JP4905025B2 - 制動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マスタシリンダからの作動流体圧とは別に、ブレーキバイワイヤにて各車輪のホイルシリンダへの作動流体圧を制御可能な制動力制御装置に関する。
従来の制動力制御装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。この装置では、マスタシリンダに対し電磁開閉弁を介して各ホイルシリンダが接続されて、マスタシリンダ圧によって制動が可能となっている。
また通常制動時にあっては、ブレーキバイワイヤでの制御(以下、単にBBW制御と呼ぶ)中では、上記電磁開閉弁を閉じてマスタシリンダとホイルシリンダとの連通を遮断した状態として、ポンプを駆動源として各輪のホイルシリンダによる制動力を制御する。
このポンプによるBBW制御の目標減速度Gは、ブレーキペダルの踏込みストローク量とマスタシリンダ圧の両方に基づき算出している。すなわち、マスタシリンダ圧に基づき第1の仮目標減速度Gpを算出すると共に踏込みストローク量に基づき第2の仮目標減速度Gsを算出し、その2つの仮目標減速度Gp、Gsに対し下記式のように基本寄与度αにより重み付けを行って上記最終的な目標減速度Gを算出する。
G =α・Gp +(1−α)Gs
上記基本寄与度αは、前回の目標減速度(実質的にマスタシリンダ圧と同義)が大きいほどマスタシリンダ圧の寄与度合が大きくなるように設定され、ブレーキペダルが踏み込まれて所定以上のマスタシリンダ圧となった状態では、マスタシリンダ圧重視となって、たとえばマスタシリンダ圧の寄与度合が100%となる。
このような寄与度合の設定は、次の理由による。すなわち、ブレーキペダルの踏み込み開始においてマスタシリンダ圧の発生に遅れがあることから踏込みストローク量が小さい状態では踏込みストローク量の寄与度合を大きく(寄与度αを小さく)設定している。また、ブレーキペダルの踏力とストローク量と関係において、踏込みストローク量が大きいほど、踏力の増加に対するストローク量の増加が小さいことから、踏込みストローク量が大きい場合にはマスタシリンダ圧の寄与度合を大きく(寄与度αを大きく)設定している。これによって、運転者が操作するブレーキペダルの踏力を精度良く制動に反映出来るようになる。
特開平11−301434号公報
一般に、マスタシリンダやブレーキペダルが持つヒステリシスによって、ブレーキペダルの踏込み操作時と戻し操作時とでは、マスタシリンダ圧とペダルストロークの関係は異なり、戻し操作時は、ペダルストロークの減少速度に対してマスタシリンダ圧の低下速度は速くなる傾向にある。
また、上記従来技術では、ある制動G以上では、マスタシリンダ圧の寄与度合が1(=100%)に固定されるため、その制動の高G領域からブレーキペダルを戻し始めることを想定すると、低下速度が速いマスタシリンダ圧の減少速度が目標減速度にそのまま反映されてしまい、マスタシリンダ圧の減少速度と共に目標減速度の減少速度も速くなってしまう。その結果、ブレーキ戻し操作時における、制動変化にねばり感を出すことができないという課題がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、ブレーキバイワイヤにおいて、制動の高G領域からのブレーキ戻し操作時に制動変化にねばり感を演出可能な制動力制御装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、運転者のブレーキペダルの踏込みストロークに応じたマスタシリンダ圧を出力するマスタシリンダと、マスタシリンダ圧及びブレーキペダルの踏込みストローク量のうち少なくともマスタシリンダ圧に基づいて目標減速度を算出し該目標減速度となるようにホイルシリンダの制動力を制御する制動制御手段と、を備え、上記目標減速度を算出する際の上記マスタシリンダ圧と踏込みストローク量の寄与度合を、マスタシリンダ圧が大きいほどマスタシリンダ圧の寄与度合を大きく設定した、制動力制御装置において、
