JP4909099B2 - ステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉 - Google Patents

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Description

本発明は、ステンレス箔を連続焼鈍するステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉に関する。
ステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉は、加熱帯、徐冷帯および急冷帯を順次直列に備えており、通常、厚みが10〜300μmで、幅が600mm以下のステンレス箔を通板する。ステンレス箔は、複数のロールにより支持され搬送される。
炉内ロールのうち、加熱帯および徐冷帯に配置されている炉内ロールは、ステンレス箔が形状不良を起こさないよう水冷されておらず、炉内ロールの温度は炉温まで上昇する。すなわち、加熱帯の炉内ロール温度は1000℃を超え、徐冷帯でも700〜800℃迄上昇することがある。
このため、ステンレス箔の搬送トラブル等で、高温になっている炉内ロールとステンレス箔の温度が炉温迄上昇し炉内ロールにステンレス箔が付着する。そうすると、搬送トラブルが復旧し、ステンレス箔の搬送を再開しても、炉内ロールにステンレス箔が付着しているので、炉内ロールでステンレス箔が巻取られ、ステンレス箔の破断に至ることがある。
これに対して、特許文献1には、このステンレス箔の付着・破断を回避するため、箔搬送停止時に加熱帯および徐冷帯に配置された炉内ロール上のステンレス箔の形状を故意に崩し、炉長手方向のステンレス箔張力を箔搬送時より上げ、箔搬送停止後も炉内ロールの回転を継続する技術が開示されている。
また、特許文献2には、横型連続焼鈍炉にて鋼帯の搬送停止時に、炉内ロールの上流側および下流側に設けた支持ロールを昇降させることにより、鋼帯と炉内ロールとを離隔させる技術が開示されている。これは、鋼帯の搬送停止時に、鋼帯をそのまま炉内に滞留させておくと、鋼帯の下面と炉内ロールの上面とが局所的に接触し、しかも高温のため、鋼帯表面のメッキ層等のピックアップが極めて生じやすくなり、また、炉内ロールが回転せずに、停止していると自重で変形しやすいという問題を解消しようとする技術である。すなわち、特許文献2の技術では、鋼帯の搬送停止時に鋼帯と炉内ロールとを離隔することによりピックアップを防ぎ、炉内ロールを回転させることで変形を防いでいる。
一方、ステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉においては、炉の立ち上げ時や、ステンレス箔の破断時等には、新たにステンレス箔を炉内に通板するスレッディングが必要となる。この際、炉内のヒータの電源を落とし、炉内温度を下げ、炉内雰囲気ガスを空気に置換し、ステンレス箔を炉内に通した後、再び操業可能な状態に戻すと、3〜4日を要してしまうため、ヒータの電源を落とさず、雰囲気ガスを保持したままのスレッディングが望まれる。
通常、鋼帯の連続焼鈍炉、連続溶融めっき設備等の横型連続処理炉における鋼帯の炉内へのスレッディングは、鋼帯の搬送手段である炉内ロールによりスレッディングバーを搬送させ、そのスレッディングバーの後端に鋼帯を接続して行うのが一般的である。このスレッディングバーは、炉内ロールが約3mピッチで設けられている場合、炉内ロール間に落下しないように3つの炉内ロールにまたがるようにすると、その長さは約10mになる。したがって、スレッディングバーを用いる従来の鋼帯のスレッディング技術では、炉の前後に大きなスレディングスペースが必要である。
また、スレッディングバーは長さが10mにも及ぶ重量物であるので、手作業によって炉内に挿入することはできず、専用の機械が必要となる。さらに、ステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉のスレッディングに、従来の鋼帯のスレッディングに用いていたスレッディングバーを用いると、スレッディング作業が大掛かりになるだけでなく、重量物であるスレッディングバーによって炉内ロールに疵が付くという問題が生じる。
