JP4911648B2 - 爆発溶射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、爆発溶射装置に関し、より詳細には、水素燃料を用いる爆発溶射装置に関する。
爆発溶射法は、1955年にユニオンカーバイド社のR.W.Poorman,H.B.SargentおよびH.Lampreyによって発明され、以来、最も優れた溶射法の一つとして今日まで多くの分野に適用されている。以下、爆発溶射法における溶射プロセスの概要を説明する。まず、閉塞端と開放端を有する管状の爆発チャンバー内に、燃料ガス、酸化剤および粉体状の溶射材料の混合物が供給される。次に、この混合物がスパークプラグによって点火されて爆発し、爆発チャンバー内にデトネーション波が形成される。デトネーション波先端の通過後の反応生成ガスの急激な膨張によって、溶射材料粒子が加熱および加速され開放端から高速で放出される。放出された溶融状態の溶射材料粒子が基板表面に衝突して広がり密着することによって被膜が形成される。
上述した従来の爆発溶射においては、通常、アセチレンなどの炭化水素燃料を使用するが、炭化水素燃料を使用すると、形成される溶射被膜に不純物としての炭素が混入してしまうという問題があった。また、アセチレンは極めて反応性が高いため、溶射装置の安全な取り扱いが難しくなるという問題があった。
この点に鑑み、アセチレンよりも反応性が低い水素を燃料として用いることが検討されたが、水素を燃料とした場合、デトネーションが生成されるまでの距離(Deflagration to Detonation Transition Length)がアセチレンを燃料とした場合に比べて長くなるため、爆発チャンバーの長さを延長せざるを得ず、溶射装置の大型化が避けられないという問題があった。
この点につき、本出願人による先行出願(特許文献1〜3)は、Deflagration to
Detonation Transition Length(以下、DDTLとして参照する)の短距離化を企図した水素燃料を使用するデトネータ、および、該デトネータの溶射装置への適用について、その基本的な着想を開示する。
特開2006−250382号公報 国際公開第2007/099768号 特開2008−272622号公報
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、水素燃料を用いて安定した爆発溶射を行うことのできる新規な爆発溶射装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、取り扱いが比較的容易な水素燃料を使用することができる実用的な大きさの爆発溶射装置につき鋭意検討する中で、着火点近傍に複数の貫通孔が形成された隔壁を設け、該隔壁を介して隣接するデトネーション管の内壁面に対し螺旋状に延びる突条を一体的に形成することによってDDTLを短距離化する着想を得た。さらに、当該着想を爆発溶射装置に適用するにあたり、その具体化において、アセチレンよりも反応性が低い水素を使用しながら、爆発溶射装置の安定した高周波数運転と高い溶射効率とを同時に実現するための構成について、更なる検討を行なった結果、本発明に至ったのである。
すなわち、本発明者らは、爆発溶射装置において、副燃焼室に対して水素と酸素を対向噴射することに加えて、副燃焼室と内壁に突条が螺旋状に形成された主燃焼室とを複数の貫通孔が形成された隔壁によって隔てることによって、安定したパルスデトネーションが短いDDTLをもって実現されることを実証した。また、可燃ガスの供給ポートを副燃焼室と主燃焼室の後端に分散することによって、溶射材料の溶融に必要な熱量を確保しながら高周波運転が実現されることを実証した。さらに、溶射材料を水素燃料とともに間欠的に供給する機構を採用することによって、溶射効率の向上を実現した。さらに加えて、燃焼室の外周部分および隔壁の内部についてそれぞれを専用に冷却する手段を設け、長時間の連続運転を可能にした。
以下、本発明を図面に示した実施の形態をもって説明するが、本発明は、図面に示した実施の形態に限定されるものではない。なお、以下に参照する各図においては、共通する要素については同じ符号を用い、適宜その説明を省略するものとする。
図1は、本発明の実施形態の爆発溶射装置100の側面図である。図1に示される爆発溶射装置100は、パイプ−フランジ構造を採用しており、メンテナンス等の必要に応じて、装置の分解・組立てが簡単に行なえるように構成されている。具体的には、爆発溶射装置100は、フランジ状の部材であるユニット10、ユニット20、ユニット40、ユニット60、およびユニット70、ならびに、フランジ付きの管状部材であるユニット30、50、50とを含んで構成され、これらが互いにフランジ接続されることによって、その内部に、閉塞端と開放端を有する燃焼室が円柱状の空間として形成されている。
ユニット10は、初期火炎を発生させるため副燃焼室を備え、ユニット30は、デトネーション波を生成するための主燃焼室を備えている。また、ユニット20は、副燃焼室と主燃焼室とを隔てるための多孔隔壁を備えており、ユニット40は、溶射材料を供給する機構を備えている。さらに、ユニット50は、供給された溶射材料の粉体を加速・加熱して溶融させるための空間である溶射材料溶融室を備えており、ユニット60は、溶射材料の滞留時間を確保するための絞り機構を備えている。なお、上述した各ユニットは、ステンレススチール、ジュラルミン、チタン合金、ニッケル超合金などの耐熱性材料から形成することができる。
