JP2008272622A - 溶射装置 - Google Patents

溶射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008272622A
JP2008272622A JP2007116713A JP2007116713A JP2008272622A JP 2008272622 A JP2008272622 A JP 2008272622A JP 2007116713 A JP2007116713 A JP 2007116713A JP 2007116713 A JP2007116713 A JP 2007116713A JP 2008272622 A JP2008272622 A JP 2008272622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal spraying
detonation
turbulent flow
spraying apparatus
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007116713A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Hayashi
光一 林
Hiroyuki Sato
博之 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tama TLO Co Ltd
Original Assignee
Tama TLO Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tama TLO Co Ltd filed Critical Tama TLO Co Ltd
Priority to JP2007116713A priority Critical patent/JP2008272622A/ja
Publication of JP2008272622A publication Critical patent/JP2008272622A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B7/00Spraying apparatus for discharge of liquids or other fluent materials from two or more sources, e.g. of liquid and air, of powder and gas
    • B05B7/16Spraying apparatus for discharge of liquids or other fluent materials from two or more sources, e.g. of liquid and air, of powder and gas incorporating means for heating or cooling the material to be sprayed
    • B05B7/20Spraying apparatus for discharge of liquids or other fluent materials from two or more sources, e.g. of liquid and air, of powder and gas incorporating means for heating or cooling the material to be sprayed by flame or combustion
    • B05B7/208Spraying apparatus for discharge of liquids or other fluent materials from two or more sources, e.g. of liquid and air, of powder and gas incorporating means for heating or cooling the material to be sprayed by flame or combustion the material to be sprayed being heated in a container

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Nozzles (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、水素燃料を用いて安定した爆発溶射を行うことのできる溶射装置を提供することを目的とする。
【解決手段】溶射装置のデトネーション管の内壁面に対し乱流形成構造体を一体的に形成する。この乱流形成構造体が乱流を効率的に形成させるため、従来多く用いられてきたアセチレンなどに比べて反応性の低い水素を燃料として用いた場合であっても、DDTおよびDDLの短縮化が実現される。よって、本発明の溶射装置は、そのサイズについて大型化することなく水素燃料仕様で運転することが可能となる。さらに、この乱流形成構造体は、デトネーション管の内壁と熱的に一体化された構造体として形成されるため、連続的なパルスデトネーションに伴ってデトネーション管内で発生する熱が当該突起を介して好適に外部に放熱され、ひいては安定的な爆発溶射が担保される。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶射装置に関し、より詳細には、水素燃料を用いる溶射装置に関する。
