〔第1の発明の実施の形態〕
本発明における一実施の形態を以下に記載する。
図1に、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1の概略構成図を示す。本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1は、メモリトランジスタ領域2、ワード線駆動回路3、ソース側選択ゲート線(SGS)駆動回路4、ドレイン側選択ゲート線(SGD)駆動回路5、センスアンプ6等を有している。図1に示すように、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1では、メモリトランジスタ領域2を構成するメモリトランジスタは、半導体層を複数積層することによって形成されている。また、図1に示すとおり各層のワード線は、ある領域で2次元的に広がっている。各層のワード線は、それぞれ同一層からなる平面構造を有しており、板状の平面構造となっている。
尚、図1に示す本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1では、ソース側選択ゲート線(SGS)は板状の平面配線構造を有しており、ドレイン側選択ゲート線(SGD)はそれぞれが絶縁分離された配線構造を有している。
図2に、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1のメモリトランジスタ領域2の一部の概略構成図を示す。本実施の形態においては、メモリトランジスタ領域2は、メモリトランジスタ(MTr1mn〜MTr4mn)、選択トランジスタSSTrmn及びSDTrmnからなるメモリ列であるメモリストリングス10をm×n個(m、nは自然数)有している。図2においては、m=3、n=4の例を示している。
各メモリストリングス10のメモリトランジスタ(MTr1mn〜MTr4mn)のゲートに接続されているワードライン(WL1〜WL4)はそれぞれ同一の導電層によって形成されており、それぞれ共通である。即ち、各メモリストリングス10のメモリトランジスタMTr1mnのゲートの全てがワードラインWL1に接続されており、各メモリストリングス10のメモリトランジスタMTr2mnのゲートの全てがワードラインWL2に接続されており、各メモリストリングス10のメモリトランジスタMTr3mnのゲートの全てがワードラインWL3に接続されており、各メモリストリングス10のメモリトランジスタMTr4mnのゲートの全てがワードラインWL4に接続されている。本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1においては、図1及び図2に示すとおり、ワードライン(WL1〜WL4)は、それぞれ、2次元的に広がっており、板状の平面構造を有している。また、ワードライン(WL1〜WL4)は、それぞれ、メモリストリングス10に概略垂直な平面構造を有している。なお、ソース側選択トランジスタSSTrmnを駆動するソース側選択ゲート線SGSは、動作上、常に各層毎に共通電位とすることが可能である。よって、本実施の形態においては、ソース側選択ゲート線SGSには、板状の構造を採用している。
各メモリストリングス10は、半導体基板のP−well領域に形成されたN+型領域の上に柱状の半導体を有している。各メモリストリングス10は、柱状半導体に垂直な面内にマトリクス状に配置されている。なお、この柱状の半導体は、円柱状であっても、角柱状であってもよい。また、柱状の半導体とは、段々形状を有する柱状の半導体を含む。
各ワード線WLは、隣り合う柱状半導体の間隔に柱状半導体の径を加えた距離の2倍以上の広がりを有するようにしてもよい。言い換えると、各ワード線WLは、隣り合う前記柱状半導体の中心間距離の2倍以上の広がりを有するのが好ましい。
図3(A)に、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1の一つのメモリストリングス10(ここでは、mn番目のメモリストリングス)の概略構造を示し、図3(B)に、その等価回路図を示す。本実施の形態においては、メモリストリングス10は、4つのメモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mn並びに2つの選択トランジスタSSTrmn及びSDTrmnを有している。これら4つのメモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mn並びに2つの選択トランジスタSSTrmn及びSDTrmnは、図3に示すようにそれぞれ直列に接続されている。本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1の1つのメモリストリングス10においては、半導体基板上のP型領域(P−Well領域)14に形成されたN+型領域15に柱状の半導体11が形成されている。また、柱状の半導体11の周りに形成された絶縁膜12と、絶縁膜12の周りに形成された複数の板状の電極13a〜13fが形成されている。この電極13b〜13eと絶縁膜12と柱状の半導体11とがメモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mnを形成する。なお、絶縁膜12は、電荷蓄積層として機能する絶縁膜(例えば、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜の積層膜)である。