JP4911270B2 - 面光源装置及び照明器具 - Google Patents

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Description

本発明は面光源装置に関する。具体的には、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、適宜「有機EL素子」という。)を備える面光源装置に関する。
複数層の電極間に有機発光層を設け、電気的に発光を得る有機EL素子は、液晶セルに代わる表示素子としての利用の他に、その高発光効率、低電圧駆動、軽量、低コスト等の特徴を生かした、平面型照明、液晶表示装置用バックライト等の面光源装置としての利用も検討されている。
有機EL素子を面光源装置の光源として利用する場合、有用な態様の光を高効率で面光源装置から取り出すことが求められる。そこで、従来の面光源装置では、有機EL素子よりも出光面側に、種々の凹凸構造を設けることが知られている。このような凹凸構造は、特に片面から光を取り出す片面発光型の面光源装置において多く検討がなされている(例えば特許文献1の図4、図6等)。
特開2009−266429号公報
有機EL素子を備える面光源装置には、片面発光型の他にも、両面から光を取り出す両面発光型の面光源装置がある。両面発光型の面光源装置においても光を高効率で取り出すことが求められるので、発明者は、両面発光型の面光源装置にも、片面発光型の面光源装置と同様に凹凸構造を設けることを試みた。ところが、片面発光型の面光源装置用の凹凸構造をそのまま両面発光型の面光源装置に適用しても、所望の性能が得られないことが判明した。
通常、両面発光型の面光源装置が備える各層は、光を透過させることができるようになっている。このため、通常の両面発光型の面光源装置はシースルーになっている。即ち、そのような両面発光型の面光源装置は、その面光源装置を通して向こう側を見通すことができるようになっている。シースルーになっていることにより意匠性を高めたり用途を多様化することができたりするので、シースルーであることは、両面発光型の面光源装置の利点の一つである。したがって、光を高効率で取り出すように凹凸構造を設ける場合でも、その面光源装置を通して向こう側を見通せなくなることは避けることが望ましい。
他方、片面発光型の面光源装置は、光取出効率を高める観点から反射層(例えば反射電極等)を備え、有機EL素子が発した光のうち出光面とは反対側に発せられた光を反射層で反射するようになっている。このため、外部から片面発光型の面光源装置に進入した光も反射層で反射されるので、その面光源装置を通して向こう側を見通すことができないようになっている。このような理由から、片面発光型の面光源装置に設けられる従来の凹凸構造は、一般に、両面発光型の面光源装置のようにシースルーに関する検討がなされていない。したがって、従来の凹凸構造を両面発光型の面光源装置に設けた場合、通常はヘイズが大きくなって、面光源装置を通して向こう側を見通せなくなる。
本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたものであって、シースルーであることを維持しながら、高効率で光を取り出すことができる面光源装置を提供することを目的とする。
本発明者は上述した課題を解決するべく、鋭意検討した結果、その出光面に凹凸構造を有する面光源装置において、その凹凸構造の平坦面部と斜面部との面積比を制御することにより、シースルーであることを維持しながら、高効率で光を取り出すことができる面光源装置を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば以下の〔1〕〜〔5〕が提供される。
〔1〕 第一の透明電極層、発光層及び第二の透明電極層を前記の順に備える両面発光型の有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも一方の表面に直接または間接的に設けられる出光面構造層とを備える面光源装置であって、
前記出光面構造層は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子とは反対側の表面に、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の一方の表面に対して平行な平坦面部と、前記平坦面部に対して傾斜した斜面部とを有する凹凸構造を有し、
前記斜面部を、前記平坦面部に対して垂直な方向に、前記平坦面部に対して平行な平面へと投影して形成される投影面積が、前記平坦面部の全面積の0.1倍以下である、面光源装置。
〔2〕 前記凹凸構造における平坦面部の高低差の最大値が12μm以下である、〔1〕記載の面光源装置。
〔3〕 前記斜面部が前記平坦面部に対して80°以上90°未満の傾斜角度で傾斜している、〔1〕又は〔2〕記載の面光源装置。
〔4〕 前記平坦面部の高低差が0.1μm以上である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の面光源装置。
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の面光源装置を備える照明器具。
本発明の面光源装置によれば、シースルーであることを維持しながら、高効率で光を取り出すことができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明の第一実施形態に係る面光源装置を説明する図であって、図1に示す面光源装置を線1a−1bを通り出光面に対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の第一実施形態に係る面光源装置の出光面の一部を、面光源装置の厚み方向から見た様子を拡大して模式的に示す部分平面図である。 図4は、本発明の第一実施形態に係る凹凸構造層を、図3の線3aを通り出光面に対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す部分断面図である。 図5は、本発明の第一実施形態に係る面光源装置の出光面の斜面部を、平坦面部に対して垂直な方向に、平坦面部に対して平行な平面へと投影した様子を模式的に示す投影図である。 図6は、本発明の第二実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。 図7は、本発明の第二実施形態に係る面光源装置を説明する図であって、図6に示す面光源装置を線6a−6bを通り出光面の面方向に対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の第二実施形態に係る面光源装置の出光面の一部を、面光源装置の厚み方向から見た様子を拡大して模式的に示す部分平面図である。 図9は、本発明の第二実施形態に係る凹凸構造層を、図8の線8aを通り出光面に対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す部分断面図である。 図10は、本発明の第三実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。 図11は、本発明の第四実施形態に係る面光源装置を厚み方向から見た様子を模式的に示す上面図である。 図12は、本発明の第四実施形態に係る面光源装置を説明する図であって、図11に示す面光源装置を、図11中の線11aを通る、出光面40Uと垂直な面で切断した断面を示す断面図である。 図13は、本発明の第五実施形態に係る凹凸構造層の断面を模式的に示す断面図である。 図14は、本発明の第六実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。 図15は、本発明の別の実施形態に係る凹凸構造層の断面を模式的に示す断面図である。 図16は、本発明の別の実施形態に係る凹凸構造層の断面を模式的に示す断面図である。 図17は本発明の別の実施形態に係る構造層の断面を模式的に示す断面図である。 図18は、実施例1で用いた金属モールドの製造の様子を模式的に表す断面図である。 図19は、実施例1における凹凸構造層を、切削方向に垂直な平面で切った断面の様子を模式的に示す断面図である。
以下、実施形態及び例示物等を示して本発明について詳細に説明するが、本発明は以下に説明する実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本願の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
〔1.第一実施形態〕
図1及び図2はいずれも本発明の第一実施形態に係る面光源装置を説明する図であって、図1は面光源装置を模式的に示す斜視図であり、図2は図1に示す面光源装置を線1a−1bを通り出光面に対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本発明の第一実施形態に係る面光源装置10は、矩形の平板状の構造を有する装置であり、両面発光型の有機EL素子140と、この有機EL素子140の少なくとも一方の表面に直接または間接的に設けられる出光面構造層100とを備える。有機EL素子140は、少なくとも第一の透明電極層141、発光層142及び第二の透明電極層143を前記の順に備え、その表面144及び145の両方から発光できるようになっている。本実施形態では、第一の透明電極層141及び第二の透明電極層143が透明電極層となっているため、発光層142からの光は、第一の電極層141及び第二の電極層143をそれぞれ透過して、表面144及び145から発光できる。したがって、以下の説明においては表面144及び145を「発光面」と呼ぶ。
前述したように、有機EL素子140の発光面144には出光面構造層100が設けられている。本実施形態では、出光面構造層100は発光面144に接するように直接に設けられているものとする。
さらに、本実施形態の面光源装置10は上述した部材以外にも構成要素を備えていてもよい。本実施形態では、有機EL素子140の発光面145に封止基材151が設けられているものとする。
したがって、面光源装置10は、封止基材151と、有機EL素子140と、出光面構造層100とをこの順に備える。このような面光源装置10では、出光面構造層100における有機EL素子140とは反対側の表面10Uから光が射出し、また、封止基材151における有機EL素子140とは反対側の表面10Dから光が射出する。なお、表面10U及び10Dは、面光源装置10の最も外側に位置し、この表面10U及び10Dから面光源装置10の外部へ光が射出するため、表面10U及び10Dを「出光面」と呼ぶ。
〔1−1.有機EL素子〕
