JP2007169703A - 溶射皮膜を有する部材、その部材を備えた回転機械、ならびに溶射皮膜形成方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】腐食環境、高温、繰り返し荷重において用いられる装置の部材として適し、靭性を有し耐食性、耐疲労性が高い溶射皮膜を有する部材と、その部材を備える回転機械と、その部材を製造する溶射皮膜形成方法および溶射皮膜形成装置を提供する。
【解決手段】溶射皮膜を有する部材を、溶射皮膜は、金属粉末と、加熱することにより気化する有機金属化合物を気化した後酸化して生成した金属酸化物(セラミックス)粉末とを、部材の表面に同時に溶射して形成したものとし、回転機械はその部材を備え、溶射皮膜形成方法、装置は、加熱することにより気化する有機金属化合物を気化した後酸化して金属酸化物粉末を生成し、金属粉末と金属酸化物粉末とを、部材の表面に同時に溶射するものとした。
【選択図】図2

Description

本発明は、腐食環境、繰り返し荷重に対して、耐食性、耐疲労性を向上させる溶射皮膜を有する部材に関し、また、その溶射皮膜を有する部材を備えた回転機械、ならびにその溶射皮膜を有する部材を製造する溶射皮膜形成方法および溶射皮膜形成装置に関する。
蒸気タービンや圧縮機等、気体によって駆動され、または気体を圧縮する回転機械は、ローター軸に設けられた動翼やインペラ等が流通する気体に接触し腐食作用を受け、あるいは繰り返し荷重による疲労を受けるため、そのような部材の表面には耐食性、耐疲労性を向上させる溶射皮膜が設けられる。
そのような回転機械の例として、蒸気タービン01は一般に、図7にその構造例説明図を示すような構造を有し、蒸気入口弁02、蒸気供給管03を介して供給される蒸気の蒸気圧力を、回転動力に変換するものである。回転動力は図示しない発電機に利用される。回転動力を取り出すためのローター軸04には複数のタービンディスク05が取り付けられ、タービンディスク05の外周には複数の動翼06が動翼列を成して設けられている。動翼列の間には複数のノズルベーンを備えるノズル仕切板07が配置され、ノズルベーンで整流された高温、高圧の蒸気が動翼06へ噴射されて動翼06がタービンディスク05とともに回転し、ローター軸04の回転として取り出される。
そのため、動翼06には大きな遠心加速度が加えられ高温にさらされる。また、動翼06等の蒸気流通部の表面は、作動流体である蒸気に含まれる塩素Cl、NaCl等の不純物の影響を受け、腐食作用を受けることになる。また、回転に伴う遠心力の他、蒸気との間の繰り返し荷重を受けるため、疲労荷重を受ける。回転機械としての圧縮機においても、同様に腐食作用と疲労荷重を受けることが多い。
それに対して、蒸気タービンの動翼や圧縮機のインペラ等の部材に、セラミックスやサーメットのコーティングを施すことが検討されている。
図8は、従来のプラズマ溶射法による溶射皮膜形成装置020の構成説明図である。図8に示すように溶射皮膜形成装置020はプラズマガスaが供給されるプラズマ溶射ガン021を備え、その陰極022から発するプラズマジェット023中に粉末投入部024からセラミックス粉末b、またはサーメット粉末cがAr等のキャリヤガスdによって供給される。供給された粉末b(c)はプラズマジェット023中で溶融されながら、溶融皮膜024を表面上に形成すべき部材025を基材025aとして基材025aの表面上に溶射され、溶射皮膜026を形成する。
この場合、セラミックスとは通常金属酸化物、例えばAlであるが、種々の金属の酸化物、窒化物、炭化物、珪化物等が用いられる。また、サーメットとは金属にセラミックスを分散させた焼結複合材料であるが、例えば、Ni合金やNiCr合金とセラミックスの金属の組み合わせである。なお、プラズマジェット023の温度は、2000℃以上の領域にまでできるので、セラミックス粉末単独でも溶射皮膜を形成できる。
図9は、従来の燃焼炎溶射法による溶射皮膜形成装置030の構成説明図である。図9に示すように溶射皮膜形成装置030は高速フレーム(flame)溶射ガン031を備え、空気、酸素等(O)eとケロシン等の燃料fが供給され燃焼を行う燃焼部032から燃焼炎033が放出されるバレル部034を備え、バレル部034中の燃焼炎033中に粉末投入部035からサーメット粉末cがAr等のキャリヤガスdによって供給される。供給された粉末cは、燃焼炎033中で溶融されながら、溶融皮膜035を表面上に形成すべき部材036を基材036aとして基材036aの表面上に溶射され、溶射皮膜035を形成する。図9中、037はスパークプラグ、038は冷却ジャケット、gは冷却水である。
なお、燃焼炎溶射法の場合、燃焼炎の温度がプラズマジェット023より比較的低いので、溶融した金属成分によってセラミックス成分を共に溶射皮膜形成できるサーメット粉末cの溶射に用いられることが多い。
