JP4908435B2 - 光強度変調器 - Google Patents

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Description

本発明は、光強度変調器に関し、より詳細には、二次の電気光学効果を有する電気光学結晶を用いた光強度変調器に関する。
現在、光通信システムの大容量、高速化ならびに高機能化に対する要求は、急激に高まっている。このような、光通信システムに用いられる光信号処理デバイスとして期待されているものに1つに光変調器があり、電気光学結晶を用いた光変調器の開発が進められている。
電気光学結晶を用いた光位相変調器は、結晶の屈折率の変化により、結晶を通過する光の速度を変化させて、光の位相を変化させる。また、電気光学結晶を、マッハツェンダ干渉計、マイケルソン干渉計の一方の光導波路に設置すると、結晶に印加する電圧に応じて、干渉計の出力の光強度が変化する。これら干渉計は、光スイッチ、光変調器として用いることができる。特許文献1では、電気光学結晶としてKTN(KTa1-xNbx3(0<x<1))及びKLTN(K1-yLiyTa1-xNbx3(0<x<1、0<y<1))を用いた光位相変調器が開示されている。
図1に、特許文献1に開示された、電気光学結晶を用いた光位相変調器、偏光子、および検光子を組み合わせた光強度変調器の構成を示す。図1において、KTNやKLTN等の2次の電気光学効果を有する電気光学結晶1には、対向する面に正極2と負極3とが形成される。すなわち、電気光学結晶1の上面と下面とに正極2および負極3とを形成する。また、電気光学結晶1の入射側に偏光子4を配置し、出射側に検光子5を配置する。偏光子4の透過容易軸を、図1中のx軸方向から45度傾くように設定し(偏光角がx軸に対して45度となるように設定し)、検光子5の透過容易軸を、偏光子4の透過容易軸と直交するように(偏光角がx軸に対して−45度となるように)設定している。電気光学結晶1の結晶軸x,y,zを図1に示したように規定する。
さて、電気光学結晶1は、2次の電気光学効果を有するので、該2次の電気光学効果により、屈折率が変化する。よって、正極2と負極3との間に電圧Vを印加すると、該電圧Vに応じて、検光子5を通過した出射光の強度を0%〜100%の間で変調することができる。
特許文献1では、電気光学結晶1としてKTN(KTa1-xNbx3(0<x<1))及びKLTN(K1-yLiyTa1-xNbx3(0<x<1、0<y<1))を用いる形態が開示されている。
国際公開第2006/137408号パンフレット
このように、光強度変調器においては、特許文献1のように2次の電気光学効果を有する電気光学結晶を用いる構成は、電圧印加による屈折率変化を大きくすることができ、光強度変化を低電圧で制御することができるので非常に有効である。しかしながら、近年の光通信技術の発達に伴い、より良好な光強度変調やユーザの利便性の向上が求められており、該より良好な光強度変調やユーザの利便性向上の実現のためには、まだ改善しなければならない課題が残されている。
第1に、光強度変調器を動作させる温度領域において、正極2と負極3との間の電気容量が極めて高くなるので、同じ変調効果を実現しつつ、該電気容量を下げたい、という要望がある。
上記KTNやKLTNは、立方晶かつ大きい2次の電気光学効果を有する誘電体結晶であるので、偏波無依存で低電圧駆動を実現でき、かつ組成に応じて、大きい2次の電気光学効果を発現する温度域を調整できるので、光強度変調器に用いるのは好ましい。特に、強誘電転移近傍において、比誘電率が大きく変化するので、上記相転移近傍を動作温度に設定して動作させることが好ましい。
しかしながら、この温度領域では、上述のようにKTNやKLTNの誘電率が高いので、大きな屈折率変化を効率的に起こすことができ、効率的に光変調器を動作させる観点からすると非常に有効であるが、同時に正極、負極間の電気容量が高くなってしまう。例えば、スイッチングを行う際、電気容量に対応する充放電を行うことになるが、このスイッチング速度に対応する電力消費が生じることになる。よって、KTNやKLTNを用いる際、効率良く変調を行うことが可能な動作温度では、電気容量が高くなるため、駆動電源の負担が非常に大きくなり、実用化を困難なものとしている。
