そもそも従来の高速カメラを用いた撮影制御装置は、シャッタースピードや絞り、フレームレートの設定時においても、高速カメラは、60〜32000fpsの高速撮影を行なっているが、表示画面は一般的なフレームレートである高々30〜60fpsでしか表示されない。このため、従来の撮影制御装置は、60〜32000fpsで撮影されたフレーム画像データを30〜60fpsで間引いて表示していた。つまり、表示画面には、まさにその直前に撮影された画像が表示されており、本来の撮影された高速画像を連続的にスロー再生はしていなかった。
このような間引きされた表示においても、取得画像の明るさに関する設定である露光時間(シャッタースピード)や絞り、もしくはピントや倍率などの設定は、その間引き画像(動画)を見ながらユーザーは設定することができた。しかしながら、取得画像の被写体の動きの速さに関する設定であるフレームレートを設定するには、間引き画像(動画)では、被写体の動きが間欠的なものになり、評価できなかった。
そこで、ユーザーは、一度所定の撮影フレームレートで録画を行い、録画後に表示画面でスロー再生で確認し、もし被写体の動きの詳細をスロー再生で観察するのに適したフレームレートでないときには、再度録画を行いフレームレートを変更して、録画を行なっていた。
また上記特許文献1に記載の技術においても、被写体の録画中に撮影フレームレートが変更されてはいるが、その変更は撮影制御装置が自動的に行なわれるものであり、ユーザーがその結果を踏まえて変更するためには、やはり録画されたものを再生し、その再生後に変更をおこなうしかなかった。
つまり従来の技術においては、被写体の録画が終わるまで待って、その録画された動画像をスローで確認し、所望の撮影フレームレートでなければ再び録画を行うといった作業を繰り返さなければならないため、作業が煩雑であるとともに、撮影フレームレートの設定作業に時間がかかるといった問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、撮影フレームレートの設定作業が容易な撮影制御装置、撮影制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。また、本発明は、撮影フレームレートの設定作業を短時間で行うことができる撮影制御装置、撮影制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
第1の本発明による撮影制御装置は、撮影手段により所定の撮影フレームレートで撮影したフレーム画像データを記憶手段に記憶し、その記憶手段に記憶されたフレーム画像データを表示手段に表示させる撮影制御装置であって、上記撮影手段により上記撮影フレームレートで撮影された複数のフレーム画像データを間引いて、上記撮影フレームレートよりも低い第1再生フレームレートで上記表示手段にフレーム画像データを表示させる第1再生処理を実行する第1再生処理手段と、上記撮影手段により上記撮影フレームレートで撮影されたフレーム画像データから連続する複数のフレーム画像データを抽出し、それらのフレーム画像データを上記撮影フレームレートよりも低い第2再生フレームレートで上記表示手段に表示させる第2再生処理を実行する第2再生処理手段と、上記第1再生処理及び上記第2再生処理の少なくとも一方を選択して実行させる処理選択手段と、上記第2再生処理時に上記撮影手段の上記撮影フレームレートを調整するフレームレート調整手段とを備え、上記第2再生処理時において、上記撮影手段が所定の撮影フレームレートで撮影を行いながら、上記フレームレート調整手段により上記撮影フレームレートが調整された場合には調整後の上記撮影フレームレートで撮影を継続する処理と、上記第2再生処理手段が、上記フレームレート調整手段により上記撮影フレームレートが調整された場合に調整後の上記撮影フレームレートで撮影されたフレーム画像データから抽出したフレーム画像データを上記表示手段に表示させる処理とが行われるように構成される。
このような構成によれば、第1再生処理及び第2再生処理の少なくとも一方を選択して実行させ、第2再生処理を選択した場合には、当該第2再生処理時に撮影手段により撮影が行われる際の撮影フレームレートを調整することができる。第1再生処理では、撮影手段により撮影された複数のフレーム画像データを間引いて第1再生フレームレートで表示手段に表示させることにより、例えば被写体の動きを実際の速度と同じ速度で確認することができる。一方、第2再生処理では、撮影手段により撮影されたフレーム画像データから連続する複数のフレーム画像データを抽出して第2再生フレームレートで表示手段に表示させることにより、被写体の動きを実際の速度よりも遅い速度で所定の短時間だけスローで再生することができる。第1及び第2再生フレームレートは、少なくとも表示手段の表示能力以下に設定されることは言うまでもない。また、間引きは、表示手段の表示能力以下の再生フレームレートになるように行われることも言うまでもない。
本発明の構成によれば、第2再生処理時に所定の短時間だけスローで表示される被写体の動きを確認し、撮影フレームレートが所望のフレームレートでないときには、当該第2再生処理の間に撮影フレームレートを調整することができる。したがって、実際に被写体の録画を行う前に第2再生処理を実行し、当該第2再生処理時に所望のフレームレートに調整することにより、撮影フレームレートの設定作業を容易かつ短時間で行うことができる。また、第2再生処理が繰り返し実行されている期間中、スロー表示されている被写体の動きを確認しながら、撮影フレームレートを調整する作業を繰り返し行うことができるため、撮影フレームレートの設定作業を容易かつ短時間で行うことができる。
第2の本発明による撮影制御装置は、上記構成に加えて、上記第2再生処理手段が、上記撮影手段により上記撮影フレームレートで撮影されたフレーム画像データから、それぞれ連続する複数のフレーム画像データからなる複数組のフレーム画像データを抽出し、各組のフレーム画像データを上記第2再生フレームレートで上記表示手段に順次に表示させるように構成される。
このような構成によれば、第2再生処理時に、それぞれ連続する複数のフレーム画像データからなる複数組のフレーム画像データが抽出され、各組のフレーム画像データが第2再生フレームレートで表示手段に順次に表示されることにより、被写体の動きを所定の短時間ずつスローで確認することができる。したがって、第2再生処理時に自動的に繰り返しスローで表示される被写体の動きを確認し、所望の撮影フレームレートに調整することができるので、所望の撮影フレームレートが次回以降の撮影で反映され、すぐにその結果を確認できるため、撮影フレームレートの設定作業をより容易かつ短時間で行うことができる。
第3の本発明による撮影制御装置は、上記構成に加えて、上記第2再生処理手段が、上記複数組のフレーム画像データをそれぞれ上記第2再生フレームレートで上記表示手段に表示させる時間に応じた周期で、上記複数組のフレーム画像データを順次に抽出するように構成される。
