JP4907803B2 - 創成放電加工用ワイヤ状の電極の矯正方法並びに創成放電加工方法 - Google Patents

創成放電加工用ワイヤ状の電極の矯正方法並びに創成放電加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は創成放電加工に用いるワイヤ状の電極の曲がりの矯正方法及びその矯正方法を用いている創成放電加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミサッシのような型材を押し出し成形するための押し出しダイスは、図12Aに平面図、図12Bに図12AのB−B断面図、図12Cに底面図で示しているように、その押し出し開孔としてベアリング孔2と、ベアリング孔2の上部に流し込み部1と、その下側開口として裏逃げ部3が形成されたものである。押し出しダイスを用いて型材を成形する場合、流し込み部1に供給されたアルミ材が押し出し装置によりベアリング部2の方向に押し圧され、ベアリング孔によって成形されて裏逃げ部3に製品となって押し出される。形状精度の高い型材を製作するには、ベアリング孔2を通過するアルミ材の速度が均一になるようにベアリング孔のベアリング長さLをベアリング孔の形状に対応させて調整されている。
【0003】
ベアリング長さLを精度良く仕上げるためには、裏逃げ部3とベアリング孔2とが接続する個所に裏逃げ段差部4が設けられている。
【0004】
かかる押し出しダイスを製作する際に、裏逃げ部3とベアリング孔2とはワイヤカット放電加工によって加工することができる。裏逃げ部3の加工は、ベアリング孔2の上部開口中央から裏逃げ部3の斜面の傾斜に合わせたワイヤカット放電電極を用いて行うことができ、またベアリング孔2の加工はワイヤカット放電電極を垂直にして行うことができる。
【0005】
ところが、裏逃げ段差部4を形成するには、フライス加工などを用いなければならないが、その溝幅が1mm〜数mmで段差の幅が1mm以下のことがあり、裏逃げ部の深さが30〜80mmもあるために、90mm以上の長さを持って1〜数mmの直径のドリルカッターを用いなければならない。斜面に対してこのように細く長いカッターを用いるとカッターの逃げや振れが生じるので高精度加工が困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこでワイヤ状の電極切り口端面(先端面)を利用して裏逃げ段差部4の段差を創成放電加工することが考えられる。その場合ワイヤ状の電極の長さが同様に90mm以上でその直径が1〜数mmである。このように細く長いワイヤ状の電極では少しの曲がりあるいは偏芯を持っていることが多いが、ワイヤ状の電極に用いられるワイヤに曲がりや偏芯があると裏逃げ段差部の幅を精度良く仕上げることができないものである。
【0007】
そこで、本発明は精度良く創成放電加工をおこなうことを目的とするものである。
【0008】
特に全自動放電加工機を用いて微細な部分を精度良く創成放電加工することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の創成放電加工用ワイヤ状の電極の矯正方法は、
ワイヤ状の電極(以下「ワイヤ状電極」と言う)をコレットホルダーに取り付け、
ワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダーをコレットホルダー装着ヘッドに装着し、
ワイヤ状電極を挿入することができる内径をした通孔を持つパイプ冶具を、その通孔が前記コレットホルダー装着ヘッドの中心軸から所定の傾きを持つようにコレットホルダー装着ヘッドの前方に固定しておき、
コレットホルダー装着ヘッドにコレットホルダーを介して取り付けられたワイヤ状電極をその中心軸の周りに回転させながらパイプ冶具の通孔内に挿入し、
ワイヤ状電極を回転させたままで前記通孔からワイヤ状電極を引き抜くことによって、ワイヤ状電極の曲がりを矯正することを特徴とする。ここでパイプ冶具の通孔はワイヤ状電極の外径よりも10〜20%大きな外径をしていることが好ましい。パイプ冶具の通孔はその上下の開口端にRを持って、ワイヤ状電極が滑らかに挿入、引き抜きができることが好ましい。また、通孔はコレットホルダー装着ヘッド中心軸から5〜20°の傾きをしているのがよい。
【0010】
本発明の創成放電加工用ワイヤ状電極の矯正方法において、
前記ワイヤ状電極を通すことができる孔を持った電極径測定器をコレットホルダー装着ヘッドの前方平面に水平に固定しておき、
ワイヤ状電極の曲がりを矯正した後に、
前記ワイヤ状電極を前記電極径測定器の孔に向かい合う位置に持ってきて、ワイヤ状電極の測定すべき深さまでワイヤ状電極を前記孔に挿入し、コレットホルダー装着ヘッドを前記平面内で動かして前記ワイヤ状電極の側面と前記孔周囲の側面とを接触させるようにした接触感知によってワイヤ状電極の直径を求めることが好ましい。ワイヤ状電極を中心軸の周りに回転させつつ上に述べたワイヤ状電極の直径を求めるのと同様にしてワイヤ状電極の振れ幅を求めることができる。
【0011】
コレットホルダー装着ヘッドのコレットホルダーを介して取り付けられているワイヤ状電極の先端と中間部とで前記ワイヤ状電極の直径及び/あるいは振れ幅を求めることが好ましい。
【0012】
電極径測定器は導電板に開けられた孔を持っていて、その孔に挿入されたワイヤ状電極と導電板との間に所定の電圧を印加しておくのがよい。ワイヤ状電極を電極径測定器の孔内で移動させて、孔の一方側面と接触したときにワイヤ電極の座標位置が求められる。次にワイヤ電極を移動させて孔の反対側面と接触したときに座標位置を求める。これらの座標位置に基づいて、直径を求めることができる。ワイヤ電極を回転させた状態で同様に測定すると振れ幅を加味した状態での直径が求まる。予め直径を求めておくと、これらから振れ幅を求めることができる。
