JP4902753B2 - 放射線撮像装置およびコリメータの位置推定方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、この方法では分解能10mm程度が限界であり、臨床現場で用いるには不十分であるため、より高い分解能を持つSPECT装置が求められている。
検出器群をなす全ての検出器において、感度を一様にするために、コリメータの貫通穴と検出器とが、一対一対応となるように配置されることが多い。また扱いやすさの点から、検出器の形状に合わせて、コリメータの貫通穴の形状も矩形であるのが一般的である。
ここで、検出器が矩形であるとき、1つの検出器は4つの面で隣の検出器と接している。この隣の検出器と接している面を「検出器同士の境界面」と定義するものとする。また、検出器の入射面に対して垂直方向から平面視した際の検出器同士の境界面を「検出器同士の間の境界線」と定義するものとする。
従来のSPECT装置では、検出器の入射面に対して垂直方向から平面視した際、この検出器同士の間の境界線上にコリメータのセプタがくるように配置される。
これらの要因のうち、コリメータのセプタの高さとコリメータの貫通穴の大きさが、分解能と感度の決定に大きく関与する。
すなわち、高分解能を得るためには、検出器に入射する放射線の到来方向をコリメータで制限する必要がある。このためには、検出器が測定対象物を見込む視野を、コリメータによって狭めればよい。このようなコリメータとして、LEHR(Low Energy High Resolution)コリメータが知られている。しかし、この制限によって、感度が犠牲になる。
一方、高感度を得るために、コリメータの貫通穴のサイズを大きくする必要がある。このようなコリメータとして、LEGP(Low Energy General Purpose)コリメータやLEHS(Low Energy High Sensitivity)コリメータが知られている。しかし、貫通穴のサイズを大きくすることによって、分解能が悪化する。
そこで、感度と分解能を両立するSPECT装置として、一つの矩形貫通穴に複数の検出器が含まれる、SPECT装置が発明された。このSPECT装置では、貫通穴のサイズが同じとき、貫通穴と検出器とが一対一対応である従来のSPECT装置よりも、高い分解能が得られることが実証されている(特許文献2、非特許文献1)。
検出器の入射面に対して垂直方向から平面視した際、一つの貫通穴に複数の検出器が含まれ、この検出器同士の間の境界線上にコリメータのセプタがくるように配置される構成が含まれるSPECT装置は、貫通穴と検出器とが一対一対応である従来機に比べて、コリメータの位置合わせにおいて、より高い精度が求められる。その理由は以下の通りである。
したがって、一つの矩形貫通穴に複数の検出器が含まれるSPECT装置においては、より厳密なコリメータの位置合わせが求められる。しかし、現在のコリメータ位置合わせ方法では、アーチファクトを完全に防ぐことは難しい。
なお、この現象は、貫通穴と検出器とが一対一対応である従来のSPECT装置では起こらない。コリメータの位置がずれても、局所的には全ての検出器とセプタの位置関係が同一であるためである。
本実施形態に係るSPECT装置(放射線撮像装置)1の全体の構成について図1を用いて説明する。
<SPECT装置(放射線撮像装置)>
図1は、本実施形態に係るSPECT装置の構成図である。
SPECT装置1は、ガントリ10、カメラ(撮像装置)11A,11B、データ処理装置12、表示装置13、ベッド14を含んで構成されている。
被検者15は、放射性薬剤、例えば、半減期が6時間の99mTcを含んだ薬剤を投与される。ベッド14に載せられた被検者15の体内の99mTcから放出されるγ線(放射線)をガントリ10に支持されたカメラ11(11A,11B)で検出して断層画像を撮像するようになっている。
カメラ11は、γ線の検出信号を計測するための特定用途向け集積回路(以下、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)と称する)(放射線計測回路)25を備える。γ線の検出信号は、検出器基板23、ASIC基板24を介して、ASIC25にγ線を検出した検出器21のID、検出したγ線の波高値や検出時刻が入力される。これらはカメラ11を構成する鉄、鉛等でできた遮光・γ線・電磁シールド29によって囲まれており、光、γ線、電磁波を遮断している。
