JP4911202B2 - 移動体用空気ばね、および移動体用台車 - Google Patents

移動体用空気ばね、および移動体用台車 Download PDF

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Description

本発明は、移動体用の空気ばね、特に、鉄道車両の台車と車体の間に用いられる空気ばね、および当該空気ばねを備えた移動体用台車に関する。
鉄道車両の台車に設けられるばね装置のひとつで、台車と車体の間に設けられる枕ばねとして空気ばねが用いられている。例えばボルスタレス台車においてはダイヤフラムとストッパーゴムとを組み合わせた構造の空気ばねが多用されており、車体の上下振動を空気ばねを用いて減衰させることが行われている。この構造の空気ばねは、上下方向にはばね定数の非線形特性を持ち優れた振動吸収能力を発揮するが、水平方向ばね定数は線形に近く、台車と車体の水平方向相対移動を止める力が弱い。このため、在来軌道をそのままにして車両の高速化を図ろうとすると、カーブ通過時にカント不足による超過遠心力が働いて台車と車両台枠間の水平(左右)方向相対移動量が大きくなり、車体の大きな横揺れ、左右動ストッパに対する台枠の衝突が生じて乗心地が悪化するとされている。
このため、特に高速走行を意図した鉄道車両用途などでは、ストッパーゴムの車両左右方向の動きを制限することで非線形特性を持たせた空気ばねが用いられる。かかる空気ばねでは、直線走行時にはダイヤフラムとストッパーゴムの合成としてのばね定数をもった比較的柔らかいばねとして機能し、カーブ走行時等で一定以上の左右変位が生じた場合には、ストッパーゴムの変形が制限されてダイヤフラムのみがばねとして機能することで、大きなばね定数を得ることができる。このような空気ばねは例えば特許文献1に開示されている。
特許第3400551号公報
図1は特許文献1の空気ばねを表す図である。なお図面各部の名称は本明細書に合わせて読み替えている。外筒5と下面板7間に挟まれる形でダイヤフラム6が構成され、内部が空気で加圧されて1つのばねとして機能する。また下面板7と挟持板3間にはストッパーゴム1としての積層ゴムが設けられ、もう一つのばねとして機能する。積層ゴムは、上部プレート4と挟持板3の間に複数のゴム層2がプレートを介して積層された構造である。ここで、挟持板3に固定された突状部材14と、下面板に固定されたストッパフランジ13に設けられた長孔13aとが、図1(b)のように突状部材14が長孔13aにはめ込まれるように構成されている。したがって、ストッパーゴム1の変位は一方向には長孔の側壁部との接触、他方向には長孔端部との接触により制限されることになる。
このような構造により、直線走行時の乗り心地を悪化させずに、つまり、空気ばねが左右方向変位が小さな時には空気ばね全体の左右方向ばね定数を高めずに、大変位時で好ましい非線形効果を生じさせることが可能であり、在来軌道での車両高速化に対する対応が容易になる。しかし、さらなる鉄道の高速化の要請の中、在来軌道での高速走行をも考慮するとさらに乗り心地の改善が望まれている。
上記を解決するため、本発明者らは鋭意検討を重ね、現在のストッパ構造における問題点を以下のように見いだすことにより本発明に至った。すなわち本発明は以下の通りである。
台車と車体から構成される移動体車両において台車と車体間に使用され、該車体に接続される外筒と下面板との間に設けられたダイヤフラムと、台車に接続される挟持板と前記下面板との間に設けられたストッパーゴムとを備えた移動体用の空気ばねであって、前記挟持板と前記下面板のいずれか一方に設けられた第1の制止部材と、他方に設けられた第2の制止部材により構成される変位抑制機構を備えており、該空気ばねを移動体車両に取り付けた状態における該移動体車両の直線走行時の進行方向を前後方向、水平面内で前後方向に垂直な方向を左右方向とした場合に、前記第1の制止部材は該第1の制止部材の水平断面中心から左右方向にそれぞれ位置する左右外表面を具え、前記第2の制止部材は前記第1の制止部材を挟んだ左右両側にてそれぞれが前記左右外表面と対向する制止壁面を具え、前記第1または第2の制止部材が前記移動体台車の台車軸を中心とした円弧を描くように変位した場合の前記第1の制止部材と前記第2の制止部材との相対的位置関係において、前記第1の制止部材の前記左右外表面と前記第2の制止部材の前記制止壁面とのそれぞれの間隔が同一になるように制止壁面の形状が形成されていることとした(請求項1)。
