ところが、上記従来の構成では、以下のような問題点がある。
特許文献1に開示されている移動通信端末は、保護者がユーザによるメール等の利用状況を把握するものであり、その利用を制限するものではない。そのため、メールを利用するユーザも、保護者と同様、受信したメールの内容を確認することができるため、有害な情報を取得したり、迷惑メールに含まれるURLにアクセスすることも可能である。
また、特許文献2に開示されている電子メール送受信装置では、受信した電子メールに有害な情報が含まれているか否かに関わらず、該電子メールを全文表示させる際に、その都度保護者が立ち会わなければならないため、煩わしく操作性が悪い。また保護者がすぐに立ち会える状況でない場合には、非常に不便なものとなる。さらに、上記電子メール送受信装置では、ユーザが使用する端末において、保護者が承認したメンバーから受信したメールに関しては、保護者の認証を不要としている。したがって、保護者に承認された、例えばユーザの友人、から有害な情報を含むメールを受信することは可能である。また、友人から転送されてきたURLを含む迷惑メールを受信することも可能である。
このように、従来の構成では、保護・監督対象者の、有害情報を含む送受信メールに対する閲覧等の行為を確実に防ぐことができないという問題点がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、有害情報からユーザを確実に保護することができるデータ送受信装置、サーバ装置、データ送受信システムおよびそれらの制御方法、制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することである。
本発明のデータ送受信装置は、上記課題を解決するために、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部と、入出力データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索手段と、上記入出力データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、該入出力データの一部または全部と、該入出力データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信手段と、上記問い合わせ情報に対して上記指定先が選択した許可レベル情報を該指定先から受信する許可レベル受信手段と、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記入出力データに対して行うべき処理を制限する処理制限手段とを備えていることを特徴としている。
本発明のデータ送受信装置の制御方法は、上記課題を解決するために、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部を備え、入出力データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索ステップと、上記入出力データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、該入出力データの一部または全部と、該入出力データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信ステップと、上記問い合わせ情報に対して上記指定先が選択した許可レベル情報を該指定先から受信する許可レベル受信ステップと、上記許可レベル受信ステップが受信した許可レベル情報に応じて、上記入出力データに対して行うべき処理を制限する処理制限ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、入出力データに、登録された特定キーワードが含まれている場合には、該入出力データの一部または全部と、該入出力データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とが、予め登録された指定先に送信される。そして、上記問い合わせ情報に対して指定先が選択した許可レベル情報に応じて、上記入出力データに対して行うべき処理が制限される。
ここで、「入出力データ」とは、データ送受信装置内に入力されるデータまたはデータ送受信装置から出力されるデータをいい、具体的には、データ送受信装置が外部端末との間でやり取りする電子メール(送信メール、受信メール)や、赤外線、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線、USB等の有線接続通信により送受信されるデータや、ユーザがデータ送受信装置に直接入力するURLのアドレス等の文字データや、ホームページ上でユーザが選択するURLやリンク表示等が挙げられる。
また、「特定キーワード」とは、例えば、データ送受信装置を使用するユーザや該ユーザの保護者・監督者が登録した情報であり、具体的には、「自殺」、「出会い系」等の文字列、「090−○○△△・・」といった電話番号等の数字列、「www.xyz・・・」といったURL、「abc@・・・」といったメールアドレス等の記号列が挙げられる。
また、「入出力データに対して行うべき処理」とは、具体的には、例えば、データ送受信装置が電子メールを受信した場合には、該電子メールを受信したことをユーザに報知する処理すなわち受信した電子メールをユーザに閲覧させる処理であり、データ送受信装置がユーザから電子メールの送信を指示された場合には、該電子メールを送信する処理であり、URLを直接入力または選択してインターネットにアクセスする場合には、インターネットにアクセスするための処理である。
また、許可レベルを問い合わせる情報とは、具体的には、例えば「許可」「条件付許可(一部許可)」「不許可」等を選択させるメールである。そして、上記許可レベルとは、例えば、保護・監督対象者(ユーザ)が使用するデータ送受信装置が外部端末から電子メールを受信した場合においては、上記「許可」は、受信メール全文の閲覧を許可することを意味し、「条件付許可」は、特定キーワードを除いた受信メールの閲覧を許可することを意味し、「不許可」は、受信メール全文の閲覧を禁止することを意味するものである。
ここで、例えば、保護・監督対象者(ユーザ)が使用するデータ送受信装置が、外部端末から電子メールを受信した場合において、該電子メールに、保護・監督者が登録した特定キーワードが含まれている場合には、予め指定先として登録された保護・監督者の端末に、上記電子メールと、該電子メールに対して行うべき処理、例えばユーザへの着信報知、を許可するか否かを問い合わせる情報、換言すると、ユーザに該電子メールを閲覧させても良いか否か、あるいは、該電子メールの一部のみ閲覧を許可するかを問い合わせる情報、とを送信する。そして、上記電子メールに含まれる特定キーワードを確認した保護・監督者が、上記問い合わせ情報に対して不許可とした場合、すなわちユーザによる該電子メールの閲覧を禁止したいと判断した場合には、該電子メールに対して行うべき処理が制限される。そのため、ユーザは、該電子メールの内容を閲覧することができなくなる。したがって、有害情報からユーザを確実に保護することができる。
また、上記の例において、保護・監督者が上記問い合わせ情報に対して「許可」とした場合には、ユーザは、上記電子メールの全内容を閲覧することができる。さらに、保護・監督者が上記問い合わせ情報に対して「条件付許可」とした場合には、ユーザは、上記電子メールの内、特定キーワードを除いた部分を閲覧することができる。
このように、保護・監督者は、受信データに対して行うべきユーザの処理を許可する場合でも、許可するレベルを選択することができる。そして、予め登録された指定先(保護・監督者)が選択したレベルに応じて受信データに対して行うべき処理を制限できるため、ユーザを有害情報から保護できると共に、ユーザのデータ送受信装置の使用を不要に制限する必要がなくなる。
また、本発明のデータ送受信装置は、上記記載のデータ送受信装置において、上記処理制限手段は、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記特定キーワードの表示部への表示を制限することが好ましい。
上記の構成によれば、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記特定キーワードの表示部への表示が制限される。これにより、例えば上記許可レベルが「不許可」あるいは「条件付許可」である場合には、ユーザによる特定キーワードの確認を防ぐことができるため、有害情報からユーザを確実に保護することができる。
ここで、上記特定キーワードの表示の制限例としては、例えば、特定キーワードの部分の削除、マスキング表示あるいは暗号化表示、あるいはリンク表示解除等が挙げられる。
また、本発明のデータ送受信装置は、上記記載のデータ送受信装置において、上記入出力データに特定キーワードが含まれている場合には、該入出力データを一時的に保管するデータ一時保管部をさらに備え、上記処理制限手段は、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記データ一時保管部に保管されている上記入出力データに対して行うべき処理を制限することが好ましい。
上記の構成によれば、上記入出力データに特定キーワードが含まれている場合には、該入出力データは一時的に保管される。そして、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記データ一時保管部に保管されている上記入出力データに対して行うべき処理が制限される。
これにより、例えば、保護・監督対象者(ユーザ)のデータ送受信装置が、外部端末から電子メールを受信した場合において、上記問い合わせ情報に対して不許可とした場合には、該電子メールを受信したことをユーザに報知する処理を制限することができる。そのため、外部端末から電子メールを受信したことをユーザに知らせずに済む。したがって、ユーザは、上記電子メールの内容のみならず電子メールを受信した事実すら確認することができなくなるため、ユーザを有害情報から確実に守ることができる。
なお、上記処理制限手段は、上記入出力データに対して行うべき処理が不許可である場合に、上記保管されている入出力データを削除する構成としてもよい。
また、本発明のデータ送受信装置は、上記記載のデータ送受信装置において、上記処理制限手段は、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記入出力データに対して行うべき処理に対するメッセージを表示部に表示させることが好ましい。
上記の構成によれば、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記入出力データに対して行うべき処理に対するメッセージが表示部に表示される。
ここで、例えば、保護・監督対象者(ユーザ)のデータ送受信装置から外部端末に電子メールを送信する場合において、上記問い合わせ情報に対して「不許可」とされた場合には、上記電子メールの送信がなされなかった旨のメッセージが表示される。これにより、ユーザが送信しようとする電子メールに、保護・監督者が判断した有害なキーワードが含まれていることをユーザに認識させることができる。なお、上記問い合わせ情報に対して「条件付許可」とされた場合には、電子メールの内、特定キーワードを除く部分のみ送信された旨のメッセージが表示される。
また、本発明のデータ送受信装置は、上記記載のデータ送受信装置において、上記問い合わせ送信手段が送信する問い合わせ情報は、上記入出力データに対して行うべき処理を許可するか否かを問い合わせる情報であることが好ましい。
これにより、上記入出力データに対して行うべき処理が不許可である場合には、例えばユーザによる、受信した電子メールの内容の閲覧を禁止することができる。一方、上記入出力データに対して行うべき処理が許可である場合には、例えばユーザによる、受信した電子メールの内容を閲覧させることができる。したがって、ユーザの保護・監督者の判断により有害情報からユーザを確実に保護することができる。
