JP4250180B2 - 放射線撮像装置およびそれを用いた核医学診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入射放射線分布を取り込む放射線撮像装置およびそれを用いた核医学診断装置に関するものであり、特に中高エネルギγ線の撮像に関するものである。
放射線計測装置を医療分野に応用した装置として、ガンマカメラ装置、単一光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT:Single Photon Emission Computed Tomography)装置のような核医学診断装置が用いられている。これらの装置はγ線を検出する検出器と検出器に入射するγ線の方向を規定するコリメータからなるシステムである。これらの装置に使用されている放射線検出器はシンチレータと光電子増倍管とを組み合わせたものがほとんどである。これらの装置に用いられているシンチレータは一般的には一枚の大きな結晶で、ガンマカメラ装置、SPECT装置ではNaI(Tl)シンチレータが広く用いられている。シンチレータは放射線が入射すると発光するもので、その微弱な光を複数の光電子増倍管で増幅し、放射線を検出する。放射線の検出位置決定は、複数の光電子増倍管の出力信号から重心演算により行なう。すなわち、アナログ的な位置出力を持った計測装置である。シンチレータは9mm〜15mm程度の厚みがあり、入射γ線が反応したシンチレーション光分布と光電子増倍管による重心演算による統計的なばらつきのために検出器自身の空間分解能(固有分解能)は約3mmが限界である。
一方、近年、画像ピクセルに対応した離散的な検出画素単位、いわゆるピクセル型のCsI(Tl)シンチレータとフォトダイオードを用いたガンマカメラ(非特許文献1、頁79−80)や放射線を直接電気信号に変換することのできるピクセル型半導体検出器(非特許文献2、頁76−77)等、デジタル的な位置出力を持った核医学診断装置が開発されてきている。1つの検出画素を構成する半導体検出器の幅は1.4mmのものも開発されており、固有分解能に相当する値としては約1mmとすることも可能である。
コリメータとしては、多数の細長い放射線通路が並列に配列され、検出器面に対して垂直な入射γ線のみを通過させ、撮像対象の投影(プロジェクション)を得る平行多孔(パラレルホール)コリメータが用いられている。
これらガンマカメラ装置、SPECT装置では、撮像対象とするγ線のエネルギによって、必要とされるコリメータの形状や検出器の厚みが異なる。汎用的に用いられているγ線源である99mTc(140keV)向けの低エネルギγ線撮像用のパラレルホールコリメータでは、γ線を通過させる開口部の孔径は1〜2mm程度、斜め方向のγ線の入射成分を抑制する放射線通路間の隔壁(セプタ)は0.2〜0.3mm程度と薄く、放射線通路の長さは30〜50mm程度である。
一方、67Ga(300keV)や131I(367keV)といったγ線源からの中高エネルギγ線ではγ線の透過力が大きいため、隣接放射線通路への入射γ線の貫通(ペネトレーション)抑制のために、セプタの厚みは1〜2mmを要する。また、コリメータの開口面積の減少による感度低下を補うために、開口部の孔径の大きさも4mm程度と大きめに設定される。また、検出器のγ線入射方向の奥行き長さは、十分な検出感度のためには低エネルギγ線用のものに比べて厚くすることが望ましい。汎用的なNaIシンチレータ検出器では低エネルギγ線用のものでおよそ10mm厚、高エネルギγ線用のものでは20mm厚程度のものが用いられている。
低エネルギγ線用の高分解能パラレルホールコリメータ[LEHRコリメータ(LEHR:Low Energy High Resolution)]と、中高エネルギγ線用の汎用パラレルホールコリメータ[HEGPコリメータ(HEGP:High Energy-General Purpose)]とを比較すると、コリメータの開口部の孔形状はどちらも六角形であるが、HEGPコリメータではLEHRコリメータに比べてセプタが非常に厚く、孔径が大きく、かつ検出器の奥行き長さが長くなっている。高エネルギγ線の撮像では、検出器の奥行き長さが長くなっているため、検出器自体の固有分解能が悪くなっている。加えて、コリメータの開口部の孔径が大きいことから、点線源の撮像分布はLEHRコリメータの撮像分布に比べて幅広になり、空間分解能が著しく劣化する。
一方、体積線源の撮像分布は、各開口部の点線源応答関数の集合の重ね合わせとして表され、LEHRコリメータではおおよそ均一な形として得られるが、HEGPコリメータでは、セプタの陰影が撮像分布上に現れ、画質の低下を招き、画像診断上致命的な障害となっていた。また、厚いセプタにより、コリメータの開口率が減少し、感度の低下を招いていた。
このようなパラレルホールコリメータの問題は、本質的に孔が密接して並んでおり、かつ、入射γ線をコリメートするためにセプタ厚が必要なことにある。低エネルギγ線の撮像ではセプタ厚は薄いため、空間分解能に対して影響は無視しうる範囲であったが、高エネルギγ線の撮像では、この方式の問題点が顕在化し、適用が困難になった。
このようなセプタ厚の影響を生じないコリメータとしてピンホールコリメータがある。ピンホールコリメータは拡大撮像によって高空間分解能を得ることを目的としたものである。しかしながら、ピンホールコリメータはパラレルホールコリメータに比べて撮像視野が狭い、視野周辺で分解能が劣化し画像が歪む、感度が低いという問題がある。撮像視野は検出器面から開口部の孔を通して見込める範囲(見込み角)で決まってくる。見込み角が小さければ、視野はいっそう狭くなる。点線源を撮像すると、入射γ線は斜めに入射するほど検出器を横切る距離が長くなり、撮像視野周辺部ほど撮像分布が幅広になる。検出器への斜め入射による撮像視野周辺部の歪みを低減するために、孔の開口角を制限する必要があり、検出器と孔との距離がパラレルホールコリメータの場合よりも長くなる。孔の孔径が小さいことと、この距離が長いことにより、多くの場合、ピンホールコリメータはパラレルホールコリメータより感度が低下する。
高エネルギγ線の撮像でピンホールコリメータを用いる場合、検出器のγ線入射方向の奥行き長さの増加によって撮像視野周辺の歪みが一層増大するため、これを改善しようとコリメータ開口部の開口角をより小さく絞り、開口部と検出器との距離をより長くすると、撮像視野が一層小さくなるとともに、感度が低下する。さらに、開口部の縦断面の形状がナイフエッジ形状の場合、開口部周辺の遮蔽の薄いところで高エネルギγ線のペネトレーションが生じ、物理的な開口部の孔径よりも実効孔径が大きくなり、拡大撮像を行っても所望の高分解能を得ることは難しい。このことからも、開口角はより絞られることになり、検出器と開口部との距離が長くなり、感度が一層低下する。
核医学検査技術学 日本放射線技術学会 オーム社、平成14年4月30日
以上の問題に鑑み、本発明はかかる問題を解決することを課題とし、中、高エネルギγ線撮像において、前記従来のパラレルホールコリメータのようなコリメータの孔径、セプタ厚の影響がなく、かつ検出器群の大きさとほぼ同等の視野を持ち、低エネルギγ線撮像と同程度の優れた分解能と感度を有する放射線撮像装置とそれを用いた核医学診断装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明は、第1の回転中心軸を中心に回動可能なカメラ部を備え、該カメラ部は、その入射面側に複数の放射線通路が形成されたコリメータと、各放射線通路に対して放射線通路を通過する放射線を検出する複数の放射線検出器と、を有する放射線撮像装置において、コリメータの放射線通路は、放射線検出器側に向かって断面が、末広がりとなる形状であって、放射線検出器は、所定のサイズのものが各放射線通路に対して回動方向に複数配置されており、カメラ部は、1方向からの投影像を撮像する際に、回動方向における放射線検出器のサイズに応じて設定された第1の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像することを特徴とする。
また、前記放射線撮像装置を用いた核医学診断装置は、放射線検出信号を処理し、画像化するデータ処理装置と、を備え、データ処理装置は、1方向からの投影像を画像化する処理において、前記第1の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像された複数のデータセットを用いることを特徴とする。
本発明によれば、高エネルギγ線の撮像において、低エネルギγ線撮像と同程度の優れた分解能と感度を有する放射線撮像装置とそれを用いた核医学診断装置を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を示す。本発明ではガンマカメラ、SPECT装置で特に有効であり、始めにガンマカメラとしての使用方法、次にSPECT装置としての使用方法について述べる。第1、第2の実施形態では、本発明の原理を利用したそれぞれ異なるコリメータによる構成例を示しており、ガンマカメラとしての適用例について述べる。第3の実施形態では、本発明におけるコリメータの特性を最大限に生かしたSPECT装置での撮像方法への適用について述べる。第4の実施形態では低エネルギγ線の撮像について述べる。第5の実施形態では、本発明のコリメータの構造について変形例を示す。
《第1の実施の形態》
次に、本発明の第1の実施の形態に係る核医学診断装置であるガンマカメラ装置について、図1および図2を参照しながらまず説明し、続いてSEPCT装置について説明する。
図1に示すように、核医学診断装置1Aは、放射線撮像装置3Aとデータ処理装置5と被検体2を載せるベッド12を含んで構成されている。放射線撮像装置3Aはガントリ10、このガントリ10に保持されたカメラ部11(図中、11A、11B)を含んで構成されている。以下、特別に断らない限り、カメラ部11A、11Bを総称してカメラ部11と称する。
カメラ部11は、ガントリ10に保持される部分に、それぞれ被検体2の体軸に平行で、カメラ部11の入射面の中心(視野の中心)を通る入射面と垂直の軸に直交する回転中心軸X1(第1の回転中心軸)を有し、矢印R1で示す方向に回動可能となっているとともに、ガントリ10の中心部分の円筒形の開口部14の回転中心軸X2(第2の回転中心軸)を回転の中心として、前記開口部14周囲を矢印R2のように旋回(公転)可能となっている。図1中、カメラ部11Aのみ回転中心軸X1と回動方向を示す矢印R1を示すが、カメラ部11Bも同様である。さらに、カメラ部11は、回転中心軸X2の径方向内方および外方に矢印Yで示すように移動可能であるとともに、矢印Z1で示すように回転中心軸X1方向(被検体2の体軸方向)に所定距離だけ移動可能となっている。
また、図1ではカメラ部11A、11Bは互いに180°対向するように配置してガントリ10に保持されているが、互いに干渉しない範囲で、例えば、互いに90°をなすように配置することも、また、カメラ部11A、11Bを2つ並べて平面状に配置することも可能である。
被検体2の体軸は前記回転中心軸X2とほぼ一致するように図1に示すベッド12の台座が設定されており、台座はベッド12を矢印Z2で示すように被検体2を体軸方向にスライドして、ガントリ10の開口部14内に体軸方向の任意の位置を設定可能なベッド12を駆動する図示しない駆動機構を内蔵している。
データ処理装置5は、表示装置13、図示しない記憶部、画像処理部等を含んで構成されている。データ処理装置5の画像処理部は、カメラ部11の放射線検出器(以下、単に検出器と称する)21(図2参照)の放射線検出信号を検出器21のID情報信号とともに取り込むとともに、カメラ部11の回転中心軸X1回りの角度位置信号、カメラ部11それぞれの回転中心軸X2回りの角度位置信号を取り込んで、画像化処理を行い、平面投影画像を生成し、表示装置13に表示し、また、記憶部に記憶する。
被検体2は、放射性薬剤、例えば、半減期が6時間の99mTcを含んだ薬剤を投与され、ベッド12に載せられ、体内の99mTcから放出されるγ線をガントリ10に保持されたカメラ部11で撮像される。
図2に示すようにカメラ部11(図2中、11A、11B)は、コリメータ30と多数の検出器21を内蔵している。コリメータ30は被検体2の体内から放出されるγ線のうち一定方向のγ線のみを通過させることによって、コリメータ30の入射面に入ったγ線を選別する。コリメータ30を通過したγ線を検出器基板23上に平面的に多数配置された検出器21で検出する。カメラ部11は、検出器21からのγ線検出信号を信号処理するための集積回路(ASIC)25やFPGA(Field Programmable Gate allay)27などを装着したASIC基板24を備える。γ線検出信号は、検出器基板23、ASIC基板24を介して、ASIC25、FPGA27にて波高値や検出時刻を測定し、そのデジタル情報、γ線を検出した検出器21のID情報をデータ処理装置5に出力する。これらコリメータ30、検出器基板23、ASIC基板24は、例えば、鉄、鉛等でできたシールド筐体26によってコリメータ30の入射面以外が覆われ、光、γ線、電磁波から遮断されている。入射面はアルミニウム等γ線を透過し易い金属板材で覆われており、光、電磁波から遮断されている。