しかしながら、以上のような従来の溶射皮膜形成装置、方法には次のような問題点があった。すなわち、セラミックス粉末の場合も、サーメット粉末の場合も、原料粉末は数10μm〜10μm程度まで微細化しなければならないが、その原料粉末製造コストが大きい。また、そのように微細化した場合でも、依然溶射皮膜としては粒子が大きいと言わざるを得ず、溶射皮膜中に気孔、割れが生じやすく、それら気孔や割れが耐食性、耐疲労性の性能に限界を生じるため、不十分なものであった。
それに対して、より微細なセラミックス粉末を得て溶射皮膜に用いることが検討されている。例えば、特開平5−9005号公報(特許文献1)には、熱プラズマ炎中に金属アルコキシド(アルコール類の水酸基−OHのHを金属Mで置換した化合物)の加水分解生成物を加えることにより、金属アルコキシド中の金属成分の超微粒子状の金属酸化物(セラミックス)を得つつ、生成された金属酸化物を基板上に溶射することが示されている。
しかしながら、同文献においては、一般的な用途向けに、金属アルコキシドの種類、金属、熱プラズマ炎中に加えるに際しての前処理等については種々考察が示されてはいるが、生成された溶射皮膜はセラミックスのみによる溶射皮膜である性質上、依然問題を有している。
すなわち、金属アルコキシドから生成した金属酸化物(セラミックス)粒子は、0.1μm以下のオーダーの微粒子であって、成膜したセラミックス溶射皮膜は非常に緻密になり得るが、薄膜状のセラミックスであるため靭性に欠け、脆い点が欠点であり、繰り返し荷重に対する耐疲労性に問題があり、特に上記のように腐食環境、高温、繰り返し荷重において用いられる部材の溶射皮膜としては充分とはいえなかった。
特開平5−9005号公報(明細書3、4頁)
本発明は、上記のような従来の溶射皮膜の問題点を解消し、蒸気タービン等の回転機械のような腐食環境、高温、繰り返し荷重において用いられる装置の部材として適し、靭性を有し耐食性、耐疲労性が高い溶射皮膜を有する部材と、そのような溶射皮膜を有する部材を備える回転機械と、その溶射皮膜を有する部材を製造する溶射皮膜形成方法および溶射皮膜形成装置を提供することを課題とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するためになされ、下記の(1)から(9)の手段を提供するものであり、以下、特許請求の範囲に記載の順に説明する。
(1)その第1の手段として、溶射皮膜を有する部材において、前記溶射皮膜は、金属粉末と、加熱することにより気化する有機金属化合物を気化した後酸化して生成した金属酸化物粉末とを、前記部材を基材としてその表面に同時に溶射して形成したものであることを特徴とする溶射皮膜を有する部材を提供する。
(2)第2の手段としては、第1の手段の溶射皮膜を有する部材を備えてなることを特徴とする回転機械を提供する。
(3)また、第3の手段として、第1の手段の溶射皮膜を有する部材を製造する溶射皮膜形成方法であって、加熱することにより気化する有機金属化合物を気化した後酸化して金属酸化物粉末を生成し、金属粉末と前記金属酸化物粉末とを、前記部材を基材としてその表面に同時に溶射することを特徴とする溶射皮膜形成方法を提供する。
(4)第4の手段として、第1の手段の溶射皮膜を有する部材を製造する溶射皮膜形成装置であって、溶射を行なうフレーム溶射ガンと、金属粉末を同フレーム溶射ガンに供給する金属粉末供給装置と、加熱することにより気化する有機金属化合物を気化した後酸化して金属酸化物粉末を生成し前記フレーム溶射ガンに供給するセラミックス粉末供給装置とを備えてなることを特徴とする溶射皮膜形成装置を提供する。
(5)第5の手段として、第4の手段の溶射皮膜形成装置において、前記金属粉末と金属酸化物粉末とを前記フレーム溶射ガンの上流側で軸方向において同位置で同フレーム溶射ガンに投入するように構成されてなることを特徴とする溶射皮膜形成装置を提供する。
(6)第6の手段として、第4の手段の溶射皮膜形成装置において、前記フレーム溶射ガンの軸方向において前記金属粉末より金属酸化物粉末を下流側位置で同フレーム溶射ガンに投入するように構成されてなることを特徴とする溶射皮膜形成装置を提供する。
(7)第7の手段として、第4の手段の溶射皮膜形成装置において、前記金属粉末と金属酸化物粉末とを予め混合した後前記フレーム溶射ガンに投入するように構成されてなることを特徴とする溶射皮膜形成装置を提供する。