このような構成によれば、第2再生処理時に被写体の動きを所定の短時間ずつスローで表示させる際に、各組のフレーム画像データの表示が終了するタイミングに合せて、次の組のフレーム画像データを抽出して表示させることができる。勿論、上記各組のフレーム画像データの表示が終了するタイミングとは、各組のフレーム画像データの表示が終了する直前、直後等を含む意味である。したがって、複数組のフレーム画像データを連続して順次に抽出して表示させることができるので、撮影フレームレートの設定作業をさらに容易かつ短時間で行うことができる。
また、上記連続する複数のフレーム画像データの数を調整するための画像数調整手段を備えて構成すれば、第2再生処理時に被写体の動きをスローで表示させる際のフレーム画像データの数を調整することができる。したがって、撮影フレームレートが所望のフレームレートであるか否かを確認するのに必要最低限なフレーム画像データの数に調整することによって、より短時間で撮影フレームレートの設定作業を行うことができる。
第4の本発明による撮影制御装置は、上記構成に加えて、上記第2再生処理手段が、上記フレームレート調整手段による上記撮影フレームレートの調整に基づいて、上記連続する複数のフレーム画像データを抽出するように構成される。
このような構成によれば、第2再生処理時に撮影フレームレートが調整された場合に、調整後の撮影フレームレートで連続する複数のフレーム画像データを抽出し、それらのフレーム画像データを第2再生フレームレートで表示手段に表示させることができる。したがって、調整後の撮影フレームレートが所望のフレームレートであるか否かを調整後に直ちに確認することができるので、より短時間で撮影フレームレートの設定作業を行うことができる。
第5の本発明による撮影制御装置は、上記構成に加えて、上記フレームレート調整手段が、上記第2再生処理時における上記表示手段への画像表示中に、上記撮影フレームレートを調整可能であるように構成される。
このような構成によれば、第2再生処理時に所定の短時間だけスローで表示される被写体の動きを確認し、所望のフレームレートでないときには、当該第2再生処理時における表示手段への画像表示中に撮影フレームレートを調整することができる。
第6の本発明による撮影制御装置は、上記構成に加えて、上記フレームレート調整手段が、上記第2再生処理時における上記撮影手段による撮影中に、上記撮影フレームレートを調整可能であるように構成される。
このような構成によれば、第2再生処理時に所定の短時間だけスローで表示される被写体の動きを確認し、所望のフレームレートでないときには、当該第2再生処理時における撮影手段による撮影中に撮影フレームレートを調整することができる。
第7の本発明による撮影制御装置は、上記構成に加えて、指示信号の入力を検出する信号入力検出手段を備え、上記第2再生処理手段が、上記指示信号の検出に基づいて、上記連続する複数のフレーム画像データを抽出するように構成される。
このような構成によれば、所望のタイミングで指示信号を入力させて、連続する複数のフレーム画像データを抽出させ、それらのフレーム画像データを第2再生フレームレートで表示手段に表示させることができる。したがって、所望のタイミングにおける被写体の動きをスローで確認することができるので、所望のフレームレートであるか否かを確認しやすく、撮影フレームレートの設定作業をより容易に行うことができる。
第8の本発明による撮影制御装置は、上記構成に加えて、上記フレームレート調整手段が、上記第2再生処理における上記指示信号の検出待機中に、上記撮影フレームレートを調整可能であるように構成される。
このような構成によれば、指示信号の検出に基づいて第2再生処理時に所定の短時間だけスローで表示される被写体の動きを確認し、所望のフレームレートでないときには、当該第2再生処理時における指示信号の検出待機中に撮影フレームレートを調整することができる。
また、上記第2再生フレームレートを設定するためのフレームレート設定手段を備えて構成すれば、第2再生処理時に被写体の動きを表示する際の第2再生フレームレートを調整することができるので、被写体の動きをより確認しやすいフレームレートに設定することにより、撮影フレームレートの設定作業をさらに容易に行うことができる。
第9の本発明による撮影制御装置は、撮影手段により撮影フレームレートで撮影された複数のフレーム画像データの一部を撮影順に表示手段に表示する撮影制御装置であって、上記撮影手段により上記撮影フレームレートで撮影された複数のフレーム画像データのうち、上記撮影フレームレートよりも低い第1再生フレームレートで生成されたフレーム画像データを上記表示手段に上記第1再生フレームレートで表示させる第1再生処理を実行する第1再生処理手段と、上記撮影手段により上記撮影フレームレートで撮影された複数のフレーム画像データのうち、上記撮影フレームレート以下の中間フレームレートで生成されたフレーム画像データであって、連続する一部のフレーム画像データを上記中間フレームレートよりも低い第2再生フレームレートで上記表示手段に表示させる第2再生処理を繰り返し実行する第2再生処理手段と、上記第2再生処理の実行時に上記撮影手段の上記撮影フレームレートを調整するフレームレート調整手段とを備え、上記第2再生処理時において、上記撮影手段が所定の撮影フレームレートで撮影を行いながら、上記フレームレート調整手段により上記撮影フレームレートが調整された場合には調整後の上記撮影フレームレートで撮影を継続する処理と、上記第2再生処理手段が、上記フレームレート調整手段により上記撮影フレームレートが調整された場合に調整後の上記撮影フレームレートで撮影されたフレーム画像データから抽出したフレーム画像データを上記表示手段に表示させる処理とが行われるように構成される。
このような構成によれば、撮影手段が撮影フレームレートで動画像を撮影している場合に、第1再生処理によって、当該動画像を間引いて第1再生フレームレートで表示手段に表示させることができる。例えば被写体の動きを実際の速度と同じ速度で確認することができる。また、第2再生処理によって、当該動画像を第2再生フレームレートより高い中間フレームレートで生成された動画像として、表示手段にスロー再生表示させることができる。つまり、被写体の動きを実際の速度よりも遅い速度で所定の短時間だけスローで再生することができる。
そして、第2再生処理によりスロー再生表示される被写体の動きを確認しながら、当該第2再生処理が繰り返し実行される間に、撮影フレームレートを調整することができる。したがって、実際に被写体の録画を行う前に第2再生処理を実行し、当該第2再生処理中にフレームレートを調整することによって、撮影フレームレートの調整を容易かつ短時間で行うことができる。なお、第1再生処理及び第2再生処理は、同時に実行される処理である必要はない。