上記制動制御手段は、踏込みストローク量の寄与度合よりもマスタシリンダ圧の寄与度合が大きい状態で、マスタシリンダ圧が低下していると判定し且つそのマスタシリンダ圧の低下速度に対するブレーキペダルの戻り速度が小さいストローク遅れ領域と判定すると、上記目標減速度の低下を制限することを特徴とするものである。
本発明によれば、ブレーキバイワイヤ制御中であっても、高G領域からのブレーキペダルの戻し操作時に、目標減速度の急な減少は防ぐことができて、マスタシリンダをホイルシリンダに接続した状態での制動に近い状態に、制動変化に対しねばり感を持たせることができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る制動力制御装置の概略構成図である。
(構成)
図1中、符号1は運転者が制動操作する制動操作子を構成するブレーキペダル1であり、そのブレーキペダル1は液圧ブースタ及びマスタシリンダ2に連結する。上記マスタシリンダ2は、第1連通路5−1若しくは第2連通路5−2を通じてそれぞれのホイルシリンダ3FR〜3RRに接続されている。図1中、符号4はリザーバを示す。
本実施形態では、第1連通路5−1は、第1の電磁遮断弁6−1を通じて右前輪のホイルシリンダ3FR及び左後輪のホイルシリンダ3RRに接続される。第2連通路5−2は、第2の電磁遮断弁6−2を通じて左前輪のホイルシリンダ3FL及び右後輪のホイルシリンダ3RLに接続されている。
ここで、上記電磁遮断弁6−1,6−2は、非通電時は開状態となり、マスタシリンダ2の液圧がホイルシリンダ3FR〜3RRに供給可能状態となっている。また、上記電磁遮断弁6−1,6−2は、切換手段を構成する。
本実施形態では、第1連通路5−1に連通する右前輪側及び左後輪側の制動が第1の制動系統を構成し、第2連通路5−2に連通する左前輪側及び右後輪側の制動が第2の制動系統を構成し、それぞれ後述のように個別のポンプ8−1、8−2によってBBW制御が可能となっている。もっとも第1の制動系統と第2の制動系統を同じポンプによって駆動する構成であっても良い。
上記第1の制動系統側及び第2の制動系統側の回路構成を説明する。第1の制動系統の回路構成と第2の制動系統の回路構成は同じ構成なので、主として第1の制動系統でその構成を説明する。
符号7−1,7−2及び8−1、8−2は、BBW制御における制動力を発生する制動力アクチュエータ(マスタシリンダ4とは別の駆動源)である、モータ7−1,7−2及び当該モータ7−1,7−2で駆動される油圧ポンプ8−1、8−2である。モータ7−1,7−2は、アクチュエータコントローラ9−1,9−2からの制御信号(制御電流)によって作動が制御され、そのモータ7−1,7−2の回転トルクで油圧ポンプ8−1、8−2を駆動する。図1では、油圧ポンプ8−1、8−2としてギアポンプを例示している。油圧ポンプ8−1、8−2は、入力ポートが第2配管10−1、10−2を介してリザーバ4に接続し、吐出ポートが第3配管11−1、11−2を介して上記第1連通路5−1に接続されることで、リザーバ4内の作動流体を、第2配管10−1、10−2を介して吸引し、その作動流体を、第3配管11−1、11−2を介してホイルシリンダ3FR〜3RRに吐出可能となっている。第3配管11−1、11−2の途中には、電磁比例弁からなる保持弁12−1、12−2が介挿されている。また、ホイルシリンダ3FR〜3RRは、第4配管13−1、13−2を介して上記リザーバ4に連通する第2配管10−1、10−2に接続し、その第4配管13−1、13−2には電磁比例弁からなる減圧弁14−1,14−2が接続されている。符号15−1,15−2はリリーフ弁であり、符号16−1,16−2はチェック弁を示す。
ここで、上記各弁は、対応するアクチュエータコントローラ9−1、9−2からの指令によって制御される。
そして、BBW制御の状態では、上記遮断弁6−1,6−2が閉状態となり、かつ、増圧時には、保持弁12−1、12−2が開状態、減圧弁14−1,14−2が閉状態となって、ポンプ8−1、8−2から吐出される作動流体がホイルシリンダ3FR〜3RRに供給されて増圧され、減圧時には、保持弁12−1、12−2が閉状態、減圧弁14−1,14−2が開状態となってホイルシリンダ3FR〜3RR内の作動流体がリザーバ4に戻されて減圧される。なお、スリップ制御、前後制動力配分制御等で液圧を保持する場合には保持弁12−1、12−2を適宜閉じる。
