JP4903650B2 - 砂質地盤の液状化防止工法および砂質地盤への空気注入構造 - Google Patents

砂質地盤の液状化防止工法および砂質地盤への空気注入構造 Download PDF

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本発明は、砂質地盤の液状化防止工法および砂質地盤への空気注入構造に関し、さらに詳しくは、水で飽和した砂質地盤に予め形成した設置孔に埋設したパイプを通じて、この砂質地盤に空気を注入して液状化を防止するにあたり、パイプに形成した空気注入孔の目詰まりを防止するとともに、注入した空気が、埋設したパイプの外周面まわりおよび設置孔の内周面まわりに生じるすき間を通じて地上に漏出することを防止して、水で飽和した砂質地盤の液状化防止対策を施すことを可能にした砂質地盤の液状化防止工法および砂質地盤への空気注入構造に関するものである。
従来、水で飽和した砂質地盤の液状化を防止するために、この砂質地盤中に気泡を混入させた水を注入したり、空気を直接注入することにより、水で飽和した砂質地盤中に多数の気泡を混在させて砂質地盤の飽和度を低下させる工法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。気泡を混入させた水を注入する方法は、水とほぼ同じ比重のものを注入するため、薬液の注入と同様に行なうことが可能であるが、空気を直接注入する方法では、空気を注入するパイプを水で飽和した砂質地盤に貫入させる時に、そのパイプに形成された空気注入孔に、砂質地盤中の細粒分や異物等が詰まることがあった。そのため、水で飽和した砂質地盤に貫入させたパイプから空気を注入する際に、目詰まりしている空気注入孔からは空気を注入することができずに、砂質地盤の飽和度を低下させることができないという問題があった。
そこで、水で飽和した砂質地盤を予め削孔して形成した設置孔にパイプを埋設することで、パイプに形成された空気注入孔の目詰まりをある程度防止することができる。しかしながら、このような埋設方式を採用した場合、パイプの外周面と埋め戻し材との間および埋め戻し材と設置孔の内周面との間を、すき間なく確実に埋めることが難しいため、パイプの外周面まわりおよび設置孔の内周面まわりには、すき間が生じ易くなる。そのため、空気注入孔から排出された空気が、水で飽和した砂質地盤に注入されずに、このすき間を通じて地上に漏出するという欠点があった。そのため、水で飽和した砂質地盤の飽和度を低下させることができないという問題があった。
上述した砂質地盤に直接空気を注入することが困難であることの背景を、より詳しく言えば、水と空気とではその比重に約1000倍の差があり、かつ圧縮性流体である空気を、非圧縮性流体である水で飽和した地盤に注入すること自体が難しい。例えば、建設工事等で利用される薬液注入工の溶液のように、水に比重が近く、若しくは水より比重が大きい非圧縮性流体を注入する場合の圧力差(地盤の土水圧と注入圧力との差)を利用して液圧により地下水を押圧排除しながら高圧の連続体となる溶液を注入する技術分野とは異なり、空気(気体)を注入する場合には加圧された空気圧により空気注入箇所近傍の場の圧力が全体的に高圧化する。また、流体の連続性を維持することが非常に困難であるため、先述したようなパイプの外周面と埋め戻し材との間、埋め戻し材と設置孔の内周面まわりからの漏気が発生するという問題があった。同時に、埋設したパイプに形成された空気注入孔によって空気注入箇所の範囲が局所化する程、先述した漏気現象が頻発するという問題があった。
特開平2−125013号公報