例えば有機EL素子140として例示するように、有機EL素子は、通常、2層以上の電極層と、これらの電極層間に設けられ、電極から電圧を印加されることにより発光する発光層と、を備える。
有機EL素子は、基板上に有機EL素子を構成する電極、発光層等の層を形成し、さらにそれらの層を覆う封止部材を設け、基板と封止部材で発光層等の層を封止した構成とされるのが一般的である。
前記発光層としては、特に限定されず既知のものを適宜選択できる。発光層中の発光材料は1種類に限らず、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、発光層は1層に限らず、光源としての用途に適合すべく、一種の層単独又は複数種類の層の組み合わせとすることができる。これにより、白色又はそれに近い色の光を発光するものとし得る。
本発明において、有機EL素子を構成する電極層は、いずれも透明な材料により形成されている透明電極層である。ここで「透明」であるとは、光学部材に用いるのに適した程度の光線透過率を有する意味である。例えば、面光源装置10が全体として後述する所望の全光線透過率を有する程度に高い光線透過率を有する電極を、透明電極層として用いればよい。このように高い透明性を有する透明電極層を備えることにより、発光層で発生した光の取出効率を向上でき、また、面光源装置を通じて向こう側を明瞭に見通すことができる。なお、透明電極層の材料は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。さらに透明電極層は1層のみを備える単層構造の層であってもよく、2層以上の層を備える複層構造の層であってもよい。
有機EL素子140は、第一の透明電極層141と第二の透明電極層143との間に、発光層142に加えてホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層及び電子注入層等の他の層(図示せず。)をさらに有していてもよい。また、有機EL素子140は、第一の透明電極層141及び第二の透明電極層143に通電するための配線、発光層142の封止のための周辺構造等の任意の構成要素をさらに備えていてもよい。
透明電極層及びその間に設ける層を構成する材料としては、特に限定されないが、具体例として下記のものを挙げることができる。
透明電極層の材料としてはITO(酸化インジウムスズ)等を挙げることができる。
正孔注入層の材料としてはスターバースト系芳香族ジアミン化合物等を挙げることができる。
正孔輸送層の材料としてはトリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができる。
黄色発光層のホスト材料としてはトリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができ、黄色発光層のドーパント材料としてはテトラセン誘導体等を挙げることができる。
緑色発光層の材料としてはピラゾリン誘導体等を挙げることができる。
青色発光層のホスト材料としてはアントラセン誘導体等を挙げることができ、青色発光層のドーパント材料としてはペリレン誘導体等を挙げることができる。
赤色発光層の材料としてはユーロピウム錯体等を挙げることができる。
電子輸送層の材料としてはアルミニウムキノリン錯体(Alq)等を挙げることができる。
上記のもの又はその他の発光層を適宜組み合わせて積層型又はタンデム型と呼ばれる、補色関係にある発光色を発生する発光層を得ることができる。補色関係の組み合わせは、黄/青、又は緑/青/赤等とすることができる。
〔1−2.出光面構造層〕
出光面構造層100は、面光源装置10の最も外側に位置する出光面10Uを備えている。出光面10Uは、出光面構造層100の有機EL素子140とは反対側の表面であり、面光源装置10としての出光面、即ち、面光源装置10から装置外部に光が射出する際の出光面である。
出光面10Uは、巨視的に見ると、有機EL素子140の発光面144と平行な面であり、面光源装置10の主面と平行である。しかし、出光面10Uは、微視的に見ると、後述する凹凸構造を有するため、凹部又は凸部上の面は発光面144と非平行な角度をなしうる。そこで、以下の説明において、出光面に対して平行又は垂直であるとは、別に断らない限り、凹部又は凸部を無視して巨視的に見た出光面に対して平行又は垂直であることをいう。また、面光源装置10は、別に断らない限り、かかる出光面10Uが水平方向と平行で且つ上向きになるよう載置した状態で説明する。
さらに、構成要素が「平行」又は「垂直」であるとは、本発明の効果を損ねない範囲、例えば±5°の範囲内で誤差を含んでいてもよい。
出光面構造層100は、凹凸構造層111及び基材フィルム層112を含む複層体110と、基板としての支持基板131と、複層体110及び支持基板131を接着する接着層121とを備える。
凹凸構造層111は、面光源装置10の一方の表面(即ち面光源装置10の一方の出光面側の最外層。図中の上側)に位置する層である。凹凸構造層111の表面である出光面10Uには凹凸構造が形成されている。凹凸構造については詳しくは後述するが、この凹凸構造は、有機EL素子140の発光面144に対して平行な平坦面部113及び114と、これらの平坦面部113及び114に対して傾斜した斜面部115とにより構成されている。
具体的には、凹凸構造層111の出光面10Uは、平坦面部114を底面とし、かつ斜面部115を側面とする複数の凹部116と、隣接する凹部116間の隙間部分に相当する平坦面部113とを備えて構成される。ここで、斜面部が平坦面部に対して傾斜するとは、斜面部が平坦面部と平行でないことを表す。
なお、本明細書においては、図面は模式的な図示であるため、出光面10U上には僅かな個数の凹部116のみを示しているが、実際の面光源装置においては、一枚の面光源装置の出光面上に、これよりも遥かに多い数の凹部を設けることができる。
(凹凸構造の説明)
以下、出光面10Uの凹凸構造について、図面を参照して詳細に説明する。
図3は、面光源装置10の出光面10Uの一部を、面光源装置10の厚み方向から見た様子を拡大して模式的に示す部分平面図である。また、図4は、凹凸構造層111を、図3の線3aを通り出光面10Uに対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す部分断面図である。なお、前記の線3aは、一列の凹部116の全ての平坦面部114の上を通る線であるものとする。また、以下の説明において「厚み方向」とは、特に断らない限り、面光源装置の厚み方向を指す。
図3に示すように、出光面10Uは、複数の凹部116と、これらの凹部116間の隙間部分である平坦面部113とを備えている。各凹部116は、それぞれ正四角錐の頂部を底面と平行に切り取った形状(角錐台形状)である。各凹部116は、その底部分に相当する矩形状の平坦面部114と、矩形の四辺からそれぞれ延びる四面の斜面部115とにより構成されている。より具体的には、凹部116の底面である平坦面部114は正方形状である。また、凹部116を構成する四面の斜面部115は、いずれも同一の台形状である。さらに、斜面部115と平坦面部113との境界線117は、正方形を構成している。すなわち、本実施形態では、凹部116は、正四角錐台形状である。
凹部116は、通常、位置が離散的になるように設けられる。ここでは、複数の凹部116は、出光面10Uに対して平行で互いに直交する2方向X及びYに沿って配列されている。具体的には、凹部116は、一定の間隔Lを空けて、直交する2方向X及びYに沿って連続して配置されている。前記の2方向X及びYにおいて、隣り合う凹部116の間には隙間が設けられていて、この隙間が平坦面部113を構成している。したがって、出光面10Uにおいては、通常、平坦面部114の周囲には斜面部115が位置し、斜面部115の周囲(ひいては、凹部116の周囲)には平坦面部113が位置している。
図5は、面光源装置10の出光面10Uの斜面部115を、平坦面部113及び114に対して垂直な方向に、平坦面部113及び114に対して平行な平面900へと投影した様子を模式的に示す投影図である。なお、本実施形態では、平坦面部113,114に対して垂直な方向は、出光面10Uに対して垂直な方向、及び、面光源装置10の厚み方向に対して平行な方向に一致する。また、平坦面部113及び114に対して平行な平面900は、出光面10Uに対して平行な平面となる。ただし、前記の平坦面部113及び114に対して平行な平面900は、面光源装置10が有する平面ではなく、斜面部115の投影面積を測定するために設定される投影平面である。また、図5において、面光源装置10の出光面10Uの斜面部115を、平坦面部113及び114に対して垂直な方向に、平坦面部113及び114に対して平行な平面900へと投影した投影像901には斜線を付して示す。
図5に示すように、本実施形態の面光源装置10において、斜面部115を、平坦面部113及び114に対して垂直な方向に、平坦面部113及び114に対して平行な平面900へと投影して形成される投影面積が、平坦面部113及び114の合計面積の、通常0.1倍以下、好ましくは0.05倍以下、より好ましくは0.01倍以下である。また、平坦面部113及び114の合計面積に対する斜面部115の投影面積の比の下限は、通常0.0001倍以上、好ましくは0.0005倍以上、より好ましくは0.001倍以上である。
出光面10Uが前記のような凹凸構造を有することにより、本実施形態の面光源装置10は、以下の(i)〜(iii)のような効果を奏することができる。
(i)凹凸構造を有さない場合と比較して、面光源装置10では、出光面10Uからの光の取出効率を高めることができる。すなわち、平坦面部113及び114で内部反射することにより取り出すことができなかった光であっても、斜面部115からであれば取り出すことができるので、光の取出効率を向上させることができる。
(ii)面光源装置10の向こう側を見通せるようになる。従来の片面発光型の面光源装置に設けられる凹凸構造を両面発光型の面光源装置に適用した場合、通常は斜面部の割合が大きくなることによりヘイズが大きくなり、面光源装置の向こう側を見通せなくなる。これに対し、平坦面部113及び114の合計面積に対する斜面部115の投影面積の割合を前記の範囲に収めると、出光面10Uに対して垂直な方向から見た場合の凹凸構造によるヘイズの向上を抑制できる。したがって、本実施形態の面光源装置10によれば、凹凸構造を有しながらもヘイズの上昇を抑制できるので、シースルーを損なわないようになっている。
