JP4908817B2 - 石こう硬化体の安定化処理方法および安定化処理装置 - Google Patents
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Description
(2)ろ過した二水石こうを、硫酸バンドを含む弱酸性の洗浄水で洗浄し、フッ素を洗浄液中に溶出除去しようとする技術(たとえば特許文献2参照)。
(3)ろ過した二水石こうに、リン酸およびアルカリ剤を加えて、石こうなどの固形物とともに混練機を用いて機械的混練と養生によって、二水石こうのフッ素溶出量を低減させようとする技術(たとえば特許文献3参照)。
引用文献1および2の技術では、半水石こうまたは無水石こうを原料とした、石こう硬化体として使われる際、半水石こうのまたは無水石こうの内部に存在するフッ素の溶出の防止が不充分である。すなわち、特許文献1の技術では、スラリにアルカリを添加してpHを9以上まで上げ、その後、リン酸類および/または酸をスラリに添加して、スラリのpHを6近くまで低下させることから、石こうへのフッ素固定に有効なリン酸水素カルシウム二水和物が選択的に生成されず、アパタイト系化合物などの不純物が多く生成されてしまうので、石こうへのフッ素固定が不充分となってしまう。
リン酸類撹拌手段によってリン酸類が撹拌された前記スラリの水素イオン濃度指数が6.0以上かつ8.6未満となるようにアルカリのカルシウム化合物を加えて撹拌するアルカリ物質撹拌手段とを含むことを特徴とする石こう硬化体の安定化処理装置である。
前記溶液生成手段によって生成された溶液を、水素イオン濃度指数が6.0以上かつ8.6未満となるように前記スラリに加えて撹拌する溶液撹拌手段とを含むことを特徴とする石こう硬化体の安定化処理装置である。
リン酸水素カルシウム二水和物生成手段によって生成されたリン酸水素カルシウム二水和物を、水素イオン濃度指数が6.0以上かつ8.6未満となるように前記スラリに加えて撹拌する溶液撹拌手段とを含むことを特徴とする石こう硬化体の安定化処理装置である。
前記粉末に、リン酸水素カルシウム二水和物生成手段によって生成されたリン酸水素カルシウム二水和物を加えて混合する混合手段とを含むことを特徴とする安定化した石こう硬化体となる石こう粉末の製造装置である。
本発明に従えば、前述した石こう粉末の製造方法を実現することができる。
また本発明によれば、前述した石こう粉末の製造方法を実現することができる。
以下の実施例においては、原料となる半水石こうまたは無水石こうとしては、排煙脱硫装置から発生した排脱石こうを焼成した半水石こうを用いた。脱硫石こうの分析値を表1に示す。表1は、脱硫石こう(二水石こう)中のフッ素含有量とフッ素溶出量とフッ素溶出液の水素イオン濃度指数とを表す。
標準混水量(石こうに対して71wt%)の蒸留水(142g)に、所定量のリン酸(1.0g)および消石灰(0.5g)を入れて撹拌した後、半水石こう(約200g)を投入して、1日静置し、石こう硬化体とした。生成された石こう硬化体を45℃で、24時間以上乾燥した後、粉砕して、2mmメッシュで篩ったものについて、溶出試験(環境庁告示第46号)を行った。石こう硬化体の溶出液のpH7.2で、フッ素溶出量は0.6[mg/L]となった。
まず標準混水量(石こうに対して71wt%)の蒸留水(142g)をビーカにとって、所定量のリン酸(1.6g)を入れ撹拌し、pHを安定させる。次に所定量の消石灰(0.8g)をとってビーカに入れ、pHを安定させた溶液を使った。この溶液に、半水石こう(約200g)を投入して、1日静置し、石こう硬化体とした。石こう硬化体を45℃で、24時間以上乾燥した後、粉砕し、2mmメッシュで篩ったものについて、溶出試験(環境庁告示第46号)を行った。ここでリン酸および消石灰の換算濃度については、二水石こうを基準として計算した。処理条件と溶出試験の結果を表2に示す。石こう硬化体の溶出液のpHは7.3で、フッ素溶出量は0.2[mg/L]となった。
標準混水量(石こうに対して71%)の蒸留水(142g)をビーカにとって、リン酸水素カルシウム二水和物(試薬)を所定量(0.8g)とって撹拌し、pHを安定させる。この溶液に、半水石こう(約200g)を投入し、撹拌した後、1日静置して、石こう硬化体とした。石こう硬化体を45℃で、24時間以上乾燥した後、粉砕し、2mmメッシュで篩ったものについて、溶出試験(環境庁告示第46号)を行った。石こう硬化体の溶出液のpHは7.4で、フッ素溶出量は0.6[mg/L]となった。
実施例の一つの方法で石こうのスラリにリン酸および消石灰を加えないで、石こう硬化体を製造した。石こう硬化体を45℃で、24時間以上乾燥した後、粉砕し、2mmメッシュで篩ったものについて、溶出試験(環境庁告示第46号)を行った。石こう硬化体の溶出液のpHは8.5で、フッ素溶出量は3.9[mg/L]となった。
