JP2008169389A - 回路接続材料及び回路板の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶パネル等において、2つの回路基板同士の電極間に形成し、両電極を接続するのに良好なフィルム状接着剤に関するもので、従来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬化性に優れ、かつ長時間の保存性を有する電気・電子用の回路接続材料を提供する。
【解決手段】 下記(1)〜(3)の成分を必須とする回路接続材料。
(1)半減期10時間の温度が40℃以上かつ、半減期1分の温度が180℃以下である加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤(2)ラジカル重合性物質(3)遷移金属粒子の表面を表面層が金、銀および白金族の金属から選ばれる少なくとも1種で被覆するように構成され、表面層の金属の厚みが300オングストロ−ム以上ある導電性粒子
【選択図】なし

Description

本発明は接着剤組成物と導電性粒子を用いた回路接続材料及び回路板の製造法に関する。
エポキシ樹脂系接着剤は、高い接着強さが得られ、耐水性や耐熱性に優れること等から、電気・電子・建築・自動車・航空機等の各種用途に多用されている。中でも一液型エポキシ樹脂系接着剤は、主剤と硬化剤との混合が不必要であり使用が簡便なことから、フィルム状・ペースト状・粉体状の形態で使用されている。この場合、エポキシ樹脂と硬化剤及び変性剤との多様な組み合わせにより、特定の性能を得ることが一般的である。(例えば、下記特許文献1)。
特開昭62−141083号公報
しかしながら、上記特開昭62−141083号公報に示されるフィルム状接着剤は、作業性に優れるものの、20秒程度の接続時間で140〜180℃程度の加熱、10秒では180〜210℃程度の加熱が必要であった。この理由は、短時間硬化性(速硬化性)と貯蔵安定性(保存性)の両立により良好な安定性を得ることを目的として、常温で不活性な触媒型硬化剤を用いているために、硬化に際して十分な反応が得られないためである。近年、精密電子機器の分野では、回路の高密度化が進んでおり、電極幅、電極間隔が極めて狭くなっている。このため、従来のエポキシ樹脂系を用いた回路接続材料の接続条件では、配線の脱落、剥離や位置ずれが生じるなどの問題があった。また、生産効率向上のために10秒以下への接続時間の短縮化が求められてきており、低温速硬化性が必要不可欠となっている。本発明の目的は、従来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬化性に優れかつ可使時間を有する電気・電子用の回路接続材料を提供することにある。
本発明の回路接続材料は、相対峙する回路電極間に介在され、相対向する回路電極を加圧し加圧方向の電極間を電気的に接続する接続材料であって、下記(1)〜(3)の成分を必須とするものである。(1)半減期10時間の温度が40℃以上かつ、半減期1分の温度が180℃以下である加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤、
(2)ラジカル重合性物質、
(1)加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤、
(2)ラジカル重合性物質、
(3)遷移金属粒子の表面を表面層が金、銀および白金族の金属から選ばれる少なくとも1種で被覆するように構成される導電性粒子。
加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤は、その半減期10時間の温度が40℃以上かつ、半減期1分の温度が180℃以下であることが好ましい。また、表面層の金属の厚みは300オングストロ−ム以上あることが好ましい。また、遷移金属粒子はニッケルを含んで構成されていることが好ましい。また、表面層は金を含んで構成されていることが好ましい。
本発明の回路板の製造法は、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に本発明の回路接続材料を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させるものである。
以上詳述したように本発明によれば、従来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬化性に優れかつ可使時間を有する電気・電子用の回路接続材料を提供が可能となる。
本発明に用いる加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤としては、過酸化化合物、アゾ系化合物などの加熱により分解して遊離ラジカルを発生するものであり、目的とする接続温度、接続時間、保存性等により適宜選定されるが、高反応性と保存性の点から、半減期10時間の温度が40℃以上かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物がより好ましい。この場合、配合量は0.05〜10重量%程度であり0.1〜5重量%がより好ましい。具体的には、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイドなどから選定できる。
ジアシルパーオキサイド類としては、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5,−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等がある。
パーオキシジカーボネート類としては、ジーnープロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネト、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等がある。