爆発溶射法は、1955年にユニオンカーバイド社のR.W.Poorman,H.B.SargentおよびH.Lampreyによって発明され、以来、最も優れた溶射法の一つとして今日まで多くの分野で適用されている。ここで、爆発溶射法における溶射プロセスの概要を説明すると、まず、一方の端部が閉じ他方の端部が開放している管状の爆発チャンバー内に、燃料ガス、酸化剤および粉末状の溶射材料の混合物が供給される。次に、この混合物がスパークプラグによって点火されて爆発し、爆発チャンバー内にデトネーション波が形成される。デトネーション波先端の通過後に爆発チャンバー内に満たされた反応生成ガスの急激な膨張によって、溶射材料粒子が加熱および加速され開放端部から放出され、放出された溶融状態の溶射材料粒子が基板表面に衝突して広がり密着することによって被膜が形成される。
ここで、従来の爆発溶射法においては、アセチレンなどの炭化水素燃料を使用するのが通例であった。しかしながら、アセチレンなどの炭化水素燃料を使用すると、形成される被膜に不純物としての炭素が混入してしまうという問題に加え、アセチレンなどの炭化水素燃料の極めて高い反応性は、溶射装置の取り扱いにおいて大きなリスクとなっていた。そこで、爆発溶射法において、アセチレンに比較して反応性が低い水素を燃料として用いることも検討されたが、アセチレンに較べて反応性が低い水素を燃料として用いた場合、デトネーションが生成されるために必要な時間(Deflagration to Detonation Time)およびその距離(Deflagration to Detonation Length)がアセチレンを燃料として用いた場合のそれに比べて長くなるため、特表2003−512172号公報(特許文献1)に開示されているような単純な管形状のデトネーション管を採用する場合、そのデトネーション管部分を長く設計せざるを得ず、溶射装置の大型化が避けられないため現実的ではなかった。
特表2003−512172号公報
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、水素燃料を用いて安定した爆発溶射を行うことのできる溶射装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、水素燃料を用いて安定した爆発溶射を行うことのできる溶射装置につき鋭意検討した結果、デトネーション管の内壁面に対し乱流形成構造体を一体的に形成することにより、水素燃料を用いた場合の爆発溶射におけるDeflagration to Detonation Time(以下、DDTとして参照する)およびDeflagration to Detonation Length(以下、DDLとして参照する)を好適に短縮することができることを見出し、本発明に至ったのである。すなわち、本発明では、デトネーション管の内壁に沿って延びた突起を設けることによって乱流を効率的に形成させ、もって、DDTおよびDDLの短縮化が実現されるため、従来の溶射装置を、そのサイズについて大型化することなく水素燃料仕様に転換することが可能となる。さらに、この突起は、デトネーション管の内壁と熱的に一体化された構造体として形成されるため、連続的なパルスデトネーションに伴ってデトネーション管内で発生する熱を、当該突起を介して好適に外部に放熱することが可能となり、ひいては安定的な爆発溶射が担保される。
すなわち、本発明によれば、燃焼室であって、該燃焼室の内側面に一体的に乱流形成構造体が形成された燃焼室を備えるデトネーション管と、前記デトネーション管に燃料および酸化剤を供給する手段と、供給された前記燃料および酸化剤の混合気に着火するための着火手段と、溶射材料を供給するための溶射材料供給部とを備える溶射装置が提供される。本発明においては、前記乱流形成構造体は、前記内側面に形成された突条または突起とすることができ、前記乱流形成構造体は、前記内側面に沿って螺旋状に延びた突条とすることができる。
また、本発明においては、前記燃焼室には、前記着火手段の点火位置側に、複数の開口部を備える隔壁をさらに設けることができる。前記開口部の開口領域の単位面積を0.25π〜25πmmとすることができ、前記隔壁の空隙率を1〜65%とすることができる。
また、本発明においては、前記酸化剤を、酸素または空気を含むものとすることができ、また、前記着火手段を、パルス駆動することができる。さらに、本発明においては、前記燃料を、水素ガスを含むものとすることができる。
上述したように、本発明によれば、水素燃料を用いて安定した爆発溶射を行うことのできる溶射装置が提供される。