これに対して、特許文献3には、スレッディングバーとして、その両端部にて互いに連結可能な複数のパイプまたは棒を用いたスレッディング技術が開示されている。この技術では、複数のパイプまたは棒を炉の入側で順次連結し、炉の出側に出てくるまで繰り返す。そして、炉出側でパイプまたは棒の連結を、順次解除する。したがって、炉の入側および出側のスレッディングスペースが少なくて済む。
特開2005−298845号公報 特開昭60−255931号公報 特開昭63−219531号公報
特許文献1の技術では、炉内ロールは箔搬送停止時においても回転しているため、炉内ロールの変形防止には有利である。しかし、依然としてステンレス箔と炉内ロールとの離隔が十分でないため、ステンレス箔と炉内ロールとの付着・破断が完全には回避できない。
これに対して、特許文献2の技術によれば、搬送停止時に、炉内ロールの上流側および下流側に設けた支持ロールを上昇させて鋼帯を持ち上げることにより、炉内ロールと鋼帯とは完全に離隔できる。しかし、炉内ロールの上流側および下流側に設けた支持ロールも常時炉内にあり、その温度は炉内ロールと何ら変わりない。したがって、搬送停止時に、鋼帯を支持ロールによって持ち上げている間に、支持ロールに鋼帯が付着するおそれがある。しかし、特許文献2の技術では、この支持ロールと鋼帯との付着の問題については何ら考慮されていない。特許文献2の技術は、もともと鋼帯を処理対象とするものでステレンレス箔を処理対象とするものではないが、この技術をステレンレス箔に適用すると、支持ロールとの付着の問題はより顕著になる。
一方、スレッディングに関し、特許文献3の技術によれば、スレッディングバーをパイプまたは棒を順次連結して構成しているので、炉の入側および出側のスレッディングスペースが少なくて済む。しかし、特許文献3の技術では、スレッディングバーを構成する複数のパイプまたは棒に走行手段(車輪)設け、炉壁にスレッディングバー走行用専用通路を設けるようにしているため、設備費が高くなる。また、スレッディングバー走行用専用通路を設けずに、スレッディングバーを炉内の通板パスに沿って通過させようとすると、その途中でパイプまたは棒からなるスレッディングバーが下方に撓み、炉内ロールに引っ掛かりるため、スレッディングができなくなる。
本発明が解決しようとする課題は、ステンレス箔の搬送停止時にステンレス箔と炉内設備との付着を確実に回避できるステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉を提供することにある。
他の課題は、上記課題を解決したステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉において、新たな設備を付加することなく、省スペースで、円滑にスレッディングを行えるようにすることにある。
本発明は、加熱帯、徐冷帯および急冷帯を順次直列に備えたステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉において、加熱帯および徐冷帯に配置された炉内ロールの上流側および/または下流側近傍に、ステンレス箔を炉内ロールから離隔させる昇降装置を設け、前記昇降装置は、ステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉の炉幅方向に設けた耐熱材料からなるチェーンまたはワイヤからなり、前記チェーンまたはワイヤの張力を強めることによりステンレス箔を上昇させ、前記チェーンまたはワイヤの張力を弱めることにより、ステンレス箔の通板パスから前記チェーンまたはワイヤを退避させるようにしており、さらに前記チェーンまたはワイヤが、炉幅方向一端より炉内に繰り入れ可能で、他端より炉外に繰り出し可能であることを特徴とするものである。
本発明においては、前記昇降装置を少なくとも前記炉内ロールの上流側近傍に設け、ステンレス箔を、その両端部にて互いに連結可能な複数のパイプまたは棒からなるスレッディングバーに接続してステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉内を通過させるスレッディングの際に、前記炉内ロールの上流側近傍に設けた昇降装置によって、前記スレッディングバーを前記炉内ロールの上端レベルより高い位置まで持ち上げるようにすることができる。