カメラ11は、ガントリ10の中央部分に設けられた円筒形開口部の中心軸の半径方向及び周方向に可動させることができる。撮像時には、カメラ11は被検者15の周りに最近接軌道を描いて撮像していく。また、カメラ11は、ガントリ10との取り付け部(図示せず)を軸として回転させることもでき、2つのカメラ11A,11Bを並べて固定することで、STATIC画像を撮像させることもできる。
検出器群21Aが測定対象に対してある角度をなしているとき、検出器iのカウント数yi は、検出再構成画素jのカウント数をλj として、式(1)で表される。ここで、Cijは、検出器iで検出される確率を表す。
yi =ΣCij λj ・・・(1)
上式から、逐次近似再構成法等(MLEM法、OSEM法、MAP法等)を用いて画像を再構成する。検出器iの点応答関数を逐次近似画像再構成に組み込むことにより、空間分解能を補正することが可能である。点応答関数とは、点線源から発生した放射線を検出器21が検出する確率であり、式(1)の検出確率Cij に等しい。この点応答関数を用いることで、逐次近似再構成法を用いて、より正確な画像を再構成することができる。
このようにして、SPECT装置1は被検者15の体内の腫瘍等に集積した放射性の薬剤を撮像し、腫瘍の位置を同定する。
次に、カメラ11に用いられる検出器21について図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態のSPECT装置に用いるカメラに内蔵するピクセル型の検出器を示す斜視図である。
検出器基板23(図1参照)に、CdTe半導体を用いた検出器21を2次元に配列し検出器群21Aを構成している。また、個々の検出器21が1つのピクセルを構成する。
図2において、上面側が検出器21の入射面21fであり、電圧を印加する電極22a,22bは検出器21の側面に配置される。このように、1枚の大きな結晶からなるシンチレータと異なり、検出信号は、各検出器21単位、つまりピクセル単位で収集される。
図3は、ピクセル型の検出器の別の例を示す斜視図である。
図3に示す検出器(検出器群21B)は、1枚のCdTe半導体の基板に対して、共通電極22cをCdTe半導体の基板の一方の面、つまり、入射面21f側の全面に配置し、入射面21fの反対側の面にピクセル単位で区切られた電極22dを配置して、電極22dの1個分に相当する面積部分のCdTe半導体の基板と共通電極22cとで、それぞれがピクセルに対応した検出器を構成するものである。
図4は、別のピクセル型の検出器の第一の変形例の入射面側を示す斜視図であり、図5は、別のピクセル型の検出器の第一の変形例の入射面の反対面側を示す斜視図である。
図4、図5に示す検出器(検出器群21C)は、1枚のCdTe半導体の基板に対して、入射面21f側の全面に共通電極22cを配置し、CdTe半導体の基板の入射面21f側と反対面側にピクセル単位で区切られた電極22dを配置し、加えて、ダイシングによって形成された溝で個々の検出器に区切られた構造をしている。
図6に示す検出器(検出器群21D)は、1枚のCdTe半導体の基板に対して、複数の帯状の電極22e,22fをCdTe半導体の基板の上面と下面に直角ねじれの関係で対向して配置している。上面および下面のいずれか一方の帯状の電極22eを陽極とし、他方の面の帯状の電極22fを陰極とする。陽極の電極22eと陰極の電極22fのクロスした部分が1つの検出器を形成する(特開2004−125757号公報参照)。
また、検出器の構造は図7に示す検出器(検出器群21E)のように、シンチレータ21gとフォトダイオード21hからなるピクセル単位に区切って構成されたシンチレータ検出器でもよい。
この場合、個々のシンチレータ21gの側面は、図示しない遮光材で囲われている。また、図7に示すシンチレータ検出器の変形として、ピクセル毎に区切られたシンチレータ21gと位置感応型光電子増倍管(PSPMT:Position-Sensitive Photomultiplier Tube)で構成されたものであってもよい。
次に、カメラ11に用いられるコリメータ26について、図8および図9を用いて説明する。
図8は、本実施形態のSPECT装置に用いるカメラに内蔵するコリメータを示す斜視図であり、図9は、本実施形態のSPECT装置に用いるコリメータの1つの貫通穴と検出器の配置を放射線照射方向から見た図である。
コリメータ26は鉛製であり、検出器21の入射面21fに対して垂直方向から平面視した際、見通せる方向に貫通穴27を有し、貫通穴27は碁盤目状に配置されている。また、各貫通穴27は、セプタ28によって仕切られている。