以下、本発明を図面に示した実施の形態をもって説明するが、本発明は、図面に示した実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の溶射装置を示した断面図である。本発明の第1の実施形態である溶射装置10は、ステンレススチール、ジュラルミン、チタン合金、ニッケル超合金などの耐熱性材料から形成されたデトネーション管12と、デトネーション管12の内部に燃料を供給するための燃料供給機構13と、燃焼のための酸化剤を導入するための酸化剤供給機構14とを含むデトネーション生成部を備える。さらに、本実施形態の溶射装置10は、デトネーション管12に連続して設けられる管状のバレル15と、バレル15の内部に溶射材料を供給するための溶射材料供給機構16とを含む溶射材料供給部を備えて構成される。デトネーション管12は、その内部に概ね円柱状の燃焼室17が形成されており、燃焼室17を形成する壁の内壁面には、乱流形成構造体18が内壁と一体的に形成されている。さらにデトネーション管12の閉塞端部の中心付近には、燃料−酸化物混合気を点火するためのイグナイタ19が配設されている。また、閉塞端部に対向する側の端部は開放され溶射材料供給部のバレル15に接続されており、デトネーション生成部で発生した衝撃波は、デトネーション管12からバレル15に導入される。溶射材料供給部においては、溶射材料供給機構16から供給された溶射材料が、伝播する衝撃波のエネルギーによって加熱および加速され、バレル15の開放端部から放出される。
イグナイタ19は、スパークギャップを使用して着火を行う方式、プラズマを発生させて着火する方式、レーザを照射して着火する方式など、デトネーションを発生させるための初期火炎を生成させることができる限り、いかなる方式のイグナイタ19でも用いることができ、イグナイタ19は、パルス駆動することが可能とされている。また、本発明の燃料供給機構13および酸化剤供給機構14としては、ソレノイド式の噴射バルブを使用することができる。
本発明の溶射装置は、燃料として水素ガス(H)を用いる。また、本発明においては酸化剤として、酸素ガス(O)、空気、オゾンなどを適宜用いることができる。本発明の溶射装置は、燃料として、従来の爆発溶射において多く用いられてきたアセチレンなどの炭化水素燃料よりも反応性の低い水素ガス(H)を用いるため、誤爆などの際のリスクが低減され、また、溶射被膜に不純物としての炭素が混入することがなく、さらに、反応系の生成物が水(HO)であるため、二酸化炭素を発生する従来の溶射装置に比べて環境的な負荷が少ないという利点を有する。
図2は、本発明の溶射装置10のデトネーション生成部の構造を、デトネーション管12の一部を切り欠いて示した斜視図である。なお、図2においては、図1に示した要素と共通するものについては同じ符号を用い、適宜その説明を省略するものとする(以下、図3および図4においても同様)。図2に示したデトネーション管12は、円筒管として形成されており、壁と、閉塞端20とにより画成される領域が燃焼室17を形成する。デトネーション管12の内側面22には、乱流形成構造体18が形成されている。図2に示した乱流形成構造体18は、内側面22から、デトネーション管の中心に向かって突出した突条とされており、この突条は、内側面22に沿って長手軸Aの方向に螺旋状に延ばされている。イグナイタ19により着火され生成された火炎は、閉塞端20から開放端24へと進行して行き、その間に乱流形成構造体18により生成した圧縮波は、デトネーション管の中心側へと反射され、デトネーションの生成が促進される。
図2に示した乱流形成構造体18は、連続した突条とされているが、本発明では、突条の他、突条をその延長方向に分離した突起として形成することもできる。この場合、突起は、螺旋の進行方向に沿って配置されることになる。本発明では、乱流形成構造体18を突起として形成させる場合には、必ずしも螺旋条に配置することは必要ではなく、例えばデトネーション管12の長手軸Aに直交する円周方向に沿って突起を形成させ、突起を長手軸Aの方向に沿って等間隔または不均一間隔で配置することもできるし、千鳥状に配置することもでき、その他いかなる形状にすることもできる。
図3は、本発明におけるデトネーション管12の一部を拡大して示した断面図である。図3に示すデトネーション管12の内側面22から突出する乱流形成構造体18は、内面に沿って螺旋状に形成された突条26を形成する。突条26として形成される乱流形成構造体18は、デトネーション管12の内壁と一体的に形成することが好ましい。すなわち、本発明における乱流形成構造体18をデトネーション管12の内壁と熱的に一体化して形成することによって、連続的なパルスデトネーションに伴ってデトネーション管12内で発生する熱を、突条26を介して好適にデトネーション管12の外部に放熱することが可能となる。本発明の溶射装置を長時間作動した場合、突条26は、大きな熱に長時間晒されることになる。仮に突条26とデトネーション管12の内壁とが熱的に断絶している状態、あるいはそれに近い状態であった場合、突条26自身が熱的影響を受けて変形、破損するという事態が発生する。しかしながら、本発明においては、突条26はその熱を逐次デトネーション管12の外部に放出することができるため、突条26自身が熱的影響を受けて変形、破損するという事態が回避され、安定したデトネーション波の形成が維持される。