本実施形態の爆発溶射装置100は、環境的な負荷および安全性に鑑みて、燃料として水素を用い、酸化剤として酸素を用いる。酸素は、適宜、酸素ガス(O)、空気、オゾンなどの形態で供給することができる。爆発溶射装置100においては、ユニット10の副燃焼室に対して、水素および酸素が供給され、副燃焼室に供給されて混合されたガスは、パルス駆動される着火手段11によって着火されて、初期火炎を生成する。ユニット10で発生した初期火炎は、その後、ユニット20の図示しない多孔隔壁を経て、ユニット30の主燃焼室に導入され、ユニット30を通過する間にデトネーション波へと遷移する。ユニット40の溶射材料供給手段から窒素と共に供給される溶射材料の粉体(P)は、主燃焼室から伝播するデトネーション波のエネルギーによって加熱および加速され、ユニット50の溶射材料溶融室を通過する間に溶融する。溶融した溶射材料は、開口端から高速で放出され、基材80の表面に衝突して被膜90を形成する。
さらに、本実施形態の爆発溶射装置100は、安定した運転を実現するために、水冷機構を備える。この点につき、図2を参照して具体的に説明する。図2は、爆発溶射装置100の縦断面図を示す。なお、以下の説明において、縦断面とは、爆発溶射装置100の長手方向に沿った断面をいい、横断面とは、爆発溶射装置100の長手方向と直交する断面をいうものとする。
図2に示されるように、爆発溶射装置100の内部には円柱状の燃焼室101が形成されている。また、フランジ付きの管状部材であるユニット30、50、50は、いずれも二重管構造を備えており、その内部に円筒状の空洞を有する。一方、その他の各ユニット(ユニット10、20、40、60、70)には、ユニット30、50、50が有する円筒状の空洞に連通する貫通孔が形成されている。その結果、爆発溶射装置100の燃焼室101の外周には、ユニット10からユニット70までを連通する一連の空洞が形成され、この一連の空洞が冷却媒体の流路として機能する。本実施形態においては、冷却媒体について特に限定するものではないが、以下の説明においては、冷却媒体を水として説明する。すなわち、ユニット10の冷却水導入口12から導入された冷却水(W)は、ユニット20〜ユニット60の内部を流下した後、ユニット70の冷却水排出口71から排水される。以上、本実施形態の爆発溶射装置100の全体構造について概説してきたが、次に、爆発溶射装置100を構成する各ユニットの構造について、以下詳細に説明する。
図3は、本実施形態におけるユニット10およびユニット20を示す図である。図3(a)は、ユニット10およびユニット20の縦断面図を示す。なお、図3(a)においては、説明の便宜のため、併せてユニット30を破線で示している。また、図3(b)は、ユニット10のA−A線における横断面図を示し、図3(c)は、ユニット20のB−B線における横断面図を示す。
図3(a)に示されるように、ユニット10およびユニット20は、いずれも円形のフランジ状部材として構成されている。ユニット10には、燃料としての水素(H)を供給するための水素ガス供給口13、酸化剤としての酸素(O)を供給するための酸素ガス供給口14、および、掃気用ガスとしての窒素(N)を供給するための窒素ガス供給口15が形成されており、各ガス供給口から延びるガス流路は、内部に形成された略円柱状の副燃焼室16に連通している。
上記各ガス供給口は、ソレノイド式の噴射バルブとして構成されており、各噴射バルブは図示しない制御装置によってパルス駆動され、副燃焼室16に対して、間欠的にガスを供給するように構成されている。なお、本実施形態においては、図3(b)に示すように、副燃焼室16に対して、水素ガス供給口13および酸素ガス供給口14に連通する各ガス供給ポートは、その噴射方向を対向する形で形成されている。同様に、窒素ガス供給口15に連通する各ガス供給ポートも副燃焼室16に対してその噴射方向を対向する形で形成されている。
また、ユニット10には、着火手段11としてのスパークプラグがその電極を副燃焼室16内に臨むようにして挿設されており、着火手段11は、図示しない制御装置によってパルス制御され、間欠的に点火するように構成されている。なお、本発明における着火手段11は、スパークプラグに限定されるものではなく、レーザ照射による方式を採用することもできる。
さらに、ユニット10には、副燃焼室16の周囲にドーナツ状の空洞aが形成され、空洞aに連通する複数の冷却水流路17が形成されている。また、ユニット10には、冷却水を導入するための冷却水導入口12が形成されており、冷却水導入口12は、空洞aに連通している。