図9に示すように、本実施形態のSPECT装置1に用いるコリメータ26は、1つの貫通穴27に対しM個分の検出器21が含まれる構成となっている(図9では、1つの貫通穴27に対し4個分の検出器21を含む構成の場合を示す)。なお、Mは整数でなくてもよい。以下、本実施形態のSPECT装置1に用いるコリメータ26は、検出器の入射面に対して垂直方向から平面視した際、1つの貫通穴27に対し4個分の検出器21を含む構成であるとして、説明する。
また、本実施形態のSPECT装置1に用いるコリメータ26のセプタ28は、図9に示すように、検出器21の入射面21fに対して垂直方向から平面視した際、この検出器21同士の間の境界線32上に配置される。この構成では、コリメータ26の位置がずれると、後述のように、短周期のリングアーチファクトが現れる。
図10は、本実施形態のSPECT装置に用いるコリメータと検出器と漏れ放射線の関係を説明する断面模式図である。
図2から図7に示す一般的なピクセル型の検出器21は、検出器21と検出器21の間にすき間などがあることから不感領域31(図10参照)がある。
ここで、コリメータ26(セプタ28)の高さをl、コリメータ26(セプタ28)と検出器21との距離をΔl、セプタ28の厚さをt、検出器21の中心から隣接する検出器21の中心までの距離(即ち、検出器21のピッチ)をd、不感領域31の長さをTとする。また、一つのセプタ28の中心から次のセプタ28の中心までの距離(即ち、セプタ28のピッチであり、貫通穴27のピッチ)は2dとなり(図9参照)、貫通穴27の一辺の長さは、2d−tとなる。
このことより、セプタ28付近の放射線分布は、コリメータ26の位置に強く依存する。放射線分布が変化すると、検出器21で検出される放射線のカウント数および点応答関数が変化する。
ここで、Mが1より大きいとき、コリメータ26がずれると、ある検出器21上にセプタ28が位置し、別の検出器21上にはない、というように感度ムラが生じ、取得イメージおよび点応答関数が変化する。この感度ムラは周期的な筋状となる。なお、感度ムラは、セプタ28と検出器21の位置関係で決まるため、周期は数ピクセル程度の短い周期となる。
図13に、コリメータ26の位置ずれが無い場合(位置ずれ量0%)と、x方向(図8参照)に検出器21のピッチdの7.14%だけコリメータ26の位置がずれた場合(位置ずれ量7.14%)とにおいて、シミュレーションによって得られた再構成画像の差の絶対値を示す。図13に示すように、コリメータ26の位置ずれ量が約0.1mmである場合にも、筋状のアーチファクトが出現していることが確認できる。このアーチファクトによって、再構成画像の細かい構造が失われ、画質が大幅に劣化する。
次に、コリメータ26の位置ずれ量(コリメータ位置情報)を推定する方法について説明する。
図14は本実施形態のSPECT装置のコリメータを用いた構成の撮像シミュレーションの結果である。
なお、モンテカルロ法を用いたシミュレーションにおいて、面線源をコリメータ26の上端から50mmの位置とし、l=26mm、Δl=6mm、d=1.4mm、t=0.4mm、T=0.1mmとしてシミュレーションを行った。
また、図14において、(a)はコリメータ26が所定の位置にある場合(位置ずれ量=0%)、(b)はコリメータ26が所定の位置からx方向に検出器21のピッチdの7.14%ずれた場合(位置ずれ量=7.14%)、(c)はコリメータ26が所定の位置からx方向に検出器21のピッチdの14.28%ずれた場合(位置ずれ量=14.28%)を示している。
なお、「位置ずれ量=7.14%」は、d=1.4mmのときコリメータ26の位置ずれが約0.1mmであることに相当する。また、「位置ずれ量=14.28%」は、d=1.4mmのときコリメータ26の位置ずれが約0.2mmであることに相当する。
ここで、縞が明確となるように、図15に、「位置ずれ量=14.28%」におけるシミュレーション結果から「位置ずれ量=0%」におけるシミュレーション結果を除算したものを示す。即ち、図15は図14(c)から図14(a)を除算したものである。図15に示すように、コリメータ26の位置ずれにより、位置ずれの方向(x方向)と垂直な方向(y方向)に一列おきの縞が出現することがわかる。
図16は、本実施形態のSPECT装置に用いるコリメータのずれによる面線源イメージの変化量を示すグラフである。
この面線源を測定したときの面線源画像上に生じる感度変化について、山のカウント数を谷のカウント数で除算した山と谷のカウント数の比を検出器群21Aで平均した値をRとし、グラフの縦軸とした。また、検出器21のピッチdに対するコリメータ26の位置ずれ量(%)をグラフの横軸とした。