例えば、絶縁膜12が酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜の積層膜、所謂ONO膜である場合、窒化珪素膜に離散分布したトラップに電荷が保持される。電極13b〜13eはそれぞれワード線WL1〜WL4及び、13fは選択ゲート線SGDn及び、13aはSGSとなる。また、選択トランジスタSDTrmnのソース/ドレインの一端にはビット線BLmが接続されており、選択トランジスタSSTrmnのソース/ドレインの一端にはソース線SL(本実施の形態においては、N+型領域15)が接続されている。なお、前記電荷蓄積層は、MTr1mn〜MTr4mnの柱状半導体層11の周りに形成するように(柱状の半導体層11と電極13b〜13eとの間に局在するように)してもよい。
なお、この電荷蓄積層に導電体によって形成したフローティングゲートを採用してもよい。このときは、導電体は柱状半導体と各ワード線の間にのみ形成される。また、電極13a及び13fと柱状の半導体11との間には、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜12が形成される。
更に、本実施の形態においては、メモリストリングス10は4つのメモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mnを有しているが、1つのメモリストリングスにあるメモリトランジスタの数はこれに限定されるわけではなく、メモリ容量に応じて任意の数に適宜変更することが可能である。
本実施の形態におけるメモリストリングスは、柱状半導体の中心軸に対して概略対称形状を有することになる。
図4に、本実施の形態における一つのメモリトランジスタMTr(例えば、MTr4mn)の断面構造図を示す。なお、他のメモリトランジスタMTr1mn〜MTr3mnについてもメモリトランジスタMTr4mnと同様の構成である。メモリトランジスタMTr4mnは、絶縁体12を介して柱状の半導体11を取り囲む導電体層13eが制御ゲート電極として機能する。メモリトランジスタMTr4のソース20及びドレイン21は、柱状の半導体11に形成される。ただし、メモリトランジスタMTrlmn並びに選択ゲートトランジスタSSTrmn及びSDTrmnがディプレッション型のトランジスタ構造を有する場合は、半導体11部分に明確なソース/ドレイン拡散層を持たないようにする場合もある。また、柱状の半導体11のうち、おおむね導電体層13eで囲まれた領域をP型半導体にし、おおむね導電体層13eで囲まれていない領域をN型半導体にしたいわゆるエンハンスメント型トランジスタにしてもよい。
図3及び図4においては、1つのメモリストリングス10について説明したが、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1においては、全てのメモリストリングスが同様の構成を有している。
〔動作〕
最初に、図3(A)、(B)に基づき本実施の形態に係る一つのメモリストリングス10のメモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mnにおける「読み出し動作」、「書き込み動作」及び「消去動作」について説明する。なお、「読み出し動作」及び「書き込み動作」については、メモリトランジスタMTr3mnを例にとって説明している。
また、本実施の形態におけるメモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mnは、半導体11と電荷蓄積層として機能する絶縁膜(酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜の積層膜)と導電体層(本実施の形態においてはポリシリコン層)とからなる所謂MONOS型縦型トランジスタであり、ここでは、電荷蓄積層に電子が蓄積されていない状態のメモリトランジスタMTrのしきい値Vth(以下「中性しきい値」という)が0V付近にあるとして説明する。
〔読み出し動作〕
メモリトランジスタMTr3mnからのデータの読み出し時には、ビット線BLmにVbl(例えば0.7V)、ソース線SLに0V、選択ゲート線SGD及びSGSにVdd(例えば3.0V)、P−Well領域にVPW(例えば0V)を印加する。そして、読み出したいビット(MTr3mn)が接続されているワード線WL3を0Vとし、それ以外のワード線WLをVread(例えば、4.5V)に設定する。これにより、読み出したいビット(MTr3mn)のしきい値Vthが0Vより大きいか小さいかで、ビット線BLmに電流が流れるかどうかが決まるため、ビット線BLmの電流をセンスすることによってビット(MTr3mn)のデータ情報を読み出すことが可能となる。なお、同様の動作によって他のビット(メモリトランジスタMTr1mn、MTr2mn、MTr4mn)のデータを読み出すことができる。
〔書き込み動作〕
メモリトランジスタMTr3mnにデータ“0”を書き込む場合、即ち、メモリトランジスタMTr3mnの電荷蓄積層に電子を注入してメモリトランジスタのしきい値を上げる(しきい値を正の方向にシフトさせる)場合は、BLmに0V、ソース線SLにVdd、選択ゲート線SGDnにVdd(例えば3.0V)、選択ゲート線SGSにVoff(例えば0V)、P−Well領域にVPW(例えば0V)を印加し、書き込みたいビット(MTr3)のワード線WL3をVprog(例えば18V)、それ以外のワード線WLをVpass(例えば10V)とすることで、所望ビット(MTr3mn)のみ電荷蓄積層に印加される電界強度が強くなり電荷蓄積層に電子が注入され、メモリトランジスタMTr3mnのしきい値が正の方向にシフトする。