また、KTNやKLTNに限らず、2次の電気光学効果を有する電気光学結晶全般に対して、変調効果を損なわずに、電気容量が高いことによる駆動電源の負担を軽減したい、という要望がある。
また、他の要望として、素子の小型化、低コスト化を求める声も挙がっている。図1に示す従来の光強度変調器では、光強度変調のために、電気光学結晶1の入力側に偏光子4を設け、出力側に検光子5を設けている。従って、偏光子4および検光子5のそれぞれを設けるスペースが必要であり、素子の小型化には限界があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、駆動電源の負担が軽減可能であり、小型化を実現可能な光強度変調器を提供することにある。
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光強度変調器であって、2次の電気光学効果を有する電気光学結晶であって、第1の端面から光が入射する電気光学結晶と、前記電気光学結晶の第1の面に配置された第1の電極と、前記電気光学結晶の第1の面に対向する第2の面に配置された第2の電極と、前記電気光学結晶の前記第1の端面と対向する第2の端面に配置され、前記電気光学結晶を通過する光を反射するための反射部材と、第1の端面から離間して配置され、前記第1の電極および第2の電極に電圧が印加される際の電界方向に対して45度傾いた振動方向を有する直線偏光を取り出すための偏光とを備え、前記第1の電極と、前記電気光学結晶はオーミック接触しており、前記第2の電極と、前記電気光学結晶はオーミック接触しており、前記第1の電極および前記第2の電極に電圧を印加した時、電界の傾斜が生じ、前記光は、前記電気光学結晶中で偏向することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記偏光は、入射され
る光の振動方向に応じて、第1の振動方向である第1の偏光を第1の方向に出射し、前記
第1の偏光と直交する振動方向である第2の偏光を前記第1の方向とは異なる方向に出射
することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記第1の電極および第2の電極の各々は、Pt、Co、Ge、Au、Pd、Ni、Ir、Pt、Se、Cs、
Rb、K、Sr、Ba、Na、Ca、Li、Y、Sc、La、Mg、As、Ti、Hf、
Zr、Mn、In、Ga、Cd、Bi、Ta、Pb、Ag、Al、V、Nb、Ti、Zn
、Sn、B、Hg、Cr、Si、Sb、W、Mo、Cu、Fe、Ru、Os、Te、Re
、Be、Rhのいずれかであることを特徴とする。
本発明によれば、変調領域としての電気光学結晶の入射側と対向する端面に反射部材を設けているので、駆動電源の負担が軽減可能であり、装置の小型化を実現可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の一実施形態は、KTN(KTa1-xNbx3(0<x<1))やKLTN(K1-yLiyTa1-xNbx3(0<x<1、0<y<1))等、2次の電気光学効果を有する電気光学結晶を用いた光強度変調器であって、電気光学結晶の光の入射面と対向する面に反射面を設け、かつ電気光学結晶の光の入射側に該電気光学結晶から離間して、所定の方向に振動する直線偏光を取り出すための偏光手段(例えば、偏光ビームスプリッタや偏光子)を設ける光強度変調器である。
すなわち、上記偏光手段は、電気光学結晶に配置された正極および負極に電圧が印加される際の電界方向に対して所定の角度(例えば、45度)だけ傾いた振動方向を有する直線偏光を取り出すことができる。
上記KTN、KLTNは、電界を結晶軸方向に印加すると、大きな二次の電気光学効果を示す。その値は(1200〜8000pm/V)であり、1次の電気光学効果を有する材料であるLiNO3(LN)の有する非線形定数30pm/Vに比べて著しく大きい。さらに、KTN、KLTNは、TaとNbの組成比を変化させることにより、常誘電性から強誘電性への相転移温度を、ほぼ絶対零度から400℃まで変化させることが可能である。従って、温度コントローラを用いなくても、動作温度を室温等、所望に設定することができる。このように、KTNやKLTNは、光変調器に対して好ましい材料である。