本発明の目的は、水で飽和した砂質地盤に予め形成した設置孔に埋設したパイプを通じて、この砂質地盤に空気を注入して液状化を防止するにあたり、パイプに形成した空気注入孔の目詰まりを防止するとともに、注入した空気が、埋設したパイプの外周面まわりおよび設置孔の内周面まわりに生じるすき間を通じて地上に漏出することを防止して、水で飽和した砂質地盤の液状化防止対策を施すことを可能にした砂質地盤の液状化防止工法および砂質地盤への空気注入構造を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の砂質地盤の液状化防止工法は、水で飽和した砂質地盤に予め設置孔を形成し、該設置孔に埋設したパイプを通じて空気を注入し、この砂質地盤に多数の気泡を混在させて砂質地盤の飽和度を低下させる砂質地盤の液状化防止工法において、前記形成した設置孔に前記パイプを内挿して、該設置孔とパイプとの間に、パイプに形成した空気注入孔が埋まる位置まで粒状物を充填し、該充填した粒状物によりフィルタ層を形成し、次いで、前記設置孔とパイプとの間に気密性充填材を充填し、該充填した気密性充填材により前記フィルタ層の上に気密層を積層させて形成し、次いで、前記気密層よりも上方の埋め戻しを行なって、パイプを設置孔に埋設するようにして、その際に、前記設置孔に内挿するパイプを複数とし、該複数のパイプに形成した空気注入孔の上下位置がそれぞれ異なるように、これらのパイプを設置孔の内側に配置し、それぞれのパイプの空気注入孔を前記粒状物を充填して埋めるとともに、該粒状物により形成したそれぞれのフィルタ層の上に前記気密性充填材を充填して気密層を積層させて形成することを特徴とするものである。
本発明の別の砂質地盤の液状化防止工法は、水で飽和した砂質地盤に予め設置孔を形成し、該設置孔に埋設したパイプを通じて空気を注入し、この砂質地盤に多数の気泡を混在させて砂質地盤の飽和度を低下させる砂質地盤の液状化防止工法において、前記形成した設置孔に前記パイプを内挿して、該設置孔とパイプとの間に、パイプに形成した空気注入孔が埋まる位置まで粒状物を充填し、該充填した粒状物によりフィルタ層を形成し、次いで、前記設置孔とパイプとの間に気密性充填材を充填し、該充填した気密性充填材により前記フィルタ層の上に気密層を積層させて形成し、次いで、前記気密層よりも上方の埋め戻しを行なって、パイプを設置孔に埋設するようにして、その際に、前記設置孔にパイプを内挿してから粒状物を充填してフィルタ層を形成するまでの間、前記パイプを通じて上方から送水した水を空気注入孔から排出させることを特徴とするものである。
また、本発明の砂質地盤への空気注入構造は、水で飽和した砂質地盤に予め形成した設置孔の内側に配置したパイプと、該パイプに形成した空気注入孔を埋めるように、パイプの外周面と設置孔の内周面との間に充填された粒状物により形成されたフィルタ層と、該フィルタ層の上のパイプの外周面と設置孔の内周面との間に充填された気密性充填材により形成された気密層とを有し、該気密層よりも上方が埋め戻され、前記パイプの後端部に空気供給手段を接続し、前記設置孔の内側に配置したパイプが複数であるとともに、該複数のパイプに形成した空気注入孔の上下位置がそれぞれ異なるように、これらのパイプが設置孔の内側に配置され、それぞれのパイプの空気注入孔が前記粒状物により形成されたフィルタ層に埋められているとともに、それぞれのフィルタ層の上に前記気密性充填材により形成された気密層が積層していることを特徴とするものである。
本発明の砂質地盤の液状化防止工法によれば、水で飽和した砂質地盤に予め形成した設置孔にパイプを内挿して、該設置孔とパイプとの間に、パイプに形成した空気注入孔が埋まる位置まで粒状物を充填してフィルタ層を形成し、次いで、前記設置孔とパイプとの間に気密性充填材を充填して前記フィルタ層の上に気密層を積層させて形成し、次いで、前記気密層よりも上方の埋め戻しを行なって、パイプを設置孔に埋設するようにしたので、パイプの外周面まわりのすき間、設置孔の内周面まわりのすき間を十分に埋めることができない場合であっても、このすき間は、気密層によって上下に遮断される。これにより、直接空気を砂質地盤に注入することが可能になり、空気注入孔から排出された空気が、水で飽和した砂質地盤に注入されずに、パイプの外周面まわりのすき間、設置孔の内周面まわりのすき間を通じて地上に漏出することを防止でき、水で飽和した砂質地盤に、多数の気泡を混在させて飽和度を低下させる液状化防止対策を施すことが可能になる。
また、パイプに形成した空気注入孔は、フィルタ層によって囲まれるので目詰まりの発生を防止することができる。さらに、フィルタ層の外周全面が、水で飽和した砂質地盤に対する多孔空気注入層を形成するため空気の拡散性に富み、効率的に空気を注入することができる。