本発明のサーバ装置は、上記課題を解決するために、データを送受信する機能を有する通信端末とデータの送受信を行うサーバ装置であって、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部と、上記通信端末から上記サーバ装置を経由して送信される送信データ、もしくは、上記サーバ装置を経由して上記通信端末が受信する受信データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索手段と、上記送信データもしくは上記受信データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、上記送信データもしくは上記受信データの一部または全部と、該送信データもしくは該受信データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信手段と、上記問い合わせ情報に対して上記指定先が選択した許可レベル情報を該指定先から受信する許可レベル受信手段と、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理を制限する処理制限手段を備えていることを特徴としている。
また、本発明のサーバ装置の制御方法は、上記課題を解決するために、データを送受信する機能を有する通信端末とデータの送受信を行うサーバ装置の制御方法であって、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部を備え、上記通信端末から上記サーバ装置を経由して送信される送信データ、もしくは、上記サーバ装置を経由して上記通信端末が受信する受信データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索ステップと、上記送信データもしくは上記受信データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、上記送信データもしくは上記受信データの一部または全部と、該送信データもしくは該受信データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信ステップと、上記問い合わせ情報に対して上記指定先が選択した許可レベル情報を該指定先から受信する許可レベル受信ステップと、上記許可レベル受信ステップが受信した許可レベル情報に応じて、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理を制限する処理制限ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記送信データもしくは上記受信データに、登録された特定キーワードが含まれている場合には、該送信データもしくは該受信データの一部または全部と、該送信データもしくは該受信データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とが、予め登録された指定先に送信される。そして、上記問い合わせ情報に対して指定先が選択した許可レベル情報に応じて、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理が制限される。
ここで、「特定キーワード」とは、例えば、外部端末を使用するユーザや該ユーザの保護者・監督者が登録した情報であり、具体的には、「自殺」、「出会い系」等の文字列、「090−○○△△・・」といった電話番号等の数字列、「www.xyz・・・」といったURL、「abc@・・・」といったメールアドレス等の記号列が挙げられる。
また、「送信データもしくは受信データに対して行うべき処理」とは、具体的には、例えば、サーバ装置がユーザA宛の電子メールを受信した場合には、受信した電子メールをユーザAが使用する端末に送信する処理すなわち該電子メールをユーザAに閲覧させる処理であり、また、サーバ装置がユーザAの端末から別の外部端末宛の電子メールを受信した場合には、該電子メールを該別の外部端末に送信する処理である。
また、許可レベルを問い合わせる情報とは、具体的には、例えば「許可」「条件付許可(一部許可)」「不許可」等を選択させるメールである。そして、上記許可レベルとは、例えば、サーバ装置がユーザA宛の電子メールを受信した場合においては、上記「許可」は、上記電子メール全文の閲覧を許可することを意味し、「条件付許可」は、特定キーワードを除いた電子メールの閲覧を許可することを意味し、「不許可」は、上記電子メール全文の閲覧を禁止することを意味するものである。
ここで、例えば、サーバ装置が、外部端末から保護・監督対象者(ユーザ)宛の電子メールを受信した場合において、該電子メールに、保護・監督者が登録した特定キーワードが含まれている場合には、予め指定先として登録された保護・監督者の端末に、上記電子メールと、該電子メールに対して行うべき処理、例えばユーザへの電子メール送信、を許可するレベルを問い合わせる情報、換言すると、ユーザに該電子メールを閲覧させても良いか否か、あるいは、該電子メールの一部のみ閲覧を許可するかを問い合わせる情報、とを送信する。そして、上記電子メールに含まれる特定キーワードを確認した保護・監督者が、上記問い合わせ情報に対して不許可とした場合、すなわちユーザによる該電子メールの閲覧を禁止したいと判断した場合には、該電子メールに対して行うべき処理が制限される。そのため、ユーザは、該電子メールの内容を閲覧することができなくなる。したがって、有害情報からユーザを確実に保護することができる。
また、上記の例において、保護・監督者が上記問い合わせ情報に対して「許可」とした場合には、ユーザは、上記電子メールの全内容を閲覧することができる。さらに、保護・監督者が上記問い合わせ情報に対して「条件付許可」とした場合には、ユーザは、上記電子メールの内、特定キーワードを除いた部分を閲覧することができる。
このように、保護・監督者は、送信データもしくは受信データに対して行うべきユーザの処理を許可する場合でも、許可するレベルを選択することができる。そして、選択したレベルに応じて上記入出力データに対して行うべき処理を制限できるため、ユーザを有害情報から保護できると共に、ユーザのデータ送受信装置の使用を不要に制限する必要がなくなる。
また、本発明のサーバ装置は、上記記載のサーバ装置において、上記処理制限手段は、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記特定キーワードの表示部への表示を制限するように、上記送信データもしくは上記受信データを加工して上記通信端末に送信することが好ましい。
上記の構成によれば、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記特定キーワードの表示部への表示が制限される。これにより、例えば上記許可レベルが「不許可」あるいは「条件付許可」である場合には、ユーザによる特定キーワードの確認を防ぐことができるため、有害情報からユーザを確実に保護することができる。
ここで、上記送信データもしくは上記受信データの加工例としては、例えば、特定キーワードの部分の削除、マスキング表示あるいは暗号化表示、あるいはリンク表示解除等が挙げられる。
また、本発明のサーバ装置は、上記記載のサーバ装置において、上記送信データもしくは上記受信データに特定キーワードが含まれている場合には、該送信データもしくは該受信データを一時的に保管するデータ一時保管部をさらに備え、上記処理制限手段は、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記データ一時保管部に保管されている上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理を制限することが好ましい。
上記の構成によれば、上記送信データもしくは上記受信データに特定キーワードが含まれている場合には、該送信データもしくは該受信データは一時的に保管される。そして、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記データ一時保管部に保管されている上記入出力データに対して行うべき処理が制限される。
これにより、例えば、サーバ装置が、外部端末からユーザ宛の電子メールを受信した場合において、上記問い合わせ情報に対して「不許可」とした場合には、該電子メールをユーザが使用する端末に送信する処理を制限することができる。そのため、外部端末からユーザ宛に電子メールが送信されたことをユーザに知らせずに済む。したがって、ユーザは、上記電子メールの内容のみならず電子メールが送信された事実すら確認することができなくなるため、ユーザを有害情報から確実に守ることができる。
なお、上記処理制限手段は、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理が不許可である場合に、上記保管されている上記送信データもしくは上記受信データを削除する構成としてもよい。
また、本発明のサーバ装置は、上記記載のサーバ装置において、上記処理制限手段は、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理に対するメッセージを上記特定の外部端末に送信することが好ましい。
上記の構成によれば、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理に対するメッセージが表示部に表示される。これにより、ユーザは、送信データもしくは受信データに対して行うべき処理が許可されなかったことを認識することができる。
例えば、サーバ装置が、保護・監督対象者(ユーザ)の端末から外部端末宛の電子メールを受信した場合において、上記問い合わせ情報に対して「不許可」とされた場合には、ユーザの端末は、上記電子メールが上記外部端末に送信されなかった旨のメッセージを受け取る。これにより、ユーザが送信しようとする電子メールには、保護・監督者が判断した有害なキーワードが含まれていることをユーザに認識させることができる。なお、上記問い合わせ情報に対して「条件付許可」とされた場合には、ユーザの端末は、電子メールの内、特定キーワードを除く部分のみ送信された旨のメッセージを受け取る。
また、本発明のサーバ装置は、上記記載のサーバ装置において、上記問い合わせ送信手段が送信する問い合わせ情報は、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理を許可するか否かを問い合わせる情報であることが好ましい。
これにより、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理が不許可である場合には、例えばユーザによる、受信した電子メールの内容の閲覧を禁止することができる。一方、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理が許可である場合には、例えばユーザによる、受信した電子メールの内容を閲覧させることができる。したがって、ユーザの保護・監督者の判断により有害情報からユーザを確実に保護することができる。
本発明のデータ送受信システムは、上記課題を解決するために、データを送受信する機能を有するデータ送受信装置と、該データ送受信装置とデータの送受信を行うサーバ装置とを含むデータ送受信システムであって、上記データ送受信装置は、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部と、上記データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索手段とを備えており、上記サーバ装置は、上記データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、上記データの一部または全部と、該データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信手段と、上記問い合わせ情報に対して上記指定先が選択した許可レベル情報を該指定先から受信する許可レベル受信手段とを備えており、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記データに対して行うべき処理を制限する処理制限手段を備えていることを特徴としている。