図2では、総称としてコリメータ30と表示するが、以下の説明では、コリメータ30の形状の違いにより、符号を変えて説明する。
次に、本実施の形態の特徴であるコリメータ30の形状と検出器21の配置について詳細に説明する。先ず、本実施の形態における検出器21について説明する。
(放射線検出器)
カメラ部11に用いる検出器21の例を、図3から図7を参照(適宜、図2参照)しながら説明する。例えば、図3は、検出器基板23(図2参照)にCdTe半導体を用いた半導体放射線検出器21Aを2次元に配列し、個々の半導体放射線検出器21Aが1つの検出画素を構成している場合を示している。図3において上面側が半導体放射線検出器21Aの入射面21bであり、電圧を印加する電極21a、21cは側面に配置される。従って、1枚の大きな結晶からなるシンチレータと異なり、半導体放射線検出器21Aからの検出信号は、画像ピクセルに対応する検出画素単位で収集される。
検出器21は、図4に示すように1枚のCdTe半導体の基板に対して、共通電極21dを前記CdTe半導体の基板の一方の面、つまり、入射面21b側の全面に配し、入射面21bの反対側の面に検出画素毎に1つの電極21eを配置して、電極21eの1個分に相当する面積部分のCdTe半導体の基板と共通電極21dとで、それぞれが検出画素毎に対応した半導体放射線検出器21Bを構成するものであっても良い。γ線は半導体放射線検出器21Bの入射面21b側の電極21dを通過してCdTe半導体層でそのエネルギを失い、半導体放射線検出器21Bが検出信号を出すことになる。
次に、図4に示す半導体放射線検出器21Bの変形例を図5、図6に示す。図5に示す半導体放射線検出器21Cは、1枚のCdTe半導体の基板に対して、ダイシングによって形成された溝で個々の半導体放射線検出器21Cに区切られた構造をしている。(a)は入射面21bを上面にした斜視図であり、(b)は入射面21bの反対側を上面にした斜視図であり、1枚のCdTe半導体の基板に対して、入射面21b側は全面の共通電極21dを配置し、前記CdTe半導体の基板の入射面21b側と反対面に検出画素毎に1つの電極21eを配置している。
図6に示す半導体放射線検出器21Dは、1枚のCdTe半導体の基板に対して、複数の帯状の電極21fを前記CdTe半導体の基板の上面と下面に直角ねじれの関係で対向して配置している。上面および下面のいずれか一方の帯状の電極21fを陽極とし、他方の面を陰極とする。陽極の電極21fと陰極の電極21cのクロスした部分が1つの半導体放射線検出器21Dを形成する(特開2004−125757号公報参照)。
また、検出器21の構造は、図7に示すようにシンチレータ21dとフォトダイオード21eからなる検出画素単位に区切って構成されたシンチレータ検出器21Eでも良い。この場合、個々のシンチレータ21dの側面は、図示しない遮光材で囲われている。また、図7のシンチレータ検出器21Eの変形として、検出画素毎に区切られたシンチレータ21dと位置感応型光電子増倍管(PSPMT:Position-Sensitive Photomultiplier Tube)で構成されたものであっても良い。
(コリメータ)
次に、図8から図10を参照しながら本実施の形態の特徴であるコリメータ30Aを説明する。
図8の(a)に示すようにコリメータ30Aは、多数の放射線通路31を有し、そのセプタはコリメータ部材30a、30bから構成されている。コリメータ30Aは、回転中心軸X1の周方向(被検体2の体軸の周方向)にはピンホールコリメータのように複数の検出画素を含む多数の放射線通路31を有する形状にコリメータ部材30aが配されており、回転中心軸X1方向(被検体2の体軸方向)にはパラレルホールコリメータのようにコリメータ部材30bが配されている。
以下、コリメータ30A、検出器21の寸法諸元を説明するときに用いる「体軸方向」とは、被検体2の体軸方向を、「周方向」とは、特別に断らない限り被検体2の体軸回りの方向を指す。
放射線通路31の断面形状は検出画素の形状に合わせて矩形である。従って、個々の放射線通路31の矩形の断面の前記回転中心軸X1方向(被検体2の体軸方向)の辺は、放射線通路31に沿って一定長さであり、周方向の辺は、放射線通路31に沿って入射面側の開口部(コリメータ孔)33の断面が絞りこまれ、前記検出器21側に向かって扇形に末広がりとなっている。
このような放射線通路31の断面形状を構成するコリメータ部材30aは、回転中心軸X1方向に見た断面が、検出器21側を頂点、入射面側を底辺とする頂角が小さい鋭角のほぼ二等辺三角形に近い形状であり、体軸方向の厚さは所定値、例えば、後記する検出器幅Waと同じ1.4mm厚である。コリメータ30Aは、コリメータ部材30aを周方向に所定のピッチWcpで、例えば、4.2mmのピッチで配列させ、所定の厚さ、例えば、1.4mm厚の板状のコリメータ部材30bを介設して、コリメータ部材30aとコリメータ部材30bを交互に体軸方向に積層させたような構成である。つまり、体軸方向にはピッチWca、例えば、2.8mmとなっている。
図8の(b)に示すように、コリメータ30Aの入射面側から見た開口部33の孔形状は、周方向の幅が狭い矩形であり、(a)におけるA−A矢視断面を示す(c)のように、一つの放射線通路31の検出器21側の開口部35には周方向に3個一列に検出器21が配される(所定のサイズの検出器が回動方向に複数配される)配置関係となっている。
次に、図9および図10を参照しながらコリメータ30Aの体軸の径方向断面の詳細な寸法の1例を説明する。
ここでは、検出器21は、CdTe半導体を用いた前記半導体放射線検出器21A、21B、21Cのいずれかである。その外形寸法は、体軸方向および周方向のそれぞれの検出器幅、Wa(図示せず)、Wpが、ともに、例えば1.4mmであり、奥行き長さDが、例えば10mmである。検出器21の奥行き長さDの内部に入射γ線の吸収に対する検出器実効中心Pを仮定する。この検出器実効中心Pは、検出器21の奥行き方向におけるγ線の吸収による減衰の効果により、厳密には奥行き長さDの中央位置よりコリメータ30Aの入射面側寄りである。
なお、コリメータ30Aの開口部33の孔の最狭隘部分をコリメータ孔中心Pcとする。コリメータ孔中心Pcを連ねた平面が、コリメータ30Aにおける本発明の開口部面に対応する。また、検出器実効中心Pを連ねた平面が、コリメータ30Aにおける本発明の放射線検出器の配列面に対応する。
コリメータ孔中心Pcの位置において、開口部33の周方向の孔幅Dcpは1.2mm、体軸方向の孔幅Dca(図示せず)は1.4mmである。DcpがDcaより小さいのは後記するSPECT撮像における断層像での分解能の向上を重視したためであり、Dcaと同じ1.4mmでも構わない。
また、回転中心軸X1とコリメータ孔中心Pcとの距離Lは、例えば、100mm、コリメータ孔中心Pcと検出器実効中心Pとの距離Lcは、例えば、50mmである。
図9の(a)のB部拡大を図10の(e)に示す。開口部33の入射面側の周方向(回動方向)の開口角φ1Pの半値は3.09°、検出器21側の周方向の開口角φpの半値は1.72°である。コリメータ30Aは、体軸方向にはパラレルホールコリメータであるので、開口部33の入射面側の体軸方向の開口角φ1a(図示せず)および検出器21側の体軸方向の開口角φa(図示せず)はそれぞれ0°である。このような開口部33の孔幅Dcp、開口角φ1P、φp、検出器21の幅Wp(所定のサイズ)、コリメータ孔中心Pcと検出器実効中心Pとの距離Lc、それぞれの設定は、図10の(a)〜(d)に示す見込み角をなすように設定されている。開口角φ1P、φpの設定の考え方については、後記する。
開口部33は、コリメータ孔中心Pcを境にして、検出器21側の周方向の開口角φp、入射面側の周方向の開口角φ1Pを持っている。いろいろな角度でカメラ部11の入射面に入射するγ線の感度分布を揃えるために、入射面側と検出器側では開口角φ1Pと開口角φpとが異なっている。検出器幅Wp、検出器奥行き長さDとすると、開口角φpは、次式で求められる角度程度もしくはそれよりも小さくなるような角度であれば、1つの放射線通路31の見込む検出器21の数は、図9に示すような3個より多くても構わない。
φp=2×tan−1[Wp/D] ・・・・・・・・・・・・・(1)
この開口角φpは、図9の(b)に示すように、検出器21の放射線通路31に対して斜めに入射するγ線がおよそ1検出器21内に収まるように設定するために求めた目安である。本実施の形態では検出器21にCdTeを用いているため、NaIシンチレータに比べて放射線の阻止能が高く、奥行き長さDが10mmのCdTeは16mm厚の中高エネルギγ線撮像向けのNaIシンチレータに相当する。検出器幅Wpが1.4mmであるので、開口角φpはおよそ16°となるが、隣接する検出器21への斜め貫通入射を低減するために、検出器21を3個周方向に配列するとし、開口角φp=3.44°に狭めている(図10の(e)参照)。
検出器幅Wp1.4mmに対して、検出器実効中心Pとコリメータ孔中心Pcまでの距離Lcが50mmとすると、3個1列の中央の検出器21から見て、開口部33を見込む角度範囲は図10(c)に示すように片側1.49°である。図10の(b)、(d)に示すように3個1列の検出器21の左右の検出器21でも同等の見込み角を維持するためには入射面側の開口角は図10の(e)に示すように片側3.09度となる。
前記したピンホールコリメータにおける孔エッジのペネトレーションの問題を低減するためには入射面側、検出器側双方に開口角を持つ図10の(e)のようなタイプが望ましい。
図10の(a)に示すように、コリメータ孔中心Pcにおける開口部33の孔幅Dcpの中央Pから放射線通路31の3個の検出器21の内の中央の検出器21と、それに隣り合う検出器21のそれぞれの検出器実効中心Pの配置ピッチを見込む角度θpは1.60°となる。図10の(b)〜(d)は1つの放射線通路31を通して各検出画素の検出器21に入射する見込み角を示す図であり、いずれの検出器21に対してもほぼ同等の見込み角度である。
このように構成したコリメータ30Aにおいて、コリメータ部材30aは検出器21側で薄肉になっているが、コリメータ孔の間隔が3検出画素毎であることと、コリメータ部材30aが形成する開口角φpによって入射角を制限していることにより、放射線通路31に斜めに入射可能なγ線は、コリメータ部材30aの放射線通路31に面した面に斜めに入射し、その通過距離が十分にγ線を吸収できる距離とすることができる。例えば、67Gaの300keVのγ線では、鉛での平均自由行程はおよそ2.4mmであるが、コリメータ30Aでは、斜めの入射線に対する最小通過距離として10mm以上を得ることができ、ペネトレーションを中エネルギγ線用MEGP(MEGP:Middle Energy-General Purpose)コリメータと同程度の1%台まで抑えることができる。仮にLEHRコリメータを用いた場合は、300keVのγ線では40%以上ものペネトレーションを生じ、画像上深刻な影響を与える。したがって、検出器21側を薄くしてもγ線の隣接する放射線通路31へのペネトレーションを十分低く抑えることができる。その結果、従来のガンマカメラ装置のカメラ部において発生していたコリメータ部材30aにより検出器21が配置できないデッドスペースが周方向に減じられ、感度を増加させることとなる。
なお、コリメータ部材30a、30bは、鉛、またはタングステン製であり、特に開口部33近傍は孔形状を維持する観点からも硬度の高いタングステンを用いることが望ましい。
(撮像方法及び画像化方法)
次に、このコリメータ30Aの構成と検出器21の配置による投影像の撮像方法と、核医学診断装置(ガンマカメラ装置)1Aの画像処理部における画像化方法について図11から図18を参照(適宜、図1参照)しながら説明する。
本実施形態ではコリメータ形状が周方向と体軸方向で異なるため、先に本方式の大きな特長である周方向の投影像の撮像方法について説明する。
(周方向の投影像の撮像方法)