メモリトランジスタMTr3mnにデータ“1”を書き込む場合、即ち、メモリトランジスタMTr3mnの消去状態からしきい値を上げない(電荷蓄積層に電子を注入しない)場合は、ビット線BLmにVddを印加することにより、選択トランジスタSDTrmnのゲート電位とそのソース電位とが同電位になるため、選択トランジスタSDTrmnがoff状態になり、メモリトランジスタMTr3mnのチャネル形成領域(ボディ部)とワード線WL3との間の電位差が低減するため、メモリトランジスタMTr3mnの電荷蓄積層には電子の注入が起こらない。なお、同様の動作によって他のビット(メモリトランジスタMTr1mn、MTr2mn、MTr4mn)へデータを書き込むことができる。
〔消去動作〕
データの消去時には、複数のメモリストリングス10からなるブロック単位でメモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mnのデータの消去を行う。
選択ブロック(消去したいブロック)において、P−well領域にVerase(例えば20V)を印加し、ソース線SLをフローティングに、そしてP−well領域にVeraseを印加するタイミングと若干時間をずらして(例えば4μsec程度ずらして)、選択ゲート線SGS及びSGDnの電位を上昇(例えば15V)させる。こうすることにより、選択トランジスタSSTrmnのゲート端付近でGIDL(Gate Induced Drain Leak)電流が発生し、生成したホールがメモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mnのボディ部である半導体層11内部に流れ、一方、電子がP−well方向に流れる。これにより、メモリトランジスタMTrのチャネル形成領域(ボディ部)にはVeraseに近い電位が伝達するため、ワード線WL1〜WL4を例えば0Vに設定すると、メモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mnの電荷蓄積層の電子がP−wellに引き抜かれ、メモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mnのデータの消去を行うことができる。
一方、選択ブロックのメモリトランジスタのデータ消去を行うとき、非選択ブロックにおいては、ワード線WL1〜WL4をフローティングとすることにより、メモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mnのチャネル形成領域(ボディ部)の電位の上昇とともに、カップリングによってワード線WL1〜WL4の電位が上昇し、ワード線WL1〜WL4とメモリトランジスタMTr1mn〜MTr4mnの電荷蓄積層と間に電位差が生じないため、電荷蓄積層から電子の引き抜き(消去)が行われない。
次に、メモリストリングス10を基板面に対して縦横2次元状に配置した本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1の「読み出し動作」、「書き込み動作」及び「消去動作」について説明する。図5には、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1の等価回路図を示す。本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1は、上述のとおり、各ワード線WL1〜WL4の電位がそれぞれ同電位となっている。また、ここでは、選択ゲート線SGS1〜SGS3は、それぞれ、独立して制御できるようにしているが、選択ゲート線SGS1〜SGS3を同じ導電体層によって形成するなどして同電位にし、それらの電位を制御するようにしてもよい。
また、ここでは、点線で示したメモリトランジスタMTr321(ビット線BL2並びに選択ゲート線SGS1及びSGD1に接続されているメモリストリングスのMTr3)における「読み出し動作」及び「書き込み動作」について説明する。また、メモリトランジスタの「消去動作」についても説明する。
〔読み出し動作〕
図6は、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1において、点線で示したメモリトランジスタMTr321のデータの読み出し動作を行う場合のバイアス状態を示した図である。ここでも、本実施の形態におけるメモリトランジスタMTrは、半導体11と電荷蓄積層として機能する絶縁膜(酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜の積層膜)と導電体層(本実施の形態においてはポリシリコン層)とからなる所謂MONOS型縦型トランジスタであり、電荷蓄積層に電子が蓄積されていない状態のメモリトランジスタMTrのしきい値Vth(中性しきい値)が0V付近にあるとして説明する。