なお、本発明の一実施形態では、光変調器の変調領域として用いる材料は、KTNやKLTNに限らない。本発明の一実施形態の目的は、低電圧で変調動作を行うことではなく、2次の電気光学効果を有する材料を変調領域に適用した際の、2次の電気光学効果を有する材料を変調領域に適用した際の、電極の電気容量を低減すること、および光強度変調器の小型化である。よって、上記変調材料に用いる材料は、KTN、KLTNに限らず、LiTaO3、LiIO3、KNbO3、KTiOPO4、BaTiO3、SrTiO3、Ba1-xSrxTiO3(0<x<1)、Ba1-xSrxNb26(0<x<1)、Sr0.75Ba0.25Nb26、Pb1-yLayTi1-xZrx3(0<x<1、0<y<1)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3、KH2PO4、KD2PO4、(NH4)H2PO4、BaB24、LiB35、CsLiB610、GaAs、CdTe、GaP、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、およびZnO等、2次の電気光学効果を有する誘電体材料であればいずれを用いても良い。
また、電気光学結晶に電界を印加するための電極の材料は、Pt、Co、Ge、Au、Pd、Ni、Ir、Pt、Se、Cs、Rb、K、Sr、Ba、Na、Ca、Li、Y、Sc、La、Mg、As、Ti、Hf、Zr、Mn、In、Ga、Cd、Bi、Ta、Pb、Ag、Al、V、Nb、Ti、Zn、Sn、B、Hg、Cr、Si、Sb、W、Mo、Cu、Fe、Ru、Os、Te、Re、Be、Rhのいずれかを用いることができる。また、上記材料を複数用いた合金であってもよい。
(第1の実施形態)
図2は、本実施形態に係る光強度変調器の構成を示す図である。
図2において、光強度変調器20は、2次の電気光学効果を有する電気光学結晶21を備えている。電気光学結晶21の第1の面には、正極22が配置され、電気光学結晶21の上記第1の面に対向する第2の面には、負極23が配置されている。上記各電極22、23はそれぞれ、電気光学結晶21にオーミック接触している。また、電気光学結晶21の入射側と対向する面には、電気光学結晶21を通過する光を反射するための反射部材24が配置されている。
さらに、電気光学結晶21の入射側に、偏光子25が配置されている。偏光子25の透過容易軸を、図2中のx軸方向(電界の印加方向)から45度傾くように設定(偏光角がx軸に対して45度となるように設定)している。従って、偏光子25に円偏光や楕円偏光の光が偏光子25に入射すると、該偏光子25から45度偏光が出射される。
なお、本明細書において、「45度偏光」とは、光強度変調器を構成する電気光学結晶に印加される電界方向(図2ではx軸方向)に対して45度傾いた方向に(電場が)振動する直線偏光を指す。
反射部材24としては、例えば、AlやAu等の金属材料を用いたミラー、あるいは誘電体多層膜ミラー等、光を反射可能な材料であればいずれの材料を用いても良い。
図2の構成において、偏光子25から出射された45度偏光は電気光学結晶21に入射すると入射光26になり、該入射光26は、反射部材24にて反射されて反射光27となり、再び偏光子25に入射する。このとき、正極22と負極23とに電圧を印加することにより、入射光26と反射光27のそれぞれに対して位相変調を行うことができる。
仮に反射部材24を設けない場合は、入射光26のみに位相変調を施すことになるが、反射部材24を設けることによって、出射するはずの光を反射光27として、再び変調領域(電気光学結晶21の、正極22と負極23とに挟まれた領域)に入射することができる。よって、入射光26および反射光27のそれぞれに対して位相変調を施すことができる。すなわち、電気光学結晶21中を通過する光の光路を、反射部材24を設けない場合に比べて2倍の長さにすることができる。
従って、図1の構成と同等の変調効果を得ようとする場合、正極22、負極23の面積を、正極2、負極3の面積の1/2にすることができる。
ここで、一般に電気容量は、電気光学結晶1の誘電率をε、正極22、負極23の面積をS、正極と負極との間の距離をdとすると、
