス粉末70gとを混合・予備混練した後、サンドミルにて高分散化して絶縁膜形成用塗料を作製した。なお、ニトロセルロースのガラス粉末に対する重量比が5%となるように調整した。以後は参考例1と同様にして塗膜を形成し、評価した。その結果を表10に示す。
【0122】
なお、表10中のCは炭酸ジエチルの%、Dはシュウ酸ジエチルの%であり、C/Dはそれらの比を表し、実用性評価は良い方から◎、○、△、×で、◎、○を合格品とする。
【0123】
【表10】
Figure 0003998900
表10のように、乾燥時間が早く、乾燥膜表面が平坦となる絶縁膜形成用塗料を得ることが出来た。特に、C/Dが1/5〜25/5の範囲内である場合に、乾燥時間とレベリング性のバランスが良い絶縁膜形成用塗料となった。
【0124】
また、それぞれの乾燥膜を590℃で焼成した結果、全ての焼成膜は透明且つ平坦性の良い膜であった。
【0125】
次に、炭酸ジエチルとシュウ酸ジエチルを重量比で25/5で混合させた2成分系混合溶剤100%の30g中に、ニトロセルロースを0.5g、1g、5g、10g、15g、20gずつ(対ガラス成分比はそれぞれ、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%)溶解させて作製した6種のビヒクルを、参考例1中の酸化鉛系ガラス粉末70gと混合・予備混練した後、サンドミルにて高分散化して6種の絶縁膜形成用塗料を作製した。以後は参考例1と同様にして評価した。その結果を表11に示す。
【0126】
【表11】
Figure 0003998900
表11のように、ニトロセルロース量がガラス粉末に対して1%未満であると、ガラス粉末に吸着して塗料中で安定して分散させるのに必要な樹脂量が不足し、乾燥膜には分散不良による海縞状のムラ、オレンジピールなどが発生した。そして、焼成膜は凹凸によるムラが残ってしまった。一方、ニトロセルロース量がガラス粉末に対して15%を超えると、樹脂過多になり、乾燥膜は平坦な膜であっても、焼成時に脱バインダーする量が多いために焼成膜にボイドが発生し、焼成膜表面が荒れてしまった。
【0127】
ニトロセルロース量がガラス粉末に対して1〜15%である場合は、乾燥膜、焼成膜ともに平坦な膜となり、焼成膜は透明でムラのない膜であった。特に、樹脂量が1〜5%の範囲内の絶縁膜形成用塗料から形成された焼成膜は、表面平坦性に優れるものであった。
【0128】
また、エチルセルロースを用いた絶縁膜形成用塗料とニトロセルロースを用いた絶縁膜形成用塗料について、作製直後と25℃で30日静置後の粘度を測定した。その結果を表12に示す。なお、各絶煙幕形成用塗料ともに溶媒は炭酸ジエチル/シュウ酸ジエチル=5/1、バインダー量はガラス粉末に対して5%である。
【0129】
【表12】
Figure 0003998900
表12より、エチルセルロース系塗料では30日後では作製直後の75%になっているのに対し、ニトロセルロース系塗料では30日後でも95%の粘度を保持していた。なお、表12で用いた%は重量%ではなく、通常の百分率である。
【0130】
(実施例
バインダー樹脂として、エチルセルロースの替わりにポリビニルブチラール(BL−S:積水化学)3.5gを、炭酸ジエチルとブチルセロソルブの混合溶媒100%中に溶解して作製したビヒクル30gと、参考例1中の酸化鉛系ガラス粉末70gとを混合・予備混練した後、サンドミルにて高分散化して絶縁膜形成用塗料を作製した。なお、ポリビニルブチラールのガラス粉末に対する重量比が5%となるように調整した。以後は参考例1と同様にして塗膜を形成し、評価した。その結果を表13に示す。
【0131】
なお、表13中のEは炭酸ジエチルの%、Fはブチルセロソルブの%であり、E/Fはそれらの比を表し、実用性評価は良い方から◎、○、△、×で、◎、○を合格品とする。
【0132】
【表13】
Figure 0003998900
表13のように、乾燥時間が早く、乾燥膜表面が平坦となる絶縁膜形成用塗料を得ることが出来た。特に、E/Fが1/5〜25/5の範囲内である場合に、乾燥時間とレベリング性のバランスが良い絶縁膜形成用塗料となった。
【0133】
また、それぞれの乾燥膜を590℃で焼成した結果、全ての焼成膜は透明且つ平坦性の良い膜であった。
【0134】
次に、炭酸ジエチルとブチルセロソルブを重量比で25/5で混合させた2成分系混合溶剤100%の30g中に、ポリビニルブチラールを0.35g、0.7g、3.5g、7g、10.5g、14gずつ(対ガラス成分比はそれぞれ、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%)溶解させて作製した6種のビヒクルを、参考例1中の酸化鉛系ガラス粉末70gと混合・予備混練した後、サンドミルにて高分散化して6種の絶縁膜形成用塗料を作製した。以後は参考例1と同様にして評価した。その結果を表14に示す。
【0135】
【表14】
Figure 0003998900
表14のように、ポリビニルブチラール量がガラス粉末に対して1%未満であると、ガラス粉末に吸着して塗料中で安定して分散させるのに必要な樹脂量が不足し、乾燥膜には分散不良による海縞状のムラ、オレンジピールなどが発生した。そして、焼成膜は凹凸によるムラが残ってしまった。一方、ポリビニルブチラール量がガラス粉末に対して15%を超えると、樹脂過多になり、乾燥膜は平坦な膜であっても、焼成時に脱バインダーする量が多いために焼成膜にボイドが発生し、焼成膜表面が荒れてしまった。
【0136】
ポリビニルブチラール量がガラス粉末に対して1〜15%である場合は、乾燥膜、焼成膜ともに平坦な膜となり、焼成膜は透明でムラのない膜であった。特に、樹脂量が1〜10%の範囲内の絶縁膜形成用塗料から形成された焼成膜は、表面平坦性に優れるものであった。
【0137】
また、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニルブチラールをバインダー樹脂としてそれぞれ用いた各絶縁膜形成用塗料について、作製直後の粘度をそれぞれ5ロット測定した。その結果を表15に示す。なお、各絶煙幕形成用塗料ともに溶媒は炭酸ジエチル/シュウ酸ジエチル=5/1、バインダー量はガラス粉末に対して5%であり、各値の単位はPa・sである。