本実施の形態では図1に示すようにカメラ部11の回転中心軸X1が回転中心軸X2の周方向角度の一つのカメラ位置において、カメラ部11の入射面が回転中心軸X2の径方向に垂直に内方を向いている状態を、回転中心軸X1に対して0°とする。そして、0°を中心にして一方側を+、他方側を−の角度とここでは称する。パラレルホールコリメータを用いたガンマカメラ装置における撮像では、通常、回転中心軸X2の周方向角度の一つのカメラ位置において、カメラ部11の入射面に垂直な方向からのγ線入射成分に対して、検出器21の全面積分の投影(プロジェクション)が得られる。これに対し、本実施の形態の核医学診断装置1Aでは、カメラ部11の入射面が回転中心軸X1に対して0°の状態におけるカメラ部11の入射面に対して、垂直な方向から入射するγ線の成分を「垂直成分」と定義すると、この入射面の角度設定状態において、図11に示すように「垂直成分」以外の周方向に斜めに入射面に向かうγ線成分も含む複数本の異なる方向の投影が得られる。また、例えば、図12に示すコリメータ30Aが回転中心軸X1に対して0°の状態におけるように、前記「垂直成分」はそれぞれの開口部33を通して、各放射線通路31の周方向に配置した検出器21の一つ、例えば、図12中に説明のために検出器IDとして1〜53までの数字をあてがった検出器21のうち、3k(k=1〜17)の検出器IDの検出器21にだけ入射する。
そこで、本実施の形態は、コリメータ30Aの開口部33の位置を周方向にずらすために回転中心軸X1に対して0°を中心にして所定のステップ幅θpだけ回動させた位置でも撮像し、それぞれのカメラ位置で「垂直成分」による検出器21の出力(撮像分布)を集めることを特徴としている。本実施の形態では、1つの放射線通路31に周方向に3個検出器21が配列されているので、回転中心軸X1に対して0°を含む3つの角度位置で撮像する。
コリメータ孔中心Pcと検出器実効中心P間の距離Lc、検出器幅Wpとしてカメラ部11の回動する回転中心軸X1の位置は、コリメータ孔中心Pcと回転中心軸X1との距離をLとして、整数mに対して(2)式で決める。整数mは、例えば、m=2とする。このとき回転中心軸X1に対し(3)式で与えられるステップ幅θpで回動し、角度位置−θp、±0、+θpにおいて撮像する。
L=m×Lc ・・・・・・・・・・・・・(2)
θp=tan−1(Wp/Lc) ・・・・・・・・・・(3)
ただし、mは1つの開口部33に対応する周方向1列分の検出画素数(この例では3)の倍数を除く整数である。整数としているのは、図中に示している回転中心軸X1の位置が、γ線の入射方向と反対側である検出器側にあってもよいため(m<0を考慮)である。
コリメータ30Aが回転中心軸X1に対して角度0°の状態における入射面に対して入射するγ線の「垂直成分」による撮像の場合の例を、具体的に図12から図15を参照しながら説明する。説明のために、検出器21の下側に番号を付して周方向の検出器21それぞれのIDとしてある。回転中心軸X1に対して0°のときの、入射面に垂直方向のγ線成分の投影(プロジェクション)は、図12に示すように回転中心軸X1の周方向の3個1列に配列された検出器21のうちの中央の検出器IDが3k(k=1〜17)の検出器21に、つまり、周方向に3個目毎の飛び飛びの位置として得られる。ここでは、説明のために入射γ線の「垂直成分」を検出している検出器21を黒く塗りつぶしてある。γ線を検出している当該検出器21はそれぞれ検出したγ線の数に応じた数の検出信号を出力する。
図12はコリメータ30Aが回転中心軸X1に対して0°の角度位置における検出器21への投影ラインと検出器21の出力分布(撮像分布)、図13は同じく−1.6°の角度位置における検出器21への投影ラインと検出器21の出力分布(撮像分布)、図14は同じく+1.6°の角度位置における検出器21への投影ラインと検出器21の出力分布(撮像分布)であり、ステップ毎に投影ラインを太実線、中太実線、中太破線に分けて示す。
図15は3ステップ幅分のプロジェクションデータの重ね合わせである。この例では1つの開口部33から見込む検出器21は3個であるため、1方向からのプロジェクションは3検出器位置毎に得られる。このように各角度位置における垂直成分を検出する検出器位置は既知である。そして、図12、図13、図14のようにカメラ部11を、回転中心軸X1を中心にして開口角θp=1.6°ステップ幅で回動させて得られた3ステップ分の投影像にもとづいて、データ処理装置5の画像処理部において「垂直成分」を検出している信号(図12、図13、図14における黒く塗りつぶした検出器21からの信号)のみを抽出して、図15に示す3種の投影ラインのように1.4mm間隔で、全検出器21分で構成される1つの方向の「垂直成分」による平面投影画像を生成する。
このようにして通常のパラレルホールコリメータと全く同じ完全なプロジェクションデータを得ることができる。なお、ピクセル型の検出器では、コリメータの開口部(コリメータ孔)のピッチと検出器とのピッチずれから画像にモアレが発生するため、コリメータの開口部が検出器21と完全に一致しているピクセルマッチドコリメータが望ましいとされている。図11から図15中の1つの投影ラインは1検出器21分に相当するので、コリメータ30Aは検出器21毎に区切られたピクセル型の検出器21に対して、実質的に十分ペネトレーションが抑えられた無限小のセプタ厚のピクセルマッチドコリメータを実現したことになる。このことは、高エネルギγ線の撮像においても、ピクセル型の特性を生かした高空間分解能の低エネルギγ線撮像と同程度の画質の画像が得られることを意味している。また、セプタの陰影の影響がないため、コリメータの幾何分解能によるボケを補正する開口補正も行いやすくなり、さらに高空間分解能化も期待できる。
次に、実際に点線源70を撮像する場合について図16から図18の(a)、(b)を参照しながら説明する。点線源70とコリメータ孔中心Pcとの距離Lは100mmと仮定する。各図の(a)は点線源70から検出器21への投影ラインを示し、各図の(b)は検出器21の出力分布を示している。図16はコリメータ30Aが回転中心軸X1に対して−1.6°の角度位置における検出器IDが3k+1(k=1〜17)の検出器21への投影ラインとその検出器21の出力分布(撮像分布)、図17は同じく0°の角度位置における検出器IDが3k(k=1〜17)検出器21への投影ラインとその検出器21の出力分布(撮像分布)、図18は同じく+1.6°の角度位置における検出器IDが3k−1(k=1〜17)検出器21への投影ラインとその検出器21の出力分布(撮像分布)である。それぞれのステップにおける点線源70からのγ線の「垂直成分」による検出器21の出力を異なる種類のハッチング線で示す。図19は、前記の各ハッチング線で示した「垂直成分」による出力だけを取り出して、画像化した周方向の投影分布である。
比較として、図20にこのコリメータ30Aとほぼ同じ幾何分解能を持つ低エネルギγ線用超高空間分解能(LESHR:Low Energy Super High Resolution)パラレルホールコリメータ36Aを仮定して、同じ位置の低エネルギ点線源70Aを撮像した場合の検出器21の撮像分布を示す。ただし、セプタ厚は、0.2mm、開口部の幅1.2mm、点線源70とコリメータ孔中心Pcとの距離L=100mm、コリメータ孔中心Pcと検出器実効中心Pとの距離Lc=50mmである。低エネルギγ線なので、ほぼペネトレーションを無視できる状態で得られる分布である。本実施の形態では、図17の(c)に示すようにこれと比較してほぼ同じ分布が得られていることがわかる。
実際には図20に示すパラレルホールコリメータ36Aのセプタの厚み0.2mmでは、高エネルギγ線ではペネトレーションが数10%にも上り、もっと広がった分布になり、非常に低分解能の画像しか得ることはできない。したがってペネトレーションを抑えるために、セプタの厚い中エネルギγ線用MEGPコリメータ、高エネルギγ線用HEGPコリメータが必要となる。
本実施の形態では、開口部33のコリメータ孔中心Pcにおいて、隣接する放射線通路31との間のコリメータ部材30aの厚さは3mmであり、十分なセプタ厚を確保したのと同じ効果がある。高エネルギγ線でもペネトレーションを十分に抑えることができ、かつ、LESHR並みの高分解能の画像を得ることが可能である。MEGP、HEGPコリメータではどんなに時間をかけてもこのような高分解能の画像を得ることはできない。
次に、図21を参照しながら本実施の形態における検出器21の代わりに、一体物のNaIシンチレータ20Aをコリメータ30Aと組み合わせた場合と本実施の形態との比較について述べる。図21は、本実施の形態におけるコリメータ30Aに、一体物のNaIシンチレータ20Aを組み合わせた場合の、点線源70からのγ線の「垂直成分」により得られる撮像分布を示す。一体物のNaIシンチレータ20Aを組み合わせた場合、仮想的に周方向の検出器幅Wp1.4mmの検出画素を想定すると、1つの放射線通路31に含まれる検出画素毎に区切った3つの検出画素の出力は、それぞれの検出画素のガウス分布を重ねたような分布の集合体と類似になる。もともと一体物のNaIシンチレータ20Aは、点応答関数が離散的ではなく、ガウス分布をしており、固有分解能も3mm以上あるため、本実施の形態における検出器21の検出器幅Wp1.4mmの3倍よりも広い分布となってしまう。したがって、本実施の形態のようにガンマカメラ装置のカメラ部を回動させたとしても3検出器単位で分割されたデータにはならず、仮想的にデータをピクセル毎に分割したとしても、本発明のような画像化を行うことはできない。つまり、検出器21毎に分割されていない従来のガンマカメラ装置の一体物のNaIシンチレータ20Aでは、同じコリメータ30Aを用いても、本実施の形態のような高分解能の投影像を得ることはできない。
以上をまとめると、回転中心軸X2の周方向の1方向からの投影像を撮像する際に、回転中心軸X1(第1の回転中心軸)に対して所定のステップ幅θp、例えば、1.6°とし、回転中心軸X1回りの所定の角度位置、例えば、−1.6°、0°、+1.6°で撮像するので、放射線通路31の入射面側の開口部33周囲のセプタ部分の厚さだけ位置をずらし、かつ、入射面の角度を変えて、中・高エネルギのγ線源からの投影を高解像度で撮像することができる。本放射線撮像装置3Aを用いた核医学診断装置1Aは、回転中心軸X2の1方向からの投影像を画像化する処理において、回転中心軸X1に対する複数の角度位置で撮像された複数のデータセットを用いるので、セプタの影の効果が小さく、検出入射γ線のエネルギレベルに依らず、低エネルギγ線用のLESHR相当の空間分解能の画像を得ることができる。
(体軸方向の投影像取得方法)
続いて体軸方向の体軸方向の分布の取得方法については説明する。本実施の形態では、コリメータ30Aは、図8に示すように、体軸方向に対して1検出画素分(体軸方向の検出器幅Wa1.4mm)と同じ開口部33の孔幅Dca(1.4mm)と、1検出画素分のセプタ厚(コリメータ部材30bの厚さ=1.4mm)を有し、2検出画素ピッチ(Wca=2.8mm)で開口部33が並んでいる。したがって、回転中心軸X1の周方向の所定の複数の角度位置で撮像の後、矢印Z1方向にWa=1.4mm分カメラ部11を移動、あるいは矢印Z2方向にWa=1.4mm分ベッド12を移動して、再度、回転中心軸X1の周方向の前記所定の複数の角度位置で撮像することで、コリメータ部材30bの影になっていた部分の投影を取得する。それぞれの取得データにおいてコリメータ部材30bの影に当たる検出器データを削除し、両者を合算することで、コリメータの開口部33の体軸方向の孔幅が1.4mmで体軸方向の孔ピッチも1.4mmの、セプタ厚が無限小仮の想的なコリメータで取得した分布と同様の高空間分解能な分布を得る。
ちなみに、本実施の形態のコリメータ30Aでは、67Gaの300keVのγ線を撮像したとしても、体軸方向のペネトレーションは0.2%以下であり、十分無視しうる範囲である。体軸方向は周方向と孔幅が異なるため分解能が異なるが、おおよそ同程度の空間分解能が得られる。孔ピッチを2.8mmのまま体軸方向の孔幅Dcaを1.2mmにすれば周方向と同一の分解能が得られる。
(効 果)
このように本実施の形態の核医学診断装置1Aは、検出画素1つに1つの検出器21が対応し、カメラ部11の入射面の体軸方向に直角向に対しては、回転中心軸X1の複数の角度位置で取得した検出器21の出力を、各角度位置に対応した特定の検出器21の出力を組み合わせ、体軸方向には、カメラ部11をZ1方向に1画素分移動させるか、ベッド12をZ2方向に1画素分移動させて撮像し、体軸方向の1画素分のセプタ厚の影の影響を除去し、完全な垂直投影像を構成できる。
その結果、コリメータ30Aの開口部33の孔径が□1.4mmで、体軸方向および周方向の孔ピッチも1.4mm、つまり、セプタが無限小の仮想的なコリメータで取得した分布と同様の高空間分解能な投影像を得ることができる。
周方向に複数の角度位置で撮像することにより、高空間分解能を維持したまま周方向の孔間隔を広く取ることができ、つまり、周方向のセプタを厚くすることができ、高エネルギγ線撮像において、従来のMEGP、HEGPコリメータではどんなに時間をかけても得られなかった低エネルギγ線と同等のレベルの高空間分解能画像を取得することができる。
