JP4910289B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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本発明は、画像読取装置に関し、特に、複数のフォトセンサをマトリクス状に配列したフォトセンサアレイ上に被写体(被検出体)を載置、密着させて、その画像パターン(被写体画像)を読み取る画像読取装置に関する。
従来、印刷物や写真、あるいは、指紋等の微細な凹凸の形状等を読み取る2次元画像の読取装置として、例えば、特許文献1等に記載されているように、フォトトランジスタやフォトダイオードのような光電変換素子(フォトセンサ)をマトリクス状に配列したフォトセンサアレイを備え、該フォトセンサアレイ上に設けられた検知面に被写体を載置、密着させ、該被写体に照射した光の反射光を各フォトセンサにより検出することにより、該被写体の画像パターン(被写体画像)を読み取る構造のものがある。
このような被写体が検知面に直接接触する構造を有する画像読取装置においては、被写体に帯電した静電気による素子破壊や誤動作の発生を抑制するために、静電気を放電、除去するための様々な手法(静電気除去機構)が考えられている。
図14は、従来技術における静電気除去機構を備えた画像読取装置の一構成例を示す概略構成図である。なお、ここでは、指紋読取装置に適用される画像読取装置について示す。また、図示の都合上、素子構造の断面を示すハッチングを省略する。
従来技術における静電気除去機構は、例えば、特許文献2等に、図14(a)、(b)に示すように、面光源BLTの光放射面側(図14(b)上方側)に配置された透明な絶縁性基板SUB上に、複数のフォトセンサPSPがマトリクス状に配列されたフォトセンサアレイPSAを備えた画像読取装置(指紋読取装置)において、フォトセンサアレイPSA上に保護絶縁膜(オーバーコート膜)OCFを介して、静電気除去用の透明導電層SCNが形成された構成が記載されている。
このような画像読取装置においては、図14(b)に示すように、透明導電層SCNの上面に設定された検知面DTCに載置、密着された被写体(指)FNGに対して、面光源BLTから光Lpを照射し、被写体FNGの画像パターン(指紋の凹凸パターン)に応じて反射してフォトセンサPSPに入射する光Lrの光量を検出することにより、明暗情報が電気信号として取り出され、被写体画像(指紋画像)が生成される。
ここで、保護絶縁膜OCFは、例えば、窒化シリコン膜(SiN)や酸化シリコン膜(SiO)等の透明な絶縁膜が適用され、また、透明導電層SCNは、例えば、ITO(Indium-Tin-Oxide:インジウム−スズ酸化物)等の透明な導電性材料により形成される。図14(a)、(b)に示すように、保護絶縁膜OCFは、少なくともフォトセンサアレイPSA(フォトセンサPSP)の上面全域に形成され、また、透明導電層SCNは、フォトセンサアレイPSA(保護絶縁膜OCF)上に、所定の形状パターンを有して薄膜状に形成されているとともに、図示を省略した一定電位(例えば、接地電位)に電気的に接続されている。
特開2004−47719号公報(第7頁〜第9頁、図1、図3、図4) 特開2002−94040号公報(第2頁〜第3頁、図15)
しかしながら、上述したような静電気除去機構を備えた画像読取装置においては、装置構造の小型、薄型、軽量化を図るために、特許文献1、2等にも記載されているように、フォトセンサPSPや保護絶縁膜(オーバーコート膜)OCF、透明導電層SCNが、半導体製造プロセスにおいて多用される薄膜トランジスタ技術を用いて形成されている。
例えば、保護絶縁膜OCFは、CVD法(Chemical vapor deposition:化学気相成長法)等を適用して形成されるが、ここで、CVD法を適用した場合、膜形成時のプロセスタイム(成膜時間)や膜応力等の諸条件に起因して、保護絶縁膜OCFの膜厚を1μm程度の薄さにしか形成でなかった。
そのため、フォトセンサアレイPSA表面が比較的薄い保護絶縁膜によって保護されることになり、当該保護絶縁膜の表面を硬いもので擦る等の外部からの物理的なダメージや、薬品等による浸食による化学的なダメージが加わると、フォトセンサが損傷を受けて、画像読取装置の故障や動作不良の原因となり、信頼性の低下を招くという問題を有していた。なお、従来技術(特許文献2等)と同等の素子構造を適用した場合の不良発生率については、後述する発明の実施形態において、詳しく説明する。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、フォトセンサアレイ上の検知面に載置、密着された被写体に帯電した静電気を十分に除去しつつ、外部からの物理的、化学的ダメージによる影響を低減し、故障や動作不良の発生を抑制して信頼性の高い画像読取装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、絶縁性基板の一面側に複数のフォトセンサが2次元配列されたフォトセンサアレイを備え、該フォトセンサアレイ上に設けられた検知面上に載置された被写体の画像パターンを読み取る画像読取装置において、前記画像読取装置は、前記フォトセンサアレイ上に、少なくとも、前記フォトセンサアレイの全域を被覆するよう形成された、透明な絶縁膜と、第1の透明導電層と、アクリル樹脂又はポリイミド樹脂からなる透明な有機膜層と、前記有機膜層の上面に積層されて所定の形状パターンを有するように形成された静電気除去用の第2の透明導電層と、が順次積層された構成を有し、前記第2の透明導電層の上面が前記検知面に設定されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像読取装置において、前記有機膜層は、透明な感光性有機材料からなることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像読取装置において、前記有機膜層は、概ね10μm以下の膜厚に設定されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の画像読取装置において、前記フォトセンサは、光の入射によりキャリアが生成、蓄積される半導体層と、該半導体層を挟んで形成されたドレイン電極及びソース電極と、前記半導体層の上方に透明な上部絶縁膜を介して形成された透明な上部ゲート電極と、前記半導体層の下方に透明な下部絶縁膜を介して形成された不透明な下部ゲート電極と、を有するダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有していることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の画像読取装置において、前記透明導電層は、所定の電位に接続され、前記検知面に載置された前記被写体に帯電した静電気を、前記所定の電位に放電することを特徴とする。