パーオキシエステル類としては、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、tーヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ2ーエチルヘキサノネート、2,5,ージメチルー2,5ージ(2ーエチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノネート、tーヘキシルパーオキシ2ーエチルヘキサノネート、tーブチルパーオキシ2ーエチルヘキサノネート、tーブチルパーオキシイソブチレート、1,1ービス(tーブチルパーオキシ)シクロヘキサン、tーヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tーブチルパーオキシー3,5,5ートリメチルヘキサノネート、tーブチルパーオキシラウレート、2,5,ージメチルー2,5,ージ(mートルオイルパーオキシ)ヘキサン、tーブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tーブチルパーオキシ2ーエチルヘキシルモノカーボネート、tーヘキシルパーオキシベンゾエート、tーブチルパーオキシアセテート等がある。
パーオキシケタール類では、1,1,ービス(tーヘキシルパーオキシ)ー3,3,5ートリメチルシクロヘキサン、1,1ービス(tーヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1ービス(tーブチルパーオキシ)−3,3,5ートリメチルシクロヘキサン、1、1ー(tーブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2ービス(tーブチルパーオキシ)デカン等がある。
ジアルキルパーオキサイド類では、α,α’ビス(tーブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5,ージメチルー2,5,ージ(tーブチルパーオキシ)ヘキサン、tーブチルクミルパーオキサイド等がある。
ハイドロパーオキサイド類では、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等がある。これらの遊離ラジカル発生剤は単独または混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
本発明で用いるラジカル重合性物質としては、ラジカルにより重合する官能基を有する物質であり、アクリレート、メタクリレート等が挙げられる。ラジカル重合性物質はモノマー、オリゴマーいずれの状態で用いることが可能であり、モノマーとオリゴマーを併用することも可能である。アクリレート(メタクリレート)の具体例てしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2ーヒドロキシ1。3ジアクリロキシプロパン、2,2ービス〔4ー(アクリロキシメトキシ)フェニル〕プロパン、2,2ービス〔4ー(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート等がある。これらは単独または併用してもちいることができ、必要によっては、ハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤を適宜用いてもよい。また、ジシクロペンテニル基および/またはトリシクロデカニル基および/またはトリアジン環を有する場合は、耐熱性が向上するので好ましい。
上記ラジカル重合性物質中には、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンオキサイド、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フェノキシ樹脂などのポリマー類を含有した場合取扱い性もよく硬化時の応力緩和に優れるため好ましく、水酸基等の官能基を有する場合接着性が向上するためより好ましい。各ポリマーをラジカル重合性の官能基で変性したものがより好ましい。これらポリマーの分子量は10000以上が好ましいが1000000以上になると混合性が悪くなる。
さらに、充填材、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤及びフェノール樹脂やメラミン樹脂、イソシアネート類等を含有することもできる。充填材を含有した場合、接続信頼性等の向上が得られるので好ましい。充填材の最大径が導電粒子の粒径未満であれば使用でき、5〜60体積%の範囲が好ましい。60体積%以上では信頼性向上の効果が飽和する。カップリング剤としては、ビニル基、アクリル基、アミノ基、エポキシ基、及びイソシアネート基含有物が、接着性の向上の点から好ましい。
本発明で用いられる導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等があり、十分な保存性を得るためには、表層はNi、Cuなどの遷移金属類ではなくAu、Ag、白金族の貴金属類が好ましくAuがより好ましい。また、Niなどの遷移金属類の表面をAu等の貴金属類で被覆したものでもよい。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等に前記した導通層を被覆等により形成し最外層を貴金属類としたものは、加熱加圧により変形性を有するので接続時に電極との接触面積が増加し信頼性が向上するので好ましい。貴金族類の被覆層の厚みは良好な抵抗を得るためには、100オングストロ−ム以上が好ましい。しかし、Ni等の遷移金属の上に貴金属類の層を設ける場合では、貴金属類層の欠損や導電粒子の混合分散時に生じる貴金属類層の欠損等により生じる酸化還元作用で遊離ラジカルが発生し保存性低下引き起こすため、300オングストロ−ム以上が好ましい。導電性粒子は、接着剤樹脂成分100部(体積)に対して0.1〜30部(体積)の範囲で用途により使い分ける。過剰な導電性粒子による隣接回路の短絡等を防止するためには0.1〜10部(体積)とするのがより好ましい。
また、本構成の回路接続材料を2層以上に分割し、遊離ラジカルを発生する硬化剤を含有する層と導電粒子を含有する層に分離した場合、従来の高精細化可能の効果に加えて、保存性の向上が得られる。