また、従来のパラレルホールコリメータでは、撮像に使用するγ線のエネルギに応じてその都度コリメータをγ線のエネルギに応じたセプタ厚のものに取り替える必要があった。しかし、本発明の放射線撮像装置3Aでは、撮像に利用する可能性のγ線のうち、最大のエネルギのγ線に対応したセプタ厚のコリメータ30Aとすることにより、高エネルギγ線撮像でも低エネルギγ線用の高分解能コリメータ同等の空間分解能を得ることができ、それをそのまま低エネルギγ線用の高分解能コリメータとしても利用できる。従って、γ線のエネルギの異なる複数核種による撮像においても、従来のように高いγ線エネルギの核種に合わせて分解能の劣るコリメータを選択する必要がない。
また、心臓の撮像等に用いられる123Iの撮像にも有効である。123Iは放出するγ線のほとんどが159keVと比較的低エネルギであるが、1.4%ほど存在する529keVの放出γ線によるペネトレーションの影響のため、中エネルギγ線用MEGPコリメータ等を用いることが多かった。本実施の形態の放射線撮像装置3Aを用いることで、低エネルギγ線用高分解能のLEHRコリメータ相当の空間分解能と感度で123Iの撮像を行うことが可能となる。さらに、ピクセル型の半導体放射線検出器21の優れたエネルギ分解能も利用することで、汎用的に使用されている99mTc(140keV)との分離も可能となり、これまで実現が困難であった123Iと99mTcの同時撮像も可能となる。他にも364keVのγ線を放出する131Iを用いた放射線治療の効果判定等にも有効である。また、高エネルギγ線撮像用のHEGPコリメータのセプタによって生じていたデッドスペース分の入射面積のロスがなくなり、感度も向上する。もちろん、回転中心軸X1の周方向に、開口部33の位置をずらすように3つの角度位置で撮像するため、セプタの陰影による感度ムラは生じない。
本実施の形態の図11において回転中心軸X1位置から距離Lだけ離れたコリメータ孔中心Pcでの検出器21と平行な平面で、投影ラインが検出器幅Wp間隔で並ぶようにステップ幅θpを設定すれば、距離Lを式(2)で決める整数mの値を変えても、例えば、Lを図11に示す100mmではなく、50mmや200mmにしても、同様にカメラ部11において1.4mm間隔の投影像が得られる。
なお、回転中心軸X1は、本実施の形態では入射面側に配置するものとしたがそれに限定されない。コリメータ孔中心Pcから検出器21側に式(2)で決める距離Lの位置に設けても良い。
本実施の形態におけるコリメータ30Aは、ガンマカメラ装置だけではなく、カメラ部11の回転中心軸X2による体軸周囲の旋回機構、ベッド12によるZ2方向の体軸移動機構、回転中心軸X1による回動機構を持つ現行のSPECT装置において、コリメータ30Aへの交換と、体軸周方向の撮像方法を変えるだけで、適用することが可能であり、高解像度SPECT装置とすることができる。そのようにコリメータ30AをSPECT装置に適用した場合を、後記する第3の実施の形態で説明する。本実施の形態のコリメータ30Aの形状は、ガンマカメラ装置よりも、後記する第3の実施の形態のSPECT装置で、より有用であり、ガンマカメラ装置として空間分解能の等方性を重視する場合は、後記する第2の実施形態を用いる方が望ましい。
また、カメラ部11の駆動機構が、入射面の体軸方向に直角方向の平行移動が可能なように対応していれば、体軸方向の撮像方式を周方向に適用してもよい。
《第2の実施の形態》
次に、本発明の第2の実施の形態に係る核医学診断装置であるガンマカメラ装置について、図23から図26を参照しながら説明する。
本実施の形態の核医学診断装置1Bの放射線撮像装置3Bは、基本的に第1の実施の形態と同じであるが、カメラ部11(図中、11A、11B)がガントリ10に保持される部分の可動方向と、コリメータの形状および検出器の配置が第1の実施の形態と異なる。本実施の形態では、カメラ部11のガントリ10に保持される部分が、回転中心軸X1(第1の回転中心軸)と、カメラ部11の入射面の中心を通る入射面と垂直の軸と直交し、回転中心軸X1に直交する回転中心軸X3(第3の回転中心軸)を有し、矢印R1および矢印R3で示す方向に回動可能となっているとともに、ガントリ10の中心部分の円筒形の開口部14の回転中心軸X2(第2の回転中心軸)を回転の中心として、前記開口部14周囲を矢印R2のように旋回(公転)可能となっている。図23中、カメラ部11Aの回転中心軸X1と回動方向を示す矢印R1を示すが、カメラ部11Bも同様である。
さらに、カメラ部11は、回転中心軸X2の径方向の内方および外方に矢印Yで示すように移動可能となっている。また、図23ではカメラ部11A、11Bは互いに180°対向するように配置してガントリ10に保持されているが、互いに干渉しない範囲で、例えば、互いに90°をなすように配置することも、また、カメラ部11A、11Bを2つ並べて平面状に配置することも可能なことは第1の実施の形態と同じである。
その他は、第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(コリメータ)
本実施の形態におけるコリメータ30Bの構造を図24の(a)の部分斜視図で示す。本実施の形態におけるコリメータ30Bは、第1の実施の形態のように回転中心軸X1の周方向(被検体2の体軸の周方向)だけでなく、回転中心軸X1の軸方向(被検体2の体軸方向)にもピンホールコリメータを複数並べて配置した形状をしており、コリメータ部材30c、30dにより構成されている。
なお、コリメータ部材30c、30dは、鉛、またはタングステン製であり、特に開口部33近傍は孔形状を維持する観点からも硬度の高いタングステンを用いることが望ましい。
(b)はコリメータ30Bを入射面側から見た図であり、開口部33は、最狭隘部分で周方向の孔幅Dcp、体軸方向の孔幅Dcaも1.2mm、つまり、コリメータ孔中心Pcの位置において□1.2mmの矩形の孔を有し、周方向にも体軸方向にも4.2mmのピッチWcp、Wcaで配列されている(図25、図26参照)。(c)は(a)におけるC−C矢視でコリメータ30Bの検出器21側を見た図であり、1つの放射線通路31に対して検出器21が体軸方向および周方向に検出器幅Wp、Waのピッチで3×3に配列されている(図25、図26参照)。検出器21は、第1の実施の形態と同じであり、CdTe半導体を用い、外形寸法は周方向の検出器幅Wpおよび体軸方向の検出器幅Waが、例えば、共に1.4mmである(図25、図26参照)。
図25および図26に、コリメータ30Bの放射線通路31と検出器21の配置における体軸径方向断面および体軸方向縦断面を示す。
図25、図26に示すように回転中心軸X1とコリメータ孔中心Pcとの距離Lおよび回転中心軸X3とコリメータ孔中心Pcとの距離Lは、例えば、それぞれ同じ100mm、コリメータ孔中心Pcと検出器実効中心Pとの距離Lcは、例えば50mmである。
開口部33の入射面側の周方向および体軸方向それぞれの開口角φ1P、φ1aの半値は、ともに3.09°、検出器21側の周方向および体軸方向それぞれの開口角φp、φaの半値も、ともに1.72°である。図25のB部拡大は、第1の実施の形態における図10の(e)と同じである。図26の開口部の拡大図は、省略するが図10の(e)と同じであり、その図においてφ1Pをφ1aに、φpをφaに読み直す。このような開口部33の孔幅Dcp、Dca、入射面側の開口角φ1P、φ1a、検出器21側の開口角φp、φa、検出器幅Wp、Wa、コリメータ孔中心Pcと検出器実効中心Pとの距離Lc、それぞれの設定は、第1の実施の形態の周方向の孔幅Dcp、開口角φ1P、φpに対して説明した考え方と同じである。
また、コリメータ孔中心Pcにおける開口部33の孔幅Dcpの図示しない中央Pから放射線通路31の3×3配列の検出器21の内の中央の検出器21と、それに周方向に隣り合う検出器21のそれぞれの検出器実効中心Pの配置ピッチを見込む角度θpは1.60°である。同様に、コリメータ孔中心Pcにおける開口部33の孔幅Dcaの中央Pから放射線通路31の3×3配列の検出器21の内の中央の検出器21と、それに体軸方向に隣り合う検出器21のそれぞれの検出器実効中心Pの配置ピッチを見込む角度θaも1.60°である。図示は省略するが、第1の実施の形態における図10の(a)〜(d)を参照して分かるように、1つの放射線通路31を通して各検出画素の検出器21に入射する見込み角は、いずれの検出器21に対して、周方向、体軸方向にもほぼ同等の見込み角度である。
(画像構成方法)
次に、このコリメータ30Bの構成と、検出器21の配置を用いた核医学診断装置(ガンマカメラ装置)1Bの作用と画像再構成方法を簡単に説明する。
第2の実施の形態では、カメラ部11の回転中心軸X1が、回転中心軸X2の周方向角度の一つのカメラ位置において、カメラ部11の入射面が回転中心軸X2の径方向に垂直に内方を向いている状態を、回転中心軸X1および回転中心軸X3に対する周方向0°として、回転中心軸X1に対して0°を中心にして−1.6°、0°、+1.6°の角度位置で撮像するとともに、それに、第1の実施の形態におけるZ1方向のカメラ部11の1.4mm幅の移動、もしくはZ2方向のベッド部12の1.4mm幅の移動を組み合わせる替わりに、回転中心軸X3の周方向への回動を組み合わせる。
回転中心軸X3の周方向への回動は、0°を中心にして−1.6°、0°、+1.6°の角度位置で撮像する。
本実施の核医学診断装置1Bでは、カメラ部11の入射面が回転中心軸X1、X3に対して0°の状態におけるカメラ部11の入射面に対して垂直な方向から入射するγ線の成分を「垂直成分」と定義する。この入射面の角度設定状態において、「垂直成分」以外の体軸方向に斜めに入射面に向かうγ線成分、周方向に斜めに入射面に向かうγ線成分も含む複数本の異なる方向の投影が得られる。また、前記「垂直成分」はそれぞれの開口部33を通して、各放射線通路31の周方向、体軸方向に配置した検出器21の一つにだけ入射する。
そこで、本実施の形態は、コリメータ30Bの開口部33の位置を周方向および体軸方向にずらすために回転中心軸X1および回転中心軸X3に対して0°を中心にして所定のステップ幅θp、または、ステップ幅θaだけ回動させた位置でも撮像し、それぞれのカメラ位置で「垂直成分」による検出器21の出力(撮像分布)を集めることを特徴としている。
コリメータ孔中心Pcと検出器実効中心P間の距離Lc、検出器幅Wpとしてカメラ部11の回動する回転中心軸X3の位置は、コリメータ孔中心Pcと回転中心軸X3との距離をLとして、整数nに対して(4)式で決める。整数nは、例えば、n=2とする。このとき回転中心軸X1に対し(3)式で与えられるステップ幅θaで回動し角度位置、−θa、±0、+θaにおいて撮像する。
=n×Lc ・・・・・・・・・・・・・(4)
θa=tan−1(Wa/Lc) ・・・・・・・・・・・・(5)
ただし、nは1つのコリメータ孔に対応する体軸方向1列分の検出画素数(この例では3)の倍数を除く整数。整数としているのは、図中に示している回転中心軸X3の位置が、γ線の入射方向と反対側である検出器側にあってもよいため(n<0を考慮)である。
本実施の形態における回転中心軸X1に対する所定の角度位置における撮像の作用は、第1の実施の形態において図11から図18を参照して説明したものと同じである。また、本実施の形態における回転中心軸X3に対する所定の角度位置における撮像の作用は、第1の実施の形態において図11から図18において、コリメータ30Aをコリメータ30Bに、回転中心軸X1を回転中心軸X3に、検出器幅Wpを検出器幅Waに、角度θpを角度θaに読み直せば良い。
中心軸X2(第2の中心軸)の周方向の1方向からの投影像を撮像する際に、中心軸X1(第1の中心軸)に対して所定のステップ幅θp、例えば、1.6°とし、中心軸X1回りの所定の角度位置、例えば、−1.6°、0°、+1.6°で撮像する。さらに、中心軸X3(第3の中心軸)に対して所定のステップ幅θa、例えば、1.6°とし、中心軸X3回りの所定の角度位置、例えば、−1.6°、0°、+1.6°で撮像する。従って、放射線通路31の入射面側の開口部33周囲のセプタ部分の厚さだけ周方向および体軸方向に位置をずらし、かつ入射面の角度を変えて、中・高エネルギのγ線源からの投影を高解像度で撮像することができる。本放射線撮像装置3Bを用いた核医学診断装置1Bは、中心軸X2の1方向からの投影像を画像化する処理において、中心軸X1および中心軸X3に対する複数の角度位置で撮像された複数のデータセットを用いるので、セプタの影の効果が小さく、検出入射γ線のエネルギレベルに依らず同じ空間分解能の画像を得ることができる。
(効 果)