一方、ユニット20は、その中心部に隔壁21を備えており、隔壁21には、初期火炎を乱流化するための9つの貫通孔22が正方格子状に形成されている。なお、貫通孔22の数およびその配置は、図3に示す例に限定されるものではないが、本実施形態においては、閉塞率(貫通孔22の開口領域を含む隔壁21の表面積に対する貫通孔22の開口領域を除く隔壁21の表面積の比)を、0.7〜0.9とすることができ、0.75〜0.85とすることが好ましい。また、隔壁21の周囲に、複数の冷却水流路23が形成されている。ユニット20は、ユニット10とユニット30との間に配置され、ユニット10、20、および30は、図示しないボルトナット構造によってフランジ接続されており、その結果、ドーナツ状の空洞bおよび空洞cが形成されるように構成されている。
ユニット10、20、および30が、互いにフランジ接続されることによって、ユニット10の副燃焼室16とユニット30の主燃焼室31とは、隔壁21を介して隔てられるとともに、空洞bと空洞cは、冷却水流路23によって連通する。一方、ユニット30のフランジ35には、空洞cと円筒状の冷却水流路37を連通するための複数の冷却水流路32が形成されており、ユニット10の冷却水導入口12から導入された冷却水は、空洞a、冷却水流路17、空洞b、冷却水流路23、空洞c、および冷却水流路32を経て、ユニット30の冷却水流路37に導入される。
なお、本実施形態においては、ユニット20は、さらに、隔壁21を専用に冷却するための冷却手段を備えるが、この点については後に詳説する。以上、ユニット10およびユニット20について主に説明してきたが、次に、デトネーション波を生成するための主燃焼室を備えるユニット30について、以下説明する。
図4は、本実施形態におけるユニット30を示す。図4(a)は、ユニット30の縦断面図を示す。なお、図4(a)においては、ユニット30のフランジ部分の正面図、ならびに、C−C線における横断面図を併せて示している。図4(a)に示されるように、ユニット30は、二重管構造を備えるフランジ付きの管状部材として構成されている。具体的には、ユニット30は、主燃焼室を構成する内管33と、外管34と、2つのフランジ35,36とを備えており、外管34に内管33が挿入された状態で、各管の両端を、それぞれフランジ35,36に接合することによって形成されている。C−C線における横断面図が示すように、ユニット30には内管33の外壁と外管34の内壁によって、円筒状の空洞が形成されており、冷却水流路37として機能している。上述したように、ユニット10、20を経た冷却水は、冷却水流路37に流入して、ユニット30内を流下する。
一方、図4(b)は、主燃焼室31を構成する内管33を拡大し、その管壁の一部を切り欠いて管内を示した図である。図4(a)および(b)に示されるように、内管33の内壁面には、内管33の中心に向かって突出した突条38が一体的に形成されており、突条38は、内管33の内壁面に沿って長手方向に螺旋状に形成されている。本実施形態においては、突条38が内管33の内壁と一体化して形成されているため、連続的なパルスデトネーションに伴って内管33内で発生する熱を、突条38を介して冷却水流路37を流下する冷却水と効率よく熱交換することが可能となる。以上、本実施形態の爆発溶射装置100における、ユニット10、20、および30の構造について説明してきたが、次に、再び、図3および図4を参照して、本実施形態の爆発溶射装置100における、デトネーションの発生過程について、以下説明する。
本実施形態においては、まず、ユニット10の副燃焼室16に対して、着火手段11に同期してパルス駆動する水素ガス供給口13および酸素ガス供給口14から水素および酸素が対向噴射され、両者が混合される。本実施形態においては、水素と酸素は、その噴射が同時に終了するように制御され、当量比1.0で供給されることが好ましい。
一方、着火手段11は、水素および酸素の噴射終了時間と同時に点火するようにパルス駆動されており、着火手段11の点火によって水素−酸素混合ガスが着火し、初期火炎が生成される。さらに、着火手段11の点火タイミングに対して所定の遅延時間をもって窒素ガス供給口15,15がパルス駆動され、水素・酸素の次の噴射開始時間までの間、掃気用の窒素ガスが対向噴射されることによって、燃焼室内に残存する可燃ガスが燃焼室外に排気される。本実施形態においては、副燃焼室16に対して水素と酸素が対向噴射されるため、両者が短時間で均等に混合され、その結果、安定した初期火炎の生成が実現される。
副燃焼室16内で発生した初期火炎は、隔壁21に設けられた複数の貫通孔22を通って、ユニット30の主燃焼室31に導入される。この際、初期火炎は、複数の貫通孔22に対応した複数の乱流噴流となって主燃焼室31に放出される。複数の乱流噴流となって主燃焼室31に放出された初期火炎は、その後、主燃焼室31内を開放端に向って進行していく過程で、螺旋状に形成された突条38の存在によって複数の圧縮波を生成する。生成した圧縮波は、主燃焼室31(内管33)の中心側へと反射されることによって互いに増強し合い、衝撃波のエネルギーを高めながら伝搬していく過程で、爆燃状態から爆轟状態(デトネーション)に遷移する。
以上、説明したように、本実施形態の爆発溶射装置100においては、隔壁21に形成された複数の貫通孔22による初期火炎の乱流作用と、螺旋状に形成された突条38による圧縮波の生成・増強作用とが重層的に作用することによって、安定したパルスデトネーションが短いDDTLをもって達成される。このことは、水素燃料を使用する爆発溶射装置の長さを実用的なスケール(1000mm程度)に収めることを可能にする。以上、本実施形態の爆発溶射装置100における、デトネーションの発生過程について説明してきたが、次に、先に触れたユニット20が備える隔壁21の冷却機構について、図5を参照して詳細に説明する。