また、図1中、符号20はストロークシミュレータを示している。ストロークシミュレータ20は、電磁開閉弁21を介してマスタシリンダ2に接続されている。上記電磁開閉弁21は、非通電時は閉状態であって、ブレーキコントローラ22からの指令によって、上記遮断弁6−1,6−2が閉状態に切り替わるのに同期をとって開状態に制御されることで、ストロークシミュレータ20が作動する。すなわちBBW制御時に、マスタシリンダ圧Pをストロークシミュレータ20が吸収して自然なペダル踏力を実現するものである。
上記アクチュエータコントローラ9−1、9−2は、2つの制動系統毎に設けられ、各アクチュエータコントローラ9−1、9−2は、ブレーキコントローラ22からの指令に応じて、対応する制動系統の各アクチュエータの状態を制御する。
ここで、符号24はストロークセンサであって、ブレーキペダル1の操作量を検出してブレーキコントローラ22に出力する。符号23−1、23−2は、各制動系統毎に設けられた、マスタシリンダ圧P(運転者の制動要求量相当)を検出する圧力センサであって、検出した圧力信号をブレーキコントローラ22に出力する。2つの圧力センサ23−1、23−2の検出した圧力信号は、特殊な場合を除き略同一である。符号25FR〜25RRは、各ホイルシリンダ3FR〜3RRのホイルシリンダ圧力Pwcを検出する圧力センサであって、検出した圧力信号をブレーキコントローラ22に出力する。符号26−1,26−2は、ポンプ8−1、8−2の吐出圧を検出する圧力センサであって、検出した圧力信号をブレーキコントローラ22に出力する。
また、上記ブレーキコントローラ22は、例えば、CPU、ROM、RAM、デジタルポート、A/Dポート、各種タイマー機能を内蔵するワンチップマイコン(あるいは同機能を実現する複数チップ)によって構成される。このブレーキコントローラ22では、アクチュエータコントローラ9−1、9−2を介して、各弁およびモータ7−1,7−2に制御信号を出力する。
このブレーキコントローラ22は、通常制御時は、第2制動制御状態として各電磁遮断弁6−1,6−2を閉じて上記BBW制御状態にすると共に、ストロークシミュレータ20用の電磁開閉弁21を開状態としてストロークシミュレータ20を作動させて自然なペダル踏力を可能とする。
また、ポンプ8−1、8−2による液圧が発生出来ないなどの故障を検出すると、第1制動制御状態として、第1の電磁遮断弁6−1及び第2の電磁遮断弁6−2を開状態とし、且つストロークシミュレータ20用の電磁開閉弁21を閉状態に戻して、マスタシリンダ2の液圧を第1連通路5−1及び第2連通路5−2を介して各ホイルシリンダ3FR〜3RRに導入する。
次に、上記ブレーキコントローラ22における第2制動制御状態の制御(BBW制御)について、図2を参照しつつ説明する。この処理が制動制御手段を構成する。
なお、以下の処理に現れないが、制動制御系統が正常に機能させることができないおそれのあるような異常を検出した場合には、各弁やモータ7−1,7−2への通電を遮断、つまり第1の電磁遮断弁6−1,6−2及び第2の電磁遮断弁6−1,6−2をともに開状態とし、且つストロークシミュレータ20用の開閉弁21を閉状態に戻して、マスタシリンダ2の液圧を第1連通路5−1及び第2連通路5−2を介して各ホイルシリンダ3FR〜3RRに導入して上記第1制動制御状態とする。
図2に示すように、所定のサンプリング周期毎に作動し、まずステップS10にて、現在のマスタシリンダ圧Pを使用して、図3のようなマップに基づき、マスタシリンダ圧Pが大きいほど大きな値をとる基本寄与度αを求めてステップS20に移行する。
すなわち、ブレーキペダル1の踏み込み開始時期で踏込みストローク量Sが小さくてマスタシリンダ圧Pが小さい領域では、基本寄与度αを小さくして踏込みストローク量重視とし、踏込みストローク量が大きくて所定のマスタシリンダ圧P以上ではマスタシリンダ圧P重視として基本寄与度αを大きくして、所定以上のマスタシリンダ圧P0となって高G領域では、上記基本寄与度αを1(=100%)に設定している。この基本寄与度αは、0〜1までの値であって、マスタシリンダ圧P側の寄与度合を示し、踏込みストローク側の寄与度合は、(1−α)となる。