メモリトランジスタMTr321からのデータの読み出し時には、メモリトランジスタMTr321が接続されているビット線BL2にVbl(例えば0.7V)、それ以外のビット線BLに0V、ソース線SLに0V、メモリトランジスタMTr321が接続されている選択ゲート線SGD1及びSGS1にVdd(例えば3.0V)、それ以外の選択ゲート線SGD及びSGSにVoff(例えば0V)、P−well領域(PW)にVPW(例えば0V。但し、VPWは、P−well領域とメモリストリングスが順バイアスになっていなければ如何なる電位でもよい。)を印加する。そして、読み出したいビット(MTr321)が接続されているワード線WL3を0Vとし、それ以外のワード線WLをVread(例えば、4.5V)に設定する。これにより、データを読み出すビット(MTr321)のビット線BL2とソース線SL間に電位差が生じ、且つ、選択ゲート線SGD1がオンしている状態となっているため、読み出したいビット(MTr321)のしきい値Vthが0Vより大きいか小さいかで、ビット線BL2に電流が流れるかどうかが決まるため、ビット線BL2の電流をセンスすることによってビット(MTr321)のデータ情報を読み出すことが可能となる。なお、同様の動作によって他のビット(メモリトランジスタMTrlmn)のデータを読み出すことができる。このとき、例えば、メモリトランジスタMTr322は、そのしきい値Vthが何れの値であっても、即ちメモリトランジスタMTr322に“1”が書き込まれていても“0”が書き込まれていても、SGD2がVoffとなっている為、メモリトランジスタMTr322およびMTr322が属しているメモリストリングス10に電流が流れることがない。このことは、ビット線BL2に接続されているメモリストリングス10であって、選択ゲート線SGD1に接続されていない全てのメモリストリングス10において同様である。
また、例えばメモリトランジスタMTr331を例にとって説明すると、MTr331が属するメモリストリングス10の場合、メモリトランジスタMTr331のしきい値Vthが如何なる値であっても、即ち“1”が書き込まれていても“0”が書き込まれていても、ビット線BL3が0Vでありソース線SLと同電位の為、ビット線BL3に電流が流れることはない。このことは、ビット線BL2に接続されていない全てのメモリストリングス10おいて共通である。
以上より、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1においては、ワード線WL1〜WL4をそれぞれ共通電位で駆動し、且つ選択ゲート線SGS1〜SGS3を共通電位で駆動させても、任意のビットのしきい値のデータを読むことが可能となる。
〔書き込み動作〕
図7は、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1において、点線で示したメモリトランジスタMTr321のデータの書き込み動作を行う場合のバイアス状態を示した図である。
メモリトランジスタMTr3にデータ“0”を書き込む場合、即ち、メモリトランジスタMTr321の電荷蓄積層に電子を注入してメモリトランジスタのしきい値を上げる(しきい値を正の方向にシフトさせる)場合は、メモリトランジスタMTr321が接続されているビット線BL2に0V、それ以外のビット線BLにVdd、ソース線SLにVdd、メモリトランジスタMTr321が接続されている選択ゲート線SGD1にVdd、それ以外の選択ゲート線SGDにVoff、選択ゲート線SGS1〜SGS3にVoff、P−Well領域(PW)にVPW(例えば0V)を印加し、書き込みたいビット(MTr321)のワード線WL3をVprog(例えば18V)、それ以外のワード線WLをVpass(例えば10V)とすることで、MTr321が属するメモリストリングス10において、ソース側選択ゲート線SGS1が接続されている選択ゲートトランジスタSSTr21を除く全てのメモリトランジスタMTr121、MTr221、MTr321及びMTr421にチャネルが形成され、ビット線BL2の電位(0V)がチャネルに伝播される。このため、所望ビット(MTr321)のワードラインと柱状半導体の間に存在する電荷蓄積層を含むONO膜に印加される電界強度が強くなり、電荷蓄積層に電子が注入され、メモリトランジスタMTr321のしきい値が正の方向にシフトする。
このとき、例えば、メモリトランジスタMTr322に置いては、ソース側選択ゲート線SGD2にはVoffが印加されているため、ビット線BL2の電位がメモリトランジスタMTr322のチャネル部に伝播されることがなく、メモリトランジスタTr322には電子の注入が起こらない。このことは、BL2に接続されているメモリストリングス10であって、メモリトランジスタMTr321が属していない全てのメモリストリングス10において同様である。
また、例えば、メモリトランジスタMTr331においては、MTr331が属するメモリストリングス10において、選択ゲート線SGD1が接続されている選択トランジスタSDTr31のソース側電位がVddとなりビット線BL3の電位もVddとなっているため、選択トランジスタSDTr31のソースとゲートの電位が同電位となる。よって、選択トランジスタSDTr31はオンせず、メモリトランジスタMTr331のチャネル部には外部電位が伝播されないため、電子注入が起こらない。このことは、BL2に接続されていない全てのメモリストリングス10において同様である。