本発明の砂質地盤への空気注入構造によれば、水で飽和した砂質地盤に予め形成した設置孔の内側に配置したパイプに形成した空気注入孔を埋めるように、パイプの外周面と設置孔の内周面との間に充填された粒状物により形成されたフィルタ層と、該フィルタ層の上のパイプの外周面と設置孔の内周面との間に充填された気密性充填材により形成された気密層とを有し、該気密層よりも上方が埋め戻されているので、パイプの外周面まわりのすき間、設置孔の内周面まわりのすき間を十分に埋めることができない場合であっても、このすき間は、気密層によって上下に遮断される。
したがって、パイプの後端部に接続した空気供給手段により供給した空気を直接、砂質地盤に注入することが可能になり、空気注入孔から排出された空気が、水で飽和した砂質地盤に注入されずに、パイプの外周面まわりのすき間、設置孔の内周面まわりのすき間を通じて地上に漏出することを防止でき、水で飽和した砂質地盤に、多数の気泡を混在させて飽和度を低下させる液状化防止対策を施すことが可能になる。
以下、本発明の砂質地盤の液状化防止工法および砂質地盤への空気注入構造を図に示した実施形態に基づいて説明する。
まず、図1に例示するように水で飽和した砂質地盤に予め設置孔1を形成しておく。この設置孔1は、上部に拡径した上部孔1aを有する2段形状になっている。この実施形態では、設置孔1、上部孔1aのそれぞれに内接するようにケーシング管2、上部ケーシング管2aを設置して、設置孔1および上部孔1aの崩壊を防いでいる。
この実施形態では、作業性確保のために上部孔1aおよび上部ケーシング管2aを設けているが、これらを省略して直管状の設置孔1を形成してケーシング管2を内接して設けるようにしてもよい。
次いで、図2に例示するように、地盤に空気を注入するパイプ3をケーシング管2に所定の深さまで内挿する。このパイプ3は先端が封止しされていて、先端部の周面には多数の空気注入孔4が形成されている。パイプ3は、金属、非金属を問わず樹脂のような可撓性部材なども含めて種々の材質のものを用いることができるが、絶縁対策として非導電性素材、例えば、塩化ビニル製にすることが好ましい。
次いで、図3に例示するように、地上に設置した水タンク8とパイプ3とを、パイプ3の上端部に設けた接続部10を介して接続する。これにより、送水手段となる水タンク8の内部の水Wは、パイプ3を通じて下方に重力により自然送水されて空気注入孔4からパイプ3の外部へ排出される。
このように、空気注入孔4から水を排出している状態で、ケーシング管2の内周面とパイプ3の外周面との間に、上方から珪砂Sを投入する。珪砂Sは、パイプ3に形成した空気注入孔4がすべて埋まる位置まで充填する。この充填された珪砂Sにより、設置孔1の内周面とパイプ3の外周面の間に所定厚さのフィルタ層5を形成する。
フィルタ層5を形成するには、珪砂S以外の粒状物、例えば、人工細骨材、砕石、砂等を用いることができる。フィルタ層5の通気性を確保するために、この粒状物の粒径は例えば、75μm〜2mm程度にする。空気注入孔4がフィルタ層5によって囲まれる構造になるので、砂質地盤中の砂およびその細粒分や異物等が空気注入孔4に詰まりにくくなる。さらに、フィルタ層5がその外周全面にわたって非常に緻密な多孔性の空気注入孔を形成することになるので、パイプ3とフィルタ層5とは一体的な空気注入構造をなし、砂質地盤に対する空気注入ポイントが飛躍的に増大することになる。
この実施形態では、ケーシング管2にパイプ3を内挿してから珪砂Sを充填してフィルタ層5を形成するまでの間、パイプ3を通じて上方から送水した水Wを空気注入孔4から排出させているので、投入した珪砂Sの細粒分が空気注入孔4に一段と詰まり難くなる。
投入した珪砂Sが空気注入孔4に詰まり易い場合には、パイプ3を通じて加圧して送水することもできる。また、投入した珪砂Sが空気注入孔4にほとんど詰まらない場合には、送水せずに珪砂Sを充填することもできる。