また、チェーンまたはワイヤは炉内では耐熱材料からなるパイプ内を貫通させて配置することができる。
本発明では、箔搬送停止時にステンレス箔を炉内ロールから離隔させる昇降装置を設けたので、箔搬送停止時にステンレス箔が炉内ロールに付着することを確実に回避できる。また、昇降装置のステンレス箔との接触部位を、加熱帯および徐冷帯の温度にてステンレス箔と反応して付着することのない材料(耐熱材料)で形成したので、接触部位にステンレス箔が付着することも回避できる。
また、本発明では、箔搬送停止時にステンレス箔を炉内ロールから離隔させるので、箔搬送停止中においても炉内ロールの回転が可能で、炉内ロールの変形を防止できるとともに、炉内ロールと停止中のステンレス箔との接触による疵の発生やピックアップの発生がない。
さらに、本発明では、前記昇降装置を少なくとも炉内ロールの上流側近傍に設けることで、ステンレス箔をスレッディングバーに接続して炉内を通過させるスレッディングの際に、スレッディングバーを炉内ロールの上端レベルより高い位置まで持ち上げることができる。すなわち、本発明における昇降装置は、スレッディングバーとステンレス箔の昇降機能を合わせ持つため、スレッディング専用に新たな設備を付加する必要がなく、省スペースで、円滑にスレッディングを行うことができる。
また、本発明では、スレッディングバーをその両端部にて互いに連結可能な複数のパイプあるいは棒から構成しているので、炉の前後のスレッディングスペースが少なくて済む。また、スレッディングバーは、ステンレス箔の支持・搬送用の炉内ロールを活用して支持・搬送するので、スレッディングバー走行用専用通路を設ける必要がなく設備費が安価にできる。
以下、図面に基づき本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明を適用するステンレス箔横型連続光輝焼鈍設備の一例を示す。ステンレス箔用横型連続光輝焼鈍設備は、ライン入側から順に、ペイオフリール1と、ウェルダー2と、洗浄装置3と、入側ルーパ6と、入側ブライドル7と、光輝焼鈍炉10と、出側ブライドル17と、出側ルーパ18と、テンションリール19とを備えて構成される。洗浄装置3は、電解脱脂槽4とアルカリスクラバー5とを備える。また、光輝焼鈍炉10は、入側シール装置9と、加熱帯11と、徐冷帯13および急冷帯14からなる冷却帯12と、出側シール装置15とを備える。なお、ステンレス箔の場合には、ウェルダー2等でラインが停止しても、被害を受ける重量が軽微であるため、ルーパは設けられないこともある。
光輝焼鈍炉10では、ステンレス箔32は窒素、水素等の雰囲気ガス27中で焼鈍される。図2に示すように、その断面は、鉄皮30の内部に加熱用の電熱ヒータ28を設け、その内面をSUS310等の耐熱材料のマッフル31で覆い、電熱ヒータ28の余の空間には、断熱用のセラミックファイバー29等が充填される構成になっている。その炉温は1000℃を超える。
光輝焼鈍炉10の炉内には、例えば通板するステンレス箔32の厚みが10〜300μmで、幅が600mm以下の場合、2mから5mの間隔で炉内ロール21が設けられ、この炉内ロール21によってステンレス箔が支持・搬送される。
光輝焼鈍炉10の加熱帯11および徐冷帯13に配置されている炉内ロール21は、ステンレス箔32が形状不良を起こさないよう水冷されておらず、炉内ロールの温度は炉温まで上昇する。すなわち、加熱帯11の炉内ロール温度は1000℃を超え、徐冷帯13でも700〜800℃迄上昇することがある。
このため、ステンレス箔32の搬送トラブル等で、高温になっている炉内ロール21の上に長時間ステンレス箔32が停止すると、ステンレス箔が付着する。そうすると、搬送トラブルが復旧し、ステンレス箔32の搬送を再開しても、炉内ロール21にステンレス箔32が付着しているので、炉内ロール21でステンレス箔32が巻取られ、ステンレス箔32の破断に至ることがある。
このステンレス箔32と炉内ロール21との付着を回避するため、本発明では、加熱帯11および徐冷帯13に配置された炉内ロール21の上流側および/または下流側近傍に、箔搬送停止時に炉内ロール21からステンレス箔32を離隔させる昇降装置を設ける。そして、本発明では、昇降装置のステンレス箔32との接触部位を、加熱帯11および徐冷帯13の温度にてステンレス箔32と反応して付着することのない材料で形成する。