また、本発明のデータ送受信システムの制御方法は、上記課題を解決するために、データを送受信する機能を有するデータ送受信装置と、該データ送受信装置とデータの送受信を行うサーバ装置とを含むデータ送受信システムの制御方法であって、上記データ送受信装置は、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部を備え、上記データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索ステップを含んでおり、上記サーバ装置は、上記データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、上記データの一部または全部と、該データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信ステップと、上記問い合わせ情報に対して上記指定先が選択した許可レベル情報を該指定先から受信する許可レベル受信ステップとを含んでおり、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記データに対して行うべき処理を制限する処理制限ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、データに、登録された特定キーワードが含まれている場合には、該データの一部または全部と、該データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とが、予め登録された指定先に送信される。そして、上記問い合わせ情報に対して指定先が選択した許可レベル情報に応じて、上記データに対して行うべき処理が制限される。
ここで、「データ」とは、データ送受信装置内に入力されるデータまたはデータ送受信装置から出力されるデータをいい、具体的には、データ送受信装置が外部端末との間でやり取りする電子メール(送信メール、受信メール)や、赤外線、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線、USB等の有線接続通信により送受信されるデータや、ユーザがデータ送受信装置に直接入力するURLのアドレス等の文字データや、ホームページ上でユーザが選択するURLやリンク表示等が挙げられる。
また、「特定キーワード」とは、例えば、データ送受信装置を使用するユーザや該ユーザの保護者・監督者が登録した情報であり、具体的には、「自殺」、「出会い系」等の文字列、「090−○○△△・・」といった電話番号等の数字列、「www.xyz・・・」といったURL、「abc@・・・」といったメールアドレス等の記号列が挙げられる。
また、「データに対して行うべき処理」とは、具体的には、例えば、データ送受信装置が電子メールを受信した場合には、該電子メールを受信したことをユーザに報知する処理すなわち受信した電子メールをユーザに閲覧させる処理であり、データ送受信装置がユーザから電子メールの送信を指示された場合には、該電子メールを送信する処理であり、URLを直接入力または選択してインターネットにアクセスする場合には、インターネットにアクセスするための処理である。
また、許可レベルを問い合わせる情報とは、具体的には、例えば「許可」「条件付許可(一部許可)」「不許可」等を選択させるメールである。そして、上記許可レベルとは、例えば、保護・監督対象者(ユーザ)が使用するデータ送受信装置が外部端末から電子メールを受信する場合においては、上記「許可」は、受信メール全文の閲覧を許可することを意味し、「条件付許可」は、特定キーワードを除いた受信メールの閲覧を許可することを意味し、「不許可」は、受信メール全文の閲覧を禁止することを意味するものである。
なお、上記処理制限手段は、上記データ送受信装置または上記サーバ装置の何れかに備えることができる。
よって、上記処理制限手段が上記サーバ装置に備えられている構成において、例えば、保護・監督対象者(ユーザ)のデータ送受信装置が、外部端末から電子メールを受信し、該電子メールに特定キーワードが含まれており、該電子メールに対して行うべき処理が「不許可」とされた場合には、上記サーバ装置において該電子メールに対して行うべき処理が制限される。すなわち、サーバ装置が受信した電子メールは、データ送受信装置に送信されない。これにより、有害情報に対するユーザの行為を制限することができる。
一方、上記処理制限手段が上記データ送受信装置に備えられている構成では、上記電子メールに対して行うべき処理の制限は、上記データ送受信装置において行われる。この場合の処理制限手段における具体的処理としては、例えば、サーバ装置から「不許可」情報を受信して、上記電子メールに有害情報が含まれている旨のメッセージを表示部に表示させる処理が挙げられる。
なお、保護・監督者は、データに対して行うべきユーザの処理を許可する場合でも、許可するレベルを選択することができる。そして、選択したレベルに応じて上記データに対して行うべき処理を制限できるため、ユーザを有害情報から保護できると共に、ユーザのデータ送受信装置の使用を不要に制限する必要がなくなる。
なお、上記データ送受信装置および上記サーバ装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記データ送受信装置および上記サーバ装置をコンピュータにて実現させる各装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明のデータ送受信装置は、以上のように、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部と、入出力データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索手段と、上記入出力データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、該入出力データの一部または全部と、該入出力データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信手段と、上記問い合わせ情報に対して上記指定先が選択した許可レベル情報を該指定先から受信する許可レベル受信手段と、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記入出力データに対して行うべき処理を制限する処理制限手段とを備えている構成である。
また、本発明のデータ送受信装置の制御方法は、以上のように、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部を備え、入出力データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索ステップと、上記入出力データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、該入出力データの一部または全部と、該入出力データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信ステップと、上記問い合わせ情報に対して上記指定先が選択した許可レベル情報を該指定先から受信する許可レベル受信ステップと、上記許可レベル受信ステップが受信した許可レベル情報に応じて、上記入出力データに対して行うべき処理を制限する処理制限ステップとを含む方法である。
本発明のサーバ装置は、以上のように、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部と、上記通信端末から上記サーバ装置を経由して送信される送信データ、もしくは、上記サーバ装置を経由して上記通信端末が受信する受信データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索手段と、上記送信データもしくは上記受信データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、上記送信データもしくは上記受信データの一部または全部と、該送信データもしくは該受信データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信手段と、上記問い合わせ情報に対して上記指定先が選択した許可レベル情報を該指定先から受信する許可レベル受信手段と、上記許可レベル受信手段が受信した許可レベル情報に応じて、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理を制限する処理制限手段を備えている構成である。
また、本発明のサーバ装置の制御方法は、以上のように、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部を備え、上記通信端末から上記サーバ装置を経由して送信される送信データ、もしくは、上記サーバ装置を経由して上記通信端末が受信する受信データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索ステップと、上記送信データもしくは上記受信データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、上記送信データもしくは上記受信データの一部または全部と、該送信データもしくは該受信データに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信ステップと、上記問い合わせ情報に対して上記指定先が選択した許可レベル情報を該指定先から受信する許可レベル受信ステップと、上記許可レベル受信ステップが受信した許可レベル情報に応じて、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理を制限する処理制限ステップとを含む方法である。
したがって、入出力データに対して行うべき処理が制限されるため、有害情報からユーザを確実に保護することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1から図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、データ送受信装置は、メール機能やインターネット接続機能等を備えた携帯電話機、PHS(登録商標)端末、PDA(Personal Digital Assistant)あるいはパーソナルコンピュータ(PC)等の通信端末装置により構成されている。本実施形態では、上記データ送受信装置は、データの入出力およびデータの送受信が可能な携帯電話機として説明する。
また、上記データ(入出力データ)とは、データ送受信装置内に入力されるデータおよびデータ送受信装置からアクセス(出力)されるデータをいい、具体的には、データ送受信装置が、該データ送受信装置とは異なる通信端末(以下、外部端末と称する)との間でやり取りする電子メール(送信メール、受信メール)や、赤外線、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線、USB等の有線接続通信により送受信されるデータや、ユーザがデータ送受信装置に直接入力するURLのアドレス等の文字データや、ホームページ上でユーザが選択したURL等が挙げられる。以下では、特に断らない限り、上記データを電子メールとして説明する。