この発明によれば、カーブ走行時であっても台車左右に設けられた一対の空気ばねが同じばね特性をもつように構成することができる。
ここで、第1の制止部材は円柱状の外表面を持つ部材であることが好ましい(請求項2)。空気ばねの中心軸と同心に形成し易く設計の自由度があり、また高強度でかつ製造コストが抑制できるためである。
また、
第2の制止部材は独立した左右2つの部分で構成され、一方部分が第1の制止部材に対して左右のいずれか一方、他方部分が左右のいずれか他方側に位置するように固定されると良い。個々に壁面を設計製造できるので、設計の自由度があり、かつ製造コストが抑制できる。
第2の制止部材の前記制止壁面は、水平断面において台車の回転軸である台車軸を中心とする円弧をなす曲面であることが好ましい(請求項3)。このように構成すれば、第1の制止部材と、第2の制止部材の制止壁面がいずれも台車軸を中心とした円弧上で相対変位することとなり、間隔が一定に保たれる。
なお、ストッパーゴムの左右方向の変位は抑制するように第2の制止部材を設けるが、前後方向の変位は抑制しなくてもよい。すなわち、第1の制止部材の前記前後方向の変位に対して、変位を抑制する壁面等で構成された機構を備えない構成とすれば良い(請求項4)。前後方向をフリーにすることで、前後の振れには柔らかい特性を一層活かすことができ、乗り心地の向上のみならずカーブ走行時の車輪の横圧増加を抑制することにより安全性向上にも寄与できる。
また本願は上記移動体用空気ばねを複数備えたことを特徴とする移動体用台車を提供する(請求項5)。本発明にかかる空気ばねを台車の枕ばねとして用いることにより、カーブ走行時においても安定して良好な制振特性を実現でき、乗り心地が改善された車両を得ることができる。より具体的には、2つの車軸により4輪が設けられた台車であって、台車前後方向には車軸と車軸の間の位置に、台車の回転軸から左右対称に2つの空気ばねが設けられた移動体用台車である。当該台車がボルスタレス台車であると本発明の空気ばねがより好ましく適用できる。
以下、本発明の作用について説明する。まず、鉄道車両の動きを説明することで空気ばねに生じる課題を説明する。図2(a)は代表的な鉄道車両を上から見下ろした構成を模式的に表したものである。車両は車体101と車体下部に設けられた2つの台車111,112とから構成される。台車には2軸4輪の車輪(図示せず)が設けられ、軌道上を走行する。図では軌道の中心線を120で示す。車体101は左右各2つの空気ばね131,132,133,134により台車111,112とそれぞれ接続されると共に、台車が台車軸を中心として水平方向に回転変位できるように固定されている。この回転変位により、軌道がカーブしている場合でも2つの台車がそれぞれに車体との角度を変えることができ、結果として車輪が軌道を倣って移動することができる。図2では軌道中心線120がある曲率でカーブしている状態を表しており、車体と台車のなす角度θはボギー角と呼ばれる。
図2(b)は(a)の台車112における台車の回転と空気ばねの変位状態を説明する図である。台車の元の位置とカーブで回転変位した位置がそれぞれ四角形112a、112bで示されている。図1の空気ばねは外筒が車体に、挟持板が台車にそれぞれ固定されて、車体と台車間の振動や変位を吸収するものとする。よって、カーブ走行時のように台車と車体が相対的に変位すると、外筒と挟持板は水平方向に相対的に変位することになる。かかる変位は、台車軸を中心としてボギー角θとなる。図の(b)では133、134が元々の空気ばねの位置、すなわち、車体に固定された外筒の位置であり、133a、134aは変位した台車の空気ばねの位置、すなわち挟持板の位置である。このように外筒と挟持板は台車軸を中心にボギー角θの変位を生じる。