第10の本発明による撮影制御装置は、上記構成に加えて、上記第2再生処理手段が、上記第2再生処理を実行するごとに上記表示手段に表示させるフレーム画像データを更新するように構成される。
この様な構成によれば、第2再生処理が実行されるごとに、フレーム画像データが更新されるので、第2再生処理の実行周期ごとに新しい動画像が表示手段に表示される。つまり、第2再生処理を繰り返し実行している期間中は、直前に行われた撮影フレームレートの変更が反映された動画像が表示手段にスロー表示される。このため、撮影フレームレートの調整を容易かつ短時間で行うことができる。
第11の本発明による撮影制御装置は、上記構成に加えて、上記第2再生処理手段が、上記撮影手段の被写体の動きの検知結果に基づいて上記表示手段に表示させるフレーム画像データを更新するように構成される。
この様な構成によれば、被写体の所望の動きを検知し、この検知結果をトリガーとして、上記表示手段に表示させるフレーム画像データを更新することができる。このため、第2再生処理を繰り返し実行している期間中、注目している状態にある被写体の最新の動画像を表示手段にスロー再生表示させることができる。
また、上記第2再生処理手段が、上記フレームレート調整手段による上記撮影フレームレートの変更に基づいて上記表示手段に表示させるフレーム画像データを更新するように構成すれば、撮影フレームレートの変更に基づいて、フレーム画像データを更新することができるので、例えば、第2再生処理の実行中に撮影フレームレートが変更された場合、実行中の第2再生処理の終了を待つことなく、撮影フレームレートの変更が反映された動画像を表示手段にスロー再生表示することができる。このため、撮影フレームレートの調整を更に容易かつ短時間で行うことができる。
第12の本発明による撮影制御方法は、撮影手段により所定の撮影フレームレートで撮影したフレーム画像データを記憶手段に記憶し、その記憶手段に記憶されたフレーム画像データを表示手段に表示させる撮影制御方法であって、上記撮影手段により上記撮影フレームレートで撮影された複数のフレーム画像データを間引いて、上記撮影フレームレートよりも低い第1再生フレームレートで上記表示手段にフレーム画像データを表示させる第1再生処理、及び、上記撮影手段により上記撮影フレームレートで撮影されたフレーム画像データから連続する複数のフレーム画像データを抽出し、それらのフレーム画像データを上記撮影フレームレートよりも低い第2再生フレームレートで上記表示手段に表示させる第2再生処理の少なくとも一方を選択して実行させる処理選択ステップと、上記第2再生処理時に上記撮影手段の上記撮影フレームレートを調整するフレームレート調整ステップとを備え、上記第2再生処理時において、上記撮影手段が所定の撮影フレームレートで撮影を行いながら、上記撮影フレームレートが調整された場合には調整後の上記撮影フレームレートで撮影を継続する処理と、上記撮影フレームレートが調整された場合に調整後の上記撮影フレームレートで撮影されたフレーム画像データから抽出したフレーム画像データを上記表示手段に表示させる処理とが行われるように構成される。
このような構成によれば、第1の本発明と同様の効果を奏する撮影制御方法を提供することができる。すなわち、本発明の撮影制御方法によれば、撮影フレームレートの設定作業を容易かつ短時間で行うことができる。
第13の本発明によるプログラムは、撮影手段により所定の撮影フレームレートで撮影したフレーム画像データを記憶手段に記憶し、その記憶手段に記憶されたフレーム画像データを表示手段に表示させる撮影制御装置に実行させるためのプログラムであって、上記撮影手段により上記撮影フレームレートで撮影された複数のフレーム画像データを間引いて、上記撮影フレームレートよりも低い第1再生フレームレートで上記表示手段にフレーム画像データを表示させる第1再生処理を実行する第1再生処理手順と、上記撮影手段により上記撮影フレームレートで撮影されたフレーム画像データから連続する複数のフレーム画像データを抽出し、それらのフレーム画像データを上記撮影フレームレートよりも低い第2再生フレームレートで上記表示手段に表示させる第2再生処理を実行する第2再生処理手順と、上記第1再生処理及び上記第2再生処理の少なくとも一方を選択して実行させる処理選択手順と、上記第2再生処理時に上記撮影手段の上記撮影フレームレートを調整するフレームレート調整手順とを備え、上記第2再生処理時において、上記撮影手段が所定の撮影フレームレートで撮影を行いながら、上記撮影フレームレートが調整された場合には調整後の上記撮影フレームレートで撮影を継続する処理と、上記撮影フレームレートが調整された場合に調整後の上記撮影フレームレートで撮影されたフレーム画像データから抽出したフレーム画像データを上記表示手段に表示させる処理とが行われるように構成される。
このような構成によれば、第1の本発明と同様の効果を奏するプログラムを提供することができる。すなわち、本発明のプログラムによれば、撮影フレームレートの設定作業を容易かつ短時間で行うことができる。
本発明によれば、第1再生処理及び第2再生処理の少なくとも一方を選択して実行させ、第2再生処理を選択した場合には、当該第2再生処理時に撮影手段により撮影が行われる際の撮影フレームレートを調整することができるので、当該第2再生処理時に所望のフレームレートに調整することにより、撮影フレームレートの設定作業を容易かつ短時間で行うことができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による撮影制御装置1が適用された撮影システムの一構成例を示した斜視図である。図2は、図1の撮影システムの電気的構成を示したブロック図である。この撮影システムは、撮影制御装置1と、当該撮影制御装置1に接続されたカメラ2及び外部入力装置3からなり、カメラ2で撮影した画像を撮影制御装置1に備えられた表示部11に表示することができるとともに、外部入力装置3を操作することにより撮影制御装置1に対する設定操作を行うことができる。
撮影制御装置1は、CPU(central processing unit)10を備えており、このCPU10がコンピュータプログラムを実行することにより、上記表示部11の他、操作部12及びメモリ13などの各部の動作を制御することができるようになっている。表示部11は、液晶表示器により形成された表示手段である。操作部12は各種操作キーからなり、外部入力装置3を操作するだけでなく、当該操作部12を操作することによっても撮影制御装置1に対する設定操作を行うことができる。メモリ13は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read-Only Memory)からなる記憶手段であり、カメラ2により撮影したフレーム画像データなどが記憶される。