(8)第8の手段として、第1の手段の溶射皮膜を有する部材を製造する溶射皮膜形成装置であって、溶射を行なうフレーム溶射ガンを備えるとともに、金属粉末を供給する金属粉末供給装置と、加熱することにより気化する有機金属化合物を気化し同有機金属化合物の気化ガスを供給する気化器と、前記金属粉末と前記気化ガスを混合後共に加熱して前記金属粉末の粒子の周囲に前記気化ガスを酸化して得られた金属酸化物粉末が付着した金属/セラミックス複合粉末を形成する加熱装置とを有し、同金属/セラミックス複合粉末を前記フレーム溶射ガンに供給する金属/セラミックス複合粉末供給装置を備えてなることを特徴とする溶射皮膜形成装置を提供する
(9)第9の手段として、第4、第5、第7ないし第8のいずれかの手段の溶射皮膜形成装置において、前記フレーム溶射ガンに代えてプラズマ溶射ガンを備えるとともに、前記各粉末を、フレーム溶射ガンに投入することに代えて前記プラズマ溶射ガンから発するプラズマジェットに投入することを特徴とする溶射皮膜形成装置を提供する。
(1)特許請求の範囲に記載の請求項1の発明によれば、溶射皮膜を上記第1の手段のように構成したので、溶射皮膜が単にセラミックス(金属酸化物)成分のみによらず、溶融セラミックス成分が溶融金属成分と混合されたサーメット状に形成されるため、セラミックスの欠点の脆さが解消し、靭性の高い溶射皮膜とすることができ繰り返し荷重に対する耐性が増大し、且つ、セラミックス成分が有機金属化合物の気化ガスから生成した極めて微細な粒子の粉末であるため燃焼炎溶射法でも良好に溶融すると共に気孔、割れ等の欠陥が生じ難い緻密な溶射皮膜を形成するものとなる。したがって、従来の課題であった耐食性と耐疲労性の高い溶射皮膜を有する部材が得られる。
従って例えば、溶射皮膜を有する部材として蒸気タービンの動翼に適用した場合は、蒸気タービンのように腐食環境、高温、繰り返し荷重において用いられる部材として適し、靭性を有し耐食性、耐疲労性が高い溶射皮膜を有する動翼となる。
(2)請求項2の発明によれば、回転機械を上記第2の手段のように構成したので、請求項1の発明の作用効果により、請求項1の溶射皮膜を有する部材を備えた蒸気タービン、圧縮機等の回転機械は、作動流体から厳しい腐食環境、高温、繰り返し荷重を受ける部材が、靭性を有し耐食性、耐疲労性が高い溶射皮膜を有するので、信頼性と保守性が向上し、回転機械としての運転の安定性、安全性、効率を向上させることができる。
(3)請求項3の発明によれば、溶射皮膜形成方法を上記第3の手段のように構成したので、溶射皮膜が単にセラミックス(金属酸化物)成分のみによらず、溶融セラミックス成分が溶融金属成分と混合されたサーメット状に形成されるため、セラミックスの欠点の脆さが解消し、靭性の高い溶射皮膜を形成することができ繰り返し荷重に対する耐性が増大し、且つ、セラミックス成分が金属アセチルアセトナトから生成した極めて微細な粒子の粉末であるため燃焼炎溶射法でも良好に溶融すると共に気孔、割れ等の欠陥が生じ難い緻密な溶射皮膜を形成することができる。したがって、従来の課題であった耐食性と耐疲労性の高い溶射皮膜を形成できる。
しかも、有機金属化合物からセラミックス(金属酸化物)粉末を生成するので、従来セラミックスの粉末化のために要した装置、工程が不要になり、一方、金属粉末は従来の粉末供給装置と同様のもので供給できるので、溶射皮膜形成のコストは大幅に低減できるものとなる。
(4)請求項4の発明によれば、溶射皮膜形成装置を上記第4の手段のように構成したので、形成する溶射皮膜が単にセラミックス(金属酸化物)成分のみによらず、溶融セラミックス成分が溶融金属成分と混合されたサーメット状に形成されるため、セラミックスの欠点の脆さが解消し、靭性の高い溶射皮膜とすることができ繰り返し荷重に対する耐性が増大し、且つ、セラミックス成分が有機金属化合物から生成した極めて微細な粒子の粉末であるためフレーム溶射ガンによる燃焼炎溶射法でも良好に溶融すると共に気孔、割れ等の欠陥が生じ難い緻密な溶射皮膜を形成するものとできる。したがって、従来の課題であった耐食性と耐疲労性の高い溶射皮膜を形成できる。
しかも、有機金属化合物からセラミックス(金属酸化物)粉末を生成するので、従来セラミックスの粉末化のために要した装置、工程が不要になり、一方、金属粉末供給装置は従来の粉末供給装置と同じであって、フレーム溶射ガンは従来のものと同様の構造であるので、溶射皮膜形成装置を構成するコストや、溶射皮膜を形成するコストは大幅に低減できるものとなる。
(5)請求項5の発明によれば、溶射皮膜形成装置を上記第5の手段のように構成したので、請求項4の発明の効果に加えて、超微粉状のセラミックス(金属酸化物)粉末と金属粉末が、高温のフレーム中で良好に溶融され且つ良好に混合されて放出され、基材(部材)上に緻密なサーメット状の溶射皮膜を形成することができる。
(6)請求項6の発明によれば、溶射皮膜形成装置を上記第6の手段のように構成したので、請求項4の発明の効果に加えて、溶融したセラミックス(金属酸化物)粉末がフレーム溶射ガンの先端周辺に付着することが低減し、溶射皮膜形成装置の運転効率が向上する他、セラミックス付着物が剥離して溶射皮膜上に吹き付けられて付着し、欠陥部を生じる恐れが低減する。