図3は、図2のように変位した状態での、挟持板に固定された円筒状の突状部材14と下面板に固定された長孔13aの両側壁(直線状の側壁)13b、13cとの関係を模式的に説明する図である。前述の通り外筒と挟持板はボギー角θだけ変位するが、ダイヤフラムとストッパーゴムによって中間に支持された下面板は、それらの中間位置までの変位となる。ここではボギー角θより小さい角αだけ変位している。図中に点線で示した両側壁と突状部材14aは、それぞれが直線走行時の中立位置を示している。すなわちストッパーゴムが全く変形せず、下面板と挟持板のオリジナル位置のままであるとした場合の位置である。よって、側壁と突状部材との間隙は突状部材の右側も左側も同じくL1である。車両の左右の振れに対して、空気ばねの外筒と下面板、下面板と挟持板はそれぞれがダイヤフラムとストッパーゴムを介して左右に振れることで振動を吸収する。ここで、振れが大きくなると、ストッパーゴムがL1だけ変形することにより、突状部材が側壁に接触することでストッパーゴム側の変位を止め、ダイヤフラムのみが機能するようにできる。この際、車両の右側と左側に設けられた一対の空気ばねA,Bは、台車の回転軸対象に設けられているため、車体と台車の相対的な左右の振れに対しては逆方向に動く。つまり、図3での左方向に台車が相対的に動いたとすれば、空気ばねAでは突状部材は側壁13cに近づき、空気ばねBでは突状部材は側壁13bに近づく。突状部材と側壁の間隔は左右同じL1であるため、理想的には左右の突状部材が同時に機能することになる。
しかし、カーブ走行時には、図3のように突状部材14bが挟持板と共にボギー角θ変位した状態、側壁13bと13cは下面板と共に角度αだけ変位した状態の位置にある。この状態では突状部材が側壁よりも台車軸を中心にさらに角θ−αだけ余分に変位しているため、側壁との間隔が変化している。すなわち、空気ばねAも空気ばねBでも同様に、突状部材より車両の外側に位置する側壁との間隔が大きくL3になり、逆に車両の内側に位置する側壁との間隔がL2と小さくなっている。この状態で、車体が台車に対して上記と同様に振れたと想定した場合、空気ばねAでは間隔はL2と小さく、空気ばねBでは間隔L3と大きい方向に動くことになる。よって、空気ばねAが先にストッパーゴムの変位が制止された状態で、未だ空気ばねBは制止されていない状態となり、左右空気ばねのばね定数がアンバランスな状態が生じ乗り心地の悪化に繋がる。
以上のように本発明の空気ばねを移動体車両に用いることにより、また、本発明の空気ばねを搭載した台車を用いることにより安定した制振機能を発揮することが可能となり、乗り心地の向上が図られる。
従来技術としての空気ばねの一例を示す断面図である。 鉄道車両に取り付けられた空気ばねとカーブ走行時の変位を模式的に説明する図であり、(a)は車両を上からみた場合の車体と台車の位置、(b)は台車と空気ばねの変位を説明する図である。 従来技術の空気ばねにおける制止部材の変位状態を説明する図である。 本発明にかかる空気ばねの一例を示す断面図である。 本発明にかかる空気ばねの制止部材の機能を模式的に示す図であり、(a)は左右方向の動きを説明する図、(b)は前後方向の動きを説明する図、(c)は突状部材と側壁の関係を説明する図である。 本発明にかかる空気ばねにおける制止部材の変位状態を説明する図ある。 本発明にかかる移動体用台車の一例を示す図であり、(a)は上から見た図(b)は側面から見た図である。
以下、本発明の空気ばねの構造と機能を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお以下の説明において台車と車体の相対位置変化を示す場合、直線走行とカーブ走行に起因する平面幾何学的な位置関係のみを示すことで本発明の作用効果を示す。よって、現実に他の要因により加わる相対位置変動(遠心力や他の横振れ等)による影響が理想的な相対位置からの誤差要因として働くことが別途実設計上において考慮されることを排除するものではない。
図4は本発明の構造を備えた空気ばねの一例を断面で示す図である。図の中心から右側半分は、全体が上下から見て略円形の空気ばねが移動体台車に取り付けられた場合の、左右方向の断面を表す。また図の中心から左半分は前後方向の断面を表す。ダイヤフラム21は、空気孔付きの接続軸を中心に有する傘型の外筒10と、下面板30に気密に取付けることで内部に空気圧をかけて膨らませる構造である。下面板30の下部にはストッパーゴム50が取り付けられている。ストッパーゴムは単層あるいは複数層のゴム層で構成されるものであり、本例ではゴム層51とプレート52を交互に重ねて上部プレート20と挟持板40で挟み込み固定された構造である。挟持板40および下面板30は空気孔を備えており、ダイヤフラムへの空気加圧を可能としている。これらの空気孔については種々の構造が適用できる。一般的な鉄道車両に用いられる空気ばねでは、外筒直径が約0.5m〜約1.5m、挟持板の直径が約0.2m〜約0.7m程度である。