カメラ2は、15〜32000fps(frame per second)といった撮影フレームレートで撮影を行うことができる高速カメラであり、撮影時の一般的な撮影フレームレートである30〜60fpsだけでなく、それよりも高い撮影フレームレートでも撮影を行うことができる。カメラ2には、被写体からの入射光が通過するレンズ21が備えられており、当該レンズ21に関連付けて回転可能に設けられた調整部22を操作することにより、被写体に対するピント及び倍率などを調整することができる。
外部入力装置3は、キー入力装置としてのキーボード3Aや、ポインタ入力装置としてのマウス3Bなどからなり、キーボード3Aを操作することにより表示部11に表示される数値入力領域に数値を入力したり、マウス3Bを操作することにより表示部11に表示されるキーを選択したりすることができる。ただし、外部入力装置3としては、キーボード3Aやマウス3Bに限らず、他の各種入力装置を適用することができる。
図3は、カメラ2で撮影した動画像を撮影制御装置1の表示部11に表示させる際の態様について説明するための図である。図3(a)に示すように、カメラ2で撮影された動画像を構成する一連のフレーム画像データはメモリ13に記憶され、それらのフレーム画像データがCPU10により読み出されて表示部11に表示される。すなわち、フレーム画像データとは、カメラ2により撮影される動画像を構成する静止画像データであり、複数のフレーム画像データを所定時間ごとに順次に表示部11に表示させることにより、それらのフレーム画像データからなる動画像を再生することができる。なお、図3では、一連のフレーム画像データに通し番号を付して示している。
本実施の形態では、図3(c)に示すように、メモリ13に記憶されたフレーム画像データを間引いて、撮影フレームレートよりも低い第1フレームレート、例えば30fpsで表示部11に表示させる第1再生処理と、図3(b)に示すように、メモリ13に記憶されたフレーム画像データから一部の連続するフレーム画像データを抽出し、それらの抽出したフレーム画像データを撮影フレームレートよりも低い第2フレームレート、例えば15fpsで表示部11に表示させる第2再生処理とを選択して実行することができるようになっている。
第1再生処理では、カメラ2により撮影された複数のフレーム画像データを間引いて第1フレームレートで表示部11に表示させることにより、例えば被写体の動きを実際の速度と同じ速度で確認することができる。一方、第2再生処理では、カメラ2により撮影されたフレーム画像データから連続する複数のフレーム画像データを抽出して第2フレームレートで表示部11に表示させることにより、被写体の動きを実際の速度よりも遅い速度で所定の短時間だけスローで再生することができる。
第2再生処理を選択して実行した場合には、当該第2再生処理時にカメラ2により撮影が行われる際の撮影フレームレートを調整することができるようになっている。そして、撮影フレームレートを調整した後、録画を開始させる処理を行うことにより、被写体の一連の動きを調整後の撮影フレームレートで録画することができる。録画されてメモリ13に記憶されたフレーム画像データは、撮影フレームレートよりも低いフレームレートで表示部11に表示させることにより、被写体の一連の動きをスローで再生することもできるし、メモリ13から外部に読み出すこともできる。録画されたフレーム画像データを表示部11に表示させる際のフレームレートは、例えば第2フレームレートと同一のフレームレートに設定される。
本実施の形態では、第2再生処理時に所定の短時間だけスローで表示される被写体の動きを確認し、所望のフレームレートでないときには、当該第2再生処理の間に撮影フレームレートを調整することができる。したがって、実際に被写体の録画を行う前に第2再生処理を実行し、当該第2再生処理時に所望のフレームレートに調整することにより、撮影フレームレートの設定作業を容易かつ短時間で行うことができる。
特に本実施の形態では、図3(b)に示した第2再生処理時に、カメラ2により撮影されたフレーム画像データから、それぞれ連続する複数のフレーム画像データからなる複数組のフレーム画像データを抽出し、各組のフレーム画像データを第2フレームレートで表示部11に順次に表示させることができるようになっている。これにより、被写体の動きを所定の短時間ずつスローで確認することができる。したがって、第2再生処理時に自動的に繰り返しスローで表示される被写体の動きを確認し、所望の撮影フレームレートに調整することができるので、所望の撮影フレームレートが次回以降の撮影で反映され、すぐにその結果を確認できるため、撮影フレームレートの設定作業をより容易かつ短時間で行うことができる。
この例では、図3(b)に示すように、第2再生処理時にカメラ2により撮影されたフレーム画像データから抽出した複数組のフレーム画像データが、それぞれ第2フレームレートで表示部11に表示される時間に応じた周期で、複数組のフレーム画像データが順次に抽出されるようになっている。すなわち、各組のフレーム画像データの再生が終了する前後で、次の組のフレーム画像データが抽出されるようになっている。
このような構成によれば、第2再生処理時に被写体の動きを所定の短時間ずつスローで表示させる際に、各組のフレーム画像データの表示が終了するタイミングに合せて、次の組のフレーム画像データを抽出して表示させることができる。したがって、複数組のフレーム画像データを連続して順次に抽出して表示させることができるので、撮影フレームレートの設定作業をさらに容易かつ短時間で行うことができる。
図4は、図1の撮影システムの構成例を示した機能ブロック図である。CPU10は、外部入力装置3からの入力信号に基づいて、第1再生処理及び第2再生処理の少なくとも一方を選択して実行することにより、図3(b)又は(c)に示した態様で表示部11に動画像を表示させる制御手段である。第1再生処理及び第2再生処理は、いずれか一方が選択されて実行されてもよいし、両方が選択されて実行されてもよい。
CPU10は、第1再生処理部101、第2再生処理部102、処理選択部103、フレームレート調整部104、画像数調整部105、フレームレート設定部106、データ切換部107及びデータ記録部108を備え、これらの各機能ブロックは、CPU10が実行するコンピュータプログラムにより実現される。メモリ13には、カメラ2により撮影されたフレーム画像データを記憶する画像データ記憶部131と、撮影時のフレームレートを記憶している撮影フレームレート記憶部132と、再生時のフレームレートを記憶している再生フレームレート記憶部133とが割り当てられている。
カメラ2により撮影されたフレーム画像データは、データ切換部107により切り換えられて第1再生処理部101又は第2再生処理部102に入力される。ただし、第1再生処理及び第2再生処理の両方が選択されて実行される場合には、カメラ2により撮影されたフレーム画像データが第1再生処理部101及び第2再生処理部102に入力されるようになっていてもよい。
