JP4908474B2 - N−メチロールアクリルアミドの製造方法 - Google Patents
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Description
N-メチロールアクリルアミド結晶(検体) 100gをポリエチレン製の袋に入れ、男女各10名の試験者が、室温において、順次その臭を嗅ぎ、その結果に基づいて下記の5段階の判定基準で、ホルムアルデヒド様臭を判定した。
・試験者全員が、ホルムアルデヒド様臭ありと認めたもの <++>
・試験者16名以上が、ホルムアルデヒド様臭を認めたもの <+>
・試験者5〜15名が、ホルムアルデヒド様臭を認めたもの <±>
・試験者16名以上が、ホルムアルデヒド様臭を認めなかったもの<−−>
・試験者全員が、ホルムアルデヒド様臭を認めなかったもの <−−>
本発明のN-メチロールアクリルアミド結晶は、上記の判定基準による判定結果が<−−> または <−−> と表示されたものであり、このようなものを「実質的にホルムアルデヒド様臭がない」とする。
撹拌機, 温度計, pH計を備えたジャケット付き反応容器(容量: 1リットル)に、水 170g, P-メトキシフェノール0.04g, 結晶アクリルアミド(純度97%)574 g(7.83モル),パラホルムアルデヒド(純度93%)230 g(7.12モル)を順次仕込み、ついで、触媒として10%トリメチルアミン水溶液(対ホルムアルデヒド: 0.03モル%相当量)を加えて、pH 8.5、反応温度50℃で6時間保持した。反応終了後、1%硫酸水溶液を加え、反応生成液のpHを 7.5に調整した。反応生成液を5℃まで徐冷して結晶状N-メチロールアクリルアミドを晶析させた後、遠心分離機により反応生成液から分離した。次いで、5℃に冷却しておいた洗浄液(組成: メタノール 22 g, 水4g, 10%トリメチルアミン水溶液 0.02 g, P-メトキシフェノール 0.002g, 結晶状N-メチロールアクリルアミド 20 g)46gを用いて、結晶状N-メチロールアクリルアミドのリンス洗浄を施した後、得られた結晶を乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 266gであり、分析結果は、純度: 98.6%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.05%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 塩基性物質含量: 5ppm であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−>であった。
1) N-メチロールアクリルアミド結晶(検体) 500gを、20cm×30cmのポリエチレン製の袋に入れ、結晶を均して20cm×20cmの領域に拡げた状態で空気を押し出して袋をシールし、この袋を更にクラフト紙袋に入れて封をする。
実施例-1のリンス洗浄に代えて、洗浄液(組成: メタノール 220g, 水40g,10%トリメチルアミン水溶液 0.2g, P-メトキシフェノール 0.02 g, 結晶状N-メチロールアクリルアミド 200g)460 gを用いて、リパルプ洗浄を施した後、得られた結晶を分離して乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 252gであり、分析結果は、純度: 99.3%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.03%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 塩基性物質含量: 3ppm であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−> であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.7kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
実施例-1で用いた洗浄液の組成から塩基性物質のみを除いた組成の洗浄液46gを用いたほかは実施例-1に準じてリンス洗浄を施し、得られた結晶を乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 271gであり、分析結果は、純度: 98.5%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.05%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 塩基性物質含量: 3ppm であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−>であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.5kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
実施例-1のリンス洗浄に代えて、二酸化炭素濃度を高めた洗浄液 460gを用いて、リパルプ洗浄を施した後、得られた結晶を分離して乾燥した。用いた洗浄液は、メタノール 220g, 水40g, P-メトキシフェノール0.02g,結晶状N-メチロールアクリルアミド 200gを配合した液に、固形炭酸20gを浸漬して昇華させることにより調製した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 255gであり、分析結果は、純度: 99.5%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.02%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppmであった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−> であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.5kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