なお本例では示さないが、ダイヤフラムを180度反対位置で同心的に覆う平面視円弧状のカバーを外筒に取付けることで、空気ばねの水平変位が一定量に達すると筒状ゴムがこのカバーに接してダイヤフラムの空気圧力が増大するようにしてもよい。これにより衝撃を伴わずに水平変位量を小さくすることができる。
本実施例では下面板の下部の第1の制止部材である側壁部材70は独立した2個の部品で構成されており、空気ばねの中心軸を挟んで180度対向する位置にそれぞれボルト固定されている。また、第1の制止部材としての突状部材60が挟持板と一体に中心軸を軸とする円筒形状に形成されている。この突状部材60の外周面が側壁部材70の側壁71に接触することで、ストッパーゴム50の変形による変位に制限を設けることができる。なお、本図では下面板に側壁部材を、挟持板に突状部材を設けた構成としたが、逆に、下面板に突状部材、挟持板に側壁部材を設けてもよい。さらに、本図では側壁部材は下面板とは別部材として取り付けているが、下面板と一体に形成されていても良い。また下面板から下に突出した構造に限らず、下面板に同様の壁材を設けた構造としても良い。同様に、本図では突状部材は挟持板と一体の部品として構成された例としているが、別部品の組み合わせとしても良い。いずれの場合も、これらの具体的な構成は、本発明の制止部材の特徴を備える限りにおいて、設計と製造の容易さおよび材料と製造コストを考慮して適宜設計可能な事項である。ここで本例では突状部材の側壁部材と対向する部分の外径を30mm〜70mm、側壁部材の左右の側壁間隔を34mm〜120mmとする。
図5を用いて第1の制止部材である側壁部材と第2の制止部材である突状部材の機能を説明する。本図は動作説明の簡単のために、下面板30の一部として側壁部材70が溝として一体形成されており、また挟持板40に突状部材60が円柱凸状体として一体形成されている構成としている。またストッパーゴムは単層のもので示しており、他の細部構造は省略している。空気ばねに外力が加わらないオリジナルの位置では、図4に示されたとおり、外筒10と下面板30、挟持板40が同心状に上下に配置されている。図5(a)は空気ばねを左右方向で切った断面図を示し、同図(b)は前後方向に切った断面を示す。空気ばねが移動体車両に取り付けられた場合に、直線走行状態で車両の進行方向となる方向が前後方向、それと垂直な車両の幅方向が左右方向である。また同図(c)は突状部材60と側壁部材70で構成される部分を上から見た拡大模式図であり、突状部材60が側壁部材としての下面板に設けられた孔の中で相対的に変位している状態を示している。同図(c)での突状部材61は変位前のオリジナルの位置を示す。
図のそれぞれは、車体(図示せず)に固定された外筒10と台車(図示せず)に固定された挟持板40が、車体と台車の相対的な変位によって変位した状態である。すなわち、外筒10と挟持板40の相対的変位に追随してダイヤフラム21とストッパーゴム50が変形している。図(a)では突状部材60が側壁部材70に接触しており、これ以上変位出来ない状態である。したがって、車体と台車、すなわち外筒10と挟持板40のこれ以上の相対変位はダイヤフラムの変形でのみ吸収する状態となっている。一方、図(b)では突状部材60と側壁部材70間には未だ間隔に余裕があり、接触していない。よって、車体と台車、すなわち外筒10と挟持板40の相対変位はダイヤフラムの変形とストッパーゴムの変形の双方がそのばね定数に応じた比率で分担して吸収する状態である。一般的にはダイヤフラムとストッパーゴムの変位の分担比率は、ストッパーゴムが相対変位全体の5%から50%程度となるように設計されており、多くても60%程度が通常の範囲である。ダイヤフラムのばね定数が同じである場合、ストッパーゴムの変位分担比率を上げることは、ストッパーゴムを柔らかくする、すなわちばね定数を小さくすることになる。これにより、全体として直線走行時の乗り心地が向上する方向である。しかし、カーブ走行時には柔らかすぎて逆に乗り心地が損なわれるため、より硬い特性が左右方向には求められる。このため、ある左右変位を超えると突状部材によりストッパーゴムの変形を制限することで、ストッパーゴムを限りなく硬い(ばね定数が大きい)状態としている。