なお、本実施の形態では、第1再生処理部101に入力されるフレーム画像データは、画像データ記憶部131に記憶されることなく第1再生処理部101に直接入力されるのに対して、第2再生処理部102に入力されるフレーム画像データは、データ記録部108により画像データ記憶部131に一旦記憶され、当該画像データ記憶部131から所定のタイミングで読み出されて第2再生処理部102に入力されるようになっている。ただし、このような構成に限らず、第1再生処理部101に入力されるフレーム画像データも、第2再生処理部102に入力されるフレーム画像データと同様に、画像データ記憶部131に一旦記憶され、当該画像データ記憶部131から所定のタイミングで読み出されて第1再生処理部101に入力されるようになっていてもよい。
第1再生処理部101は、第1再生処理を実行する第1再生処理手段であり、間引き処理部101A及び第1データ出力部101Bを備えている。間引き処理部101Aは、図3(c)に示したように、カメラ2により撮影されたフレーム画像データを間引く処理を行う。第1データ出力部101Bは、間引かれた後の複数のフレーム画像データを再生フレームレート記憶部133に記憶されている第1フレームレートで順次に出力し、それらのフレーム画像データからなる動画像を表示部11に表示させる。
第2再生処理部102は、第2再生処理を実行する第2再生処理手段であり、連続画像抽出部102A及び第2データ出力部102Bを備えている。連続画像抽出部102Aは、図3(b)に示したように、カメラ2により撮影されて画像データ記憶部131に記憶されたフレーム画像データから一部の連続するフレーム画像データを抽出する処理を行う。第2データ出力部102Bは、抽出されたフレーム画像データを再生フレームレート記憶部133に記憶されている第2フレームレートで順次に出力し、それらのフレーム画像データからなる動画像を表示部11に表示させる。
処理選択部103は、第1再生処理及び第2再生処理の少なくとも一方を選択して実行させる処理選択手段であり、外部入力装置3からの入力信号に基づいて処理選択部103が選択した第1再生処理部101又は第2再生処理部102により、カメラ2で撮影したフレーム画像データを表示部11に表示させる処理が行われる。
フレームレート調整部104は、撮影フレームレート記憶部132に記憶されている撮影フレームレートを調整するフレームレート調整手段であり、第2再生処理時に撮影フレームレートを調整することができる。すなわち、本実施の形態では、外部入力装置3を操作することにより、図3(b)に示した第2再生処理時におけるカメラ2による撮影中や表示部11への画像表示中などに、撮影フレームレートを調整することができるようになっている。
画像数調整部105は、第2再生処理時に抽出される連続する複数のフレーム画像データの数を調整するための画像数調整手段である。図3(b)の例では、連続する9つのフレーム画像データが抽出される場合が示されているが、外部入力装置3を操作することによって、抽出される連続するフレーム画像データの数を画像数調整部105により調整することができる。これにより、第2再生処理時に被写体の動きをスローで表示させる際のフレーム画像データの数を調整することができるので、撮影フレームレートが所望のフレームレートであるか否かを確認するのに必要最低限なフレーム画像データの数に調整することによって、より短時間で撮影フレームレートの設定作業を行うことができる。
フレームレート設定部106は、第2再生処理時に抽出されたフレーム画像データが表示部11の表示される際の第2フレームレートを設定するためのフレームレート設定手段であり、外部入力装置3の操作に基づいて、再生フレームレート記憶部133に記憶されている第2フレームレートを変更することができる。これにより、第2再生処理時に被写体の動きを表示する際の第2フレームレートを調整し、被写体の動きをより確認しやすいフレームレートに設定することができるので、撮影フレームレートの設定作業をさらに容易に行うことができる。
図5は、CPU10が行う処理の一例を示したフローチャートである。この図5に示すように、表示部11に対する表示を行う際には、まず、カメラ2により予め設定されている撮影フレームレートで撮影が開始され(ステップS101)、第1再生処理が選択されて実行される(ステップS102)。この第1再生処理中には、カメラ2の位置決めや被写体に対する照明の位置決めを行うことができるとともに、調整部22を操作してピントや倍率を調整したり、外部入力装置3を操作して録画時間やシャッタースピードを設定したりすることができる。
そして、外部入力装置3が操作されることにより第2再生処理の開始が指示されると(ステップS103でYes)、撮影されたフレーム画像データから予め設定されている数の連続するフレーム画像データが抽出され(ステップS104)、その抽出されたフレーム画像データが第2フレームレートで表示部11に表示される(ステップS105)。
その後、抽出した複数のフレーム画像データの再生が終了するか(ステップS106でYes)、又は、撮影フレームレートの調整が行われた場合には(ステップS107でYes)、その後に撮影されるフレーム画像データが次の組のフレーム画像データとして抽出され(ステップS104)、抽出されたフレーム画像データが表示部11に表示される(ステップS105)。
すなわち、抽出した複数のフレーム画像データの再生が終了した場合には(ステップS106でYes)、その時点で次の組のフレーム画像データが抽出されて再生されることにより、順次に抽出される複数組のフレーム画像データが連続して表示部11に表示される。一方、撮影フレームレートの調整が行われた場合には(ステップS107でYes)、まだフレーム画像データの再生中であっても再生が中止され、調整後の撮影フレームレートで撮影された次の組のフレーム画像データが抽出されて再生される。
このように、撮影フレームレートの調整に基づいて次の組のフレーム画像データを抽出するような構成によれば、第2再生処理時に撮影フレームレートが調整された場合に、調整後の撮影フレームレートで連続する複数のフレーム画像データを抽出し、それらのフレーム画像データを第2フレームレートで表示部11に表示させることができる。したがって、調整後の撮影フレームレートが所望のフレームレートであるか否かを調整後に直ちに確認することができるので、より短時間で撮影フレームレートの設定作業を行うことができる。ただし、このような構成に限らず、フレーム画像データの再生中に撮影フレームレートの調整が行われた場合であっても、そのときに再生は中止されず、次の組のフレーム画像データの抽出時に調整後の撮影フレームレートで撮影が行われるような構成であってもよい。