なお、本発明においては、デトネーション管12の外部に追加の冷却機構を設けることによって、突条26からの放熱をさらに促進することが好ましい。冷却機構は、空気や水、その他の冷却媒体を突条26と熱的に接続する機構であればよく、当業者であれば適宜設計することができるであろう。
本発明における乱流形成構造体18の突条26の寸法は、本発明の特定の実施の形態では、内側面22から見た高さhが、デトネーション管内径の約10%とされている。さらに、突条26の厚さtは、デトネーション管の各端部の間の長さの約0.5%〜1%とされている。本発明では、突条26の寸法には、適切なデトネーションを形成させることができる限り、特に限定されるものではないが、内側面22から測った高さhは、デトネーション管の内径の5%〜50%とすることができ、より好ましくは、7.5%〜50%とすることができる。また、突条26の厚さtは、デトネーション管の各端部の間の長さの0.5%以上であれば、適切な強度を与える限り特に限定されるものではない。
さらに、本発明における乱流形成構造体は、螺旋状に配置される場合、あるいは、長手軸Aに直交する円周に沿って配置される場合のいずれにおいても、突条または突起の配置されるピッチは、DDTおよびDDLを適切な値に保持することができる限り、特に限定されない。以上、本発明の溶射装置について図1〜3に示した第1の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の溶射装置は、DDTおよびDDLをさらに短縮するために追加の構成を含んで構成することができる。以下、図4および図5に示す第2の実施形態を参照して本発明の別の構成について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態である溶射装置30について、そのデトネーション生成部のみを示した断面図である。本実施形態におけるデトネーション生成部は、第1の実施形態について上述したのと同様に、その燃焼室17を形成する壁の内壁面に乱流形成構造体18が内壁と一体的に形成されており、さらに、DDTおよびDDLを短縮するための追加の構成を含んでいる。すなわち、本実施形態の溶射装置30においては、燃焼室17内のイグナイタ19の近傍に隔壁32が設けられることによって、燃焼室17内に初期火炎が生成される副室としての領域Sが形成される。なお、本実施形態においては、イグナイタ19から隔壁32までの離間距離Lを最適化することができる。
図5は、本実施形態の燃焼室17内に設けられる隔壁32を示す図である。本実施形態においては、隔壁32をデトネーション管12と同様にステンレススチール、ジュラルミン、チタン合金、ニッケル超合金などの耐熱性材料から形成することが好ましい。図5に示されるように、隔壁32の表面には多くの孔34が設けられており、隔壁32は、孔34を介して上述した領域Sと燃焼室17の開放端側の領域とが連通するように溶射装置30の燃焼室17内に固設される。なお、本実施形態においては、上述した隔壁32に加えて、燃焼室17の開放端側にさらに同様の隔壁を追加して設けることもできる。
本実施形態の溶射装置30においては、燃焼室17内のイグナイタ19の近傍に、隔壁32を設けることによって、DDTおよびDDLがさらに好適に短縮化する。この理由については定かではないが、おそらく、領域Sにおいて形成された初期火炎が、隔壁32に設けられた複数の孔34を通過して燃焼室17内に放出される際、孔34に対応した複数の乱流が生じることによって、ジェット着火を経て爆燃(Deflagration)およびそれに続く爆轟状態(Detonation)への遷移が促進されるものと考えられる。
なお、本発明においては、隔壁32における孔34の大きさ、および隔壁32の空隙率について最適化することができる。なお、本発明において、空隙率とは、下記式1によって示される式によって求められるものとする。
Figure 2008272622
本発明において、孔34が円形である場合には、その直径を、1〜10mmとすることができ、より好ましくは、1〜4mmとすることができる。換言すれば、本発明において、孔34によって隔壁32に形成される円形の開口領域の単位面積を、0.25π〜25πmmとすることができ、より好ましくは、0.25π〜9πmmとすることができる。ただし、本発明においては、孔34の形状を円形に限定するものではなく、孔34を楕円や多角形などによって形成することもでき、それらの孔によって隔壁32に形成される開口領域の単位面積を、0.25π〜25πmmとすることができ、より好ましくは、0.25π〜9πmmとすることができる。また、本発明においては、上述した空隙率を1〜65%とすることができ、より好ましくは、1〜45%とすることができる。
以下、本発明の溶射装置について、実施例を用いてより具体的に説明を行なうが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。本発明の溶射装置において、水素燃料を用いた場合のデトネーション波の生成について検証した。
(実験装置および実験条件)
図6は、本発明の溶射装置のデトネーション特性を検討するために使用した実験装置を示す。実験装置40は、本実施例のデトネーション管42と、観測用チャンバ44と、反射衝撃波を排除するためのダンパ容器46とをそれぞれを接続フランジで連結し、さらに着火装置48を含んで構成した。
