JP4905502B2 - 回路板の製造方法及び回路接続材料 - Google Patents

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本発明は、回路板の製造方法及び回路接続材料に関する。
エポキシ樹脂系接着剤は、高い接着強さが得られ、耐水性や耐熱性に優れること等から、電気・電子・建築・自動車・航空機等の各種用途に多用されている。中でも一液型エポキシ樹脂系接着剤は、主剤と硬化剤との混合が不必要であり使用が簡便なことから、フィルム状・ペースト状・粉体状の形態で使用されている。この場合、エポキシ樹脂と硬化剤及び変性剤との多様な組み合わせにより、特定の性能を得ることが一般的である。(例えば、特開昭62−141083号公報)。
特開昭62−141083号公報
しかしながら、上記特開昭62−141083号公報に示されるフィルム状接着剤は、作業性に優れるものの、20秒程度の接続時間とするには、140〜180℃程度の加熱、10秒程度の接続時間とするには、180〜210℃程度の加熱が必要であった。これは、短時間硬化性(速硬化性)と貯蔵安定性(保存性)のバランスをとるため、常温で不活性な触媒型硬化剤を用いているので、硬化に際して十分な反応が得られないためである。近年、精密電子機器の分野では、回路の高密度化が進んでおり、電極幅、電極間隔が極めて狭くなっている。このため、従来のエポキシ樹脂系を用いた回路接続材料の接続条件では、配線の脱落、剥離や位置ずれが生じる問題、電極上に十分な導電性粒子を存在させるために導電性粒子の含有量を増加すると、隣接する電極間に過剰の導電性粒子が存在して短絡を引き起こすなどの問題があった。また、生産効率向上のために10秒以下で接続できる接続時間の短縮化が求められており、低温速硬化性が必要不可欠となっている。本発明は、従来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬化性に優れ、かつ、可使時間を有する電気・電子用の回路板の製造方法及び回路接続材料を提供することにある。
発明の回路板の製造方法は、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子とを、回路接続材料を用いて電気的に接続する回路板の製造方法において、第一の回路部材と第二の回路部材とを、下記(1)〜()の成分を必須とする回路接続材料を介在させて重ね合わせた状態で加熱加圧及び超音波印加によって、第一の接続端子と第二の接続端子とを電気的および機械的に接続することを特徴とする回路板の製造方法である。
(1)加熱により遊離ラジカルを発生する、パーオキシエステル類を含む硬化剤
(2)フェノキシ樹脂を含む分子量10000以上の水酸基含有樹脂
(3)ウレタンアクリレート及びリン酸エステル型アクリレートを含むラジカル重合性物質
(4)最外層として絶縁性樹脂を有し、前記絶縁性樹脂の厚みが粒子径の20%以下である導電性粒子
発明は、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を、回路接続材料を介在させて重ね合わせた状態で加熱加圧及び超音波印加によって、電気的に接続する接続方法において、下記(1)〜()の成分を必須とする回路接続材料を提供する。
(1)加熱により遊離ラジカルを発生する、パーオキシエステル類を含む硬化剤
(2)フェノキシ樹脂を含む分子量10000以上の水酸基含有樹脂、(3)ウレタンアクリレート及びリン酸エステル型アクリレートを含むラジカル重合性物質、(4)最外層として絶縁性樹脂を有し、前記絶縁性樹脂の厚みが粒子径の20%以下である導電性粒子
本発明によれば、回路接続材料による電極端子部と例えばFPC基板との接続の際に加熱や加圧と同時に超音波印加をすることにより、低い加熱温度での接続及び接続抵抗の低抵抗化が可能となり、接続部と周囲(ガラスや液晶等)へのダメージを低減することができる。
従来の回路板の製造方法を示す断面図である。 本発明の回路板の製造方法を示す断面図である。 本発明の回路板の製造方法を示す断面図である。 本発明の回路板の製造方法を示す断面図である。
本発明の回路板の製造方法において、超音波印加は例えば、接続開始から所定時間経過後に印加を開始するといったように、本接続時に任意のタイミングで印加することができる。また、印加方向は、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の接続物と垂直方向または水平方向に超音波振動を与える方法が利用できる。接続部へのダメージを低減できることから、水平方向に超音波振動を与えるのが好ましい。しかし、接続初期では垂直方向に超音波振動を与えた後、水平方向に超音波振動与えるといった印加方法も利用でき、さらに上下からの超音波印加等の組み合わせも利用できる。また、回路板にあらかじめ回路接続材料を仮接続するときに、超音波を印可することも可能であり、この場合は仮圧着に要する加熱温度の低下が図れると共に、基材との密着性が向上するといった点から好ましい。さらに、仮接続及び本接続において超音波を印可することも可能である。超音波の印可は、超音波の印加または接続部の加熱が可能な押圧ツールからの印可や、支持台からの超音波の印加または接続部の加熱によって行われ、加熱加圧及び超音波の印可が可能な範囲で組み合わせて使用することができる。本発明の回路板の製造方法における電極端子部を有する回路板としては、TFT基板、FPC、TCP等、さらには電極端子部として、例えばリードボール、バンプによる電極端子部をもつ素子とこの素子をマウントする基板等が挙げられる。電極端子表面はITOなどの導電性薄膜、金、スズ等が利用可能である。