メモリトランジスタMTr321にデータ“1”を書き込む場合、即ち、メモリトランジスタMTr321の消去状態からしきい値を上げない(電荷蓄積層に電子を注入しない)場合は、ビット線BL2にVddを印加することにより、選択トランジスタSDTr21のゲート電位とソース電位とが同電位になるため、選択トランジスタSDTr21がoff状態になり、メモリトランジスタMTr3のチャネル形成領域(ボディ部)とワード線WL3との間の電位差が低減するため、メモリトランジスタMTr321の電荷蓄積層には電子の注入が起こらない。なお、同様の動作によって他のビット(メモリトランジスタMTrlmn、図7に示す例においては、lは1〜4、mは1〜3、nは1〜3)のデータを書き込むことができる。
また、各ビット線BLの電位を適切に0VかVddに設定することで、ある選択ゲート線SGDによって選択された共通のワード線WL上のビット(MTr)に同時に書き込み、即ちページ書き込みを行うことが可能となる。
〔消去動作〕
データの消去時には、複数のメモリストリングスからなるブロック単位でメモリトランジスタMTrのデータの消去を行う。図8、図9は、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1において、選択したブロックのメモリトランジスタMTrのデータの消去動作を行う場合のバイアス状態を示した図である。
選択ブロック(消去したいブロック)において、P−well領域(PW)にVerase(例えば20V)を印加し、ソース線SLをフローティングに、そしてP−well領域にVeraseを印加するタイミングと若干時間をずらして(例えば4μsec程度ずらして)、選択ゲート線SGS及びSGDの電位を上昇(例えば15V)させる。こうすることにより、選択トランジスタSSTrのゲート端付近でGIDL(Gate Induced Drain Leak)電流が発生し、生成したホールがメモリトランジスタMTrのボディ部である半導体層11内部に流れ、一方、電子がP−well方向に流れる。これにより、メモリトランジスタMTrのチャネル形成領域(ボディ部)にはVeraseに近い電位が伝達するため、ワード線WL1〜WL4を例えば0Vに設定すると、メモリトランジスタMTrの電荷蓄積層の電子がP−wellに引き抜きが行われ、データの消去を行うことができる。
一方、選択ブロックのメモリトランジスタのデータ消去を行うとき、非選択ブロックにおいては、ワード線WL1〜WL4をフローティングとすることにより、メモリトランジスタMTr1〜MTr4のチャネル形成領域(ボディ部)の電位の上昇とともに、カップリングによってワード線WL1〜WL4の電位が上昇し、ワード線WL1〜WL4とメモリトランジスタMTr1〜MTr4の電荷蓄積層と間に電位差が生じないため、電荷蓄積層から電子の引き抜き(消去)が行われない。
ここで、本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の「読み出し動作」、「書き込み動作」及び「消去動作」における電位の関係を図10に示す。
図11〜図30を用いて本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置1の製造プロセスについて、具体的にはメモリトランジスタ領域における製造プロセスについて説明する。
最初に、図11に示すように、半導体基板100上に薄い酸化珪素膜(SiO2)を形成し(不図示)、続いて、窒化珪素膜(Si3N4)を堆積し(不図示)、STI(Sharrow Trench Isolation)102が形成される領域において、ドライエッチング法により300nm程度の浅い溝を形成する。その後、熱CVD法又はプラズマCVD法によって酸化珪素膜を堆積し、酸化珪素膜で溝を完全に埋め込み、溝以外の部分の酸化珪素膜を化学機械的研磨(CMP)により除去することにより、STI(Sharrow Trench Isolation)102を形成する。その後、残存している窒化珪素膜を熱リン酸等で除去する。
次に、図12に示すように、基板表面を犠牲酸化し(不図示)、所望の領域を開口するフォトレジストパタンを形成し、ボロン(B)イオンを注入し、P−well領域104を形成したのちレジストを除去する。この後、図示はしないが、所望の領域を開口するフォトレジストパタンを形成し表面付近にボロン(B)イオンを注入し、トランジスタのしきい値Vthを調整するチャネルインプラ領域を形成し、周辺回路領域にNチャネル型トランジスタを形成する。尚、これとは逆に、所望の領域にN型を付与するイオンを注入することにより、N−well領域を形成した後、Pチャネル型トランジスタを形成してもよい。
次に、図13に示すように、メモリトランジスタ領域のみ開口するフォトレジストパタンを形成し、メモリセルトランジスタ領域にのみリン(P)イオンを注入し、N+型拡散領域107を形成する。このN+型拡散領域107は、ソース線SLとなる。
次に、犠牲酸化膜(不図示)を除去し、第1のゲート絶縁膜(不図示)を形成する。次に、所望のパターンにフォトレジストマスクを形成して、ウェットエッチングすることにより、所望の位置の第1のゲート絶縁膜並びにSTI102の一部をエッチング除去する(不図示)。この領域に高速動作用の薄膜ゲートトランジスタを形成し、ウェットエッチングに晒されていない領域に高耐圧用の厚膜ゲートトランジスタを形成することになる。