次いで、図4に例示するように、ケーシング管2を上方移動させて、ケーシング管2の下端がフィルタ層5の上端部近傍になる位置でケーシング管2を固定した状態で維持し、この際に上方からの送水は終了させる。この状態で、図5に例示するように、ケーシング管2の内周面とパイプ3の外周面との間に、上方からペレット状の気密性充填材Fを投入する。この充填された気密性充填材Fにより、設置孔1の内周面とパイプ3の外周面の間に所定厚さの気密層6を形成する。これにより、フィルタ層5の上に気密層6が積層された構造になる。
気密性充填材Fは、通気を遮断できるものであればよく、例えば、水と接触して膨張する水膨潤性遮水材を用いることができる。具体的には、ベントナイト、高分子ポリマー等を例示することができる。地上にて流動化処理した気密性充填材Fを用いる場合には、ケーシング管2とパイプ3とのすき間に別途、トレミー管等を挿入してフィルタ層5の上面から打ち上げるようにすればよい。
次いで、図6に例示するように、気密層6よりも上方を埋め戻して、埋め戻し層7を積層させて形成する。また、ケーシング管2および上部ケーシング管2aを地上に引抜く。埋め戻し層7は、例えば、所定の厚さをセメント系材料で埋め戻すことにより形成し、セメント層の上を一般的な埋め戻し材(土壌)で埋め戻して形成する。その他、埋め戻し層7は、種々の埋め戻し材により形成することができる。
このようにして設置孔1を埋め戻して、パイプ3を設置孔1に埋設した後は、図7に例示するように、地上に設置した空気供給装置9とパイプ3とを、パイプ3の上端部に設けた接続部10を介して接続する。これにより、本発明の砂質地盤への空気注入構造となる。パイプ3を通じて空気供給手段となる空気供給装置9から供給された空気Aは、空気注入孔4からパイプ3の外部へ排出される。
珪砂Sによって形成されているフィルタ層5は通気性に優れ、空気注入孔4から排出された空気Aは円滑にフィルタ層5を通過して、水で飽和した砂質地盤に注入される。また、空気注入孔4よりも遥かに面積が大きなフィルタ層5を通じて空気Aが砂質地盤に注入されるので、一度に広範囲に空気Aを注入することが可能になる。
即ち、先述したように、フィルタ層5がその外周全面にわたって非常に緻密な多孔性の空気注入孔を形成することになるので、パイプ3とフィルタ層5とにより一体的な空気注入構造が構成され、砂質地盤に対する空気注入ポイントが飛躍的に増大することになる。これにより、優れた空気注入効率および卓越した空気拡散性を得ることができる。
つまり、非圧縮性流体である水で飽和した砂質地盤に、圧縮性流体である空気を注入する場合においては、砂質地盤を構成する土粒子相互の固結や閉塞等によって注入口近傍で空気流路の遮断が発生し、注入する空気を高圧化しても空気泡が潰れてしまうため、注入不可能に至るケースが多発する。しかしながら、本発明では極めて多数の注入ポイントをフィルタ層5の形成によって設けているので、このような問題で支障が生じることなく空気を注入することができ、注入された空気Aによって、水で飽和した砂質地盤には多数の気泡が混在することになるので、飽和度が低下して液状化を防止することができる。
本発明では、パイプ3の外周面と埋め戻し材(フィルタ層5や埋め戻し層7)との間のすき間、埋め戻し材と設置孔1の内周面との間をすき間を十分に埋めることができずに、パイプ3の外周面まわりおよび設置孔1の内周面まわりにすき間が生じる場合であっても、このすき間は気密層6によって上下に遮断されることになる。そのため、空気注入孔4から水で飽和した砂質地盤に注入された空気Aが、パイプ3の外周面まわりのすき間および設置孔1の内周面まわりのすき間を通じて地上に漏出することを防止できる。これによって、水で飽和した砂質地盤に、多数の気泡を混在させて飽和度を低下させる液状化防止対策を施すことができる。
パイプ3に形成する空気注入孔4は、パイプ先端部に設けることが好ましく、パイプ3の先端面(下端面)に設けることもできるが、実施形態のようにパイプ3の先端を封止して、先端部の周面に空気注入孔4を設けることによって、先端面に設けた場合に比べて、空気注入孔4に砂やその細粒分および異物等が入り込みにくくなるので、目詰まりを抑制するにはさらに有利な構造になる。
上記の実施形態では、1本のケーシング管2に1本のパイプ3を内挿して設置孔1に埋設するようにしているが、図8に例示するように複数本のパイプ3を1本のケーシング管2に内挿することもできる。