デトネーション管42には内径40 mm、外径64 mm、長さ500 mmの真鍮の円管であって、その内壁に沿って長手軸の方向に螺旋状に延ばされた突状を形成したものを用いた。また、本実施例においては、突条の設計を、高さを3 mm、厚さを3 mmとし、ピッチを15 mmとした。図7に、本実施例に用いたデトネーション管42を示す。図7(a)は、デトネーション管42の内面に形成された突条を示した写真であり、図7(b)は、デトネーション管42の断面を示す概念図である。
観測用チャンバ44は、ステンレス製(SUS303)で、内部に40 mm×40 mmの矩形の空間を形成し、着火位置から812
mm、1027 mm、1087mmの位置に圧力センサー50を設けた。
燃料として水素、酸化剤として酸素を用い、着火位置から111mmの位置に設けられた電磁弁52から対向噴射した。なお、本実施例においては水素と酸素の当量比を1.4として実験を行った。なお、着火装置48にはスパークプラグを使用した。
燃料噴射、着火などの実験装置の制御およびデータ計測、データ解析は、National
Instruments社の計測・制御用ソフトウェアLabVIEWを用いてコンピュータ54によって行った。本実施例においては、運転周波数を5Hzとし酸素の噴射は運転中連続的に行った。また、各サイクルの最初に水素の噴射を行い、その直後に着火するというタイミングで実験装置を制御した。また、着火を行うと同時に圧力センサー50による測定を開始した。
(実施例1)
図8は、圧力センサの時間履歴を示す図であり、着火位置から812
mm、1027 mm、1087mmの位置に設けた圧力センサの履歴を、それぞれ#1、#2、#3として示した。図8が示すように、812 mm、1027 mm、1087mmの位置に設けた圧力センサが示したすべての圧力波形においてスパイク状の急激な圧力上昇が確認された。圧力のピーク値は2.0
Mpaであり、これはC−J圧力(約1.9 Mpa)を超えるものであった。また、各圧力センサの圧力履歴の立ち上がりと、各圧力センサの離間距離から衝撃波の伝播速度を求めたところ、C−J速度に達していることがわかった。以上の結果から、本実施例の水素を燃料として使用した溶射装置がデトネーション波を好適に生成することが示された。
(比較例)
デトネーション管に、内径40 mm、外径64
mm、長さ500 mmの真鍮の円管であって、その内壁に突条を形成していない単純な円筒を用いて、それ以外については実施例1について上述したのと同様の装置および条件で実験を行った。しかしながら、812 mm、1027 mm、1087mmの位置に設けた圧力センサが示した結果からは、デトネーション波を好適に生成を確認することができなかった。
(溶射実験)
さらに、本発明の溶射装置について以下に示す手順で動作実験を行った。図6に示す溶射材料供給弁56からWC-12%Co粒子をN2により5L;/minで供給し、供給位置から50mm離間した地点に設置したブラスト処理が施されていないアルミ母材に対して溶射を行った。本実施例においては、2Hz-120cycleならびに4Hz-120cycleの条件で装置を連続運転し溶射を行った。図9は、上述した手順で溶射して形成された被膜表面のSEM写真を示すものであって、2Hz-120cycleならびに4Hz-120cycleのそれぞれの条件について、600倍および15000倍のSEM写真を示す。15000倍のSEM写真から、いずれの条件においても溶射材料が半融状態で扁平固化していることが示された。上述した結果から、本実施例の水素を燃料として使用した溶射装置によって溶射が好適に実施されることが示された。
以上、説明したように、本発明によれば、水素燃料を用いて安定した爆発溶射を行うことのできる溶射装置が提供される。本発明の溶射装置は、アセチレンなどの炭化水素燃料よりも反応性の低い水素ガスを用いることができるため、従来の溶射装置に比較して安全に取り扱うことができる。
本発明の溶射装置を示した断面図。 本発明の溶射装置におけるデトネーション管の一部を切り欠いて示した斜視図。 本発明におけるデトネーション管の一部を拡大して示した断面図。 本発明の第2の実施形態である溶射装置のデトネーション生成部のみを示した断面図。 本発明の第2の実施形態の燃焼室内に設けられる隔壁を示す図。 本発明の溶射装置のデトネーション特性を検討するために使用した実験装置を示す図。 実験に用いたデトネーション管を示す図。 圧力センサの時間履歴を示す図。 本実施例の溶射装置によって形成された被膜表面のSEM写真を示す図。
符号の説明
10…溶射装置、12…デトネーション管、13…燃料供給機構、14…酸化剤供給機構、15…バレル、16…溶射材料供給機構、17…燃焼室、18…乱流形成構造体、19…イグナイタ、20…閉塞端、22…内側面、24…開放端、26…突条、30…溶射装置、32…隔壁、34…孔、40…実験装置、42…デトネーション管、44…観測用チャンバ、46…ダンパ容器、48…着火装置、50…圧力センサー、52…電磁弁、54…コンピュータ、56…溶射材料供給弁

Claims (9)