本発明に用いる回路接続材料に必須成分として含有される加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤としては、過酸化化合物、アゾ系化合物などの加熱により分解して遊離ラジカルを発生するものであり、目的とする接続温度、接続時間、ポットライフ等により適宜選定されるが、高反応性とポットライフの点から、半減期10時間の温度が40℃以上かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物が好ましい。接続時間を10秒以下とした場合、硬化剤の配合量は十分な反応率を得るためには2〜10重量%程度とするのが好ましく4〜8重量%がより好ましい。具体的には、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドなどから選定できる。また、回路部材の接続端子の腐食を抑えるために、硬化剤中に含有される塩素イオンや有機酸は5000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものがより好ましい。具体的には、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドから選定され、高反応性が得られるパーオキシエステルから選定されることがより好ましい。これらは、適宜混合して用いることができる。
パーオキシエステル類としては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド類では、α,α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイド類では、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。ジアシルパーオキサイド類としては、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネート類としては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネト、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等がある。
パーオキシケタール類では、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
シリルパーオキサイド類としては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
前記したように、回路部材の接続端子の腐食を抑えるために、硬化剤中に含有される塩素イオンや有機酸は5000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものがより好ましい。具体的には、前記した有機化酸化物のなかでパーオキシエステル類、ジアルキルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、シリルパ−オキサイド類から選定され、なかでも高反応性で速硬化性が得られるパーオキシエステル類から選定されることが好ましい。これらのは適宜混合して使用することができる。これらの遊離ラジカル発生剤は単独または混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いても良い。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
本発明で用いる回路接続材料に必須成分として含有される分子量10000以上の水酸基含有樹脂は、分子内に水酸基を有する分子量10000以上の樹脂でありポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリアミド、キシレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン等が挙げられ、硬化時の応力緩和に優れ、極性を有するため接着性が向上する。分子量10000以上の水酸基含有樹脂は、ラジカル重合性の官能基などによって変性されていても良く、ラジカル重合性の官能基で変性したものは耐熱性が向上するため好ましい。分子量は10000以上が好ましいが10000000以上になると混合性、流動性が悪くなる。分子量10000以上の水酸基含有樹脂の配合量は、2〜80重量%が適用可能な範囲であり、5〜70重量%が好ましく、10〜60重量%がより好ましい。2重量%未満では、回路接続材料の硬化時、熱負荷等の応力緩和の効果に乏しく、接着強度が低下する。また、80重量%を超えると流動性が低下する恐れがある。
本発明で用いる回路接続材料に必須成分として含有されるラジカル重合性物質としては、ラジカルにより重合する官能基を有する物質であり、アクリレート、メタクリレート、マレイミド化合物等が挙げられる。ラジカル重合性物質はモノマー、オリゴマーいずれの状態で用いることが可能であり、モノマーとオリゴマーを併用することも可能である。アクリレート(メタクリレート)の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシメトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらは単独または併用して用いることができ、必要によっては、ハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤を適宜用いてもよい。また、ジシクロペンタニル基またはトリシクロデカニル基またはトリアジン環を有する場合は、耐熱性が向上するので好ましい。