ここで、本発明の制止部材、すなわち突状部材と側壁部材の特徴は、図5(c)がその一例であるように、突状部材表面である曲面と、左右側壁部材表面である曲面で構成されている点にもある。それぞれが曲面であるためにカーブ走行時においても左右の両面間の間隔を同一にする設計が可能となる。一方、突状部材と接触する前後の壁は無くても良い。すなわち、図5のような構造ではなく前後方向には壁が無い左右方向のみの側壁部材であれば本発明の効果は奏される。この場合、前後方向にはより柔らかいばね特性が確保でき、良好な乗り心地が維持できる。具体的な動きを図6で説明する。
図6は図3と同じく、車両がカーブ走行する場合の、当該車両に用いられた空気ばねにおける本発明の例としての空気ばねにおける制止部材の相対的位置関係を模式的に説明する図である。図3との対比を容易にするため、突状部材60および側壁部材70以外の符号を同一としている。側壁部材70は、台車中心から遠い側で突状部材と向き合う側壁71aと、台車中心に近い側で突状部材と向き合う側壁71bをもつ。突状部材60は側壁71aと向き合う側の面60aと、側壁71bと向き合う側の面60bをもつ。本実施例では突状部材は円柱部材として記載するが、60aを具える部分と60bを具える部分に分割された部材であってもよい。
前述の通りカーブ走行時の空気ばねにおいて、外筒と挟持板はボギー角θだけ変位するが、ダイヤフラムとストッパーゴムによって中間に支持された下面板は、それらの中間位置までの変位となる。ここではボギー角θより小さい角αだけ変位している。図3の場合と同じく、直線走行時の中立位置では突状部材と両側壁との面間隔はL1とする(図示せず)。車両の左右の振れに対して、空気ばねの外筒と下面板、下面板と挟持板はそれぞれがダイヤフラムとストッパーゴムを介して左右に振れることで振動を吸収する。ここで、振れが大きくなると、ストッパーゴムがL1だけ変形することにより、突状部材が側壁に接触することでストッパーゴム側の変位を止め、ダイヤフラムのみが機能するようにできる。この際、車両の右側と左側に設けられた一対の空気ばねA,Bは、台車の回転軸対象に設けられているため、車体と台車の相対的な左右の振れに対しては逆方向に動く。つまり、図での左方向に台車が相対的に動いたとすれば、空気ばねAでは突状部材は側壁71bに近づき、空気ばねBでは突状部材は側壁71aに近づく。突状部材と側壁の間隔は左右同じL1であるため、左右の突状部材が同時に機能することになる。
カーブ走行時には、図6のように突状部材60と側壁部材70は台車軸Oを中心に角θ−αだけ相対変位している。この状態において、本発明の空気ばねにおける制止部材の構造では、突状部材面60aと側壁71aとの間隔L3と、突状部材面60bと側壁71bとの間隔L2が等しくなるように側壁形状が設計される。本例では、側壁71aと側壁71bは、空気ばねが備え付けられる台車の台車軸Oを中心とした半径RaとRbの円弧形状に形成されている。このため、同じく台車軸を中心として円弧上を変位する突状部材60に対して、ボギー角に起因する角度変位の量にかかわらず同じ間隔を保つことが可能となる。すなわち、L2とL3は等しく、かつ突状部材60の台車軸を中心とした変位量にかかわらず一定である。このため、車両の右側と左側に設けられた一対の空気ばねA,Bでは、図での左方向に台車が相対的に動いたとすれば、空気ばねAでは突状部材面60bが側壁71bに近づき、空気ばねBでは突状部材面60aは側壁71aに近づく。間隔L2とL3が等しいことから、左右の突状部材が同時に機能し、左右の空気ばねAとBは同じばね特性を発揮することが可能となる。一般的な鉄道用車両に用いる台車を考慮すると、左右空気ばねの取付間隔は1.5m〜3.5mであり、台車軸から突状部材の中心までの距離は0.75m〜1.75mである。突状部材と側壁の間隔は2mm〜25mmが好ましい。よって、突状部材の外表面直径を30mm〜70mmとすると、側壁の円弧半径Raは690mm〜1734mm、Rbは767mm〜1810mmとなる。