(7)請求項7の発明によれば、溶射皮膜形成装置を上記第7の手段のように構成したので、請求項4の発明の効果に加えて、金属粉末とセラミックス(金属酸化物)粉末とを事前に混合でき、混合状態が向上し、溶射皮膜での金属成分とセラミックス成分の分散状態が均一なサーメット皮膜が得られ、溶射皮膜の品質がより向上する。
(8)請求項8の発明によれば、溶射皮膜形成装置を上記第8の手段のように構成したので、形成する溶射皮膜が単にセラミックス(金属酸化物)成分のみによらず、溶融セラミックス成分が溶融金属成分と混合されたサーメット状に形成されるため、セラミックスの欠点の脆さが解消し、靭性の高い溶射皮膜とすることができ繰り返し荷重に対する耐性が増大し、且つ、セラミックス成分が有機金属化合物から生成した極めて微細な粒子の粉末であるためフレーム溶射ガンによる燃焼炎溶射法でも良好に溶融すると共に気孔、割れ等の欠陥が生じ難い緻密な溶射皮膜を形成するものとできる。したがって、従来の課題であった耐食性と耐疲労性の高い溶射皮膜を形成できる。
しかも、有機金属化合物からセラミックス(金属酸化物)粉末を生成するので、従来セラミックスの粉末化のために要した装置、工程が不要になり、一方、金属粉末供給装置は従来の粉末供給装置と同じであって、フレーム溶射ガンは従来のものと同様の構造であるので、溶射皮膜形成装置を構成するコストや、溶射皮膜を形成するコストは大幅に低減できるものとなる。
そして特に、金属/セラミックス複合粉末供給装置で金属粉末の粒子の周囲にセラミックス(金属酸化物)粉末が付着した金属/セラミックス複合粉末が形成され、フレーム溶射ガン中に投入されて溶射されるので、金属粉末とセラミックス粉末とを事前に均一に混合でき、混合状態がより向上し、溶射皮膜での金属成分とセラミックス成分の分散状態がより均一なサーメット皮膜が得られ、高品質の溶射皮膜が得られる。
(9)請求項9の発明によれば、溶射皮膜形成装置を上記第9の手段のように構成したので、請求項4、請求項5、請求項7ないし請求項8のいずれかの発明と同様の効果を奏するとともに、溶射熱源がプラズマジェットのため、フレーム溶射に比べ高温となり、金属粉末、セラミックス(金属酸化物)粉末がともに、より良く溶融し、溶射皮膜がさらに緻密化する。
本発明を実施するための最良の形態として実施例1から実施例6を説明する。
図1は本発明の実施例1に係る溶射皮膜を有する部材の説明図であり、溶射皮膜を有する部材の例として蒸気タービンの動翼の斜視図である。図1において、1は蒸気タービンの動翼であり、ブレード部1aとルート部1bとで構成され、例えば、前述の図7において説明した蒸気タービン01のタービンディスク05に、ルート部1bが嵌め込まれて取り付けられる。動翼1には前述のように大きな遠心加速度が加えられ高温にさらされ、作動流体である蒸気に含まれる塩素Cl、NaCl等の不純物の影響を受けて腐食作用を受け、特にルート部1bは回転に伴う遠心力の他、蒸気との間の繰り返し荷重を受けるため、疲労荷重を受ける。
そのため本実施例の蒸気タービンの動翼1のルート部1bには、後述の溶射皮膜形成装置による溶射皮膜形成方法によって非常に緻密なサーメット性の溶射皮膜2が施されており、その溶射皮膜2はその金属成分によって高い靭性を有し、作動流体である蒸気とブレード1aとの間の繰り返し荷重に対して耐疲労性が高く、且つ、そのセラミックス成分によって緻密な溶射皮膜組織を備えるため耐食性が高いものとなる。なお、溶射皮膜2を施すのは動翼1のルート部1bに限定することはなく、他の部位のも施してよいことは言うまでもないが、動翼1の支持部であるルート部1bにおいて特に効果的である。
従って本実施例の溶射皮膜2を有する部材としての蒸気タービンの動翼1は、蒸気タービンのように腐食環境、高温、繰り返し荷重において用いられる部材として適し、靭性を有し耐食性、耐疲労性が高い溶射皮膜2を有する動翼1となる。
また、本実施例の動翼1を備えた蒸気タービンは、作動流体としての蒸気から厳しい腐食環境、高温、繰り返し荷重を受ける部材である動翼1が、靭性を有し耐食性、耐疲労性が高い溶射皮膜2を有するので、信頼性と保守性が向上し、蒸気タービンとしての運転の安定性、安全性、効率を向上させることができる。
なお、本実施例の動翼1を備える蒸気タービンとしては、図7に示す蒸気タービン01のような形式、構造のものに限定されるものではなく、本実施例の溶射皮膜2を有する動翼1は、蒸気タービン一般に効果的に適用されるものである。
また、本実施例の溶射皮膜2を有する部材は、蒸気タービンの動翼1に限定されるものではなく、回転機械の腐食環境で繰り返し負荷等を受ける部位の部材一般に適用されて同様に有効に効果を奏するものとなる。