実施例では、図3に示すように、炉内ロール21の上流側および下流側近傍に、ステンレス箔32との接触部位をSUS310等の耐熱金属材料で形成した昇降装置23を設けた。ステンレス箔32との接触部位の材質は、加熱帯11および徐冷帯13の温度(1000℃以上)に耐え、その温度で付着することのない材料であればよく、ジルコニア等のセラミックスでも構わない。なお、昇降装置23のステンレス箔32との接触部位は、ステンレス箔32が停止していることが前提であるので、ロールである必要はなく、パイプあるいは軸状の支持部材で構わない。
図3(a)に示すように通常のステンレス箔32の搬送時には、昇降装置23は下限位置で控えており、搬送停止時には図3(b)に示すように、昇降装置23は上昇し、ステンレス箔32を炉内ロール21上端から離隔するレベルまで上昇させる。
なお、実施例では、炉内ロール21の上流側と下流側に昇降装置23を設けたが、下流側の昇降装置23については、ステンレス箔32の停止時の張力、炉内ロール21の間隔、炉内ロール21と昇降装置23との位置関係、昇降装置23の昇降量、ステンレス箔32の厚み・幅などの影響を考慮する必要があるが、省略できる場合もある。
さらに、本発明では、昇降装置23をステンレス箔32のスレッディング時にも活用する。
図1に示すようにステンレス箔横型連続光輝焼鈍設備においてステンレス箔32はペイオフリール1より払い出され、ルーパ等の中間設備を通って光輝焼鈍炉10の炉内に導かれる。炉の立ち上げ時や、ステンレス箔の破断時等には、新たにステンレス箔32を炉内に通板するスレッディングが必要となる。従来、ステンレス箔32のスレッディング作業では、まず、電熱ヒータ28の電源を落とし、炉内温度を下げ、炉内の雰囲気ガス27を空気に置換し、ステンレス箔32を炉内に通した後、再び操業可能な状態に戻していたため、スレッディングに3〜4日を要していた。これに対して、本発明によれば、後述するように、昇降装置23を活用することで、炉内温度を下げることなしに、しかもスレッディング専用に新たな設備を付加することなく、円滑にスレッディングを行うことができる。
以下に、本発明におけるステンレス箔のスレッディング作業を説明する。
まず、光輝焼鈍炉10の入側スレッディングスペース8にて、図4に示すようなスレッディングバー22を準備する。スレッディングバー22は、その両端部にて互いに連結可能な複数のパイプまたは棒22aを連結して構成される。実施例では、4〜5m長さの直径10mm程度のTiパイプを用いた。そして、互いに連結可能なように、図4に示すように端部にネジ加工を施し、連結治具33にて順次連結するようにした。
この直径10mm程度のTiパイプ22aを順次連結し、光輝焼鈍炉10内に挿入する。直径10mm程度のTiパイプは、軽量で取扱いが容易ではあるが、手元から4〜5m離れると図5(a)に示すように大きく撓む。そこで、本発明では、スレッディングバー22の先端が炉内ロール21を通過してから炉内ロール21にスレッディングバー22を預けることとした。すなわち、図5(a)に示すように炉内ロール21の上流側近傍位置でスレッディングバー22を一旦停止し、図5(b)に示すように炉内ロール21の上流側近傍に設けた昇降装置23にてスレッディングバー22を炉内ロール21の上端レベルよりも高い位置まで持ち上げる。そして、スレッディングバー22の先端が炉内ロール21を通過する位置までスレッディングバー22をスレッディングし、その後、スレッディング治具23を下降させることにより、スレッディングバー22を炉内ロール21に預ける。
そして、スレッディングバー22の先端が光輝焼鈍炉10の出側へ出てくるまで、パイプまたは棒22aを順次連結し、スレッディングさせる。このとき、スレッディングバー22が、炉内ロール21の上流側近傍位置に到達するたびに、(1)昇降装置23によるスレッディングバー22の持ち上げ、(2)炉内ロール21を通過するまでスレッディングバー22のスレッディング、(3)スレッディングバー22の炉内ロール21への預け、を繰り返す。スレッディングバー22が光輝焼鈍炉10の出側へ出てきたら、スレッディングバー22の後端にステンレス箔32を連結し、ステンレス箔32のスレッディングを開始する。なお、光輝焼鈍炉10の出側スレッディングスペース16では、入側で順次連結したパイプまたは棒22aを順次取り外し、スレッディングバー22を解体する。