図1は、本実施の形態1に係るデータ送受信システム1の構成を示したブロック図である。
データ送受信システム1は、多数の電子メールを蓄積して送り出すサーバ装置3と、サーバ装置3と電子メールを送受信する携帯電話機(データ送受信装置)2とから構成されている。本実施形態では、携帯電話機2およびサーバ装置3がネットワーク(図示せず)を介して接続している。
図1では1つの携帯電話機2を図示しているが、携帯電話機2はユーザがそれぞれ所持しているものであり、一般にはサーバ装置3と通信可能な携帯電話機2は複数存在する。
ネットワークは、例えば公衆電話回線、携帯電話回線、PHS回線、インターネットなどで構成されており、携帯電話機2とサーバ装置3との間の情報通信を実現するものである。
ここで、本実施形態のデータ送受信システム1の概要について、携帯電話機2が電子メールを送受信する場合を例に挙げて簡単に説明する。
データ送受信システム1では、携帯電話機2は、サーバ装置3を介して外部端末と電子メールを送受信する。携帯電話機2が受信した電子メールまたは送信する電子メールの本文中に、予め登録された特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に上記特定キーワードを含む情報および上記電子メールに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせる情報(問い合わせ情報)を送信し、指定先から上記問い合わせ情報に対する回答(許可レベル情報)を受信する。携帯電話機2は、指定先から受信した許可レベルが「許可」または「条件付許可(一部許可)」であった場合には、受信した電子メールをユーザに提示する、もしくは、送信した電子メールを外部端末に送信する。一方、指定先から許可を得られなかった場合には、受信した電子メールをユーザに提示しない、もしくは、送信指示した電子メールを外部端末に送信しない。
以下では、説明の便宜上、上記許可レベルを2段階、すなわち「許可」「不許可」として説明するが、これに限定されるものではない。
次に、各装置の構成について説明する。
(携帯電話機の構成)
携帯電話機2は、図1に示すように、無線部21、通信制御部(問い合わせ送信手段、許可レベル受信手段)22、主制御部23、記憶部24、キーワード検索部(キーワード検索手段)25、問い合わせ送信部(問い合わせ送信手段)26、許可レベル受信部(許可レベル受信手段)27、操作部28、情報提示部29およびマイク30を含んでいる。
通信制御部22は、無線部21を介してネットワークとの接続を行うものであり、上記問い合わせ情報や上記許可レベル情報の送受信を含む、携帯電話機2を用いた通話や電子メールの送受信、インターネットへのアクセスなどの際に、携帯電話回線との通信を行う。
主制御部23は、CPU(Central Processing Unit)などからなり、携帯電話機2における各種構成の動作を統括的に制御する。また、主制御部23は、処理制限部(処理制限手段)231を含んでいる。
記憶部24は、キーワード記憶部241、転送先記憶部242、データ一時保管部243を備えている。なお、記憶部24は、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものであり、この記憶部24には、携帯電話機2を構成する各部材の動作を制御する制御プログラム、OS(operating system)プログラム、およびその他各種プログラム等が記憶されている。
キーワード記憶部241には、種々の特定キーワードが登録されている。これら特定キーワードの削除、更新、追加等の設定は、携帯電話機2を使用するユーザや、該ユーザの保護者・監督者が携帯電話機2を操作することにより可能となっている。また、保護者・監督者が自身の端末(例えば、携帯電話機、PC等)を操作して、サーバ装置を介して、上記設定を行うことも可能である。さらに、サーバ装置を操作することによっても上記設定は可能である。キーワード記憶部241に登録される特定キーワードの具体例としては、「自殺」、「出会い系」等の文字列、「090−○○△△・・」といった電話番号等の数字列、「www.xyz・・・」といったURL、「abc@・・・」といったメールアドレス等の記号列が挙げられる。
ここで、特定キーワードの登録、変更、削除等の設定は、携帯電話機2を使用するユーザの保護者・監督者のみが可能とする構成であってもよい。具体的には例えば、保護者・監督者用IDによってアクセスした場合にのみ上記特定キーワードの設定を可能とする構成や、保護者・監督者用の端末から携帯電話機2にアクセスした場合にのみ上記特定キーワードの設定を可能とする構成や、上記特定キーワードの設定を行う際にパスワードの入力を要求する構成などが挙げられる。これらの構成により、携帯電話機2を使用するユーザが特定キーワードを勝手に変更することを防止でき、有害情報へのアクセス防止を強化することができる。
また、特定キーワードは、外部サーバなどの外部装置から携帯電話機2を使用するユーザの属性、例えば、年齢、性別、趣味、過去の通信履歴等に基づいて、自動的に更新される構成であってもよい。これにより、携帯電話機2を使用するユーザにとって最適な特定キーワードが常に設定されている状態とすることができるため、携帯電話2を使用するユーザの保護者・監督者による特定キーワードの入力作業や管理が不要になるという効果を奏する。
転送先記憶部242には、携帯電話機2が送受信する電子メール、または、該電子メールに含まれる特定キーワードを送信する相手先(指定先)が登録されている。具体的には、例えば、携帯電話機2を使用するユーザの保護者や監督者が所持している端末(指定先)の電話番号やメールアドレス等が登録されている。転送先記憶部242における指定先端末の情報の設定は、キーワード記憶部241における特定キーワードの設定と同様、携帯電話機2や保護者・監督者が所持する端末の操作により可能である。
データ一時保管部243には、携帯電話機2が送受信する電子メールに特定キーワードが含まれている場合に、該電子メールが一時的に保管される。
キーワード検索部25は、携帯電話機2が送受信する電子メールの本文中において、キーワード記憶部241に登録されている特定キーワードを検索し、該特定キーワードが含まれているか否かを判断するものである。
問い合わせ送信部26は、キーワード検索部25により、携帯電話機2が送受信する電子メールに上記特定キーワードが含まれていると判断された場合に、該電子メールまたは該電子メールに含まれている特定キーワードと共に、該電子メールに対して行うべき処理に対する許可レベルを問い合わせるメール(問い合わせ情報(メール))を、転送先記憶部242に登録されている指定先端末へ通信制御部22を介して送信する。なお、上記問い合わせメールの送信処理は、上述のように通信制御部22を介して行なわれる構成であるが、以下では説明の便宜上、通信制御部22を介する構成の説明は省略し、上記問い合わせメールは、単に、問い合わせ送信部26から指定先端末へ送信されるものとして説明する。また、本実施形態では上記許可レベルを2段階として説明するため、上記問い合わせメールは、上記電子メールに対して行うべき処理を許可するか否かを問い合わせるものである。また、問い合わせ送信部26が転送先記憶部242に送信するデータに、上記電子メールに関する情報、具体的には例えば、送信者、受信者、送信時刻、受信時刻等の情報を含ませてもよい。
ここで、上記「電子メールに対して行うべき処理の可否を問い合わせるメール」とは、例えば、携帯電話機2が受信した電子メールの内容を、携帯電話機2を使用するユーザに見せても良いか否かを、ユーザの保護者・監督者に問い合わせるメールであり、具体的には、例えば、「許可」・「不許可」を選択させる内容である。なお、上記可否を問い合わせる手段は、メールに限定されるものではなく、例えば、電話による構成であってもよい。具体的には、電子メールの内容を読み上げる音声読み上げ機能等を用いて実現することができる。なお、以下の説明では、上記可否を問い合わせる手段としてメールを利用する構成を例に挙げて説明する。
許可レベル受信部27は、指定先端末から問い合わせメールに対する回答(許可レベル情報:「許可」・「不許可」)を通信制御部22を介して受信して、携帯電話機2が送受信する電子メールに対して行うべき処理の可否を判断する。なお、上記許可レベル情報の受信処理は、上述のように通信制御部22を介して行なわれる構成であるが、以下では説明の便宜上、通信制御部22を介する構成の説明は省略し、上記許可レベル情報は、単に、許可レベル受信部27が指定先端末から受信するものとして説明する。
主制御部23の処理制限部231は、許可レベル受信部27の判断結果に基づいて、上記電子メールに対する種々な処理を行う。具体的には、例えば、電子メール受信時において、許可レベル受信部27の判断結果が「許可」であった場合は、データ一時保管部243に保管されている電子メールを読み出し、ユーザに対して該電子メールの着信を報知させる一方、上記判断結果が「不許可」であった場合には、データ一時保管部243に保管されている電子メールを削除する。
操作部28は、ユーザがアルファベットや数字等の文字を入力するためのインターフェイスであり、例えば、テンキーや各種操作キーからなる。ユーザは、操作部28を操作して、電子メールの送受信や、特定キーワードおよび指定先端末の設定を行うことができる。
情報提示部29は、表示部291、発光部292、スピーカ293を有し、ユーザに対して各種情報を提示する。表示部291は、例えば、液晶ディスプレイ等から構成され、ユーザに対して画像および/または文字もしくは送受信メールを表示する。発光部292、スピーカ293およびマイク30は、電話機としての基本的機能を有するものである。
(サーバ装置の構成)
サーバ装置3は、図1に示すように、通信制御部32、主制御部33を含んでいる。
主制御部33は、CPUなどからなり、サーバ装置3における各種構成の動作を統括的に制御する。通信制御部32は、ネットワークとの接続を行うものであり、外部端末と電子メール等の情報の送受信を行う。
このように、本実施形態におけるサーバ装置3は、一般的なデータサーバを用いることができ、本実施形態ではメールサーバとして説明する。
(メール受信動作例)
次に、図1および図2を参照して、携帯電話機2およびサーバ装置3から構成されるデータ送受信システム1の各部の機能を、具体的な動作と共に説明する。図2は、携帯電話機2が、不特定の外部端末からサーバ装置3を経由して電子メールを受信する際のデータ送受信システム1の動作を示す処理フロー図である。なお、以下では、説明の便宜上、携帯電話機2を使用するユーザを子供と仮定し、記憶部24の転送先記憶部242に登録される指定先端末を使用するユーザを子供の保護者と仮定する。
まず、図2のステップ1において(以降、S1のように称する)、ユーザ(子供)の使用する携帯電話機2が、サーバ装置3を経由して外部端末から電子メールを受信する。なお、このとき、携帯電話機2は、電子メールを受信したことをユーザに報知しない構成としても良いし、また、保護者から許可を得るまでは、特定キーワードに対して表示制限が行われた電子メールを受信したことをユーザに報知する構成としても良い。
次に、キーワード検索部25が、受信した電子メール(以下、受信メールと表す)から記憶部24のキーワード記憶部241に登録されている特定キーワードを検索し、該特定キーワードが含まれているか否かの判定を行う(S2)。上記受信メールに特定キーワードが含まれていない場合(S2にてNO)には、該受信メールを受信したことを音声等の既知の方法によりユーザに報知する(S12)。これにより、ユーザは、上記受信メールの内容を確認することができる。
一方、外部端末から送信された受信メールに特定キーワード(例えば「自殺」という文字)が含まれている場合(S2にてYES)には、記憶部24のデータ一時保管部243が、該受信メールを一時的に保管する(S3)。