本発明の回路用接続材料は、ICチップと基板との接着や電気回路相互の接着用のフィルム状接着剤としても有用である。本発明で得た回路接続材料を用いた電極の接続について説明する。この方法は、回路接続材料を基板上の相対峙する電極間に形成し、加熱加圧により両電極の接触と基板間の接着を得る電極の接続方法である。電極を形成する基板としては、半導体、ガラス、セラミック等の無機質、ポリイミド、ポリカーボネート等の有機物、ガラス/エポキシ等のこれら複合の各組み合わせが適用できる。
また本発明の回路接続材料は、例えばフェイスダウン方式により半導体チップを基板と接着フィルムで接着固定すると共に両者の電極どうしを電気的に接続する場合にも使用できる。すなわち、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に本発明の接続材料(フィルム状接着剤)を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させ回路板を製造することができる。
このような回路部材としては半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、プリント基板等の基板等が用いられる。これらの回路部材には接続端子が通常は多数(場合によっては単数でも良い)設けられており、前記回路部材の少なくとも1組をそれらの回路部材に設けられた接続端子の少なくとも一部を対向配置し、対向配置した接続端子間に接着剤を介在させ、加熱加圧して対向配置した接続端子どうしを電気的に接続して回路板とする。回路部材の少なくとも1組を加熱加圧することにより、対向配置した接続端子どうしは、直接接触により又は異方導電性接着剤の導電粒子を介して電気的に接続することができる。
本発明においては、従来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬化性に優れかつ可使時間を有する電気・電子用の回路接続材料を提供が可能となる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。なお、それぞれの配合比は図1の表にまとめてある。
実施例1
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド株式会社製、商品名PKHC、平均分子量45,000)50gを、重量比でトルエン(沸点110.6℃、SP値8.90)/酢酸エチル(沸点77.1℃、SP値9.10)=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分40%の溶液とした。ラジカル重合性物質としてトリヒドロキシエチルグリコールジメタクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名80MFA)を用いた。遊離ラジカル発生剤としてベンゾイルパーオキサイドを用いた。ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.04μmの金層を設け、平均粒径10μmの導電性粒子を作製した。固形重量比でフェノキシ樹脂50g、トリヒドロキシエチルグリコールジメタクリレート樹脂50g、ベンゾイルパーオキサイド5gとなるように配合し、さらに導電性粒子を3体積%配合分散させ、厚み80μmのフッ素樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが35μmの回路接続材料を得た。得られたフィルム状接着剤は、室温での十分な柔軟性を示し、また40℃で10時間放置してもフィルムの性質にはほとんど変化がなく、良好な保存性を示した。
実施例2、3
フェノキシ樹脂/トリヒドロキシエチルグリコールジメタクリレートの固形重量比を50g/50gに代えて、30g/70g(実施例2)、70g/30g(実施例3)とした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例4
硬化剤をベンゾイルパーオキサイドに代えて、ベンゾイルパーオキシトルエンの40重量%トルエン溶液(日本油脂株式会社製、商品名ナイパーBMTーT40)とした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例5
ベンゾイルパーオキシトルエンの40重量%トルエン溶液(日本油脂株式会社製、商品名ナイパーBMTーT40)の配合量を2gとした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例6
硬化剤をベンゾイルパーオキサイドに代えて、ベンゾイルパーオキシトルエンの40重量%トルエン溶液(日本油脂株式会社製、商品名ナイパーBMTーT40)とした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例7
硬化剤をベンゾイルパーオキサイドに代えて、tーヘキシルパーオキシ2ーエチルヘキサノネートの50重量%DOP溶液(日本油脂株式会社製、商品名パーキュアHO)とした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例8
平均分子量45,000のフェノキシ樹脂(PKHC)100gに末端にアクリル基を持つモノイソシアネート5gを一般的方法で反応させて、アクリル基で変性したフェノキシ樹脂を作製した。このフェノキシ樹脂を用いた他は実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例9
導電性粒子を平均粒径2μmのNi粒子の表面をAuで被覆(被覆厚み0.08μm)したものを用いて、0.5部(体積)とした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例10
導電性粒子の粒径を5μmとした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例11
ラジカル重合性物質としてトリヒドロキシエチルグリコールジメタクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名80MFA)30gとジシクロペンテニルアクリレート20gを用いた他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例12