この例のように、側壁を同心の円弧形状とすれば、間隔が一定にできる点で設計製造が容易である。本発明の空気ばねでは、突状部材60の円弧変位に対して左右の間隔が同じとなる構造であれば形状は問わない。例えば、側壁71aを上述の同心よりも曲率の大きな円弧として、側壁71bを曲率の小さな円弧とすることで徐々に間隔L2とL3が変化しつつもL2=L3を実現することもできる。もちろん側壁形状は一定曲率の円弧に限るものではなく、曲率の変化する曲面であってもよい。厳密に等間隔では無い形状、たとえば円弧を近似した直線の組み合わせ等で側壁部材を形成することもでき、カーブ走行時の左右の間隔が、側壁が図3の動作説明の如く直線である場合に比べてより均等に改善される形状である限りにおいて本発明の範囲と考えられるべきである。
(移動体用台車)
本発明の空気ばねは、特に鉄道車両として広く用いられている2軸4輪のボギー台車に用いられることが適している。図7に当該台車の代表的な構造図を模式的に示す。2軸4輪の車輪140が設けられた台車枠110の左右中間位置に台車軸150を挟んで2つの空気ばね130が設けられている。空気ばねは本発明にかかる構造を備えた空気ばねであり、図4の構造が例示される。このように本発明の空気ばねを用い、当該台車上に車体をおくことによって、先に説明した通り本発明の機能を活かすことができる。よって、このように構成された台車と車体による鉄道車両では、より良い乗り心地を得ることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5,10 外筒
7,30 下面板
6,21 ダイヤフラム
4,20 上部プレート
3,40 挟持板
2,51 ゴム層
1,50 ストッパーゴム
14,60,61 突状部材
13 ストッパフランジ
13a 長孔
52 プレート
70 側壁部材
13b,13c,71,71a,71b 側壁
60b,60a 突状部材面
L1,L2,L3 間隔
101 車体
110 台車枠
111,112 台車
120 軌道中心線
130,131,132,133,134,A,B 空気ばね
140 車輪
150 台車軸

Claims (5)

  1. 台車と車体から構成される移動体車両において台車と車体間に使用され、該車体に接続される外筒と下面板との間に設けられたダイヤフラムと、台車に接続される挟持板と前記下面板との間に設けられたストッパーゴムとを備えた移動体用の空気ばねであって、
    前記挟持板と前記下面板のいずれか一方に設けられた第1の制止部材と、他方に設けられた第2の制止部材により構成される変位抑制機構を備えており、
    該空気ばねを移動体車両に取り付けた状態における該移動体車両の直線走行時の進行方向を前後方向、水平面内で前後方向に垂直な方向を左右方向とした場合に、
    前記第1の制止部材は該第1の制止部材の水平断面中心から左右方向にそれぞれ位置する左右外表面を具え、
    前記第2の制止部材は前記第1の制止部材を挟んだ左右両側にてそれぞれが前記左右外表面と対向する制止壁面を具え、
    前記第1または第2の制止部材が前記移動体台車の台車軸を中心とした円弧を描くように変位した場合の前記第1の制止部材と前記第2の制止部材との相対的位置関係において、前記第1の制止部材の前記左右外表面と前記第2の制止部材の前記制止壁面とのそれぞれの間隔が同一になるように制止壁面の形状が形成されていること、
    を特徴とする移動体用空気ばね。
  2. 前記第1の制止部材は円柱状の外表面を持つ部材であることを特徴とする請求項1に記載の移動体用空気ばね。
  3. 前記第2の制止部材の前記制止壁面は、水平断面において台車軸を中心とする円弧をなす曲面であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動体用空気ばね。
  4. 前記第1の制止部材の前記前後方向の変位に対して、該変位を抑制する機構を備えないことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の移動体用空気ばね。
  5. 請求項1乃至4の移動体用空気ばねを複数備えたことを特徴とする移動体用台車。
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