第2再生処理は、所定時間経過後又は所定回数の再生後に終了するようになっている(ステップS108でYes)。第2再生処理時に表示部11にスローで表示される被写体の動きを確認し、必要に応じて撮影フレームレートを調整した後、外部入力装置3の操作によって録画の開始が指示されると(ステップS109でYes)、調整後の撮影フレームレートで被写体の一連の動きが録画される(ステップS110)。録画時間は、第2再生処理時の各再生時間よりも長い時間として、外部入力装置3の操作により予め設定することができる。
図6は、撮影されたフレーム画像データから複数のフレーム画像データを抽出して再生する際の態様について説明するための図である。撮影フレームレートの調整が行われていないときには、図6(a)に示すように、抽出された複数のフレーム画像データが一定時間Tだけ再生された後、次の組のフレーム画像データが抽出され、その組の複数のフレーム画像データが一定時間Tだけ再生されるといった処理が繰り返される。
一方、フレーム画像データの再生中に撮影フレームレートの調整が行われた場合には、図6(b)に示すように、上記一定時間Tが経過する前に、調整後の撮影フレームレートで撮影された次の組のフレーム画像データが抽出され、その組の複数のフレーム画像データが一定時間Tだけ再生される。
図7は、第2再生処理時に表示部11に表示される画面の一例を示した図である。図7(a)の例では、表示部11にフレーム画像データの抽出時間及び再生時間の配分を表す図形111が表示されるとともに、当該図形111の下方に撮影フレームレートを入力するための数値入力領域112が表示されている。撮影フレームレートを調整する際には、キーボード3Aを操作することにより撮影フレームレートの数値を入力し、その入力した数値を数値入力領域112に表示させることができる。
一方、撮影されたフレーム画像データから抽出される連続する複数のフレーム画像データの数を調整する際には、マウス3Bを操作することにより、表示部11に表示されている図形111における「抽出」及び「再生」の各領域の境界部にポインタを合わせ、ドラッグ操作などによって当該境界部を左右に移動させる操作を行う。このようにして抽出時間及び再生時間の配分を変更することによって、抽出されるフレーム画像データの数を調整することができる。上記図形111の側方には、数値表示領域113が形成されており、この数値表示領域113には、設定変更後の数値として、抽出されるフレーム画像データの数を表す抽出枚数、抽出された連続するフレーム画像データを表示部11に表示させる再生時間、及び、フレーム画像データの抽出を行う時間間隔を表す抽出間隔などが表示される。
図7(b)の例では、撮影フレームレート、抽出枚数及び抽出間隔をそれぞれ入力するための数値入力領域114が表示部11に表示されている。撮影フレームレートを調整する際や、撮影されたフレーム画像データから抽出される連続する複数のフレーム画像データの数を調整する際や、フレーム画像データの抽出を行う時間間隔を調整する際には、キーボード3Aを操作することにより各数値を入力し、それらの入力した数値を対応する数値入力領域114に表示させることができる。ただし、撮影されたフレーム画像データから抽出される連続する複数のフレーム画像データの数を直接入力するような構成に限らず、フレーム画像データの抽出時間を入力することにより、抽出されるフレーム画像データの数を間接的に調整することができるようになっていてもよい。
本実施の形態では、抽出された複数のフレーム画像データが一定時間Tだけ再生された後、次の組のフレーム画像データが抽出され、その組の複数のフレーム画像データが一定時間Tだけ再生されるといった処理が、CPU10の制御によって繰り返されるような構成について説明した。しかし、このような構成に限らず、リングバッファなどを用いることにより、上記のようなフレーム画像データが繰り返し抽出されて再生される動作が、CPU10の制御によらずに自動的に行われるような構成であってもよい。
また、複数のフレーム画像データが一定時間Tだけ再生された後、次の組のフレーム画像データが抽出されるような構成に限らず、上記一定時間Tの経過前から次の組のフレーム画像データを抽出することにより、前の組のフレーム画像データに対して連続して次の組のフレーム画像データを再生することができるようになっていてもよい。
なお、フレーム画像データが繰り返し抽出されて再生されるような構成に限らず、外部入力装置3の操作に基づいて、複数のフレーム画像データの抽出及び抽出された複数のフレーム画像データの再生が所定回数ずつ、例えば1回ずつ実行されるような構成であってもよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、抽出した複数のフレーム画像データの再生が終了するか、又は、撮影フレームレートの調整が行われた場合に、その後に撮影されるフレーム画像データが次の組のフレーム画像データとして抽出され、抽出されたフレーム画像データが表示部11に表示されるような構成について説明した。これに対して、実施の形態2では、外部から入力される指示信号の検出に基づいて、フレーム画像データが抽出されるようになっている点が異なっている。
図8は、本発明の実施の形態2による撮影制御装置1のCPU10の構成例を示した機能ブロック図である。本実施の形態では、動体検出部109からの入力信号を検出する信号入力検出部110が備えられている点を除けば、他の構成については実施の形態1と同様の構成を有しているので、同様の構成については、図に同一符号を付して説明を省略することとする。
動体検出部109は、表示部11における所定の監視領域内で輝度の変化を監視することにより動体を検出する外部検出手段である。信号入力検出部110は、動体検出部109からの入力信号を指示信号として検出する信号入力検出手段である。データ記録部108は、信号入力検出部110からの入力信号に基づいて、カメラ2により撮影されたフレーム画像データを画像データ記憶部131に記憶させる。第2再生処理部102は、信号入力検出部110からの入力信号をトリガとして、連続画像抽出部102Aにより連続する複数のフレーム画像データを抽出する処理を行う。なお、動体検出は、輝度の変化はもとより、さらに高度なパターンマッチング等の画像処理による検出であってもよく、種々の画像処理を利用した動体検出方法を適用可能であることは言うまでもない。また、どのような外部入力をトリガとして扱うのかは、外部入力装置3を用いることによりユーザが指定することができる。
図9は、本発明の実施の形態2におけるCPU10が行う処理の一例を示したフローチャートである。この図9に示すように、表示部11に対する表示を行う際には、まず、カメラ2により予め設定されている撮影フレームレートで撮影が開始され(ステップS201)、第1再生処理が選択されて実行される(ステップS202)。この第1再生処理中には、カメラ2の位置決めや被写体に対する照明の位置決めを行うことができるとともに、調整部22を操作してピントや倍率を調整したり、外部入力装置3を操作して録画時間やシャッタースピードを設定したりすることができる。