つづいて、問い合わせ送信部26が、上記受信メールの複製データを作成し、記憶部24の転送先記憶部242に登録されている指定先端末に、該複製データ(以下、受信メールと表す)と共に、該受信メールの内容をユーザ(子供)に閲覧させても良いか否かを問い合わせるメール(問い合わせメール)を送信する(S4)。なお、問い合わせ送信部26は、上記複製データを作成せず、上記受信メールに関する情報を上記指定先端末に送信しても良い。
次に、指定先端末が、サーバ装置3を経由して、特定キーワードが含まれている受信メールおよび問い合わせメールを受信する(S5,S6)。なお、上記問い合わせメールは、具体的には、例えば、「許可」・「不許可」の何れかを選択させる形式である。指定先端末を使用する保護者は、上記受信メールと、上記問い合わせメールとを確認し、該受信メールの閲覧をユーザ(子供)に許可するか否かを判断する。そして、保護者の操作により指定先端末から、上記受信メールに対する許可/不許可メールが返信される(S7)。
指定先端末から送信された許可/不許可メールは、サーバ装置3を経由して携帯電話機2に受信される(S8,S9)。
次に、携帯電話機2の許可レベル受信部27が、指定先端末から受信した許可/不許可メールに基づいて、上記受信メールに対する許可/不許可を判断する(S10)。上記受信メールに対して「許可」である場合(S10にてYES)、すなわち、保護者がユーザ(子供)に対して受信メールの閲覧を許可する場合は、主制御部23の処理制限部231が、データ一時保管部243に保管されている上記受信メールを読み出し(S11)、外部端末からメールを受信したことをユーザ(子供)に報知するよう情報提示部29に命令を付与する(S12)。これにより、外部端末から受信したメールに特定キーワードが含まれている場合であっても、保護者が許可を与えることによって、ユーザ(子供)は、受信メールの内容を確認することができる。
一方、上記受信メールに対して「不許可」である場合(S10にてNO)、すなわち、保護者がユーザ(子供)に対して受信メールの閲覧を禁止する場合には、処理制限部231が、データ一時保管部243に保管されている上記受信メールを削除する(S13)。これにより、外部端末から受信したメールに特定キーワードが含まれていて、この受信メールに対して保護者が「不許可」とすることによって、ユーザ(子供)による受信メールの閲覧を禁止することができる。特にこの場合は、携帯電話機2が外部端末からメールを受信したことをユーザ(子供)に報知することなく、受信メールが削除されるため、ユーザ(子供)は、メールが送られてきたことすら知ることがない。したがって、保護者の判断により、有害情報からユーザを確実に保護することができる。
このように、本実施の形態1では、受信メールに特定キーワードが含まれているか否かの判断、および、指定先端末からの許可/不許可の判断を携帯電話機2が行う構成である。
ここで、本実施形態では、指定先端末に送信する受信メールは、特定キーワードを含む受信メール全文としているが、特に限定されるものではなく、例えば、受信メールに含まれる特定キーワードのみ、または、受信メールの各種情報(特定キーワード情報、送信者情報、送受信日時情報など)を送信しても良い。なお、本実施形態のように、受信メール全文を送信する構成の場合には、問い合わせ送信部26は、携帯電話機2が受信した際の受信メールの送信先アドレスを、携帯電話機2のアドレスから上記指定先端末のアドレスに切り替える処理を行っても良いし、予め用意されたフォーマットにユーザ(子供)が受信した受信メールの複製データを貼り付けて、あるいは添付して送信しても良い。また、上記受信メールの各種情報を送信する構成とする場合には、受信メールに基づいて受信メール情報を作成するように、主制御部23が受信メール情報作成部として機能することにより実現可能である。
また、上記受信メールに特定キーワードが含まれているか否かのみにより、該受信メールに対して行うべき処理、例えばユーザへのメール着信の報知を制限する構成としても良い。これにより、指定先(保護者)の許可/不許可の判断を省くことができるため、システム全体の処理の効率化を図ることができる。この場合には、保護者は、子供に閲覧を禁止するキーワードのみをキーワード記憶部241に登録しておけばよい。
また、上記受信メールよりも前に受信した受信メールに対して与えられた許可/不許可情報に基づいて、上記受信メールに対して行うべき処理を制限する構成としても良い。すなわち、例えば、保護者が以前「不許可」とした特定キーワードが上記受信メールに含まれている場合には、保護者への許可/不許可の問い合わせを行うことなく、上記処理を制限する構成としても良い。この構成によっても、上述した構成と同様、指定先(保護者)の許可/不許可の判断を省くことができるため、システム全体の処理の効率化を図ることができる。
(メール送信動作例)
次に、図1および図3を参照して、電子メールを送信する際のデータ送受信システム1の動作例を説明する。図3は、電子メールを送信する際のデータ送受信システム1の動作を示す処理フロー図である。なお、上述のメール送信動作例と同様、携帯電話機2を使用するユーザを子供と仮定し、記憶部24の転送先記憶部242に登録される転送先を、子供の保護者が使用する指定先端末と仮定する。
まず、図3のS21において、ユーザ(子供)は携帯電話機2の操作部28を操作してメール文を作成(入力)し、所望の送信先端末(相手先)宛に送信指示を行う(S21)。
次に、キーワード検索部25が、ユーザ(子供)により入力されたメール文(以下、送信メールと表す)から記憶部24のキーワード記憶部241に登録されている特定キーワードを検索し、該特定キーワードが含まれているか否かの判定を行う(S22)。
なお、キーワード検索部25が、特定キーワードを検索するタイミングは、ユーザによる送信メールの作成が終了し、送信メールに対する送信指示の操作を行った時点としているが、これに限定されるものではなく、例えば、送信メールを作成する際に文字入力する度に検索しても良い。
そして、ユーザ(子供)により入力された送信メールに特定キーワードが含まれていない場合(S22にてNO)には、ユーザ(子供)による送信指示に従って、該送信メールが所望の送信先端末(相手先)に送信される(S32)。
一方、ユーザ(子供)により入力された送信メールに特定キーワード(例えば、「自殺」)が含まれている場合(S22にてYES)には、ユーザ(子供)により指示された送信処理には移行せず、記憶部24のデータ一時保管部243が、該送信メールを一時的に保管すると共に、問い合わせ送信部26が、上記送信メールの複製データを作成し、該複製データ(送信メール)の送信先アドレスを、上記送信先端末のアドレスから上記指定先端末のアドレスに書き換える(S23)。なお、問い合わせ送信部26は、上記複製データを作成せず、上記送信メールに関する情報を上記指定先端末に送信しても良い。
つづいて、問い合わせ送信部26は、転送先記憶部242に登録されている指定先端末に、上記送信メールと共に、該送信メールを送信先端末に送信しても良いか否かを問い合わせるメール(問い合わせメール)を送信する(S24)。なお、S23およびS24での処理は、上記送信先端末のアドレスから上記指定先端末のアドレスに書き換えて、上記送信メールと共に上記問い合わせメールを送信する構成としているが、他の構成として、指定先端末のアドレスを新たに設定して、上記送信メールに関する情報および上記問い合わせメールを送信する構成としても良い。
なお、指定先端末に送信するメールの内容は、上述のメール受信動作例と同様、特に限定されるものではない。したがって、送信メール作成中に特定キーワードが入力された時点で、キーワード検索部25が該特定キーワードを検索して、直ちに該特定キーワードのみを指定先端末に送信する構成としても良い。また、キーワード検索部25により、上記送信メールに特定キーワードが含まれていると判断された時点で、携帯電話機2においてメールソフトを起動させ、該特定キーワードを指定先端末に送信する構成としても良い。
次に、指定先端末が、サーバ装置3を経由して、特定キーワード(「自殺」)が含まれている送信メールおよび問い合わせメールを受信する(S25,S26)。なお、問い合わせメールは、具体的には、例えば、「許可」・「不許可」の何れかを選択する形式である。指定先端末を使用する保護者は、上記送信メールと、上記問い合わせメールとを確認し、ユーザ(子供)が作成したメールの送信先端末への送信を許可するか否かを判断する。そして、保護者の操作により、指定先端末から、上記送信メールに対する許可/不許可メールが返信される(S27)。
指定先端末から送信された許可/不許可メールは、サーバ装置3を経由して携帯電話機2に受信される(S28,S29)。
次に、携帯電話機2の許可レベル受信部27が、指定先端末から受信した許可/不許可メールに基づいて、上記送信メールに対する許可/不許可を判断する(S30)。上記送信メールに対して許可である場合(S30にてYES)、すなわち、保護者がユーザ(子供)の作成したメールの送信先端末への送信を許可する場合は、主制御部23の処理制限部231が、データ一時保管部243に保管されている上記送信メールを読み出し(S31)、該送信メールを送信先端末に送信するよう通信制御部22に命令を付与する(S32)。これにより、ユーザ(子供)が作成したメール文に特定キーワードが含まれている場合であっても、保護者が許可を与えることによって、ユーザ(子供)は、メール文を所望の相手先に送信することができる。
一方、上記送信メールに対して不許可である場合(S30にてNO)、すなわち、保護者がユーザ(子供)の作成したメールの送信先端末への送信を禁止する場合には、処理制限部231が、データ一時保管部243に保管されている上記送信メールを削除し(S33)、該送信メールが送信先端末に送信されなかった旨のエラーメッセージを表示部291に表示させるよう情報提示部29に命令を付与する(S34)。なお、表示部291に表示させるメッセージは、「送信エラー」の他に、ユーザ(子供)に注意を促すために「有害メール」や「警告」といった内容を含んでいても良い。
これにより、ユーザ(子供)により作成された送信メールに特定キーワードが含まれていて、この送信メールに対して保護者が不許可とすることによって、ユーザ(子供)の作成したメールの送信を禁止することができる。そのため、子供が作成した有害情報を含むメールの送信を、保護者の判断により防ぐことができるため、トラブルの発生を未然に回避することができる。また、送信メールに特定キーワードが含まれている場合には、該送信メールは、送信先端末に送信されずデータ一時保管部243に保管され、「不許可」であるときは、データ一時保管部243から削除される。そのため、送信先端末では、送信メールの存在自体を知ることがなく、トラブルの発生を未然に回避することができる。
ここで、上述の処理フローでは、保護者が、上記受信メールもしくは上記送信メールに対して行うべき処理を「不許可」とした場合には、該送受信メールをデータ一時保管部243から削除する構成であるが、他の構成として、例えば、該送受信メールの全文をマスキングして表示部291に表示させる構成や、特定キーワードの部分のみを削除、あるいはマスキングまたは暗号化、あるいはリンク不可として表示させる構成としてもよい。さらに、携帯電話機2の操作を無効とする構成としてもよい。
上記構成の一例として、送受信メールまたは直接入力されたデータ(直接入力データ)もしくはホームページ上に表示されるリンクに、特定キーワードとして登録されたURLが含まれている場合のデータ送受信システム1の動作について簡単に説明する。
まず、携帯電話機2を使用するユーザ(例えば子供)の保護者が、特定キーワードとして、有害な情報の基になるURLのアドレスをキーワード記憶部241に登録しておく。そして、キーワード記憶部241に登録されているURLが、送受信メールもしくは直接入力データに含まれている場合において、保護者が、送受信メールもしくは直接入力データに対して行うべき処理を「不許可」とした場合には、処理制限部231が、URLの部分をマスキングして、該送受信メールもしくは直接入力データを表示部291に表示させる構成である。