Figure 0004908435
で表せる。よって、本実施形態では上述のように、ある変調効果を得る場合に、正極22、負極23の面積を小さくすることができるので、式(1)から分かるように、電気容量も小さくすることができる。従って、電気容量を低減することができるので、駆動電源への負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、反射部材24を用いて入射光26を反射し、反射光27として電気光学結晶21の入射側から出射するようにしている。よって、偏光子25が、従来の光強度変調器の検光子(図1では、検光子5)の役割も兼ねることになり、従来のように検光子を偏光子と別個に設けなくても、光強度変調を行うことができる。すなわち、従来の光強度変調を行うための構成のように、検光子を設ける必要が無いので、該検光子を設けるためのスペースを省くことができ、その分装置を小型化することができる。さらに、上述のように、所定の変調効果を得るのに正極22および負極23の面積を小さくすることができるので、上記所定の変調効果を得るのに必要な電気光学結晶21のサイズも小さくすることができ、一層装置の小型化を図ることができる。
さて、本実施形態では、電気光学結晶21の入射側に偏光子25を設け、該偏光子25に、通常の光強度変調器における偏光子および検光子の役割を同時に行わせている。そして、偏光子25からは、45度偏光を取り出すように透過容易軸を設定しているので、本実施形態においては、従来の偏光子および検光子を用いる光強度変調器におけるパラニコルの形態と等価である。
以下では、本実施形態における光強度変調の原理を説明する。
なお、本明細書において、「垂直偏光」とは、偏光方向が、光軸に垂直方向であって、電気光学結晶に配置された電極間に生じる電界の方向と一致する方向の偏光である。よって、図2で言うと、偏光方向がx軸方向の偏光である。
また、本明細書において、「水平偏光」とは、偏光方向が、光軸に垂直方向であって、電気光学結晶に配置された電極間に生じる電界の方向と直交する方向の偏光である。図2で言うと、偏光方向がy軸方向の偏光である。
電気光学結晶21は、2次の電気光学効果を有するので、該2次の電気光学効果により、屈折率が変化する。2次の電気光学効果の場合、垂直偏光に対する電気光学定数は、s11であり、正極22と負極23との間に電圧Vを印加したときの位相の変化は、次式で与えられる。
Figure 0004908435
ここで、nは電気光学結晶21の屈折率、Lは光の伝搬方向、すなわち図2のz軸方向の電気光学結晶21の長さ、λは光の波長、dは正極22と負極23の間隔である。水平偏光に対する電気光学定数は、s12であり、正極2と負極3との間に電圧Vを印加したときの位相の変化は、次式で与えられる。
Figure 0004908435
光位相変調器の効率を表す指数として、半波長電圧が用いられている。半波長電圧は、光の位相をπラジアンだけ変化させるのに要する電圧であり、次式で与えられる。
Figure 0004908435
円偏光等の入射光を偏光子25に入射する場合、正極22と負極23との間に所定の電圧を印加すると、出射光の偏光方向が入射光の偏光方向に対して90°回転する。
偏光子25を通過した光の電界成分のうち、x軸に平行な成分をEx、y軸に平行な成分をEyとする。偏光子25の偏光角が、電気光学結晶21のx軸に対して45度の場合には、Ex=Eyである。
正極22と負極23との間に電圧Vを印加したときのExおよびEyの位相の変化は、それぞれ式(2),(3)で与えられる。検光子としても機能する偏光子25の偏光角が、電気光学結晶21のx軸に対して45度の場合、電気光学結晶21から出射して偏光子25を通過した出射光の強度Ioutは、次式で与えられる。
すなわち、偏光子25の透過容易軸をx軸に対して45度に設定する場合は、常にEx=Eyであるので、
Figure 0004908435
となる。
このようにして、電圧Vに応じて、反射部材24にて反射されて電気光学結晶21から出射し、偏光子25を通過した出射光の強度を0%〜100%の間で変調することができる。
ただし、本実施形態のように反射部材24を設けて光強度変調を行う場合、光強度変調された光を良好に出力するために、光強度変調器20への入射光28の偏光子25における入射座標と、反射光27の偏光子25における入射座標とを異なるようにする必要がある。