(iii)外部衝撃により凹凸構造の欠け等が生じることを防止でき、ひいては出光面10Uの機械的強度を向上させることができる。一般に、面に凹凸構造があると、その面に衝撃が加えられた場合に当該凹凸構造の一部に力が集中し、破損を招きやすくなる傾向がある。ところが、本実施形態の面光源装置10では、平坦面部113の厚み方向の位置(以下、適宜「高さ位置」という。)を揃えて均一で平坦な面としているため、外部から出光面10Uに加えられる力又は衝撃によって凹凸構造層111の一部に力が集中することを抑制できるようになっている。このため、凹凸構造層111の破損を防止し、良好な光取り出し効率と、面光源装置10の出光面10Uの高い機械的強度とを両立させることができるようになっている。
さらに、図4に示すように、出光面10Uにおける平坦面部113及び平坦面部114の高低差(本実施形態では、凹部116の深さ)Hの最大値は、好ましくは12μm以下であり、11μm以下もしくは10μm以下とすることができる。なお、下限は、通常0.1μm以上であり、0.15μm以上もしくは0.2μm以上とすることができる。
平坦面部113及び114の高低差Hの最大値をこのような範囲に収めることにより、出光面10Uの法線方向に対して傾斜した方向(斜め方向)から見た場合にも面光源装置10の向こう側を見通すことができるようになる。斜面部115の面積割合が大きいと、斜め方向から出光面10Uを見た場合のヘイズが大きくなる傾向がある。これに対し、平坦面部113及び114の合計面積(全面積)に対する斜面部115の投影面積の割合が前記の範囲に収まり、且つ、平坦面部113及び114の高低差Hの最大値が前記の範囲に収まることにより、斜め方向から見た場合のヘイズの向上を抑制できるので、斜め方向から面光源装置10を見た場合でもシースルーを損なわないようにできる。
図4に示すように、斜面部115は、平坦面部113及び114に対して、通常80°以上、好ましくは81°以上、より好ましくは82°以上、また、通常90°未満、好ましくは89°以下、より好ましくは88°以下の傾斜角度θで傾斜していることが好ましい。すなわち、斜面部115はいずれも平坦面部113及び114に対して平行でない面であるが、これらの斜面部115と平坦面部113及び114とがなす角度θが前記の範囲に収まることが好ましい。このように斜面部115の傾斜角度θが大きいことにより、光の取出効率を安定して高めることができる。また、傾斜角度θが小さい場合と比べ、傾斜角度θが大きいと斜面部115一つあたりの前記投影面積を小さくできるので、出光面10Uに対して垂直な方向から見た場合に面光源装置10の向こう側をより明瞭に見通しやすくなる。出光面10Uに対して垂直な方向は面光源装置10の正面方向に当たり、通常はこの正面方向から面光源装置10の向こう側を見通す頻度が高いと想定されるため、前記の利点は実用上、有用である。
また、本実施形態では、全ての斜面部115の傾斜角度θは、同じ大きさに設定されているが、特に限定されず異なっていてもよい。
凹凸構造層111の厚みTは、前記の平坦面部113及び114の高低差Hの最大値との関係で、適切な範囲にすればよい。例えば、凹凸構造層111の材料として、凹凸構造層111の耐久性の維持に有利な硬質の材料を用いた場合、凹凸構造層111の厚みTを薄くしたほうが面光源装置10の可撓性を高めることが可能となり、面光源装置10の製造工程における凹凸構造層111の取り扱いが容易となるので、好ましい。具体的には、平坦面部113及び114の高低差Hの最大値と凹凸構造層111の厚みTとの差は、0〜30μmであることが好ましい。
図3に示すように、出光面10Uは、平坦面部113及び114並びに2つの斜面部115を含む繰り返し構造が、2方向X及びYそれぞれに沿って繰り返し並んだ形状となっている。例えば方向Xにおいては、図4に示すように、平坦面部113、斜面部115、平坦面部114及び斜面部115がこの順に並んだ繰り返し構造118が繰り返し並んだ形状となっている。このような繰り返し構造118のピッチPは、通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、より好ましくは0.2μm以上であり、通常500μm以下、好ましくは450μm以下、より好ましくは400μm以下である。ピッチPが前記範囲の下限値以上となることにより取り出し効率が向上するという利点がある。また、ピッチPが前記範囲の上限値以下となることにより透明性がよくなるという利点がある。
凹凸構造層111の厚さTは、特に限定されないが、1μm〜70μmであることが好ましい。本実施形態では、凹凸構造層111の厚さTとは、凹凸構造が形成されていない基材フィルム層112側の面と、平坦面部113との距離のことである。
また、基材フィルム層112の厚さは、20μm〜300μmであることが好ましい。
(複層体の材料の説明)
出光面構造層100は、複数の層からなるものとしうるが、単一の層からなってもよい。所望の特性を備えた出光面構造層100を容易に得る観点からは、複数の層からなることが好ましい。本実施形態では、図1に示すように、出光面構造層100は、凹凸構造層111と基材フィルム層112とを組み合わせた複層体110を含むようになっているものとする。これにより、性能の高い出光面構造層100を容易に得ることができる。
凹凸構造層111及び基材フィルム層112は、通常、透明樹脂を含む樹脂組成物により形成することができる。本実施形態においては、出光面構造層100を構成する各層が、光学部材に用いるのに適した光線透過率を有するものとすればよく、例えば、出光面構造層100全体として80%以上の全光線透過率を有するものとすればよい。
樹脂組成物に含まれる透明樹脂は、特に限定されず、透明な層を形成することができる各種の樹脂を用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂を挙げることができる。なかでも熱可塑性樹脂は熱による変形が容易であるため、また紫外線硬化性樹脂は硬化性が高く効率が良いため、凹凸構造層111の効率的な形成が可能となり、それぞれ好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系、ポリアクリレート系、シクロオレフィンポリマー系等の樹脂を挙げることができる。また紫外線硬化性樹脂としては、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、エン/チオール系、イソシアネート系等の樹脂を挙げることができる。これらの樹脂としては、複数個の重合性官能基を有するものを好ましく用いることができる。なお、前記の樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
なかでも、複層体110を構成する凹凸構造層111の材料としては、出光面10Uの凹凸構造を形成しやすく且つ凹凸構造の耐擦傷性を得やすいという観点から、硬化時の硬度が高い材料が好ましい。具体的には、7μmの膜厚の樹脂層を基材上に凹凸構造が無い状態で形成した際に、鉛筆硬度でHB以上になるような材料が好ましく、H以上になる材料がさらに好ましく、2H以上になる材料がより好ましい。一方、基材フィルム層112の材料としては、凹凸構造層111の形成に際しての取り扱い、並びに、複層体110を成形した後の複層体110の取り扱いを容易とするために、ある程度の柔軟性があるものが好ましい。このような材料を組み合わせることにより、取り扱いが容易で且つ耐久性に優れる複層体110を得ることができ、その結果、高性能の面光源装置10を容易に製造することができる。
このような材料の組み合わせは、それぞれの材料を構成する樹脂として、上に例示した透明樹脂を適宜選択することにより得ることができる。具体的には、凹凸構造層111の材料を構成する透明樹脂として、アクリレート等の紫外線硬化性樹脂を用い、一方、基材フィルム層112の材料を構成する透明樹脂として、脂環式オレフィンポリマー製のフィルム(後述するゼオノアフィルム等)や、ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
本実施形態のように、出光面構造層100が凹凸構造層111と基材フィルム層112とを含む場合、凹凸構造層111と基材フィルム層112との屈折率はできるだけ近くする態様としてもよい。この場合、凹凸構造層111と基材フィルム層112との屈折率差は、好ましくは0.1以内、さらに好ましくは0.05以内である。
凹凸構造層111、基材フィルム層112等の出光面構造層100の構成要素となる層の材料として、シースルー性を阻害しない範囲で、光拡散性のある材料を用いてもよい。これにより、シースルー性を維持しつつ、出光面構造層100を透過する光を拡散させることができ、観察角度による色味の変化等の不具合を更に低減し得る。
光拡散性のある材料としては、例えば、粒子を含んだ材料、2種類以上の樹脂を混ぜ合わせて光を拡散させるアロイ樹脂、等を挙げることができる。なかでも、光拡散性を容易に調節できるという観点から、粒子を含んだ材料が好ましく、特に粒子を含んだ樹脂組成物が特に好ましい。
粒子は、透明であってもよく、不透明であってもよい。粒子の材料としては、例えば、金属及び金属化合物、並びに樹脂等が挙げられる。金属化合物としては、例えば、金属の酸化物及び窒化物を挙げることができる。金属及び金属化合物の具体例を挙げると、銀、アルミのような反射率が高い金属;酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化ジルコニウム、窒化珪素、錫添加酸化インジウム、酸化チタン等の金属化合物;などを挙げることができる。一方、樹脂としては、例えば、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。なお、粒子の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
粒子の形状は、例えば、球状、円柱状、立方体状、直方体状、角錐状、円錐状、星型状等の形状とすることができる。
さらに、樹脂組成物は、必要に応じて任意の成分を含むことができる。当該任意の成分としては、例えば、フェノール系、アミン系等の劣化防止剤;界面活性剤系、シロキサン系等の帯電防止剤;トリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系等の耐光剤;などの添加剤を挙げることができる。
(支持基板)
本実施形態の面光源装置10は、有機EL素子140と複層体110との間に、支持基板131を備える。支持基板131を備えることにより、面光源装置10に、たわみを抑制する剛性を与えることができる。また、支持基板131として、有機EL素子140を封止する性能に優れて、且つ、製造工程において有機EL素子140を構成する層をその上に順次形成することを容易に行い得る基板を備えることにより、面光源装置10の耐久性を向上させ、且つ製造を容易にすることができる。