【0013】
ワイヤ状電極の振れ幅を求めた後、その振れ幅の大きさに応じて、ワイヤ電極の曲がり矯正を繰り返すことができる。
【0014】
本発明の創成放電加工方法は、
放電加工用ワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダーを複数本収納するためのATCマガジンと、
放電加工される被加工物を取り付けて放電加工するための平面を持った加工テーブルと、
前記加工テーブルと対向して、加工テーブルの平面上を動くことができるように設けられているとともに、前記ワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダーを装着するためのヘッドを有し、中心軸の周りに回転することのできる加工軸と、
前記ATCマガジンと前記加工軸との間でコレットホルダーを交換するためのATCと、
前記加工軸の位置及び回転、ATCの働きを制御するための制御器とを有する創成放電加工機を用いて、
ワイヤ状電極を挿入することができる内径をした通孔であり、その通孔が前記加工軸の中心軸から所定の傾きを持つパイプ冶具とを加工テーブル上でそれぞれ加工テーブル面から所定距離離れた位置に固定しておき、
ワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダー複数個を前記ATCマガジンに収納した上で、
ATCマガジンに収納されているコレットホルダーを順次ATCによって前記加工軸ヘッドに装着して、
コレットホルダーを介して加工軸ヘッドに装着したワイヤ状電極をその中心軸の周りに回転させながら、パイプ冶具の通孔内に挿入し通孔から引き抜いてワイヤ状電極の曲がりを矯正して、
曲がりを矯正したワイヤ状電極の取り付けられているコレットホルダーをATCマガジンに収納することを特徴とする。ここでパイプ冶具の通孔はワイヤ状電極の外径よりも10〜20%大きな外径をしていることが好ましい。パイプ冶具の通孔はその上下の開口端にRを持って、ワイヤ状電極が滑らかに挿入、引き抜きができることが好ましい。また、通孔はコレットホルダー装着ヘッド中心軸から5〜20°の傾きをしているのがよい。
【0015】
前記創成放電加工方法において、
ワイヤ状電極を通すことのできる孔を持った電極径測定器を加工テーブル上で加工テーブル面から所定距離離れた水平面に固定しておき、
ワイヤ状電極の曲がりを矯正した後で、
コレットホルダーを介してワイヤ状電極を装着している加工軸の回転を止めて、前記ワイヤ状電極を前記導電板の孔に向かい合う位置に移動してその場所でワイヤ状電極の測定すべき深さまでワイヤ状電極を前記孔に挿入し、加工軸ヘッドを前記平面内で動かして前記ワイヤ状電極の側面と前記孔周囲の側面とを接触させるようにした接触感知によってワイヤ状電極の直径を求めることが好ましい。ワイヤ状電極を中心軸の周りに回転させつつ、上に述べたワイヤ状電極の直径を求めるのと同様にしてワイヤ状電極の振れ幅を求めることができる。そのワイヤ状電極の直径及び/あるいは振れ幅を加工軸ヘッドにコレットホルダーを介して取り付けられているワイヤ状電極の先端と中間部とで求めることが好ましい。またワイヤ状電極の振れ幅を求めた後、その振れ幅の大きさに応じて、ワイヤ状電極の曲がり矯正を繰り返すことができる。
【0016】
その創成放電加工方法では、
上面に少なくとも2個の基準穴が設けられている被加工物を加工テーブル上に固定し、
曲がりを矯正したワイヤ状電極の取り付けられているコレットホルダーをATCマガジンから加工軸ヘッドに装着し、
加工軸ヘッドに装着したワイヤ状電極の高さ基準を求めて記憶し、
ワイヤ状電極の装着されている加工軸によって被加工物の位置情報(基準穴及び上面の位置)を求めて記憶し、
メモリーに予め格納されている被加工物の製作図面情報と、上で得た被加工物の位置情報と、ワイヤ状電極の前記高さ基準とに基づいて、加工開始点、ルート及び終点の加工情報を求めて記憶し、
前記加工情報に基づいて被加工物の加工開始点から加工ルートに従い加工軸に装着したワイヤ状電極で創成放電加工を行い、
所定の長さ加工する毎に加工を停止し、被加工物上の停止位置を記憶し、
ワイヤ状電極を取り替えるかどうかを判定し、
その判定に基づき、ワイヤ状電極先端を修正し、あるいはワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダーを取り替えて、上記停止位置から創成放電加工を行い、加工終点まで加工を行う。ここの説明では、被加工物を加工テーブル面上に固定するのをコレットホルダーを加工軸ヘッドに装着する前に行ったが、コレットホルダーを加工軸ヘッドに装着した後に被加工物を加工テーブルに取り付けることもできる。
【0017】
この創成放電加工方法で、輪郭加工用ワイヤ状電極、中加工用ワイヤ状電極及び仕上げ加工用ワイヤ状電極それぞれを取り付けたコレットホルダーをATCマガジンに用意しておくことが好ましい。その場合、前記加工開始点、ルート及び終点の加工情報を制御器メモリーに収納した後、
輪郭加工用ワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダーを装着した加工軸ヘッドを用いて前記加工情報に基づいて輪郭創成放電加工を行い、
この輪郭創成放電加工を所定回数繰り返し、
その後加工軸ヘッドに装着されている輪郭加工用ワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダーをATCマガジンに収納されている中加工用ワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダーと交換し、