本発明に係る画像読取装置によれば、例えば、フォトトランジスタやダブルゲート型フォトセンサ等の複数のフォトセンサを2次元配列したフォトセンサアレイ上に、被写体が載置される検知面が設けられた画像読取装置において、上記フォトセンサアレイ上に、少なくとも、上記フォトセンサアレイの全域を被覆するよう形成された、透明な絶縁膜と、第1の透明導電層と、アクリル樹脂又はポリイミド樹脂からなる透明な感光性の有機膜層と、有機膜層の上面に積層されて所定の形状パターンを有するように形成され、所定の電位に接続されたITO膜等の静電気除去用の第2の透明導電層と、が順次積層された構成を有しているので、有機膜層によりフォトセンサ(各フォトセンサ)への外部からの物理的なダメージを防止することができるとともに、第1及び第2の透明導電層により被写体に帯電した静電気を放電して、フォトセンサ(各フォトセンサ)への静電気による電気的なダメージを防止することができる。
ここで、フォトセンサアレイ上に設けられる有機膜層の膜厚を、概ね10μm以下に設定することにより、外部からの物理的なダメージの影響を抑制しつつ、良好なコントラストで比較的鮮明な読取画像を得ることができる。したがって、フォトセンサアレイの破損や読取誤動作が抑制されるので、信頼性及び耐久性に優れた画像読取装置を実現することができる。
また、上記有機膜層と透明導電層の積層構造として、有機膜層上に透明導電層が積層形成された構成をすることにより、有機膜層に比較して硬く、かつ、薬品等の浸食に強いITO膜等の透明導電層を最上層(被写体が載置される検知面が設定される層)に配置しているので、外部からの物理的なダメージや化学的なダメージの影響をより一層抑制することができる。したがって、外部からのダメージに対して同等の耐圧を実現するために必要となる有機膜層の膜厚を薄く形成することができるので、フォトセンサアレイの保護効果を向上させつつ、読取画像のコントラストを向上させて一層鮮明な画像を得ることができる。
以下に、本発明に係る画像読取装置の実施の形態について、詳しく説明する。
まず、本発明に係る画像読取装置に適用して良好なフォトセンサについて説明する。
本発明に係る画像読取装置に適用可能なフォトセンサアレイ(フォトセンサシステム)としては、CCD(Charge Coupled Device)等の周知の固体撮像デバイスを良好に用いることができる。
CCDは、例えば、上述した特許文献1等にも開示されているフォトトランジスタやフォトダイオード等のフォトセンサをライン状又はマトリクス状に配列した構成を有し、各フォトセンサの受光部に入射した光に応じて発生する電子−正孔対の量(電荷量)を、水平走査回路及び垂直走査回路により検出し、入射光の輝度(明暗情報)を検知するものであり、デジタルビデオカメラや複写機等、様々な撮像装置や画像読取装置に適用されている。
ところで、このようなCCDを用いたフォトセンサシステムにおいては、特許文献1等にも開示されているように、走査された各フォトセンサを選択状態に設定するための選択トランジスタを、各フォトセンサごとに個別に設ける必要があるため、被写体画像の高解像度化等に対応するために読取画素数(フォトセンサの数)を増加させると、システム自体が大型化するという問題を有している。
そこで、近年、このような問題を解決するための構成として、特許文献2等にも開示されているように、フォトセンサ自体にフォトセンス機能と選択トランジスタ機能とを持たせた、いわゆる、ダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有するフォトセンサ(以下、「ダブルゲート型フォトセンサ」と記す)が開発され、システムの小型化を図りつつ、被写体画像の高解像度化を図る試みがなされている。そのため、本発明における画像読取装置においても、このダブルゲート型フォトセンサを良好に適用することができる。
ダブルゲート型フォトセンサやこれを適用したフォトセンサシステムの具体的な構成や動作は、概ね、以下に示す通りである。
<ダブルゲート型フォトセンサ>
図1は、本発明に係る画像読取装置に適用可能なダブルゲート型フォトセンサの素子構造を示す断面構造図である。
図1(a)に示すように、ダブルゲート型フォトセンサPSは、概略、励起光(ここでは、可視光)の入射により電子−正孔対が生成されるアモルファスシリコン等の半導体層(チャネル領域)11と、該半導体層11の両端に、各々nシリコンからなる不純物層(オーミックコンタクト層)17、18を介して形成され、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなり、可視光に対して不透明なドレイン電極12(ドレイン端子D)及びソース電極13(ソース端子S)と、半導体層11の上方(図面上方)にブロック絶縁膜(ストッパ膜)14及びトップゲート絶縁膜(上部絶縁膜)15を介して形成され、酸化スズ膜やITO膜(インジウム−スズ酸化膜)等の透明電極層からなり、可視光に対して透過性を示すトップゲート電極TGx(上部ゲート電極;トップゲート端子TG)と、半導体層11の下方(図面下方)にボトムゲート絶縁膜(下部絶縁膜)16を介して形成され、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された導電性材料からなり、可視光に対して不透明なボトムゲート電極BGx(下部ゲート電極;ボトムゲート端子BG)と、を有して構成されている。