図5(a)は、ユニット20の縦断面図を示し、図5(b)は、ユニット20が備える隔壁21の冷却機構を正面から見た図を示す。図5(b)に示されるように、ユニット20の中心部には、ユニット10の副燃焼室16とユニット30の主燃焼室31とを隔てるための円盤状の隔壁21が形成されており、隔壁21には、9つの貫通孔22が設けられている。先に述べたように、副燃焼室16で生成した初期火炎は、隔壁21の貫通孔22を通って主燃焼室31に至るが、このとき、初期火炎の進行を遮るかたちで立設されている隔壁21には、運転中、常に高温の火炎が直撃するため、隔壁21は、熱的に過酷な環境下に長時間晒されることになる。この点に鑑み、本発明者らは、隔壁21に対して新規な冷却機構を設けた。
図5(b)に示されるように、ユニット20には2つの冷却水導入口24、25と2つの冷却水排出口26、27が設けられており、冷却水導入口24と冷却水排出口26とが4本の縦流路28によって連通し、冷却水導入口25と冷却水排出口27とが4本の横流路29によって連通している。ここで、縦流路28は、9つの貫通孔22の間を縦方向に縫って隔壁21を貫通するように形成され、横流路29は、9つの貫通孔22の間を横方向に縫って隔壁21を貫通するように形成されている。その結果、縦流路28と横流路29は、図5(b)に示すように、隔壁21内で井桁状に配置される。
本実施形態の爆発溶射装置100においては、運転中に、常時、冷却水導入口24および25から冷却水(W)が導入され、導入された冷却水(W)は、それぞれ、4本の縦流路28および横流路29を通って冷却水排出口26および27から排出される。本実施形態においては、縦流路28および横流路29は、それぞれ、9つの貫通孔22の間を縫って隔壁21を貫通しているため、隔壁21は、効率的、且つ、均等に冷却される。上述した冷却機構によれば、隔壁21の熱変形および熱破損が好適に回避され、爆発溶射装置100の安全な連続運転が保証される。以上、ユニット20が備える隔壁21の冷却機構について説明してきたが、次に、本実施形態の爆発溶射装置100における溶射材料供給機構を備えるユニット40について、以下説明する。
図6は、本実施形態におけるユニット40を示す図であり、図6(a)は、ユニット40の縦断面図を示し、図6(b)は、ユニット10のD−D線における横断面図を示す。なお、図6(a)においては、説明の便宜のため、併せてユニット30およびユニット50を破線で示している。
図6(a)に示されるように、ユニット40は、その中心部に円柱状の開口部41を備える円形のフランジ状部材として構成されている。ユニット40は、ユニット30とユニット50との間に配置され、図示しないボルトナット構造によってフランジ接続されており、ユニット30の主燃焼室31および後に詳説するユニット50の溶射材料溶融室51と同じ径を有する開口部41によって、主燃焼室31と溶射材料溶融室51とが連通している。
ユニット30、40、および50は、互いにフランジ接続されることによって、ドーナツ状の空洞dおよび空洞eが形成されるように構成されており、ユニット40には、空洞dと空洞eを連通するための複数の冷却水流路42が形成されている。一方、ユニット50のフランジ54には、空洞eと円筒状の冷却水流路56を連通するための複数の冷却水流路57が形成されており、ユニット30の冷却水流路37を流下した冷却水は、冷却水流路39、空洞d、冷却水流路42、空洞e、および冷却水流路57を経て、ユニット50の冷却水流路56に導入される。
さらに、ユニット40には、溶射材料の粉体(P)を供給するための溶射材料供給口43と、燃料としての水素を供給するための水素ガス供給口44と、酸化剤としての酸素を供給するための酸素ガス供給口49が形成されており、さらに開口部41の周囲を包囲するドーナツ状の空間として構成される溶射材料滞留室45が形成されている。溶射材料供給口43は、第1の溶射材料流路46を通して溶射材料滞留室45に連通し、水素ガス供給口44は、水素ガス流路47を通して溶射材料滞留室45に連通している。さらに、溶射材料滞留室45は、2本の第2の溶射材料流路48を通して開口部41に連通している。また、酸素ガス供給口49もガス流路を通して開口部41に連通している。
ユニット40においては、図示しないソレノイド式の噴射バルブによって構成される水素ガス供給口44および酸素ガス供給口49は、副燃焼室16の水素・酸素ガスの供給タイミングに同期するタイミングでパルス駆動され、水素ガスおよび酸素ガスが開口部41に供給される。水素と酸素は、その噴射が同時に終了するように制御され、当量比1.0で供給されることが好ましい。なお、本実施形態においては、水素ガスは、溶射材料滞留室45を経て開口部41に供給されるが、この点については、後に詳説する。