加工軸ヘッドにコレットホルダーを介して装着されている中加工用ワイヤ状電極を用いて前記加工情報に基づいて中加工創成放電加工を行い、
この中加工創成放電加工を所定回数繰り返し、
その後加工軸ヘッドに装着されている中加工用ワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダーをATCマガジンに収納されている仕上げ加工用ワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダーと交換し、
加工軸ヘッドにコレットホルダーを介して装着した仕上げ加工用ワイヤ状電極を用いて前記加工情報に基づいて仕上げ加工創成放電加工を行い、
この仕上げ加工創成放電加工を所定回数繰り返す。
【0018】
創成放電加工途中に所定距離加工すれば加工を停止し、その加工停止位置を記憶し、
ワイヤ状電極を装着した加工軸ヘッドを被加工物から引き上げて、ワイヤ状電極を金敷状台座面まで移動して接触させて、ワイヤ状電極の長さを測定してワイヤ状電極取り替え判断を行い、
継続使用と判断した場合はそのワイヤ状電極と台座との間で放電させてワイヤ状電極を所定長さまで修正し、
制御器メモリーに予め格納されているワイヤ状電極取り替え長さになっている場合は取り替えと判断して、加工軸をATCまで移動して使用していたワイヤ状電極の取り付けられているコレットホルダーをATCマガジンに戻し、ATCマガジンにあるワイヤ状電極の取り付けられているコレットホルダーを加工軸ヘッドに装着し、
この修正あるいは取り替えた新しいワイヤ状電極を装着した加工軸ヘッドを前記加工停止位置まで戻して加工を継続することができる。輪郭加工用ワイヤ状電極の径が中加工用ワイヤ状電極の径以上であり、中加工用ワイヤ状電極の径が仕上げ加工用ワイヤ状電極の径以上であることが好ましい。
【0019】
本発明の創成放電加工方法では、創成放電加工機の加工軸に放電加工用のワイヤ状電極を取り付けて、そのワイヤ状電極の曲がりの矯正と電極の振れ幅を測定しているが、ワイヤ状電極の曲がりの矯正を別な機械、例えばボール盤、フライス盤などコレットホルダー装着ヘッドを取り付けることのできる機械に装着して行うこともできる。その上で、創成放電加工機のATCマガジンに、矯正したワイヤ電極を収納することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら本発明を実施例について詳しく説明する。本発明を実施するのに用いられる放電加工機100の一例の正面図を図1に示しており、その制御を図2にブロック図で示している。
【0021】
図1の放電加工機100で、昇降式加工槽10が加工機中央に設けられており、その中に水平に加工テーブル20が設けられている。加工テーブル20上には被加工物22,ワイヤ状電極修正器26,ワイヤ状電極矯正器・電極径測定器90が図6の平面図に示すように取り付けられている。加工槽10中には加工液が入れられており、その加工液はポンプによって循環させられるようになっている。被加工物22の放電加工時及びワイヤ状電極の修正時に、被加工物22及び/またはワイヤ状電極修正器26が加工液中に浸るように加工槽10は昇降できるようになっている。
【0022】
加工軸30が加工テーブル20と対向できる位置に設けられており、加工軸30は内蔵スピンドルモータによって加工時に回転させることができるようになっている。加工軸30はそのスタンドに取り付けられており、加工テーブル水平面(xy面とする)に対して水平に移動し、また上下(z軸方向とする)に移動するようになっている。加工軸30の中心軸の周りへの回転及びx、y、z軸方向への移動、また必要によりz軸からの傾斜運動は制御器40で制御される。加工軸30は中心軸の周りに所定角度だけ回動させることもできるようになっている。
【0023】
放電加工機100には手動入力をするためのコンソール50及びデータを格納するためのメモリー60が設けられていて、それらは制御器40を介して加工機の各部と接続されている。また被加工物の製作図面情報をメモリー60に格納できるようになっている。
【0024】
加工軸30の先端にはヘッド32が付けられており、ワイヤ状電極37を取り付けたコレットホルダー35(図3参照)を装着したり、取り外したりすることができるようになっている。創成放電加工時には、加工軸ヘッド32にワイヤ状電極37をコレットホルダー35を介して装着して、内蔵スピンドルモータによってワイヤ状電極37を中心軸の周りに回転させながら、加工槽中で加工液に浸した被加工物の加工される個所にその先端を近接させて放電させることになる。加工時の回転数は例えば700rpmである。
【0025】
放電加工機100にはATCマガジン70が取り付けられている。必要個数のコレットホルダーがこのATCマガジン70に収納されている。ATCマガジンに収納されているコレットホルダーはそれぞれワイヤ状電極を持ったものであり、一連の放電加工に使用する種々のワイヤ状電極を必要本数収納している。ATCマガジン70の近くにはATC80が設けられていて、ATC80がATCマガジン70に収納されているコレットホルダーを取り出して、加工軸ヘッド32にそのコレットホルダーを取り付け、あるいは加工軸ヘッド32に装着されているコレットホルダーを取り外して、ATCマガジンに収納する。コレットホルダーの取り扱いは制御器40が加工軸30,ATC80,ATCマガジン70を制御することで行うようになっている。ATCマガジン70には例えば24本のコレットホルダーを収納することができる。