支持基板131を構成する材料の例としては、通常、透明な材料を用いる。その材料の例を挙げると、ガラス、樹脂などが挙げられる。なお、支持基板131の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。なお、本発明において、透明な材料とは、支持基板等の部材を構成した際に、その全光線透過率が80%以上となる材料とすることができる。
支持基板131を構成する材料の屈折率は、特に制限されないが、1.4〜2.0とすることが好ましい。
支持基板131の厚さは、特に限定されないが、0.1mm〜5mmであることが好ましい。
(接着層)
本実施形態の面光源装置10は、複層体110と支持基板131との間に接着層121を備える。接着層121は、複層体110の基材フィルム層112と支持基板131との間に介在して、これらの2層を接着する層である。
接着層121の材料である接着剤は、狭義の接着剤(23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaであり、常温で粘着性を示さない、いわゆるホットメルト型の接着剤)のみならず、23℃における剪断貯蔵弾性率が1MPa未満である粘着剤をも包含する。具体的には、支持基板131あるいは基材フィルム層112に近い屈折率を有し、且つ透明な材料を適宜用いることができる。より具体的には、アクリル系接着剤あるいは粘着剤が挙げられる。接着層の厚さは、5μm〜100μmであることが好ましい。
〔1−3.封止基材〕
本実施形態の面光源装置10は、発光面145に封止基材151を備える。封止基材151は、発光面145に直接接するように設けてもよい。また、発光面145と封止基材151との間に、充填材や接着剤等の任意の物質が存在していてもよいし、空隙が存在していてもよい。空隙には、発光層142の耐久性を大きく損なう等の不都合がない限りは空気やその他の気体が存在してもよいし、空隙内を真空としてもよい。
封止基材151としては、有機EL素子140を封止でき、発光面145から発せられる光を透過させる任意の部材を用いることができる。例えば、支持基材131と同様の部材を用いることができる。
〔1−4.製造方法〕
面光源装置10の製造方法は、特に限定されないが、例えば、支持基板131の一方の面に有機EL素子140を構成する各層を積層する工程と、凹凸構造層111及び基材フィルム層112を有する複層体110を用意する工程と、用意した複層体110を接着層121を介して支持基板131の他方の面に貼付する工程と、有機EL素子140の支持基板131とは反対側の面に封止基材151を設ける工程とを行うことにより製造することができる。なお、前記の各工程は、所望の面光源装置10が得られる限り順番に制限はない。
凹凸構造層111及び基材フィルム層112を有する複層体110の製造は、例えば、所望の形状を有する金型等の型を用意し、この型を凹凸構造層111を形成する材料の層に転写することにより行うことができる。より具体的な方法としては、
(方法1)基材フィルム層112を構成する樹脂組成物Aの層及び凹凸構造層111を構成する樹脂組成物Bの層(凹凸構造はまだ形成されていない)を有する未加工複層体を用意し、かかる未加工複層体の樹脂組成物B側の面上に、凹凸構造を形成する方法;及び
(方法2)基材フィルム層112の上に、液体状態の樹脂組成物Bを塗布し、塗布された樹脂組成物Bの層に型を当て、その状態で樹脂組成物Bを硬化させ、凹凸構造層111を形成する方法
などを挙げることができる。
方法1において、未加工複層体は、例えば樹脂組成物A及び樹脂組成物Bを共押出する押出成形により得ることができる。未加工複層体の樹脂組成物B側の面上に、所望の表面形状を有する型を押し当てることにより、凹凸構造を形成することができる。
より具体的には、長尺の未加工複層体を押出成形により連続的に形成し、所望の表面形状を有する転写ロールとニップロールとで未加工複層体を加圧し、それにより、連続的な製造を効率的に行うことができる。転写ロールとニップロールとによる挟み圧力は、好ましくは数MPa〜数十MPaである。また転写時の温度は、樹脂組成物Bのガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg以上(Tg+100℃)以下である。未加工複層体と転写ロールとの接触時間はフィルムの送り速度、すなわちロール回転速度によって調整でき、好ましくは5秒以上600秒以下である。
方法2において、凹凸構造層111を構成する樹脂組成物Bとしては、紫外線等のエネルギー線により硬化しうる組成物を用いることが好ましい。かかる樹脂組成物Bを、基材フィルム層112上に塗布し、型を当てた状態で、塗布面の裏側(基材フィルム層の、樹脂組成物Bを塗布した面とは反対側)に位置する光源から、紫外線等のエネルギー線を照射し、樹脂組成物Bを硬化させ、その後型を剥離することにより、樹脂組成物Bの塗膜を凹凸構造層111とし、複層体110を得ることができる。
〔1−5.主な利点の説明〕
本実施形態の面光源装置10は上述したように構成されているため、有機EL素子140の発光面144から発せられる光は出光面構造層100を透過して出光面10Uから出光し、発光面145から発せられる光は封止基材151を透過して出光面10Dから出光する。この際、出光面10Uが平坦面部113及び114並びに斜面部115を含む凹凸構造を有するため、出光面10Uから光を高効率で取り出すことができる。
また、面光源装置10が備える層がいずれも透明であるため、面光源装置10では、一方の出光面10Uに入射した光は面光源装置10を透過して他方の出光面10Dから出光できるようになっており、また、他方の出光面10Dに入射した光も面光源装置10を透過して一方の出光面10Uから出光できるようになっている。さらに、本実施形態では、平坦面部113及び114の合計面積に対する斜面部115の投影面積の割合を所定の範囲に収めてあるので、ヘイズを抑制できる。したがって、面光源装置10を通じて反対側を肉眼で明瞭に見通すことができるようになり、シースルー型の面光源装置を実現できる。
具体的には、面光源装置10は、面光源装置10全体として、通常60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上の全光線透過率を有する。なお、上限は理想的には100%であるが、通常は90%以下である。
さらに、面光源装置10では凹凸構造の形状を適切に設定してあるので、面光源装置10のヘイズは、面光源装置10全体として、通常10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下と小さい値になっている。なお、下限値は理想的にはゼロであるが、通常は0.1%以上である。
〔2.第二実施形態〕
第一実施形態においては出光面に凹部を設け、この凹部により平坦面部と斜面部とを有する凹凸構造を構成したが、例えば、凹部の代わりに凸部を設けてもよい。以下、その例を、図面を用いて説明する。
図6〜図9はいずれも本発明の第二実施形態に係る面光源装置を説明する図である。図6は面光源装置を模式的に示す斜視図である。図7は図6に示す面光源装置を線6a−6bを通り出光面の面方向に対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。図8は面光源装置の出光面の一部を、面光源装置の厚み方向から見た様子を拡大して模式的に示す部分平面図である。図9は凹凸構造層を、図8の線8aを通り出光面に対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す部分断面図である。
図6〜図9に示すように、本発明の第二実施形態に係る面光源装置20は、凹凸構造層111の代わりに凹凸構造層211を備えていること以外は、第一実施形態に係る面光源装置10と同様である。すなわち、第二実施形態に係る面光源装置20は、出光面構造層200を構成する複層体210において、凹凸構造層211の表面である出光面20Uの形状が異なる他は、第一実施形態と同様の構成を有している。
出光面20Uの凹凸構造は、第一実施形態に係る出光面10Uの凹凸構造の凹凸を反転させたような形状であり、平坦面部213、平坦面部214及び斜面部215が、第一実施形態に係る平坦面部113、平坦面部114及び斜面部115にそれぞれ対応する。このため、出光面20Uは凹部116の代わりに凸部216を有し、凸部216は、正四角錐の頂部を底面と平行に切り取った形状を有する。また、凸部216は、それぞれ、発光面144に対して平行な平坦面部214を上面として有し、平坦面部214に対して傾斜した斜面部215を側面として有する。さらに、隣り合う凹部216の間には隙間が設けられていて、この隙間が、発光面144に対して平行な平坦面部213を構成している。なお、図9において符号「218」は平坦面部213、斜面部215、平坦面部214及び斜面部215を含む繰り返し単位を表す。
したがって、本実施形態の出光面20Uにおいても、斜面部215の投影面積は、第一実施形態と同様に、平坦面部213及び214の合計面積の通常0.1倍以下となっている。また、出光面20Uの凹凸構造における平坦面部213及び214の高低差Hの最大値は12μm以下であり、斜面部215が平坦面部213及び214に対して80°以上90°未満の傾斜角度θで傾斜している。
本実施形態の面光源装置20は上述したように構成されているため、有機EL素子140の発光面144から発せられる光は出光面20Uから出光し、発光面145から発せられる光は出光面10Dから出光することになる。この際、シースルーであることを維持しながら、高効率で光を取り出すことができる。また、第一実施形態と同様の効果を奏することができる。
〔3.第三実施形態〕
第一及び第二実施形態においては、有機EL素子の2つの発光面のうち一方の発光面に凹凸構造を配置するようにしたが、両方の出光面に凹凸構造を配置するようにしてもよい。以下、その例を、図面を用いて説明する。
図10は本発明の第三実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。図10に示すように、本発明の第三実施形態に係る面光源装置30は、封止基材151の代わりに出光面構造層100を備えること以外は、第一実施形態に係る面光源装置10と同様である。これにより、面光源装置30は、有機EL素子140の2つの発光面144及び145の両方に、出光面構造層100を備えることになる。したがって、面光源装置30は、2つの出光面10U及び10Dの両方に凹凸構造を有することになる。なお、本実施形態では、2つの出光面に、それぞれ同じ形状の凹凸構造層を設けているが、必ずしもこのような形態には限定されず、一方の出光面の凹凸構造の形状と、他方の出光面の凹凸構造の形状を異なるものとしてもよい。