本実施形態の爆発溶射装置100において、ユニット10の副燃焼室16に加えて、ユニット40にも可燃ガスの供給ポートを設けたのは、以下の理由による。水素ガスは、アセチレンなどの炭化水素燃料に比べて反応性が低いため、同等の熱量を得るためには、1回のサイクルにつき、燃焼室全体の容積の数倍程度の可燃ガスを供給する必要がある。しかし、これを着火点近傍のポート一箇所から噴射するとなると一回の噴射時間が長くなり、溶射の運転周波数を上げることができない。この点に鑑み、本発明者らは、可燃ガスの供給ポートを2箇所以上に分散することによって、高周波運転に対応しうる短い噴射時間で必要十分な量の可燃ガスを供給する上記構成に想到したのである。
すなわち、本実施形態の爆発溶射装置100においては、まず、第1の供給ポート(ユニット10の水素ガス供給口13、酸素ガス供給口14)からデトネーションを生成するために必要十分な量の可燃ガスが供給され、第2の供給ポート(ユニット40の水素ガス供給口44、酸素ガス供給口49)から供給された溶射材料を加速し溶融するために必要十分な量の可燃ガスが供給される。
一方、ユニット40においては、溶射材料供給口43から溶射材料の粉体(P)が窒素ガス(N)と共に連続的に供給される。ユニット40においては、第1の溶射材料流路46の流路軸と第2の溶射材料流路48の流路軸とが一致しないように形成されているため、溶射材料流路46を窒素ガスと共に流下する粉体(P)は、溶射材料流路48に直接流入することなく、その多くは、溶射材料滞留室45に一旦滞留する。
本実施形態においては、溶射材料流路46の径(d1)は、水素ガス流路47の径(d2)の半分程度に小さく形成されているため、窒素ガスの流速が上がり、最小限の窒素ガスで粉体(P)を溶射材料滞留室45に供給することができる。なお、溶射材料流路46の径(d1)を、水素ガス流路47の径(d2)の半分程度とすることによって、爆発時の圧力変動が溶射材料供給口43に連通する図示しない溶射材料供給装置に対して与える影響を少なくすることもできる。
次に、本実施形態の爆発溶射装置100における溶射材料の供給機構について、図7を参照して、以下説明する。図7(a)〜(c)は、ユニット40の溶射材料供給機構の動作を時系列的に示す概念図である。なお、図7においては、説明の便宜のため、溶射材料供給機構のみを実線で抜き出して示している。図7(a)に示すように、本実施形態においては、溶射材料の粉体(P)が溶射材料供給口43から窒素ガスによって連続的に供給されており、粉体(P)は、溶射材料流路46を通って溶射材料滞留室45に流入した後、溶射材料滞留室45内に一旦滞留する。このとき、水素ガス供給口44は閉じている。
次に、副燃焼室16の水素・酸素ガスの供給タイミングに同期するタイミングで水素ガス供給口44が開き、溶射材料滞留室45の容積の10倍程度の水素ガスが水素ガス流路47を通って溶射材料滞留室45に供給される。その結果、図7(b)に示すように、溶射材料滞留室45に滞留していた溶射材料の粉体(P)は、水素ガスに撹拌されながら、水素ガスと共に溶射材料流路48を通って、瞬時に溶射材料溶融室51に放出される。その後、図7(c)に示すように、タイミング制御に従って再び水素ガス供給口44が閉じると、その間に、溶射材料供給口43から供給される溶射材料の粉体(P)が再び溶射材料滞留室45に流入する。
図7(a)〜(c)に示した過程がサイクル毎に繰り返されることによって、溶射材料の粉体(P)は、爆発のタイミングに同期して燃焼室に間欠的に供給されるため、爆発と爆発の間の時間に、燃焼室内から未溶融の粉体が溶射装置外部に漏れ出すことが防止される。また、上述した溶射材料供給機構においては、窒素は溶射材料を溶射材料滞留室45へ充填するために最小限の量が使用されるに過ぎず、溶射材料は、実質的には燃料である水素ガスによって燃焼室に放出されるため、燃焼の妨げになる窒素ガスの燃焼室内への流入が抑制されるとともに、溶射材料は、爆発炎中に効率良く導入される。その結果、爆発溶射装置100に供給された溶射材料を、高い比率で加速・溶融することができ、爆発溶射装置100の溶射効率は格段に向上する。
以上、ユニット40が備える溶射材料供給機構について説明してきたが、次に、ユニット40の下流側に接続され、溶射材料を加熱・加速するための空間を提供する、ユニット50について、以下説明する。
図8は、本実施形態におけるユニット50の縦断面図を示す。なお、図8においては、ユニット50の両端を正面から見た図、ならびに、E−E線における横断面図を併せて示している。図8に示されるように、ユニット50は、二重管構造を備えるフランジ付きの管状部材として構成されている。具体的には、ユニット50は、溶射材料を加速・加熱するための空間である溶射材料溶融室51を備える内管52と、外管53と、2つのフランジ54,55とを備えており、外管53に内管52が挿入された状態で、各管の両端が、それぞれフランジ54,55に接合されることによって形成されている。ユニット50には、E−E線における横断面図が示すように、内管52の外壁と外管53の内壁によって、円筒状の空洞が形成されており、冷却水流路56として機能している。上述したようにユニット40を経て、ユニット50に導入された冷却水は、冷却水流路56に流入して、ユニット50内を流下する。