後述の比較例-2に記載した処理に準じた処理を行って得られた、ホルムアルデヒド様臭を消失させたN-メチロールアクリルアミド結晶 500gを、20cm×30cmのポリエチレン製の袋に入れ、袋の中の空気を押し出した後、炭酸ガスボンベから袋の中に炭酸ガスを吹き込んで袋を膨らませ、この状態で袋の口を閉じて袋内で結晶を振り混ぜた後、均して20cm×20cmに拡げた状態で袋内のガスを押し出してシールし、クラフト紙袋に入れて封をした。この後、実施例-1に記載した圧縮強度の測定方法の 2) 以降の処理を行った。N-メチロールアクリルアミド結晶の分析結果は、純度: 99.2%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.03%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppmであった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−> であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.5kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
実施例-1のリンス洗浄に代えて、洗浄液(組成: エタノール 290g, 水50g,10%水酸化ナトリウム水溶液 0.2g, P-メトキシフェノール 0.02 g, 結晶状N-メチロールアクリルアミド 120g)460 gを用いて、リパルプ洗浄を施した後、得られた結晶を分離して乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 250gであり、分析結果は、純度: 99.3%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.03%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 塩基性物質含量: 3ppm であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は、 <−−> であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.5kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
実施例-1のリンス洗浄に代えて、洗浄液(組成: アセトン 350g, 水50g, 10%水酸化ナトリウム水溶液 0.2g, P-メトキシフェノール 0.02 g, 結晶状N-メチロールアクリルアミド 60 g)460 gを用いて、リパルプ洗浄を施した後、得られた結晶を分離して乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 240gであり、分析結果は、純度: 99.3%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.03%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 塩基性物質含量: 3ppm であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は、 <−−>であった。また結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 2.6kg/cm2であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
実施例-1において、反応・冷却晶析・分離して得られた結晶状N-メチロールアクリルアミドを、洗浄せずにそのまま乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 309gであり、分析結果は、純度: 97.9%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.23%, P-メトキシフェノール含量: 2 ppm, 塩基性物質含量: 3 ppmであった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <++> であった。結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 1.6kg/cm2 であり、特段の粉砕処理を施すことなく解砕できる状態であった。
実施例-2で用いた洗浄液に代えて、前述の特公昭38- 9266号公報に記載されている再結晶溶媒としての酢酸エチルを主体とした洗浄液(組成: 酢酸エチル 227g, 結晶状N-メチロールアクリルアミド 3g, P-メトキシフェノール 0.01 g)230 gを用いてリパルプ洗浄を施した後、得られた結晶を分離して乾燥した。得られたN-メチロールアクリルアミド結晶の取得量は、 287gであり、分析結果は、純度: 99.2%, 遊離ホルムアルデヒド含量: 0.03%, P-メトキシフェノール含量: 3 ppm, 酸性物質および塩基性物質の含量: 1 ppm以下であった。このN-メチロールアクリルアミド結晶のホルムアルデヒド様臭の有無について前記の方法で判定したところ、判定結果は <−−> であった。しかし、結晶の固結性を試験した結果、テストピースは、圧縮強度が 4.5kg/cm2 と大きく、簡単に解砕できる状態ではなかった。
Claims (7)
- 結晶状N-メチロールアクリルアミドを、水、水溶性有機媒体またはその両方を洗浄液として洗浄処理し、N-メチロールアクリルアミド結晶に、その重量基準で少なくとも1ppm 相当量の塩基性物質または酸性物質を残留させることを含む、N-メチロールアクリルアミド結晶の製造方法であって、水溶性有機媒体が、炭素数1〜4の脂肪族アルコールまたは脂肪族ケトンであるN-メチロールアクリルアミド結晶の製造方法。
- 結晶状N-メチロールアクリルアミドが、アクリルアミドとホルムアルデヒドとを塩基性触媒の存在下で反応させて得られたものである、請求項1記載の製造方法。
- 洗浄液が塩基性物質または酸性物質を含む、請求項1又は2記載の製造方法。
- 塩基性物質が、水溶性であって、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物; アルカリ金属の炭酸塩・リン酸塩・ホウ酸塩・アルミン酸塩・ケイ酸塩; 有機アミン; 水酸化四級アンモニウム化合物; 金属アルコキシドからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項3記載の製造方法。
- 酸性物質が、塩酸, 硝酸, 硫酸, 亜硫酸, 無水硫酸, 炭酸,二酸化炭素, リン酸, 亜リン酸, 酢酸, シュウ酸, マロン酸, マレイン酸, トリクロル酢酸, パラトルエンスルホン酸, 安息香酸, アクリル酸からなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項3又は4記載の製造方法。
- 塩基性物質を含む洗浄液のpHが、7〜12の範囲である請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記酸性物質を含む洗浄液のpHが、7〜4の範囲である請求項3〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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