本実施形態の面光源装置30は上述したように構成されているため、有機EL素子140の発光面144から発せられる光は出光面10Uから出光し、発光面145から発せられる光は出光面10Dから出光することになる。この際、シースルーであることを維持しながら、高効率で光を取り出すことができる。また、第一実施形態と同様の効果を奏することができる。
〔4.第四実施形態〕
第一〜第三実施形態においては、凹部及び凸部並びに当該凹部又は凸部に含まれる斜面部を、出光面に対して平行で互いに直交する2方向に沿って配列するようにしたが、これらは、直交しない2方向に沿って配列してもよく、3方向以上の方向に沿って配列してもよく、ランダムに配置してもよい。以下、その例を、図面を用いて説明する。
図11及び図12は、いずれも本発明の第四実施形態に係る面光源装置を説明する図であって、図11は、面光源装置を厚み方向から見た様子を模式的に示す上面図であり、図12は、図11に示す面光源装置を、図11中の線11aを通る、出光面40Uと垂直な面で切断した断面を示す断面図である。
図11及び図12に示すように、本発明の第四実施形態に係る面光源装置40は、凹凸構造層111の代わりに凹凸構造層411を備えていること以外は、第一実施形態に係る面光源装置10と同様である。すなわち、第四実施形態にかかる面光源装置40は、出光面構造層400を構成する複層体410において、凹凸構造層411の表面である出光面40Uの形状が異なる他は、第一実施形態と同様の構成を有している。
凹凸構造層411の表面である出光面40Uには、円錐の頂部を底面と平行に切り取った形状(円錐台形状)の凹部416が複数形成されている。円錐台形状であるため、凹部416は、発光面144に対して平行な平坦面部414を底面として有し、平坦面部414に対して傾斜した斜面部415を側面として有する。また、出光面40U上において凹部416は、一定の間隔をおいて、線11a、11b及び11cに平行な3つの面内方向に沿って連続して配置されている。ここで、線11a、11b及び11cは、互いに60°の角度をなしている。したがって、隣り合う凹部413の間には、線11a、11b及び11cに沿って隙間が設けられ、この隙間が、発光面144に対して平行な平坦面部413を構成している。
さらに、本実施形態の出光面40Uにおいても、斜面部415の投影面積は、第一実施形態と同様に、平坦面部413及び414の合計面積の通常0.1倍以下となっている。また、出光面40Uの凹凸構造における平坦面部413及び414の高低差の最大値は12μm以下であり、斜面部415が平坦面部413及び414に対して80°以上90°未満の傾斜角度で傾斜している。
本実施形態の面光源装置40は上述したように構成されているため、有機EL素子140の発光面144から発せられる光は出光面40Uから出光し、発光面145から発せられる光は出光面10Dから出光することになる。この際、シースルーであることを維持しながら、高効率で光を取り出すことができる。また、第一実施形態と同様の効果を奏することができる。
〔5.第五実施形態〕
第一〜第四実施形態においては、同じ出光面に形成される凹部又は凸部の寸法を一定にし、ひいては凹凸構造が有する平坦面部及び斜面部の寸法もそれぞれ一定に形成したが、寸法を不揃いにして寸法差を設けるようにしてもよい。中でも、出光面から出光する出射光及び出光面で反射した反射光の一方又は両方の干渉をもたらす差異を超える寸法差を設けると、前記の出射光及び反射光の一方又は両方の干渉による虹ムラを抑制できるため、好ましい。例えば、凹部又は凸部の深さ又は高さに当たる平坦面部の高低差に、前記の寸法差があることが好ましい。なお、出光面から出光する出射光には、有機EL素子が発した光だけでなく、当該出光面の反対側から面光源装置へ入射して面光源装置を透過した透過光も含む。以下、このような凹凸構造の例を、図面を用いて説明する。
図13は本発明の第五実施形態に係る凹凸構造層の断面を模式的に示す断面図である。図13に示すように、本発明の第五実施形態に係る凹凸構造層511の表面である出光面50Uには、平坦面部514を底面とし斜面部515を側面とする凹部516と、平坦面部517を底面とし斜面部518を側面とする凹部519とが、それぞれ複数設けられている。また、凹部516及び519の間には隙間が設けられていて、この隙間が平坦面部513を構成している。
本実施形態の出光面50Uにおいて、斜面部515及び518の投影面積は、第一実施形態と同様に、平坦面部513、514及び517の合計面積の通常0.1倍以下となっている。また、出光面50Uの凹凸構造における平坦面部513、514及び517の高低差の最大値は12μm以下であり、斜面部515及び518が平坦面部513、514及び517に対して80°以上90°未満の傾斜角度で傾斜している。
ここで、凹部516の深さ(すなわち、平坦面部513と平坦面部514との高低差)H516は、凹部519の深さ(すなわち、平坦面部513と平坦面部517との高低差)H519よりも小さくなっている。この場合、凹部516の深さH516と凹部519の深さH519との間に、出射光及び反射光の一方又は両方の干渉をもたらす差異を超える寸法差H519−H516があると、干渉による虹ムラを抑制できる。この際、前記の寸法差H519−H516は、出射光の干渉をもたらす差異を超える寸法差であってもよいが、出射光よりも反射光の方が虹ムラへの影響が大きい傾向があるので、反射光の干渉をもたらす差異を超える寸法差であることが好ましく、出射光及び反射光の両方の干渉をもたらす差異を超える寸法差であることがより好ましい。より具体的には、前述した寸法差が無い場合には、凹凸構造層511の上面における平坦面部513、514および517での反射光と凹凸構造層511の下面での反射光との間で干渉が起こり虹ムラが生じていた。しかしながら、表面の凹凸構造に前記所定の寸法差を備えることにより、反射光間の干渉を抑えることができ、出光面10Uにおける虹ムラを抑えることができる。
前記の干渉をもたらす差異を超える寸法差とは、有機EL素子140から発せられた出射光の干渉を例に挙げると、例えば、出射光の中心波長の、通常0.62倍以上、好ましくは1.5倍以上の寸法差である。この寸法差を設けることにより、虹ムラの発生を抑制することができる。かかる寸法差の上限は特に限定されないが、好ましくは、出射光の中心波長の60倍以下である。
上記数値範囲は、以下に示す知見から確認している。すなわち、凹部の深さを全て揃える態様で設計した構造層において、凹部の深さに170nm以上の誤差が生じると干渉が発生して虹ムラが現れるという場合に、かかる虹ムラを発生させる誤差の最小値の2倍以上の高さの寸法差を敢えて設けると、虹ムラの発生を抑制することができることが分かっている。さらに、凹部の深さを全て揃える態様で設計した構造層において、凹部の深さに標準偏差でσ1nm(≒60nm)のバラツキが生じると干渉が発生し虹ムラが現れるという場合、6×σ1nm(=360nm)以上の寸法差を敢えて設けることにより、虹ムラの発生を抑制することができることが分かっている。上記2つの知見により、出射光の干渉をもたらす差異を超える寸法差は、面光源装置が出光する光の中心波長の0.62倍以上であると示すことができる。
また、同様の理由から、透過光及び反射光の干渉では、干渉をもたらす差異を超える寸法差は、透過光及び反射光の中心波長の、通常0.62倍以上、好ましくは1.5倍以上の寸法差であり、また通常60倍以下の寸法差である。ただし、通常は、透過光及び反射光は自然光であり、任意の波長を含む光であるため、反射する光の中心波長を決定することは難しい。そこで、虹ムラの原因となる光が可視光であることに鑑みて、通常は、可視光の中心波長である550nmを反射する光の中心波長として、前記の寸法差を設定すればよい。
さらに、本実施形態のように凹凸構造が寸法差を有するようにした場合でも、シースルーであることを維持しながら、高効率で光を取り出すことができ、さらには、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、平坦面部の高低差以外の要素において、前記の寸法差を設けた場合でも、同様の効果を得ることができる。例えば、平坦面部の高低差、凹部又は凸部の間隔、繰り返し構造のピッチ、などの要素群のうち1つ以上の要素において前記の寸法差があれば、同様に虹ムラを抑制することができる。
〔6.第六実施形態〕
本発明に係る出光面構造層は、有機EL素子を備える面光源装置であれば、任意のものに適用できる。したがって、有機EL素子に対して対称な層構造を有する面光源装置に対して上述した出光面構造層を設けてもよく、有機EL素子に対して非対称な層構造を有する面光源装置に対して出光面構造層を設けてもよい。例えば、第三実施形態では、有機EL素子の両方の発光面144及び145に、出光面構造層以外の層を備えない点で対称な面光源装置の例を示したが、有機EL素子に対して非対称な層構造を有する面光源装置に構造層を適用してもよい。以下、その例を、図面を用いて説明する。
図14は本発明の第六実施形態に係る面光源装置を模式的に示す斜視図である。図14に示すように、本発明の第六実施形態に係る面光源装置60は、有機EL素子140の第二の透明電極層143と封止基材151との間に不活性ガス層661を備えること以外は第一実施形態に係る面光源装置10と同様である。
不活性ガス層661は外部から浸入する酸素及び湿気が有機EL素子140を劣化させないように保護する層であり、窒素ガス等の不活性ガスが充填された層である。なお、通常は面光源装置60の側面は図示しない封止部材で封止されるため、不活性ガス層661内のガスが外部に漏れ出すことは無い。
この面光源装置60は、有機EL素子140の一方の発光面145側にだけ不活性ガス層661を有する点で、有機EL素子140に対して非対称な層構造を有する。このような面光源装置60であっても、シースルーであることを維持しながら、高効率で光を取り出すことができ、さらには、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔7.その他〕
本発明の面光源装置について実施形態を示して説明したが、本発明は更に変更して実施してもよい。
例えば、上述した実施形態では発光面に直接に接するように出光面構造層を設けたが、出光面構造層は他の任意の層を介して発光面に設けられていてもよい。任意の層としては、例えば、有機EL素子を外気及び湿気から保護するガスバリア層、紫外線を遮断する紫外線カット層などが挙げられる。