ステップS20では、現在の基本寄与度αが1以上か否かを判定して、高G領域で1以上と判定した場合にはステップS30に移行する。一方、基本寄与度αが1未満の場合にはステップS90に移行して、マスタ圧用寄与度kに基本寄与度αの値を代入した後にステップS100に移行する。すなわち、基本寄与度αが高G領域でない1未満の場合には、マスタ圧寄与度kは基本寄与度αと同じ値となる。
ステップS30では、ブレーキペダル戻し操作中か否かを判定し、ブレーキペダル戻し操作中と判定した場合には、ステップS40に移行する。ブレーキ戻し操作中でないと判定した場合にはステップS70に移行する。ステップS70では、現在のマスタ用寄与度kを保持し、つまり前回値のままとしてステップS100に移行する。
ブレーキペダル戻し操作中か否かの判定は、例えばマスタシリンダ圧Pの変化ΔPが所定値以下で減少しているか否かで判定する。またこのとき、踏込みストローク量Sの変化量ΔSが0以下とか、現在のマスタシリンダ圧Pが所定値以上か否かの判定を加えても良い。
ステップS40では、ストローク遅れ領域Lか否かを判定し、ストローク遅れ領域Lと判定する場合にはステップS50に移行し、ストローク遅れ領域LでなければステップS60に移行する。
ストローク遅れ領域Lか否かは、例えばマスタシリンダ圧Pの減少速度に対するペダルストローク減少速度が小さいときにストローク遅れ領域L中と判定する。すなわち、ブレーキペダル1が踏み込まれてマスタシリンダ圧Pが高圧状態となっている状態から、制動を小さくするために、運転者がブレーキペダルに掛けている踏力を小さくしてブレーキ戻し操作を開始した場合、踏力の減少に応じた変化として、マスタシリンダ圧Pの減少速度は速いものの、マスタシリンダ2内が高圧状態であることから、踏力が弱くなってもブレーキペダルはすぐに戻らず若干の遅れをもって戻り始める。この戻り始めるまでの領域がストローク遅れ領域Lであり、このストローク遅れ領域Lでは、ブレーキペダルは殆ど移動しないか、わずかにゆっくり移動する程度で、ペダルストローク減少速度が極めて遅い。
すなわち、上記マスタシリンダ圧の減少速度で想定されるブレーキペダルの戻り速度よりも大幅に小さい戻り速度状態の領域がストローク遅れ領域Lである。
ステップS50では、前回の目標減速度を保持できる寄与度合k′を算出してステップS80に移行する。たとえば、下記式のように、前回のマスタシリンダ圧P(n-1)と今回のマスタシリンダ圧Pとの差ΔPに、所定のゲインβを掛けて増加分Δkを演算し、その分をマスタ用寄与度kに加算して算出用寄与度k′を求める。
なお、この算出用寄与度k′は、ストローク遅れ処理中における目標減速度の低下制限の最終値を示す。
k′ = k +ΔP×β
ステップS80では、下記式のように、マスタ用寄与度kに対し算出用寄与度合k′を代入してステップS100に移行する。
k =k′
ブレーキペダル1が戻し操作中と判定されてステップS60に移行すると、下記式に基づきマスタ用寄与度kを演算する。
k ={(k′−k0)/(P′−P0)×(P―P0)}+k0 ・・・(1)
ここで、
k′は、ストローク遅れ領域Lが終了するときの寄与度合であり、
P′は、ストローク遅れ領域Lが終了するときの寄与度合であり、
P0は、基本寄与度αが1をとる最低のマスタシリンダ圧Pである。
k0は、P0のときの基本寄与度であって、本実施形態では基本寄与度αと置き換えることが出来る。
また、Pは、現在のマスタシリンダ圧Pを表し、ステップS60に移行する場合には、基本寄与度αは1になっている。
この(1)式を採用することで、ストローク遅れ処理中における目標減速度の低下制限により増加したマスタ用寄与度kは徐々に減少し、更に、αが1未満になる直前に、マスタ用寄与度kがαに一致するように徐々に目標減速度の低下の制限を緩くしていくことが出来る。
ステップS100では、現在のマスタシリンダ圧P及びブレーキペダル1の踏込みストローク量Sに基づき目標減速度Gを算出し、その目標減速度Gとなる各輪のホイルシリンダ圧Pwcを演算し、そのホイルシリンダ圧Pwcとなる制御指令値をそれぞれのアクチュエータコントローラ9−1、9−2に出力して、復帰する。例えば、算出した目標減速度Gと現在の減速度の差分に基づきモータ7−1,7−2の制御電流を制御する。