このように、送受信メールもしくは直接入力データに有害情報となるURLが含まれ、保護者がユーザ(子供)の閲覧を不許可とする場合には、処理制限部231が、表示部291における表示を制限する構成とすることにより、ユーザの有害情報へのアクセスを防ぐことができる。なお、ホームページ上に表示されたリンクに有害情報が含まれ、保護者が不許可とした場合には、リンク先の表示を制限する構成である。これにより、ホームページ上に表示される怪しげなリンクへのアクセスを防ぎ、ユーザを有害情報から保護することができる。
また、本実施形態では、受信メールに特定キーワードが含まれている場合には、保護者が使用する指定先端末に該受信メールの内容をユーザ(子供)に閲覧させても良いか否かを問い合わせるメール(問い合わせメール)を送信する構成であるが、他の構成として、上記問い合わせメールと共に、暗証番号等のパスワードの設定を求めるメール(パスワード設定メール)を送信する構成としても良い。
これにより、保護者が上記受信メールの内容をユーザ(子供)に閲覧させても良いと判断した場合には、携帯電話機2は、指定先端末から「許可」メールと共に、「パスワード」メールを受信する。両メールを受信した携帯電話機2は、ユーザ(子供)に保護者が設定したパスワードを報知すると共に、そのパスワードの入力を求める。そして、ユーザは報知されたパスワードを入力することにより、上記受信メールを閲覧することができる。
このように、ユーザが受信メールを確認する際、保護者が設定したパスワードを入力させる構成とすることにより、ユーザは、有害となり得るキーワードを含む受信メールを保護者が確認したことを認識することができるため、安心して閲覧することができる。
なお、冒頭で説明したように、本実施形態では、上記許可レベルを2段階、すなわち「許可」「不許可」として説明したが、上記許可レベルは、例えば「条件付許可(一部許可)」を加えた3段階としてもよい。さらに、「条件付許可」のレベルを複数段階設けて、上記許可レベルを4段階以上としてもよい。
このように複数のレベルを設ける場合には、上記「レベル」と「処理内容」との関係を示すテーブルを用いることが好ましい。具体的には例えば、「レベル1」に対応する処理内容を、受信メール全文の閲覧を禁止する処理、「レベル2」に対応する処理内容を、受信メール中の特定キーワードのみ閲覧を禁止する処理、「レベル3」に対応する処理内容を、受信メール全文の閲覧を許可する処理、というように設定しておくことが好ましい。そして、この場合には、問い合わせ送信部26は、送受信データに対して行うべき処理を許可する許可レベルを問い合わせるメールを送信先端末に送信する構成とし、処理制限部231は、上記テーブルを参照して、許可レベル受信部27が受信した上記許可レベルに対応した処理を実行する構成とすることが好ましい。なお、上記テーブルは、例えば記憶部24に保管されて、上記「レベル」および「処理内容」を適宜、追加修正可能なものである。
なお、「条件付許可」とは、例えば、特定キーワードを除いた受信メールの閲覧を許可するもの、あるいは特定キーワードを除いた送信メールの送信を許可するものである。
このように、保護・監督者は、送受信データに対して行うべきユーザの処理を許可する場合でも、許可するレベルを選択することができる。そして、選択したレベルに応じて上記送受信データに対して行うべき処理を制限できるため、ユーザを有害情報から保護できると共に、ユーザの携帯電話機2の使用を不要に制限する必要がなくなる。
また、本実施形態では、データ送受信システム1は、携帯電話機2およびサーバ装置3を備えた構成であるが、他の構成として、携帯電話機2のみでデータ送受信システムを構成し、サーバ装置を経由することなくデータの送受信を行ってもよい。上記データ送受信システムは、具体的には、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線や、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線においても利用可能である。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図4から図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上記実施の形態1において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、実施の形態1において定義した用語については、特に断らない限り本実施の形態においてもその定義に則って用いるものとする。
上記実施の形態1では、送受信メールに特定キーワードが含まれているか否かの判断、および、指定先端末からの許可/不許可の判断を携帯電話機2が行う構成であったが、本実施の形態2では、送受信メールに特定キーワードが含まれているか否かの判断、および、指定先端末からの許可/不許可の判断をサーバ装置3′が行う構成である。
本実施形態では、サーバ装置3′が、上記実施の形態1における携帯電話機2に代わって、記憶部34、キーワード検索部(キーワード検索手段)35、問い合わせ送信部(問い合わせ送信手段)36、許可レベル受信部(許可レベル受信手段)37を含んでいる。上記各部材は、上記実施の形態1における、記憶部24、キーワード検索部25、問い合わせ送信部26、許可レベル受信部27と同一の機能を有する。
図4は、本実施の形態2に係るデータ送受信システム1′の構成を示したブロック図である。
(携帯電話機の構成)
携帯電話機(通信端末)2′は、無線部21、通信制御部22、主制御部23、操作部28、情報提示部29を含み、他の外部端末との間にサーバ装置を介在させて電子メールの送受信を行う、一般的な携帯電話機として機能するものである。
(サーバ装置の構成)
サーバ装置3′は、通信制御部32、主制御部33、記憶部34、キーワード検索部35、問い合わせ送信部36、許可レベル受信部37を含んでいる。
また、主制御部33は、処理制限部(処理制限手段)331を含んでいる。
記憶部34は、実施の形態1と同一の機能を有する、キーワード記憶部341、転送先記憶部342、データ一時保管部343を備えている。なお、キーワード記憶部341および転送先記憶部342に登録される情報の削除、更新、追加等の設定は、ユーザ本人が使用する携帯電話機2′、サーバ装置3′、ユーザの保護者・監督者が使用する他の端末からの操作によって可能となっている。
(メール受信動作例)
図4および図5を参照して、携帯電話機2′およびサーバ装置3′から構成されるデータ送受信システム1′の各部の機能を、具体的な動作と共に説明する。図5は、携帯電話機2′がサーバ装置3′を経由して外部端末から電子メールを受信する際のデータ送受信システム1′の動作を示す処理フロー図である。
まず、図5のS101において、サーバ装置3′が、外部端末から携帯電話機2′宛の電子メールを受信する。
次に、サーバ装置3′のキーワード検索部35が、受信した電子メール(受信メール)に、記憶部34のキーワード記憶部341に登録されている特定キーワードが含まれているか否かの判定を行う(S102)。上記受信メールに特定キーワードが含まれていない場合(S102にてNO)には、サーバ装置3′は、携帯電話機2′に該受信メールを送信する(S110)。そして、携帯電話機2′では、外部端末から送信された上記受信メールを受信する。これにより、ユーザ(子供)は、上記受信メールの内容を確認することができる。
一方、上記受信メールに特定キーワードが含まれている場合(S102にてYES)には、記憶部34のデータ一時保管部343が、該受信メールを一時的に保管する(S103)。
つづいて、問い合わせ送信部36が、上記受信メールの複製データを作成し、記憶部34の転送先記憶部342に登録されている指定先端末に、該複製データ(以下、受信メールと表す)と共に、該受信メールの内容をユーザ(子供)に閲覧させても良いか否かを問い合わせるメール(問い合わせメール)を送信する(S104)。
指定先端末での処理は、実施の形態1と同一である。すなわち、サーバ装置3′から上記受信メールおよび問い合わせメールを受信する(S105)と、該指定先端末を使用する保護者はその内容を確認し、保護者の操作により、該受信メールに対する許可/不許可メールをサーバ装置3′に返信する(S106)。
次に、指定先端末から許可/不許可メールを受信したサーバ装置3′では、許可レベル受信部37が、受信した許可/不許可メールに基づいて、外部端末から送信された上記受信メールに対する許可/不許可を判断する(S107,S108)。そして、上記受信メールに対して「許可」である場合(S108にてYES)は、処理制限部331が、データ一時保管部343に保管されている上記受信メールを読み出し(S109)、該受信メールを携帯電話機2′に送信するよう通信制御部32に命令を付与する(S110)。これにより、外部装置から受信したメールに特定キーワードが含まれている場合であっても、保護者が許可を与えることによって、ユーザ(子供)は、受信メールの内容を確認することができる。
一方、上記受信メールに対して「不許可」である場合(S108にてNO)には、処理制限部331が、データ一時保管部343に保管されている受信メールを削除する(S111)。これにより、外部端末から受信したメールに特定キーワードが含まれていて、このメールに対して保護者が「不許可」とすることによって、ユーザ(子供)による受信メールの閲覧を禁止することができる。また、この場合には、ユーザが使用する携帯電話機2′を介することなく、サーバ装置3′と指定先端末との間のやり取りのみにより、ユーザの受信メールの閲覧を防ぐことができるため、一連の処理を効率よく迅速に行うことができる。また、この場合には、ユーザ(子供)は、外部端末から携帯電話機2′宛にメールが送信されたことすら知ることがないため、有害情報からユーザを確実に保護することができる。
(メール送信動作例)
次に、図4および図6を参照して、電子メールを送信する際のデータ送受信システム1′の動作例を説明する。図6は、電子メールを送信する際のデータ送受信システム1′の動作を示す処理フロー図である。
初めに、図6のS201において、ユーザ(子供)は、携帯電話機2′の操作部28を操作してメール文を作成し、所望の送信先端末(相手先)宛に送信指示を行う(S201,S202)。携帯電話機2′から送信されたメール(送信メール)は、サーバ装置3′において以下の処理が行われる。
まず、サーバ装置3′のキーワード検索部35が、上記送信メールに、記憶部34のキーワード記憶部341に登録されている特定キーワードが含まれているか否かの判定を行う(S203,S204)。上記送信メールに特定キーワードが含まれていない場合(S204にてNO)には、ユーザ(子供)による送信指示に従って、該送信メールが送信先端末に送信される(S212)。
一方、上記送信メールに特定キーワードが含まれている場合(S204にてYES)には、記憶部34のデータ一時保管部343が、該送信メールを一時的に保管すると共に、問い合わせ送信部36が、上記送信メールの複製データを作成し、該複製データ(送信メール)の送信先アドレスを、上記送信先端末のアドレスから上記指定先端末のアドレスに書き換える(S205)。
つづいて、問い合わせ送信部36は、転送先記憶部342に登録されている指定先端末に、上記送信メールと共に、該送信メールを送信先端末に送信しても良いか否かを問い合わせるメール(問い合わせメール)を送信する(S206)。なお、S205およびS206での処理は、上記実施形態1と同様、指定先端末のアドレスを新たに設定して、上記送信メールに関する情報および上記問い合わせメールを送信する構成としても良い。