実施例1に示す溶射皮膜2を有する部材を製造する溶射皮膜形成方法および溶射皮膜形成装置につき、以下、実施例2から実施例6により説明する。
図2に基づき本発明の実施例2に係る溶射皮膜形成装置および溶射皮膜形成方法を説明する。図2は本実施例の溶射皮膜形成装置の構成説明図である。
本実施例の溶射皮膜形成装置10は、燃焼炎溶射法による溶射皮膜形成装置であり、高速フレーム(flame)溶射ガン11を備え、空気、酸素等(O)eとケロシン等の燃料fが供給され燃焼を行う燃焼部12から燃焼炎13が放出されるバレル部14を備え、バレル部14中の燃焼炎13中に、金属粉末投入部15の開口から金属粉末hがAr等のキャリヤガスiで供給される。金属粉末投入部15の上流側には金属粉末供給装置16が接続している。金属粉末供給装置16は、従来の粉末供給装置と同様のものでよい。
また、金属粉末投入部15とバレル部14の軸方向同位置にはセラミックス(金属酸化物)粉末投入部17が開口して設けられ、セラミックス粉末jがバレル部14中の燃焼炎13中に供給される。セラミックス粉末投入部17の上流側にはセラミックス粉末供給装置18が接続している。
セラミックス粉末供給装置18は、超微粒子状のセラミックス粉末jの原料となる有機金属化合物、例えば金属アセチルアセトナトkのペレットを気化する気化器19と、その下流に接続し酸素または窒素等のキャリヤガスmとともに気化器19から送出された金属アセチルアセトナトkを酸素と混合するミキサー20と、さらにその混合気体を加熱する加熱装置21とを有し、加熱装置21の下流にセラミックス粉末投入部17が接続している。なお、キャリアガスmが窒素の場合は、気化器19とミキサー20との間で図示しない酸素(または水蒸気)供給装置から酸化用の酸素(または水蒸気)oが供給される。
バレル部14の軸方向同位置で燃焼炎13中に供給された金属粉末hとセラミックス粉末jは、燃焼炎13中で溶融されながら、溶射皮膜2を表面上に形成すべき部材3(例えば、実施例1の動翼1のルート部1b)を基材3aとして、基材3aの表面上に溶射され、溶射皮膜2を形成する。図2中、22はスパークプラグ、23は冷却ジャケット、gは冷却水である。
セラミックス粉末jの原料となる金属アセチルアセトナトkは、化学式〔化1〕にその構造を示すような、2個の酸素で配位して金属イオンと平面6員キシレート環錯体を形成したものであり、式中のMは金属である。金属Mとしては特に制約はないが、アルミニウムAlによるアルミニウムアセチルアセトナト、チタンTiによるチタンアセチルアセトナト等が好ましい。また、金属粉末hの金属についても特に制約はないが、Ni−20wt%Cr合金、Ni−20wt%Al合金等が好ましい。
Figure 2007169703
以上の金属アセチルアセトナトkと金属粉末hとの好ましい組合せの例を、〔表1〕に示す。
Figure 2007169703
本実施例の溶射皮膜形成装置10によって、基材3a(溶射皮膜2を設けようとする部材3)は以下のように溶射皮膜2を施される。
図2に示すように空気、酸素等(O)eとケロシン等の燃料fが溶射皮膜形成装置10の高速フレーム溶射ガン11の燃焼部12に供給され、スパークプラグ22によって点火され燃焼を行うと、燃焼部12から高温(例えば2000℃程度まで)の燃焼炎13がバレル部14に放出される。
セラミックス粉末供給装置18においては、気化器19内において金属アセチルアセトナトkを200℃〜300℃程度に加熱して液化し、さらに気化させる。気化した金属アセチルアセトナトkの気化ガスはミキサー20に送られ、キャリヤガスmが酸素を含む場合はキャリヤガスm中の酸素と均一に混合し、加熱装置21に送られて加熱と酸化作用を受け、極めて微粒子状の、例えば粒子径0.1〜0.5μm程度の金属酸化物粉末、すなわちセラミックス粉末jが得られる。金属アセチルアセトナトkを構成していた水素、酸素成分は放出される。なお、キャリヤガスが窒素等であって酸化に充分な酸素を有しない時は、気化器19とミキサー21の間で酸化用の酸素(または水蒸気)oを供給する。
セラミックス粉末供給装置18で得られたセラミックス粉末jは、溶射皮膜2の原料として、バレル部14の上流側に開口するセラミックス粉末投入部17からバレル部14内の燃焼炎13中に投入する。
そして、本実施例においては、溶射皮膜2の原料としてセラミックス粉末jの他に金属粉末hを、燃焼炎13の略同位置に投入することに特徴がある。金属粉末hは、金属粉末供給装置16からキャリヤガスiによって送出し、バレル部14の上流側に開口する金属粉末投入部15から、バレル部14内の燃焼炎13中に投入する。金属粉末hの粒子径は例えば、20μm〜50μm程度である。