そして、このような構成を有するダブルゲート型フォトセンサPSは、図1(a)に示すように、例えば、ガラス基板等の透明な絶縁性基板SUBの一面側に形成されている。また、該ダブルゲート型フォトセンサPSを含む絶縁性基板SUBの一面側全体には保護絶縁膜19が被覆形成されて、ダブルゲート型フォトセンサPSに対する電気的、物理的、化学的なダメージによる損傷や浸食を防止するように構成されている。なお、上述した従来技術に示した特許文献2等においては、上記保護絶縁膜19上に、図示を省略した透明導電層が設けられ、該透明導電膜の上面に被写体(被検出体)が載置される検知面が設定された構成を有している(図14参照)。
ここで、図1(a)に示したダブルゲート型フォトセンサPSおいては、トップゲート絶縁膜15、ブロック絶縁膜14、ボトムゲート絶縁膜16を構成する絶縁膜、及び、トップゲート電極TGx上に設けられる保護絶縁膜19は、いずれも半導体層11を励起する可視光に対して高い透過率を有する材質、例えば、窒化シリコンや酸化シリコン等により構成されていることにより、図面下方に設けられた光源(図示を省略)からの放射光を図面上方に透過させるとともに、保護絶縁膜19の上方に設けられた検知面に載置された被写体に反射して、図面上方からダブルゲート型フォトセンサPS(詳しくは、半導体層11)に入射する光のみを検知する構造を有している(後述する図4参照)。
なお、このようなダブルゲート型フォトセンサPSは、一般に、図1(b)に示すような等価回路により表される。ここで、TGはトップゲート電極TGxに電気的に接続されたトップゲート端子、BGはボトムゲート電極BGxに電気的に接続されたボトムゲート端子、Dはドレイン電極12に電気的に接続されたドレイン端子、Sはソース電極13に電気的に接続されたソース端子である。
<フォトセンサシステム>
次いで、上述したダブルゲート型フォトセンサを絶縁性基板上に2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを備えたフォトセンサシステムについて説明する。
図2は、ダブルゲート型フォトセンサを適用したフォトセンサシステムの概略構成図である。なお、ここでは、複数のダブルゲート型フォトセンサをマトリクス状に2次元配列して構成されるフォトセンサアレイを示して説明するが、複数のダブルゲート型フォトセンサを、例えば、直線状(X方向)に1次元配列してラインセンサアレイを構成し、該ラインセンサアレイを延在方向と垂直方向(X方向に直交するY方向)に移動させて被写体の画像パターン(2次元領域)を走査(スキャン)するものであってもよい。
フォトセンサシステムは、図2に示すように、大別して、複数のダブルゲート型フォトセンサPSを、例えば、n行×m列(n、mは任意の自然数)のマトリクス状に配列したフォトセンサアレイ100と、各ダブルゲート型フォトセンサPSのトップゲート端子TG(トップゲート電極TGx)を行方向に接続して伸延するトップゲートラインLtと、各ダブルゲート型フォトセンサPSのボトムゲート端子BG(ボトムゲート電極BGx)を行方向に接続して伸延するボトムゲートラインLbと、各ダブルゲート型フォトセンサPSのドレイン端子D(ドレイン電極12)を列方向に接続して伸延するドレインライン(データライン)Ldと、ソース端子S(ソース電極13)を所定の一定電位(例えば、接地電位)Vssに共通に接続するソースライン(コモンライン)Lsと、トップゲートラインLtに接続されたトップゲートドライバ110と、ボトムゲートラインLbに接続されたボトムゲートドライバ120と、ドレインラインLdに接続されたドレインドライバ130と、を有して構成されている。
なお、図2において、トップゲート制御信号は、トップゲートドライバ110において、後述するリセット電圧(リセットパルス)又はキャリア蓄積電圧のいずれかとして、トップゲートラインLtに選択的に出力される信号φT1、φT2、…φTi、…φTnを生成するための制御信号であり、ボトムゲート制御信号は、ボトムゲートドライバ120において、後述する読み出し電圧又は非読み出し電圧のいずれかとして、ボトムゲートラインLbに選択的に出力される信号φB1、φB2、…φBi、…φBnを生成するための制御信号であり、ドレイン制御信号は、ドレインドライバ130において、ドレインラインLdに後述するプリチャージ電圧Vpgを印加するタイミングを制御するプリチャージ信号である。詳しくは、駆動制御方法において説明する。
(駆動制御方法)
次いで、上述したフォトセンサシステム(ダブルゲート型フォトセンサ)の駆動制御方法について、図面を参照して簡単に説明する。
図3は、ダブルゲート型フォトセンサを適用したフォトセンサシステムの駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートである。また、図4は、ダブルゲート型フォトセンサを適用したフォトセンサシステムを指紋読取装置に適用した場合の被写体の画像パターン(指紋画像)の読み取り動作を示す概念図である。ここで、図4においては、図示の都合上、フォトセンサアレイ100周辺の断面部分を表すハッチングを省略する。
上述したフォトセンサアレイ100の駆動制御方法は、例えば、図3に示すように、所定の処理動作期間(1処理サイクル)に、リセット期間Trst、電荷蓄積期間Ta、プリチャージ期間Tprch及び読み出し期間Treadを設定することにより実現される。
まず、リセット期間Trstにおいては、トップゲートドライバ110によりトップゲートラインLtを介して、i行目(iは1≦i≦nの任意の整数)のダブルゲート型フォトセンサPSのトップゲート端子TGにリセットパルス(例えば、トップゲート電圧Vtg=+15Vのハイレベル;リセット電圧)φTiを印加して、半導体層11に蓄積されているキャリア(ここでは、正孔)を放出するリセット動作(初期化動作)を実行する。