また、例えば、上述した実施形態では、出光面構造層としては、凹凸構造層、基材フィルム層、接着層及び支持基板からなるものを示したが、出光面構造層は、これらよりも少ない層から構成されたものであってもよく、又は逆にこれらの層に加えて任意の層をさらに含むものであってもよい。例えば、凹凸構造層の表面にさらにコーティング層を有し、これが出光面の凹凸構造を規定するものであってもよい。
また、例えば、平坦面部及び斜面部の位置、向き、形状、数及びこれらの組み合わせは、実施形態のものに限られず、変更してもよい。
具体例を挙げると、平坦面部は、上述した実施形態のように高さ位置を2段階に揃えて設ける以外にも、図15に示すように1段階に揃えて設けてもよい。図15は、本発明の別の実施形態に係る凹凸構造層の断面を模式的に示す断面図である。図15に示す凹凸構造層711においては、錐形状の凹部716の側面として斜面部715が設けられ、隣り合う凹部716間の隙間に高さ位置を揃えて平坦面部713が設けられている。このように平坦面部の高さ位置を1段階に揃える場合でも、斜面部715の投影面積を平坦面部713の面積に対して所定の範囲に収めることにより、これらの平坦面部713及び斜面部715を有する出光面70Uから高効率で光を取り出すことができ、また、良好なシースルーを実現できる。
また、例えば、図16に示すように、平坦面部の高さ位置を3段階以上に揃えるようにしてもよい。図16は、本発明の別の実施形態に係る凹凸構造層の断面を模式的に示す断面図である。図16に示す凹凸構造層811において凹部816は平坦面部814及び817並びに斜面部815及び818を有する。また、底面として平坦面部814の周囲に斜面部815が設けられ、斜面部815の周囲に平坦面部817が設けられ、平坦面部817の周囲に斜面部818が設けられ、隣り合う凹部816間の隙間に平坦面部813が設けられている。このように平坦面部の高さ位置を3段階以上の複数段階で揃える場合でも、斜面部815及び818の投影面積を平坦面部813、814及び817の合計面積に対して所定の範囲に収めることにより、これらの平坦面部813、814及び817並びに斜面部815及び818を有する出光面80Uから高効率で光を取り出すことができ、また、良好なシースルーを実現できる。なお、平坦面部の高さ位置を3段階以上の複数段階で揃える場合、厚み方向の平坦面部の高低差の最大値は、図16において符号HMAXで示す寸法となる。
また、上述した実施形態のように斜面部を平坦な平面とする以外にも、図17に示すように曲面としてもよい。図17は本発明の別の実施形態に係る構造層の断面を模式的に示す断面図である。図17に示す凹凸構造層911においては、凹部916の底面として平坦面部914が設けられ、平坦面部914の周囲に、平坦面部914からの距離が離れるにつれて次第に傾斜角度が増加又は減少する曲面状の斜面部915が設けられ、斜面部915の周囲に平坦面部913が設けられている。このように斜面部が曲面となっている場合でも、斜面部915の投影面積を平坦面部913及び914の合計面積に対して所定の範囲に収めることにより、これらの平坦面部913及び914並びに斜面部915を有する出光面90Uから高効率で光を取り出すことができ、また、良好なシースルーを実現できる。
したがって、出光面に形成される凹部及び凸部の形状は、例えば、角錐台形状、円錐台形状、球面の一部の形状、及びこれらを組み合わせた形状など、様々な形状を有しうる。また、前記の角錐台形状の底面の形状は、三角、五角、六角、正方形以外の四角形などの形状とすることもできる。
また、上述した実施形態では、出光面の全面に分布する凹部又は凸部として、同一の形状からなるもののみが分布しているものを示したが、出光面には異なる形状の凹部又は凸部が混在していてもよく、また、凹部と凸部とが混在していてもよい。例えば、大きさの異なる凹部又は凸部が混在していたり、角錐台形状及び円錐台形状の凹部又は凸部が混在していたり、異なる傾斜角度の斜面部が混在していたりしてもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、凹部及び凸部の幅、並びに、隣り合う凹部同士の間隔及び凸部同士の間隔については、一定のものを示したが、凹部及び凸部の幅が狭いものと広いものとが混在していてもよく、また、隣り合う凹部同士の間隔及び凸部同士の間隔が狭い箇所と広い箇所とが混在していてもよい。
〔8.用途〕
本発明の面光源装置は、例えば、照明器具及びバックライト装置等の用途に用いることができる。
照明器具は、本発明の面光源装置を光源として有し、さらに、必要に応じて、光源を保持する部材、電力を供給する回路等の任意の構成要素を備える。
また、バックライト装置は、本発明の面光源装置を光源として有し、さらに、必要に応じて、筐体、電力を供給する回路、出光する光をさらに均一にするための拡散板、拡散シート、プリズムシート等の任意の構成要素を含む。バックライト装置の用途は、液晶表示装置等、画素を制御して画像を表示させる表示装置、並びに看板等の固定された画像を表示させる表示装置のバックライト等が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本願の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施してもよい。
[平坦面の高低差が不揃いな実施例及び比較例]
〔実施例1〕
(複層体の製造)
ロール状のフィルム基材(商品名「ゼオノアフィルム」、日本ゼオン株式会社製、脂環式構造含有重合体樹脂のフィルム、厚さ100μm、屈折率1.53)にウレタンアクリレートを主成分とするUV硬化樹脂(屈折率1.54)を塗布して塗膜を形成し、かかる塗膜上に金属モールドを押し付けた。この状態で、紫外線を1.5mJ/cm照射し塗膜を硬化させ、凹凸構造を有する凹凸構造層(厚み12μm)を形成した。凹凸構造を作成する金属モールドは、頂角15°、先端幅5μmの切削バイト1を用いて、型とする金属板2の一方の面上において図18に示す繰り返し単位を面内のある方向に沿って切削し、続いてかかる方向に直交する方向に沿って切削して得た。切削は一定の切削ピッチPで行った。また、切削により形成される溝の深さはH〜Hの5段階に変え、こうして形成される5本の溝を繰り返し単位として、繰り返し切削を行った。本実施例においては、切削ピッチPを35μmにし、繰り返し単位に含まれる溝の深さH〜Hは、Hが6.4μm、Hが6.7μm、Hが7μm、Hが7.3μm、およびHが7.6μmとなるようにした。また、こうして形成される5本の溝の幅W〜Wは、Wが6.69μm、Wが6.76μm、Wが6.84μm、Wが6.92μm、およびWが7.00μmであった。
図19は、実施例1で得られた凹凸構造層を、切削方向に垂直な平面で切った断面の様子を模式的に示す図である。図19に示すように、得られた凹凸構造層3の表面には、金属モールドに形成された溝に対応して四角錐台形状の凹部を多数有する凹凸構造が形成され、凹部の周囲には高さ位置およびピッチが異なる複数の平坦面が設けられた。この凹凸構造層3の凹凸構造が形成された面において、平坦面部に対する斜面部の平均傾斜角度は82.5°であった。また、平坦面部の合計面積(全面積)に対する斜面部の投影面積の比は0.1であり、平坦面部の高低差の最大は7.6μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は30μmであり、深さの平均値は7μmであった。
(透明有機EL素子の製造)
主面に透明電極層が形成されたガラス基板上に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、ホール阻止層、電荷発生層、金属酸化物層及び陰極を、この順に形成した。各層を形成した材料と膜厚は下記の通りである。
・透明電極層:ITO 300nm
・ホール注入層:三酸化モリブデン(MoO)5nm
・ホール輸送層:NS−21[新日鉄化学株式会社製]及びMoO 20nm、さらにNS21 5nm、合計25nm
・発光層:NS21及びEY52(e−Ray Optoelectronics Technology社(以下、e−Ray社とする)製)20nm、さらにEB43及びEB52(共にe−Ray社製)30nm、合計50nm
・ホール阻止層:ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(BAlq) 5nm
・電荷発生層:Liq及びDPB 35nm、さらにアルミニウム 1.5nm、さらにNS21及びMoO 10nm、合計37.5nm
・金属酸化物層:MoO 5nm
・陰極:ITO 100nm
ホール注入層から金属酸化物層までの形成は、真空蒸着装置内に透明電極層を既に形成したガラス基板を設置し、上記のホール輸送層から金属酸化物層までの材料を抵抗加熱式により順次蒸着させることにより行なった。系内圧は5×10−3Paで、蒸発速度0.1〜0.2nm/sで行った。その後、陰極層のITOは、対向ターゲット型スパッタ法により製膜した。これを、UV硬化樹脂を用いて、別のガラス板により封止し、透明有機EL素子1を得た。得られた透明有機EL素子1に通電し駆動させたところ、良好な白色の発光が得られ、正面方向及び斜め方向共に、透明性が優れていた。なお、ここで正面方向とは発光面の法線方向に平行な方向を指し、斜め方向とは発光面に対して45°傾斜した方向を指す。
(面光源装置1の製造)
得られた透明有機EL素子1に、凹凸構造層を形成したフィルム基材を粘着層(アクリル系樹脂、屈折率1.49、日東電工社製、CS9621)を介して貼り合せ、透明有機EL素子1−粘着層−フィルム基材−凹凸構造層との層構成を有する面光源装置1を得た。得られた面光源装置1を通電して発光させ、面光源装置1の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
〔実施例2〕
切削バイトを、頂角が20.0°、先端幅Wが10μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の幅W〜Wをそれぞれ、Wが11.38μm、Wが11.60μm、Wが11.82μm、Wが12.04μm、およびWが12.26μmとなるようにし、これらの溝の高さH〜Hをそれぞれ、Hが1.9μm、Hが2.2μm、Hが2.5μm、Hが2.8μm、およびHが3.1μmとなるようにし、切削ピッチPを40μmとしたこと以外は実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み7.5μm)を形成して、面光源装置2を製造した。