【0026】
ワイヤ状電極矯正器・電極径測定器90は、図4の平面図、図5のその縦断面図に示すように、架台99の上面に設けられている。架台上面は、架台を加工テーブル20上に取り付けたときに、加工テーブルからワイヤ状電極の長さ以上の距離離れた水平面となるようになっている。架台上面にある矯正器のパイプ冶具91,91′,91″の通孔及び電極径測定器の孔にワイヤ状電極を上部から挿入したときに、ワイヤ状電極が架台の他の部分と接触しないように架台の内部は空間となった構造をしている。
【0027】
ワイヤ状電極矯正器のパイプ冶具91,91′,91″は例えば超硬合金で作られたパイプであり、図7に断面図で示しているように、矯正すべきワイヤ状電極外径よりも大きな内径、好ましくはワイヤ状電極よりも10〜20%大きな内径をした通孔を持っている。この通孔は加工軸の中心軸から所定の傾き、好ましくは5〜20°の傾きを持っている。通孔の両開口端は10mm程度のR93を持っているので、矯正すべきワイヤ状電極がなめらかにパイプ冶具通孔に挿入できるようになっている。
【0028】
ワイヤ状電極の曲がりを矯正するには、矯正すべきワイヤ状電極37をコレットホルダー35を介して加工軸ヘッド32に装着しておく。加工軸ヘッド32をワイヤ状電極矯正器・電極径測定器90のパイプ冶具91上部開口と対向する位置に持っていく。ワイヤ状電極37をその中心軸の周りに回転させながら(例えば1000rpmで回転させながら)パイプ冶具の通孔内にワイヤ状電極37をそれを取り付けているコレットホルダー35の根本まで、あるいは根本近くまで挿入する。ワイヤ状電極を回転させたままで通孔からワイヤ状電極を引き抜く。この矯正作業を数回繰り返すことで、ワイヤ状電極の振れ精度を20μm以下とすることができる。
【0029】
使用されるワイヤ状電極の直径は通常1.0〜2.5mmで、パイプ冶具91の通孔92の内径はワイヤ状電極の直径よりも10〜20%大きなもの、例えば直径で0.2mm程度大きなものがよい。通孔92の傾きは矯正すべきワイヤ状電極の直径に応じて小さくするのがよく、例えばワイヤ状電極直径1mmの場合12°、1.5mmの場合8°、2.0mmの場合8°とするのがよい。
【0030】
ワイヤ状電極として無酸素銅の電極を用いて、矯正作業をすると、ワイヤ状電極先端が矯正前には0.1〜1.0mmの振れがあったものが、この矯正作業によって0.02mm以下の振れに矯正することができた。なお、使用したワイヤ状電極は、コレットホルダー近くまでパイプ冶具通孔に挿入したときの、パイプ冶具から突出している部分の長さが80mm以上のものであった。
【0031】
架台99の上面に電極径測定器も設けられている。電極径を測定するための孔95は、ワイヤ状電極を通すことのできる径をした円孔あるいは楕円孔であり、この円孔あるいは楕円孔に挿入したワイヤ状電極と円孔あるいは楕円孔側面とが接触したことを感知する。すなわち接触感知によってワイヤ状電極の径を測定できるようになっている。そこで円孔あるいは楕円孔周囲の側面96,96′は導電性をしていることが好ましい。そのために架台自体を導電板で構成することができる。この孔95は図4,図5に示すように下に行くに従い広がっているのが好ましい。
【0032】
測定すべきワイヤ状電極37をコレットホルダー35を介して加工軸ヘッド32に装着しておき、ワイヤ状電極と電極径測定器の側面との間に所定の電圧を印加しておく。加工軸ヘッド32を測定器の孔95に向かい合う位置に持ってきて、ワイヤ状電極を測定する深さまで孔95に挿入する。加工軸ヘッドをxy面内で動かして、ワイヤ状電極37の一側面を測定器孔95の一方にある側面96または96′に接触させる。接触するとワイヤ状電極と測定器間で電流が流れるので、それを信号として制御器40はその時点での加工軸30の座標を読みとる。次に加工軸ヘッドをxy面内で移動させて、ワイヤ状電極37の反対側面を測定器孔95の反対側側面96′または96(前記一方にある側面の反対側面)に接触させる。この位置で制御器40は加工軸30の座標を読みとる。測定器孔95の内側面間距離を予め制御器40を介してメモリー60に格納しておくと、これら2回の座標値によって、直径=測定器孔内側面間距離−(2回目の座標値−1回目の座標値)の式で直径を求めることができる。
【0033】
電極径測定器を用いてワイヤ状電極の振れ幅を求めるには、測定すべきワイヤ状電極37をコレットホルダー35を介して加工軸ヘッド32に装着しておき、加工軸ヘッド32を所定回転数で回転させながら、上と同様にして接触感知によって直径を求める。ワイヤ状電極を回転させながら直径を求めるとワイヤ状電極の振れ幅を加味した値となる。ワイヤ状電極の静止した状態での直径を上記のやり方あるいはマイクロメータなどで求めておき、ここで求めた振れ幅を加味した直径とで、振れ幅を求めることができる。
【0034】
ワイヤ状電極修正器26も加工テーブル上に取り付けられている。ワイヤ状電極修正器26は金敷状台座であって、その上面は加工テーブル面と平行すなわち水平になっている。ワイヤ状電極を台座上に接触あるいは微小間隙を持って放電させるとワイヤ状電極先端面が加工される形で消耗・摩耗するので望む形状をしたワイヤ状電極先端が得られる。ワイヤ状電極を用いて前述の裏逃げ段差部4の段差を創成放電加工すると次第にワイヤ状電極先端も消耗変形してくるので、創成放電加工を所定長さ行う毎にワイヤ状電極先端形状を修正する必要がある。
【0035】
本実施例ではこの電極修正器26の台座上をワイヤ状電極の高さ(z軸位置)の原点としている。加工軸ヘッドに取り付けたワイヤ状電極をワイヤ状電極修正器26でその先端形状を修正した後に、ワイヤ状電極を台座上に接触させたときの加工軸のz軸座標を基準点あるいは原点として、例えばz=0として制御器に読み込まれる。