すなわち、ユニット50は、先に説明したユニット30から螺旋状の突条38を取り去ったものと同等の構成を備えているが、ユニット50は、その長さがユニット30よりも短く構成されている。つまり、本実施形態においては、適切な数のユニット50を連結することによって、溶射材料溶融室51の全長をフレキシブルに変更することができ、溶射材料の溶融状況に応じて、溶射材料の滞留時間を調節することができる。以上、ユニット50について説明してきたが、次に、溶射材料の滞留時間を確保するための絞り機構を備えるユニット60について、以下説明する。
図9は、本実施形態におけるユニット60を示す図であり、図9(a)は、ユニット60の縦断面図を示し、図9(b)は、ユニット60を紙面右から見た正面図を示す。なお、図9(a)においては、説明の便宜のため、併せてユニット50,50を破線で示している。
図9に示されるように、ユニット60は、その中心部に収縮開口部61を備える円形のフランジ状部材として構成されている。ユニット60は、ユニット50とユニット50との間に配置され、図示しないボルトナット構造によってフランジ接続されており、収縮開口部61によって、主燃焼室31と溶射材料溶融室51とが連通している。
ユニット50、60、および50は、互いにフランジ接続されることによって、ドーナツ状の空洞fおよび空洞gが形成されるように構成されており、ユニット60には、空洞fと空洞gを連通するための複数の冷却水流路62が形成されている。一方、ユニット50のフランジ55には、空洞fと円筒状の冷却水流路56を連通するための複数の冷却水流路58が形成されており、ユニット50の冷却水流路56を流下した冷却水は、冷却水流路58、空洞f、冷却水流路62、空洞g、および冷却水流路57を経て、ユニット50の冷却水流路56に導入される。
一方、ユニット60の中心部に形成された収縮開口部61は、二つの円錐台が上面で連結した形状の空間として形成されており、それぞれの円錐台の底面がユニット50の溶射材料溶融室51と同じ径を有するように形成されている。すなわち、収縮開口部61は、その長手方向において、一部が絞られた形で形成されている。したがって、収縮開口部61を備えるユニット60を、2つのユニット50,50の間に挿入することによって、複数のユニット50が連結されてなる溶射材料溶融室51の横断面を長手方向において部分的に狭小化することができる。その結果、ユニット60の上流側の溶射材料溶融室51が高圧になり、溶射材料の滞留時間を長くすることができる。
以上、本発明の爆発溶射装置について、パイプ−フランジ構造を採用する実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、燃焼室(副燃焼室、主燃焼室、および溶射材料溶融室)を一体的に形成してもよい。その他、上述した実施形態の構成は、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
以下、本発明の爆発溶射装置について、実施例を用いてより具体的に説明を行なうが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。図1〜図9に示したユニットと同様のものを作製して、本実施例の爆発溶射装置を組立て、以下に示す条件下で動作実験を行なった。
(装置構成)
(1)ユニット20の隔壁21には、9箇所の孔(直径2.58mm)を形成して、閉塞率を0.85とし、スパークプラグの電極から26.5mmの位置に配置した。
(2)ユニット30の内管33(主燃焼室)は、内径20mm、長さ300mmとし、突条38(幅2mm、高さ2mm)を15mmのピッチで螺旋状に形成した。
(3)装置の全長を1020mmとした。
(4)ユニット30の内管33を、突条38のない直管とした装置を併せて作製し、これを比較例とした。
(運転条件)
(1)ユニット10のガス供給口から、酸素(0.4 MPa)および水素(0.21 MPa)を副燃焼室16に向けて対向噴射した(当量比1.0)。
(2)ユニット40のガス供給口から、酸素(1.15 MPa)および水素(0.6 MPa)対向噴射した(当量比1.0)。なお、酸素ガス供給口49および水素ガス供給口44は、スパークプラグの電極からそれぞれ390mmおよび370mmの位置に設けた。
(3)運転周波数を10Hzとし、一回当たりのガスの噴射時間を60msとした。また、着火遅延時間を0とし、窒素遅延時間を10msとした。
(4)運転中は、隔壁21および装置全体について冷却水を循環させた。なお、ガス噴射、着火などの実験装置の制御およびデータ計測、データ解析は、National Instruments社の計測・制御用ソフトウェアLabVIEWをベースに独自開発したオリジナルプログラムを使用して行った。
(デトネーション特性)
上記装置(実施例および比較例)に対し、スパークプラグの電極から410mmの位置、510mmの位置、610mmの位置に、それぞれ圧力センサーS1、S2、S3を設置して圧力測定を行なった。
図10は、実施例に設置した圧力センサー(S1〜S3)が測定した圧力波形を示す。実施例については、図10に示されるように、S1(スパークプラグの電極から410mmの位置)において、燃焼波と衝撃波が一体となって伝播する場合に見られる圧力波形の鋭い立ち上がり(ノイマンスパイク)が観測された。