次に、フォトレジストマスクを除去し、第2のゲート絶縁膜(不図示)を形成する。そして、基板上にP(リン)等の導電型不純物を添加したポリシリコン(p−Si)膜を形成する(不図示)。そして、ポリシリコン膜を所定のパターンにエッチングし、周辺回路領域のトランジスタのゲート電極を形成する(不図示)。次に、周辺回路領域のPチャネル型トランジスタの領域及びメモリトランジスタ領域にフォトレジストを形成し(不図示)、周辺回路領域のNチャネル型トランジスタの領域にPイオン又はAsイオンなどを注入し、ゲート電極と自己整合的に浅いN型領域を形成し(不図示)、その後、フォトレジストを除去する。
次に、周辺回路領域のNチャネル型トランジスタの領域及びメモリトランジスタ領域にフォトレジストを形成し(不図示)、周辺回路領域のPチャネル型トランジスタの領域にBイオンなどを注入し、ゲート電極(不図示)と自己整合的に浅いP型領域(不図示)を形成し、その後、フォトレジストを除去する。
次に、基板全面に窒化珪素膜を形成し、異方性エッチングすることにより、ゲート電極の両端部のみ窒化珪素膜を残し、サイドウォールを形成する(不図示)。
次に、周辺回路領域のPチャネル型トランジスタの領域及びメモリトランジスタ領域にフォトレジストを形成し(不図示)、周辺回路領域のNチャネル型トランジスタの領域に砒素(As)イオンを注入し、サイドウォールと自己整合的にソース/ドレイン領域を形成し(不図示)、その後、フォトレジストを除去する。
次に、周辺回路領域のNチャネル型トランジスタの領域及びメモリトランジスタ領域にフォトレジストを形成し(不図示)、周辺回路領域のPチャネル型トランジスタの領域にBイオンを注入し、サイドウォール(不図示)と自己整合的にソース/ドレイン領域(不図示)を形成し、その後、フォトレジストを除去する。
次に、図14に示すように、基板全面に窒化珪素膜(バリア窒化珪素膜)118を形成する。そして、スパッタリング法により基板全面にコバルト(Co)膜を形成し、加熱処理を行うことにより、コバルトシリサイド(CoSi2)を形成する(不図示)。その後、不要なCoを除去する。ここで、ゲート電極にはコバルトシリサイドを形成しても良いし、別の金属を用いたシリサイド(Ti、Niなど)を形成しても良い。さらに全くシリサイドを形成しなくても良い。またこの場合、ゲート電極のポリシリコンを堆積する時にポリシリコンの上にタングステンシリサイド及びSiNを連続性膜したのちゲートの加工及びトランジスタの形成を行っても良い。
次に、図15に示すように、基板全面にBPSG(Boron Phosopho Silicate Glass)膜124を形成し、CMP処理することにより、BPSG膜を平坦化する。
次に、図16に示すように、基板全面にP(リン)等の導電型不純物を添加したポリシリコン膜126及び窒化珪素膜128を形成する。その後、フォトレジスト工程によりホール(以下「トランジスタプラグホール」と言う場合がある。)130を形成する。このポリシリコン膜126は、メモリトランジスタ領域の選択ゲート線SGSとなる。
次に、図17に示すように、基板を加熱することにより、熱酸化膜132を形成する。熱酸化膜132は、選択ゲートトランジスタSSTrのゲート絶縁膜となる。
次に、基板全面に窒化珪素膜を形成し、異方性エッチングすることにより、ブロック窒化珪素膜を形成する。この後、フッ酸を用いたウェットエッチング、又はフッ素系のガスを用いたドライエッチングにより、熱酸化膜の一部を除去する(不図示)。
次に、図18に示すように、ブロック窒化珪素膜を除去し、基板全面にアモルファスシリコン(a−Si)膜を形成した後、アモルファスシリコン膜をCMPすることによって、a−Si膜136を形成する。なお、このアモルファスシリコン膜の代わりに、単結晶シリコンをエピタキシャル成長させることにより、シリコン膜136を形成するようにしてもよい。
次に、図19に示すように、フォトレジスト138を形成し、フォトエッチングプロセスを行う。
次に、図20に示すように、チタン(Ti)膜を形成し、加熱処理を行うことにより、チタンシリサイド(TiSi)140を形成する。なお、チタンシリサイド(TiSi)140の代わりに、コバルトシリサイド(CoSi2)を形成するようにしてもよい。なお、このシリサイド140は形成しなくても良い。この後、プリメタル絶縁膜(PMD)として酸化珪素膜142を形成する。そしして、フォトエッチングプロセスによりコンタクトホールを形成し、その後、配線用の溝を酸化珪素膜142に形成した後、タングステン(W)膜を埋め込み、タングステン(W)プラグ144と、配線146を形成する。次に、TEOS(Tetraethoxysilane)を用いて酸化珪素膜148を形成する。以下、TEOSを用いて形成した酸化珪素膜を「TEOS膜」ということがある。
次に、図21に示すように、P型不純物を高濃度に添加したポリシリコン膜(もしくはアモルファスシリコン膜)、酸化珪素膜、N型不純物を高濃度に添加したポリシリコン膜、酸化珪素膜を交互に形成することによって、P+型ポリシリコン膜149、153、157、161、163、N+型ポリシリコン膜151、155、159並びに酸化珪素膜148、150、152、154、156、158、160、162を形成する。更にこの上に、窒化珪素膜168を形成する。尚、N+型ポリシリコン膜151、155、159は、ワード線WL1〜4には接続されない。
次に、図22に示すように、メモリトランジスタ領域において、メモリトランジスタの柱状の半導体(ボディ部)を形成するためのメモリプラグホール170を形成する。なお、本実施の形態においては、このメモリプラグホール170を「メモリプラグホール170」と呼ぶ。