【0036】
上に述べた放電加工機100によって、ワイヤ状電極の曲がりを矯正する作業を行い、加工の準備を行い、創成放電加工を行うフローチャートをそれぞれ図8,9,10,11に示している。図10と図11はともに創成放電加工のフローチャートであるが、図10は創成放電加工の一実施例のフローチャートであって、図11は輪郭加工、中加工、仕上げ加工の3段階になった創成放電加工のフローチャートである。図10の創成放電加工を以下の説明において「放電加工1」と呼ぶことがある。図11の創成放電加工の各段階には放電加工1を含んでいる。また、図11の創成放電加工を以下の説明において「放電加工2」と呼ぶことがある。
【0037】
矯正作業を図8に示すフローチャートに従って説明する。矯正作業については既にワイヤ状電極矯正器・電極径測定器90の説明の中で説明しているが、図8のフローチャートを理解できる程度にここで説明を行う。
【0038】
矯正作業の準備として、ステップ801で使用するワイヤ状電極37をコレットホルダー35に取り付ける。ここで準備するコレットホルダーの数は少なくとも使用する本数は必要である。ワイヤ状電極37を取り付けたコレットホルダー35を放電加工機100のATCマガジン70に順次収納する(ステップ802)。コレットホルダーを収納しているATCマガジン70の位置(アドレス)は制御器40で読み込まれてメモリー60に格納される。
【0039】
矯正すべきコレットホルダー1本をATCマガジン70からATC80で取り出して(ステップ803)、そのコレットホルダーを加工軸ヘッド32に装着する(ステップ804)。矯正作業の開始指令はコンソール50から制御器40に入力することができる。加工軸ヘッド32にATCからコレットホルダーを装着する際には加工軸30がATC80の近くに移動してその場所で装脱着する。ステップ805で、加工軸に装着されたワイヤ状電極をパイプ冶具の上部開口に位置あわせをし、ステップ806でワイヤ状電極を加工軸中心軸の周りに回転させる。このときの回転は例えば1000rpmとする。ステップ805とステップ806との順序を変えても良い。ステップ807でワイヤ状電極をパイプ冶具の通孔に挿入する。このときに、ワイヤ状電極をコレットホルダーの根本あるいはそれに近い深さまで挿入する。ワイヤ状電極を回転させたままでパイプ冶具の通孔から引き抜く(ステップ808)。この矯正作業は一度でも良いが、数回繰り返すことによってワイヤ状電極の真直度が向上する。そこでステップ809でワイヤ状電極の振れ幅を測定して、その振れ幅が所定範囲内、例えば0.02mm以内であるかどうかをステップ810で判定する。振れ幅が所定範囲よりも大きいと、ステップ807に戻って再度矯正をする。ステップ810の判定で所定範囲内になっていれば、ワイヤ状電極の回転を止めて、ステップ811で加工軸ヘッドをATCの近くまで移動して、コレットホルダーをステップ812でATCマガジンへ戻す。このフローチャートには示していないが矯正作業を数回繰り返しても振れ幅が所定範囲にならないものは「使用不可」との判定を行い、そのコレットホルダーの番号とその判定とを制御器を介してメモリーに格納することもできる。
【0040】
以上で1本のコレットホルダーについてワイヤ状電極矯正と使用可否判定がなされたので、順次ATCマガジンに収納されているすべてのコレットホルダーについて、ステップ803〜813を繰り返して、すべてのコレットホルダーについて矯正作業を行う。もちろん1本のコレットホルダーについてのみ矯正作業を行って、矯正作業終了とすることもできる。なお、ステップ803〜813の矯正作業を纏めてステップ800と参照番号を付けている。
【0041】
図8のフローチャートでは放電加工機100の加工軸ヘッド32を用いて矯正作業を行っているが、放電加工機に代えてフライス盤、ボール盤などの回転軸にコレットホルダー装着ヘッドを取り付けて矯正作業を行うこともできる。
【0042】
次に加工の準備を図9に示すフローチャートに従って説明する。加工の準備を行う前に、図8で説明したステップ801のワイヤ状電極をコレットホルダーへ取り付ける工程、ステップ802のコレットホルダーをATCマガジンへ収納する工程及び矯正作業工程ステップ800が終わっているとともに、被加工物を加工テーブル上の所定個所に取り付けられている(ステップ901)ものとする。
【0043】
加工の準備ではまずステップ902で使用するワイヤ状電極の取り付けられているコレットホルダー35をATCマガジン70から取り出して加工軸ヘッド32に装着する。加工軸ヘッド32に装着されたワイヤ状電極37をワイヤ状電極修正器26の金敷状台座上に移動させて、台座に接触あるいは微小間隙を介して放電させて、ワイヤ状電極の長さを所定の長さにするとともに、ワイヤ状電極先端を望む形状、例えば平坦にする(ステップ903)。次に、ワイヤ状電極をワイヤ状電極修正器26の金敷状台座上に接触させて、そのときの加工軸30のz軸座標を基準点あるいは原点として制御器40で読み込む(ステップ904)。ステップ905で、加工軸30を被加工物22のところへ移動させて、その2個の基準穴24にワイヤ状電極を接触させて、それらの座標を読み込み、被加工物22の上面23にワイヤ状電極を接触させて、その接触した位置の座標を読み込む。これら3点(2個の基準穴と上面の接触点)から上面23の式及び被加工物22の位置情報を制御器40で作成して、メモリー60に格納する。被加工物22の製作図面情報65は予め制御器40を介してメモリー60に格納されているので、ステップ906でこの製作図面情報と、被加工物の位置情報と、ワイヤ状電極の高さ位置情報に基づいて、加工開始点、加工ルート、加工終点などの加工情報を制御器40で作成して、ステップ907でこの加工情報をメモリー60に格納する。ステップ902〜907の加工の準備を纏めてステップ900と参照番号を付けている。