コリメータ26が所定の位置にある場合(位置ずれ量=0%)、カウント数の比Rは1となる。また、コリメータ26の位置ずれ量が大きくなるほど、カウント数の比Rは大きくなる。これは、コリメータ26の位置ずれ量が大きくなるほど、隣接ピクセルからの漏れ放射線が増えるためである。
データ処理装置12は、面線源を測定したときの画像上に生じる感度変化、即ち、面線源画像から山と谷のカウント数の比Rを計算する。
次に、データ処理装置12は、計算したカウント数の比Rから、コリメータ26の位置ずれ量とカウント数の比Rとの関係を示すグラフ(図16参照)のプロットから線形補間によって、コリメータ26の位置ずれ量を推定することができる。
即ち、x方向およびy方向にコリメータ26の位置ずれが生じた場合における山と谷のカウント数の比Rを計算し、x−yの2次元座標における山と谷のカウント比Rを2次元マップとしてあらかじめ保持する。したがって、x方向、y方向の両方向におけるコリメータ26の位置ずれ量も2次元マップから線形補間により推定可能であり、コリメータ26の設置の際には、x方向、y方向における2つの位置ずれ量を推定することができる。
次に、コリメータ26の位置ずれ量(コリメータ位置情報)を元に点応答関数を計算し、この点応答関数を用いて画像再構成する方法について説明する。
図17は、レイ・トレースによるシミュレーションを説明する図である。
点応答関数はレイ・トレースによるシミュレーションによって計算することが可能である。このシミュレーションでは、点線源40からγ線としてレイ41を飛ばし、そのレイ41が物質を横切る長さを計算して検出器21の応答を計算する。
例えば,図17に示すように、ガンマ線であるレイ41がコリメータ26のセプタ28と検出器21とを横切る長さをそれぞれL1 、L2 とすると、検出器21で検出されるカウントは,exp(−μ1 L1 )×{1−exp(−μ2 L2 )}で表すことができる。
ここで、μ1 、μ2 の値は、それぞれ、放射性薬剤から発生するγ線に対するコリメータ26と検出器21の減弱係数の値である。
このレイ・トレースによるシミュレーションにおいて、推定されたコリメータ26の位置ずれ量(コリメータ位置情報)考慮することで、実機のSPECT装置1における点応答関数を求めることができる。
図18は、本実施形態に係るSPECT装置の点応答関数の取得から臨床画像取得における再構成画像の作成までを説明するフローチャートである。
SPECT装置1は、臨床画像取得に先立って点応答関数の取得を開始する(ステップS101)。まず、作業者によりSPECT装置1にコリメータ26が設置され(ステップS102)、作業者により点応答関数の取得の指示操作がなされると、SPECT装置1は面線源による面線源画像を撮像する(ステップS103)。
SPECT装置1のデータ処理装置(位置情報推定手段)12は、面線源を用いて撮像された面線源画像の感度変化から、カウント数の比Rを計算し、コリメータ26の位置ずれ量とカウント数の比Rとの関係をプロットしたグラフから、コリメータ26の位置ずれ量(コリメータ位置情報)を推定する(ステップS104)。
データ処理装置(点応答関数計算手段)12は、推定されたコリメータ26の位置ずれ量(コリメータ位置情報)を用いてレイ・トレースによるシミュレーションにより、点応答関数を計算する(ステップS105)。
点応答関数を計算した後に、SPECT装置1は、臨床画像取得を開始する(ステップS106)。SPECT装置1は、患者データのSPECT撮像を行う(ステップS107)。
SPECT装置1のデータ処理装置(空間分解能補正手段)12は、ステップS107で撮像された画像について、ステップS105で計算された点応答関数を用いて逐次近似再構成により画像を再構成する(ステップS108)。
再構成された画像はSPECT装置1の表示装置13に表示される(ステップS109)。
したがって、本実施形態に係るSPECT装置1においては、ステップS102において、極めて高い精度のコリメータ26の位置合わせを要求しなくても、好適な再構成画像を取得することができるので、コリメータ26の位置合わせにかかる時間を短縮できる。
データ処理装置12は、このとき、コリメータ位置情報を元に計算した点応答関数を用いて、面線源画像(B)をシミュレーションする。
データ処理装置12は、実測して得られた面線源画像(A)をシミュレーションによって求めた面線源画像(B)で除算して感度補正データを作成する。この感度補正データによって被験体15を撮像したときのデータを補正することにより、コリメータ26における歪みや検出器21の位置ずれによる影響を低減することが可能となる。