ここで、本実施形態の上記目標減速度Gの算出について説明する。
マスタシリンダ圧Pによる仮目標減速度Gpを、たとえば図4に基づき算出する。マスタシリンダ圧Pは、ほぼ踏力とリニアな関係にあるため、図4のようなマップとなるように設定される。
また、図5のようなマップ等に基づき、ストローク量Sから仮目標減速度Gsを求める。ストローク量Sは、大きくなるほどストローク変化に対する踏力の増加量が大きいことに鑑みて図5のようなマップに沿った値に設定される。
そして、ストローク量S及びマスタシリンダ圧Pの両方の仮目標減速度Gp、Gsから、下記式に基づき、最終的な目標減速度Gを演算する。
G =(1−α)×Gs +k×Gp ・・・(2)
(作用効果)
上記構成の制動制御装置にあっては、ブレーキペダル1踏込み時にあっては、目標減速度Gを、踏み込み初期には踏込みストローク量S重視で求め、所定以上のマスタシリンダ圧Pではマスタシリンダ圧P重視となるように、寄与度合を変化させることで、運転者のブレーキ踏力を精度良く減速度に反映させることが出来る。なお、ペダルフィーリングは、ストロークシミュレータによって、マスタシリンダとホイルシリンダが連通している状態に近い状態が確保されている。
一方で、マスタシリンダ圧Pの基本寄与度αが1以上の高G領域となるまでブレーキペダル1が踏み込まれている状態で、運転者によってペダル戻し操作が行われた場合に、ペダル戻し初期において、マスタシリンダ圧Pの寄与度合を100%として目標減速度Gを算出すると目標減速度Gの低下が大きい。これに対し、本実施形態では、踏力の低下に対するストローク遅れ領域Lにあっては、目標減速度Gの低下を制限するように、マスタシリンダ圧Pの寄与度合を基本寄与度α(=1)よりも大きな値にするため、マスタシリンダ圧Pの大きな減少速度が目標減速度Gにそのまま反映されることがなく、目標減速度Gの急な減少は防ぐことができ、ねばり感を持たせることができる。
上記のことを模式図である図6を参照して説明する。図6(a)が比較例であり、図6(b)が本発明を適用した本実施形態の場合である。
ペダル戻し操作として踏み込んでいたペダルへの踏力が低下すると、それに追従してマスタシリンダ圧Pに基づく仮目標減速度Gpは低下する。
このとき、図4のようなマスタシリンダ圧Pと仮目標減速度Gpとの関係の設定は、ブレーキペダル1の踏込み時のときの挙動で設定されるが、前述したとおり、ヒステリシスなどの関係から、マスタシリンダ圧Pは踏込み時よりも戻し時の方が変化速度が大きいので、上記仮目標減速度Gpも減少速度が踏込み時よりも大きい。また、高Gでマスタシリンダ圧Pが高い状態でブレーキペダル1に負荷している踏力を弱めた場合、すぐにその踏力の低下に応じた量だけブレーキペダル1の踏込みストローク量Sは減少せず、所定のストローク遅れが発生したのちに減少する。
このため、比較例のように、k=αとして仮目標減速度Gpを算出して最終的な目標減速度Gとすると、目標減速度Gの低下速度が速くなる傾向にある。これに対し、本実施形態では、図6(b)のように、寄与度合を大きく補正することで、ストロークに遅れが生じている状態では、目標減速度Gの低下が制限されて、ブレーキペダル1の戻りの状態に即した粘り感を持たせることが出来る。なお、図6は、模式図であるので、目標減速度Gの低下がゼロのように図示されているが、低下勾配が小さくなっていれば、本発明の目的は達成される。同様に、ストローク遅れ領域Lの仮目標減速度Gsも一定のように記載されているが、小さな減少速度で小さくはなっている。
ここで、上記ゲインβを調整することでねばり感の程度を調整することができる。
また、ステップS60で徐々にマスタ用寄与度kを減少させているのは、次の理由による。
ブレーキ踏込み量の大きさにより踏力変化に対するストローク変化量が異なることから、ブレーキ踏込み初期はストローク量重視に、ブレーキ踏込み後期はマスタシリンダ圧P重視にする方が、踏力を精度良く減速度に反映できることを考えると、マスタシリンダ圧Pの基本寄与度αが1未満になる減速度域(マスタシリンダ圧P域)においては、踏込みストローク量Sの寄与度合を大きくした方が踏力を精度良く反映できる。