【0044】
次に創成放電加工の一実施例を図10に示すフローチャートに従って説明する。創成放電加工を行う前に、図9で説明した加工の準備(ステップ900)までの工程が終了しているものとする。
【0045】
ステップ900までの工程で加工軸ヘッド32には使用されるワイヤ状電極37が取り付けられた状態となっているので、ステップ1001で加工軸を移動してワイヤ状電極を被加工物22の加工開始点に移動し、ステップ1002でメモリー60に格納されている加工情報に従って加工ルートを通って創成放電加工を行い、ステップ1003で加工終点まで加工したかどうかが判定され、加工終点まで加工している場合にはステップ1004に進み、そこで所定回数加工したかどうかが判定される。同じ加工ルートを1〜4回加工するので、その加工回数が終わっている場合には加工完となる。加工回数が所定回数に達していない場合にはステップ1001に戻って、ステップ1001〜1004が繰り返される。
【0046】
ステップ1003で終点まで加工してないと判定された場合、使用しているワイヤ状電極で所定長さ加工したかどうかをステップ1005で判定される。ワイヤ状電極の先端を修正加工するまでに放電加工のできる長さを予め決めておいて、その長さを所定長さとしておく。ここで所定長さを加工距離で決めることもできるし、放電電流と時間との積で決めることもできる。例えば、所定長さとして加工距離で決めて80mmとしていると、80mm加工すればそれ以上はそのワイヤ状電極をそのまま使うことができないと判定されて、そこでワイヤ状電極の先端を修正加工することになる。そこでステップ1005で所定長さ加工したかどうかを判定して、所定長さまで加工していないと判定されればそのワイヤ状電極を続けて使用できるのでステップ1002に戻って創成放電加工が続けられる。ステップ1005で所定長さ加工したと判定されるとステップ1006に進み加工を停止して、ステップ1007でその停止位置を制御器に読み込む。そしてステップ1008で、ワイヤ状電極の長さが測定される。この長さの測定は、加工軸を移動して金敷状台座上にワイヤ状電極を接触させて、加工軸のz軸座標を読み込み、前回に読み込んだ加工軸のz軸座標との差を求めることによってワイヤ状電極の消耗した長さが求まる。使用開始前のワイヤ状電極の長さからこの消耗した長さを差し引いて、残っているワイヤ状電極長さを求めることができる。残っているワイヤ状電極長さが所定長さ以下かどうかをステップ1009で判定する。この所定長さとはワイヤ状電極を取り替える必要のある長さであって、先端を修正してもそれ以上使用できない長さのことである。ここでワイヤ状電極長さが所定長さ以下であると判定したときには、ステップ1010に進んで、新しいワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダーと取り替えを行う。そしてステップ1011でワイヤ状電極先端を所定長さに加工し、ステップ1013でワイヤ状電極を加工停止位置へ戻して、ステップ1002で創成放電加工が継続されることになる。これらのステップ1010,1011はそれぞれ図9のステップ902,903と同じなのでこれ以上説明する必要がないだろう。なお、ステップ1009の判定で所定長さ以上と判定されたときは、ワイヤ状電極先端の修正加工ができるのでステップ1012へ進んで先端を修正する。ステップ1001〜1013の放電加工1を纏めてステップ1000と参照番号を付けている。
【0047】
以上述べた創成放電加工によれば使用するワイヤ状電極の曲がりがほとんどなくまた振れ幅もきわめて小さいので、細く長いワイヤ状電極を用いて細かい創成放電加工を精度良く行うことができる。
【0048】
創成放電加工の他の実施例を図11に示すフローチャートに従って説明する。ここでは輪郭加工用ワイヤ状電極、中加工用ワイヤ状電極、仕上げ加工用ワイヤ状電極の3種類のワイヤ状電極を用い、まず輪郭加工を行い、次に中加工を行い、最後に仕上げ加工を行う例である。例えば輪郭加工用ワイヤ状電極として直径が2.0mmのものを用い、中加工用ワイヤ状電極として輪郭加工用のものよりも直径が小さな1.5mmのものを用い、仕上げ加工用ワイヤ状電極として中加工用ワイヤ状電極よりも更に直径が小さな1.0mmのものを用いる。このように輪郭加工時のワイヤ状電極を太くすると放電加工電流を大きくすることができるので放電加工速度が大きくなる。しかし仕上がり精度が粗くなる。仕上げ加工時のワイヤ状電極を細くすると電流が小さくなるので加工速度は小さくなるが、仕上がり精度を細かくすることができる。
【0049】
図11のフローチャートにおいて、ステップ801′は上に述べたように3種類のワイヤ状電極を用いているが実質的には図8におけるステップ801と同じである。ステップ802,ステップ800で、図8と同様にワイヤ状電極を矯正して、ステップ901で被加工物を加工テーブル上に取り付ける。
【0050】
創成放電加工の第一段階として輪郭加工用ワイヤ状電極の取り付けられたコレットホルダーを加工軸ヘッド32にステップ1101で装着して、ステップ900で加工の準備を行い、ステップ1000で放電加工1を行う。輪郭創成放電加工が終了すると、加工軸ヘッド32のコレットホルダーを中加工用ワイヤ状電極の取り付けられているコレットホルダーと交換して(ステップ1102)、加工軸ヘッドのワイヤ状電極を所定の長さに加工して(ステップ1103)上と同様にステップ1000で中加工創成放電加工を行う。次に、加工軸ヘッド32のコレットホルダーを仕上げ加工用ワイヤ状電極の取り付けられたコレットホルダーと交換して(ステップ1104)、ステップ1105でワイヤ状電極先端を所定長さに加工し、上と同様にステップ1000で仕上げ加工創成放電加工を行う。