これに対して、本実施形態では、二次の電気光学効果を有する電気光学結晶21を用い、電気光学結晶21と、正極22および負極23とをオーミック接触させているので、入射光26および反射光27は電気光学結晶21中で偏向することになり、その結果、電気光学結晶21から出射する反射光27は所定の偏向角で偏向して出力される。従って、反射光27の、偏光子25における入射位置(入射座標)を、入射光28の、偏光子25における入射位置と異なるようにすることができ、良好に光強度変調された出力光を取得することができる。
図3を用いて、上記入射位置が変化することについての原理を説明する。
図2においては、図面の簡便化を図って、電気光学結晶21中を通過する光である、入射光26および反射光27を直線で示しているが、実際は、図3に示すように偏光毎に偏向している。すなわち、図2において入射光26は模式的に示しており、実際は、垂直偏光成分26aと、水平偏光成分26bとが伝搬することになる。同様に、図2において反射光27も模式的に示しており、垂直偏光成分27aと、水平偏光成分27bとが伝搬することになる。
図2の構成において、正極22および負極23に電圧を印加すると、電気光学結晶21中に電界傾斜が生じる。すなわち、正極22および負極23と電気光学結晶21とがオーミック接触しているので、電極から電子が引き抜かれ、電気光学結晶21の内部に空間電荷が生じ、該空間電荷によって、電圧の印加方向に電界の傾斜が生じるために、屈折率の変化にも傾斜が生じる。そして、電界傾斜が生じている電気光学結晶21に入射光26を入射すると、入射光26の垂直偏光成分26aと水平偏光成分26bとがそれぞれ偏向する。このとき、電気光学結晶21の、2次の電気光学定数s11の符号とs12の符号とが逆であるとすると、垂直偏光成分26aと水平偏光成分26bとは反対方向に偏向する。なお、電気光学効果には偏光依存性があるため、垂直偏光成分に対する屈折率変化の傾斜と、水平偏光成分に対する屈折率変化の傾斜とは異なる。
このように偏向した垂直偏光成分26aは、反射部材24にて反射されて垂直偏光成分27aとなるが、該垂直偏光成分27aも上記電界の傾斜により偏向される。従って、電気光学結晶21から出射された垂直偏光成分27aは、偏光子25に対して位置32aに入射することになる。一方、入射光28は、偏光子25の位置31に入射する。よって、変調領域に、電界印加によって電界傾斜を生じさせることができる二次の電気光学効果を有する誘電体結晶を用いることによって、反射部材24にて反射された光を偏向により、電気光学結晶21の入射位置と異なる位置で出射することができるので、光強度変調器21の出力光を容易に検知することができる。
なお、偏向した水平偏光成分26bについても、垂直偏光成分26aと同様に、反射部材24にて反射されて垂直偏光成分27bとなり、位置31とは異なる座標である位置32bに入射する。
本実施形態では、反射部材24を設けることによって、電極の面積を小さくすることができるので電気容量を小さくすることができる。これと共に、反射部材24によって電気光学結晶21の入射側に反射光を出射するようにすることによって、検光子を配置する必要が無くなり、省スペース化を図ることができる。
このように、偏光子25に、図1に示すような従来の光強度変調器における偏光子4と検光子5との役割を持たせているので検光子5を省くことができ、装置の小型化を実現することができるが、偏光子25において、入射光28と反射光27とをうまく分離しないと、強度変調された出力光を良好に取得することができない。そこで、本実施形態では、上述のように変調領域において光を偏向させることが重要となってくる。このために、本実施形態では、変調領域に二次の電気光学効果を有する電気光学結晶を用い、変調のために設ける電極を上記電気光学結晶にオーミック接触させることによって、変調領域において電界の傾斜を生じさせ、通過する光を偏向させている。上記構成をとることによって、電極に電圧を印加することによって変調を実現しつつ、入射光28と反射光27との分離のための偏向とを同時に行っている。すなわち、二次の電気光学結晶を用いることによって、大きな変調を実現すると共に、電界傾斜を発生させることができ、入射光28と反射光27との分離を良好に行うことができる。