次に、図23に示すように、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜を順に堆積し、所謂ONO膜172を形成する。このONO膜172中の窒化珪素膜は、メモリトランジスタの電荷蓄積層となる。
次に、図24に示すように、フォトレジストを形成し、エッチバックすることにより、不図示の周辺回路領域のONO膜とメモリトランジスタ領域のONO膜172の一部を除去する。メモリトランジスタ領域のメモリプラグホール170には、選択ゲートトランジスタSDTrが形成される層(ポリシリコン163)及びその下部の酸化珪素膜162の一部を除いて、ONO膜172a及びフォトレジスト174が残存する。
次に、図25に示すように、フォトレジスト174を除去し、加熱処理することにより、選択ゲートトランジスタSDTrが形成される層(ポリシリコン163)に熱酸化膜176を形成する。なお、この熱酸化膜を形成する代わりに、CVD法により、酸化珪素膜176を形成するようにしてもよい。
次に、図26に示すように、基板全面に窒化珪素膜を形成し、異方性エッチングすることにより、スペーサ窒化珪素膜178を形成する。
次に、図27に示すように、スペーサ窒化珪素膜178を除去した後、アモルファスシリコン膜を堆積し、CMP処理することにより、柱状のアモルファスシリコン層180を形成する。なお、アモルファスシリコン膜を堆積する代わりに、単結晶シリコン膜をエピタキシャル成長させて、単結晶シリコン層180を形成するようにしてもよい。また、下層選択ゲートトランジスタSSTrの内部のシリコンに選択エピタキシャル成長によって形成した場合には、同様に選択エピタキシャル成長法により単結晶シリコン180を形成することができる。
次に、図28に示すように、窒化珪素膜168、P+型ポリシリコン膜149、153、157、161、163、N+型ポリシリコン膜151、155、159並びに酸化珪素膜148、150、152、154、156、158、160、162の各層の端部が階段状になるように階段状エッチングし、窒化珪素膜168a、P+型ポリシリコン膜149a、153a、157a、161a、163a、N+型ポリシリコン膜151a、155a、159a並びに酸化珪素膜148a、150a、152a、154a、156a、158a、160a、162aを形成する。
次に、図29に示すように、層間絶縁膜(BPSG)182を形成し、CMP処理し、平坦化する。
次に、図30に示すように、フォトエッチング工程により、コンタクトホールを形成し、タングステン膜を形成し、CMP処理することによって、タングステンプラグ188a、188b、188c、188d、188e、188f及び188gを形成する。この後、アルミニウム(Al)膜を形成し、フォトエッチング工程を経て、電極190a、190b、190c、190d、190e、190f、190g及び190hを形成する。この後、層間絶縁膜(BPSG)192を形成し、CMP処理し、平坦化する。
その後、フォトエッチング工程により、コンタクトホールを形成し、タングステン膜を形成し、CMP処理することによって、タングステンプラグを形成する。そして、アルミニウム(Al)膜を形成し、フォトエッチング工程を経て、電極を形成する。
以上の工程により、図31、図32に示す本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置を製造することができる。
このように製造された本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、各ワード線WL1〜WL4がそれぞれ板状で階段状の構造を有している。各ワード線WL1〜WL4がそれぞれ板状で階段状の構造を有しているため、各ワード線WL1〜WL4の側端部には、段差が発生する。その段差を利用することにより、同一フォトエッチングプロセスによりワード線ドライバと各ワード線WL1〜WL4とを接続するためのコンタクトホールを加工することができる。このコンタクトホールに電極188a、188c、188e、188gが形成されて接続される。また、前記フォトエッチングプロセスによって同時に形成されたコンタクトホールを用いて、ビット線BLはセンスアンプに、選択ゲート線SGDは選択ゲート線SGDドライバに接続されている。
〔機能〕
次に本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の機能について、具体的に説明する。
図33に、本実施の形態とは異なり、層間電極を設けていない構成の縦型トランジスタを示す。この場合では、柱状のアモルファスシリコン層80を囲むように、ONO膜72膜が形成され、この周囲にP+型ポリシリコン膜51、酸化珪素膜52、P+型ポリシリコン膜53、酸化珪素膜54、P+型ポリシリコン膜55、酸化珪素膜56、P+型ポリシリコン膜57が形成される。P+型ポリシリコン膜51、53、55、57は、縦型に形成された各々のトランジスタのゲート電極となる。この構成により、チップ面積を縮小することができ、安価で歩留まりの高い不揮発性半導体記憶装置を得ることができる。