【0138】
【表15】
Figure 0003998900
表15より、エチルセルロース系塗料及びニトロセルロース系塗料に比べて、ポリビニルブチラール系塗料は絶対偏差平均が小さく、各ロット間の粘度バラツキが抑えられていた。
【0139】
(実施例
エチルセルロース(STD−4:ダウ・ケミカル)350gを炭酸ジエチルとシュウ酸ジエチルの混合溶媒(炭酸ジエチル/シュウ酸ジエチル=5/1)100%中に溶解して作製したビヒクル3kgと、参考例1に記載の酸化鉛系ガラス粉末7kgとを混合・予備混練した後、サンドミルにて高分散化して作製したエチルセルロース系絶縁膜形成用塗料を、42インチサイズ用PDPガラス前面基板上に、スクリーン印刷法により焼成後の膜厚が50μmとなるように塗布して乾燥させ、590℃で焼成して誘電体層6を形成した。
【0140】
本発明の絶縁膜形成用塗料を用いることにより、乾燥時間は従来の約1/2に短縮された。そして、製造された誘電体層6はボイドやピンホールが無く、表面平坦性に優れていた。また、上記誘電体層6を有するPDPは短時間で製造されながら、表示品位が優れたものであった。
【0141】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、プラズマ・ディスプレイ・パネルなどに好適に用いられる絶縁膜を、安価な印刷法で、且つ短時間で、且つ歩留まり良く製造することが出来る絶縁膜形成用塗料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PDPの構造を表す図
【符号の説明】
1 表面ガラス基板
2 背面ガラス基板
3 蛍光体
4 表示電極
5 アドレス電極
6 誘電体層
7 保護膜

Claims (7)

  1. ガラス粉末からなる無機成分と、前記無機成分のバインダーとしての樹脂と前記樹脂を溶解している溶媒とを少なくとも含む有機成分とで構成された絶縁膜形成用塗料において、
    前記溶媒が、沸点が100〜140℃の範囲内である有機溶剤からなるA群から選ばれた少なくとも1種と、沸点が140〜200℃の範囲内である有機溶剤からなるB群から選ばれた少なくとも1種との合わせて2種を80重量%以上含み、前記A群から選ばれた有機溶剤の重量%と前記B群から選ばれた有機溶剤の重量%との比(A/B)が1/5〜25/5であることを特徴とする絶縁膜形成用塗料。
  2. 前記樹脂がエチルセルロースであって、且つ前記無機成分に対するそのエチルセルロースの割合が1〜15重量%であり、
    前記A群の有機溶剤が、n−ブタノール、イソブタノール、炭酸ジエチル、酢酸−n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、キシレンから選ばれた少なくとも1種であり、
    前記B群の有機溶剤が、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートから選ばれた少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜形成用塗料。
  3. ガラス粉末からなる無機成分と、前記無機成分のバインダーとしての樹脂と前記樹脂を溶解している溶媒とを少なくとも含む有機成分とで構成された絶縁膜形成用塗料において、
    前記無機成分に対する前記樹脂の割合が、1〜15重量%であり、
    前記樹脂がニトロセルロースであって、
    前記溶媒が、沸点が100〜140℃の範囲内である有機溶剤からなるC群から選ばれた少なくとも1種と、沸点が140〜200℃の範囲内である有機溶剤からなるD群から選ばれた少なくとも1種との合わせて2種を80重量%以上含み、前記C群から選ばれた有機溶剤の重量%と前記D群から選ばれた有機溶剤の重量%との比(C/D)が1/5〜25/5である
    ことを特徴とする絶縁膜形成用塗料。
  4. 前記C群の溶媒が、炭酸ジエチル、酢酸−n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブから選ばれた少なくとも1種であり、前記D群の溶媒が、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載の絶縁膜形成用塗料。
  5. ガラス粉末からなる無機成分と、前記無機成分のバインダーとしての樹脂と前記樹脂を溶解している溶媒とを少なくとも含む有機成分とで構成された絶縁膜形成用塗料において、
    前記無機成分に対する前記樹脂の割合が、1〜15重量%であり、
    前記樹脂がポリビニルブチラールであって、
    前記溶媒が、沸点が100〜140℃の範囲内である有機溶剤からなるE群から選ばれた少なくとも1種と、沸点が140〜200℃の範囲内である有機溶剤からなるF群から選ばれた少なくとも1種との合わせて2種を80重量%以上含み、前記E群から選ばれた有機溶剤の重量%と前記F群から選ばれた有機溶剤の重量%との比(E/F)が1/5〜25/5である
    ことを特徴とする絶縁膜形成用塗料。
  6. 前記E群の有機溶剤が、n−ブタノール、炭酸ジエチル、酢酸−n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、キシレンから選ばれた少なくとも1種であり、前記F群の有機溶剤が、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載の絶縁膜形成用塗料。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の絶縁膜形成用塗料を塗布して乾燥し、焼成を行うことで、前面ガラス基板上の誘電体層を形成することを特徴とするプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法。
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