指定先端末での処理は、実施の形態1と同一である。すなわち、サーバ装置3′から上記送信メールおよび問い合わせメールを受信する(S207)と、該指定先端末を使用する保護者はその内容を確認し、保護者の操作により、該送信メールに対する許可/不許可メールをサーバ装置3′に返信する(S208)。
指定先端末から許可/不許可メールを受信したサーバ装置3′では、許可レベル受信部37が、受信した許可/不許可メールに基づいて、ユーザ(子供)が作成した送信メールの送信先端末への送信に対する許可/不許可を判断する(S209,S210)。
上記送信メールの送信先端末への送信に対して許可である場合(S210にてYES)は、処理制限部331が、データ一時保管部343に保管されている送信メールを読み出し(S211)、該送信メールを送信先端末に送信するよう通信制御部32に命令を付与する(S212)。これにより、ユーザ(子供)が作成した送信メールに特定キーワードが含まれている場合であっても、保護者が許可を与えることによって、該送信メールを所望の相手先に送信することができる。
一方、上記送信メールの送信先端末への送信に対して不許可である場合(S210にてNO)には、処理制限部331が、データ一時保管部343に保管されている送信メールを削除し(S213)、該送信メールが送信先端末に送信されなかった旨のエラーメッセージを携帯電話機2′に送信するよう通信制御部32に命令を付与する(S214)。そして、携帯電話機2′は上記エラーメッセージを受信し、表示部291にエラーメッセージが表示される(S215)。これにより、ユーザ(子供)により作成されたメールに特定キーワードが含まれていて、このメールに対して保護者が不許可とすることによって、ユーザ(子供)は、相手先にメールを送信できなくなる。そのため、子供が作成する有害情報を含むメール文の送信を、保護者の判断により防ぐことができるため、トラブルの発生を未然に回避することができる。また、送信メールに特定キーワードが含まれている場合には、該送信メールは、送信先端末に送信されずデータ一時保管部343に保管され、「不許可」であるときは、データ一時保管部343から削除される。そのため、送信先端末では、送信メールの存在自体を知ることがなく、トラブルの発生を未然に回避することができる。
ここで、本実施形態においても、上記実施の形態1と同様、上記許可レベルを4段階以上設ける構成とし、上記「レベル」と「処理内容」との関係を示すテーブルを用いてもよい。この場合は、問い合わせ送信部36は、送受信データに対して行うべき処理を許可する許可レベルを問い合わせるメールを送信先端末に送信する構成とし、処理制限部331は、上記テーブルを参照して、許可レベル受信部37が受信した上記許可レベルに対応した処理を実行する構成とすることが好ましい。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施形態について図7から図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上記実施の形態1において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、実施の形態1において定義した用語については、特に断らない限り本実施の形態においてもその定義に則って用いるものとする。
本実施の形態3では、送受信メールに特定キーワードが含まれているか否かの判断を携帯電話機2″(データ送受信装置)が行い、指定先端末からの許可/不許可の判断およびこの判断結果に基づいた処理をサーバ装置3″が行う構成である。
本実施形態では、サーバ装置3″が、上記実施の形態1における携帯電話機2に代わって、記憶部34、問い合わせ送信部36、許可レベル受信部37を含んでいる。上記各部材は、上記実施の形態1における、記憶部24、問い合わせ送信部26、許可レベル受信部27と同一の機能を有する。
図7は、本実施の形態3に係るデータ送受信システム1″の構成を示したブロック図である。
(携帯電話機の構成)
携帯電話機2″は、無線部21、通信制御部22、主制御部23、操作部28、情報提示部29等の携帯電話機としての基本的機能を有すると共に、キーワード記憶部241を有する記憶部24、および、キーワード検索部25を含んでいる。
(サーバ装置の構成)
サーバ装置3″は、通信制御部32、主制御部33、記憶部34、問い合わせ送信部36、許可レベル受信部37、フラグ有無判断部38を含んでいる。
また、主制御部33は、処理制限部(処理制限手段)331を含んでいる。
記憶部34は、実施の形態1と同一の機能を有する、転送先記憶部342、データ一時保管部343を備えている。
フラグ有無判断部38は、送受信メールに付与されたフラグの有無を判断するものである。
なお、携帯電話機2″のキーワード記憶部241およびサーバ装置3″の転送先記憶部342に登録される情報の削除、更新、追加等の設定は、ユーザ本人が使用する携帯電話機2′、サーバ装置3″、ユーザの保護者・監督者が使用する他の端末からの操作によって可能となっている。
(メール受信動作例)
図7および図8を参照して、携帯電話機2″およびサーバ装置3″から構成されるデータ送受信システム1″の各部の機能を、具体的な動作と共に説明する。図8は、携帯電話機2″がサーバ装置3″を経由して外部端末から電子メールを受信する際のデータ送受信システム1″の動作を示す処理フロー図である。
まず、図8のS301において、ユーザの使用する携帯電話機2″が、サーバ装置3″を経由して外部端末から電子メール(以下、受信メールと表す)を受信する。
次に、携帯電話機2″のキーワード検索部25が、上記受信メールに、記憶部24のキーワード記憶部241に登録されている特定キーワードが含まれているか否かの判定を行う(S302)。上記受信メールに特定キーワードが含まれていない場合(S302にてNO)には、メールを受信したことを音声等の既知の方法によりユーザに報知する(S314)。これにより、ユーザ(子供)は、上記受信メールの内容を確認することができる。
一方、上記受信メールに特定キーワードが含まれている場合(S302にてYES)には、該受信メールは、サーバ装置3″に送信される(S303)。サーバ装置3″では、上記受信メールを受信(S304)し、記憶部34のデータ一時保管部343が、上記受信メールを一時的に保管する(S305)。
つづいて、問い合わせ送信部36が、上記受信メールの複製データを作成し、記憶部34の転送先記憶部342に登録されている指定先端末に、該複製データ(以下、受信メールと表す)と共に、該受信メールの内容をユーザ(子供)に閲覧させても良いか否かを問い合わせるメール(問い合わせメール)を送信する(S306)。
指定先端末での処理は、実施の形態1と同一である。すなわち、サーバ装置3″から上記受信メールおよび問い合わせメールを受信する(S307)と、該指定先端末を使用する保護者はその内容を確認し、保護者の操作により、該受信メールに対する許可/不許可メールをサーバ装置3″に返信する(S308)。
次に、指定先端末から許可/不許可メールを受信したサーバ装置3″では、許可レベル受信部27が、受信した許可/不許可メールに基づいて、外部端末から送信された上記受信メールに対する許可/不許可を判断する(S309,S310)。そして、上記受信メールに対して「許可」である場合(S310にてYES)は、処理制限部331が、データ一時保管部343に保管されている上記受信メールを読み出し(S311)、該受信メールを携帯電話機2″に送信するよう通信制御部32に命令を付与する(S312)。そして、携帯電話機2″は、再び上記受信メールを受信(S313)し、メールを受信したことをユーザ(子供)に報知する(S314)。これにより、外部装置から受信したメールに特定キーワードが含まれている場合であっても、保護者が許可を与えることによって、ユーザ(子供)は、受信メールの内容を確認することができる。
一方、上記受信メールに対して「不許可」である場合(S310にてNO)には、処理制限部331が、データ一時保管部343に保管されている上記受信メールを削除する(S315)。これにより、外部端末から受信したメールに特定キーワードが含まれていて、このメールに対して保護者が「不許可」とすることによって、ユーザ(子供)による受信メールの閲覧を禁止することができる。特にこの場合は、外部端末からメールが送信されたことすらユーザ(子供)は知ることがないため、子供の有害情報へのアクセスを確実に防ぐことができる。
(メール送信動作例)
次に、図7および図9を参照して、電子メールを送信する際のデータ送受信システム1″の動作例を説明する。図9は、電子メールを送信する際のデータ送受信システム1″の動作を示す処理フロー図である。
まず、図2のS401において、ユーザ(子供)は、携帯電話機2″の操作部28を操作してメール文を作成(入力)し、所望の送信先端末(相手先)宛に送信指示を行う。
次に、携帯電話機2″のキーワード検索部25が、上記メール文(送信メール)に、特定キーワードが含まれているか否かの判定を行う(S402)。なお、キーワード検索部25が上記送信メールに特定キーワードが含まれているか否かを判断するタイミングは、ユーザからの送信指示が付与された時点としているが、上記実施の形態1と同様、適宜選択可能である。
上記送信メールに特定キーワードが含まれていない場合(S402にてNO)には、該送信メールは、所望の送信先端末(相手先)宛に送信される(S404)。一方、上記送信メールに特定キーワードが含まれている場合(S402にてYES)には、特定キーワードの存在を示すフラグが該送信メールに付与され(S403)、所望の送信先端末(相手先)宛に送信される(S404)。
次に、サーバ装置3″が、携帯電話機2″から送信先端末宛に送信された上記送信メールを受信し(S405)、フラグ有無判断部38が該送信メールのフラグの有無を判断する(S406)。
上記送信メールにフラグが付与されていない場合(S406にてNO)、すなわち、上記送信メールに特定キーワードが含まれていない場合には、サーバ装置3″は、該送信メールを送信先端末に送信する(S414)。
一方、上記送信メールにフラグが付与されている場合(S406にてYES)、すなわち、上記送信メールに特定キーワードが含まれている場合には、記憶部34のデータ一時保管部343が、該送信メールを一時的に保管すると共に、問い合わせ送信部36が、上記送信メールの複製データを作成し、該複製データ(送信メール)の送信先アドレスを、上記送信先端末のアドレスから上記指定先端末のアドレスに書き換える(S407)。
つづいて、問い合わせ送信部36は、転送先記憶部342に登録されている指定先端末に、上記送信メールと共に、該送信メールを送信先端末に送信しても良いか否かを問い合わせるメール(問い合わせメール)を送信する(S408)。なお、S407およびS408での処理は、上記実施形態1と同様、指定先端末のアドレスを新たに設定して、上記送信メールに関する情報および上記問い合わせメールを送信する構成としても良い。
指定先端末での処理は、実施の形態1と同一である。すなわち、サーバ装置3″から上記送信メールおよび問い合わせメールを受信する(S409)と、該指定先端末を使用する保護者はその内容を確認し、保護者の操作により、該送信メールに対する許可/不許可メールをサーバ装置3″に返信する(S410)。
指定先端末から許可/不許可メールを受信したサーバ装置3″では、許可レベル受信部37が、受信した許可/不許可メールに基づいて、ユーザ(子供)が作成した送信メールの送信先端末への送信に対する許可/不許可を判断する(S411,S412)。
上記送信メールの送信先端末への送信に対して許可である場合(S412にてYES)は、処理制限部331が、データ一時保管部343に保管されている送信メールを読み出し(S413)、該送信メールを送信先端末に送信するよう通信制御部32に命令を付与する(S414)。これにより、ユーザ(子供)が作成した送信メールに特定キーワードが含まれている場合であっても、保護者が許可を与えることによって、ユーザ(子供)は、メール文を所望の相手先に送信することができる。