次いで、電荷蓄積期間Taにおいては、トップゲートドライバ110によりトップゲート端子TGにローレベル(例えば、トップゲート電圧Vtg=−15Vのローレベル;キャリア蓄積電圧)のバイアス電圧φTiを印加することにより、上記リセット動作を終了し、電荷蓄積動作(キャリア蓄積動作)を開始する。
ここで、電荷蓄積期間Taにおいては、図4に示すように、例えば、図1に示したダブルゲート型フォトセンサPSが形成された透明な絶縁性基板SUBの背面側に配置されたバックライトBLTから、絶縁性基板SUB、フォトセンサアレイ100を透過して保護絶縁膜19の上方(上面であってもよい)に設けられた検知面DTCに載置された被写体(指)FNGに対して照射された光Lxの反射光Lyが、保護絶縁膜19及び透明電極層からなるトップゲート電極TGxを通過して半導体層11に入射する。これにより、電荷蓄積期間Ta中に半導体層11に入射した光量に応じて、半導体層11の入射有効領域(キャリア発生領域)で電子−正孔対が生成され、半導体層11とブロック絶縁膜14との界面近傍(チャネル領域周辺)に正孔が蓄積される。
そして、プリチャージ期間Tprchにおいては、上記電荷蓄積期間Taに並行して、ドレイン制御信号として供給されるプリチャージ信号φpgに基づいて、ドレインドライバ130によりドレインラインLdを介して、ドレイン端子Dにプリチャージパルス(例えば、ドレイン電圧VD(=プリチャージ電圧Vpg)=+5V;プリチャージ電圧)を印加し、ドレイン電極12に電荷を保持させるプリチャージ動作を実行する。
次いで、読み出し期間Treadにおいては、上記プリチャージ期間Tprchを経過した後、ボトムゲートドライバ120によりボトムゲートラインLbを介して、ボトムゲート端子BGに読み出しパルス(例えば、ボトムゲート電圧(=読み出しパルス電圧)Vbg=+10Vのハイレベル;読み出し電圧)φBiを印加することにより、電荷蓄積期間Taにチャネル領域に蓄積されたキャリア(正孔)に応じたドレイン電圧VD(=データ電圧Vrd)を、ドレインラインLdを介して、ドレインドライバ130により読み出す読み出し動作が実行される。
ここで、読み出しパルスφBiの印加期間(読み出し期間)におけるドレイン電圧VD(データ電圧Vrd)の変化傾向は、電荷蓄積期間Taに蓄積されたキャリアが多い場合(明状態)には、当該電圧が急峻に低下する傾向を示し、一方、蓄積されたキャリアが少ない場合(暗状態)には緩やかに低下する傾向を示すので、例えば、読み出し期間Treadの開始から所定の時間経過後のデータ電圧Vrdを検出することにより、ダブルゲート型フォトセンサPSに入射した光の量、すなわち、被写体画像の明暗パターンに対応した明度データ(明暗情報)を検出することができる。
そして、このような特定の行(i行目)に対する一連の明度データ検出動作を1サイクルとして、上述したフォトセンサアレイ100の各行(i=1、2、・・・n)に対して、同等の動作処理を繰り返すことにより、ダブルゲート型フォトセンサPSを適用して、所望の被写体の2次元画像を明度データとして読み取るフォトセンサシステムを実現することができる。
<第1の実施形態>
次に、上述したダブルゲート型フォトセンサの素子構造を適用した画像読取装置の実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。
図5は、本発明に係る画像読取装置に適用されるフォトセンサアレイを含む積層構造の第1の実施形態を示す概略断面図である。ここで、図1に示したダブルゲート型フォトセンサの素子構造に対応する構成については、同一又は同等の符号を付して説明する。
本実施形態に係る画像読取装置(フォトセンサアレイを含む積層構造)は、図5に示すように、ガラス基板等の透明な絶縁性基板SUBの一面側に、アモルファスシリコン等からなる半導体層11の両端に接続形成されたドレイン電極12及びソース電極13、半導体層11の上方にトップゲート絶縁膜15を介して形成された透明電極層からなるトップゲート電極TGx、及び、半導体層11の下方にボトムゲート絶縁膜16を介して形成されたボトムゲート電極BGxからなる複数のダブルゲート型フォトセンサPSが2次元配列されたフォトセンサアレイ100と、各ダブルゲート型フォトセンサPSのトップゲート電極TGxを含むトップゲート絶縁膜15上に、被覆形成された保護絶縁膜(透明な絶縁膜)19と、該保護絶縁膜19上に所定の形状パターンを有して形成され、ITO膜等の透明導電層からなる静電気除去用の透明導電層21と、フォトセンサアレイ100上(透明導電層21を含む保護絶縁膜19上)の全域を被覆するように形成された表面保護用の有機膜層30と、を順次積層した構成を有している。
ここで、半導体層11とドレイン電極12及びソース電極13との間には、図1に示した素子構造と同様に、不純物層(オーミックコンタクト層)17、18が介在するように形成され、また、半導体層11とトップゲート絶縁膜15との間には、ブロック絶縁膜(ストッパ膜)14が介在するように形成されている。また、フォトセンサアレイ100上に積層された有機膜層30の上面は、被写体が載置される検知面DTCに設定されている。
また、トップゲート絶縁膜15、ボトムゲート絶縁膜16及び保護絶縁膜19は、図1に示した素子構造と同様に、CVD法等を適用して、窒化シリコンや酸化シリコン等の透過率の高い絶縁膜により構成され、さらに、トップゲート電極TGx及び透明導電層21は、ITO等の透明電極材料により構成され、ボトムゲート電極BGxは、クロムやアルミニウム等から選択された不透明な電極層により構成されている。
また、本実施形態においては、特に、透明導電層21を含む保護絶縁膜19上に設けられる有機膜層30として、例えば、半導体製造プロセスにおける露光処理において多用されている周知の感光性有機材料、具体的には、アクリル樹脂や感光性ポリイミド等を適用して形成されている。