超微粉状(0.1〜0.5μm程度)のセラミックス粉末jと金属粉末hがバレル部14の上流側で軸方向略同位置において燃焼炎13中に投じられるので、燃焼部12から噴出した高温の燃焼炎13中で良好に溶融され且つ良好に混合されてバレル部14から放出され、バレル部14の放出方向に対向して溶射を施す面を向けて配置された基材3a(部材3)上に緻密なサーメット状の溶射皮膜2を形成する。また、基材3aを所定の速度で横移動させることで一定条件の溶射皮膜2を施すことができる。
本実施例の溶射皮膜形成装置10により上記のように部材3上に溶射皮膜2を形成すると、溶射皮膜2が単にセラミックス(金属酸化物)成分のみによらず、溶融セラミックス成分が溶融金属成分と混合されたサーメット状に形成されるため、セラミックスの欠点の脆さが解消し、靭性の高い溶射皮膜2とすることができ繰り返し荷重に対する耐性が増大し、且つ、セラミックス成分が金属アセチルアセトナトから生成した極めて微細な粒子の粉末であるため燃焼炎溶射法でも良好に溶融すると共に気孔、割れ等の欠陥が生じ難い緻密な溶射皮膜2を形成するものとなる。したがって、従来の課題であった耐食性と耐疲労性の高い溶射皮膜が得られる。
しかも、金属アセチルアセトナトkからセラミックス(金属酸化物)粉末jを生成するので、従来セラミックスの粉末化のために要した装置、工程が不要になり、一方、金属粉末供給装置16は従来の粉末供給装置と同じであって、高速フレーム溶射ガン11は粉末投入部を2箇所設けること以外基本的には従来のものと同様の構造であるので、溶射皮膜形成装置10を構成するコストや、溶射皮膜2を形成するコストは大幅に低減できるものとなる。
図3に基づき本発明の実施例3に係る溶射皮膜形成装置および溶射皮膜形成方法を説明する。図3は本実施例の溶射皮膜形成装置の構成説明図である。
本実施例の溶射皮膜形成装置30においては、金属粉末投入部15は実施例2と同様にバレル部14の上流側に開口して取り付けられているが、セラミックス粉末投入部17はバレル部14の下流側に開口して取り付けられている点に違いがあるほかは、前述の実施例2と同様に構成されており、以下異なる点を主に説明する。
本実施例の溶射皮膜形成装置30によれば、上記のようにセラミックス粉末投入部17はバレル部14の下流側に開口して取り付けられているので、溶融したセラミックス粉末jがバレル部14の先端周辺に付着することが低減し、溶射皮膜形成装置30の運転効率が向上する他、バレル部14先端周辺のセラミックス付着物が剥離して溶射皮膜2上に吹き付けられて付着し、欠陥部を生じる恐れが低減する。
そのほかの作用効果は、実施例2において記載した通りである。
図4に基づき本発明の実施例4に係る溶射皮膜形成装置および溶射皮膜形成方法を説明する。図4は本実施例の溶射皮膜形成装置の構成説明図である。
本実施例の溶射皮膜形成装置40は、金属粉末投入部15とセラミックス粉末投入部17とをそれぞれ直接バレル部14に開口して取り付けることなく、両者を合流した後、混合投入部41としてバレル部14に開口して取り付けている点に違いがあるほかは、前述の実施例2と同様に構成されており、以下異なる点を主に説明する。
本実施例の溶射皮膜形成装置40によれば、上記のように金属粉末投入部15とセラミックス粉末投入部17とが合流した後、混合投入部41としてバレル部14に開口して取り付けられているので、金属粉末hとセラミックス粉末jとを事前に混合でき、混合状態が向上し、溶射皮膜2での金属成分とセラミックス成分の分散状態が均一なサーメット皮膜が得られ、溶射皮膜の品質がより向上する。
そのほかの作用効果は、実施例2において記載した通りである。
図5に基づき本発明の実施例5に係る溶射皮膜形成装置および溶射皮膜形成方法を説明する。図5(a)は本実施例の溶射皮膜形成装置の構成説明図であり、(b)は本実施例で生成する金属/セラミックス複合粉末の説明図である。
本実施例の溶射皮膜形成装置50は、金属粉末hとセラミックス粉末jとをそれぞれ別に直接バレル部14に供給することなく、両者を事前に混合する点では、実施例1と異なり実施例4と同様だが、単に混合するのではなく事前に両者を金属/セラミックス複合粉末に形成した後、バレル部14に開口して取り付けられている金属/セラミックス複合粉末投入部51からバレル部14内へ供給するようになっている点が実施例4とも異なる。その他の点は前述の実施例2と同様に構成されており、以下異なる点を主に説明する。
本実施例の溶射皮膜形成装置50は、バレル部14に開口して取り付けられた金属/セラミックス複合粉末投入部51の上流側に金属/セラミックス複合粉末供給装置52が接続している。