なお、図3では、電気光学結晶21の2次の電気光学定数s11とs21とを逆符号にしているので、電界傾斜により垂直偏光成分26aと水平偏光成分26bとは異なる方向に偏向するが、電気光学結晶21の2次の電気光学定数s11とs21とを同符号にする場合、電界傾斜による垂直偏光成分26aと水平偏光成分26bとの偏向方向は同方向となる。しかしながら、この場合も、反射光27としての垂直偏光成分27a、水平偏光成分27bとは、位置31と異なる位置で偏光子25に入射することになるので、上記分離は良好に行われる。
また、本実施形態では、入射光28と反射光29との分離をより良好に行うために、偏光子25の電気光学結晶21と対向する側、すなわち入射光28の進行方向に対して偏光子25の前段(上流側)に、光サーキュレータを配置しても良い。このように光サーキュレータを配置する場合は、第1のポートから入射した入射光28を第2のポートから出射して偏光子25へと出射し、該第2のポートから入射した反射光27を、第1のポートとは異なる第3のポートから出射するように配置すれば良い。このように光サーキュレータを配置することにより、入射光と変調された出力光とを確実に分離することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、基本構成は第1の実施形態と同じであるが、偏光子25の代わりに偏光ビームスプリッタを設けている。
図4は、本実施形態に係る光強度変調器の構成を示す図である。
図4では、図2に示した光強度変調器の構成について、偏光子25に変えて偏光ビームスプリッタ41を設けている。
該偏光ビームスプリッタ41は、振動方向が直交する2つの偏光を分離するための手段であって、偏光の振動方向に応じて、第1の偏光を第1の方向に出射し、第1の偏光と直交する振動方向である第2の偏光を第1の方向とは異なる方向に出射する手段であり、P偏光を透過し、S偏光を透過方向と直交する方向に反射する。
なお、本実施形態では、偏光ビームスプリッタ41は、P偏光を透過し、S偏光を反射するものに限定されず、S偏光を透過し、P偏光を反射するものを用いても良い。
本明細書において、「P偏光」とは、試料面に入射する光の電場の振動方向が入射面内に含まれる直線偏光を指す。これに対して、「S偏光」とは、試料面に入射する光の電場の振動方向が、入射面に垂直な直線偏光である。従って、本明細書において、「P偏光」、「S偏光」はそれぞれ、垂直偏光、水平偏光とは区別されるものである。
さて、本実施形態では、偏光ビームスプリッタ41からは45度偏光が出射されることになる。従って、本実施形態では、偏光ビームスプリッタ41を構成するプリズムの接合面の方向を、正極22および負極23の間に生じる電界方向(図4ではx軸方向)に対して、45度傾けるようにして、偏光ビームスプリッタ41を構成している。このように構成することによって、偏光ビームスプリッタ41から出射される光はP偏光であるが、上記電界方向に対して45度傾いた方向に振動する直線偏光、すなわち45度偏光となる。
なお、本明細書において、「接合面の方向」とは、該接合面にて接合される面、すなわち、プリズムの斜面の延びる面(斜面方向)を指す。
本実施形態では、偏光ビームスプリッタ41を、入射光28が入射される場合にP偏光が電気光学結晶21に入射するように配置されている。
図4の構成において、偏光ビームスプリッタ41に入射光28が入射すると、P偏光42が45度偏光として電気光学結晶21側に出射され、S偏光42はそれとは90度の方向に反射される。上記P偏光42は電気光学結晶21に入射すると、入射光26として電気光学結晶21中を通過する。この入射光26は反射部材24にて反射されて反射光27となり、電気光学結晶21から出射する。このとき、正極22と負極23とに電圧を印加することにより、入射光26と反射光27のそれぞれに対して位相変調を行うことができる。