ここでステップ1101〜1000の放電加工2を纏めてステップ1100と参照番号を付けている。
【0051】
ここで述べた他の実施例による放電加工においても、使用するワイヤ状電極の曲がりがほとんどなく振れ幅もきわめて小さいので、細く長いワイヤ状電極を用いて細かい創成放電加工を精度良く行うことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によって創成放電加工用ワイヤ状電極を曲がりのほとんどないものに矯正することができ、そのワイヤ状電極が細く長いものであっても振れ幅がほとんどないので、細かい創成放電加工を精度良く行うことができる。
【0053】
またこの創成放電加工は全自動放電加工機に適したものであることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる放電加工機の正面図である。
【図2】本発明に用いる放電加工機の制御を示すブロック図である。
【図3】本発明に用いるワイヤ状電極を取り付けたコレットホルダーの正面図である。
【図4】本発明に用いるワイヤ状電極の矯正器と電極径測定器の平面図である。
【図5】図4に示すワイヤ状電極の矯正器と電極径測定器の縦断面図である。
【図6】本発明に用いる放電加工機における加工テーブルの一例を平面図で示す。
【図7】本発明に用いるワイヤ状電極の矯正を説明するための正面図(一部断面図)である。
【図8】本発明に従ったワイヤ状電極の矯正作業を示すフローチャートである。
【図9】本発明に従った加工の準備を示すフローチャートである。
【図10】本発明に従った放電加工の一実施例を示すフローチャートである。
【図11】本発明に従った放電加工の他の実施例を示すフローチャートである。
【図12】成型用ダイスの一例であって、Aは平面図、BはB−B断面図、Cは底面図である。
【符号の説明】
10 加工槽
20 加工テーブル
22 被加工物
23 (被加工物の)上面
24 (被加工物の)基準穴
26 ワイヤ状電極修正器
30 加工軸
32 加工軸ヘッド
35 コレットホルダー
37 ワイヤ状電極
40 制御器
50 コンソール
60 メモリー
65 製作図面情報
70 ATCマガジン
80 ATC
90 ワイヤ状電極矯正器・電極径測定器
91,91′,91″ パイプ冶具
92 通孔
93 R
95 孔
96,96′ 側面
99 架台
100 放電加工機

Claims (13)

  1. ワイヤ状の電極をコレットホルダーに取り付け、
    ワイヤ状の電極を取り付けたコレットホルダーをコレットホルダー装着ヘッドに装着し、
    ワイヤ状の電極を挿入することができる内径をした通孔を持つパイプ冶具を、その通孔が前記コレットホルダー装着ヘッドの中心軸から所定の傾きを持つようにコレットホルダー装着ヘッドの前方に固定しておき、
    コレットホルダー装着ヘッドにコレットホルダーを介して装着されたワイヤ状の電極をその中心軸の周りに回転させながらパイプ冶具の通孔内に挿入し、
    ワイヤ状の電極を回転させたままで前記通孔からワイヤ状の電極を引き抜くことによって、ワイヤ状の電極の曲がりを矯正することを特徴とする創成放電加工用ワイヤ状の電極の矯正方法。
  2. 前記ワイヤ状の電極を通すことができる孔を持った電極径測定器をコレットホルダー装着ヘッドの前方平面に水平に固定しておき、
    ワイヤ状の電極の曲がりを矯正した後に、前記ワイヤ状の電極を前記電極径測定器の孔に向かい合う位置に持ってきて、ワイヤ状の電極の測定すべき深さまでワイヤ状の電極を前記孔に挿入し、コレットホルダー装着ヘッドを前記平面内で動かして前記ワイヤ状の電極の側面と前記孔周囲の側面とを接触させるようにした接触感知によってワイヤ状の電極の直径を求めることを特徴とする請求項1記載の創成放電加工用ワイヤ状の電極の矯正方法。
  3. 前記ワイヤ状の電極を通すことができる孔を持った電極径測定器をコレットホルダー装着ヘッドの前方平面に水平に固定しておき、
    ワイヤ状の電極の曲がりを矯正した後に、前記ワイヤ状の電極を前記電極径測定器の孔に向かい合う位置に持ってきて、ワイヤ状の電極の測定すべき深さまでワイヤ状の電極を前記孔に挿入し、前記ワイヤ状の電極を中心軸の周りに回転させつつコレットホルダー装着ヘッドを前記平面内で動かして前記ワイヤ状の電極の側面と前記孔周囲の側面とを接触させるようにした接触感知によって前記ワイヤ状の電極の振れ幅を求めることを特徴とする請求項1記載の創成放電加工用ワイヤ状の電極の矯正方法。
  4. コレットホルダー装着ヘッドにコレットホルダーを介して装着されたワイヤ状の電極の先端と中間部とでワイヤ状の電極の前記直径あるいは振れ幅を求めることを特徴とする請求項2あるいは3記載の創成放電加工用ワイヤ状の電極の矯正方法。
  5. 前記ワイヤ状の電極の振れ幅に基づいて、前記ワイヤ状の電極の曲がり矯正を繰り返すことを特徴とする請求項3あるいは4記載の創成放電加工用ワイヤ状の電極の矯正方法。
  6. 放電加工用ワイヤ状の電極を取り付けたコレットホルダーを複数本収納するためのATCマガジンと、
    放電加工される被加工物を取り付けて放電加工するための平面を持った加工テーブルと、