二水石こうにリン酸(0.6wt%)、消石灰(0.3wt%)を機械的に混練した後、45℃で、24時間以上乾燥した。この二水石こうについて溶出試験(環境庁告示第46号)を行った。二水石こうの溶出液のpHは6.4で、フッ素溶出量は0.2[mg/L]以下となった。次に、この二水石こうを乾燥機で170℃、2時間焼成して、半水石こうにして常温で、24時間以上養生した。標準混水量(石こうに対して71%)の蒸留水(142g)のビーカ中に、半水石こう(約200g)を投入し、混練後、1日静置し、石こう硬化体とした。石こう硬化体を45℃で、24時間以上乾燥した後、粉砕し、2mmメッシュで篩ったものについて、溶出試験(環境庁告示第46号)を行った。石こう硬化体の溶出液のpHは7.5で、フッ素溶出量は1.2[mg/L]となった。
2 スラリ撹拌槽
3 リン酸類撹拌手段
4 アルカリ物質撹拌手段
5 リン酸類撹拌槽
6 リン酸類供給部
7 アルカリ物質撹拌槽
8 アルカリ物質供給部
11,21 溶液撹拌手段
12 第1撹拌槽
13 第2撹拌槽
22 ろ過機
30 石こう粉末の製造装置
31 リン酸水素カルシウム二水和物生成手段
32 混合機
33 乾燥機
34 撹拌槽
Claims (8)
- 半水石こうまたは無水石こうのスラリに、このスラリに含まれるフッ素1重量部に対して、リンの含有量が同一となるように換算したリン酸相当重量にて2重量部以上かつ15重量部未満のリン酸類を加えて撹拌した後、水素イオン濃度指数が6.0以上かつ8.6未満となるようにアルカリのカルシウム化合物を加えて撹拌して、石こう硬化体を作製することを特徴とする石こう硬化体の安定化処理方法。
- 半水石こうまたは無水石こうのスラリに、このスラリに含まれるフッ素1重量部に対して、リンの含有量が同一となるように換算したリン酸相当重量にて2重量部以上かつ15重量部未満のリン酸類を含むリン酸類溶液にアルカリのカルシウム化合物を加えて撹拌して得られる溶液を、水素イオン濃度指数が6.0以上かつ8.6未満となるように加えて撹拌して、石こう硬化体を作製することを特徴とする石こう硬化体の安定化処理方法。
- 半水石こうまたは無水石こうのスラリに、このスラリに含まれるフッ素1重量部に対して、リンの含有量が同一となるように換算したリン酸相当重量にて2重量部以上かつ15重量部未満のリン酸類を含むリン酸類溶液にアルカリ物質を加えて撹拌して得られるリン酸水素カルシウム二水和物を、水素イオン濃度指数が6.0以上、かつ8.6未満となるように加えて撹拌して、石こう硬化体を作製することを特徴とする石こう硬化体の安定化処理方法。
- 半水石こうまたは無水石こうのスラリに、このスラリに含まれるフッ素1重量部に対して、リンの含有量が同一となるように換算したリン酸相当重量にて2重量部以上かつ15重量部未満のリン酸類を加えて撹拌するリン酸類撹拌手段と、
リン酸類撹拌手段によってリン酸類が撹拌された前記スラリの水素イオン濃度指数が6.0以上かつ8.6未満となるようにアルカリのカルシウム化合物を加えて撹拌するアルカリ物質撹拌手段とを含むことを特徴とする石こう硬化体の安定化処理装置。 - 半水石こうまたは無水石こうのスラリに含まれるフッ素1重量部に対して、リンの含有量が同一となるように換算したリン酸相当重量にて2重量部以上かつ15重量部未満のリン酸類を含むリン酸類溶液に、アルカリのカルシウム化合物を加えて撹拌して溶液を生成する溶液生成手段と、
前記溶液生成手段によって生成された溶液を、水素イオン濃度指数が6.0以上かつ8.6未満となるように前記スラリに加えて撹拌する溶液撹拌手段とを含むことを特徴とする石こう硬化体の安定化処理装置。 - 半水石こうまたは無水石こうのスラリに含まれるフッ素1重量部に対して、リンの含有量が同一となるように換算したリン酸相当重量にて2重量部以上かつ15重量部未満のリン酸類を含むリン酸類溶液に、アルカリ物質を加えて撹拌してリン酸水素カルシウム二水和物を生成するリン酸水素カルシウム二水和物生成手段と、
リン酸水素カルシウム二水和物生成手段によって生成されたリン酸水素カルシウム二水和物を、水素イオン濃度指数が6.0以上かつ8.6未満となるように前記スラリに加えて撹拌する溶液撹拌手段とを含むことを特徴とする石こう硬化体の安定化処理装置。 - 半水石こうの粉末または無水石こうの粉末に、この粉末に含まれるフッ素1重量部に対して、リンの含有量が同一となるように換算したリン酸相当重量にて2重量部以上かつ15重量部未満のリン酸類を含むリン酸水素カルシウム二水和物の粉末を加えて混合することを特徴とする安定化した石こう硬化体となる石こう粉末の製造方法。
- 半水石こうの粉末または無水石こうの粉末に含まれるフッ素1重量部に対して、リンの含有量が同一となるように換算したリン酸相当重量にて2重量部以上、かつ15重量部未満のリン酸類を含むリン酸類溶液に、アルカリ物質を加えて撹拌してリン酸水素カルシウム二水和物を得るリン酸水素カルシウム二水和物生成手段と、
前記粉末に、リン酸水素カルシウム二水和物生成手段によって生成されたリン酸水素カルシウム二水和物を混合する混合手段とを含むことを特徴とする安定化した石こう硬化体となる石こう粉末の製造装置。
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