この結果から、実施例の装置においては、火炎は、ユニット30の内管33(主燃焼室)を出た時点で、すでにデトネーションに遷移していたものと推察される。また、S2およびS3における圧力の立ち上がり時間とセンサー間距離(100mm)から推算した伝播速度は、複数回の試行に亘って、いずれも理論値(CJ速度=2841m/s)に近い値を示した。さらに、S1〜S3の波形から、実施例の装置においては、安定したデトネーションが生成されていることが推察される。
図11は、比較例に設置した圧力センサー(S1〜S3)が測定した圧力波形を示す。図11に示されるように、S1においては圧力波形に鋭い立ち上がりが見られず、また、S1〜S3の最高圧力にばらつきが見られた。また、S2およびS3における圧力の立ち上がり時間とセンサー間距離(100 mm)から推算した伝播速度は、実験毎に、理論値(CJ速度=2841m/s)を境に大きく上下に変動した。これらの結果から、比較例の装置においては、デトネーションの生成が不安定であると言える。
(水冷効果の検証)
実施例の装置の隔壁21について、冷却水を循環させずに連続運転したところ、約3分後に失火した。装置を分解して調べたところ、隔壁21が焼損していた。
(溶射実験)
実施例の装置および比較例の装置について、ユニット40の溶射材料供給口43からアルミナ粒子を供給し、装置の開放端から50mm先に固定したアルミ基板に対して溶射を行なった。この際、一般的な溶射の施工時間が3分〜5分程度であることに鑑みて、運転開始から3分経過後に、10秒間にわたって圧力波形を連続的に測定した。
図12は、運転開始から3分経過したときの圧力センサー(S2)が測定した圧力波形を示す。図12(a)は、実施例の圧力波形を示し、図12(b)は、比較例の圧力波形を示す。図12(a)に示されるように、実施例においては、圧力の立ち上がりが見られない状態(失火)がほとんどみられず、安定したデトネーション生成が達成されていることが示された。また、溶射被膜の断面を電子顕微鏡で観察することによって、気孔率1%以下(0.82%)の緻密な被膜が形成されていることがわかった。
一方、図12(b)に示されるように、比較例においては、圧力の立ち上がりが見られない部分が数多く観察され、10秒間のデータ収録時間の間にかなりの頻度で失火しているものと推察される。
以上の実験結果が示すように、本発明によれば、燃料として水素を使用した爆発溶射装置において、その長さを実用的なスケール(1000mm程度)に収めることができた。また、本発明によれば、運転周波数10Hzで安定したパルスデトネーションが実現され、セラミック材料(アルミナ)を用いて緻密性の高い高品質の溶射被膜を形成することに成功した。
本実施形態の爆発溶射装置の側面図。 本実施形態の爆発溶射装置の縦断面図。 本実施形態におけるユニット10およびユニット20を示す図。 本実施形態におけるユニット30を示す図。 本実施形態におけるユニット20を示す図。 本実施形態におけるユニット40を示す図。 本実施形態における溶射材料供給機構の動作過程を示す図。 本実施形態におけるユニット50を示す図。 本実施形態におけるユニット60を示す図。 実施例の装置における圧力波形を示す図。 比較例の装置における圧力波形を示す図。 実施例および比較例の装置における圧力波形を示す図。
符号の説明
10…ユニット、11…着火手段、12…冷却水導入口、13…水素ガス供給口、14…酸素ガス供給口、15…窒素ガス供給口、16…副燃焼室、17…冷却水流路、20…ユニット、21…隔壁、22…貫通孔、23…冷却水流路、24…冷却水導入口、25…冷却水導入口、26…冷却水排出口、27…冷却水排出口、28…縦流路、29…横流路、30…ユニット、31…主燃焼室、32…冷却水流路、33…内管、34…外管、35…フランジ、36…フランジ、37…冷却水流路、38…突条、39…冷却水流路、40…ユニット、41…開口部、42…流路、43…溶射材料供給口、44…水素ガス供給口、45…溶射材料滞留室、46…第1の溶射材料流路、47…水素ガス流路、48…第2の溶射材料流路、49…酸素ガス供給口、50…ユニット、51…溶射材料溶融室、52…内管、53…外管、54…フランジ、55…フランジ、56…冷却水流路、57…冷却水流路、58…流路、60…ユニット、61…収縮開口部、62…冷却水流路、70…ユニット、71…冷却水排出口、80…基材、90…被膜、100…爆発溶射装置、101…燃焼室

Claims (8)

  1. 燃焼室と、前記燃焼室の閉塞端に設けられパルス駆動する着火手段と、前記着火手段と同期して前記燃焼室に対して燃料および酸化剤を間欠的に供給するガス供給手段と、前記燃焼室に対して溶射材料を供給するための溶射材料供給手段と、前記燃焼室の外周に形成された冷却媒体流路とを備える爆発溶射装置であって、
    前記燃焼室は、
    前記着火手段を含む副燃焼室と、
    複数の貫通孔が形成され、冷却媒体流路を備える隔壁を介して、前記副燃焼室に対して隔てられ、内壁面に突条が螺旋状に形成された主燃焼室と、
    前記主燃焼室に後続し溶射材料を溶融するため空間を備える溶射材料溶融室とを含み、
    前記ガス供給手段は、燃料としての水素を供給するための第1および第2の水素噴射手段と、酸化剤としての酸素を供給するための第1および第2の酸素噴射手段とを含み、