なお、周知の露光処理に適用される感光性有機材料は、例えば、ベースフィルム層、アクリルフィルム層、保護フィルム層を積層した多層フィルム構造を有し、かつ、各フィルム層相互が剥離可能な膜構造を有する感光性有機膜として提供されている。このような感光性有機膜は、まず、上記保護フィルム層を剥離し、絶縁性基板SUBのフォトセンサアレイ100上(透明導電層21を含む保護絶縁膜19の上面)を含む領域に、ラミネータ(熱圧着ローラ)を用いてアクリルフィルム層側を貼り合わせる(ラミネート形成する)。
次いで、露光、現像、焼成プロセスからなる周知の露光処理を、ベースフィルム層側から施して所望の形状パターンに(例えば、絶縁性基板SUBの周辺領域を除く、フォトセンサアレイ100に対応する上方領域にのみ残留するように)パターニングした後、ベースフィルム層を剥離することにより、フォトセンサアレイ100に対応する領域にアクリルフィルム層(有機膜層)からなる有機膜層30が形成される。
次いで、上述したような表面保護用の有機膜層(感光性有機膜)をフォトセンサアレイ上に設けた場合の、外圧に対する保護効果(外部からの物理的ダメージに対する耐圧)について具体的に検証する。
図6は、本実施形態に係る画像読取装置における有機膜層の保護効果の検証実験の結果(引っ掻き荷重とフォトセンサの不良発生率の関係)を示す図である。
ここで、感光性有機膜の保護効果の検証実験として、引っ掻き試験機に引っ掻き部材としてダイヤモンドペンを装着し、上記画像読取装置(フォトセンサアレイ)の最上層に形成された表面保護用の有機膜層(感光性有機膜)の表面を所定の荷重を印加して引っ掻き、当該荷重とフォトセンサアレイ(フォトセンサ)における不良発生率との関係を観測して評価した。なお、本検証実験で使用した引っ掻き試験機は、鉛筆の芯の硬度測定に適用される周知の試験機を流用し、鉛筆硬度試験の試験方法に準ずる手法により、荷重を印加して引っ掻く方法を採用した。また、本検証実験においては、本実施形態に係る画像読取装置に形成される有機膜層(感光性有機膜)30として、上述したアクリル樹脂を適用した。
まず、フォトセンサアレイ100上に保護絶縁膜19及びITO膜からなる透明導電層21のみを形成し、有機膜層30を設けない装置構造(特許文献2等に開示された構成)においては、図6中、実験結果SXに示すように、概ね30g程度の荷重を印加して引っ掻いた状態で、フォトセンサアレイ100を構成するほぼすべて(100%)のフォトセンサPSに、引っ掻き傷が到達して、線欠陥や動作不良が発生することが判明した。
一方、本実施形態(図5)に示したように、フォトセンサアレイ100上に保護絶縁膜19を介して、ITO膜からなる透明導電層21を所定の形状パターンで形成し、さらにその上層にアクリル樹脂(感光性有機膜)からなる有機膜層30を形成した装置構造においては、膜厚に関わらず、図6中、実験結果SA〜SCに示すように、上記実験結果SXに比較して不良発生率が大幅に低下して、外部からの物理的ダメージ(荷重)に対する強度(耐圧)が大幅に向上することが判明した。
より具体的には、図6に示した各実験結果SX、SA〜SCにおいて、不良発生率が100%に達した時点の荷重に着目して概略的に比較すると、有機膜層30を設けていない装置構造(実験結果SX)に対して、膜厚2μmのアクリル樹脂からなる有機膜層30を設けた場合(実験結果SA)には概ね7倍程度、膜厚5μmの有機膜層30を設けた場合(実験結果SB)には概ね13倍程度、膜厚10μmの有機膜層30を設けた場合(実験結果SC)には概ね20倍程度、耐圧が向上することが判明した。
次いで、上述したような有機膜層(感光性有機膜)をフォトセンサアレイ上に設けた場合の、読取画像の鮮明さ(コントラスト)について具体的に検証する。
図7は、本実施形態に係る画像読取装置における読取画像の鮮明さの検証実験の結果を示す図であり、図8は、本実施形態に係る画像読取装置における読取画像のコントラストと有機膜層の膜厚との関係を示す図である。ここでは、本発明に係る画像読取装置を、図4に示したように、指紋読取装置に適用した場合において、被写体(指)の画像パターン(指紋)を250階調で読み取った場合の読取画像(指紋画像)の実画像、及び、該画像の階調データに基づくコントラストについて、具体的に検証する。
まず、フォトセンサアレイ100上に保護絶縁膜19及びITO膜からなる透明導電層21のみを形成し、有機膜層(感光性有機膜)30を設けない装置構造においては、図7(a)の上図に示すように、被写体(指)の読取画像(指紋画像)は鮮明であり、また、図7(a)の下図に示すように、該読取画像についての各階調データにおける受光強度の分布も、暗部及び明部におけるピークが明確に表れており、かつ、当該ピーク間の階調差(コントラストに相当する;図中、「指紋コントラスト」と表記)Wpも大きいという、極めて良好な読取画像が得られる。
一方、本実施形態に示したように、フォトセンサアレイ100上に保護絶縁膜19及びITO膜からなる透明導電層21を形成し、さらに、その上層に所定の膜厚を有するアクリル樹脂からなる有機膜層30を形成した装置構造においては、図7(b)〜(d)の各上図に示すように、有機膜層30の膜厚が厚くなるにしたがって(2μm→5μm→10μm)、読取画像(指紋画像)が不鮮明になり、また、図7(b)〜(d)の各下図に示すように、各読取画像についての各階調データにおける受光強度の分布も、有機膜層30の膜厚が厚くなるにしたがって(2μm→5μm→10μm)、暗部及び明部におけるピークが次第に不明確になって、さらに、当該ピーク間の階調差Wpも小さくなることが判明した。
なお、上述した検証実験においては、市販品として一般的に入手が容易なアクリル樹脂フィルムを用いたため、上述した膜厚2μm、5μm、10μmにおける実験結果のみを示した。より大きな膜厚の有機膜層30を適用した場合の実験結果については、アクリル樹脂フィルムと同等の感光性有機膜であるポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、膜厚25μmで形成した場合の読取画像の実画像、及び、該画像の階調データに基づくコントラスト(受光強度の分布)を図7(e)に示す。