  1. 燃焼室であって、該燃焼室の内側面に一体的に乱流形成構造体が形成された燃焼室を備えるデトネーション管と、前記デトネーション管に燃料および酸化剤を供給する手段と、供給された前記燃料および酸化剤の混合気に着火するための着火手段と、溶射材料を供給するための溶射材料供給部とを備える溶射装置。
  2. 前記乱流形成構造体は、前記内側面に形成された突条または突起である、請求項1に記載の溶射装置。
  3. 前記乱流形成構造体は、前記内側面に沿って螺旋状に延びた突条である、請求項1に記載の溶射装置。
  4. 前記燃焼室には、前記着火手段の点火位置側に、複数の開口部を備える隔壁がさらに設けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶射装置。
  5. 前記開口部の開口領域の単位面積が0.25π〜25πmmである、請求項4に記載の溶射装置。
  6. 前記隔壁の空隙率が1〜65%である、請求項4に記載の溶射装置。
  7. 前記酸化剤は、酸素または空気を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶射装置。
  8. 前記着火手段は、パルス駆動される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の溶射装置。
  9. 前記燃料は、水素ガスを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の溶射装置。
JP2007116713A 2007-04-26 2007-04-26 溶射装置 Pending JP2008272622A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007116713A JP2008272622A (ja) 2007-04-26 2007-04-26 溶射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007116713A JP2008272622A (ja) 2007-04-26 2007-04-26 溶射装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008272622A true JP2008272622A (ja) 2008-11-13

Family

ID=40051291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007116713A Pending JP2008272622A (ja) 2007-04-26 2007-04-26 溶射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008272622A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010092677A1 (ja) * 2009-02-13 2010-08-19 タマティーエルオー株式会社 爆発溶射装置
JP2012078083A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 General Electric Co <Ge> 局所的な屈曲波修正機構を備えたパルスデトネーション管

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57144054A (en) * 1981-02-26 1982-09-06 Boroshirofuguraadosukii Mashin Drum body for detonation flame injector
JPS62152558A (ja) * 1985-12-25 1987-07-07 インスチツ−ト、プロブレム、マテリアロベデニア、アカデミ−、ナウク、ウクラインスコイ、エスエスエル ガス爆着コ−テイング装置
JP2000506780A (ja) * 1996-12-28 2000-06-06 エアロスター・コーティングズ・ソシエダッド・リミターダ 自続的デトネーション装置
JP2003512172A (ja) * 1999-10-28 2003-04-02 エアロスター・コーティングズ・ソシエダッド・リミターダ 高周波パルス・レートおよび高生産性デトネーション・スプレー・ガン

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57144054A (en) * 1981-02-26 1982-09-06 Boroshirofuguraadosukii Mashin Drum body for detonation flame injector
JPS62152558A (ja) * 1985-12-25 1987-07-07 インスチツ−ト、プロブレム、マテリアロベデニア、アカデミ−、ナウク、ウクラインスコイ、エスエスエル ガス爆着コ−テイング装置
JP2000506780A (ja) * 1996-12-28 2000-06-06 エアロスター・コーティングズ・ソシエダッド・リミターダ 自続的デトネーション装置