以上のように本実施の形態の放射線撮像装置3Bによれば、周方向に対して第1の実施の形態で得られた効果が体軸方向でも得ることができる。また、周方向と体軸方向の空間分解能が等しいため、周方向および体軸方向に対して、高エネルギγ線撮像において低エネルギγ線撮像と同程度の高空間分解能の撮像ができる。その結果、放射線通路31間のセプタの投影面積分の感度低下がなく、感度の低下の生じない核医学診断装置を提供することができる。
第1の実施の形態と同様に、コリメータをγ線のエネルギに応じて変える必要性がない、すなわち、撮像対象とするγ線エネルギに依存しないコリメータとなり、高エネルギγ線撮像でも低エネルギγ線用の高分解能コリメータと同等の空間分解能を得ることができる。
本実施の形態の図25において回転中心軸X1位置から距離Lだけ離れたコリメータ孔中心Pcでの検出器21と平行な平面で、投影ラインが検出器幅Wp間隔で並ぶようにステップ幅θpを設定すれば、距離Lを式(2)で決める整数mの値を変えても、例えば、距離Lを図25に示す100mmではなく、50mmや200mmにしても、同様に1.4mm間隔の投影像が得られる。
同様に、本実施の形態の図26において回転中心軸X3位置から距離Lだけ離れたコリメータ孔中心Pcでの検出器21と平行な平面で、投影ラインが検出器幅Wa間隔で並ぶようにステップ幅θaを設定すれば、距離Lを式(4)で決める整数nの値を変えても、例えばLを図26に示す100mmではなく、50mmや200mmにしても、同様に1.4mm間隔の投影像が得られる。
なお、回転中心軸X1および回転中心軸X3は、本実施の形態では入射面側に配置するものとしたがそれに限定されない。コリメータ孔中心Pcから検出器21側に式(4)で決める距離Lおよび距離Lの位置に設けても良い。また、距離Lと距離Lは、同じ値であってもよいし、異なる値であっても良い。
(SPECT装置としての簡易的な使用方法)
なお、SPECT装置としての最適な使用法と詳細は第3の実施形態で述べるが、第1の実施の形態および第2の実施の形態における核医学診断装置1A、1Bは、平面投影画像を生成するガンマカメラ装置としてだけではなく、原理上断層画像を生成するSPECT装置としても使用できる。その場合に、前記高分解能の平面投影画像と同じ高分解能のSPECT画像(断層画像)を得るには、カメラ部11の入射面を回転中心軸X2と平行に保ち、回転中心軸X2回りに後記する式(7)にもとづく所定のステップ幅θSPECTの角度位置にカメラ部11を位置決めして1つの投影方向の撮像するときに、さらに、回転中心軸X1に対して−θp、0°、+θpのそれぞれの角度位置にカメラ部11を回動し位置決めして撮像する。このようにして、カメラ部11を回転中心軸X2回りに旋回させて撮像を続け、また、その後、ベッド12をZ2方向に検出画素分の距離(=検出器幅Wa)移動させることを交互に繰り返す。
回転中心軸X2回りの所定の角度位置における撮像を行なう際の、カメラ部11の回転中心軸X2回りの旋回と、回転中心軸X1回りの所定角度への回動の順は、前記に限らず、カメラ部11を所定の回転中心軸X1回りの角度位置に固定して、回転中心軸X2回りの撮像後に、別の所定の回転中心軸X1回りの角度位置に固定して、回転中心軸X2回りの撮像をするという順でも良い。
第2の実施の形態において前記のようにSPECT撮像を行なう場合、回転中心軸X3の回りには回動させず、第3の実施の形態と同様に被検体2を載せているベッド12を1画素単位、つまり、ここではWa1.4mmで体軸方向に移動し、カメラ部11を体軸周囲に旋回させて撮像することで、体軸方向に斜めの投影ラインのデータも得られるため、より高密度なデータとなり、体軸方向の空間分解能も向上する。
このSPECT装置としての用法の場合、データ処理装置5はその記憶部に、回転中心軸X2回りの1角度位置に対して、回転中心軸X1の−θp、0°、+θp角度位置の3つの撮像データセットを記憶し、回転中心軸X2回りの1角度位置におけるガンマ線のカメラ部11の入射面への前記「垂直成分」を回転中心軸X1の−θp、0°、+θp角度位置の3つの撮像データセットから抽出して断層画像の画像化処理をする。つまり、データ処理装置5の画像処理部は、回転中心軸X2回りの1角度位置に対する回転中心軸X1の−θp、0°、+θp角度位置のデータセットからカメラ部11の入射面への前記「垂直成分」を抽出して、回転中心軸X2回りの1角度位置に対するサイノグラムデータセットとし、記憶部に記憶する。それを各回転中心軸X2回りの角度位置に対して行い、回転中心軸X2回りの全周分のサイノグラムデータのセットを記憶部に蓄積し、その後、蓄積された回転中心軸X2回りの全周分のサイノグラムデータのセットにもとづいて、SPECT画像(断層画像)を生成する。
《第3の実施の形態》
次に、本発明の第3の実施の形態に係る核医学診断装置であるSPECT装置について、最適な使用方法を図27および図28を参照しながら説明する。
本実施の形態の核医学診断装置1Cの放射線撮像装置3Cは、基本的に第1の実施の形態と同じであるが、カメラ部11が第1の実施の形態の矢印Z1で示す方向の移動はしない点、コリメータ30Cの形状と撮像方法の点で第1の実施の形態と異なる。同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施の形態におけるコリメータ30Cは、第1の実施の形態における図8に示すコリメータ30Aに近い形状のものであるが、カメラ部11の撮像時の回転中心が回転中心軸X1から回転中心軸X2になったことが第1の実施の形態と異なる。すなわち、図11から図18において回転中心軸X1を回転中心軸X2に、コリメータ30Aをコリメータ30Cに、距離Lを距離LSPECTに読み替える。また、開口部33の入射面側の開口角φ1Pおよび検出器側の開口角φpの設定は、第1の実施の形態において図10の(a)〜(d)を用いて説明した同じ考え方で設定する。
開口部33の周方向の孔幅Dcp体軸方向の孔幅Dcaは、それぞれ、例えば、1.2mm、1.4mmである。開口部33の周方向のピッチWcp、体軸方向のピッチWcaはそれぞれ、例えば、4.2mm、2.8mmである。
検出器21は、CdTe半導体を用いたものであり、外形寸法は第1の実施の形態と同じ、周方向の検出器幅Wp、体軸方向の検出器幅Waともに、例えば、1.4mmであり、検出器21の奥行き長さDは、例えば、10mmである。
SPECT撮像するときは、図28に示すように、回転中心軸X2に対してコリメータ孔中心までの距離LSPECTとコリメータ長さLcを(6)式の関係を保ちつつ(7)式で示すステップ幅θSPECT(=θp)で体軸回りの角度位置を決めて撮像する。ガンマカメラでの実施の形態のように回転中心軸X1に対してカメラ部11を回動させる必要はない。回転中心軸X2が回転中心軸X1の代わりとなり、カメラ部11の回動動作は通常のSPECT撮像のための旋回動作だけで十分である。
SPECT=m’×Lc ・・・・・・・・・・・・・(6)
θSPECT=θp=tan−1(Wp/Lc)≒Wp/Lc ・・・・・(7)
ただし、m’は1つの開口部33に対応する周方向1列分の検出画素数(この例では3)の倍数を除く自然数である。この理由は、例えば、m’=3にすると、回転中心軸X2回りのステップ幅θSPECTの角度位置で撮像すると、所定の角度位置の前後の角度位置におけるカメラ部11の入射面への斜めの投影ラインの周方向位置が、前記所定の角度位置におけるカメラ位置の正面方向の投影ラインと重なってしまうためである。
次に、回転中心軸X2の配置とステップ幅θSPECTの効果と、画像再構成方法について説明する。
通常のパラレルホールコリメータを用いたSPECT撮像においては、カメラ部11の回転中心軸X2に対する1つのカメラ位置である角度位置(回転ステップ)につき、カメラ部11の入射面に垂直なγ線成分の投影(プロジェクション)が得られる。本実施の形態では、第1の実施の形態において図11から図15で説明したように、一つのカメラ位置で周方向に複数本の異なる方向の投影ラインのγ線成分が1つの放射線通路31に入射可能であり、その個々の投影ラインに対応する検出器21に撮像分布が得られる。カメラ部11の入射面に垂直な投影ラインのγ線成分は、周方向に飛び飛びの位置の検出器21において得られる。
第1の実施の形態で説明したように、ある所定の回転ステップに対して、その前後の回転ステップにおいて得られる周方向に斜め方向の投影ラインは、前記のある所定の回転ステップのカメラ位置における周方向の飛び飛びのカメラ部11の入射面に垂直な投影ラインをちょうど補完するものである。すなわち、θSPECT=θpとすると、データ処理装置5の画像処理部において、第1の実施の形態の図11から図18で説明したように、回転中心軸X2に対する1つの周方向の角度位置θx°において、径方向に垂直に面したカメラ部11の入射面へ入射するγ線の「垂直成分」を、角度位置θx°に加え、その前後の(θx−θp)°、(θx+θp)°の角度位置で撮像したデータセットから角度位置θx°位置における「垂直成分」のデータを抽出することで、サイノグラムデータにおける1つのプロジェクションデータセットを得ることができる。それを回転中心軸X2回りの前記所定の各角度位置に対して行い、回転中心軸X2回りの全周分のサイノグラムデータのセットを記憶部に蓄積し、その後、蓄積された回転中心軸X2回りの全周分のサイノグラムデータのセットにもとづいて、SPECT画像(断層画像)を再構成する。
このようにして得られたサイノグラムデータセットは、パラレルホールコリメータと同等の全方向のプロジェクションデータと同じものとなる。撮像は被検体2の周囲を回転するだけであり、通常のSPECT装置と変わらず、一周の撮像に要する時間は変わらない。
SPECT装置で画像再構成に必要な角度サンプリング数(回転ステップ数)Nは、画像のピクセルサイズをSa(mm)とし、視野の直径をDFOV(mm)とすると、次式(8)で求まるN以上とするのが望ましいとされている。
N=π・D/2Sa ・・・・・・・・・・・(8)
なお、ピクセルサイズをSa(mm)は、必ずしも検出器サイズWpと等しくする必要はない。
このときのステップ幅の最大値θmax(rad)は次式(9)から求まる。
θmax=2π/N=4Sa/DFOV ・・・・・・(9)
基本的にはステップ幅の最大値θmax以下の角度ステップでサイノグラムデータを収集する必要がある。今、回転中心軸X2を中心としたカメラの回転半径をLSPECTとするとDFOV=2LSPECTであり、θmaxは次式のように書き改められる。
θmax=2Sa/LSPECT ・・・・・・・・・(10)
これ以下の角度でサンプリングすることが、ピクセルサイズSaで画像再構成するための要件である。
したがって、本実施の形態において画像再構成を行うための条件は、θSPECT=θp≦θmax、すなわち、式(7)、式(10)から次式のようになる。
SPECT≦(2Sa/Wp)×Lc ・・・・・・(11)
ところで、SPECT画像の総合空間分解能Rt(mm)は、カメラ部11のシステム分解能Rs(mm)とピクセルサイズSaにより、次式(12)、(13)で与えられる。
Rt=(Rs+Sa1/2=(Ri+Rg+Sa1/2 ・・・・・(12)
Rs=(Ri+Rg1/2 ・・・・・・・・・(13)
ただし、Riは検出器21の固有分解能、Rgはコリメータ30Cの幾何分解能である。
この式から、ピクセルサイズSaは小さいほど総合空間分解能Rtがシステム分解能Rsに近づき、画質はよくなるが、Saを小さくすると回転ステップ数が増えることになり、データの収集時間(撮像時間)が長くなる。通常、SPECT画像のピクセルサイズSaは、サンプリング定理からの要求として、システム分解能Rsの1/2以下の値にする必要がある。ピクセル型検出器ではない、従来のシンチレータ検出器では、ピクセルサイズSaはシステム分解能Rsの1/2の値に近いピクセルサイズSaになる所定のマトリクスサイズ(例えば、128×128マトリクス)を選択することで決められている。このマトリクスサイズではピクセルサイズSaは、4mm程度となる。
一方、ピクセル型の検出器21の場合、可能なピクセルサイズSaは最小でWpであり、ピクセルサイズSaとしてはこの倍数を選択することになる。仮にピクセルサイズSa=Wp(=1.4mm)とした場合は、式(11)より、LSPECT≦2Lcの関係を満たす必要がある。Sa=2Wp(=2.8mm)とした場合は、LSPECT≦4Lcとなる。例えば、Lc=50mmとすると、LSPECT=200mmという値をとることができる。これは、頭部が十分入る大きさである。
このときのθSPECT=θp、は第1の実施の形態と同じ1.6度であり、画像再構成の要件のステップ幅の最大値θmaxをも満たし、回転中心軸X2周りの1周の撮像に対してパラレルホールコリメータと同等の条件である。
さらにSa=3Wp(=4.2mm)とした場合は、LSPECT≦6Lcとなり、Lc=50mmとすると、LSPECT=300mmとなり、体が入る大きさを確保することができ、高エネルギγ線撮像でも従来のLEHRと同程度の画像を得ることができる。