このため、ステップS60の処理によって、基本寄与度αが1の状態でブレーキペダル1が戻された場合に、マスタシリンダ圧Pの基本寄与度αが1未満になり始めるまでに、1より大きくしたマスタ用寄与度kの増加分の寄与度合を1に向けて小さくさせる。このようにすることで、上述のようにマスタシリンダ圧Pの基本寄与度αが1の領域ではねばり感を持たせることができると共に、基本寄与度αが1未満となる前にマスタ用寄与度kが1となるように変化させることで、マスタ用寄与度kの変化に段差がつくことが抑えられ、かつ、寄与度合が1未満の領域では運転者の踏力の応じた目標制動力を精度良く反映することができる。
また、基本寄与度αが1である高G領域の場合には、ブレーキ戻し操作の途中で、ブレーキ保持やブレーキ再踏込み時が行われると、目標減速度Gの低下制限の制限量を保持する、つまりマスタ用寄与度kを前回値に保持するのは次の理由による。
上記のように目標減速度Gの低下制限をしてマスタ用寄与度kが1よりも大きく、さらに徐々に制限量を小さくしている状態のときに、ブレーキペダル1戻し操作の途中から再踏み込みされた場合、マスタ用寄与度kを1に向けて低下させ続けると、踏力が増加しているにも関わらず目標減速度Gの増加速度が低下してしまう可能性がある。これに対し、本実施形態では、再踏み込みや、ペダル保持された場合、目標減速度Gの低下制限の制限量の減少を停止して保持する。すなわちマスタ用寄与度kを保持することで、マスタシリンダ圧Pの増加に応じて目標減速度Gの増加速度を出すことができ、運転者の要求を目標減速度Gに反映することができる。
図7に、本実施形態を採用した場合のタイムチャート例を示す。このタームチャート例は、基本寄与度αが1の制動が高G領域で、戻し操作が行われ、その途中で一度ブレーキ戻しが保持された場合を例示し、ストローク遅れ領域Lが2箇所に存在する場合を例示している。このタイムチャートで分かるように、ブレーキ戻し操作時において、急激な目標減速度Gの低下が抑えられて、ブレーキペダル1の踏込みストローク量Sの変化に近い変化で目標減速度Gを低減していることが分かる。
ここで、上記のような処理によって、ブレーキペダル1が戻されて。制動解除位置であるロスストローク領域や踏込みストローク量Sがゼロとなるより前の基本寄与度αが1未満となると上記低下制限による制限量(kとαの差)がゼロとされているので、ブレーキペダル1が戻されて基本寄与度αがいったん1未満となると、上記制限量は無い状態となる。
ここで、上記実施形態では、マスタシリンダ圧Pに基づく仮目標減速度Gの寄与度合を1よりも大きくすることで、目標減速度Gの低下を制限しているが、低下制限はこれに制限されない。例えば、検出したマスタシリンダ圧Pに対し、仮目標減速度Gを算出するためのマスタシリンダ圧Psを別途設定し、低下制限時には、上記検出したマスタシリンダ圧Pに対して所定の補正量(例えばマスタシリンダ圧Pの減少分相当)を加算して算出用マスタシリンダ圧Psとすることで、低下制限を行ってもよい。
また、本実施形態では、低下制限による制限量(kとαの差分)をマスタシリンダ圧P0となったときに無くなる(k=αとなる)ように設定しているが、これに限定されない。
前述の式(1)によって求めたマスタ用寄与度kの1に向けての低減勾配と所定勾配未満の場合には、その勾配よりも大きな勾配として、マスタシリンダ圧P0となる前にkがαと等しくなるように、つまり制限量がなくなるように設定しても良い。
また、上記実施形態では、基本寄与度αが1の場合にのみ目標減速度Gの低下制限を行うように設定しているが、これに限定されない。例えば、基本寄与度αが0.5を越えた領域を低下制限の対象領域としても良い。また、図3のマップは例であるので、他のマップとなっていても良い。マスタシリンダ圧Pが大きくなるほど、基本寄与度αが大きくなるように設定されていれば本発明は適用可能である。
ここで、上記実施形態では、制動系統が2つの場合を例示しているが、1つでも良いし3つ以上にホイルシリンダを区分して3系統以上に制動系統を分類しても良い。