膜厚25μmの有機膜層30を設けた場合、図7(e)の上図に示すように、図7(b)〜(d)に示した各膜厚(2μm、5μm、10μm)を有する有機膜層30を設けた場合よりも、さらに読取画像(指紋画像)が不鮮明になり、また、図7(e)の下図に示すように、該読取画像についての各階調データにおける受光強度の分布も、暗部及び明部におけるピークが著しく不明確で、当該ピーク間の階調差も判別が困難になることが判明した。
なお、図8に示した曲線SPは、図7(a)〜(e)に示した、有機膜層30の各膜厚における読取画像についての受光強度の分布における暗部及び明部におけるピーク間の階調差(コントラスト)Wpを、有機膜層30の膜厚0の場合(図7(a)に示した有機膜層30を設けない構成)を基準(1.0)として規格化した場合の、有機膜層の膜厚と当該規格化コントラスト(ダイナミックレンジ)との関係を示したものである。
これによれば、図8に示すように、有機膜層の膜厚が概ね10μm以下、すなわち、規格化コントラストが概ね0.4以上、あるいは、有機膜層の膜厚が0μmの場合に比較して規格化コントラストが概ね1/2以上であれば、図7(b)〜(d)に示したように、明瞭な読取画像が得られることが判明した。
したがって、上述した本実施形態に係る画像読取装置において、外部からの物理的なダメージの影響を抑制、防止するために、最上層に設ける有機膜層(感光性有機膜)を無制限に厚くすると、読取画像の劣化を招き(図7(e)参照)、上述したように画像読取装置を指紋読取装置に適用した場合にあっては、指紋画像を用いて認証処理を実行する際に誤動作を生じる可能性がある。
そこで、本実施形態に係る画像読取装置においては、最上層に設ける有機膜層の膜厚を、概ね10μm以下に設定することにより、図6に示したように、外部からの物理的なダメージの影響を大幅に抑制することができるとともに、図7(b)〜(d)に示したように、コントラストが良好で比較的鮮明な読取画像(指紋画像)を得ることができるという結論に達した。
なお、上述した有機膜層(感光性有機膜)において、下限となる2μmという膜厚は、感光性有機膜が上述したようにフィルム状を有しているため、その製造技術上の限界により規定されるものである。
また、本実施形態に係る画像読取装置においては、フォトセンサアレイ上に設けられた静電気除去用の透明導電層を被覆するように、比較的膜厚の大きい有機膜層(感光性有機膜)が形成された構成を有しているが、この場合の静電気除去機能について検証すると、被写体(例えば、指)が直接透明導電層に接触する構成を有していないものの、帯電した被写体から有機膜層に侵入した静電気は下層の透明導電層を介して、接地電位等に放電されることになるので、被写体が直接透明導電層に接触した場合と同程度の静電気除去効果を得ることができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る画像読取装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図9は、本発明に係る画像読取装置に適用されるフォトセンサアレイの第2の実施形態を示す概略断面図である。ここで、上述した第1の実施形態と同等の構成については、同一又は同等の符号を付してその説明を簡略化する。
本実施形態に係る画像読取装置(フォトセンサアレイを含む積層構造)は、図9に示すように、上述した第1の実施形態と同等の構成を有するフォトセンサアレイ100上に、保護絶縁膜(透明な絶縁膜)19、透明導電層(第1の透明導電層)21及び有機膜層(感光性有機膜)30を順次積層形成した構成に加え、さらに、該有機膜層30上にITO等からなる透明導電層(第2の透明導電層)22を設けた構成を有している。
上述したような有機膜層上に透明導電層を設けた場合の、外圧に対する保護効果(外部からの物理的ダメージに対する耐圧)について具体的に検証する。
図10は、本実施形態に係る画像読取装置における有機膜層及び透明導電層の保護効果の検証実験の結果(引っ掻き荷重とフォトセンサの線欠陥発生率の関係)を示す図である。なお、本検証実験の手法や条件については、上述した第1の実施形態における検証実験と同等である。
まず、上述した第1の実施形態においては、フォトセンサアレイ100上に保護絶縁膜19及びITO膜からなる透明導電層21のみを形成し、有機膜層30を設けない装置構造(図10中、実験結果SX)に比較して、フォトセンサアレイ100上に保護絶縁膜19を介して、ITO膜からなる透明導電層21を所定の形状パターンで形成し、さらにその上層に膜厚2μmのアクリル樹脂(感光性有機膜)からなる有機膜層30を形成した装置構造においては、図10中、実験結果SAに示すように、不良発生率が低下して、外部からの物理的ダメージに対する耐圧が概ね7倍程度向上することを示した。
一方、本実施形態に示すように、フォトセンサアレイ100上に保護絶縁膜19、ITO膜からなる透明導電層21、膜厚2μmの有機膜層(感光性有機膜)30を順次形成した後、さらにその上層に膜厚0.15μmのITO膜からなる透明導電層22を形成した装置構造においては、図10中、実験結果SAαに示すように、上記実験結果SAに比較して不良発生率がさらに低下して、外部からの物理的ダメージに対する耐圧が概ね1.5倍程度、また、上記実験結果SXに比較して、概ね10倍程度、耐圧が向上することが判明した。
すなわち、フォトセンサアレイ100上に保護絶縁膜19、ITO膜からなる透明導電層21、有機膜層(感光性有機膜)30が順次積層された構成に加えて、さらに透明導電層22が形成されていることにより、有機膜層30を構成する感光性有機膜に比較して透明導電層22を構成するITO膜の方が硬いので、外部からの物理的ダメージに対する耐圧を向上させることができる。
これは、換言すると、同等の耐圧を実現するために必要となる有機膜層(感光性有機膜)30の膜厚を、上述した第1実施形態の場合(図6参照;10μm以下)よりも薄く形成することができることを意味する。したがって、フォトセンサアレイ100の外圧に対する保護効果を向上させつつ、有機膜層(感光性有機膜)30の膜厚を薄くすることができるので、図7に示したように、読取画像のコントラストを向上させて、鮮明な画像を得ることができる。