    前記加工テーブルと対向して、加工テーブルの平面上を動くことができるように設けられているとともに、前記ワイヤ状の電極を取り付けたコレットホルダーを装着するためのヘッドを有し、中心軸の周りに回転することのできる加工軸と、前記ATCマガジンと前記加工軸との間でコレットホルダーを交換するためのATCと、
    前記加工軸の位置及び回転、ATCの働きを制御するための制御器とを有する創成放電加工機を用いて、
    ワイヤ状の電極を挿入することができる内径をした通孔であり、その通孔が前記加工軸の中心軸から所定の傾きを持つパイプ冶具を加工テーブル上でそれぞれ加工テーブル面から所定距離離れた位置に固定しておき、
    ワイヤ状の電極を取り付けたコレットホルダー複数個を前記ATCマガジンに収納した上で、
    ATCマガジンに収納されているコレットホルダーを順次ATCによって前記加工軸ヘッドに装着して、
    コレットホルダーを介して加工軸ヘッドに装着したワイヤ状の電極をその中心軸の周りに回転させながら、パイプ冶具の通孔内に挿入し通孔から引き抜いてワイヤ状の電極の曲がりを矯正して、
    曲がりを矯正したワイヤ状の電極の取り付けられているコレットホルダーをATCマガジンに収納することを特徴とする創成放電加工方法。
  7. 前記ワイヤ状の電極を通すことのできる孔を持った電極径測定器を、加工テーブル上で加工テーブル面から所定距離離れた水平面に固定しておき、
    ワイヤ状の電極の曲がりを矯正した後に、
    前記ワイヤ状の電極を前記電極径測定器の孔に向かい合う位置に移動してその場所でワイヤ状の電極の測定すべき深さまでワイヤ状の電極を前記孔に挿入し、加工軸ヘッドを前記平面内で動かして前記ワイヤ状の電極の側面と前記孔周囲の側面とを接触させるようにした接触感知によってワイヤ状の電極の直径を求めることを特徴とする請求項6記載の創成放電加工方法。
  8. 前記ワイヤ状の電極を通すことのできる孔を持った電極径測定器を、加工テーブル上で加工テーブル面から所定距離離れた水平面に固定しておき、
    ワイヤ状の電極の曲がりを矯正した後に、
    前記ワイヤ状の電極を前記電極径測定器の孔に向かい合う位置に移動してその場所でワイヤ状の電極の測定すべき深さまでワイヤ状の電極を前記孔に挿入し、前記ワイヤ状の電極を中心軸の周りに回転させつつ加工軸ヘッドを前記平面内で動かして前記ワイヤ状の電極の側面と前記孔周囲の側面とを接触させるようにした接触感知によって前記ワイヤ状の電極の振れ幅を求めることを特徴とする請求項6記載の創成放電加工方法。
  9. 加工軸ヘッドのコレットホルダーを介して取り付けられているワイヤ状の電極の先端と中間部とでワイヤ状の電極の前記直径あるいは振れ幅を求めることを特徴とする請求項7あるいは8記載の創成放電加工方法。
  10. 前記振れ幅に基づいて、前記ワイヤ状の電極の曲がり矯正を繰り返すことを特徴とする請求項8あるいは9記載の創成放電加工方法。
  11. 上面に少なくとも2個の基準穴が設けられている被加工物を加工テーブル上に取り付け、
    曲がりを矯正したワイヤ状の電極が取り付けられているコレットホルダーをATCマガジンから加工軸ヘッドに装着し、
    加工軸ヘッドに装着したワイヤ状の電極の高さ基準を求めて記憶し、
    ワイヤ状の電極の装着されている加工軸によって被加工物の位置情報(基準穴及び上面の位置)を求めて記憶し、
    メモリーに予め格納されている被加工物の製作図面情報と、前記被加工物の位置情報と、ワイヤ状の電極の前記高さ基準とに基づいて、加工開始点、ルート及び終点の加工情報を求めて記憶し、
    前記加工情報に基づいて被加工物の加工開始点から加工ルートに従い、加工軸に装着したワイヤ状の電極で創成放電加工を行い、
    所定の長さ加工する毎に加工を停止し、被加工物上の停止位置を記憶し、
    ワイヤ状の電極を取り替えるかどうかを判定し、
    その判定に基づき、ワイヤ状の電極先端を修正し、あるいはワイヤ状の電極を取り付けたコレットホルダーを取り替えて、上記停止位置から創成放電加工を行い、加工終点まで加工を行う
    ことを特徴とする請求項6〜10いずれか記載の創成放電加工方法。
  12. 加工軸ヘッドにコレットホルダーを介して装着した輪郭加工用ワイヤ状の電極を用いて前記加工情報を求め、
    その輪郭加工用ワイヤ状の電極を用いて前記加工情報に基づいて輪郭創成放電加工を行い、
    この輪郭創成放電加工を所定回数繰り返し、
    その後加工軸ヘッドに装着されている輪郭加工用ワイヤ状の電極を取り付けたコレットホルダーをATCマガジンに収納されている中加工用ワイヤ状の電極を取り付けたコレットホルダーと交換し、
    加工軸ヘッドにコレットホルダーを介して装着した中加工用ワイヤ状の電極を用いて前記加工情報に基づいて中加工創成放電加工を行い、
    この中加工創成放電加工を所定回数繰り返し、
    その後加工軸ヘッドに装着されている中加工用ワイヤ状の電極を取り付けたコレットホルダーをATCマガジンに収納されている仕上げ加工用ワイヤ状の電極を取り付けたコレットホルダーと交換し、
    加工軸ヘッドにコレットホルダーを介して装着した仕上げ加工用ワイヤ状の電極を用いて前記加工情報に基づいて仕上げ加工創成放電加工を行い、
    この仕上げ加工創成放電加工を所定回数繰り返すことを特徴とする請求項11記載の創成放電加工方法。
  13. 輪郭加工用ワイヤ状の電極の径が中加工用ワイヤ状の電極の径以上であり、中加工用ワイヤ状の電極の径が仕上げ加工用ワイヤ状の電極の径以上であることを特徴とする請求項12記載の創成放電加工方法。
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