以下、昇降装置23の実施例を参考例とともに説明する。図6は昇降装置23の参考例を示す。なお、図6(a)は図3(a)のA−A断面に、図6(b)は図3(b)のB−B断面に相当する図である。
図6に示す昇降装置23は、光輝焼鈍炉10の炉幅方向に炉壁を貫通して設けた回転軸23aと、この回転軸23aに対して偏心して接続した偏心部23bとを有し、回転軸23aの回転に伴い偏心部23bが昇降し、ステンレス箔32を昇降させるように構成されている。すなわち、図6(a)に示すように通常のステンレス箔32の搬送時には、昇降装置23は下限位置で控えており、ステンレス箔32の通板パスから退避しているので、ステンレス箔32との接触はない。搬送停止時には図6(b)に示すように、昇降装置23は上昇し、ステンレス箔32を炉内ロール21上端から離隔するレベルまで上昇させる。
この図6に示す昇降装置23においては、偏心部23bの表面がステンレス箔32との接触部位となるので、少なくとも偏心部23bの表面は加熱帯11および徐冷帯13の温度にてステンレス箔32に付着することのない材料で形成する。
一方、図5で説明したスレッディング時には、図5(a)に示すようにスレッディングバー22が炉内ロール21の上流側近傍位置に来たら、炉内ロール21上流側の昇降装置23の回転軸23aを回転させ、偏心部23bにてスレッディングバー22を持ち上げる。その後、スレッディングバー22の先端が炉内ロール21を通過する位置まで進んだら、再び回転軸23aを回転させることにより偏心部23bを下降させ、スレッディングバー22をサポートロール21に預ける。
昇降装置23を上記のような簡素な構成とすることで、装置が安価で、信頼性が高くなる。なお、図6に示す昇降装置23において回転軸23aの軸受部に、雰囲気ガスの漏洩防止のため、シール24を設けることは言うまでもない。
図7は、昇降装置の他の参考例を示す。図7に示す昇降装置25は光輝焼鈍炉10の炉幅方向に設けたニクロム、W等の耐熱材料からなるチェーンまたはワイヤからなり、このチェーンまたはワイヤの一端を炉壁に固定し、他端をウィンチ26にて巻き取りチェーンまたはワイヤの張力を強めることにより、図7(b)に示すようにステンレス箔32を持ち上げる。一方、ウィンチ26を緩めることによりチェーンまたはワイヤの張力を弱め、図7(a)に示すようにチェーンまたはワイヤを自重によりステンレス箔32と接触しない位置まで下降させ、ステンレス箔32の通板パスから退避させる。なお、炉外へのチェーンまたはワイヤの引き出し部に、雰囲気ガスの漏洩防止のため、シール24を設けることは言うまでもない。この昇降装置25によっても、先の昇降装置23と同様の効果を得ることができる。
図8は、昇降装置の他の参考例を示す。図8に示すスレッディング治具25は、図7の例と同様に光輝焼鈍炉10の炉幅方向に設けた耐熱材料からなるチェーンまたはワイヤからなり、図8の例ではチェーンまたはワイヤは光輝焼鈍炉10内ではSUS310等の耐熱材料からなるパイプ34内を貫通している(パイプ34はジルコニア等のセラミックスでも構わない)。例えば、光輝焼鈍炉10の炉幅が700mmの場合、680mm長さのパイプ34を使用し、炉壁との隙間を片側10mmずつ開けて炉幅のほぼ中央に配置する。パイプ34の直径は、例えばチェーンまたはワイヤの直径が2mmの場合、10mm程度とすることができる。
この図8の例においても、図7の例と同様に、チェーンまたはワイヤの一端を炉壁に固定し、他端をウィンチ26にて巻き取りチェーンまたはワイヤの張力を強めることにより、図8(b)に示すようにステンレス箔32を持ち上げる。一方、ウィンチ26を緩めることによりチェーンまたはワイヤの張力を弱め、図8(a)に示すようにチェーンまたはワイヤを自重によりステンレス箔32と接触しない位置まで下降させ、ステンレス箔32の通板パスから退避させる。