この実施形態では、複数のパイプ3に形成した空気注入孔4の上下位置がそれぞれ異なるように、これらのパイプ3が水で飽和した砂質地盤に予め形成した設置孔1の内側に配置されている。それぞれのパイプ3の空気注入孔4が珪砂Sにより形成されたフィルタ層5に埋められているとともに、それぞれのフィルタ層5の上に気密性充填材Fにより形成された気密層6が積層している。最も上に積層している気密層6の上方には埋め戻し層7が積層されて埋め戻されている。それぞれのパイプ3の後端部には接続部10を介して空気供給装置9が接続されている。
この場合の各部材の設置方法や空気注入手順は、パイプ3を1本使用する場合と基本的に同様であり、以下のとおりである。(1)水で飽和した砂質地盤に上部に拡径した上部孔1aを有する設置孔1を形成して、設置孔1、上部孔1aのそれぞれに内接するようにケーシング管2、上部ケーシング管2aを設置して、設置孔1および上部孔1aの崩壊を防ぐようにする。(2)1本のパイプ3をケーシング管2に所定深さまで内挿する。(3)地上に設置した水タンク8とパイプ3の上端部とを接続して空気注入孔4から水Wを排出している状態で、ケーシング管2の内周面とパイプ3の外周面との間に、上方から珪砂Sを投入して所定厚さのフィルタ層5を形成する。(4)ケーシング管2の下端をフィルタ層の上端部近傍まで上方移動させて固定し、ケーシング管2の内周面とパイプ3の外周面との間に、上方から気密性充填材Fを投入してフィルタ層5のうえに気密層6を積層させて形成する。(5)気密層6よりも上方を埋め戻して埋め戻し層7を積層させて形成する。(6)上記の(2)〜(5)の各工程をパイプ3の本数に応じて繰り返して行なう。(7)ケーシング管2および上部ケーシング管2aを地上に引き抜いて設置孔1を埋め戻す。(8)地上に設置した空気供給装置9とパイプ3の上端部とを接続して空気Aを空気注入孔4から排出する。
以上の(1)〜(8)の工程を行ない、注入された空気Aによって、水で飽和した砂質地盤に多数の気泡が混在することになるので、飽和度が低下して液状化を防止することが可能になる。尚、図8では、埋め戻し層7を最上層にのみに積層させて形成しているが、複数本のパイプ3の埋設深度が大きく異なる等の場合には、既述した方法により適宜埋め戻し層7を積層させて形成する。
このように、図8に示した実施形態の砂質地盤への空気注入構造は、図1〜図6に例示した同様の手順によって構築することができる。即ち、ケーシング管2に内挿する複数のパイプ3に形成した空気注入孔4の上下位置がそれぞれ異なるように、これらのパイプ3をケーシング管2の内側に配置する点だけが異なり、フィルタ層5、気密層6、埋め戻し層7を積層させる工程等は同様である。
この実施形態によれば、上下方向に一段と広い範囲で空気Aを注入できるので、効率よく液状化防止対策を施すことが可能になる。空気注入状態を観測しながら、特定層部分(例えば、中間層部分)に限定して空気注入すること等も容易に行なうことができる。特に、原地盤の地層状態が縦断方向に変化する場合等には、その各層ごとに、別々のパイプ3の空気注入孔4を埋設することにより、空気注入をさらに容易に行なうことができる。
また、この実施形態では、1本のパイプ3を埋設する場合に比して、設置孔1が大径化し、これに伴いフィルタ層5の容積、ひいては外周全面の表面積も増大することから、一段と空気注入ポイントが増加することになり、空気の注入効率向上が期待できる。
上述した実施形態では、ケーシング管2を用いているが、形成した設置孔1の壁面が自立する場合は、ケーシング管2を省略することもできる。この場合は、形成した設置孔1にパイプ3を内挿して、設置孔1の内周面とパイプ3の外周面との間に、パイプ3に形成した空気注入孔4が埋まる位置まで珪素Sを充填してフィルタ層5を形成する。次いで、設置孔1の内周面とパイプ3の外周面との間に気密性充填材Fを充填することにより、フィルタ層5の上に気密層6を積層させて形成する。次いで、気密層6よりも上方の埋め戻しを行なって、パイプ3を設置孔1に埋設する。その後、地上に設置した空気供給装置9とパイプ3の上端部とを接続して空気Aを空気注入孔4から排出して砂質地盤に注入する。
尚、本発明では、設置孔1を傾斜させて斜坑形態で設置することもできる。