    前記副燃焼室には、前記第1の水素噴射手段と前記第1の酸素噴射手段とが互いにその噴射方向を対向するように設けられ、
    前記主燃焼室と前記溶射材料溶融室との間には、前記第2の酸素噴射手段と前記溶射材料供給手段とが設けられており、
    前記溶射材料供給手段は、前記第2の水素噴射手段を含み、該第2の水素噴射手段が噴射する水素ガスと共に溶射材料が前記燃焼室に対して供給される、
    爆発溶射装置。
  2. 前記溶射材料供給手段は、前記溶射材料が一時的に滞留するための空間である溶射材料滞留室と、第1の溶射材料流路を通して前記溶射材料滞留室に対して前記溶射材料を供給する手段と、前記溶射材料滞留室と前記第2の水素噴射手段とを連通する水素ガス流路と、前記溶射材料滞留室と前記燃焼室とを連通する第2の溶射材料流路とを含み、前記第2の水素噴射手段が噴射する水素ガスと共に前記溶射材料が前記第2の溶射材料流路を通して前記燃焼室に対して供給される、請求項1に記載の爆発溶射装置。
  3. 前記溶射材料滞留室は、前記燃焼室の周囲を包囲するドーナツ状の空間として構成され、前記第1の溶射材料流路の軸と前記第2の溶射材料流路の軸とが一致しないように形成されている、請求項2に記載の爆発溶射装置。
  4. 前記第1の溶射材料流路の径が前記水素ガス流路の径よりも小さい、請求項2に記載の爆発溶射装置。
  5. 前記隔壁を冷却するための冷却媒体流路は、前記隔壁を鉛直方向に貫通する縦流路と、前記隔壁を水平方向に貫通する横流路として形成され、前記縦流路と前記横流路とが前記隔壁内に井桁状に配置される、請求項2に記載の爆発溶射装置。
  6. 前記溶射材料溶融室は、その横断面が部分的に狭小化した絞り部を備える、請求項2に記載の爆発溶射装置。
  7. 燃焼室と、前記燃焼室の閉塞端に設けられパルス駆動する着火手段と、前記着火手段と同期して前記燃焼室に対して燃料および酸化剤を間欠的に供給するガス供給手段と、前記燃焼室に対して溶射材料を供給するための溶射材料供給手段と、前記燃焼室の外周に形成された冷却媒体流路とを備える爆発溶射装置であって、
    前記燃焼室は、
    前記着火手段を含む副燃焼室と、
    前記副燃焼室に対して複数の貫通孔が形成された隔壁を介して隔てられ、その内壁面に突条が螺旋状に形成された主燃焼室と、
    複数の貫通孔が形成され、冷却媒体流路を備える隔壁を介して、前記副燃焼室に対して隔てられ、内壁面に突条が螺旋状に形成された主燃焼室と、
    前記主燃焼室に後続し溶射材料を溶融するため空間を備える溶射材料溶融室とを含んで構成され、
    前記隔壁は、該隔壁を縦方向に貫通する縦流路と横方向に貫通する横流路とが前記隔壁内に井桁状に配置される冷却媒体流路を備え、
    前記ガス供給手段は、燃料としての水素を供給するための第1および第2の水素噴射手段と、酸化剤としての酸素を供給するための第1および第2の酸素噴射手段とを含み、
    前記副燃焼室には前記第1の水素噴射手段と前記第1の酸素噴射手段とが互いにその噴射方向を対向するように設けられ、
    前記主燃焼室と前記溶射材料溶融室との間には、前記第2の酸素噴射手段と前記溶射材料供給手段とが設けられており、
    前記溶射材料供給手段は、前記第2の水素噴射手段と、前記溶射材料が一時的に滞留するために前記燃焼室の周囲を包囲するドーナツ状の空間として構成された溶射材料滞留室と、第1の溶射材料流路を通して前記溶射材料滞留室に対して前記溶射材料を供給する手段と、前記溶射材料滞留室と前記第2の水素噴射手段とを連通する水素ガス流路と、前記溶射材料滞留室と前記燃焼室とを連通する第2の溶射材料流路とを含み、前記第1の溶射材料流路の軸と前記第2の溶射材料流路の軸とが一致しないように形成され、前記第2の水素噴射手段が噴射する水素ガスと共に前記溶射材料が前記第2の溶射材料流路を通して前記燃焼室に対して供給される、
    爆発溶射装置。
  8. 閉塞端に着火手段を備える副燃焼室と、複数の貫通孔が形成された隔壁を介して前記副燃焼室に対して隔てられ、内壁面に突条が螺旋状に形成された主燃焼室と、前記主燃焼室に後続し溶射材料を溶融するため空間を備える溶射材料溶融室とを含む燃焼室を使用した溶射方法であって、
    前記着火手段をパルス駆動すると共に、該着火手段に同期して前記副燃焼室に対して燃料としての水素および酸化剤としての酸素を間欠的に対向噴射して初期火炎を生成するステップと、
    前記初期火炎を前記隔壁の前記複数の貫通孔を通過させて前記主燃焼室内に乱流噴流を放出するステップと、
    前記乱流噴流を前記主燃焼室内でデトネーションに遷移させるステップと、
    前記主燃焼室と前記溶射材料溶融室との間において、前記着火手段と同期して前記燃焼室に対し前記酸素を間欠的に噴射すると同時に、前記水素を溶射材料と共に間欠的に噴射するステップと、
    前記溶射材料溶融室内で前記溶射材料を前記デトネーションによって加速および加熱して前記燃焼室の開放端から高速で放出するステップとを含み、
    前記各ステップを前記燃焼室の外周および前記隔壁に形成された冷却媒体流路に冷却媒体を流下させながら実行する、溶射方法。
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