そして図8の例では、チェーンまたはワイヤが光輝焼鈍炉10内では耐熱材料からなるパイプ34内を貫通するようにすることで、チェーンまたはワイヤが細い場合であっても、十分な耐摩耗性と強度を確保することができる。また、チェーンまたはワイヤを下降させる際はパイプ34が重りの役割を果たし、チェーンまたはワイヤを自重にて安定して炉床に下ろすことができる。
図9は、昇降装置の実施例を示す。図7および図8の例では昇降装置25であるチェーンまたはワイヤの一端を炉壁に固定したが、図9の例ではチェーンまたはワイヤを一端から炉内に繰り入れるようにし、他端から炉外に繰り出すようにしている。具体的にはチェーンまたはワイヤは炉幅方向一端側のウィンチ26から払い出されて炉幅方向一端から炉内に繰り入れられ、チェーンまたはワイヤの他端側は炉幅方向他端側のウィンチ26によって巻き取られ、炉幅方向他端から炉外に繰り出される。
このようにチェーンまたはワイヤを繰り入れ、繰り出し可能とすることで、炉内のチェーンまたはワイヤが損傷したときに新しいチェーンまたはワイヤを供給することができ、炉内のチェーンまたはワイヤの損傷による操業停止を回避することができる。
本発明を適用するステンレス箔横型連続光輝焼鈍設備の一例を示す。 光輝焼鈍炉の断面例を示す。 本発明を適用した光輝焼鈍炉の構成例を示す。 スレッディングバーの構成例を示す。 昇降装置によるスレッディング動作を示す。 昇降装置の参考例を示す。 昇降装置の他の参考例を示す。 昇降装置の他の参考例を示す。 昇降装置の実施例を示す。
符号の説明
1 ペイオフリール
2 ウェルダー
3 洗浄装置
4 電解脱脂槽
5 アルカリスクラバー
6 入側ルーパ
7 入側ブライドル
8 入側スレッディングスペース
9 入側シール装置
10 光輝焼鈍炉
11 加熱帯
12 冷却帯
13 徐冷帯
14 急冷帯
15 出側シール装置
16 出側スレッディングスペース
17 出側ブライドル
18 出側ルーパ
19 テンションリール
21 炉内ロール
22 スレッディングバー
22a パイプまたは棒
23 昇降装置
23a 回転軸
23b 偏心部
24 シール
25 昇降装置
26 ウィンチ
27 雰囲気ガス
28 電熱ヒータ
29 セラミックファイバー
30 鉄皮
31 マッフル
32 金属箔
33 連結治具
34 パイプ

Claims (3)

  1. 加熱帯、徐冷帯および急冷帯を順次直列に備えたステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉において、
    加熱帯および徐冷帯に配置された炉内ロールの上流側および/または下流側近傍に、ステンレス箔を炉内ロールから離隔させる昇降装置を設け、
    前記昇降装置は、ステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉の炉幅方向に設けた耐熱材料からなるチェーンまたはワイヤからなり、前記チェーンまたはワイヤの張力を強めることによりステンレス箔を上昇させ、前記チェーンまたはワイヤの張力を弱めることにより、ステンレス箔の通板パスから前記チェーンまたはワイヤを退避させるようにしており、
    さらに前記チェーンまたはワイヤが、炉幅方向一端より炉内に繰り入れ可能で、他端より炉外に繰り出し可能であることを特徴とするステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉。
  2. 前記昇降装置を少なくとも前記炉内ロールの上流側近傍に設け、ステンレス箔を、その両端部にて互いに連結可能な複数のパイプまたは棒からなるスレッディングバーに接続してステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉内を通過させるスレッディングの際に、前記炉内ロールの上流側近傍に設けた昇降装置によって、前記スレッディングバーを前記炉内ロールの上端レベルより高い位置まで持ち上げるようにした請求項1に記載のステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉。
  3. 前記チェーンまたはワイヤが、炉内では耐熱材料からなるパイプ内を貫通している請求項1または請求項2に記載のステンレス箔横型連続光輝焼鈍炉。
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