JP2003512172A (ja) * 1999-10-28 2003-04-02 エアロスター・コーティングズ・ソシエダッド・リミターダ 高周波パルス・レートおよび高生産性デトネーション・スプレー・ガン

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010092677A1 (ja) * 2009-02-13 2010-08-19 タマティーエルオー株式会社 爆発溶射装置
EP2386359A1 (en) * 2009-02-13 2011-11-16 TAMA-TLO Co., Ltd. Detonation flame spraying device
JP4911648B2 (ja) * 2009-02-13 2012-04-04 タマティーエルオー株式会社 爆発溶射装置
EP2386359A4 (en) * 2009-02-13 2013-04-17 Tama Tlo Co Ltd DEVICE FOR SPREADING DETONATION FLAMES
JP2012078083A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 General Electric Co <Ge> 局所的な屈曲波修正機構を備えたパルスデトネーション管

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2365434C2 (ru) Способ и устройство для генерирования импульсов газа
US7571598B2 (en) Plasma torch for ignition, flameholding and enhancement of combustion in high speed flows
US8082725B2 (en) Electro-dynamic swirler, combustion apparatus and methods using the same
US8966879B1 (en) Acoustic igniter
JP4729947B2 (ja) デトネータ
JP2008298075A (ja) 燃焼器用点火システム、燃焼器および燃焼器点火方法
EP2366951A2 (en) Apparatus for high-frequency electromagnetic initiation of a combustion process
JP3948756B2 (ja) 自続的デトネーション装置
US10111314B2 (en) Energy generation by igniting flames of an electropositive metal by plasmatizing the reaction gas
US9279586B2 (en) Resonator device for damping the pressure oscillation within a combustion chamber and a method for operating a combustion arrangement
JP2013505399A (ja) 一過性プラズマを用いて連続爆轟波を維持するための燃焼システムおよびその方法
JP6863189B2 (ja) 水素ガスバーナー装置用のノズル構造体
EP1508744A1 (en) Ultrasonic jet burner
JP4911648B2 (ja) 爆発溶射装置
JP2008272622A (ja) 溶射装置
JP2009041852A (ja) ジェットバーナー
US20120080055A1 (en) Pulsed Detonation Cleaning Systems and Methods
JPWO2007099768A1 (ja) マルチジェット着火式デトネータ、該デトネータを備えるパルス燃焼器、およびデトネーション生成方法
US20180252502A1 (en) Smoke screen generator
JP2018084389A (ja) 加熱用バーナ、ラジアントチューブ、および鋼材の加熱方法
JP2009139032A (ja) ジェットバーナー
JP2011069614A (ja) デトネータ、燃焼器、該燃焼器を用いたエネルギー変換装置、推進装置、および構造体
Frolov et al. Initiation of heterogeneous detonation in tubes with coils and Shchelkin spiral
CN107653429B (zh) 积压式高频爆炸喷枪
US7763325B1 (en) Method and apparatus for thermal spraying of metal coatings using pulsejet resonant pulsed combustion

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120619

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121016