なお、このSPECT装置として、体軸の周方向にカメラ部11を周回させる場合、ベッド12を体軸方向に所定幅、例えば、検出器幅Waだけステップ的に移動させて撮像することにより、コリメータ30Cのコリメータ部材30bによる影の影響が緩和でき、体軸方向にも高分解能の画像を得ることができる。
(効 果)
本実施の形態の核医学診断装置1Cは検出画素1つに1つの検出器21が対応しており、検出器21の離散化した位置情報と、隣接する検出器21への入射を無視しうる範囲内で、斜めの入射γ線を回転ステップ毎に時分割して再構成することで、分解能を落とさずにコリメータ30Cの開口部33の数を少なくできる。その結果、隣接する孔と孔との間隔が広いため、十分なセプタ厚を確保したのと同じ効果を有し、ペネトレーションを十分に抑えることで、高エネルギγ線でも高分解能を達成しうる。
このように本発明の最大の効果としては、コリメータをγ線のエネルギによって変える必要性の本質的要因であったセプタ厚の影響が排除できる、すなわち、撮像対象とするγ線エネルギに依存しないコリメータとなり、高エネルギγ線撮像でも低エネルギγ線用の高分解能コリメータ同等の空間分解能を得ることができる点にある。
このことは撮像に利用する可能性のγ線のうち、最大のエネルギのγ線に対応したセプタ厚のコリメータ30Cとすることにより、γ線のエネルギの異なる複数核種での撮像においても高いエネルギの核種に合わせて分解能の劣るコリメータを選択する必要がない、また、エネルギレンジによって手間のかかるコリメータの交換の必要がないことを意味する。
また、セプタによって生じていたデッドスペース分の入射面積のロスがなくなり、感度も向上する。もちろん、セプタの陰影による感度ムラは生じない。
本実施の形態によれば、開口部33を小さくすることができるため、周方向および体軸方向に対して、高エネルギγ線撮像において低エネルギγ線撮像と同程度の高空間分解能の撮像ができる。
本実施の形態では図11のように回転中心軸X2の周方向の一つの角度位置で、カメラ部11の入射面に垂直な方向以外の周方向に斜めに入射面に向かうγ線成分も含む複数本の異なる方向の投影が得られるが、この斜めに入射面に向かうγ線成分を、隣接する周方向の角度位置における「垂直成分」として利用するだけなので、サンプリングするステップ幅θSPECTは通常のLEHRパラレルホールコリメータと同じである。従って、SPECT撮像に当たって、体軸回りを360°1周するのに要する時間は通常のLEHRパラレルホールコリメータと同じである。
高エネルギγ線用のパラレルホールコリメータと比較するならば、セプタの厚みによる開口面積のロスの影響がないため、感度が向上し、撮像時間を短縮することができる。例えば図22に示すHEGPパラレルホールコリメータ36Bではおよそ50%もの面積がセプタによって失われており、この分が有効になるだけでも同じ開口部の孔径では倍近い感度の向上が見込まれ、半分の撮像時間とすることができる。開口部の孔径を小さくすることができるため、高エネルギγ線撮像において低エネルギγ線撮像と同程度の高空間分解能の撮像ができる。体軸方向については通常のパラレルホールコリメータと同じ構造であるため、パラレルホールコリメータと同様の空間分解能が得られる。
また、図28において回転中心軸X2位置から距離LSPECTだけ離れたコリメータ孔中心Pcでの検出器21と平行な平面で、投影ラインが検出器幅Wp間隔で並ぶようにする。すなわち、(6)式に示すLSPECT=m’×LcのようにLSPECTを設定すれば、整数m’の値を変えても、例えば、LSPECTだけを、単独でさらに長くしても、または、逆に短くしても同様に1.4mm間隔の全プロジェクションが得られる。
本実施の形態においても第1の実施の形態のように本核医学診断装置1Cをガンマカメラ装置として平面投影画像の生成に使用することができる。例えば、回転中心軸X1をコリメータ孔中心Pcに対して検出器21側に設け、回転中心軸X1とコリメータ孔中心Pcとの距離Lを距離Lcと同一とすると、第1の実施の形態と同様な平面投影画像を生成するためのガンマカメラ装置として使用することができる。この場合は、回転中心軸X2の任意の周方向角度の1位置に対して、回転中心軸X1の回りに−θp、0、+θpと、3点で撮像することにより、第1の実施の形態と同じく、ガンマカメラ装置としての平面投影画像も生成できる。
(第3の実施の形態の変形例)
次に、本実施の形態における第1の変形例を説明する。変形例では本実施の形態で用いたコリメータ30Cの代わりに、第2の実施の形態における図24に示すコリメータ30Bに近い形状のもので1つの放射線通路31に対して検出器21が体軸方向および周方向に検出器幅Wp、Waのピッチで3×3に配列されているが、長さLcが異なるコリメータを用いる。その結果、入射面側の開口角φ1P、φ1a、検出器側の開口角φp、φa、角度θpが第2の実施の形態における値と異なる。開口部33の周方向の孔幅Dcp体軸方向の孔幅Dcaは、例えば、1.2mmである。開口部33の周方向のピッチWcp、体軸方向のピッチWcaは、例えば、4.2mmである。
検出器21は、CdTe半導体を用いたものであり、外形寸法は第1の実施の形態と同じ、周方向の検出器幅Wp、体軸方向の検出器幅Waともに、例えば、1.4mmであり、検出器21の奥行き長さDは、例えば、10mmである。
本変形例におけるコリメータは体軸方向もコリメータ30Cの周方向と同様な構成となっているため、カメラ部11を体軸の周方向に所定のステップ幅θSPECTで周回させて撮像すると、検出器21は、体軸方向に斜めに入射するγ線の成分も取り込むことになる。そこで、第2の実施の形態と同様にカメラ部11に回転中心として回転中心軸X3を設けて、θa=θpとして、回転中心軸X3の周方向の角度位置を−θa、0、+θaと固定してカメラ部11を体軸周りに回転させて撮像し、データ処理装置5において、体軸方向の断面においてγ線の「垂直成分」(回転中心軸X2の径方向外方成分)を取り出して画像再構成をするようにしても良い。
しかし、その撮像結果は、第3の実施の形態において被検体2を載せているベッド12を1画素単位、つまり、ここでは1.4mmで体軸方向に移動し、カメラ部11を体軸周囲に旋回させて撮像することで、検出器21単位で撮像した画像と同じになる。
ただし、体軸方向の1つの位置における周方向の一連の所定の角度位置の撮像において、回転中心軸X3周りの所定の角度位置における3回のステップを設けることなく、体軸方向に斜めに入射するγ線の検出信号を利用することで十分な精度の断層画像を得ることができるため、回転中心軸X3に対してカメラ部11を0°の角度位置に固定しても撮像は可能である。その場合、回転中心軸X3の回りには回動させず、第3の実施の形態と同様に被検体2を載せているベッド12を1画素単位、つまり、ここではWa1.4mmで体軸方向に移動し、カメラ部11を体軸周囲に旋回させて撮像することで、体軸方向に斜めの投影ラインのデータも得られるため、より高密度なデータとなり、体軸方向の空間分解能も向上する。
第1の変形例におけるコリメータを別の形状とした第2の変形例のコリメータ30Dを図29に示す。コリメータ30Dは入射面側の開口部33を周方向のピッチWcpを7mm、体軸方向のピッチWcaを4.2mmとしたものである。この場合は、図示を省略するが、検出器幅Wp=Wa=1.4mmの検出器21が放射線通路31の検出器側に周方向に5個、体軸方向に3個の5×3のマトリックスで配置される。このようにすることで、開口部33の数を減らすことができ、コリメータの製作コストを下げることができる。
なお、第1の実施の形態から第3の実施の形態およびその変形例におけるコリメータ30A、30B、30C、30Dの開口部33は、コリメータ孔中心Pcの入射面側および検出器側の両方に開口角を有するものとしたが、それに限定されるものではない。図30に示すように検出器側にのみ開口角を持たせるものとしても良い。
また、開口部33の孔形状を矩形として説明してきたが、それに限定されるものではなく、円形または楕円形でも良い。ただし、検出器21内に撮像に寄与しない部分ができるため、矩形の孔にするのが望ましい。さらに、コリメータ30A、30B、30C、30Dの放射線通路31の体軸方向および周方向の配置を方形格子の配列としたがそれに限定されるものではない。例えば、体軸方向に周方向のピッチWcpの半値幅だけ交互にずらして配置して、三角格子の配列としても良い。
《第4の実施の形態》
次に、第1の実施の形態におけるコリメータ30Aの構造を低エネルギγ線撮像用に適用する場合の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態および第3の実施の形態の核医学診断装置において、次に説明するような低エネルギγ線用のコリメータを組み合わせて用いるものである。
図31に示すようにコリメータ30Eは、図8に示す高エネルギγ線用のコリメータ30Aを低エネルギγ線用に適用したものであり、コリメータ部材30bの厚さが0.2mm、開口部33は周方向のピッチWcpが4.2mm、体軸方向のピッチWcaが1.4mmとなっている。低エネルギγ線の撮像を行なう場合に、第1の実施の形態、第3の実施の形態の核医学診断装置のコリメータ30A、30Cの代わりに適用可能である。
《第5の実施の形態》
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。本実施の形態では、第1から第4の実施の形態における核医学診断装置におけるコリメータ30A〜30Eの代わりに図32から図35に示すような構造のコリメータを適用する。
第1の実施の形態から第4の実施の形態におけるコリメータ30A〜30Eでは、放射線通路31をする側壁全体がγ線を遮蔽する遮蔽金属材料、例えば、鉛、タングステン等のコリメータ部材30a、30bまたはコリメータ部材30c、30dで構成されていたがこれに限定されるものではない。以下に、低エネルギγ線用を例に、コリメータが後記する初段コリメータ部材、中段コリメータ部材、終段コリメータ部材を重ねて構成されたものを説明する。低エネルギγ線用であるため、検出器奥行き長さ5mm(NaIシンチレータでおよそ8mm相当)にしてある。
図32に示すコリメータ37Aは、例えば、タングステンで構成されたγ線入射側の初段コリメータ部材37aと、検出器21側の鉛で構成された終段コリメータ部材37zとの間に複数枚の鉛で構成された中段コリメータ部材37b、37cと、各コリメータ部材の間を埋め放射線通路31の連続した側壁を構成する樹脂等のスペーサ部材38とからなる。各開口部33から検出器側に向かって周方向に3個の検出器21が見込めるようになっており、各検出器21に対して得られる線源からの投影ラインは図32に示すように斜めの線を含んだものになる。
鉛の遮蔽厚(通過距離)は、入射線に対しγ線のペネトレーションを1%以下にするためには、斜めの入射γ線に対して全コリメータの総厚として、140keVの99mTcではおよそ2mm程度、300keVのγ線を放出する67Gaではおよそ15mm、364keVのγ線を放出する131Iではおよそ25mm、511keVのγ線を放出する18F(ポジトロン放出核種)ではおよそ30mmの厚みを持っていれば十分な遮蔽性能が得られる。図32は99mTcを想定したもので、どのような斜めのγ線入射においても2mm以上の鉛通過厚が得られるようにし、隣接する放射線通路31への影響をなくしたものである。他のγ線エネルギの核種を使用する場合には、そのγ線エネルギに見合った厚みの初段コリメータ部材37a、中段コリメータ部材37b、37c、終段コリメータ部材37zを用いれば良い。各コリメータ部材の長さ方向を厚くするだけなので、容易に製作することができ、所要の空間分解能や感度を得ることができる。
図33に示すように等間隔に中段コリメータ部材37b〜37iを配置しても良い。
また、より薄いコリメータ部材を放射線通路31用の孔径を変えて多数用意し、多層に積層しても良い。その場合、放射線通路31用の孔自体にテーパーをつけずとも所要の開口角のコリメータを作ることが出来る。
また図34のように初段コリメータ部材37aに連なる中段コリメータ部材37b、37c、終段コリメータ部材37zを長さの短いパラレルホールコリメータと同じ形状とし、それを重ねても良い。図34では、コリメータ部材間のスペーサ部材38を省略して示してある。また、スペーサ部材38を介さず直接コリメータ部材37a〜37zを段積みして構成しても良い。
以上、例示した図32から図34のコリメータ37A、37B、37Cにおいて、各コリメータ部材の形状はこれに限定されるものではない。隣接する放射線通路31へのペネトレーションを抑えることさえできれば、コリメータ30A〜30Eと同様の作用、効果が得られる。