また、上記実施形態では、流体圧を利用したブレーキバイワイヤを行っているが、これに限定されるものではない。ブレーキバイワイヤに関しては制動力制御を行うことができればよいので、電動アクチュエータを駆動制御することで、ディスクロータをブレーキパッドで挟圧したり、ブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧したりする電動ブレーキや、回生モータブレーキ等、電子制御可能なエネルギー源を備えていれば、如何なるブレーキでもよい。
本発明に基づく実施形態に係る回路構成を示す概要図である。 本発明に基づく実施形態に係るブレーキコントローラの処理を説明する図である。 マスタシリンダ圧Pと寄与係数αの関係を示す図である。 マスタシリンダ圧Pと目標減速度Gpとの関係を示す図である。 踏込みストローク量Sと目標減速度Gsとの関係を示す図である。 本実施形態の作用を説明するための模式図であって、(a)が比較例を、(b)は本実施例をそれぞれ示す。 本発明に基づく実施形態に係るタイムチャート例を示す図である。
符号の説明
1 ブレーキペダル
2 マスタシリンダ
3FR〜3RR ホイルシリンダ
5−1 第1連通路
5−2 第2連通路
6−1,6−2 電磁遮断弁
7−1,7−2 モータ(別の駆動源)
8−1、8−2 ポンプ(別の駆動源)
9−1,9−2 アクチュエータコントローラ
22 ブレーキコントローラ
S 踏込みストローク量
S0 遮断弁が開となったときの踏込みストローク量
P 現在のマスタシリンダ圧P
P0 基本寄与度αが1となる最低のマスタシリンダ圧
α 基本寄与度合
k マスタ用寄与度
k′ 算出用寄与度
G 目標減速度
Gp マスタシリンダ圧Pに基づく仮目標減速度
Gs ストローク量に基づく仮目標減速度
L ストローク遅れ領域

Claims (4)

  1. 運転者のブレーキペダルの踏込みストロークに応じたマスタシリンダ圧を出力するマスタシリンダと、マスタシリンダ圧及びブレーキペダルの踏込みストローク量のうち少なくともマスタシリンダ圧に基づいて目標減速度を算出し該目標減速度となるようにホイルシリンダの制動力を制御する制動制御手段と、を備え、上記目標減速度を算出する際の上記マスタシリンダ圧の寄与度合を、マスタシリンダ圧が大きいほど大きくなるように設定した、制動力制御装置において、
    上記制動制御手段は、踏込みストローク量の寄与度合よりもマスタシリンダ圧の寄与度合が大きい状態で、マスタシリンダ圧が低下していると判定し且つそのマスタシリンダ圧の低下速度に対するブレーキペダルの戻り速度が小さいストローク遅れ領域と判定すると、上記目標減速度の低下を制限することを特徴とする制動力制御装置。
  2. 上記ブレーキペダルの戻し操作中であって且つ上記ストローク遅れ領域を越えたと判定すると、上記低下制限による制限量を徐々に小さくすることを特徴とする請求項1に記載した制動力制御装置。
  3. 上記目標減速度の低下の制限後であって、ブレーキペダルが制動解除位置まで戻る前に、ブレーキペダルが保持若しくは踏み込まれていると判定すると、上記低下制限による制限量を保持することを特徴とする請求項2に記載した制動力制御装置。
  4. 運転者のブレーキペダルの踏込みストロークに応じたマスタシリンダ圧を出力するマスタシリンダと、マスタシリンダ圧及びブレーキペダルの踏込みストローク量のうち少なくともマスタシリンダ圧に基づいて目標減速度を算出し該目標減速度となるようにホイルシリンダの制動力を制御する制動制御手段と、を備え、上記目標減速度を算出する際の上記マスタシリンダ圧の寄与度合をマスタシリンダ圧が大きいほど大きくなるように設定した、制動力制御装置において、
    上記制動制御手段は、上記目標減速度を算出する際における踏込みストローク量の寄与度合よりもマスタシリンダ圧の寄与度合が大きい状態でブレーキペダルの戻し操作がされたと判定したときに、ブレーキペダルの戻り遅れが発生しているストローク遅れ領域と判定すると、上記目標減速度の低下を制限し、
    上記目標減速度の低下の制限後であって、ブレーキペダルが制動解除位置まで戻る前に、ブレーキペダルが保持若しくは踏み込まれていると判定すると、上記低下制限による制限量を保持することを特徴とする制動力制御装置。
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