一方、上記送信メールの送信先端末への送信に対して不許可である場合(S412にてNO)には、処理制限部331が、データ一時保管部343に保管されている送信メールを削除し(S415)、該送信メールが送信先端末に送信されなかった旨のエラーメッセージを携帯電話機2″に送信するよう通信制御部32に命令を付与する(S416)。携帯電話機2″は、上記エラーメッセージを受信し、表示部291にはエラーメッセージが表示される(S417)。これにより、ユーザ(子供)により作成されたメールに特定キーワードが含まれていて、このメールに対して保護者が不許可とすることによって、ユーザ(子供)の作成したメールの送信を禁止することができる。そのため、子供が作成する有害情報を含むメール文の送信を、保護者の判断により防ぐことができるため、トラブルの発生を未然に回避することができる。また、送信メールに特定キーワードが含まれている場合には、該送信メールは、送信先端末に送信されずデータ一時保管部343に保管され、「不許可」であるときは、データ一時保管部343から削除される。そのため、送信先端末では、送信メールの存在自体を知ることがなく、トラブルの発生を未然に回避することができる。
なお、本実施形態では、処理制限部331は、サーバ装置3″に備えられる構成としているが、これに限定されるものではなく、携帯電話機2″に備えられる構成であってもよい。処理制限部331が携帯電話機2″に備えられる場合には、例えば、サーバ装置3″からの指示に基づいて、処理制限部331が、エラーメッセージを表示部291に表示させる構成とすることができる。
また、本実施形態においても、上記実施の形態1と同様、上記許可レベルを4段階以上設ける構成とし、上記「レベル」と「処理内容」との関係を示すテーブルを用いてもよい。この場合は、問い合わせ送信部36は、送受信データに対して行うべき処理を許可する許可レベルを問い合わせるメールを送信先端末に送信する構成とし、処理制限部331は、上記テーブルを参照して、許可レベル受信部37が受信した上記許可レベルに対応した処理を実行する構成とすることが好ましい。
ここで、上記各実施形態におけるデータ送受信装置またはサーバ装置が、不許可履歴記憶部を備えていても良い。不許可履歴記憶部とは、保護・監督者が送受信メールに対して不許可を与えた場合に、不許可情報すなわち特定キーワードやメール送受信者等の情報を履歴として記憶するものである。これにより、例えばユーザが使用するデータ送受信装置が、上記不許可履歴記憶部に記憶されている送信者(例えばユーザの友人)からメールを受信した場合には、そのメールは不許可とすべきメールであると判断され、受信拒否される、またはユーザへのメール受信の報知が行われないため、ユーザを有害情報から保護することができる。なお、上記履歴は、送受信者、例えば、ユーザの友人や特定の業者等を登録できるため、迷惑メールリストとして作成することが可能である。
また、上記各実施形態におけるデータ送受信装置またはサーバ装置が、許可履歴記憶部を備えていても良い。許可履歴記憶部とは、送受信メールに特定キーワードが含まれているか否かに関わらず、保護・監督者が送受信メールの送受信を許可した相手先の情報を記憶するものである。これにより、例えば、ユーザが使用するデータ送受信装置宛に、上記許可履歴記憶部に記憶されている送信者(例えばユーザの友人)からメールが送信されてきた場合には、そのメールに特定キーワードが含まれているか否かに関わらず、受信処理が実行される。このように、保護・監督者への送受信メールに対する許可/不許可の問い合わせ頻度を少なくすることができるため、処理の効率化を図ることができる。
また、上記構成において、保護・監督者が電話帳を管理している場合、特に保護・監督者にしか電話帳の登録・削除等の編集権がない場合には、上記許可履歴記憶部に記憶される相手先としては、上記電話帳に登録されている相手先のみとする構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、保護・監督者が許可を与えるか否かの判断を、特定のキーワードが含まれているか否かにより行う構成であるが、他の構成として、ユーザが送受信する画像データに対して許可を与えるか否かを判断する構成としても良い。また、ユーザが送受信する画像データに関する情報を予め設定しておくことにより、保護・監督者に許可/不許可を問い合わせることなく、入力データ(画像データ)に対して行うべき処理を制限する構成としても良い。具体的には例えば、画像データにおける肌色領域の閾値を設定しておくことが好ましい。上記の構成によれば、例えば、ユーザが友人から送信された画像データを受信したとき、該画像データの肌色領域が閾値を越えた場合には、該画像データはアダルト画像であると判断され、ユーザの閲覧等が禁止される。これにより、ユーザを有害情報から保護することができる。
ここで、上記データ送受信装置は、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部と、入出力データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索手段と、上記入出力データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、該入出力データの一部または全部と、該入出力データに対して行うべき処理を許可するか否かを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信手段と、上記問い合わせ情報に関して上記指定先から受信した情報に基づいて、上記入出力データに対して行うべき処理を許可するか否かを判断する許可レベル受信手段と、上記入出力データに対して行うべき処理が不許可である場合には、該入出力データに対して行うべき処理を制限する処理制限手段とを備える構成であってもよい。
また、上記処理制限手段は、上記入出力データに対して行うべき処理が不許可である場合には、上記特定キーワードの表示部への表示を制限する構成であってもよい。
また、上記データ送受信装置は、上記入出力データに特定キーワードが含まれている場合には、該入出力データを一時的に保管するデータ一時保管部をさらに備え、上記処理制限手段は、上記入出力データに対して行うべき処理が不許可である場合には、上記データ一時保管部に保管されている上記入出力データを削除する構成であってもよい。
また、上記処理制限手段は、上記入出力データに対して行うべき処理が不許可である場合には、該入出力データに対する処理が行われなかった旨のメッセージを表示部に表示させてもよい。
また、上記サーバ装置は、上記複数の外部端末とデータの送受信を行うサーバ装置であって、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部と、特定の外部端末から別の外部端末に送信される送信データ、もしくは、特定の外部端末が別の外部端末から受信する受信データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索手段と、上記送信データもしくは上記受信データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、上記送信データもしくは上記受信データの一部または全部と、該送信データもしくは該受信データに対して行うべき処理を許可するか否かを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信手段と、上記問い合わせ情報に関して上記指定先から受信した情報に基づいて、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理を許可するか否かを判断する許可レベル受信手段と、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理が不許可である場合には、該送信データもしくは該受信データに対して行うべき処理を制限する処理制限手段とを備える構成であってもよい。
また、上記サーバ装置は、上記送信データもしくは上記受信データに特定キーワードが含まれている場合には、該送信データもしくは該受信データを一時的に保管するデータ一時保管部をさらに備え、上記処理制限手段は、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理が不許可である場合には、上記データ一時保管部に保管されている上記送信データもしくは上記受信データを削除する構成であってもよい。
また、上記処理制限手段は、上記送信データもしくは上記受信データに対して行うべき処理が不許可である場合には、該送信データもしくは該受信データに対する処理が行われなかった旨のメッセージを上記特定の外部端末に送信してもよい。
また、上記データ送受信システムは、入出力データを送受信する機能を有するデータ送受信装置と、該データ送受信装置と外部端末との間に介在して入出力データの送受信を行うサーバ装置とを含むデータ送受信システムであって、上記データ送受信装置は、特定キーワードを記憶するキーワード記憶部と、上記入出力データから上記特定キーワードを検索するキーワード検索手段とを備えており、上記サーバ装置は、上記入出力データに上記特定キーワードが含まれている場合には、予め登録された指定先に、上記入出力データの一部または全部と、該入出力データに対して行うべき処理を許可するか否かを問い合わせる情報とを送信する問い合わせ送信手段と、上記問い合わせ情報に関して上記指定先から受信した情報に基づいて、上記入出力データに対して行うべき処理を許可するか否かを判断する許可レベル受信手段とを備えており、上記入出力データに対して行うべき処理が不許可である場合には、該入出力データに対して行うべき処理を制限する処理制限手段を備えている構成であってもよい。
以上各実施形態で説明したシステムは、例えば、携帯電話機の料金の支払いを子供(ユーザ)の保護者・監督者が行なっている場合、他人名義の端末を使用している場合、子供料金などの特別な料金プランに加入している場合、または、ユーザの年齢を入力して年齢に応じて実施する場合、等に利用することができる。
また、ホームページ(HP)上で会員登録をする場合に個人情報を入力してサーバに送信する場合に、どのような情報を送信する(出力する)のかを保護・監督者がチェックするような場合にも適用できる。
また、成人が利用する場合には、ワンタイムパスワードを接続毎に指定先から毎回取得する構成や、自身に転送してアクセス操作を再度確認する構成とすることにより、有害情報を含む送受信データに不用意にアクセスしてしまうことを防ぐことができる。
また、企業等で利用する場合には、アクセス可能なURL以外の有害と認めるURLを特定キーワードとして設定することにより、関係するサイト以外へのアクセスを全て防止することができる。
最後に、データ送受信装置2・2′・2″およびサーバ装置3・3′・3″の各ブロック、特に、キーワード検索部25・35、問い合わせ送信部26・36、許可レベル受信部27・37、処理制限部231・331は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、データ送受信装置2・2′・2″およびサーバ装置3・3′・3″は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ送受信装置2・2′・2″およびサーバ装置3・3′・3″制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読取り可能に記録した記録媒体を、上記データ送受信装置2・2′・2″およびサーバ装置3・3′・3″に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、データ送受信装置2・2′・2″およびサーバ装置3・3′・3″を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。