金属/セラミックス複合粉末供給装置52は、実施例1と同様の気化器19と、金属粉末供給装置16を備え、気化器19からの金属アセチルアセトナトkのガスnとキャリヤガスmと、金属粉末供給装置16からの金属粉末hとキャリヤガスiを合流して、ミキサー53に送入し均一に混合したのち、加熱装置54で加熱、酸化を行い、図5(b)に示す金属/セラミックス複合粉末(金属/セラミックス複合粒子)pを生成する。キャリヤガスm、iが酸素を含まないか酸化に充分な酸素を含まない場合は、ミキサー53送入前で図示しない酸素(または水蒸気)供給装置から酸化用の酸素(または水蒸気)oが加えられる。
ミキサー53において金属粉末h周囲に金属アセチルアセトナトガスnが混合された状態で、加熱装置54において加熱、酸化が行なわれるので、図5(b)に示すように、金属粉末hの粒子の周囲に超微粉状(0.1〜0.5μm程度)の金属酸化物粒子(セラミックス粉末j)が付着した金属/セラミックス複合粉末pが生成される。金属/セラミックス複合粉末pの粒径は20〜50μm程度である。
そのため、バレル部14には金属/セラミックス複合粉末投入部51から、金属/セラミックス複合粉末pが燃焼炎13中に投入され、燃焼炎13中で溶融されつつ溶射され、基材3aの表面に溶射皮膜2を形成する。
本実施例の溶射皮膜形成装置50によれば、上記のように金属/セラミックス複合粉末供給装置52から金属粉末hの周囲にセラミックス粉末jが付着した金属/セラミックス複合粉末pが、金属/セラミックス複合粉末投入部51から燃焼炎13中に投入され溶射されるので、金属粉末hとセラミックス粉末jとを事前に均一に混合でき、混合状態がより向上し、溶射皮膜2での金属成分とセラミックス成分の分散状態がより均一なサーメット皮膜が得られ、高品質の溶射皮膜が得られる。
そのほかの作用効果は、実施例2において記載した通りである。
図6に基づき本発明の実施例6に係る溶射皮膜形成装置および溶射皮膜形成方法を説明する。図6(a)は本実施例の溶射皮膜形成装置の構成説明図であり、(b)は本実施例で生成する金属/セラミックス複合粉末の説明図である。
本実施例の溶射皮膜形成装置60は、高速フレーム溶射ガン11を用いる代わりに、プラズマ溶射ガン61を用いる点が実施例5と異なる他は、実施例5と同様に構成されており、以下実施例5と異なる点を主に説明する。なお、プラズマ溶射ガン61自体は従来から用いられているものと同様のものでもよい。
図6に示すように本実施例の溶射皮膜形成装置60はプラズマガスaが供給されるプラズマ溶射ガン61を備え、その陰極62から発するプラズマジェット63中に金属/セラミックス複合粉末投入部51から金属/セラミックス複合粉末pがキャリヤガスi、mによって供給される。金属/セラミックス複合粉末投入部51の上流側は実施例5と同様の
金属/セラミックス複合粉末供給装置52が接続している。
プラズマジェット63の温度は、2000℃以上の領域にまでできるので、プラズマジェット63中に投入された金属/セラミックス複合粉末pはプラズマジェット63中で完全に溶融されながら、溶融皮膜2を表面上に形成すべき部材3を基材3aとして基材3aの表面上に溶射され、溶射皮膜2を形成する。
本実施例の溶射皮膜形成装置60によれば、上記のように金属/セラミックス複合粉末供給装置52から金属粉末hの粒子の周囲にセラミックス粉末jが付着した金属/セラミックス複合粉末pが、金属/セラミックス複合粉末投入部51からプラズマジェット63中に投入され溶射されるので、金属粉末hとセラミックス粉末jとを事前に均一に混合でき、混合状態がより向上し、溶射皮膜2での金属成分とセラミックス成分の分散状態がより均一なサーメット皮膜が得られ、高品質の溶射皮膜が得られる。
そのほかの作用効果は、実施例5において記載した通りであるが、熱源がプラズマジェット63のため、高速フレーム溶射に比べ高温となり、金属/セラミックス複合粉末pがより良く溶融し、溶射皮膜2がさらに緻密化する。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造、構成に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
例えば、実施例2と実施例4の溶射皮膜形成装置は高速フレーム溶射ガン11を用いたものを示したが、高速フレーム溶射ガン11に代えて実施例6のようなプラズマ溶射ガン61を用いて、プラズマ溶射ガン61から発するプラズマジェット63中に金属粉末h、セラミックス粉末jを同様に供給してもよい。
また、実施例1は溶射皮膜を有する部材として、蒸気タービンの動翼1を示したが、本発明の溶射皮膜を有する部材は、蒸気タービンの動翼1に限定されるものではなく、回転機械等の、腐食環境で繰り返し負荷等を受ける部位の部材一般に適用されて同様に有効に効果を奏するものとなる。