本実施の形態では、実施の形態1のように外部入力装置3を用いた第2再生処理の開始指示に基づいてフレーム画像データが抽出されるのではなく、信号入力検出部110において指示信号が検出されたときに(ステップS203でYes)、その時点で前に抽出されたフレーム画像データの再生中でなければ(ステップS204でNo)、撮影されたフレーム画像データから予め設定されている数の連続するフレーム画像データが抽出されるとともに(ステップS205)、その抽出されたフレーム画像データが第2フレームレートで表示部11に表示されるようになっている(ステップS206)。
このようにして、信号入力検出部110における指示信号の検出に基づいて表示部11にスローで表示される被写体の動きを確認し、必要に応じて撮影フレームレートを調整した後、外部入力装置3の操作によって録画の開始が指示されると(ステップS207でYes)、調整後の撮影フレームレートで被写体の一連の動きが録画される(ステップS208)。
図10は、撮影されたフレーム画像データから複数のフレーム画像データを抽出して再生する際の態様について説明するための図である。信号入力検出部110において指示信号が検出されていないトリガ待ち状態において、指示信号が検出されることによりトリガが入力されると、抽出された複数のフレーム画像データが一定時間Tだけ再生された後、再びトリガ待ち状態となる。このとき、フレーム画像データの再生中にトリガが入力された場合であっても、そのトリガ入力に基づいて再生が中止されることはない。
ただし、上記のような構成に限らず、フレーム画像データの再生中にトリガが入力された場合には、上記一定時間Tが経過する前に次の組のフレーム画像データが抽出され、その組の複数のフレーム画像データが一定時間Tだけ再生されるような構成であってもよい。
本実施の形態では、動体検出部109により動体を検出したタイミングで指示信号を入力させて、連続する複数のフレーム画像データを抽出させ、それらのフレーム画像データを第2フレームレートで表示部11に表示させることができる。したがって、動体検出部109により動体を検出したタイミングにおける被写体の動きをスローで確認することができるので、所望のフレームレートであるか否かを確認しやすく、撮影フレームレートの設定作業をより容易に行うことができる。
図11は、第2再生処理時に表示部11に表示される画面の一例を示した図である。図11(a)は、トリガ待ち状態における表示画面の一例であり、フレーム画像データを表示させる画像表示領域115の他、シャッタースピード調整領域116、ゲイン調整領域117、フレームレート調整領域118及びデータ抽出量表示領域119などが表示されている。
シャッタースピード調整領域116は、カメラ2におけるシャッタースピードを調整するための領域であり、外部入力装置3を操作することにより、シャッタースピードを1/30〜1/100000秒の範囲で調整することができる。シャッタースピードの調整は、例えばマウス3Bを操作することにより、シャッタースピード調整領域116に表示されている可動部に対するドラッグ操作により行うこともできるし、シャッタースピード調整領域116に表示されている自動調整キー116Aを選択して適当なシャッタースピードに自動的に調整することもできる。
ゲイン調整領域117は、カメラ2におけるゲインを調整するための領域であり、外部入力装置3を操作することにより、ゲインを0dB、6dB、12dBのいずれかに調整することができる。ゲインの調整は、例えばマウス3Bを操作することにより、上記各値の中から選択することができる。シャッタースピード調整領域116及びゲイン調整領域117は、撮影されるフレーム画像データの明るさを調整するための明るさ調整領域を構成している。
フレームレート調整領域118は、カメラ2における撮影フレームレートを調整するための領域であり、15〜32000fpsの範囲で調整することができる。撮影フレームレートの調整は、例えばマウス3Bを操作することにより、複数の撮影フレームレートの値の中から選択することができる。
データ抽出量表示領域119は、カメラ2により撮影されたフレーム画像データから複数のフレーム画像データを抽出する際のデータ抽出量を表示するための領域であり、本実施の形態では、トリガ入力時からのデータ抽出量が表示されるようになっている。トリガが入力されると、図11(b)に示すように、データ抽出量表示領域119に対してフレーム画像データの抽出量に応じた表示がされ、データ抽出量を分かりやすく表示することができる。
この例で示したように、本実施の形態では、第2再生処理における指示信号の検出待機中、すなわちトリガ待ち状態において、外部入力装置3を操作することにより撮影フレームレートを調整することができるようになっている。したがって、指示信号の検出に基づいて画像表示領域115に所定の短時間だけスローで表示される被写体の動きを確認し、所望のフレームレートでないときには、当該第2再生処理時における指示信号の検出待機中に撮影フレームレートを調整することができる。
図12は、第2再生処理時に表示部11に表示される画面の他の例を示した図である。この例では、トリガが入力されたときに、その入力時からフレーム画像データが抽出されるのではなく、トリガの入力時よりも前からのフレーム画像データが抽出されるようになっている。この点以外は、図11の例と同様の表示態様であるので、同様の構成については、図に同一符号を付して説明を省略することとする。
図12(a)は、トリガ待ち状態における表示画面の一例であり、データ抽出量表示領域119には、トリガ入力時の前後におけるデータ抽出量が表示されるようになっている。トリガ待ち状態では、図12(a)に示すように、トリガ入力時までに予め抽出されているフレーム画像データのデータ量がデータ抽出量表示領域119に表示される。このトリガ待ち状態においてトリガが入力されると、図12(b)に示すように、データ抽出量表示領域119に対してフレーム画像データの抽出量に応じた表示がされ、データ抽出量を分かりやすく表示することができる。
このように、カメラ2により撮影されたフレーム画像データから複数のフレーム画像データを抽出するタイミングは、トリガ入力時に限られるものではなく、図12の例のように、トリガ入力時の前後におけるフレーム画像データが抽出されるような構成であってもよいし、トリガ入力時までのフレーム画像データのみが抽出されるような構成であってもよい。
本実施の形態では、動体検出部109からの入力信号が指示信号として信号入力検出部110により検出される場合について説明したが、このような構成に限らず、所望のタイミングで操作可能な他の信号入力装置からの入力信号が、指示信号として信号入力検出部110により検出されるような構成であってもよい。この場合、信号入力装置を任意に操作することにより、所望のタイミングで指示信号を入力させて、連続する複数のフレーム画像データを抽出させ、それらのフレーム画像データを第2フレームレートで表示部11に表示させることができる。
実施の形態3.