ラジカル重合性物質としてトリヒドロキシエチルグリコールジメタクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名80MFA)30gとトリシクロデカニルアクリレート20gを用いた他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例13
ラジカル重合性物質としてトリヒドロキシエチルグリコールジメタクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名80MFA)40gとトリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート10gを用いた他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例14
ラジカル重合性物質として2.2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン(新中村化学(株)製、商品名A−BPE−4)を用いた他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例15
フェノキシ樹脂をポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製、商品名PVB3000K)とした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
実施例16
導電性粒子を平均粒径2μmのNi粒子の表面をPdで被覆(被覆厚み0.04μm)したものを用いて、0.5体積%とした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
比較例1
硬化剤を、ジーtーブチルパーオキサイドとした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
比較例2
硬化剤を、イソブチルパーオキサイドとした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
比較例3
導電性粒子を平均粒径2μmのNi粒子とした他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
比較例4導電性粒子の金めっき層の厚みを0.02μmとしたほかは、実施例10と同様にして回路接続材料を得た。
回路の接続上述の回路接続材料を用いて、ライン幅50μm、ピッチ100μm、厚み18μmの銅回路を500本有するフレキシブル回路板(FPC)同士を160℃、3MPaで10秒間加熱加圧して幅2mmにわたり接続した。この時、あらかじめ一方のFPC上に、回路接続材料の接着面を貼り付けた後、70℃、0.5MPaで5秒間加熱加圧して仮接続し、その後、フッ素樹脂フィルムを剥離してもう一方のFPCと接続した。
接続抵抗の測定回路の接続後、上記接続部を含むFPCの隣接回路間の抵抗値を、初期と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に500時間保持した後にマルチメータで測定した。抵抗値は隣接回路間の抵抗150点の平均(x+3σ)で示した。 実施例1で得られた回路接続材料は良好な接続信頼性を示した。また、初期の接続抵抗も低く、高温高湿試験後の抵抗の上昇もわずかであり、高い耐久性を示した。また、実施例2〜16の回路接続材料も同様に良好な接続信頼性が得ら、いずれの場合も室温で10日以上の良好な保存性を有した。これらに対して、比較例1は、用いた硬化剤の反応性が低く、保存性は室温で10日以上と長いが、硬化反応が不十分であるため接着状態が悪く、初期の接続抵抗も高くなった。また、比較例2では用いた硬化剤の反応性が非常に高く、初期では良好な接続が得られたが、保存性1日と短かった。さらに、比較例3ではNi粒子が遷移金属であるために酸化還元作用により初期では良好な接続が得られたが、保存性1日と短かった。また、比較例4では金めっき層が薄いために比較例3と同様に保存性が短くなった。
接着力の測定回路の接続後、90度剥離、剥離速度50mm/minで接着力測定を行った。比較例1〜4では200gf/cm程度と接着力が低いが、実施例1〜16では1000gf/cm程度と良好な接着力が得られた。
実施例及び比較例の結果を示す表である。

Claims (6)

  1. 相対峙する回路電極間に介在され、相対向する回路電極を加圧し加圧方向の電極間を電気的に接続する接続材料であって、下記(1)〜(3)の成分を必須とする回路接続材料。
    (1)加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤、
    (2)ラジカル重合性物質、
    (3)遷移金属粒子の表面を表面層が金、銀および白金族の金属から選ばれる少なくとも1種で被覆するように構成される導電性粒子。
  2. 前記加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤の半減期10時間の温度が40℃以上かつ、半減期1分の温度が180℃以下である請求項1記載の回路接続材料。
  3. 前記表面層の金属の厚みが300オングストロ−ム以上ある請求項1〜3各項記載の回路接続材料。
  4. 前記遷移金属粒子がニッケルを含んで構成されている請求項1〜3各項記載の回路接続材料。
  5. 前記表面層が金を含んで構成されている請求項1〜4各項記載の回路接続材料。
  6. 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に請求項1〜5各項記載の回路接続材料を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる回路板の製造法。
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