また本発明は、図19に示すように、検出器21がモジュール単位で実装されている場合、つまり、複数の検出器21が1つのモジュール基盤上に配置され検出器モジュール21Mを形成し、それらの検出器モジュール21Mを複数配置することによって1枚の検出器パネル21Fを形成している場合にも適用可能である。
検出器21がモジュール単位で実装されている場合、モジュール間に位置ずれが発生していると、検出器モジュール21M毎にコリメータ26の位置ずれ量は変化する。そこで、検出器モジュール21M毎にコリメータ26の位置ずれ量を推定し、検出器モジュール21M単位で点応答関数を求め、それらの点応答関数を逐次再構成に組み込むことで、検出器モジュール21Mのモジュール間に位置ずれが発生している場合でも、アーチファクトを発生せずに空間分解能を補正した画像を作成することが可能となる。
第1実施形態で説明したSPECT装置1は、コリメータ26の位置情報を推定し、推定したコリメータ位置情報から点応答関数を計算し、好適な再構成画像を得るものである。
これに対し、第2実施形態に係るSPECT装置1は、第1実施形態に係るSPECT装置1の構成に加え、コリメータ26をx、y方向に高精度で移動制御することが可能なコリメータ移動機構(図示せず)を有している。
第2実施形態に係るSPECT装置1は、コリメータ26を設置した後、第1実施形態と同様に、面線源を撮像し、データ処理装置12によりコリメータ26の位置ずれ量(コリメータ位置情報)を推定する。
第2実施形態に係るSPECT装置1は、推定されたコリメータ26の位置ずれ量に基づいて、コリメータ移動機構(図示せず)により、コリメータ26と検出器21との位置のずれが解消するようにコリメータ26を移動する。
第2実施形態に係るSPECT装置1によれば、コリメータ26の位置ずれが無い場合の点応答関数を予め求めておけば良く、コリメータ位置情報を元に点応答関数を計算しなおす必要が無い。
10 ガントリ
11A,11B カメラ(撮像装置)
12 データ処理装置(位置情報推定手段、点応答関数計算手段、空間分解能補正手段)
13 表示装置
14 ベッド
15 被検者
21 検出器
21A,21B,21C,21D,21E 検出器群
21F 検出器パネル
21M 検出器モジュール
21f 入射面
21g シンチレータ
21h フォトダイオード
22a,22b,22d,22e,22f 電極
22c 共通電極
23 検出器基板
24 ASIC基板
25 ASIC(放射線計測回路)
26 コリメータ
27 貫通穴
28 セプタ
29 遮光・γ線・電磁シールド
30 境界面
31 不感領域
32 境界線
40 点線源
41 レイ
Claims (4)
- 放射線を測定する検出器と、
セプタで仕切られ、前記検出器の前記放射線の入射面に対して垂直方向から平面視した際、見通せる方向に貫通穴を有し、前記放射線の入射方向を制限するコリメータと、
データ処理装置と、を備える放射線撮像装置であって、
前記コリメータの前記貫通穴には、前記垂直方向から平面視した際、複数の前記検出器が配置されており、
前記データ処理装置は、
前記検出器に対する前記コリメータの位置情報を推定する位置情報推定手段と、
前記コリメータの位置情報を元に点応答関数を計算する点応答関数計算手段と、
前記点応答関数を画像再構成に組み込むことで空間分解能を補正する空間分解能補正手段と、を有する
ことを特徴とする放射線撮像装置。 - 前記位置情報推定手段は、
面線源を測定したときの画像上に生じる感度変化から前記コリメータの位置情報を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。 - 放射線を測定する検出器と、
セプタで仕切られ、前記検出器の前記放射線の入射面に対して垂直方向から平面視した際、見通せる方向に貫通穴を有し、前記放射線の入射方向を制限するコリメータと、を備え、
前記コリメータの前記貫通穴には、前記垂直方向から平面視した際、複数の前記検出器が配置される放射線撮像装置において、
面線源を測定したときの画像上に生じる感度変化から前記検出器に対する前記コリメータの位置情報を推定することを特徴とするコリメータの位置推定方法。 - 請求項3に記載のコリメータの位置推定方法を用いて前記コリメータの位置情報を推定し、
推定された前記コリメータの位置情報に基づいて前記コリメータを移動させる移動機構を有することを特徴とする放射線撮像装置。
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