また、本発明でセラミックス粉末jの原料として用いる有機金属化合物として上記実施例では金属アセチルアセトナトkを示したが、それに限定されるものではなく、金属アルコキシド等、常温で固体で200℃〜300℃程度の加熱によって気化する有機金属化合物であれば広く用いることができる。
本発明の実施例1に係る溶射皮膜を有する部材である蒸気タービンの動翼の斜視図である。 本発明の実施例2に係る溶射皮膜形成装置の構成説明図である。 本発明の実施例3に係る溶射皮膜形成装置の構成説明図である。 本発明の実施例4に係る溶射皮膜形成装置の構成説明図である。 (a)は本発明の実施例5に係る溶射皮膜形成装置の構成説明図であり、(b)は本実施例で生成する金属/セラミックス複合粉末の説明図である。 (a)は本発明の実施例6に係る溶射皮膜形成装置の構成説明図であり、(b)は本実施例で生成する金属/セラミックス複合粉末の説明図である。 蒸気タービンの一般的な構造例説明図である。 従来のプラズマ溶射法による溶射皮膜形成装置の構成説明図である。 従来の燃焼炎溶射法による溶射皮膜形成装置の構成説明図である。
符号の説明
1 動翼
1a ブレード部
1b ルート部
2 溶射皮膜
3 部材
3a 基材
10 溶射皮膜形成装置
11 高速フレーム溶射ガン
12 燃焼部
13 燃焼炎
14 バレル部
15 金属粉末投入部
16 金属粉末供給装置
17 セラミックス粉末投入部
18 セラミックス粉末供給装置
19 気化器
20 ミキサー
21 加熱装置
22 スパークプラグ
23 冷却ジャケット
30 溶射皮膜形成装置
40 溶射皮膜形成装置
41 混合投入部
50 溶射皮膜形成装置
51 金属/セラミックス複合粉末投入部
52 金属/セラミックス複合粉末供給装置
53 ミキサー
54 加熱装置
60 溶射皮膜形成装置
61 プラズマ溶射ガン
62 陰極
63 プラズマジェット

Claims (9)

  1. 溶射皮膜を有する部材において、前記溶射皮膜は、金属粉末と、加熱することにより気化する有機金属化合物を気化した後酸化して生成した金属酸化物粉末とを、前記部材を基材としてその表面に同時に溶射して形成したものであることを特徴とする溶射皮膜を有する部材。
  2. 請求項1に記載の溶射皮膜を有する部材を備えてなることを特徴とする回転機械。
  3. 請求項1に記載の溶射皮膜を有する部材を製造する溶射皮膜形成方法であって、加熱することにより気化する有機金属化合物を気化した後酸化して金属酸化物粉末を生成し、金属粉末と前記金属酸化物粉末とを、前記部材を基材としてその表面に同時に溶射することを特徴とする溶射皮膜形成方法。
  4. 請求項1に記載の溶射皮膜を有する部材を製造する溶射皮膜形成装置であって、溶射を行なうフレーム溶射ガンと、金属粉末を同フレーム溶射ガンに供給する金属粉末供給装置と、加熱することにより気化する有機金属化合物を気化した後酸化して金属酸化物粉末を生成し前記フレーム溶射ガンに供給するセラミックス粉末供給装置とを備えてなることを特徴とする溶射皮膜形成装置。
  5. 請求項4に記載の溶射皮膜形成装置において、前記金属粉末と金属酸化物粉末とを前記フレーム溶射ガンの上流側で軸方向において同位置で同フレーム溶射ガンに投入するように構成されてなることを特徴とする溶射皮膜形成装置。
  6. 請求項4に記載の溶射皮膜形成装置において、前記フレーム溶射ガンの軸方向において前記金属粉末より金属酸化物粉末を下流側位置で同フレーム溶射ガンに投入するように構成されてなることを特徴とする溶射皮膜形成装置。
  7. 請求項4に記載の溶射皮膜形成装置において、前記金属粉末と金属酸化物粉末とを予め混合した後前記フレーム溶射ガンに投入するように構成されてなることを特徴とする溶射皮膜形成装置。
  8. 請求項1に記載の溶射皮膜を有する部材を製造する溶射皮膜形成装置であって、溶射を行なうフレーム溶射ガンを備えるとともに、金属粉末を供給する金属粉末供給装置と、加熱することにより気化する有機金属化合物を気化し同有機金属化合物の気化ガスを供給する気化器と、前記金属粉末と前記気化ガスを混合後共に加熱して前記金属粉末の粒子の周囲に前記気化ガスを酸化して得られた金属酸化物粉末が付着した金属/セラミックス複合粉末を形成する加熱装置とを有し、同金属/セラミックス複合粉末を前記フレーム溶射ガンに供給する金属/セラミックス複合粉末供給装置を備えてなることを特徴とする溶射皮膜形成装置
  9. 請求項4、請求項5、請求項7ないし請求項8のいずれかに記載の溶射皮膜形成装置において、前記フレーム溶射ガンに代えてプラズマ溶射ガンを備えるとともに、前記各粉末を、フレーム溶射ガンに投入することに代えて前記プラズマ溶射ガンから発するプラズマジェットに投入することを特徴とする溶射皮膜形成装置。
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