製造された凹凸構造層の凹凸構造が形成された面において、平坦面部に対する斜面部の平均傾斜角度70°であった。また、平坦面部の合計面積に対する斜面部の投影面積の比は0.07であり、平坦面部の高低差の最大は3.1μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は30μmであり、深さの平均値は2.5μmであった。
得られた面光源装置2を通電して発光させ、面光源装置2の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
〔実施例3〕
切削バイトを、頂角が5.0°、先端幅Wが10μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の幅W〜Wをそれぞれ、Wが11.69μm、Wが11.72μm、Wが11.75μm、Wが11.77μm、およびWが11.80μmとなるようにし、これらの溝の高さH〜Hをそれぞれ、Hが19.4μm、Hが19.7μm、Hが20.0μm、Hが20.3μm、およびHが20.6μmとなるようにし、切削ピッチPを130μmとしたこと以外は実施例1と同様にし、さらに凹凸構造層(厚み25μm)を形成して、面光源装置3を製造した。
製造された凹凸構造層の凹凸構造が形成された面において、平坦面部に対する斜面部の平均傾斜角度87.5°であった。また、平坦面部の合計面積に対する斜面部の投影面積の比は0.03であり、平坦面部の高低差の最大は20.6μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は120μmであり、深さの平均値は20μmであった。
得られた面光源装置3を通電して発光させ、面光源装置3の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
〔実施例4〕
切削バイトを、頂角が40.0°、先端幅Wが59.08μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の幅W〜Wをそれぞれ、Wが69.56μm、Wが69.78μm、Wが70.00μm、Wが70.22μm、およびWが70.44μmとなるようにし、これらの溝の高さH〜Hをそれぞれ、Hが14.44μm、Hが14.7μm、Hが15.0μm、Hが15.3μm、およびHが15.6μmとなるようにし、切削ピッチPを210μmとしたこと以外は実施例1と同様にして金属モールドAを製造した。この金属モールドAにニッケル電鋳加工を行って、凹凸構造が反転した形状を表面に有する金属モールドBを製造した。金属モールドとして前記の金属モールドBを用いて凹凸構造層(厚み20μm)を形成したことの他は、実施例1と同様にして、面光源装置4を製造した。
製造された凹凸構造層の凹凸構造が形成された面において、平坦面部に対する斜面部の平均傾斜角度は70.0°であった。また、平坦面部の合計面積に対する斜面部の投影面積の比は0.04であり、平坦面部の高低差の最大は15.6μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は70μmであり、深さの平均値は15μmであった。
得られた面光源装置4を通電して発光させ、面光源装置4の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
〔比較例2〕
切削バイトを、頂角が15.0°、先端幅Wが2.5μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の幅W〜Wをそれぞれ、Wが4.98μm、Wが5.05μm、Wが5.13μm、Wが5.21μm、およびWが5.29μmとなるようにし、これらの溝の高さH〜Hをそれぞれ、Hが9.4μm、Hが9.7μm、Hが10.0μm、Hが10.3μm、およびHが10.6μmとなるようにし、切削ピッチPを37.5μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、面光源装置5を製造した。
この凹凸構造層(厚み15μm)の凹凸構造が形成された面において、平坦面部の合計面積に対する斜面部の投影面積の比は0.14であり、平坦面部の高低差の最大は10.6μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は35μmであり、深さの平均値は10μmであった。
得られた面光源装置5を通電して発光させ、面光源装置5の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
〔比較例3〕
切削バイトを、頂角が40.0°、先端幅Wが5.0μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の幅W〜Wをそれぞれ、Wが8.2μm、Wが8.42μm、Wが8.64μm、Wが8.86μm、およびWが9.08μmとなるようにし、これらの溝の高さH〜Hをそれぞれ、Hが4.4μm、Hが4.7μm、Hが5.0μm、Hが5.3μm、およびHが5.6μmとなるようにし、切削ピッチPを35.0μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、面光源装置6を製造した。
この凹凸構造層(厚み10μm)の凹凸構造が形成された面において、平坦面部の面積に対する斜面部の投影面積の比は0.2であり、平坦面部の高低差の最大は5.6μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は30μmであり、深さの平均値は5μmであった。
得られた面光源装置6を通電して発光させ、面光源装置6の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
〔比較例4〕
切削バイトを、頂角が15.0°、先端幅Wが10.0μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の幅W〜Wをそれぞれ、Wが15.11μm、Wが15.19μm、Wが15.27μm、Wが15.35μm、およびWが15.42μmとなるようにし、これらの溝の高さH〜Hをそれぞれ、Hが19.4μm、Hが19.7μm、Hが20.0μm、Hが20.3μm、およびHが20.6μmとなるようにし、切削ピッチPを80μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、面光源装置7を製造した。
この凹凸構造層(厚み25μm)の凹凸構造が形成された面において、平坦面部の面積に対する斜面部の投影面積の比は0.22であり、平坦面部の高低差の最大は20.6μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は70μmであり、深さの平均値は20μmであった。
得られた面光源装置7を通電して発光させ、面光源装置7の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
〔比較例5〕
切削バイトを、頂角が40.0°、先端幅Wが20.0μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の幅W〜Wをそれぞれ、Wが34.12μm、Wが34.34μm、Wが34.56μm、Wが34.78μm、およびWが35.00μmとなるようにし、これらの溝の高さH〜Hをそれぞれ、Hが19.4μm、Hが19.7μm、Hが20.0μm、Hが20.3μm、およびHが20.6μmとなるようにし、切削ピッチPを80μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、面光源装置8を製造した。
この凹凸構造層(厚み25μm)の凹凸構造が形成された面において、平坦面部の面積に対する斜面部の投影面積の比は0.32であり、平坦面部の高低差の最大は20.6μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は60μmであり、深さの平均値は20μmであった。
得られた面光源装置8を通電して発光させ、面光源装置8の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
[評価]
(光取り出し量)
実施例1で得られた透明有機EL素子1、実施例1〜4並びに比較例2〜5で得られた面光源装置1〜8について、プログラム(プログラム名:Light Tools,Optical Reserch Associates社製)を用いた光学シミュレーションで、発光層の光度を1lmとし、両面からでてくる光度を算出した。得られた値を表1に示す。なお、表1において「貼合面」欄の数値は、凹凸構造層が設けられて凹凸構造を有する出光面からの光取出量を表し、「裏面」欄の数値は、凹凸構造層の無いガラス表面からの光取出量を表す。また、透明有機EL素子1については比較例1として取り扱う。比較例1において、「貼合面」欄の数値および「裏面」欄の数値は、いずれも、凹凸構造層の無いガラス表面からの光取出量を表す。
(透明性)
5mm×5mmサイズの文字を配列した表示面の50cm手前に、透明有機EL素子1および面光源装置1〜8を非点灯状態で配置し、透明有機EL素子1および面光源装置1〜8を通して、正面方向および斜め方向から文字を観察した。文字がにじみやゆがみが無くはっきり見えるものを「優」、にじみやゆがみがあるが、文字が読み取れるものを「良」、にじみやゆがみが多く、文字がはっきり読み取れないものを「不良」とした。結果を表1に示す。
(虹ムラ)
実施例1〜実施例4、および比較例2〜比較例5で得られた面光源装置について目視観察し、虹ムラの有無を確認した。実施例1〜実施例4、および比較例2〜比較例5は、いずれも凹凸構造の高低差を所定範囲で不揃いとしているため、凹凸構造層の表裏面での反射光における干渉に基づく虹ムラがほとんど観察されず優良であった。
Figure 0004911270
[平坦面の高低差がそろっている実施例及び比較例]
〔実施例5〕
金属モールドとして、底辺30μm、高さ5μm、底面に対する側面の平均傾斜角度80°の正四角錐形状の凸部が、35μmピッチで並んだ形状のものを用いて凹凸構造層を形成したことの他は、実施例1と同様にして、面光源装置9を製造した。ここで、本実施例の金属モールドの表面には、隣接する凸部間に平坦面部を有する構造が形成されている。これらの平坦面部はその高さ位置が揃っている。なお、ここでいう平坦面部の高さ位置が揃っている状態とは、平坦面部の高低差の最大が0.1μm未満であることをいう。得られた面光源装置9における凹凸構造層の凹凸構造層(厚み10μm)が形成された面において、平坦面部の合計面積に対する斜面部の投影面積の比は0.09であり、平坦面部の高低差の最大は5.1μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は30μmであり、深さの平均値は5μmであった。