上記の各実施の形態では、第2再生処理部102によって再生されるフレーム画像データが、カメラ2によって撮影された一部の連続するフレーム画像データである場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、第2再生処理によって再生されるフレーム画像データが、カメラ2によって撮影され、間引き処理された後のフレーム画像データにおける一部の連続するフレーム画像データである場合について説明する。
第1再生処理では、カメラ2から出力される複数のフレーム画像データについて間引き処理を行い、第1フレームレートで表示部11に表示させることによって、カメラ2により撮影された動画像をその撮影期間全体にわたって表示させることができる。つまり、撮影フレームレートで撮影されたフレーム画像データから、第1フレームレートで撮影されたフレーム画像データのみを抽出することによって、被写体の動きを実際の速度と同じ速度で表示させることができる。この場合、上記間引き処理は、カメラ2から順次に出力されるフレーム画像データを一定の割当で均等に欠落させていく処理となる。
一方、第2再生処理では、カメラ2により撮影されたフレーム画像データから一部の連続する複数のフレーム画像データを抽出し、第2フレームレートで表示部11に表示させることによって、カメラ2による撮影期間の一部についてスロー再生表示を行っている。この場合、所定の短い期間を対象として、第1再生処理よりも遅い速度で再生させることができ、被写体のより高速な動きが観察可能となる。つまり、第2再生処理は、再生対象を撮影期間の一部に限定することによって、第1再生処理よりもスローな再生を可能にしている。従って、撮影フレームレートが観察したい被写体の動きの速さに比べて十分に速いという場合には、第2再生処理において抽出処理と間引き処理とを併用することもできる。
本実施の形態では、第2再生処理においても、カメラ2により撮影されたフレーム画像データの間引き処理を行っている。この間引き処理は、通常、第1再生処理の間引き処理よりも間引かれるフレーム画像データの数が少ない処理とされ、第1再生処理に比べ、被写体のより速い変化を観察することができるようになっている。この間引き処理後は、実施の形態1の場合と全く同様にして、一部の連続するフレーム画像データが抽出される抽出処理が行われる。
図13は、本発明の実施の形態3による撮影制御装置1における表示態様について説明するための図である。図中の(a)は、カメラ2により撮影されたフレーム画像データであり、一連のフレーム画像データに通し番号を付して示している。(b)は、第2再生処理に関するフレーム画像データが示されており、(c)には、第1再生処理に関するフレーム画像データが示されている。なお、(a)及び(c)は、図3に示したものと同様の処理を示すものであり、重複する説明は省略する。
本実施の形態では、第2再生処理において、間引き処理及び抽出処理が行われている。図中の(b)では、間引き処理によって、カメラ2によって撮影された43枚のフレーム画像データから22枚のフレーム画像データが抽出され、更に、これらの22枚のフレーム画像データから連続する9枚のフレーム画像データを抽出してスロー再生している。つまり、ここでは、間引き処理でフレーム画像データの数を半減させて、フレームレートが撮影フレームレートの半分となる画像データを生成している。この間引き後のフレームレートを中間フレームレート呼ぶことにすれば、当該間引き処理によって、カメラ2において中間フレームレートで撮影されたフレーム画像データが抽出されたことになる。当該間引き処理後は、中間フレームレートのフレーム画像データにおける一部の連続する画像データが抽出され、表示部11に表示される。
このような第2再生処理を行うことによって、被写体の動きの速さと、被写体を観察したい期間(撮影時間)とのバランスを調整することができる。被写体の変化の速さに比べ、撮影フレームレートが十分に速い場合、第2再生処理によって再生される画像数が同じであれば、間引き処理を行うことによって、スロー再生できる撮影期間をより長くすることができる。このため、本実施の形態では、第2再生処理において、間引き処理と抽出処理を行っている。
図14は、本発明の実施の形態3による撮影制御装置1のCPU10の構成例を示した機能ブロック図である。本実施の形態では、第2再生処理部102が間引き処理部102Cを有している点を除けば、図4(実施の形態1)と同様の構成であるため、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
第2再生処理部102は、間引き処理部102C、連続画像抽出部102A及び第2データ出力部102Bによって構成されている。間引き処理部102Cは、第1再生処理部101における間引き処理と同様にして、カメラ2により撮影されたフレーム画像データの間引き処理を行っている。すなわち、画像データ記憶部131に記憶されているフレーム画像データを一定の割当で均等に欠落させてフレームレートを変更し、中間フレームレートのフレーム画像データを生成する。連続画像抽出部102Aは、この間引き処理後のフレーム画像データから一部の連続するフレーム画像データを抽出する処理を行う。第2データ出力部102Bは、抽出されたフレーム画像データを再生フレームレート記憶部133に記憶されている第2フレームレートで順次に出力し、それらのフレーム画像データからなる動画像を表示部11に表示させる。
中間フレームレートは、固定であってもよいが、被写体の動きの速さに応じて決定できるように、ユーザによって指定可能であることが望ましい。ここでは、画像数調整部105が抽出画像数に基づいて制御しているものとする。抽出する画像数が一定の場合、中間フレームレートが高いほど、被写体のより速い動きが観察できるが、より短時間しか観察することができない。このような相反する要素をバランスさせるように画像数調整部105が中間フレームレートを決定しているものとする。なお、中間フレームレートは、抽出画像数とは独立したパラメータとしてユーザが指定できるようにしてもよい。また、撮影フレームレートとの比としてユーザが指定できるようにすることもできる。
いずれの方法によって指定される場合であっても、中間フレームレートは、第2フレームレートよりも高いフレームレートとして指定される。つまり、間引き処理後のフレーム画像データの一部が連続画像抽出部102Aによって抽出され、第2フレームレートのフレーム画像データが生成され、表示部11にスロー再生表示される。
例えば、第1再生処理の第1フレームレートと、第2再生処理の第2フレームレートが同じであった場合、第2再生処理部102内における中間フレームレートは、第1フレームレートよりも高くなっている。このため、第2再生処理による表示は、第1再生処理による表示に比べて、より短い撮影時間についてより遅い再生を行った場合の表示となる。
なお、本実施の形態では、第2再生処理部102において、間引き処理後に連続画像抽出が行われる場合の例について説明したが、本発明は、このような順序で処理される場合には限定されない。すなわち、連続画像抽出部102Aによる抽出処理後に、間引き処理部102Cによる間引き処理が行われてもよいし、これらの場合と同じ結果が得られるように間引き処理及び抽出処理を同時に実行することもできる。
以上の実施の形態では、表示部11及びメモリ13が撮影制御装置1に備えられた構成について説明したが、このような構成に限らず、表示部11及びメモリ13の少なくとも一方が撮影制御装置1とは別個に設けられ、撮影制御装置1に対して外部から接続された構成であってもよい。
また、以上の実施の形態では、撮影制御装置1に接続された外部入力装置3を操作することにより各種設定操作を行うような構成について説明したが、このような構成に限らず、撮影制御装置1の操作部12を操作することにより各種設定操作を行うことができるような構成であってもよい。
また、上記の各実施の形態では、第2再生処理部102おいてフレーム画像データの抽出及びスロー再生が交互に繰り返されているが、スロー再生期間は抽出期間に比べて長く、連続に近いスロー再生が実現されている。例えば、図3の(b)では、抽出期間内において、撮影フレームレートで9枚のフレーム画像データが抽出されているが、続くスロー再生期間内において、これらのフレーム画像データが第1フレームレートで表示される。このため、抽出及びスロー再生を交互に繰り返せば、ほぼ連続的なスロー再生となっている。同様にして、図13の(b)では、間引きを含む抽出期間内において、中間フレームレートで4枚(撮影フレームレートの9枚に相当)のフレーム画像データが抽出されているが、続く再生期間内において、これらのフレーム画像データが第2フレームレートで表示される。このため、抽出及びスロー再生を交互に繰り返せば、ほぼ連続的なスロー再生となっている。この様にして、概ね連続的なスロー再生を実現しつつ、表示するフレーム画像データを第2再生処理の周期ごとに更新しているので、第2再生処理中に撮影フレームレートが変更された場合、第2再生処理の次の周期において、新たな撮影フレームレートで撮影された動画像を表示させることができる。