本発明の砂質地盤の液状化防止工法の実施形態において、設置孔およびケーシング管を設置する工程を例示する縦断面図である。 砂質地盤の液状化防止工法の実施形態において、設置孔にパイプを内挿する工程を例示する縦断面図である。 砂質地盤の液状化防止工法の実施形態において、フィルタ層を形成する工程を例示する縦断面図である。 砂質地盤の液状化防止工法の実施形態において、気密層を形成するに際して、ケーシング管を上方移動させる工程を例示する縦断面図である。 砂質地盤の液状化防止工法の実施形態において、気密層を形成する工程を例示する縦断面図である。 砂質地盤の液状化防止工法の実施形態において、埋め戻し層を形成する工程を例示する縦断面図である。 砂質地盤の液状化防止工法の実施形態において、水で飽和した砂質地盤に空気を注入する工程を例示するとともに、本発明の砂質地盤への空気注入構造の実施形態を例示する縦断面図である。 砂質地盤への空気注入構造の他の実施形態を例示する縦断面図である。
符号の説明
1 設置孔
1a 上部孔
2 ケーシング管
2a 上部ケーシング管
3 パイプ
4 空気注入孔
5 フィルタ層
6 気密層
7 埋め戻し層
8 水タンク
9 空気供給装置
10 接続部

Claims (3)

  1. 水で飽和した砂質地盤に予め設置孔を形成し、該設置孔に埋設したパイプを通じて空気を注入し、この砂質地盤に多数の気泡を混在させて砂質地盤の飽和度を低下させる砂質地盤の液状化防止工法において、前記形成した設置孔に前記パイプを内挿して、該設置孔とパイプとの間に、パイプに形成した空気注入孔が埋まる位置まで粒状物を充填し、該充填した粒状物によりフィルタ層を形成し、次いで、前記設置孔とパイプとの間に気密性充填材を充填し、該充填した気密性充填材により前記フィルタ層の上に気密層を積層させて形成し、次いで、前記気密層よりも上方の埋め戻しを行なって、パイプを設置孔に埋設するようにして、その際に、前記設置孔に内挿するパイプを複数とし、該複数のパイプに形成した空気注入孔の上下位置がそれぞれ異なるように、これらのパイプを設置孔の内側に配置し、それぞれのパイプの空気注入孔を前記粒状物を充填して埋めるとともに、該粒状物により形成したそれぞれのフィルタ層の上に前記気密性充填材を充填して気密層を積層させて形成する砂質地盤の液状化防止工法。
  2. 水で飽和した砂質地盤に予め設置孔を形成し、該設置孔に埋設したパイプを通じて空気を注入し、この砂質地盤に多数の気泡を混在させて砂質地盤の飽和度を低下させる砂質地盤の液状化防止工法において、前記形成した設置孔に前記パイプを内挿して、該設置孔とパイプとの間に、パイプに形成した空気注入孔が埋まる位置まで粒状物を充填し、該充填した粒状物によりフィルタ層を形成し、次いで、前記設置孔とパイプとの間に気密性充填材を充填し、該充填した気密性充填材により前記フィルタ層の上に気密層を積層させて形成し、次いで、前記気密層よりも上方の埋め戻しを行なって、パイプを設置孔に埋設するようにして、その際に、前記設置孔にパイプを内挿してから粒状物を充填してフィルタ層を形成するまでの間、前記パイプを通じて上方から送水した水を空気注入孔から排出させる砂質地盤の液状化防止工法。
  3. 水で飽和した砂質地盤に予め形成した設置孔の内側に配置したパイプと、該パイプに形成した空気注入孔を埋めるように、パイプの外周面と設置孔の内周面との間に充填された粒状物により形成されたフィルタ層と、該フィルタ層の上のパイプの外周面と設置孔の内周面との間に充填された気密性充填材により形成された気密層とを有し、該気密層よりも上方が埋め戻され、前記パイプの後端部に空気供給手段を接続し、前記設置孔の内側に配置したパイプが複数であるとともに、該複数のパイプに形成した空気注入孔の上下位置がそれぞれ異なるように、これらのパイプが設置孔の内側に配置され、それぞれのパイプの空気注入孔が前記粒状物により形成されたフィルタ層に埋められているとともに、それぞれのフィルタ層の上に前記気密性充填材により形成された気密層が積層している砂質地盤への空気注入構造。
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