上記位相変調により、上記電気光学結晶21から出射された反射光27の偏光方向がP偏光42の偏光方向に対して90度回転している場合、反射光27が偏光ビームスプリッタ41に入射すると、反射光27は偏光ビームスプリッタ41内にて反射されて偏光ビームスプリッタ41から出力光44として出力される。一方、上記電気光学結晶21から出射された反射光27の偏光方向がP偏光42の偏光方向と同じ場合、反射光27が偏光ビームスプリッタ41に入射すると、反射光27は反射されずそのまま透過する。
よって、出力光44を検知するようにパワーメータ等を配置すると、正極22および負極23に印加する電圧の大きさに応じて光強度が変化することが分かる。従って、出力光44を結合するように、他の光回路を配置することによって、本実施形態に係る構成を光強度変調器として機能させることができる。
このように、偏光ビームスプリッタを設けることによって、偏光方向に応じて光路を切換えることができるので、強度変調された出力光を容易に取得することができる。
なお、本実施形態では、偏光ビームスプリッタ41から出射される光が45度偏光となることが重要であり、出射される光が45度偏光となるものであれば、どのような構成、配置であっても良い。例えば、通常の偏光ビームスプリッタを用意し、接合面の方向が電界方向に対して45度傾くように上記通常の偏光ビームスプリッタを傾け、保持部材により該傾いた状態を保持するようにしても良い。
さらに、本実施形態では、偏光ビームスプリッタ31から出射されるP偏光42を電気光学結晶21に入射するようにしているが、これに限らず、偏光ビームスプリッタ31から出射されるS偏光43を電気光学結晶21に入射するようにしても良い。この場合、反射光27の偏光方向がS偏光43の偏光方向に対して90度回転している場合に透過することになるので、該透過光を出力光として用いるようにすれば良い。
従来の電気光学結晶を用いた光強度変調器の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光強度変調器の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光強度変調器における、出力光を良好に得るための原理を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る光強度変調器の構成を示す図である。
符号の説明
20 光強度変調器
21 電気光学結晶
22 正極
23 負極
24 反射部材
25 偏光子
41 偏光ビームスプリッタ

Claims (3)

  1. 2次の電気光学効果を有する電気光学結晶であって、第1の端面から光が入射する電気光学結晶と、
    前記電気光学結晶の第1の面に配置された第1の電極と、
    前記電気光学結晶の第1の面に対向する第2の面に配置された第2の電極と、
    前記電気光学結晶の前記第1の端面と対向する第2の端面に配置され、前記電気光学結晶を通過する光を反射するための反射部材と、
    第1の端面から離間して配置され、前記第1の電極および第2の電極に電圧が印加される際の電界方向に対して45度傾いた振動方向を有する直線偏光を取り出すための偏光を備え、
    前記第1の電極と、前記電気光学結晶はオーミック接触しており、
    前記第2の電極と、前記電気光学結晶はオーミック接触しており、
    前記第1の電極および前記第2の電極に電圧を印加した時、電界の傾斜が生じ、
    前記光は、前記電気光学結晶中で偏向することを特徴とする光強度変調器。
  2. 前記偏光は、入射される光の振動方向に応じて、第1の振動方向である第1の偏光を第1の方向に出射し、前記第1の偏光と直交する振動方向である第2の偏光を前記第1の方向とは異なる方向に出射することを特徴とする請求項1に記載の光強度変調器。
  3. 前記第1の電極および第2の電極の各々は、Pt、Co、Ge、Au、Pd、Ni、Ir、Pt、Se、Cs、Rb、K、Sr、Ba、Na、Ca、Li、Y、Sc、La、Mg、As、Ti、Hf、Zr、Mn、In、Ga、Cd、Bi、Ta、Pb、Ag、Al、V、Nb、Ti、Zn、Sn、B、Hg、Cr、Si、Sb、W、Mo、Cu、Fe、Ru、Os、Te、Re、Be、Rhのいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の光強度変調器。
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