マレイミド化合物としては、分子中にマレイミド基を少なくとも2個以上含有するもので、例えば、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−−(3,3’−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、などを挙げることができる。
さらに、充填材、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤及びフェノール樹脂やメラミン樹脂、イソシアネート類等を含有することもできる。充填材を含有した場合、接続信頼性等の向上が得られるので好ましい。充填材の最大径が導電粒子の粒径未満であれば使用でき、5〜60体積%の範囲が好ましい。60体積%以上では信頼性向上の効果が飽和する。カップリング剤としては、ビニル基、アクリル基、アミノ基、エポキシ基、またはイソシアネート基含有物が、接着性の向上の点から好ましい。また、回路接続材料を2層以上に分割し、遊離ラジカルを発生する硬化剤を含有する層と導電粒子を含有する層に分離して用いることもできる。
本発明で用いる回路接続材料は導電性粒子がなくても、接続時に相対向する接続端子の直接接触により接続が得られるが、導電粒子を含有した場合、より安定した接続が得られる。導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等があり、十分なポットライフを得るためには、表層はNi、Cuなどの遷移金属類ではなくAu、Ag、白金族の貴金属類が好ましくAuがより好ましい。また、Niなどの遷移金属類の表面をAu等の貴金属類で被覆したものでもよい。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等に前記した導通層を被覆等により形成し最外層に貴金属類を被覆したしたものでもよい。プラスチックを核とした場合や熱溶融金属粒子の場合、加熱加圧により変形性を有するので接続時に電極との接触面積が増加し信頼性が向上するので好ましい。貴金族類の被覆層の厚みは良好な抵抗を得るためには、100Å以上が好ましい。しかし、Ni等の遷移金属の上に貴金属類の層を設ける場合では、貴金属類層の欠損や導電粒子の混合分散時に生じる貴金属類層の欠損等により生じる酸化還元作用で遊離ラジカルが発生しポットライフの低下を引き起こすため、300Å以上が好ましい。また、上記導電性粒子を絶縁性樹脂により被覆したものを用いることもでき、この場合は超音波印可により加熱加圧のみでは達成できなかった端子と導電性粒子間の絶縁樹脂の排除が達成され低抵抗化が可能となるばかりでなく隣接端子間の絶縁性が向上する。導電性粒子の表面を被覆する絶縁性樹脂の厚みが導電性粒子の粒子径の20%以下であることが、上記の効果をより達成できるので好ましい。導電性粒子は、回路接続材料である接着剤成分100体積に対して0.1〜30体積%の範囲で用途により使い分ける。過剰な導電性粒子による隣接回路の短絡等を防止するためには0.1〜10体積%とするのがより好ましい。本発明においては、従来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬化性に優れかつ可使時間(使用できる保存期間が長い)を有する電気・電子用の回路板の製造方法及び回路接続材料を提供が可能となる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
(回路接続材料)回路接続材料(絶縁性接着剤成分)は、(1)加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤としてt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネートを、(2)分子量10000以上の水酸基含有樹脂としてフェノキシ樹脂(PKHC;ユニオンカーバイド社製商品名、重量平均分子量45000)を、(3)ラジカル重合性物質としてウレタンアクリレートとリン酸エステル型アクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名P2M)を用いた。導電性粒子として、ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設けこのニッケル層の外側に、厚み0.04μmの金層を設け、さらに最外層を絶縁性樹脂で被覆した平均粒径5μmとした導電性粒子を用い、固形重量比でフェノキシ樹脂50g、ウレタンアクリレート49g、リン酸エステル型アクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名P2M)1g、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート5g、メチルエチルケトン100gとなるように配合し、これに、導電性粒子を3体積%分散させた分散溶液を、片面を表面処理した厚み80μmのPETフィルムに塗工装置を用いて塗布乾燥し、接着剤層の厚みが20μmのフィルム状の回路接続材料を作製した。