また、画像読取装置の最上層、及び、保護絶縁膜19上の2層に、透明導電層21、22が設けられているので、帯電した被写体により印加される静電気を、双方の透明導電層21、22を介して十分に放電することができ、フォトセンサアレイ100の静電気破壊を良好に防止することができる。
さらに、画像読取装置の最上層に、有機膜層30を構成する感光性有機膜(アクリル樹脂)に比較して化学的ダメージに対する耐圧が高いITO膜からなる透明導電層22が設けられているので、薬品等による浸食からフォトセンサアレイ100を良好な保護することができる。
なお、最上層に設けられる透明導電層22は、上述したように、例えば、膜厚0.15μm程度に比較的薄く形成した場合であっても十分な静電気除去効果を実現することができるが、極端に薄く形成した場合には外部からの物理的なダメージにより、当該透明導電層22が損傷する可能性がある。しかしながら、その下層に比較的厚い(例えば、2μm程度)有機膜層30が設けられていることにより、フォトセンサアレイ(フォトセンサ)における線欠陥や動作不良の発生を良好に防止することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る画像読取装置の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図11は、本発明に係る画像読取装置に適用されるフォトセンサアレイの第3の実施形態を示す概略断面図である。ここで、上述した第1及び第2の実施形態と同等の構成については、同一又は同等の符号を付してその説明を簡略化する。
本実施形態に係る画像読取装置(フォトセンサアレイを含む積層構造)は、図11に示すように、上述した第1の実施形態と同等の構成を有するフォトセンサアレイ100上に、保護絶縁膜19及び有機膜層(感光性有機膜)30を順次積層形成した構成に加え、さらに、該有機膜層30上にITO等からなる透明導電層22を設けた構成を有している。すなわち、保護絶縁膜19上に第1及び第3の実施形態に示した透明導電層21を設けることなく、直接有機膜層30が積層形成された構成を有している。
ここで、本実施形態に係る画像読取装置に適用される製造プロセスの一例について説明する。
図12は、本実施形態に係る画像読取装置に適用される製造プロセスの一例を示すプロセス断面図である。なお、ここでは、絶縁性基板SUB上に複数のダブルゲート型フォトセンサPSからなるフォトセンサアレイ100が形成された状態から後の工程について説明する。
まず、図12(a)に示すように、絶縁性基板SUBの一面側に複数のダブルゲート型フォトセンサPSを2次元配列することによりフォトセンサアレイ100が形成され、さらに、該フォトセンサアレイ100の全域を被覆するように、絶縁性基板SUBの一面側に保護絶縁膜19が形成され、さらに、フォトセンサアレイ100の全域を被覆するように、アクリル樹脂等からなる感光性有機膜30xをラミネート形成する。
次いで、図12(b)に示すように、感光性有機膜30xを周知の露光工程により露光、現像、焼成して、少なくともフォトセンサアレイ100上を被覆する所定の形状パターンを有する有機膜層30を形成して有機膜層とする。
次いで、図12(c)に示すように、フォトセンサアレイ100の周辺領域であって、絶縁性基板SUBの縁辺部近傍(図右方領域)に、フォトセンサアレイ100と図2に示した各ドライバ等と電気的に接続するための端子パッド部PAD(詳しくは後述する)上の保護絶縁膜19をエッチングしてコンタクトホール19hを形成して、第3パッド層TMの上面を露出させる。
次いで、フォトセンサアレイ100の全域を被覆し、かつ、コンタクトホール19hを介して第3パッド層TMの上面に電気的に接触するようにITO膜を形成した後、図12(d)に示すように、少なくともフォトセンサアレイ100上、及び、端子パッド部PAD近傍にITO膜を残すようにパターニングして、フォトセンサアレイ100上に静電気除去用の透明導電層22を形成すると同時に、端子パッド部PADの最上層となる第4パッド層CMを形成する。
ここで、端子パッド部PADは、図2に示したフォトセンサシステムに適用されるトップゲートドライバ110やボトムゲートドライバ120、ドレインドライバ130のいずれか、もしくは、接地電位と電気的に接続するためのものであって、ダブルゲート型フォトセンサPSを構成するボトムゲート電極BGx、ドレイン電極12及びソース電極13、トップゲート電極TGx、透明導電層22の各導電層を形成する工程と同時に形成された4層の導電層により構成されている。
すなわち、ダブルゲート型フォトセンサPSのボトムゲート電極BGxの製造工程において、同一の金属層により形成された第1パッド層BMと、ドレイン電極12及びソース電極13の製造工程において、同一の金属層により形成された第2パッド層DSMと、トップゲート電極TGxの製造工程において、同一の透明電極層により形成された第3パッド層TMと、透明導電層22の製造工程において、同一の透明導電層により形成された第4パッド層CMと、が電気的に接続されるように積層形成された構成を有している。なお、各ドライバ等とは、端子パッド部PADの最上層となる第4パッド層CMの上面を介して電気的に接続される。
したがって、本実施形態に係る画像読取装置によれば、フォトセンサアレイ100上(保護絶縁膜19上)に静電気除去用の透明導電層を直接積層した構成を有していないので、当該透明導電層を形成する工程を削減することができ、製造プロセスの簡素化を図ることができる。また、保護絶縁膜19上に直接透明導電層が設けられていないので、当該保護絶縁膜19を介して、下層のダブルゲート型フォトセンサPSのトップゲート電極TGxと、静電気除去用の透明導電層22との間の層間距離を大きくして、電気的な短絡(層間ショート)を抑制することができ、画像読取装置の故障や動作不良の発生を抑制することができる。