従来のように検出器21毎にパラレルホールコリメータの放射線通路31を形成する構造ではないので、放射線通路31の数も少なく、機械加工で孔を開けた鉛板を組み合わせて製造することができ、ピクセル型の半導体放射線検出器21の特長を生かす有効なコリメータが実現できる。それほど高いγ線エネルギでなければ、放射線通路31の側壁を全て遮蔽金属材料で構成する必要はない。遮蔽能力が足りればステンレス等でも構わない。また、複数枚に分割することで加工が容易になるし、スペーサ部材38を使用することでコリメータの重量を低減できる。スペーサ部材38と、初段コリメータ部材37a、中段コリメータ部材37b、37c、・・・、終段コリメータ部材37z等との接続は、容易である。また、鉛等の柔らかくて精度の維持が困難な遮蔽金属材料では比較的硬い樹脂で挟み込むことで強度と形を維持できる。
特に、コリメータ37Cでは、中段コリメータ部材37a、37b、終段コリメータ37zは放射線通路31を形成する孔が大きく、長さも短いパラレルホールの形状であり製造しやすい。また初段コリメータ部材37aは、厚みがそれほど厚くならず、セプタも厚いので十分製造可能である。
さらに、図35に示すように低γ線エネルギでは検出器21の奥行き長さDを薄くできるため、式(1)で決まる開口角φpの目安も大きな角度とすることができ、1つの放射線通路31に、周方向に配置する検出器21の数も、例えば、5個に増やすことが可能となり、4本の周方向の斜め投影ラインを利用することが可能となる。このコリメータ37Dを第1の実施の形態のガンマカメラ装置に適用する場合、回転中心軸X2に対する1つの角度位置における平面投影画像の生成のためには、回転中心軸X1の周方向の5個の角度位置分で1方向の「垂直成分」のプロジェクションを得る。また、第3の実施の形態に適用して、SPECT撮像時の回転中心軸X2周りのステップ幅θSPECTを式(3)で決まるθpと一致させ、回転中心軸X2周りの全周の回転ステップを収集すれば全方向のプロジェクションが得られるので、撮像時間はパラレルホールコリメータを用いた場合と変わらない。コリメータの周方向の開口部33の数が減るので、製作がより容易になり、コリメータの製作コストも低減することができる。
(各実施の形態のコリメータとピクセル型半導体放射線検出器による分解能)
次に、以上の第1〜第5の各実施の形態に適用するコリメータとピクセル型の半導体放射線検出器21の組み合わせによる分解能について説明する。
従来のNaIシンチレータのSPECT装置ではγ線の位置計測には複数の光電子増倍管の出力信号から重心演算により放射線検出位置を決定する。すなわち、アナログ的な位置出力を持った計測装置である。シンチレータは9mm〜15mm程度の厚みがあり、入射γ線が反応したシンチレーション光分布と光電子増倍管による重心演算による統計的なばらつきのために検出器自身の空間分解能(固有分解能)は約3mmが限界である。
近年、開発されてきている画像ピクセルに対応した離散的な検出器21単位、いわゆるピクセル型のCsI(Tl)シンチレータとフォトダイオードを用いたガンマカメラ(非特許文献1)やγ線を直接電気信号に変換することのできるピクセル型の半導体放射線検出器(非特許文献2)等、デジタル的な位置出力を持った核医学診断装置では、検出器21の幅は1.4mmのものも開発されており、固有分解能に相当する値としては1mm台とすることも可能である。
このようにピクセル型の検出器21を用いたSPECT装置、ガンマカメラ装置は検出器幅を小さくすることにより、シンチレータの固有分解能の限界3mm台よりも小さくすることができる。これらの装置のシステム分解能Rsは前記した式(13)で決まる。
コリメータの幾何分解能は撮像対象との距離が増えるにつれて大きくなり、平行多孔(パラレル)のLEHR(低エネルギ高分解能)コリメータでさえ、10cmの距離で空間分解能FWHMは7mm程度もあり、システム分解能は7〜8mmになっている。このようにコリメータの幾何分解能の方が検出器の固有分解能よりもはるかに大きいため、ほとんどコリメータの幾何分解能によってシステム分解能が決まっているといって良い。このため、ピクセル型の素子の特長である固有分解能のよさを生かすことができていなかった。
固有分解能のよさ生かす方法としては、ピクセルマッチドのパラレルもしくはファンビームコリメータを用いた近接撮像やセプタのないピンホールコリメータを用いる方法がある。
しかし、ピンホールコリメータは前記したように視野周辺部では画像がぼやけることになる。さらに、ファンビームやピンホールは像の拡大や感度向上が見込めるが、視野(FOV)が狭くなるというディメリットがある。周辺視野まで解像度を保ちつつ、被検体2を撮像するには検出器21と大きさ、位置ともに一致したピクセルマッチド・パラレルホールコリメータが望ましい。感度は低下するものの、コリメータの幾何分解能の影響を少なくするために深部での空間分解能を向上させる長尺のコリメータが必要である。仮に検出器21が1.4mm幅だとすると、コリメータから10cmの距離でのシステム分解能で4mmを達成するには、コリメータの長さがおよそ5cm必要である。システム分解能を3mmにするにはおよそ10cmものコリメータ長さが必要である。
このような開口部33が小孔径でセプタが薄く長尺のピクセルマッチド・パラレルコリメータ、特に、放射線通路31の断面形状が矩形のものを製作するのは現在の鋳込みによる製造方法では極めて困難であり、大きな課題の1つとなっている。
しかし、前記第5の実施の形態に記述した構成のコリメータ37A〜37Cを適用すれば、高分解能のコリメータが容易に実現できる。
さらに低エネルギの撮像といえども、パラレルホールコリメータではセプタの陰影による入射面積の損失(デッドスペース)による感度の低下は1つの課題である。現在のコリメータではセプタ厚は0.2mmが限界であるため、仮に1.4mm幅の検出器21ではおよそ26%の入射面積がデッドスペースとなっている。本発明ではこのような課題を解決し、ピクセル型の検出器の優れた固有分解能を生かすことができる。
本発明は、以上のように特に中高エネルギγ線撮像において低エネルギγ線撮像並みの優れた性能を有し、パラレルホールコリメータを用いたシステムとほぼ同等の視野で、使用するエネルギレンジに応じてコリメータを交換する必要もなく、セプタの影響のない感度の高い実用的な放射線撮像装置、および、ガンマカメラ装置、SPECT装置等の核医学診断装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る核医学診断装置(ガンマカメラ装置)を示す全体斜視図である。 放射線撮像装置のカメラ部を示す部分断面図である。 ピクセル型の半導体放射線検出器を示す斜視図である。 ピクセル型の半導体放射線検出器を示す斜視図である。 ピクセル型の半導体放射線検出器を示す斜視図であり、(a)は入射面側を示し、(b)は入射面の反対側面を示す斜視図である。 ピクセル型の半導体放射線検出器を示す斜視図である。 ピクセル型のシンチレータ検出器を示す斜視図である。 コリメータの構造図であり、(a)はコリメータの放射線通路を示す部分斜視図であり、(b)は入射面側の孔形状を示す図であり、(c)は(a)におけるA−A矢視の検出器配置を示す図である。 コリメータの放射線通路と検出器の周方向配置を示す断面図である。 コリメータの1つの放射線通路の周方向断面の拡大図であり、(a)は角度θpを説明する図、(b)から(d)は放射線通路に含まれる3つの検出器の見込み角を説明する図であり、(e)は放射線通路の開口部の入射面側および検出器側の開口角を説明する図である。 コリメータの投影ラインを示す図である。 角度位置0°の場合の入射γ線の垂直成分の投影ラインを示す図である。 角度位置−1.6°の場合の入射γ線の垂直成分の投影ラインを示す図である。 角度位置+1.6°の場合の入射γ線の垂直成分の投影ラインを示す図である。 角度位置0°、−1.6°、+1.6°の撮像を重ね合わせ、1投影方向の投影像が完成することを示す図である。 点線源の撮像において角度位置−1.6°の場合の、(a)は入射γ線の投影ラインを示す図であり、(b)はその検出信号を示す図である。 点線源の撮像において角度位置0°の場合の、(a)は入射γ線の投影ラインを示す図であり、(b)はその検出信号を示す図である。 点線源の撮像において角度位置+1.6°の場合の、(a)は入射γ線の投影ラインを示す図であり、(b)はその検出信号を示す図である。 図16、図17および図18における角度位置−1.6°、0°、+1.6°の撮像結果から「垂直成分」による出力だけを取り出して重ね合わせ画像化した、1投影方向の垂直成分の分布を示す図である。 比較例として参考に示す低エネルギγ線用高空間分解能パラレルホールコリメータを用いて点線源を撮像した場合の撮像分布を説明する図である。 比較例として参考に示す第1の実施の形態におけるコリメータを用いてNaIシンチレータで撮像した場合の撮像分布の例を示す図である。 比較例として参考に示すパラレルホールコリメータ(高エネルギ用汎用:HEGP)を用いてNaIシンチレータで撮像した場合の撮像分布の例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る核医学診断装置(ガンマカメラ装置)を示す全体斜視図である。 コリメータの構造図であり、(a)はコリメータの放射線通路を示す部分斜視図であり、(b)は入射面側の孔形状を示す図であり、(c)は(a)におけるC−C矢視の検出器配置を示す図である。 コリメータの放射線通路と検出器の周方向配置を示す断面図である。 コリメータの放射線通路と検出器の体軸方向配置を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る核医学診断装置(SPECT装置)を示めす全体斜視図である。 コリメータの放射線通路と検出器の周方向配置を示す断面図である。 第3の実施の形態におけるコリメータの第2の変形例を示す図である。 コリメータの開口部の変形例を説明する図である。 第4の実施の形態におけるコリメータを示す図である。 第5の実施の形態におけるコリメータを示す図である。 第5の実施の形態におけるコリメータを示す図である。 第5の実施の形態におけるコリメータを示す図である。 第5の実施の形態におけるコリメータを示す図である。
符号の説明
1A、1B、1C 核医学診断装置
2 被検体
3A、3B、3C 放射線撮像装置
5 データ処理装置
10 ガントリ
11A、11B カメラ部
12 ベッド
13 表示装置
14 開口部
21 放射線検出器
21A、21B、21C、21D 半導体放射線検出器(放射線検出器)
21E シンチレータ検出器(放射線検出器)
21a、21c、21e 電極
21b 入射面
21d 共通電極
21g シンチレータ
21h フォトダイオード
23 検出器基板
24 ASIC基板
25 集積回路(ASIC)
26 シールド筐体
27 FPGA
30、30A、30B、30C、30D、30E コリメータ
30a、30b、30c、30d コリメータ部材
31 放射線通路
33 開口部
35 開口部
37A、37B、37C、37D コリメータ
37a 初段コリメータ部材
37b、37c、37d、37e、37f、37g、37h、37i 中段コリメータ部材
37z 終段コリメータ部材
38 スペーサ部材
70 点線源
71 体積線源

Claims (22)

  1. 第1の回転中心軸を中心に回動可能なカメラ部を備え、該カメラ部は、その入射面側に複数の放射線通路が形成されたコリメータと、各放射線通路に対して放射線通路を通過する放射線を検出する複数の放射線検出器と、を有する放射線撮像装置において、
    前記コリメータの放射線通路は、前記放射線検出器側に向かって断面が、末広がりとなる形状であって、
    前記放射線検出器は、所定のサイズのものが各放射線通路に対して前記回動方向に複数配置されており、
    前記カメラ部は、1方向からの投影像を撮像する際に、前記回動方向における前記放射線検出器のサイズに応じて設定された前記第1の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像することを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記コリメータの放射線通路を形成する側壁のうち、少なくとも前記放射線通路の断面が前記放射線検出器に向かって末広がりとなる形状である壁面側が、放射線を遮蔽する複数枚の遮蔽金属からなるコリメータ部材を多段に配置した構成、または放射線を遮蔽する複数枚の遮蔽金属からなるコリメータ部材を多層に重ねた構成であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記コリメータの放射線通路は、前記放射線の入射面側の開口部断面が矩形に絞りこまれ、前記放射線検出器側に向かって断面が、前記第1の回転中心軸の軸方向に対しては平行で、かつ、前記第1の回転中心軸の周方向に対しては扇形に末広がりとなる形状であって、