(回路の接続)上記の回路接続材料を用いて、ポリイミドとポリイミドと銅箔を接着する接着材及び厚み18μmの銅箔からなる3層構成の銅箔付きポリイミドフィルムを用い、レジストにより銅箔をライン幅30μm、ピッチ70μmにパターンニングした後、銅箔表面にSnメッキを施し、電極端子部(11)を有するFPC(10)を作製した。このFPCと厚み0.7mmのガラス上にアルミ薄膜を形成し表面にITOベタ電極端子部(2)をスパッタリング法により形成したITOベタガラスを上記回路接続材料を用いて、超音波印可及び加熱可能な押圧ツール(6)で140℃、3MPaで10秒間加熱加圧及び超音波印可して幅2mmにわたり接続して、回路接続材料(3)中の絶縁性樹脂(5)により被覆された導電性粒子(4)の絶縁性樹脂(5)を加熱加圧及び超音波印可によって効果的に排除することで導電性粒子(4)による電極端子部(2)と電極端子部(11)の電気的接続を確実にするとともに回路接続材料(3)中の熱硬化型の絶縁性樹脂(5)を硬化させて機械的接続を行なった。この時、ITOベタガラス上に、回路接続材料の接着面を貼り付けた後、60℃、1MPa、3秒で加熱加圧を行うとともに超音波を印加して仮接続し、その後、セパレータ(8)を剥離してもう一方のFPCと接続した。
(接着力の測定)上述で得られた回路の接続体を、90度剥離、剥離速度50mm/minで、初期と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に500時間保持した後の接着力測定を行った。
(接続抵抗の測定)上述の回路接続材料を用いて、隣接回路間の抵抗値を、初期と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に500時間保持した後にマルチメータで、隣接回路間の抵抗50点の平均値を測定した。
(比較例1)実施例1において、超音波印可をすることなく、押圧ツールの加熱加圧のみによって実施例1と同様にして接続を行った。
(比較例2)回路接続材料(絶縁性接着剤)として、フェノキシ樹脂(PKHC)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YL980、油化シェルエポキシ株式会社製商品名)、イミダゾール系マイクロカプセル型硬化剤(3941HP、旭化成工業株式会社製商品名)を用いて、フェノキシ樹脂/ビスフェノールA型エポキシ樹脂/イミダゾール系マイクロカプセル型硬化剤の固形重量比を40g/20g/40gとした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を作製した。実施例、比較例1、2で得られた接着強度、接続抵抗を表1に示した。
Figure 0004905502

比較例2は、従来のエポキシ樹脂系の回路接続部材の例であるが、接着強度が弱い。また、比較例1は、超音波印可をしない場合であり、超音波印可を加え接続した実施例に比べ初期接着強度、500時間後の接着強度に劣っている。これに対し、本発明の回路接続材料は、比較例2の従来のエポキシ樹脂系に比べ、低温短時間での接着強度が高く、また高温での耐湿性に優れる。さらに、回路板の製造方法において、超音波印可により、初期接着強度、500時間後の接着強度が改善される。尚、上述の実施例は本発明の一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。上記の各実施例における加熱は、一定の加熱を連続して行う連続ヒートでも、一定時間ごとに周期的に加熱を行うパルスヒートでも行うことができる。
1・・・TFT基板、2・・・電極端子部、3・・・回路接続材料、4・・・導電性粒子、5・・・絶縁性樹脂(接着剤)、6・・・押圧ツール、7・・・支持台(超音波印加がなされる支持台)、8・・・セパレータ、10・・・FPC(フレキシブルプリント基板)、11・・・電極端子部

Claims (2)

  1. 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、対向配置した前記第一の接続端子と前記第二の接続端子とを、回路接続材料を用いて電気的に接続する回路板の製造方法において、
    前記第一の回路部材と前記第二の回路部材とを、下記(1)〜(4)の成分を必須とする回路接続材料を介在させて重ね合わせた状態で加熱加圧及び超音波印加によって、前記第一の接続端子と前記第二の接続端子とを電気的および機械的に接続することを特徴とする回路板の製造方法。
    (1)加熱により遊離ラジカルを発生する、パーオキシエステル類を含む硬化剤
    (2)フェノキシ樹脂を含む分子量10000以上の水酸基含有樹脂
    (3)ウレタンアクリレート及びリン酸エステル型アクリレートを含むラジカル重合性物質
    (4)最外層として絶縁性樹脂を有し、前記絶縁性樹脂の厚みが粒子径の20%以下である導電性粒子
  2. 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、対向配置した前記第一の接続端子と前記第二の接続端子との間に介在させて前記第一の接続端子と前記第二の接続端子とを電気的に接続する回路接続材料であって、
    下記(1)〜(4)の成分を必須とし、前記第一の接続端子と前記第二の接続端子との間に介在させて重ね合わせた状態で加熱加圧及び超音波印加によって前記第一の接続端子と前記第二の接続端子とを電気的に接続する回路接続材料。
    (1)加熱により遊離ラジカルを発生する、パーオキシエステル類を含む硬化剤
    (2)フェノキシ樹脂を含む分子量10000以上の水酸基含有樹脂
    (3)ウレタンアクリレート及びリン酸エステル型アクリレートを含むラジカル重合性物質
    (4)最外層として絶縁性樹脂を有し、前記絶縁性樹脂の厚みが粒子径の20%以下である導電性粒子
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