図34に基づき、より詳細に説明する。図34は、図33に示す二点差線に囲まれた領域の拡大図である。この構成の不揮発性半導体記憶装置では、ゲート電極となるワード線は板状に形成されるため、容量結合により選択されたワード線の電圧を変化させたときに、隣接するワード線の電位が容量結合により変動するため動作が不安定となる場合があった。また、ゲート電極となるP+型ポリシリコン膜53、55に電界を印加した場合に、アモルファスシリコン層80のONO膜72近傍において、電荷が集まりチャネルが形成される。しかしながら、ゲート電極とゲート電極の間の領域におけるチャネル、即ち、ONO膜72を介した酸化珪素膜54の反対側のアモルファスシリコン層80の領域では、上下ゲート電極によって誘起されたチャネル同士の重なりが不十分な場合があり、トランジスタ直列抵抗値の高抵抗化やばらつきを生じることがあった。
形成されるチャネルが狭くなり、不安定であり、また抵抗も高くなる。
これに対し、本実施の形態では、図31に示すような構成(図30において一点鎖線に囲まれた領域に示すような構成)となっている。具体的には、柱状のアモルファスシリコン層180の周囲を囲むように、ONO膜172a膜が形成されており、この周囲にP+型ポリシリコン膜149a、酸化珪素膜150a、N+型ポリシリコン膜151a、酸化珪素膜152a、P+型ポリシリコン膜153a、酸化珪素膜154a、N+型ポリシリコン膜155a、酸化珪素膜156a、P+型ポリシリコン膜157a、酸化珪素膜158a、N+型ポリシリコン膜159a、酸化珪素膜160a、P+型ポリシリコン膜161aが積層形成されている。P+型ポリシリコン膜149a、153a、157a、161aは、縦型に形成された各々のトランジスタのゲート電極となり、N+型ポリシリコン膜151a、155a、159aは層間電極となる。尚、図32は、図31に示す二点差線に囲まれた領域の拡大図である。
このような構成により、選択されたワード線におけるゲート電極の電位を変動させた場合であっても、層間電極の電位を固定させておくことにより、ゲート電極の電位が変動の影響を層間電極により遮断することができ、隣接するワード線におけるゲート電極の電位変動を招くことはない。
また、層間電極となるN+型ポリシリコン膜155aの仕事関数が小さいことにより、アモルファスシリコン層180のONO膜172a近傍において電荷が誘起されチャネルが形成された状態となる。これにより、ゲート電極となるP+型ポリシリコン膜153a、157aに電界を印加した場合に、形成されるチャネル同士がより確実に接続するようになり、ON状態におけるトランジスタ直列抵抗値の低抵抗化及び安定化が実現される。以上の理由により、本実施の形態では、層間電極としてN+型ポリシリコン膜151a、155、159aを形成している。
尚、層間電極は、印加する電圧を調整することにより、N型、P型を問わず使用することが可能である。また、ワード線を構成する材料よりも仕事関数の小さな材料を用いることで、層間電極に印加する電圧を下げることが可能である。更に、孔加工等の加工性を考慮するならば、N+型ポリシリコンが層間電極を構成する材料としては、最も好ましい。又、キャリアとして電子ではなくホールを注入する書き込み動作を考えた場合では、仕事関数の大小や、P型、N型の関係に関しては全く逆となる。即ち、ホールを注入する場合では、ワード線はN+型ポリシリコン、層間電極は、ワード線よりも大きい仕事関数を有する導電材料、例えば、P+型ポリシリコンが好ましい。
以上より、メモリセルがN型MOSトランジスタの場合においては、層間電極を構成する材料は、ワード線を構成する材料よりも仕事関数の小さな材料を用いる。また、メモリセルがP型MOSトランジスタの場合においては、層間電極を構成する材料は、ワード線を構成する材料よりも仕事関数の大きな材料を用いる。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、第1の実施の形態において、層間電極であるN+型ポリシリコン膜を金属膜に代えて形成したものである。
図35に、本実施の形態におけるゲート電極間の拡大図を示す。柱状のアモルファスシリコン層280を囲むように、ONO膜272a膜が形成されており、この周囲にP+型ポリシリコン膜249a、酸化珪素膜250a、金属膜251a、酸化珪素膜252a、P+型ポリシリコン膜253a、酸化珪素膜254a、金属膜255a、酸化珪素膜256a、P+型ポリシリコン膜257a、酸化珪素膜258a、金属膜259a、酸化珪素膜260a、P+型ポリシリコン膜261aが積層形成されている。
以上より、P+型ポリシリコン膜149a、153a、157a、161aからなる縦型に形成された各々のトランジスタのゲート電極が形成され、また、金属膜251a、255a、259aからなる層間電極が形成される。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要件を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要件の適宜な組み合わせにより、種々の発明が形成可能である。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要件を適宜追加し組み合わせてもよい。
152a・・・酸化珪素膜、153a・・・P+型ポリシリコン膜(ゲート電極)、154a・・・酸化珪素膜、155a・・・N+型ポリシリコン膜(層間電極)、156a・・・酸化珪素膜、157a・・・P+型ポリシリコン膜(ゲート電極)、158a・・・酸化珪素膜、172a・・・ONO膜、180・・・アモルファスシリコン層