得られた面光源装置9を通電して発光させ、面光源装置9の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が非常に優れていた。
〔実施例6〕
金属モールドとして、底辺90μm、高さ15μm、底面に対する側面の平均傾斜角度87.5°の正四角錐形状の凸部が、97.5μmピッチで並んだ形状のものを用いて凹凸構造層を形成したことの他は、実施例1と同様にして、面光源装置10を製造した。ここで、本実施例の金属モールドの表面には、隣接する凸部間に平坦面部を有する構造が形成されている。これらの平坦面部はその高さ位置が揃っている。
この凹凸構造層(厚み20μm)の凹凸構造が形成された面において、平坦面部の面積に対する斜面部の投影面積の比は0.03であり、平坦面部の高低差の最大は15.1μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は90μmであり、深さの平均値は15μmであった。
得られた面光源装置10を通電して発光させ、面光源装置10の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
〔実施例7〕
金属モールドとして、底辺70μm、高さ10μm、底面に対する側面の平均傾斜角度87.5°の正四角錐形状の凸部が、140μmピッチで並んだ形状のものを用いて凹凸構造層を形成したことの他は、実施例1と同様にして、面光源装置11を製造した。ここで、本実施例の金属モールドの表面には、隣接する凸部間に平坦面部を有する構造が形成されている。これらの平坦面部はその高さ位置が揃っている。
この凹凸構造層(厚み15μm)の凹凸構造が形成された面において、平坦面部の面積に対する斜面部の投影面積の比は0.08であり、平坦面部の高低差の最大は10.1μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は70μmであり、深さの平均値は10μmであった。
得られた面光源装置11を通電して発光させ、面光源装置11の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
〔実施例8〕
金属モールドとして、底辺70μm、高さ15μm、底面に対する側面の平均傾斜角度70°の正四角錐形状の凸部が、210μmピッチで並んだ形状のものを用いて凹凸構造層を形成したことの他は、実施例1と同様にして、面光源装置12を製造した。ここで、本実施例の金属モールドの表面には、隣接する凸部間に平坦面部を有する構造が形成されている。これらの平坦面部はその高さ位置が揃っている。
この凹凸構造層(厚み20μm)の凹凸構造が形成された面において、平坦面部の面積に対する斜面部の投影面積の比は0.07であり、平坦面部の高低差の最大は15.1μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は70μmであり、深さの平均値は15μmであった。
得られた面光源装置12を通電して発光させ、面光源装置12の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
〔比較例6〕
金属モールドとして、底辺35μm、高さ10μm、底面に対する側面の平均傾斜角度82.5°の正四角錐形状の凸部が、37.5μmピッチで並んだ形状のものを用いて凹凸構造層を形成したことの他は、実施例1と同様にして、面光源装置13を製造した。ここで、本実施例の金属モールドの表面には、隣接する凸部間に平坦面部を有する構造が形成されている。これらの平坦面部はその高さ位置が揃っている。
この凹凸構造層(厚み15μm)の凹凸構造が形成された面において、平坦面部の面積に対する斜面部の投影面積の比は0.14であり、平坦面部の高低差の最大は10.1μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は35μmであり、深さの平均値は10μmであった。
得られた面光源装置13を通電して発光させ、面光源装置13の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
〔比較例7〕
金属モールドとして、底辺30μm、高さ5μm、底面に対する側面の平均傾斜角度70°の正四角錐形状の凸部が、35μmピッチで並んだ形状のものを用いて凹凸構造層を形成したことの他は、実施例1と同様にして、面光源装置14を製造した。ここで、本実施例の金属モールドの表面には、隣接する凸部間に平坦面部を有する構造が形成されている。これらの平坦面部はその高さ位置が揃っている。
この凹凸構造層(厚み10μm)の凹凸構造が形成された面において、平坦面部の面積に対する斜面部の投影面積の比は0.2であり、平坦面部の高低差の最大は5.1μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は30μmであり、深さの平均値は5μmであった。
得られた面光源装置14を通電して発光させ、面光源装置14の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
〔比較例8〕
金属モールドとして、底辺70μm、高さ20μm、底面に対する側面の平均傾斜角度82.5°の正四角錐形状の凸部が、80μmピッチで並んだ形状のものを用いて凹凸構造層を形成したことの他は、実施例1と同様にして、面光源装置15を製造した。ここで、本実施例の金属モールドの表面には、隣接する凸部間に平坦面部を有する構造が形成されている。これらの平坦面部はその高さ位置が揃っている。
この凹凸構造層(厚み25μm)の凹凸構造が形成された面において、平坦面部の面積に対する斜面部の投影面積の比は0.12であり、平坦面部の高低差の最大は20.1μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は70μmであり、深さの平均値は20μmであった。
得られた面光源装置15を通電して発光させ、面光源装置15の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
〔比較例9〕
金属モールドとして、底辺70μm、高さ35μm、底面に対する側面の平均傾斜角度50°の正四角錐形状の凸部が、140μmピッチで並んだ形状のものを用いて凹凸構造層を形成したことの他は、実施例1と同様にして、面光源装置16を製造した。ここで、本実施例の金属モールドの表面には、隣接する凸部間に平坦面部を有する構造が形成されている。これらの平坦面部はその高さ位置が揃っている。
この凹凸構造層(厚み40μm)の凹凸構造が形成された面において、平坦面部の面積に対する斜面部の投影面積の比は0.32であり、平坦面部の高低差の最大は35.1μmであった。なお、四角錐台形状の凹部の底辺の長さの平均値は70μmであり、深さの平均値は35μmであった。
得られた面光源装置16を通電して発光させ、面光源装置16の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
<評価>
実施例5〜8及び比較例6〜9で得られた面光源装置9〜16について、上述した要領で、光取り出し量及び透明性を評価した。結果を表2に示す。
なお、実施例5〜実施例8、および比較例6〜比較例9で得られた面光源装置について目視観察したところ、多少の虹ムラが存在するものの、使用態様によっては問題視されない程度のものであった。
Figure 0004911270
本発明の面光源装置は、例えば、照明器具及びバックライト装置等の用途に用いて好適である。
10 面光源装置
10U 出光面
10D 出光面
100 出光面構造層
110 複層体
111 凹凸構造層
112 基材フィルム層
113 平坦面部
114 平坦面部
115 斜面部
116 凹部
117 斜面部115と平坦面部113との境界線
118 繰り返し単位
121 接着層
131 支持基板
140 有機EL素子
141 第一の透明電極層
142 発光層
143 第二の透明電極層
144 発光面
145 発光面
151 封止基材
20 面光源装置
20U 出光面
200 出光面構造層
210 複層体
211 凹凸構造層
213 平坦面部
214 平坦面部
215 斜面部
216 凸部
218 繰り返し単位
30 面光源装置
40 面光源装置
40U 出光面
400 出光面構造層
410 複層体
411 凹凸構造層
413 平坦面部
414 平対面部
415 斜面部
416 凹部
511 凹凸構造層
513 平坦面部
514 平坦面部
515 斜面部
516 凹部
517 平坦面部
518 斜面部
519 凹部
60 面光源装置
661 不活性ガス層
70U 出光面
711 凹凸構造層
713 平坦面部
715 斜面部
716 凹部
80U 出光面
811 凹凸構造層
813 平坦面部
814 平坦面部
815 斜面部
816 凹部
817 平坦面部
818 斜面部
90U 出光面
911 凹凸構造層
913 平坦面部
914 平坦面部
915 斜面部
916 凹部

Claims (5)

  1. 第一の透明電極層、発光層及び第二の透明電極層を前記の順に備える両面発光型の有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも一方の表面に直接または間接的に設けられる出光面構造層とを備える面光源装置であって、
    前記出光面構造層は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子とは反対側の表面に、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の一方の表面に対して平行な平坦面部と、前記平坦面部に対して傾斜した斜面部とを有する凹凸構造を有し、
    前記斜面部を、前記平坦面部に対して垂直な方向に、前記平坦面部に対して平行な平面へと投影して形成される投影面積が、前記平坦面部の全面積の0.1倍以下である、面光源装置。
  2. 前記凹凸構造における平坦面部の高低差の最大値が12μm以下である、請求項1記載の面光源装置。
  3. 前記斜面部が前記平坦面部に対して80°以上90°未満の傾斜角度で傾斜している、請求項1記載の面光源装置。
  4. 前記平坦面部の高低差が0.1μm以上である請求項1に記載の面光源装置。
  5. 請求項1に記載の面光源装置を備える照明器具。
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