さらに、上述した第2実施形態の場合と同様に、表面保護用の有機膜層30より上層に設けた透明導電層(ITO膜)22の方が硬いので、外部からの物理的ダメージに対する耐圧を向上させることができ、これにより有機膜層30の膜厚を第1実施形態の場合よりも薄くすることができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明に係る画像読取装置の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。
図13は、本発明に係る画像読取装置に適用されるフォトセンサアレイの第4の実施形態を示す概略断面図である。ここで、上述した第1乃至第3の実施形態と同等の構成については、同一又は同等の符号を付してその説明を簡略化する。
本実施形態に係る画像読取装置(フォトセンサアレイを含む積層構造)は、図13に示すように、上述した第1の実施形態と同等の構成を有するフォトセンサアレイ100上(各ダブルゲート型フォトセンサPSのトップゲート電極TGxを含むトップゲート絶縁膜15上)に、有機膜層(感光性有機膜)30を積層形成し、さらに、該有機膜層30上にITO等からなる透明導電層22を設けた構成を有している。すなわち、トップゲート絶縁膜15上に保護絶縁膜19を設けることなく、直接有機膜層30が積層形成された構成を有している。
したがって、本実施形態に係る画像読取装置によれば、フォトセンサアレイ100上に、保護絶縁膜19を積層した構成を有していないので、当該保護絶縁膜19をCVD法等により形成する工程を削減することができ、製造プロセスの一層の簡素化を図ることができる。
なお、上述した各実施形態においては、フォトセンサアレイを構成するフォトセンサとしてダブルゲート型フォトセンサを適用した場合について説明したが、上述したように、本発明はこれに限定されるものではなく、周知のフォトトランジスタやフォトダイオード等のフォトセンサを適用するものであっても、同等の装置構造を適用することができることはいうまでもない。
本発明に係る画像読取装置に適用可能なダブルゲート型フォトセンサの概略構成を示す断面構造図である。 ダブルゲート型フォトセンサを適用したフォトセンサシステムの概略構成図である。 ダブルゲート型フォトセンサを適用したフォトセンサシステムの駆動制御方法の一例を示すタイミングチャートである。 ダブルゲート型フォトセンサを適用したフォトセンサシステムを指紋読取装置に適用した場合の被写体の画像パターン(指紋画像)の読み取り動作を示す概念図である。 本発明に係る画像読取装置に適用されるフォトセンサアレイを含む積層構造の第1の実施形態を示す概略断面図である。 本実施形態に係る画像読取装置における有機膜層の保護効果の検証実験の結果(引っ掻き荷重とフォトセンサの不良発生率の関係)を示す図である。 本実施形態に係る画像読取装置における読取画像の鮮明さの検証実験の結果を示す図である。 本実施形態に係る画像読取装置における読取画像のコントラストと有機膜層の膜厚との関係を示す図である。 本発明に係る画像読取装置に適用されるフォトセンサアレイを含む積層構造の第2の実施形態を示す概略断面図である。 本実施形態に係る画像読取装置における有機膜層及び透明導電層の保護効果の検証実験の結果(引っ掻き荷重とフォトセンサの線欠陥発生率の関係)を示す図である。 本発明に係る画像読取装置に適用されるフォトセンサアレイを含む積層構造の第3の実施形態を示す概略断面図である。 本実施形態に係る画像読取装置に適用される製造プロセスの一例を示すプロセス断面図である。 本発明に係る画像読取装置に適用されるフォトセンサアレイを含む積層構造の第4の実施形態を示す概略断面図である。 従来技術における静電気除去機構を備えた画像読取装置の一構成例を示す概略構成図である。
符号の説明
11 半導体層
15 トップゲート絶縁膜
16 ボトムゲート絶縁膜
19 保護絶縁膜
21、22 透明導電層
30 有機膜層
100 フォトセンサアレイ
PS ダブルゲート型フォトセンサ
TGx トップゲート電極
BGx ボトムゲート電極
SUB 絶縁性基板
DTC 検知面

Claims (5)

  1. 絶縁性基板の一面側に複数のフォトセンサが2次元配列されたフォトセンサアレイを備え、該フォトセンサアレイ上に設けられた検知面上に載置された被写体の画像パターンを読み取る画像読取装置において、
    前記画像読取装置は、前記フォトセンサアレイ上に、少なくとも、前記フォトセンサアレイの全域を被覆するよう形成された、透明な絶縁膜と、第1の透明導電層と、アクリル樹脂又はポリイミド樹脂からなる透明な有機膜層と、前記有機膜層の上面に積層されて所定の形状パターンを有するように形成された静電気除去用の第2の透明導電層と、が順次積層された構成を有し、前記第2の透明導電層の上面が前記検知面に設定されていることを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記有機膜層は、透明な感光性有機材料からなることを特徴とする請求項記載の画像読取装置。
  3. 前記有機膜層は、概ね10μm以下の膜厚に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
  4. 前記フォトセンサは、光の入射によりキャリアが生成、蓄積される半導体層と、該半導体層を挟んで形成されたドレイン電極及びソース電極と、前記半導体層の上方に透明な上部絶縁膜を介して形成された透明な上部ゲート電極と、前記半導体層の下方に透明な下部絶縁膜を介して形成された不透明な下部ゲート電極と、を有するダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の画像読取装置。
  5. 前記透明導電層は、所定の電位に接続され、前記検知面に載置された前記被写体に帯電した静電気を、前記所定の電位に放電することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の画像読取装置。
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