    各前記放射線通路に対して平面状に配列された前記放射線検出器は、前記軸方向に1列、前記周方向には所定の複数列配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記第1の回転中心軸は、前記カメラ部の前記放射線検出器の配列面と、前記コリメータの複数の開口部の位置する面である開口部面と、の距離Lcの整数m倍の距離Lだけ前記開口部面から離れた位置にあり、
    前記第1の回転中心軸に対する複数の角度位置のステップ幅θpは、前記放射線検出器の周方向の幅がWpであるとき、θp=tan−1(Wp/Lc)で決まる値であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記放射線通路の前記周方向側の扇形の開き角度φpが、前記放射線検出器の前記周方向の幅がWp、奥行き長さがDのとき、φp=2×tan−1(Wp/D)以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記カメラ部は、
    ベッドに載せた被検体の体軸近傍の、該体軸に沿った第2の回転中心軸の回りを、その入射面を前記被検体側に向けて周方向に回動可能であり、
    前記第2の回転中心軸の周方向の角度位置を固定することにより前記1方向からの投影像を撮像することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記カメラ部を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、
    該放射線撮像装置からの放射線検出信号を処理し、画像化するデータ処理装置と、を備え、
    該データ処理装置は、1方向からの投影像を画像化する処理において、前記第1の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像された複数のデータセットを用いることを特徴とする核医学診断装置。
  8. 前記カメラ部を有する請求項6に記載の放射線撮像装置と、
    該放射線撮像装置からの放射線検出信号を処理し、画像化するデータ処理装置と、を備え、
    該データ処理装置は、前記第2の回転中心軸回りの1角度位置における径方向の、前記カメラ部の入射面に入射する放射線の投影像を、前記第1の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像された複数のデータセットを用いて構成し、断層画像を生成することを特徴とする核医学診断装置。
  9. さらに、前記第1の回転中心軸に直交する第3の回転中心軸を中心に前記カメラ部は回動可能であり、
    前記コリメータの放射線通路は、前記放射線検出器側に向かって断面が、前記第1の回転中心軸の周方向および前記第3の回転中心軸の周方向に対し扇形に末広がりとなる形状であって、
    前記放射線検出器は、所定のサイズのものが各放射線通路に対して前記第1の回転中心軸および第3の回転中心軸の前記回動方向に複数配置されており、
    前記カメラ部は、1方向からの投影像を撮像する際に、前記第1の回転中心軸を中心とする回動方向における前記放射線検出器のサイズに応じて設定された前記第1の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像するとともに、前記第3の回転中心軸を中心とする回動方向における前記放射線検出器のサイズに応じて設定された前記第3の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  10. 前記コリメータの放射線通路の断面が前記放射線検出器に向かって末広がりとなる形状である壁面側が、放射線を遮蔽する複数枚の遮蔽金属からなるコリメータ部材を多段に配置した構成、または放射線を遮蔽する複数枚の遮蔽金属からなるコリメータ部材を多層に重ねた構成であることを特徴とする請求項9に記載の放射線撮像装置。
  11. 前記第1および第3の回転中心軸は、それぞれ前記カメラ部の前記放射線検出器の配列面と前記コリメータの複数の開口部が位置する面である開口部面との距離Lcのそれぞれ整数m倍の距離L、および整数n倍の距離Lだけ前記開口部面から離れた位置にあり、
    前記第1の回転中心軸に対する複数の角度位置のステップ幅θpは、前記放射線検出器の前記第1の回転中心軸の周方向の幅がWpであるとき、θp=tan−1(Wp/Lc)であり、
    前記第3の回転中心軸に対する複数の角度位置のステップ幅θaは、前記放射線検出器の前記第3の回転中心軸の周方向の幅がWaであるとき、θa=tan−1(Wa/Lc)であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の放射線撮像装置。
  12. 前記放射線通路の前記第1の回転中心軸の周方向側の扇形の開き角度φpは、前記放射線検出器の前記第1の回転中心軸の周方向の幅がWp、奥行き長さがDのとき、φp=2×tan−1(Wp/D)以下であり、
    前記放射線通路の前記第3の回転中心軸の周方向側の扇形の開き角度φaは、前記放射線検出器の前記第3の回転中心軸の周方向の幅がWa、奥行き長さがDのとき、φa=2×tan−1(Wa/D)以下であることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  13. 前記コリメータの開口部が前記第1の回転中心軸方向および前記第3の回転中心軸方向にも方形格子状に配列されていることを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  14. 前記カメラ部は、
    ベッドに載せた被検体の体軸近くの、該体軸に沿った第2の回転中心軸の回りを、その入射面を前記被検体側に向けて周方向に回動可能であり、
    前記第2の回転中心軸の周方向角度位置を固定することにより前記1方向からの投影像を撮像することを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  15. 前記カメラ部を有する請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、
    該放射線撮像装置からの放射線検出信号を処理し、画像化するデータ処理装置と、を備え、
    該データ処理装置は、1方向からの投影像を画像化する処理において、前記第1の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像された複数のデータセットと、前記第3の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像された複数のデータセットと、を用いることを特徴とする核医学診断装置。
  16. 前記カメラ部を有する請求項14に記載の放射線撮像装置と、
    該放射線撮像装置からの放射線検出信号を処理し、画像化するデータ処理装置と、を備え、
    該データ処理装置は、前記第2の回転中心軸回りの1角度位置における径方向の、前記カメラ部の入射面に入射する放射線の投影像を、前記第3の回転中心軸に対して所定の角度位置に固定した状態での前記第1の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像された複数のデータセットを用いて構成し、断層画像を生成することを特徴とする核医学診断装置。
  17. ベッドに載せた被検体の体軸回りを回動可能なカメラ部を備え、該カメラ部は、その入射面側に複数の放射線通路が形成されたコリメータと、各放射線通路に対して放射線通路を通過する放射線を検出する複数の放射線検出器と、を有し、
    前記体軸回りの回動の中心軸である第2の回転中心軸が前記体軸近傍に体軸に沿って設定され、
    前記カメラ部は、被検体の断層画像を撮像する際に、前記第2の回転中心軸を中心に所定のステップ幅θpの複数の角度位置で撮像する放射線撮像装置において、
    前記コリメータの放射線通路は、前記放射線検出器側に向かって断面が、末広がりとなる形状であって、
    前記放射線検出器は、所定のサイズのものが各放射線通路に対して、前記第2の回転中心軸回りの回動方向に複数配置されており、
    前記放射線通路の前記第2の回転中心軸の周方向側の扇形の開き角度φpが、前記放射線検出器の前記周方向の幅がWp、奥行き長さがDのとき、φp=2×tan-1(Wp/D)以下であり、
    前記第2の回転中心軸は、前記カメラ部の前記放射線検出器の配列面と、前記コリメータの複数の開口部の位置する面である開口部面と、の距離Lcの自然数m'倍の距離Lだけ開口部面から離れた位置にあり、
    前記ステップ幅θpは、前記放射線検出器の周方向の幅がWpであるとき、θp=tan-1(Wp/Lc)で決まる値であることを特徴とする放射線撮像装置。
  18. 前記コリメータの放射線通路を形成する側壁のうち、少なくとも前記放射線通路の断面が前記放射線検出器に向かって末広がりとなる形状である壁面側が、放射線を遮蔽する複数枚の遮蔽金属からなるコリメータ部材を多段に配置した構成、または放射線を遮蔽する複数枚の遮蔽金属からなるコリメータ部材を多層に重ねた構成であることを特徴とする請求項17に記載の放射線撮像装置。
  19. 前記コリメータの放射線通路は、前記放射線の入射面側の開口部断面が矩形に絞りこまれ、前記放射線検出器側に向かって断面が、前記第2の回転中心軸の軸方向に対しては平行で、かつ、前記第2の回転中心軸の周方向に対しては扇形に末広がりとなる形状であって、
    各前記放射線通路に対して平面状に配列された前記放射線検出器は、前記軸方向に1列、前記周方向には所定の複数列配置されていることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の放射線撮像装置。
  20. 前記カメラ部を有する請求項17から請求項19のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、
    該放射線撮像装置からの放射線検出信号を処理し、画像化するデータ処理装置と、を備え、
    該データ処理装置は、前記第2の回転中心軸回りの1角度位置における径方向の、前記カメラ部の入射面に入射する放射線の投影像を前記第2の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像された複数のデータセットを用いて構成し、断層画像を生成することを特徴とする核医学診断装置。
  21. さらに、前記カメラ部の入射面の中心を通る前記入射面と垂直の軸と直交し、前記第2の回転中心軸と直角の第3の回転中心軸を中心に前記カメラ部は回動可能であり、
    前記コリメータの放射線通路は、前記放射線検出器側に向かって断面が、前記第2の回転中心軸の周方向および前記第3の回転中心軸の周方向に対し扇形に末広がりとなる形状であって、
    前記放射線検出器は、所定のサイズのものが各放射線通路に対して前記第2の回転中心軸および第3の回転中心軸の前記回動方向に複数配置されており、
    前記放射線通路の前記第3の回転中心軸の周方向側の扇形の開き角度φaは、前記放射線検出器の前記周方向の幅がWa、奥行き長さがDのとき、φa=2×tan-1(Wa/D)以下であり、
    前記第3の回転中心軸は、前記カメラ部の前記放射線検出器の配列面と、前記コリメータの複数の開口部の位置する面である開口部面と、の距離Lcの整数n倍の距離L1だけ前記開口部面から離れた位置にあり、
    前記放射線検出器の周方向の幅がWaであるとき、θa=tan-1(Wa/Lc)で決まるステップ幅θaで、前記カメラ部は、その入射面を前記被検体側に向けて、前記第3の回転中心軸に対する複数の角度位置で、前記第2の回転中心軸の周方向に前記ステップ幅θpの角度位置で旋回しつつ撮像することを特徴とする請求項17または請求項18に記載の放射線撮像装置。
  22. 前記カメラ部を有する請求項21に記載の放射線撮像装置と、
    該放射線撮像装置からの放射線検出信号を処理し、画像化するデータ処理装置と、を備え、
    該データ処理装置は、前記第2の回転中心軸回りの1角度位置における径方向の、前記カメラ部の入射面に入射する放射線の投影像を、前記第2の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像された複数のデータセットと、前記第3の回転中心軸に対する複数の角度位置で撮像された複数のデータセットと、を用いて構成し、断層画像を生成することを特徴とする核医学診断装置。
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